JP5776108B2 - 瓦棒葺屋根用取付金具 - Google Patents
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Description
図8に示す取付金具80は、図8(a)に示すように上部パーツ81と下部パーツ82の2部品からなり、これをボルト83及びナット84で組み合わせて使用する。詳しくは、図8(b)に示すように、瓦棒葺屋根90の瓦棒91に下部パーツ82を嵌め込み、上部パーツ81で瓦棒91の馳締部92,92を外側から握持するようにして固定する。そして、上部パーツ81に設けられたボルト85を介して、設置物(図示省略)を取り付けることができるものである。
(1)上部パーツ81と下部パーツ82の2部品からなるため、製造工程が上部パーツの製造と下部パーツの製造の2工程を必要としていた。
(2)同様に2部品からなるため、上部パーツ81と下部パーツ82の組み立て作業を必要としていた。
(3)同様に2部品からなるため、部品の管理が煩雑であった。
(4)また、瓦棒91に下部パーツ82を嵌め込む際に、ボルト85を備えた上部パーツ81がボルト83を軸に回動してしまうので(ボルト83を緩めているため上部パーツが不安定な状態になる)、作業性・施工性に難があった。
第2の発明は、側面部が、その下端を馳締部側へ折曲して馳締部の外側面の下側に形成された段部に係止する係止部を設けるとともに、馳締部の外側面に当接する部分に馳締部側へプレスした押圧部を設けたことを特徴とする同瓦棒葺屋根用取付金具である。
第3の発明は、底面部が、瓦棒の長手方向に沿ってリブ溝を形成したことを特徴とする同瓦棒葺屋根用取付金具である。
第4の発明は、底面部が、上面部の穿孔と相対する位置に固定具挿入用の穿孔を形成したことを特徴とする同瓦棒葺屋根用取付金具である。
第5の発明は、上面部が、側面部を瓦棒の幅方向に貫通させたボルトによって支持されていることを特徴とする同瓦棒葺屋根用取付金具である。
第6の発明は、略十字形に形成された板材を折曲して一体成形したことを特徴とする同瓦棒葺屋根用取付金具である。
(1)本願発明は、瓦棒葺屋根の凸状に形成された瓦棒の左右両端に設けられた馳締部の内側面に当接する底面部と、馳締部の外側面に当接するとともに瓦棒の幅方向に貫通させたボルト及びナットで底面部側へ締め付ける一対の側面部と、底面部の上方にあって設置物を取り付けるための固定具用の穿孔を形成した上面部とを備え、底面部と側面部と上面部とは折曲により一体成形されていることで、1部品(各部品を分割せず一体構成となっている)で取付金具としての機能を具備する瓦棒葺屋根用取付金具を提供できる。
(2)取付金具が1部品であることで、従来の瓦棒葺屋根用取付金具の課題であった製造工程を1工程に短縮できるとともに、組立作業・部品管理を低減できる。また、固定具用の穿孔を備えた上面部が可動することはないので、作業性・施工性が向上する。
(3)側面部が、その下端を馳締部側へ折曲して馳締部の外側面の下側に形成された段部に係止する係止部を設けるとともに、馳締部の外側面に当接する部分に馳締部側へプレスした押圧部を設けたことで、側面部による締め付けが強固になり、より確実に取付部材を瓦棒に固定できる。
(4)底面部が、瓦棒の長手方向に沿ってリブ溝を形成したことで、リブ溝が底面部の補強とともに瓦棒に溜った雨水を通すので、錆を防止できる。
(5)底面部が、上面部の穿孔と相対する位置に固定具挿入用の穿孔を形成したことで、ボルト等の固定具を上面部の穿孔に備えることが容易になる。
(6)上面部が、側面部を瓦棒の幅方向に貫通させたボルトによって支持されていることで、上面部の強度を高めることができる。
(7)略十字形に形成された板材を折曲して取付金具を一体成形したことで、1部品(各部品を分割せず一体構成となっている)で取付金具としての機能を具備する瓦棒葺屋根用取付金具を提供できる。
図1は、本願発明に係る瓦棒葺屋根用取付金具10の全体構造を示す斜視図である(図1(a)は上方からの斜視図、図1(b)は下方からの斜視図)。
図1に示すように、瓦棒葺屋根用取付金具10は、底面部20と一対の側面部30,30と上面部40とを備え、その底面部20と側面部30,30と上面部40は折曲により一体成形されている。
ここで、側面部30には、瓦棒の幅方向にボルトを貫通させるためのボルト孔31を有する。
上面部40には、設置物を取り付けるためのボルト等の固定具用の穿孔41を有する。
底面部20には、上面部40の穿孔41と相対する位置に固定具挿入用の穿孔21を有する。底面部20に固定具挿入用の穿孔21を形成したことで、ボルト等の固定具を上面部40の穿孔41に備えることが容易になる。
図2に示すように、瓦棒葺屋根用取付金具10は瓦棒葺屋根90の凸状に形成された瓦棒91に固定して使用されるものである。まず、瓦棒91の左右両端に設けられた馳締部92,92の内側面93,93に当接するように底面部20を嵌め込む。次に、馳締部92,92の外側面に側面部30,30を当接させながらボルト50及びナット51で底面部20側へ締め付ける。そして、側面部30,30の締め付けと、これに反発する底面部20とによって、瓦棒葺屋根用取付金具10は瓦棒91に確実に固定される(図3を参照のこと)。
また、上面部40は、側面部30,30を瓦棒91の幅方向に貫通させたボルト50によって支持されることで、その強度を高めることができる。すなわち、設置物の荷重等によって上面部40に負荷がかかるが、変形・坐屈等を起こすことなくその形状を保持できる。
図3に示すように、瓦棒葺屋根用取付金具10は、側面部30,30の締め付けと、これに反発する底面部20とによって瓦棒91に確実に固定される。この時、側面部30は、その下端を馳締部92側へ折曲して馳締部92の外側面94の下側に形成された段部に係止する係止部32を設けるとともに、馳締部92の外側面94に当接する部分に馳締部92側へプレスした押圧部33を設けたことで、側面部30,30による締め付けが強固になり、より確実に瓦棒葺屋根用取付金具10を瓦棒91に固定できる。
また、底面部20が、瓦棒91の長手方向に沿ってリブ溝22を形成したことで、リブ溝22が底面部20の補強とともに瓦棒91に溜った雨水を通すので、錆を防止できる。
なお、リブは補強のために側面部30や上面部40などにも適宜形成するとよい。
第1実施形態は、図1〜図3に図示した瓦棒葺屋根用取付金具10である。図4(a)に示すように、略十字形に形成された板材11Aを用意する。ここで、符号12Aは底面部、符号13Aは側面部、符号14Aは上面部になる部分である。また、符号15Aは各部材を繋ぐための繋ぎ目である。そして、図4(b)に示すように、板材11Aを折曲することで、瓦棒葺屋根用取付金具10の原型10Aが完成する。瓦棒葺屋根用取付金具10は、この原型10Aにさらにリブ加工や折曲加工などを施して完成する。このように、瓦棒葺屋根用取付金具10(第1実施形態)は、1枚の板材を折曲して一体成形したことで、1部品(各部品を分割せず一体構成となっている)で取付金具としての機能を具備する極めて優れた瓦棒葺屋根用取付金具を提供できる(以下、第2実施形態〜第4実施形態において同様である)。
第2実施形態は、瓦棒葺屋根用取付金具のその他の実施形態である。図5(a)に示すように、略T字形に形成された板材11Bを用意する。ここで、符号12Bは底面部、符号13Bは側面部及び上面部になる部分である。また、符号15Bは各部材を繋ぐための繋ぎ目である。そして、図5(b)に示すように、板材11Bを折曲することで、瓦棒葺屋根用取付金具(第2実施形態)の原型10Bが完成する。瓦棒葺屋根用取付金具(第2実施形態)は、この原型10Bにさらにリブ加工や折曲加工などを施して完成する。
第3実施形態は、瓦棒葺屋根用取付金具のその他の実施形態である。図6(a)に示すように、略十字形に形成された板材11Cを用意する。ここで、符号12Cは底面部及び上面部、符号13Cは側面部になる部分である。また、符号15Cは各部材を繋ぐための繋ぎ目である。そして、図6(b)に示すように、板材11Cを折曲することで、瓦棒葺屋根用取付金具(第3実施形態)の原型10Cが完成する。瓦棒葺屋根用取付金具(第3実施形態)は、この原型10Cにさらにリブ加工や折曲加工などを施して完成する。
第4実施形態は、瓦棒葺屋根用取付金具のその他の実施形態である。図7(a)に示すように、略Y字形に形成された板材11Dを用意する。ここで、符号12Dは底面部、符号13Dは側面部、符号14Dは上面部になる部分である。また、符号15Dは各部材を繋ぐための繋ぎ目である。そして、図7(b)に示すように、板材11Dを折曲することで、瓦棒葺屋根用取付金具(第4実施形態)の原型10Dが完成する。瓦棒葺屋根用取付金具(第4実施形態)は、この原型10Dにさらにリブ加工や折曲加工などを施して完成する。
11 板材
20 底面部
21 穿孔
30 側面部
31 ボルト孔
32 係止部
33 押圧部
40 上面部
41 穿孔
50 ボルト
51 ナット
90 瓦棒葺屋根
91 瓦棒
92 馳締部
93 内側面
94 外側面
Claims (5)
- 瓦棒葺屋根の上面に設置物を取り付けるための瓦棒葺屋根用取付金具であって、
瓦棒葺屋根の凸状に形成された瓦棒の左右両端に設けられた馳締部の内側面に当接する底面部と、
馳締部の外側面に当接するとともに瓦棒の幅方向に貫通させたボルト及びナットで底面部側へ締め付ける一対の側面部と、
底面部の上方にあって設置物を取り付けるための固定具用の穿孔を形成した上面部とを備え、
底面部と側面部と上面部とは折曲により一体成形されながら、
上面部は、その両側端を垂下させて側面部を瓦棒の幅方向に貫通させたボルトによって支持されるとともに、側面部は、その上端を上面部側へ折曲することで、設置物の荷重を上面部と側面部の双方で受けていることを特徴とする瓦棒葺屋根用取付金具。 - 側面部は、その下端を馳締部側へ折曲して馳締部の外側面の下側に形成された段部に係止する係止部を設けるとともに、馳締部の外側面に当接する部分に馳締部側へプレスした押圧部を設けたことを特徴とする請求項1記載の瓦棒葺屋根用取付金具。
- 底面部は、瓦棒の長手方向に沿ってリブ溝を形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の瓦棒葺屋根用取付金具。
- 底面部は、上面部の穿孔と相対する位置に固定具挿入用の穿孔を形成したことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の瓦棒葺屋根用取付金具。
- 略十字形に形成された板材を折曲して一体成形したことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の瓦棒葺屋根用取付金具。
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