JP2007036469A - 高周波回路装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高さ方向の位置が異なる配線領域の伝送線路を低損失に接続する。
【解決手段】第1の基台1及び第2の基台2は、高さ方向の位置が異なる配線領域の間がスロープで連結されている。そして、第1の基台1と第2の基台2との間に伝送線路となる銅箔3がパターニングされている誘電体フィルム4を配置する。さらに、第1の基台1及び第2の基台2において、銅箔3の周囲を溝状に切削し、銅箔3を中空に固定したエア・ストリップ線路を形成する。
【選択図】図3
【解決手段】第1の基台1及び第2の基台2は、高さ方向の位置が異なる配線領域の間がスロープで連結されている。そして、第1の基台1と第2の基台2との間に伝送線路となる銅箔3がパターニングされている誘電体フィルム4を配置する。さらに、第1の基台1及び第2の基台2において、銅箔3の周囲を溝状に切削し、銅箔3を中空に固定したエア・ストリップ線路を形成する。
【選択図】図3
Description
この発明は、伝送線路を備える高周波回路装置に関する。
従来の高周波回路装置は、例えば印刷基板をベースとし、エッチング技術と積層化技術によって、2つの地導体板や地導体板間に位置する伝送線路を形成したものが、多く用いられてきた。積層基板において、高さ方向の位置が異なる伝送線路を接続するために、一般的には、基板を貫通させた穴の側面に金属メッキを施したビアホール(又は、スルーホールと称する)が用いられている。また、伝送損失を低減させることを目的とした伝送線路として、空気を誘電体として用いるエア・ストリップ伝送線路が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
特開平7−94941号公報
ところが、積層基板において、ビアホールにより高さ方向の位置が異なる伝送線路を接続する場合、信号伝送モードが異なるため、伝送線路とビアホールとの整合を取るのが困難であった。また、誘電体基板中に信号を伝送させるため、電力損失が大きいことが問題であった。一方、低損失な伝送線路として知られているエア・ストリップ伝送線路は、空気を誘電体として利用しているため、ビアホールを構成することが困難である。そのため、2層構造のエア・ストリップ伝送線路で構成された回路の高さ方向の位置が異なる2つの出力端子を、1層構造で構成されたエア・ストリップ伝送線路で構成された回路の高さ方向の位置が等しい2つの入力端子に接続するためには、高さ方向の位置を変えることができないため、同軸ケーブルで接続する必要があった。これにより、電力損失が発生し、また2層構造の回路からの2つの出力信号を同位相に制御することが困難であった。
この発明は上記事情に着目してなされたもので、高さ方向の位置が異なる配線領域の伝送線路を低損失に接続することができる高周波回路装置を提供することにある。
上記目的を達成するためにこの発明に係わる高周波回路装置は、互いに高さの異なる第1の配線領域と、第2の配線領域とを備える第1の基台に対し、前記第1の配線領域と前記第2の配線領域との間の少なくとも一部をスロープ状に形成し、前記第1の配線領域に形成される第1の伝送線路と前記第2の配線領域に形成される第2の伝送線路とを前記スロープ形成部に沿って形成される第3の伝送線路により接続する。
さらに、前記第1の基台に対して、それぞれ前記第1、第2の配線領域及び前記スロープ形成部と対面する高さの第3、第4の配線領域及びスロープ形成部を有する第2の基台を対峙させ固定するものである。
また、前記第1の基台及び第2の基台にはそれぞれ前記第1乃至第3の伝送線路の形成部分に溝が形成され、前記第1乃至第3の伝送線路は誘電体フィルム上に形成され、前記誘電体フィルムが前記第1及び第2の基台で挟持されることでエア・ストリップ線路として機能するようにする。
上記構成による高周波回路装置では、互いに高さの異なる第1の配線領域と第2の配線領域との間の少なくとも一部をスロープ状に形成して、第1の配線領域及び第2の配線領域にそれぞれに形成される伝送線路を上記スロープ形成部に沿って接続している。さらに、上記第1の基台に対して、それぞれ第1、第2の配線領域及びスロープ形成部と対面する高さの第3、第4の配線領域及びスロープ形成部を有する第2の基台を対峙させ固定する。また、第1及び第2の基台にはそれぞれ第1乃至第3の伝送線路の形成部分に溝が形成され、これらの伝送線路は誘電体フィルム上に形成され、この誘電体フィルムが第1及び第2の基台で挟持されることでエア・ストリップ線路として機能するようにしたものである。
これにより、従来のビアホールと比較して、伝送モードを変える必要がないため整合を取りやすく、高さ方向の位置が異なる伝送線路を低損失に接続することが可能である。また、このように構成することで、2層構造回路からの2つの出力端子をそれぞれ1層構造回路の入力端子の高さに合わせることができるため、両者の回路をコネクタで直接接続することが可能となる。コネクタによる接続は、同軸ケーブルによる接続と比較して、ケーブルによる損失が発生しないため損失が少なく、ケーブルの曲がりによる位相変動が発生しないため、2層構造の回路からの2つの出力信号を同位相で1層構造の回路へ低損失に入力することが可能である。
したがってこの発明によれば、高さ方向の位置が異なる配線領域の伝送線路を低損失に接続することができる高周波回路装置を提供することができる。
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、この発明に係わる高周波回路装置の一実施形態を示す外観図である。この高周波回路装置は、アルミニウム等の金属製の第1の基台1及び第2の基台2を備える。図2は、第2の基台2を取り外した状態の第1の基台1の構成図である。また、図3は、図1のA−A´の点破線による切断面を示す断面図、図4は、図1のB−B´の点破線による切断面を示す断面図である。第1の基台1及び第2の基台2には、高さ方向の位置が異なる配線領域a,bの間がスロープcで連結されている。第1の基台1と第2の基台2の間には、伝送線路となる銅箔3がパターニングされている厚さ50ミクロン程の誘電体フィルム4が挟持されている。また、第1の基台1及び第2の基台2は、それぞれ誘電体フィルム4上の銅箔3の配線パターンの周囲が溝状に切削加工されており、これによって銅箔3は中空に固定され、エア・ストリップ線路が形成される。
図1は、この発明に係わる高周波回路装置の一実施形態を示す外観図である。この高周波回路装置は、アルミニウム等の金属製の第1の基台1及び第2の基台2を備える。図2は、第2の基台2を取り外した状態の第1の基台1の構成図である。また、図3は、図1のA−A´の点破線による切断面を示す断面図、図4は、図1のB−B´の点破線による切断面を示す断面図である。第1の基台1及び第2の基台2には、高さ方向の位置が異なる配線領域a,bの間がスロープcで連結されている。第1の基台1と第2の基台2の間には、伝送線路となる銅箔3がパターニングされている厚さ50ミクロン程の誘電体フィルム4が挟持されている。また、第1の基台1及び第2の基台2は、それぞれ誘電体フィルム4上の銅箔3の配線パターンの周囲が溝状に切削加工されており、これによって銅箔3は中空に固定され、エア・ストリップ線路が形成される。
上記構造によれば、高さの異なる配線領域a,bに形成される伝送線路11,12を接続する場合に、各領域間にスロープcを形成して、このスロープcに沿って形成される伝送線路13で両線路11,12を接続するようにしているので、従来の同軸ケーブルによる接続方式と比較して接続部分による損失がなく、また、ケーブルの曲がりによる位相変動が発生しないという効果が得られる。また、電力損失が少ないエア・ストリップ伝送線路をスロープ状に折り曲げることになるので、従来のビアホール方式と比較して低損失に高さの異なる伝送線路を接続することが可能である。また、従来のビアホール方式は、高さ方向の位置が誘電体基板厚により決定されてしまうことに対して、本発明の構成によれば自由に高さ方向の位置を設定することが可能である。
(実施例)
実施例として、図5及び図6に本発明の高周波回路装置の構造を用いたアレイ・アンテナの給電回路網の構成図を示す。この給電回路網は、図5に示すように、誘電体フィルムに導体パターンによる伝送線路が形成された合成回路52及び合成回路54を備え、合成回路52がアルミニウム板51とアルミニウム板53との間、合成回路54がアルミニウム板53とアルミニウム板55との間に挟持される。各アルミニウム板には、切削加工によりチャネル・パターンの溝が形成され、合成回路52及び合成回路54とそれぞれエア・ストリップ伝送線路を構成する。
実施例として、図5及び図6に本発明の高周波回路装置の構造を用いたアレイ・アンテナの給電回路網の構成図を示す。この給電回路網は、図5に示すように、誘電体フィルムに導体パターンによる伝送線路が形成された合成回路52及び合成回路54を備え、合成回路52がアルミニウム板51とアルミニウム板53との間、合成回路54がアルミニウム板53とアルミニウム板55との間に挟持される。各アルミニウム板には、切削加工によりチャネル・パターンの溝が形成され、合成回路52及び合成回路54とそれぞれエア・ストリップ伝送線路を構成する。
ここで、上記構造において、図6に示すように、合成回路Aは、互いに高さが異なる配線領域A1,A2,A3を備え、配線領域A2と配線領域A3との間にスロープ部A4を形成することで、合成回路Aの出力をポートPAに入力する。同様に、合成回路Bは、互いに高さが異なる配線領域B1,B2,B3を備え、配線領域B2と配線領域B3との間にスロープ部B4を形成することにより合成回路Bの出力をポートPBに入力している。これにより、高さの異なる配線領域A3及びB3にそれぞれ形成されるエア・ストリップ伝送線路の出力を合成出力側に設けられる同じ高さの2つの入力ポートPA,PBにそれぞれ接続することが可能となる。
このように構成すると、2層構造の回路からの高さの異なる2つの出力端子を1層構造の回路の入力端子に高さを合わせることにより、両者の回路をコネクタで直接接続できるため、2層構造の回路からの2つの出力信号を低損失かつ同位相で1層構造の回路と接続することが可能である。この場合、先に述べた効果により、低損失で、かつ設計の自由度を良好に確保することが可能である。
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。例えば、上記実施形態では、エア・ストリップ伝送線路を有する高周波回路装置について説明したが、この発明はエア・ストリップ伝送線路に限定されるものではなく、一般のストリップ伝送線路の場合にも同様に実施可能である。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
1…第1の基台、a,b…配線領域、c…スロープ、11,12,13…伝送線路、2…第2の基台、3…銅箔、4…誘電体フィルム。
Claims (3)
- 互いに高さの異なる第1の配線領域と、第2の配線領域とを備える第1の基台に対し、
前記第1の配線領域と前記第2の配線領域との間の少なくとも一部をスロープ状に形成し、前記第1の配線領域に形成される第1の伝送線路と前記第2の配線領域に形成される第2の伝送線路とを前記スロープ形成部に沿って形成される第3の伝送線路により接続することを特徴とする高周波回路装置。 - 前記第1の基台に対して、それぞれ前記第1、第2の配線領域及び前記スロープ形成部と対面する高さの第3、第4の配線領域及びスロープ形成部を有する第2の基台を対峙させ固定することを特徴とする請求項1記載の高周波回路装置。
- 前記第1の基台及び第2の基台にはそれぞれ前記第1乃至第3の伝送線路の形成部分に溝が形成され、前記第1乃至第3の伝送線路は誘電体フィルム上に形成され、前記誘電体フィルムが前記第1及び第2の基台で挟持されることでエア・ストリップ線路として機能することを特徴とする請求項2記載の高周波回路装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005214623A JP2007036469A (ja) | 2005-07-25 | 2005-07-25 | 高周波回路装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2005214623A JP2007036469A (ja) | 2005-07-25 | 2005-07-25 | 高周波回路装置 |
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Family
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JP (1) | JP2007036469A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2016031691A1 (ja) * | 2014-08-29 | 2017-04-27 | 株式会社村田製作所 | 多層回路基板の製造方法および多層回路基板 |
-
2005
- 2005-07-25 JP JP2005214623A patent/JP2007036469A/ja active Pending
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