JP2007039385A - 塩基部無保護ホスホロアミダイト化合物の製造方法 - Google Patents

塩基部無保護ホスホロアミダイト化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 水酸基選択的な反応等の複雑な反応を必要としない簡素な方法により、塩基部無保護ホスホロアミダイト化合物を製造する方法を得る。
【解決手段】 塩基部保護ホスホロアミダイト化合物の塩基部を、アンモニア/メタノール溶液またはメチルアミン/THF溶液を用いて脱保護する。塩基部保護ホスホロアミダイト化合物としては、ヌクレオシドの塩基部を保護した後に5’−OH基を保護し、さらに3’−OH基をホスホロアミダイト化したものが好ましい。本発明によれば、水酸基選択的な反応等の複雑な反応を必要としない簡素な方法により、塩基部無保護ホスホロアミダイト化合物を製造する方法を得ることができ、塩基部無保護ホスホロアミダイト化合物を大量に生産できる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、DNA等の核酸の合成に用いられるホスホロアミダイト化合物の製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、塩基部を保護しないホスホロアミダイト化合物の製造方法に関する。
DNA等の核酸の合成法としては、現在ホスホロアミダイト法が多く用いられている。このホスホロアミダイト法は、ヌクレオチドの亜リン酸アミドを用いて、順次ヌクレオチドを付加していく反応を行うものである。ここで、伸長反応が起きて欲しくない反応性に高い基については、適当な保護基を用いて保護しておく必要がある。例えば、各ヌクレオチドの塩基部は、アシル基やベンゾイル基などの保護基を用いて保護する必要があり、5’−OH基は、ジメトキシトリチル基などの保護基を用いて保護する必要がある。
そして、反応後に塩基部の保護基を脱保護するために、アンモニア等による長時間の処理を行う必要がある。しかし、この塩基部の脱保護の際に、合成した核酸が分解して、収率の低下をもたらす場合がある。
このため、塩基部の脱保護工程を要しない方法として、塩基部無保護のホスホロアミダイト法がいくつか提案されている(特許文献1参照)。
ここで、塩基部無保護のホスホロアミダイト化合物を製造する方法としては、ヌクレオシドの5’−OH基に水酸基選択的なトリチル化反応を行い、さらに3’−OH基に水酸基選択的なホスホロアミダイト化反応を行う必要がある(特許文献2参照)。
しかし、これらの水酸基選択的な反応は煩雑であり、塩基部無保護のホスホロアミダイト化合物を大量に生産するのには、適していない。
特開2004−99532 特開2003−2895
本発明の課題は、水酸基選択的な反応等の複雑な反応を必要としない簡素な方法により、塩基部無保護ホスホロアミダイト化合物を製造する方法を得ることにある。
本発明らは、塩基部保護ホスホロアミダイト化合物を出発物質として、特定の溶液を用いて塩基部の脱保護を行うことにより、塩基部無保護ホスホロアミダイト化合物を簡素かつ効率的に製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、これまでは、ホスホロアミダイト化合物の化学的安定性が乏しいと考えられていたが、本発明者らは、特定の溶液中では安定であることを発見し、これらの溶液中で保護された塩基部を脱保護することにより、塩基部無保護のホスホロアミダイト化合物を容易に製造できることを見出した。
即ち、本発明は、塩基部保護ホスホロアミダイト化合物の塩基部を、アンモニアおよび/またはアミンを含む溶液を用いて脱保護することを特徴とする、塩基部無保護ホスホロアミダイト化合物の製造方法である。
また、本発明は、アンモニアおよび/またはアミンを含む溶液の溶媒が、低級アルコールおよび/またはTHFを含むことを特徴とする、上記の製造方法である。
また、本発明は、アミンが、アルキルアミン、ジアルキルアミン、またはトリアルキルアミンであることを特徴とする、上記の製造方法である。
また、本発明は、アルキルアミンが、メチルアミンであることを特徴とする、上記の製造方法である。
また、本発明は、低級アルコールが、メタノール、エタノール、プロパノール、またはイソプロパノールであることを特徴とする、上記の製造方法である。
また、本発明は、アンモニアおよび/またはアミンを含む溶液が、アンモニア/メタノール溶液またはメチルアミン/THF溶液である、上記の製造方法である。
また、本発明は、塩基部保護ホスホロアミダイト化合物が、ヌクレオシドの塩基部を保護した後に5’−OH基を保護し、さらに3’−OH基をホスホロアミダイト化することにより得られることを特徴とする、上記の製造方法である。
また、本発明は、上記の方法により製造された塩基部無保護ホスホロアミダイト化合物を用いることを特徴とする、核酸の製造方法である。
本発明によれば、水酸基選択的な反応等の複雑な反応を必要としない簡素な方法により、塩基部無保護ホスホロアミダイト化合物を製造する方法を得ることができ、塩基部無保護ホスホロアミダイト化合物を大量に生産できる。
本発明の出発物質として用いる塩基部保護ホスホロアミダイト化合物としては、DNA合成試薬として広く市販されているもの等、いずれのものであっても用いることができる。例えば、ヌクレオシドの塩基部がアシル基、ベンゾイル基、フェノキシアセチル基などの保護基により保護され、ヌクレオシドの5’−OH基がジメトキシトリチル基などの保護基により保護され、ヌクレオシドの3’−OH基がホスホロアミダイト化されているものを挙げることができる。なお、これらの保護基は、上記のものに限定されず、いずれのものも用いることができる。
より具体的には、5’−O−(ジメトキシ)トリチル−N−アセチル−2’−デオキシシチジン−3’−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト)、5’−O−(ジメトキシ)トリチル−N−ベンゾイル−2’−デオキシシチジン−3’−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト)、5’−O−(ジメトキシ)トリチル−N−フェノキシアセチル−2’−デオキシアデノシン−3’−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト)、5’−O−(ジメトキシ)トリチル−N−フェノキシアセチル−2’−デオキシグアノシン−3’−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト)、5’−O−(ジメトキシ)トリチル−N−ベンゾイル−2’−デオキシグアノシン−3’−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト)、等を塩基部保護ホスホロアミダイト化合物の例として挙げることができる。
なお、これらの塩基部保護ホスホロアミダイト化合物は、一般的に、以下の工程によって製造される。即ち、ヌクレオシドの塩基部をアシル基やベンゾイル基などの保護基を用いて保護する。次に、ヌクレオシドの5’−OH基を、ジメトキシトリチル基などの保護基を用いて保護する。そして、ヌクレオシドの3’−OH基を、ホスホロアミダイト化する。この方法によれば、まず塩基部を保護するため、その後の5’−OH基や3’−OH基における反応を、水酸基選択的な反応とする必要はなく、比較的簡素な方法により、塩基部保護ホスホロアミダイト化合物を製造することができる。
本発明において、塩基部の脱保護に用いられる溶液としては、溶質としてアンモニアおよび/またはアミンを含むものである。ここで、アミンとしては、塩基部の脱保護ができるものであれば特に制限はないが、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等のアルキルアミン;ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン等のジアルキルアミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン等のトリアルキルアミン等を挙げることができる。これらの中で、特にメチルアミンが好ましいアミンとして挙げられる。
また、本発明において、塩基部の脱保護に用いられる溶液の溶媒としては、低級アルコールおよび/またはTHFを含むことが好ましい。低級アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等を挙げることができ、特にメタノールを好ましい例として挙げることができる。
これらの溶質と溶媒の組み合わせは、塩基と脱保護する保護基の性質に応じて適宜決定される。例えば、アデニン塩基をフェノキシアセチル基で保護した場合は、脱保護するための溶液としてアンモニア/メタノールの組み合わせが好ましく、また、シトシン塩基やアデニン塩基をベンゾイル基で保護した場合は、メチルアミン/THFの組み合わせが好ましい。
本発明で用いられるアンモニアおよび/またはアミンを含む溶液の濃度としては、特に制限はないが、通常0.1〜50M、好ましくは0.5〜10M、より好ましくは1〜5Mのものが挙げられる。
塩基部の脱保護の反応時間としては、特に制限はないが、例えば、1分〜100時間、好ましくは10分〜60時間、より好ましくは30分〜10時間、さらに好ましくは1時間〜5時間を挙げることができる。
塩基部の脱保護の反応温度としては、特に制限はないが、例えば、0〜100℃、好ましくは5〜80℃、より好ましくは10〜50℃、さらに好ましくは15〜35℃を挙げることができ、通常は室温付近で反応を行うことができる。
本発明の塩基部無保護ホスホロアミダイト化合物の製造方法の手順としては、例えば、塩基部保護ホスホロアミダイト化合物を、アンモニアおよび/またはアミンを含む溶液に溶解または分散させて所定時間攪拌し、その後、溶媒を留去して、カラムクロマトグラフィー等で精製することにより、目的物を得ることができる。
本発明の製造方法により得られた塩基部無保護ホスホロアミダイト化合物を用いて核酸を製造する方法としては、特に制限はなく、通常の塩基部無保護ホスホロアミダイト化合物を用いた核酸の合成方法を用いることができる。
例えば、固相合成により核酸を合成する場合においては、市販のDNA合成装置を用いて、3’位をO−固相担体に結合したヌクレオシドに対して、本発明により得られた塩基部無保護ホスホロアミダイト化合物を伸長剤として添加し、1−ヒドロキシ−6−ニトロベンゾロリアゾール、イミダゾリニウムトリフレート等の反応促進剤を用いてカップリング反応を行う。アセトニトリル等で洗浄を行った後、酸化してリン酸トリエステルとした後、トリクロロ酢酸等で5’−OHの保護基をはずし、次の伸長反応を行う。これらの操作を繰り返すことにより、塩基部の脱保護を必要とすることなく、核酸を効率的に合成することができる。
以下、実施例を示して本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
5’−O−(ジメトキシ)トリチル−2’−デオキシシチジン−3’−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト)の製造
5’−O−(ジメトキシ)トリチル−N−アセチル−2’−デオキシシチジン−3’−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト)(216mg,0.28mmol)を2Mアンモニア−メタノール溶液(2.5ml)に溶解させた。2時間撹拌した後、溶媒を減圧留去させた。この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(1% トリエチルアミン)により精製し、ヘキサンに50〜100%クロロホルム、続いてクロロホルムに0〜3%メタノールのグラジエントをかけて溶出し、溶媒を留去し目的の白色個体を得た。(190mg,94%)
31P−NMR(CDCl3):148.7−148.3
1H−NMR(CDCl3):0.95−1.09(m,12H),2.03−2.19(m,1H),2.25(t,1H,J=10.4Hz),2.42−2.55(m,2H),3.22−3.56(m,5H),3.57−3.72(m,7H),4.03−4.09(m,1H),4.41−4.55(m,1H),5.40−5.55(m,1H),6.10−6.27(m,1H),6.70−6.81(m,4H),7.08−7.36(m,11H),760−7.69(m,1H)、7.67−7.78(2s,1H)
Anal.Calcd for C394857P:C64.18,H6.63,N9.60,Found:C63.99,H6.62,N9.88,
Figure 2007039385
<実施例2>
5’−O−(ジメトキシ)トリチル−2’−デオキシシチジン−3’−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト)の製造
5’−O−(ジメトキシ)トリチル−N−アセチル−2’−デオキシシチジン−3’−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト)(216mg,0.28mmol)を2Mメチルアミン−THF溶液(2.5ml)に溶解させた。2時間撹拌した後、溶媒を減圧留去させた。この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(1% トリエチルアミン)により精製し、ヘキサンに50〜100%クロロホルム、続いてクロロホルムに0〜3%メタノールのグラジエントをかけて溶出し、溶媒を留去し目的の白色個体を得た。(198mg,97%)
Figure 2007039385
<実施例3>
5’−O−(ジメトキシ)トリチル−2’−デオキシシチジン−3’−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト)の製造
5’−O−(ジメトキシ)トリチル−N−ベンゾイル−2’−デオキシシチジン−3’−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト)(233mg,0.28mmol)を2Mメチルアミン−THF溶液(2.5ml)に溶解させた。12時間撹拌した後、溶媒を減圧留去させた。この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(1% トリエチルアミン)により精製し、ヘキサンに50〜100%クロロホルム、続いてクロロホルムに0〜3%メタノールのグラジエントをかけて溶出し、溶媒を留去し目的の白色個体を得た。(174mg,85%)
Figure 2007039385
<実施例4>
5’−O−(ジメトキシ)トリチル−2’−デオキシアデノシン−3’−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト)の製造
5’−O−(ジメトキシ)トリチル−N−フェノキシアセチル−2’−デオキシアデノシン−3’−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト)(196mg,0.24mmol)を2Mアンモニア−メタノール溶液(2.5ml)に溶解させた。1時間撹拌した後、溶媒を減圧留去させた。この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(1%トリエチルアミン)により精製し、ヘキサンに50〜100%クロロホルム、続いてクロロホルムに0〜3%メタノールのグラジエントをかけて溶出し、溶媒を留去し目的の白色個体を得た。(177mg,98%)
31P−NMR(CDCl3):149.4−149.3
1H−NMR(CDCl3):1.05−1.33(m,12H ),2.42(t,1H,J=10.5Hz),2.43−2.72(m,2H),2.81−2.93(m,1H),3.22−3.78(m,12H),4.23−4.55(m,1H),4.70−4.83(m,1H),6.04−6.20(br,s,2H),6.42−6.49(m,1H),6.72−6.78(m,4H),7.13−7.42(m,9H),7.96,8.01(2s,1H),8.25(s,1H)
Anal.Calcd for C404876P:C63.73,H6.42,N13.01,Found:C63.71,H6.40,N13.05,
Figure 2007039385
<実施例5>
5’−O−(ジメトキシ)トリチル−2’−デオキシアデノシン−3’−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト)の製造
5’−O−(ジメトキシ)トリチル−N−フェノキシアセチル−2’−デオキシアデノシン−3’−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト)(215mg,0.24mmol)を2Mメチルアミン−THF溶液(2.5ml)に溶解させた。1時間撹拌した後、溶媒を減圧留去させた。この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(1% トリエチルアミン)により精製し、ヘキサンに50〜100%クロロホルム、続いてクロロホルムに0〜3%メタノールのグラジエントをかけて溶出し、溶媒を留去し目的の白色個体を得た。(175mg,97%)
Figure 2007039385
<実施例6>
5’−O−(ジメトキシ)トリチル−2’−デオキシアデノシン−3’−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト)の製造
5’−O−(ジメトキシ)トリチル−N−フェノキシアセチル−2’−デオキシアデノシン−3’−(2−シアノエチル N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト)(215mg,0.24mmol)を2Mメチルアミン−THF溶液(2.5ml)に溶解させた。2時間撹拌した後、溶媒を減圧留去させた。この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(1% トリエチルアミン)により精製し、ヘキサンに50〜100%クロロホルム、続いてクロロホルムに0〜3%メタノールのグラジエントをかけて溶出し、溶媒を留去し目的の白色個体を得た。(161mg,89%)
Figure 2007039385
<実施例7>
5’−O−(ジメトキシ)トリチル−2’−デオキシグアノシン−3’−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト)の製造
5’−O−(ジメトキシ)トリチル−N−フェノキシアセチル−2’−デオキシグアノシン−3’−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト)(420mg,0.44mmol)を2Mアンモニア−メタノール溶液(4.5ml)に溶解させた。2時間撹拌した後、溶媒を減圧留去させた。この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(1%トリエチルアミン)により精製し、ヘキサンに50〜100%クロロホルム、続いてクロロホルムに0〜3%メタノールのグラジエントをかけて溶出し、溶媒を留去し目的の白色個体を得た。(298mg,88%)
31P−NMR(CDCl3):149.4−149.2
1H−NMR(CDCl3):1.01−1.25(m,12H ),2.41(t,1H, J=10.5Hz),2.43−2.77(m,3H),3.31−3.80(m,12H),4.11−4.18(m,1H),4.55−4.61(m,1H),6.43−6.49(m,1H),6.74−6.80(m,4H),7.10−7.36(m,11H),760−7.69(m,1H)
Anal.Calcd for C404877P:C62.41,H6.28,N12.55,Found:C62.30,H6.39,N12.55,
Figure 2007039385
<実施例8>
5’−O−(ジメトキシ)トリチル−2’−デオキシグアノシン−3’−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト)の製造
5’−O−(ジメトキシ)トリチル−N−フェノキシアセチル−2’−デオキシグアノシン−3’−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト)(420mg,0.44mmol)を2Mアンモニア−メタノール溶液(4.5ml)に溶解させる。2時間撹拌した後、溶媒を減圧留去させた。この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(1%トリエチルアミン)により精製し、ヘキサンに50〜100%クロロホルム、続いてクロロホルムに0〜3%メタノールのグラジエントをかけて溶出し、溶媒を留去し目的の白色個体を得た。(298mg,90%)
Figure 2007039385
<実施例9>
5’−O−(ジメトキシ)トリチル−2’−デオキシグアノシン−3’−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト)の製造
5’−O−(ジメトキシ)トリチル−N−ベンゾイル−2’−デオキシグアノシン−3’−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルホスホロアミダイト)(252mg,0.3mmol)を2Mアンモニア−メタノール溶液(4.5ml)に溶解させた。2時間撹拌した後、溶媒を減圧留去させた。この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(1%トリエチルアミン)により精製し、ヘキサンに50〜100%クロロホルム、続いてクロロホルムに0〜3%メタノールのグラジエントをかけて溶出し、溶媒を留去し目的の白色個体を得た。(173mg,75%)
Figure 2007039385
<実施例10〜17>
上記の実施例と同様にして、表1に示す内容にて塩基部無保護のホスホロアミダイトを製造した。
Figure 2007039385
実施例1〜17に示す通り、本発明により塩基部無保護ホスホロアミダイトを容易に製造できることがわかる。
<実施例18>
以下の手順で核酸を製造した。
1−ヒドロキシ−6−ニトロベンゾトリアゾールの合成
2,4−ジニトロフェニルヒドラジン(12.2g,61.8mmol)を溶解したピリジン−水混合液(300ml,(2:3,v/v))にヒドラジン一水和物(3ml, 61.8mmol)、酢酸ナトリウム(18.2g,221mmol)、酢酸(14.9ml,272mmol)をいれ、14時間加熱還流した。この反応溶液を冷却した後、クロロホルム500mlで希釈し水300mlで3回抽出操作を行った。水層を回収し、溶媒を減圧留去させ粗精製物を得た。最後に、この粗精製物を2M塩酸水溶液で洗浄することで、目的の1−ヒドロキシ−6−ニトロベンゾトリアゾールを63%の収率で得た。
1H−NMR(DMSO:8.17(d,1H,J=8.9Hz),8.23(d,1H,J=8.9Hz),8.63(s,1H)
DNAの固相合成サイクル(DNA自動合成機)
Applied Biosystem Inc.(ABI)のDNA/RNA Synthesizer392を使用した。DNAオリゴマーの自動合成機による合成は、末端にチミジンを導入したHCP固相担体(1μmol,28μmol/g,succinate linker)を用いて行った。合成各鎖伸長サイクルは、以下の表2に示すとおりである。塩基部無保護ホスホロアミダイトは、実施例1〜17に従って製造したものを用いた。また、N−2−イソブチリル基によって塩基部を保護したグアニン(Gibu)のホスホロアミダイト化合物を参照として用いて核酸を合成した。
この反応により、d[TACCTGGibuGTCCAT]を、39%の収率で得た。
Figure 2007039385
本発明によれば、水酸基選択的な反応等の複雑な反応を必要としない簡素な方法により、塩基部無保護ホスホロアミダイト化合物を製造する方法を得ることができ、塩基部無保護ホスホロアミダイト化合物を大量に生産できる。

Claims (8)

  1. 塩基部保護ホスホロアミダイト化合物の塩基部を、アンモニアおよび/またはアミンを含む溶液を用いて脱保護することを特徴とする、塩基部無保護ホスホロアミダイト化合物の製造方法。
  2. アンモニアおよび/またはアミンを含む溶液の溶媒が、低級アルコールおよび/またはTHFを含むことを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
  3. アミンが、アルキルアミン、ジアルキルアミン、またはトリアルキルアミンであることを特徴とする、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. アルキルアミンが、メチルアミンであることを特徴とする、請求項3に記載の製造方法。
  5. 低級アルコールが、メタノール、エタノール、プロパノール、またはイソプロパノールであることを特徴とする、請求項2に記載の製造方法。
  6. アンモニアおよび/またはアミンを含む溶液が、アンモニア/メタノール溶液またはメチルアミン/THF溶液である、請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 塩基部保護ホスホロアミダイト化合物が、ヌクレオシドの塩基部を保護した後に5’−OH基を保護し、さらに3’−OH基をホスホロアミダイト化することにより得られることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の方法により製造された塩基部無保護ホスホロアミダイト化合物を用いることを特徴とする、核酸の製造方法。


JP2005225738A 2005-08-03 2005-08-03 塩基部無保護ホスホロアミダイト化合物の製造方法 Withdrawn JP2007039385A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2020010560A1 (zh) * 2018-07-12 2020-01-16 深圳华大生命科学研究院 一种亚磷酰胺类化合物、其制备方法及应用

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