JP2007039007A - 車両用樹脂製パネル部材の取付構造及び取付方法 - Google Patents

車両用樹脂製パネル部材の取付構造及び取付方法 Download PDF

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Abstract

【課題】樹脂製パネル部材を車体部材に取り付けるナット等の部材の脱落を防止し、かつ、該ナット等の部材の表面からの塗膜の剥落を回避しつつ、塗装作業時等における樹脂製パネル部材の大きな熱膨張、収縮を吸収することができる車両用樹脂製パネル部材の取付構造及び取付方法を提供することを課題とする。
【解決手段】車体部材6に、雌ねじ又は雄ねじの一方を形成した車体部材側ねじ部21を設ける。樹脂製パネル部材2における前記車体部材側ねじ部21に対応する部位に、該パネル部材2の熱変形を許容する方向に沿って長孔22を形成する。ねじ軸部23aと、該ねじ軸部23aの一端に設けられ、前記長孔22に挿入可能な大径部23bと、該大径部23bの反ねじ軸部23a側端面に設けられ、前記車体部材側ねじ部21に螺合可能なねじ部23cとを有する締結部材23を用いる。
【選択図】図3

Description

本発明は、樹脂製パネル部材の車体部材への取付構造及び取付方法に関し、車体構造の技術分野に属する。
近年、車両の軽量化等を目的として、例えばフェンダパネル等の車両の外面を構成するパネル部材として金属製パネル部材に代えて樹脂製パネル部材が用いられる場合があるが、この場合、塗装に際して、以下のような問題が生じる虞がある。
すなわち、パネル部材への塗装は、他のパネル部材との色目の違い等を防止するために、車体部材(通例金属で構成される)へ取り付けた状態で、他のパネル部材とともに行われる場合があるが、車体部材と樹脂製パネル部材とは熱膨張率が大きく異なるので、焼き付け等の非常に高温(例えば、百数十℃)となる作業時に、この熱膨張率の差(樹脂製パネル部材の熱膨張率の方が大きい)により、樹脂製パネル部材が車体部材よりも大きく膨張したり、その後の冷却により大きく収縮し、この結果、樹脂製パネル部材が撓んで変形する虞がある。
例えば特許文献1には、金属製車体部材と樹脂製パネル部材との熱膨張率の差を吸収可能な構造が開示されている。この構造は、金属製車体部材と樹脂製パネル部材とをボルト及びナットで締結するものにおいて、金属製車体部材のボルト挿通孔を長孔とすると共に、金属製車体部材と樹脂製パネル部材とを摺動可能な状態に締結したものであり、これによれば、温度変化により樹脂製パネル部材が金属製車体部材よりも大きく膨張、収縮すると、樹脂製パネル部材と金属製車体部材とが相対的に移動することとなり、この結果、この膨張、収縮が許容されるものである。
特開2001−206248号公報
しかしながら、前記特許文献1に記載の構造は、その記載から自然気温範囲での微小な膨張や収縮に対応するためのものと推察され、塗装時等の高温による大きな熱膨張やその後の冷却による収縮には対応できないものと考えられる。
なお、特許文献1に記載のものにおいて、塗装時の大きな膨張収縮に対応するための方法として、塗装作業完了までは、ボルト、ナットを緩めに仮締結して大きな膨張収縮に対応できるようにしておき、塗装完了後に本締結することが考えられるが、この場合、これらの部材の移動中や作業中に、振動等によりナットやボルトが脱落する虞がある。また、ボルト、ナットを仮締結した状態で塗装作業を行うから、これらのボルト、ナットの表面に亘って塗膜が形成され、そして、塗装完了後に、ボルト、ナットを本締結するから、この本締結時に、ボルト、ナットが回動してその表面の塗膜が剥落し、ワークの外観が損なわれる虞もある。
そこで、本発明は、樹脂製パネル部材を車体部材に取り付けるナット等の部材の脱落を防止し、かつ、該ナット等の部材の表面からの塗膜の剥落を回避しつつ、塗装作業時等における樹脂製パネル部材の大きな熱膨張、収縮を吸収することができる車両用樹脂製パネル部材の取付構造及び取付方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明は、次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、車体部材への樹脂製パネル部材の取付構造であって、前記車体部材には、雌ねじまたは雄ねじの一方を形成した車体部材側ねじ部が設けられていると共に、前記パネル部材における前記車体部材側ねじ部に対応する部位には、該パネル部材の熱変形を許容する方向に沿って長孔が形成されており、かつ、ねじ軸部と、該ねじ軸部の一端に設けられ、前記長孔に挿入可能な大径部と、該大径部の反ねじ軸部側端面に設けられ、前記車体部材側ねじ部に螺合可能なねじ部とを有する締結部材が用いられていることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両用樹脂製パネル部材の取付構造であって、前記締結部材のねじ軸部には、前記大径部よりも大径の第2の大径部が設けられていることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の車両用樹脂製パネル部材の取付構造であって、前記締結部材のねじ部を前記大径部が車体部材に圧接されるまで前記車体部材側ねじ部に螺合したときに、前記第2大径部と樹脂製パネル部材との間に隙間が生じるように構成されていることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項2または請求項3に記載の車両用樹脂製パネル部材の取付構造であって、前記長孔の周縁部には、前記締結部材の大径部及び第2大径部をそれぞれ挿入可能な長孔を有し、前記大径部を挿入可能な長孔が形成されている部分の厚みが前記樹脂製パネル部材の前記長孔が形成されている部分の厚みと略同じに設定され、前記樹脂製パネル部材よりも圧縮クリープ強度が高い枠状のスペーサ部材が嵌入されていることを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の車両用樹脂製パネル部材の取付構造であって、前記樹脂製パネル部材の所定量以上の熱収縮を規制する熱収縮規制部が設けられていることを特徴とする。
そして、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の車両用樹脂製パネル部材の取付構造であって、前記熱収縮規制部は、前記車体部材側ねじ部に螺合された締結部材と、前記樹脂製パネル部材の長孔の一端部との当接によって構成されていることを特徴とする。
一方、請求項7に記載の発明は、車体部材への脂脂製パネル部材の取付方法であって、前記車体部材に、雌ねじまたは雄ねじの一方を形成した車体部材側ねじ部を予め設けておくと共に、前記樹脂製パネル部材における前記車体部材側ねじ部に対応する部位に該パネル部材の熱変形を許容する方向に沿って長孔を予め形成しておき、かつ、ねじ軸部と、該ねじ軸部の一端に設けられ、前記長孔に挿入可能な大径部と、該大径部の反ねじ軸部側端面に設けられ、前記車体部材側ねじ部に螺合可能なねじ部とを有する締結部材を用意しておき、前記車体部材側ねじ部と長孔との位置を合せて前記車体部材と樹脂製パネル部材とを重ねた状態で、前記締結部材のねじ部を前記大径部が車体部材に圧接されるまで前記車体部材側ねじ部に螺合し、この状態で、樹脂製パネル部材に対して熱が加わる所定の作業を行い、その後、前記締結部材のねじ軸部に締結用ナット部材を通して、このナット部材により、車体部材と樹脂製パネル部材とを固定することを特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の車両用樹脂製パネル部材の取付方法であって、前記締結部材のねじ軸部には、前記大径部よりも大径の第2の大径部が設けられており、前記締結部材のねじ部を前記大径部が車体部材に圧接されるまで前記車体部材側ねじ部に螺合したときには、前記第2大径部と樹脂製パネル部材との間に隙間が生じることを特徴とする。
そして、請求項9に記載の発明は、請求項7または請求項8に記載の車両用樹脂製パネル部材の取付方法であって、前記樹脂製パネル部材に対して熱が加わる所定の作業は、塗装後の塗膜乾燥作業であることを特徴とする。
次に、本発明の効果について説明する。
まず、請求項1に記載の発明によれば、締結部材のねじ部を、該締結部材の大径部が車体部材に圧接されるまで樹脂製パネル部材側から長孔を通して車体部材側ねじ部に螺合することにより、締結部材が、車体部材側に堅固に取り付けられることとなる。
また、この状態においては、締結用ナット部材は未だ締結部材に取り付けられていない。すなわち樹脂製パネル部材と車体部材とは未だ締結されていないから、この状態で、樹脂製パネル部材に対して非常に高温となる例えば塗装作業等を行えば、該作業時に樹脂製パネル部材に熱膨張や収縮が生じたときに、樹脂製パネル部材が、長孔内で締結部材が大径部により案内されながら、車体部材に対して相対的に移動することとなる。つまり、塗装作業時における樹脂製パネル部材の膨張、収縮が許容されることとなり、この結果、樹脂製パネル部材の変形等が防止されることとなる。
なお、樹脂は、熱履歴により前記膨張量と収縮量とが等しくない場合があり、予め樹脂製パネル部材と車体部材とを完全に締結しておくと、この膨張量と収縮量との差によっても変形や内部応力の残留等の問題が生じる虞があるが、本発明によれば、塗装作業の完了後に、樹脂製パネル部材を車体部材に対して最終固定することにより、これらの虞も解消することができる。
そして、このような高温作業の完了後、締結用ナットを締結すれば、樹脂製パネル部材が車体部材に固定されることとなる。
しかも、この請求項1に記載の発明によれば、ワークの塗装・乾燥後に、初めて、締結用ナット部材を締結部材のねじ軸部に通して車体部材と樹脂製パネル部材とを固定するから、本締結時における塗膜の剥落を回避し、ワークの外観性の減損を防止することが可能となる。
さらに、樹脂製パネル部材の熱変形を許容する方向に沿って長孔が形成されているから、該パネル部材の本締結前の熱変形を簡単な構造にて許容し、ガイドすることができる。
次に、請求項2に記載の発明によれば、第2の大径部を設けたことにより、樹脂製パネル部材の車体部材に対する仮保持性を簡単な構造にて向上することができる。
次に、請求項3に記載の発明によれば、締結部材を車体部材側ねじ部に強く螺合したときに、第2大径部と樹脂製パネル部材との間に隙間が生じるように構成したことにより、前記締結用ナット部材で車体部材と樹脂製パネル部材とを本締結する前の段階で、締結部材のワークからの脱落を防止しつつ、請求項1及び2の効果が得られる。
次に、請求項4に記載の発明によれば、樹脂製パネル部材の長孔の周縁部に枠状のスペーサ部材を嵌入したから、簡単な構造にて樹脂製パネル部材の被取付部に過大な取付軸力が作用することを抑制でき、パネル部材の損傷を回避できる。
次に、請求項5に記載の発明によれば、樹脂製パネル部材の所定量以上の熱収縮が規制されるから、車体部材に対してパネル部材が大きく位置ズレすることを防止でき、余分な間隙の発生等を抑制して、組立精度の向上が図られる。
その場合に、請求項6に記載の発明によれば、車体部材側ねじ部に螺合された締結部材と樹脂製パネル部材の長孔の一端部との当接によって、樹脂製パネル部材の所定量以上の熱収縮を規制するようにしたから、既存の部材を有効利用しながら、簡単な構造にて請求項5の効果が得られる。
さらに、請求項7に記載の発明によれば、樹脂製パネル部材の車体部材への取付に際して、前記請求項1で述べたのと同様の効果が得られることとなる。
また、請求項8に記載の発明によれば、同じく樹脂製パネル部材の車体部材への取付に際して、前記請求項2及び3で述べたのと同様の効果が得られることとなる。
そして、請求項9に記載の発明によれば、樹脂製パネル部材に対して熱が加わる所定の作業として、塗装後の塗膜乾燥作業が行われるから、パネル部材全体に長時間に亘って高熱が作用し、パネル部材が大きく熱変形するするような場合でも、前記請求項1で述べたように、該パネル部材の本締結前の熱変形を簡単な構造にて許容し、ガイドすることができ、かつ、締結用ナット部材による本締結時の塗膜の剥落を回避し、ワークの外観性の減損を防止することが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る車両1の全体斜視図である。車両1は、左右のフェンダパネル2,2、フードパネル3、左右のドアパネル4,4(1つのみ図示)及びルーフパネル5等の種々のパネル部材により、その外面が形成されている。そして、本実施形態においては、フェンダパネル2は、車両1の軽量化を図るため、樹脂製とされている。
図2は、前記車両1のフェンダパネル2と金属製の車体本体部材であるエプロンフレーム6との取付関係を示す拡大斜視図である。フェンダパネル2の内側上部に、車体前後方向に延びるフランジ部2aが設けられ、このフランジ部2aとエプロンフレーム6の上面部とが上下に重ね合わされている。そして、フェンダパネル2は、最後方の固定部10と前方のスライド部20と最前方の完全締結部30との3箇所でエプロンフレーム6に取り付けられている。
その場合に、フェンダパネル2は、車体前後方向の熱変形(熱膨張・熱収縮)は許容されるが、車体幅方向及び上下方向の熱変形(熱膨張・熱収縮)は規制される。その理由は、フェンダパネル2とフードパネル3との間の意匠上のスキを保ち、フェンダパネル2とフードパネル3との接触等を回避するためである。これにより、車両1の商品価値を決定する重要なファクタである車両1の美的外観が保たれることとなる。これに対し、例えばフェンダパネル2の車体幅方向の熱膨張を許容すると、フェンダパネル2の上縁部2xがフードパネル3の側縁部3xを車体内方へ押し込んだり、あるいはフェンダパネル2の上下方向の熱膨張を許容すると、フェンダパネル2の上縁部2xがフードパネル3の側縁部3xを上方へ押し上げたりして、車両1の外形が変形する可能性がある。この観点から、後方の固定部10は、フェンダパネル2をエプロンフレーム6に取り付ける際の熱変形の基準位置となる取付部であり、前方のスライド部20は、フェンダパネル2のエプロンフレーム6に対する車体前後方向の相対移動を許容する取付部である。
また、図2に示したように、バンパー取付部2yにスライド固定部を設けてもよい。バンパー取付部2yでフェンダパネル2の前部を下方から支えることになって、塗装乾燥熱によるフェンダパネル2の熱垂れを抑えるためにも有効となる。
図3は、スライド部20の取付前の拡大断面図である。図面上左右方向が車体左右方向である。車体部材であるエプロンフレーム6には、雌ねじを形成したウエルドナット21が設けられている。ナット21にはガイドボス21aが形成され、エプロンフレーム6の取付孔21bに嵌合されて位置決めされる。パネル部材であるフェンダパネル2における前記ウエルドナット21(車体部材側ねじ部)に対応する部位には、該パネル部材2の熱変形を許容する方向(車体前後方向)に沿って長孔22が形成されている。そして、ねじ軸部23aと、該ねじ軸部23aの一端に設けられ、前記長孔22に挿入可能な大径部23bと、該大径部23bの反ねじ軸部23a側端面に設けられ、前記車体部材側ねじ部21に螺合可能なねじ部23cとを有する締結部材23が用いられる。長孔22は、本実施形態においては、矩形状である。また、前記長孔22内には、枠状のスペーサ24が嵌挿されている。このスペーサ24は、例えば、金属、無機化合物(セラミックス等)、FRP(繊維強化プラスチック:好ましくは熱硬化性樹脂)等で製作され、フェンダパネル2よりも圧縮クリープ強度が高く設定されている。すなわち、スペーサ24は、フェンダパネル2と比較して、圧縮力を受けたときの塑性変形が起こり難いのである。
一方、締結部材23のねじ軸部23aには、前記大径部23bよりも大径で、前記樹脂製パネル部材2の長孔22の周囲の面に当接し得る第2の大径部23dが設けられている。大径部23bの下角部は、逆円錐台形状のテーパ部23eとされている。また、締結用ナット部材25が用意される。このナット部材25は、ナット本体25aと鍔部25bとを備えている。鍔部25bは、かしめ部25cで係止することにより、ナット本体25aに対して軸心回りに回動自在とされている。この鍔部25bは、当該締結用ナット部材25がねじ軸部23aに締め付けられたときに、前記スペーサ部材24の上端部に当接する。
なお、スペーサ部材24は、図4に示すように、前記締結部材23の大径部23b及び第2大径部23dをそれぞれ挿入可能な下部長孔24a及び上部長孔24bを有し、前記大径部23dを挿入可能な下部長孔24aが形成されている下方部分の厚みαが前記樹脂製パネル部材2の前記長孔22が形成されている部分の厚みβと略同じに設定されている。下部長孔24aの上縁部は面取りされて斜面部24cが形成されている。この斜面部24cと、締結部材23のテーパ部23eとにより、締結部材23をスペーサ部材24の長孔24aに挿通させる際に、ネジ部23cをウエルドナット21へ良好に誘導するための誘い込み構造が提供されている。また、スペーサ部材24は、その下面に複数の鋭利突起24d…24dを有している。この鋭利突起24d…24dは、図9に示すように、スペーサ部材24が締結用ナット部材25の鍔部25bでフェンダパネル2ないしエプロンフレーム6に押し付けられたときに、エプロンフレーム6に食い込んで、これにより、締結用ナット部材25の締付時の軸トルクにより、スペーサ部材24ないしフェンダパネル2が捩れ変形するのを防いでいる。
次に、スライド部20において、樹脂製のフェンダパネル2を金属製のエプロンフレーム6に取り付ける方法を、図5〜図9に示す状態図を参照しながら説明する。
まず、車体組立工場において、図5に示したように、フェンダパネル2の長孔22内に、枠状のスペーサ部材24を嵌挿しておく。また、エプロンフレーム6の上面部にウエルドナット21を接合しておく。そして、図6に示したように、前記車体部材側ねじ部21と長孔22との位置を合せて前記車体部材6と樹脂製パネル部材2とを重ねた状態で、例えば六角ピンレンチ29を用いて、前記締結部材23のねじ部23cを前記車体部材側ねじ部21に螺合していく。この螺合は、図7に示したように、前記大径部23bが車体部材6(図例では車体部材6と一体のウエルドナット21)に圧接されるまで行う。ここで、図7に示したように、前記締結部材23のねじ部23cを前記大径部23bが車体部材6に圧接されるまで前記車体部材側ねじ部21に螺合したときに、前記第2大径部23dと樹脂製パネル部材6との間に隙間が生じるように構成されている。より詳しくは、本実施形態では、前記第2大径部23dとスペーサ部材24との間に隙間C1が生じ、前記スペーサ部材24とフェンダパネル2との間に隙間C2が生じている。
そして、この状態で、樹脂製パネル部材2に対して熱が加わる所定の作業、すなわちワークを塗装し、その塗装後の塗膜乾燥作業を行う。その結果、図8に示すように、ワークWの表面に塗膜Pが形成される。その後、図9に示すように、前記締結部材23のねじ軸部23aに締結用ナット部材25を通して、このナット部材25により、車体部材6と樹脂製パネル部材2とを固定する。
このように、本実施形態によれば、締結部材のねじ部を、該締結部材の大径部が車体部材に圧接されるまで樹脂製パネル部材側から長孔を通して車体部材側ねじ部に螺合することにより、締結部材が、車体部材側に堅固に取り付けられることとなる。
また、この状態においては、締結用ナット部材は未だ締結部材に取り付けられていない。すなわち樹脂製パネル部材と車体部材とは未だ締結されていないから、この状態で、樹脂製パネル部材に対して非常に高温となる例えば塗装作業等を行えば、該作業時に樹脂製パネル部材に熱膨張や収縮が生じたときに、樹脂製パネル部材が、長孔内で締結部材が大径部により案内されながら、車体部材に対して相対的に移動することとなる。つまり、塗装作業時における樹脂製パネル部材の膨張、収縮が許容されることとなり、この結果、樹脂製パネル部材の変形等が防止されることとなる。
なお、樹脂は、熱履歴により前記膨張量と収縮量とが等しくない場合があり、予め樹脂製パネル部材と車体部材とを完全に締結しておくと、この膨張量と収縮量との差によっても変形や内部応力の残留等の問題が生じる虞があるが、本発明によれば、塗装作業の完了後に、樹脂製パネル部材を車体部材に対して最終固定することにより、これらの虞も解消することができる。
そして、このような高温作業の完了後、締結用ナットを締結すれば、樹脂製パネル部材が車体部材に固定されることとなる。
しかも、このように、本実施形態では、ワークの塗装・乾燥前は、ねじアッセンブリに螺合・仮止めされた締結用ナット部材を用いず、ワークの塗装・乾燥後に、初めて締結用ナット部材を締結部材のねじ軸部に通して車体部材と樹脂製パネル部材とを固定するようにしたから、本締結時における塗膜の剥落を回避し、ワークの外観性の減損を防止することが可能となる。
さらに、樹脂製パネル部材の熱変形を許容する方向に沿って長孔が形成されているから、該パネル部材の本締結前の熱変形を簡単な構造にて許容し、ガイドすることができる。
次に、第2の大径部を設けたことにより、樹脂製パネル部材の車体部材に対する仮保持性を簡単な構造にて向上することができる。
次に、締結部材を車体部材側ねじ部に強く螺合したときに、第2大径部と樹脂製パネル部材との間に隙間が生じるように構成したことにより、前記締結用ナット部材で車体部材と樹脂製パネル部材とを本締結する前の段階で、締結部材のワークからの脱落を防止しつつ、前記効果が得られる。
次に、樹脂製パネル部材の長孔の周縁部に枠状のスペーサ部材を嵌入したから、簡単な構造にて樹脂製パネル部材の被取付部に過大な取付軸力が作用することを抑制でき、パネル部材の損傷を回避できる。
そして、樹脂製パネル部材に対して熱が加わる所定の作業として、塗装後の塗膜乾燥作業が行われるから、パネル部材全体に長時間に亘って高熱が作用し、パネル部材が大きく熱変形するするような場合でも、該パネル部材の本締結前の熱変形を簡単な構造にて許容し、ガイドすることができ、かつ、締結用ナット部材による本締結時の塗膜の剥落を回避し、ワークの外観性の減損を防止することが可能となる。
また、ナット部材25の鍔部25bを回転自在としたから、ナット部材25の締付中は、その軸トルクがスペーサ部材24に直接作用し難くなり、該スペーサ部材24のねじれや変形が抑制できる。なお、鍔部25bをナット部材25と別体としてもよい。
また、図10のように、スペーサ部材24にフランジ部24eを設けるとナット25の鍔部25bによる押圧が良好となる。また、図11のように、状況に応じてスペーサ部材24を用いなくても構わない。図例は、フェンダパネル2の長孔22の周囲に上方延長部2bを立設させ、ナット25の鍔部25bは、該上方延長部2bの上端部を下方に押圧している。なお、ここで、ナット25の鍔部25bと、上方延長部2bの上端部との間に、ゴム製又は樹脂製のワッシャを介設してもよい。
次に、完全締結部30における取付方法を、図12〜図17に示す状態図を参照しながら説明する。
まず、車体組立工場において、図12〜図14に示したように、エプロンフレーム6の上面部にウエルドナット31を接合しておく。そして、図14に示したように、車体部材側ねじ部31とフェンダパネル2の丸孔32との位置を合せて前記車体部材6と樹脂製パネル部材2とを重ねる。そして、この状態で、樹脂製パネル部材2に対して熱が加わる所定の作業、すなわちワークを塗装し、その塗装後の塗膜乾燥作業を行う。その結果、図15に示すように、ワークWの表面に塗膜Pが形成される。その後、図16及び図17に示すように、スペーサ部材34を丸孔32に嵌入して締結部材33により、車体部材6と樹脂製パネル部材2とを固定する。
図18のように、フェンダパネル2の前端部は屈曲部2cとされ、車体部材6の上面部に引っ掛かることにより、前記樹脂製パネル部材2の所定量以上の熱収縮を規制する熱収縮規制部40が構成されている(図2参照)。樹脂製パネル部材2に対して熱が加わる所定の作業の前は、フェンダパネル2の屈曲部2cは、当初位置(1)にあるが、熱膨張して熱膨張位置(2)まで延びた後、冷却により、本来は収縮位置(4)まで収縮する。しかし、熱収縮規制部40によるストッパ構造により、フェンダパネル2の屈曲部2cは、冷却後も車体部材6の前端部に留まり、これにより、完全締結部30におけるフェンダパネル2のねじ孔と車体部材6のねじ孔とが一致する。このように、樹脂製パネル部材の所定量以上の熱収縮が規制されるから、車体部材に対してパネル部材が大きく位置ズレすることを防止でき、余分な間隙の発生等を抑制して、組立精度の向上が図られる。
また、図19のように、樹脂製パネル部材の所定量以上の熱収縮を規制する熱収縮規制部40を、前記車体部材側ねじ部21に螺合された締結部材23と、前記樹脂製パネル部材2の長孔22の一端部との当接によって構成してもよい。既存の部材を有効利用しながら、簡単な構造にて前記効果が得られる。
ここで、図20のように、車体部材6の上にフェンダパネル2を重ねて置いたときに、長孔22及びスペーサ部材24の真下にウエルドナット21が位置すれば、締結部材23を長孔22及びスペーサ部材24を介して容易にねじ込むことができる。しかし、例えば治具や治具孔のチューニングによっては、図21のように、車体幅方向(図面上の上下方向)に車体部材6とフェンダパネル2との位置関係が狂って締結部材23を長孔22及びスペーサ部材24を介してウエルドナット21にねじ込むことができない場合が生じる。
このような場合、図22に示すように、車体部材6に左右方向(車体幅方向)に長い逃がし孔6aを形成し、かつ車体部材6を挟むクリップナット70を用いると、該クリップナット70の螺子部70bがフローティングするので、図23に示すように、たとえ車体幅方向(図面上の左右方向)に車体部材6とフェンダパネル2との位置関係が狂っても、確実に、締結部材23を長孔22及びスペーサ部材24を介してクリップナット70の螺子部70bにねじ込むことができる。
《本発明に対して参考となる発明》
なお、発明が解決しようとする課題が、樹脂製パネル部材を車体部材に取り付けるナット等の部材の脱落を防止しつつ、塗装作業時等における樹脂製パネル部材の大きな熱膨張、収縮を吸収することができる車両用樹脂製パネル部材の取付構造及び取付方法を提供すること(すなわちナット等の部材の表面からの塗膜の剥落を回避することは課題としない)であれば、最初から締結用ナット部材25をねじ軸部23aに通しておいてもよい。
すなわち、車体部材への樹脂製パネル部材の取付構造であって、前記車体部材には、雌ねじまたは雄ねじの一方を形成した車体部材側ねじ部が設けられていると共に、前記パネル部材における前記車体部材側ねじ部に対応する部位には、長孔が設けられており、かつ、ねじ軸部と、該ねじ軸部の一端に設けられ、前記長孔に挿入可能な大径部と、該大径部の反ねじ軸側端面に設けられ、前記車体部材側ねじ部に螺合可能なねじ軸側ねじ部とを有するボルト部材を有すると共に、前記ねじ軸部に、前記大径部に対して所定の間隔をあけて螺合、仮止めされた締結用ナット部材を有するねじアッセンブリが用いられ、前記所定の間隔が、前記ねじアッセンブリのボルト部材のねじ軸側ねじ部を、該ボルト部材の大径部が車体部材に圧接されるまで樹脂製パネル部材側から前記長孔を通して前記車体部材側ねじ部に螺合したときに、前記ナット部材と樹脂製パネル部材との間に隙間が生じる間隔に設定されている構成(第1構成)でもよい。
前記第1構成によれば、ねじアッセンブリのボルト部材のねじ軸側ねじ部を、該ボルト部材の大径部が車体部材に圧接されるまで樹脂製パネル部材側から前記長孔を通して前記車体部材側ねじ部に螺合するから、ねじアッセンブリが、車体部材側に堅固に取り付けられることとなる。加えて、締結用ナットは、ねじ軸部に螺合、仮止めされているので、車体部材に樹脂製パネル部材が取り付けられた状態での移動時に振動等が生じても、前記ねじアッセンブリ自体や締結ナットの脱落が防止されることとなる。
また、この状態においては、締結用ナット部材と前記樹脂製パネル部材との間に隙間が生じている、すなわち樹脂製パネル部材と車体部材とが完全には締結されていないから、この状態で、樹脂製パネル部材に対して非常に高温となる例えば塗装作業等を行えば、該作業時に樹脂製パネル部材に熱膨張や収縮が生じたときに、樹脂製パネル部材が、長孔内でねじアッセンブリが大径部により案内されながら車体部材に対して相対的に移動することとなる。つまり、塗装作業時における樹脂製パネル部材の膨張、収縮が許容されることとなり、この結果、樹脂製パネル部材の変形等が防止されることとなる。
なお、樹脂は、熱履歴により前記膨張量と収縮量とが等しくない場合があり、予め樹脂製パネル部材と車体部材とを完全に締結しておくと、この膨張量と収縮量との差によっても変形や内部応力の残留等の問題が生じる虞があるが、本発明によれば、塗装作業の完了後に、樹脂製パネル部材を車体部材に対して最終固定することにより、これらの虞も解消することができる。
そして、このような高温作業の完了後、締結用ナットを締結すれば、樹脂製パネル部材が車体部材に固定されることとなる。
次に、前記第1構成において、前記長孔の周縁部には、前記ボルト部材の大径部を挿入可能な長孔を有する枠状のスペーサ部材が嵌められており、該スペーサ部材の厚さは、前記圧接時に締結用ナット部材が該スペーサ部材に当接しない範囲で、前記樹脂製パネル部材の前記長孔が設けられている部分の厚さよりも厚くされている構成(第2構成)でもよい。
前記第2構成によれば、前記長孔の周縁部には、前記ボルト部材の大径部を挿入可能な長孔を有する枠状のスペーサ部材が嵌められており、該スペーサ部材の厚さは、前記圧接時に締結用ナット部材が該スペーサ部材に当接しない範囲で、前記樹脂製パネル部材の厚さよりも厚くされているから、締結用ナット部材を締め込んでいったときに、該ナット部材によりスペーサ部材が圧接されることとなる。したがって、樹脂製パネル部材には、過大な締め付け力が加わることがなく、該パネル部材の損傷等が防止される。
次に、前記第1構成又は第2構成において、前記車体部材は、車体構成板と、該車体構成板に立設され、前記車体部材側ねじ部を構成するスタッドボルトとを有し、前記ボルト部材のねじ軸側ねじ部は、該スタッドボルトに螺合可能な雌ねじを有している構成(第3構成)でもよい。
前記第3構成によれば、車体部材は、車体構成板と、該車体構成板に立設され、車体部材側ねじ部を構成するスタッドボルトとを有し、ねじ軸側ねじ部は、該スタッドボルトに螺合される雌ねじを有するから、車体部材側ねじ部に雄ねじ挿通用の貫通孔を設ける必要がない。したがって、車体部材への穿孔作業が不要となる。
一方、車体部材への樹脂製パネル部材の取付方法であって、前記車体部材に、雌ねじまたは雄ねじの一方を形成した車体部材側ねじ部を予め設けておくと共に、前記樹脂製パネル部材における前記車体部材側ねじ部に対応する部位に長孔を予め設けておき、かつ、ねじ軸部と、該ねじ軸部の一端に設けられ、前記長孔に挿入可能な大径部と、該大径部の反ねじ軸側端面に設けられ、前記車体部材側ねじ部に螺合可能なねじ軸側ねじ部とを有するボルト部材を有すると共に、前記ねじ軸部に、前記大径部に対して所定の間隔をあけて螺合、仮止めされた締結用ナット部材を有するねじアッセンブリを用意しておき、前記車体部材側ねじ部と長孔との位置を合せて前記車体部材と樹脂製パネル部材とを重ねた状態で、前記ねじアッセンブリのボルト部材のねじ軸側ねじ部を、該ボルト部材の大径部が車体部材に圧接されるまで樹脂製パネル部材側から前記長孔を通して前記車体部材側ねじ部に螺合し、前記ナット部材と樹脂製パネル部材との間に隙間が生じている状態で、樹脂製パネル部材に対して熱が加わる所定の作業を行い、その後、車体部材と樹脂製パネル部材とを前記ナット部材により固定する構成(第4構成)でもよい。
前記第4構成によれば、樹脂製パネル部材の車体部材への取付に際して、前記第1構成で述べたのと同様の効果が得られることとなる。以下、参考実施形態を通してさらに詳しく説明する。
《本発明に対して参考となる実施形態》
図24は第1の参考実施形態に係る車両101の全体斜視図を示している。該車両101の外面を構成する種々のパネル部材のうち、左右の前側部を構成するフェンダパネル102,102(図24には、一側部側のもののみがあらわれているが、他側部側はこれと対称な形状とされている)は、車体の軽量化等を目的として、金属でなく樹脂を用いて形成されている。
図25に示すように、このフェンダパネル102の上部には、車体前後方向に延びるフランジ部102fが設けられていると共に、該フランジ部102fの下方には、車体の一部を構成し、車体前後方向に延びる金属製のホイールエプロンレインフォースメント103が配設されている。そして、該フランジ部102fが、ホイールエプロンレインフォースメント103に載置されて前後2ケ所の取付部110,120(以後、前側取付部110,後側取付部120という)で固定されている。なお、3ヶ所以上の取付部(5ヶ所等)で固定する場合もある。
また、図示したように、バンパー取付部200にスライド固定部を設けてもよい。バンパー取付部200でフェンダパネル102を下方から支えることになって、塗装乾燥熱によるフェンダパネル102の熱垂れを抑えるためにも有効となる。
図26に示すように、後側取付部120においては、ホイールエプロンレインフォースメント103及びフェンダパネル102のフランジ部102fには、それぞれ円形のボルト挿通孔103a,102aが設けられていると共に、ホイールエプロンレインフォースメント103の下面(反フェンダパネル102側の面)には、ボルト挿通穴103aと同軸上に、ウエルドナット121が溶着されており、フェンダパネル102のフランジ部102f側から、ボルト122を、前記ボルト挿通孔102a,103aを通してウエルドナット121に螺合することにより、フェンダパネル102のフランジ部102fの後部がホイールエプロンレインフォースメント103に固定されるようになっている。
これに対し、前側取付部110においては、ホイールエプロンレインフォースメント103に円形のボルト挿通孔103bが設けられていると共に、フェンダパネル102のフランジ部102fには、車体前後方向に延びる方形状の長孔102bが設けられている。またホイールエプロンレインフォースメント103の下面には、ウエルドナット111が溶着されており、フェンダパネル102のフランジ部102fの前部がホイールエプロンレインフォースメント103にねじアッセンブリ112を用いて固定されるようになっている。
ここで、前記長孔102bの長手方向は、熱膨張収縮を許容可能な方向に設定されている。すなわち、図25に示すように、この長孔102bの長手方向は、車両101の外観見栄え上、重要な要素であるボンネットフード104の側端104aと、該側端104aに隣接するフェンダパネル102の上端102d(頂部)との車幅方向の間隔xが、フェンダパネル102の熱膨張収縮の際にもほとんど変化しないように、つまり、熱膨張によるフェンダパネル102の上端102dの車幅方向の位置変化が規制されるように、これと直交し、熱膨張収縮を許容可能な矢印F(前),R(後)で示す車体前後方向に設定されている。
また、前記長孔102bの周辺部には、該部位の剛性を高めるため、フェンダパネル102のフランジ部102fよりも厚みの大きい段差部102cが設けられている。
なお、長孔102bには、方形枠状の金属製スペーサ140がはめ込まれるようになっている。このスペーサ140の外寸は、長孔102bの内寸よりも所定量小さくされている。これは、自然気温変化による熱膨張収縮を吸収可能とするためである。
次に、ねじアッセンブリ112について説明すると、このねじアッセンブリ112は、図27、図28に示すように、全ねじボルト131と、該全ねじボルト131の軸方向中間に固着され、前記スペーサ140の長孔140aに挿入可能で(すなわち、フェンダパネル102の長孔102bに挿入可能で)かつ全ねじボルト131よりも大径の円形ナット132と、該円形ナット132に対して所定の間隔y(取付方法の説明において説明する)をあけて前記全ねじボルト131に螺合、仮止めされた締結用ナット133とを有する。
これらのうち、全ねじボルト131は、図26、図27に示すように、一端面に、六角レンチに係合可能な六角穴131aを有している。
また、円形ナット132は、全ねじボルト131上の所定位置にまでねじ込んだ後、径方向または軸方向に強くかしめることにより、当該所定位置に固着されている。なお、該ナット132の直径は、スペーサ140の長孔140aの短辺の長さ(車幅方向長)よりも若干小さくされている。これは、円形ナット132の長孔140a内でのガイド部材としての移動性を確保しつつ、フェンダパネル102のホイールエプロンレインフォースメント103に対する車幅方向取付位置をできるだけ精度良くすることを目的としている。なお、円形ナット132に代えて、例えば、六角形や八角形等の多角形ナットを用いてもよい。この場合、この多角形ナットとしては、スペーサ140の長孔140a内面との間に車幅方向に大きな隙間が生じない程度の径のものを用いるのが好ましい。また、円形ナット132のねじ軸131への固着は、かしめに代え、あるいはかしめと共に溶接により行ってもよい。
また、締結用ナット133は、円形の座部133aを有する座付きナットで構成され、全ねじボルト131に対して前記所定の間隔yとなる位置までねじ込んだ後、座部133aを径方向に軽く圧縮してかしめられている。なお、このかしめは、ねじアッセンブリ112を単体で、あるいは組み付けた状態で次工程等に移送するときの振動程度では軸上で移動せず、かつ、工具等を用いれば締結用ナット133の回転を再開させることが可能な程度に行えばよい。なお、万一、締結用ナット133が反円形ナット132側に移動した場合に、該締結用ナット133が全ねじボルト131から脱落しないように、全ねじボルト131の反円形ナット132側の端部にスナップリングやワリピン等を設けてもよい。
次に、フェンダパネル102のホイールエプロンレインフォースメント103への取付及び塗装について説明する。
まず、フェンダパネル102のフランジ部102fを、ホイールエプロンレインフォースメント103に上方から載置し、後側取付部120のボルト挿通孔102a,103aの位置,及び前側取付部110のボルト挿通孔102bと長孔103bとの位置をそれぞれあわせる。
次いで、後側取付部120を固定する。すなわち、フェンダパネル102及びホイールエプロンレインフォースメント103における後側取付部120のボルト挿通孔102a,103aに上方からボルト122を挿通して、該ボルト122とホイールエプロンレインフォースメント103下面のウエルドナット111とを螺合し、フェンダパネル102をホイールエプロンレインフォースメント103に固定する。
次いで、前側取付部110について作業を行う。すなわち、まず、図29に示すように、フェンダパネル102のフランジ部102fの長孔102bにスペーサ140を嵌め込む。なお、このスペーサ140は、図31に示すように、厚さh1(高さ)が、ねじアッセンブリ112の円形ナット132がホイールエプロンレインフォースメント103に圧接されたときに、締結用ナット133が当該スペーサ140に当接しない範囲で、フェンダパネル102の段差部102cの厚さh2よりも大きくされており、これにより、長孔102bに嵌めこまれたときに上端がフェンダパネル102の段差部102cの上面よりも上方に突出するようになっている。
次いで、フェンダパネル102の長孔102b及びホイールエプロンレインフォースメント103のボルト挿通孔103bに上方から(フェンダパネル102側から)ねじアッセンブリ112の全ねじボルト131を挿通すると共に、六角レンチを用いて全ねじボルト131を回転させ、つまりねじアッセンブリ112全体を、全ねじボルト131を中心として回転させ、全ねじボルト131をホイールエプロンレインフォースメント103下面のウエルドナット111にねじ込む。そして、これを、ねじアッセンブリ112の円形ナット132がホイールエプロンレインフォースメント103に圧接されるまで続ける。
なお、この圧接された状態において、締結用ナット133とフェンダパネル102の段差部102cとの間に図28、図29に示すように隙間zが生じるように、締結用ナット133と円形ナット132との前記所定の間隔yが設定されている。
次いで、フェンダパネル102の取り付けられた車体全体を、生産ラインに沿って塗装エリアまで移動させる。その場合に、このとき、本実施の形態においては、ねじアッセンブリ112の円形ナット132が前述のようにホイールエプロンレインフォースメント103に圧接されて、ねじアッセンブリ112全体がホイールエプロンレインフォースメント103に堅固に取り付けられており、しかも、締結用ナット133は、全ねじボルト131に仮止めされているので、ホイールエプロンレインフォースメント103にフェンダパネル102が取り付けられた状態での移動時に振動等が生じても、ねじアッセンブリ112自体や締結用ナット133の脱落が防止されることとなる。
そして、次に、塗装エリアにおいて、フェンダパネル102を含む車体全体への塗料の吹き付け、焼き付け、乾燥、冷却等からなる塗装作業を行う。なお、このときの焼き付け温度は、フェンダパネル102単品で行う場合の温度(例えば、約120℃)よりも高い温度(例えば、約180℃)に設定されている。これは、他の金属製パネル等への塗料の焼き付けが確実に行われるようにするためである。
その場合に、前述のように、この塗装作業に際しては、フェンダパネル102が樹脂製であるため、焼き付け時に金属製のホイールエプロンレインフォースメント103よりも大きく膨張すると共に、その後の冷却時に収縮することとなるが、本参考実施形態においては、このとき、前側取付部110においては、締結用ナット133とフェンダパネル102との間に隙間zが存在しており、すなわちフェンダパネル102とホイールエプロンレインフォースメント103とが完全には締結されておらず、かつねじアッセンブリ112が挿通されるフェンダパネル102側の孔は長孔とされているから、塗装作業の焼き付け時に、フェンダパネル102が大きく膨張すると、該フェンダパネル102の前部側が、該前部に設けられた長孔140aに嵌められた円形ナット132により案内されながら仮想線で示すように後側取付部120を基準位置としてホイールエプロンレインフォースメント103に対してF方向に移動することとなる。一方、その後の冷却時には、フェンダパネル102が収縮すると、その前部側が逆にホイールエプロンレインフォースメント103に対してR方向に移動することとなる。つまり、塗装作業時におけるフェンダパネル102の大きな膨張、収縮が許容されることとなり、この結果、フェンダパネル102の湾曲等の変形や、内部応力の残留が防止されることとなる。
そして、次に、塗装作業の完了後、図30、図31に示すように、締結用ナット133を最終状態まで締め込んでフェンダパネル102をホイールエプロンレインフォースメント103に対して固定する。その場合に、本参考実施形態においては、前述のように、フェンダパネル102の長孔102bの内側に金属製のスペーサ140が嵌め込まれていると共に、該スペーサ140の厚さ(高さ)h1は、前記圧接時に締結用ナット133が該スペーサ140に当接しない範囲で、フェンダパネル102の段差部102cの厚さh2よりも大きくされているから、締結用ナット133を締め込んでいったときに、該ナット133がスペーサ140の上端に当接した後、該ナット133によりスペーサ140が圧接されることとなる。したがって、フェンダパネル102の長孔102b周辺部(段差部102c等)には、過大な締付力が加わることがなく、該フェンダパネル102の損傷等が防止されることとなる。なお、図においては、h1とh2とが異なることを示すために、その差を誇張してあらわしているが、実際は、ガタが生じず、かつフェンダパネル102がホイールエプロンレインフォースメント103に対して摺動可能な程度の差でよい。
また、樹脂は、熱履歴により前記膨張量と収縮量とが等しくない場合があり、従来のように予めフェンダパネル102とホイールエプロンレインフォースメント103とを完全に締結しておくと、この膨張量と収縮量との差によっても変形や内部応力の残留等の虞があるが、本参考実施形態においては、塗装作業の完了後に、フェンダパネル102をホイールエプロンレインフォースメント103に対して最終固定するので、これらの虞がない。
加えて、スペーサ140とフェンダパネル102の長孔102bとの間には、車体前後方向に自然気温変化程度の膨張収縮を吸収可能な隙間が設けられているので、フェンダパネル102がホイールエプロンレインフォースメント103に取り付けられた後、自然気温変化による膨張収縮が生じても、該膨張収縮を良好に吸収することができる。
次に、第2の参考実施形態について説明する。なお、第1の参考実施形態との相違点が存在する前側取付部の構成を中心に説明し、第1の参考実施形態とほぼ同一である車両101の基本構造、フェンダパネル102、ホイールエプロンレインフォースメント103、及び後側取付部120、スペーサ140の構成についての説明は省略するものとする。説明に際して、これらのものに言及するときは、同一の符号を用いるものとする。後述する第3の参考実施形態においても同様とする。
すなわち、図32に示すように、第2の参考実施形態に係る前側取付部150においては、車体部材側ねじ部を構成するウエルドナット151が、ホイールエプロンレインフォースメント103におけるフェンダパネル102に対向する面に設けられており、その底面の円筒部151aがホイールエプロンレインフォースメント103のボルト挿通孔103bにはめ込まれて溶着されている。
また、ねじアッセンブリ152は、第1の参考実施形態同様の、全ねじボルト161と、該全ねじボルト161に螺合された円形ナット162と、該円形ナット162に対して所定の間隔y′をあけて螺合された締結用ナット163とを有する。なお、これら両ナット162,163には第1の参考実施形態同様のかしめ処理が施されている。また、円形ナット162は、ウエルドナット151が車体構成パネル103におけるフェンダパネル102に対向する面からフェンダパネル102側に突出する分、厚みが薄くされている。
また、締結用ナット163と円形ナット162との所定の間隔y′は、図33に示すように、前記ホイールエプロンレインフォースメント103のウエルドナット151をスペーサ140の長孔140a内(すなわちフェンダパネル102の長孔102b内)に嵌め込んでホイールエプロンレインフォースメント103とフェンダパネル102とを重ねた状態で、ねじアッセンブリ152の全ねじボルト161を、円形ナット162がウエルドナット151に圧接されるまで、フェンダパネル102側からスペーサ140の長孔140aを通して(すなわち、フェンダパネル102の長孔102bを通して)前記ホイールエプロンレインフォースメント103のウエルドナット151に螺合したときに、締結用ナット163とフェンダパネル102の段差部102cとの間に隙間z′が生じる間隔に設定されている。
したがって、第2の参考実施形態においても、第1の参考実施形態同様に、ホイールエプロンレインフォースメント103にフェンダパネル102が取り付けられた状態での移動時に振動等が生じても全ねじボルト161や締結用ナット163等の脱落が防止されると共に、フェンダパネル102がホイールエプロンレインフォースメント103に対して仮想線で示すようにF,R方向に移動することにより、塗装時におけるフェンダパネル102の熱膨張及び収縮が許容されることとなる。
次いで、塗装完了後、締結用ナット163を締め込むことにより、フェンダパネル102がホイールエプロンレインフォースメント103に固定されることとなる。なお、この実施の形態においても、スペーサ140とフェンダパネル102の長孔102bとの間には、車体前後方向に自然気温変化程度の膨張収縮を吸収可能な隙間が設けられているので、自然気温変化による膨張収縮を良好に吸収することができる。
そして、特に、第2の参考実施形態によれば、ウエルドナット151がフェンダパネル102の長孔102b(スペーサ140の長孔140a)内に突出することとなるので、該ウエルドナット151も、フェンダパネル102の移動を案内するガイド部材として利用することが可能となる。
次に、第3の参考実施形態について説明する。すなわち、図34に示すように、第3の参考実施形態に係る前側取付部170においては、ホイールエプロンレインフォースメント103にはボルト挿通孔が設けられておらず、これに代えて、該ホイールエプロンレインフォースメント103におけるフェンダパネル102に対向する面にスタッドボルト171が溶着、立設されている。
また、ねじアッセンブリ172は、全ねじボルト181と、該全ねじボルト181の一端に固着された円形部材182と、該円形部材182に対して所定の間隔y″をあけて螺合された締結用ナット183とを有する。なお、締結用ナット183の座部183aには第1の参考実施形態同様のかしめ処理が施されている。また、円形部材182における反全ねじボルト181側の面には、前記スタットボルト171に螺合可能な雌ねじ部182aが設けられている。
そして、締結用ナット183と円形ナット182との所定の間隔y″は、図35に示すように、前記ホイールエプロンレインフォースメント103のスタッドボルト171をスペーサ140の長孔140a内(すなわちフェンダパネル102の長孔102b内)に嵌め込んで前記ホイールエプロンレインフォースメント103とフェンダパネル102とを重ねた状態で、前記ねじアッセンブリ172の円形部材182の雌ねじ部182aを、円形部材182がホイールエプロンレインフォースメント103に圧接されるまで、前記ホイールエプロンレインフォースメント103のスタッドボルト171に螺合したときに、締結用ナット183とフェンダパネル102との間に隙間z″が生じる間隔に設定されている。
したがって、第3の参考実施形態においても、第1の参考実施形態同様に、ホイールエプロンレインフォースメント103にフェンダパネル102が取り付けられた状態での移動時に振動等が生じても全ねじボルト181や締結用ナット183等の脱落が防止されると共に、フェンダパネル102がホイールエプロンレインフォースメント103に対して仮想線で示すようにF,R方向に移動することにより、塗装時におけるフェンダパネル102の熱膨張及び収縮が許容されることとなる。
そして、塗装完了後、締結用ナット183を締め込むことにより、フェンダパネル102がホイールエプロンレインフォースメント103に固定されることとなる。なお、この実施形態においても、スペーサ140とフェンダパネル102の長孔102bとの間には、車体前後方向に自然気温変化程度の膨張収縮を吸収可能な隙間が設けられているので、自然気温変化による膨張収縮を良好に吸収することができる。
そして、特に、第3の参考実施形態によれば、前側取付部170において、ホイールエプロンレインフォースメント103に、ボルト挿通孔を設ける必要がないので、穿孔作業の手間が省けることとなる。
なお、第1〜第3の参考実施形態においては、ねじアッセンブリのボルト部材を、全ねじボルト131,161,181及び円形ナット132,162、円形部材182の2部材により構成したが、図36に示すように、一部材から削り出すことによりねじ軸部191と大径部192とねじ軸側ねじ部193とを有するボルト部材190を構成してもよい。
また、前記各参考実施形態においては、車体部材に取り付けられる樹脂製パネル部材がフェンダパネル102の場合について説明したが、図24に示すサイドドア105のアウタパネルにも適用可能である。なお、サイドドア105の場合は、長孔の方向は、車両101の外観見栄え上、重要な要素であるフェンダパネル102の後端とドア105のアウタパネルの前端との車体前後方向の間隔が、ドア105のアウタパネルの熱膨張収縮の際にもほとんど変化しないように、つまり、熱膨張によるドア105のアウタパネルの前端の車両前後方向の位置変化が規制されるように、熱膨張収縮を許容可能な車幅方向に設定すればよい。
また、車両の外面を構成するアウタパネルだけでなく、内面を構成するインナパネルや、その他車体部材に取り付けられた後で塗装等の高温作業が行われる樹脂製パネル等に広く適用可能である。
本発明は、樹脂製パネル部材の車体部材への取付構造及び取付方法に広く適用することができる。
本発明の最良の実施形態に係る車両の斜視図である。 前記車両のフェンダパネルとエプロンフレームとの取付関係を示す拡大斜視図である。 スライド部の取付前の分解断面図である。 スペーサ部材の(a)は平面図、(b)は底面図である。 スライド部の分解断面図であって、図3の次に、スペーサ部材をフェンダパネルの長孔に嵌め、ウエルドナットをエプロンフレームの取付孔に接合した状態を示すものである。 スライド部の断面図であって、図5の次に、フェンダパネルとエプロンフレームとを重ね合せて、締結部材のねじ部をウエルドナットに螺合し始めた状態を示すものである。 スライド部の断面図であって、図6の次に、締結部材の大径部がウエルドナットに圧接されるまで、締結部材のねじ部をウエルドナットに螺合した状態を示すものである。 スライド部の断面図であって、図7の次に、ワークの表面に塗膜が形成された状態を示すものである。 スライド部の断面図であって、図8の次に、締結部材のねじ軸部に締結用ナット部材を通して、該ナット部材によりフェンダパネルとエプロンフレームとを固定した状態を示すものである。 スペーサ部材の別の例を示すための、図9に対応するスライド部の断面図である。 スペーサ部材を用いない例を示すための、図9に対応するスライド部の断面図である。 完全締結部の取付前の分解断面図である。 スペーサ部材の底面図である。 完全締結部の分解断面図であって、図12の次に、ウエルドナットをエプロンフレームの取付孔に接合し、フェンダパネルとエプロンフレームとを重ね合せた状態を示すものである。 完全締結部の断面図であって、図14の次に、ワークの表面に塗膜が形成された状態を示すものである。 完全締結部の断面図であって、図15の次に、スペーサ部材をフェンダパネルの丸孔に嵌め、締結部材のねじ部をウエルドナットに螺合し始めた状態を示すものである。 完全締結部の断面図であって、図16の次に、締結部材によりフェンダパネルとエプロンフレームとを固定した状態を示すものである。 熱収縮規制部の構成及び作用を示すための、フェンダパネル及びエプロンフレームの縦断面図である。 熱収縮規制部の別の構成及び作用を示すための、フェンダパネル及びエプロンフレームの縦断面図である。 エプロンフレームの上にフェンダパネルを重ねて置く作業の良好な場合を示す平面図であって、(a)は重ね合せる前の状態、(b)は重ね合せた後の状態、(c)は締結部材を長孔及びスペーサ部材を介してウエルドナットにねじ込んだ状態を示すものである。 エプロンフレームの上にフェンダパネルを重ねて置く作業の問題な場合を示す平面図であって、(a)は重ね合せる前の状態、(b)は重ね合せた後の状態を示すものである。 クリップナットを用いる場合の説明図であって、図5に対応するスライド部の分解断面図である。 クリップナットを用いる場合の説明図であって、図7に対応するスライド部の断面図である。 本発明に対して参考となる実施形態に係る車両の斜視図である。 図24におけるフェンダ部分の拡大斜視図である。 図25の矢印Aで示す部分を分解した状態の拡大斜視図である。 図26のB−B断面図である。 図26のC−C断面図である。 全ねじボルトを、円形ナットがホイールエプロンレインフォースメントに圧接されるまで、ウエルドナットに螺合した状態における図28と同断面による断面図である。 締結用ナットを締結した状態における図28と同断面による断面図である。 同状態における図27と同断面による断面図である。 第2の参考実施形態に係る図28相当の図である。 同図29相当の図である。 第3の参考実施形態に係る図28相当の図である。 同図29相当の図である。 ねじアッセンブリのボルト部材の他の例の側面図である。
符号の説明
1 車両
2 フェンダ(樹脂製パネル部材)
6 エプロンフレーム(車体部材)
21 ウエルドナット(車体部材側ねじ部)
22 長孔
23 締結部材
23a ねじ軸部
23b 大径部
23c ねじ部
23d 第2大径部
24 スペーサ部材
25 締結用ナット部材
40 熱収縮規制部

Claims (9)

  1. 車体部材への樹脂製パネル部材の取付構造であって、
    前記車体部材には、雌ねじまたは雄ねじの一方を形成した車体部材側ねじ部が設けられていると共に、
    前記パネル部材における前記車体部材側ねじ部に対応する部位には、該パネル部材の熱変形を許容する方向に沿って長孔が形成されており、
    かつ、ねじ軸部と、該ねじ軸部の一端に設けられ、前記長孔に挿入可能な大径部と、該大径部の反ねじ軸部側端面に設けられ、前記車体部材側ねじ部に螺合可能なねじ部とを有する締結部材が用いられていることを特徴とする車両用樹脂製パネル部材の取付構造。
  2. 請求項1に記載の車両用樹脂製パネル部材の取付構造であって、
    前記締結部材のねじ軸部には、前記大径部よりも大径の第2の大径部が設けられていることを特徴とする車両用樹脂製パネル部材の取付構造。
  3. 請求項2に記載の車両用樹脂製パネル部材の取付構造であって、
    前記締結部材のねじ部を前記大径部が車体部材に圧接されるまで前記車体部材側ねじ部に螺合したときに、前記第2大径部と樹脂製パネル部材との間に隙間が生じるように構成されていることを特徴とする車両用樹脂製パネル部材の取付構造。
  4. 請求項2または請求項3に記載の車両用樹脂製パネル部材の取付構造であって、
    前記長孔の周縁部には、前記締結部材の大径部及び第2大径部をそれぞれ挿入可能な長孔を有し、前記大径部を挿入可能な長孔が形成されている部分の厚みが前記樹脂製パネル部材の前記長孔が形成されている部分の厚みと略同じに設定され、前記樹脂製パネル部材よりも圧縮クリープ強度が高い枠状のスペーサ部材が嵌入されていることを特徴とする車両用樹脂製パネル部材の取付構造。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の車両用樹脂製パネル部材の取付構造であって、
    前記樹脂製パネル部材の所定量以上の熱収縮を規制する熱収縮規制部が設けられていることを特徴とする車両用樹脂製パネル部材の取付構造。
  6. 請求項5に記載の車両用樹脂製パネル部材の取付構造であって、
    前記熱収縮規制部は、前記車体部材側ねじ部に螺合された締結部材と、前記樹脂製パネル部材の長孔の一端部との当接によって構成されていることを特徴とする車両用樹脂製パネル部材の取付構造。
  7. 車体部材への脂脂製パネル部材の取付方法であって、
    前記車体部材に、雌ねじまたは雄ねじの一方を形成した車体部材側ねじ部を予め設けておくと共に、前記樹脂製パネル部材における前記車体部材側ねじ部に対応する部位に該パネル部材の熱変形を許容する方向に沿って長孔を予め形成しておき、
    かつ、ねじ軸部と、該ねじ軸部の一端に設けられ、前記長孔に挿入可能な大径部と、該大径部の反ねじ軸部側端面に設けられ、前記車体部材側ねじ部に螺合可能なねじ部とを有する締結部材を用意しておき、
    前記車体部材側ねじ部と長孔との位置を合せて前記車体部材と樹脂製パネル部材とを重ねた状態で、前記締結部材のねじ部を前記大径部が車体部材に圧接されるまで前記車体部材側ねじ部に螺合し、
    この状態で、樹脂製パネル部材に対して熱が加わる所定の作業を行い、
    その後、前記締結部材のねじ軸部に締結用ナット部材を通して、このナット部材により、車体部材と樹脂製パネル部材とを固定することを特徴とする車両用樹脂製パネル部材の取付方法。
  8. 請求項7に記載の車両用樹脂製パネル部材の取付方法であって、
    前記締結部材のねじ軸部には、前記大径部よりも大径の第2の大径部が設けられており、
    前記締結部材のねじ部を前記大径部が車体部材に圧接されるまで前記車体部材側ねじ部に螺合したときには、前記第2大径部と樹脂製パネル部材との間に隙間が生じることを特徴とする車両用樹脂製パネル部材の取付方法。
  9. 請求項7または請求項8に記載の車両用樹脂製パネル部材の取付方法であって、
    前記樹脂製パネル部材に対して熱が加わる所定の作業は、塗装後の塗膜乾燥作業であることを特徴とする車両用樹脂製パネル部材の取付方法。
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