JP2007036204A - 多層回路パターンの形成方法および形成装置 - Google Patents

多層回路パターンの形成方法および形成装置 Download PDF

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裕二 鶴岡
Takashi Mori
孝志 毛利
Atsuto Yamaguchi
敦人 山口
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雅朗 古川
Seiichi Kamiya
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Abstract

【課題】液体吐出ヘッドから導電パターン用溶液や絶縁パターン用溶液を吐出することによって基材上に繰り返し積層される回路パターンの、厚さのばらつきに起因するショートや断線等を防ぐ。
【解決手段】ステージ102上の基材101に対して、キャリッジ100を走査しながら2つのヘッド部(液体吐出ヘッド)100a、100bからそれぞれ溶液を吐出して回路パターンBを形成する。1層目の回路パターンAを形成したのち、その上に2層目の回路パターンを積層する際には、例えば一方のヘッド部100bをステージ移動方向にずらせてキャリッジ100の走査を開始する。複数層の回路パターンを形成するときのヘッド部100bのノズル位置が重ならないようにすることで、回路パターンの厚みのばらつきを平均化する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子機器に広く利用されている多層回路パターンの形成方法および装置に関するものである。
LSI等の半導体や各種電子部品等を実装した多層回路を有する多層回路基板は、電子機器や通信機器、コンピュータ等の心臓部として現在広く使用されている。これらの用途に使用される多層回路基板はその基材としてセラミックやガラス繊維などの補強材とエポキシ樹脂などの合成樹脂との複合材を用いるものが主流である。また、携帯電話やカメラなどの小型機器に組み込まれる回路基板は実装性を向上させるため、基材にポリエステル樹脂やアラミド樹脂等を使用して、屈曲性を有するものもある。多層回路基板の回路パターン層数についても、かつては片面基板や両面基板がほとんどであったが、装置の小型化、高密度化に従って、現在では8層や16層などの多層回路基板が主流となっている。また、回路パターンも電子回路の高速化に伴って微細化と高密度化が急速に進んでいる。
回路基板の回路パターン形成方法としては様々な方法があるが、特許文献1では、インクジェット記録ヘッド等の液体吐出ヘッドにより、導電性を発現する導電パターン用溶液と絶縁性を発現する絶縁パターン用溶液を同時に基材表面上に吐出する。これによって、導電パターンと絶縁パターンを描画して回路パターンを形成し、それを積層することにより多層回路を形成する。しかし、この方法では導電パターン用溶液と絶縁パターン用溶液の境界面で溶液同士が混じり合って回路パターンに滲みが生じるため、微細化と高密度化が困難であった。
しかし、回路基板の高密度化には、回路パターンを積層して多層化することが必須である。液体吐出方式では、回路パターンを数μm〜数10μmの厚さで形成できるため、従来のサブトラクティブ方法に比べて多層化には優れている。しかしその一方で、液体吐出ヘッドに設けられた複数の吐出口から吐出される液滴の液滴量は吐出口毎にばらつきがある。例えば図9に示すように、液体吐出ヘッド1002の吐出口部1003の吐出口の位置により液滴1004の大きさが様々な分布を持っている。このような液体吐出ヘッド1002を用いて基材1001上に回路パターン1005を形成すると、厚さにばらつきが生じる。液滴1004の液滴量のばらつきは液体吐出ヘッド1002の製造工程で生じるものがほとんどであり、その原因が複数存在する。そのため、発生原因によっては吐出口の位置によらずランダムに発生する場合もあるし、図9の(a)に示すように、吐出口列の両端部が中央部分に対して液滴量が少なくなる場合もある。また、図9の(b)に示すように吐出口列の片側に液滴量の少ない部位が偏在する場合、あるいは図9(c)に示すように液滴量が勾配を持つ場合もある。一般のプリンタや回路基板形成に使用されている液体吐出ヘッドの場合、液滴量の吐出口間におけるばらつきは通常20%以下であるため、4層以下の多層回路を有する多層回路基板においては、今まで特に問題とはならなかった。
特開平11−163499号公報
しかし、近年主流となりつつある10層以上の多層回路においては、この程度の液適量ばらつきでも許容できなくなってきている。図10は、図9の(a)に示すばらつきを有する液体吐出ヘッドで形成した回路パターンを積層した多層回路基板を説明する図である。ここでは解かりやすいように、吐出口間における液滴量のばらつきが50%と極端に悪いヘッドを用いて1層目から4層目までを順次積層した4層回路基板を例にしている。そのため、各層において1/2の段差が生じており、積層するにしたがって段差が増幅され、4層回路基板として完成したときには大きな段差が生じている。通常の場合、この段差が回路パターン1層分の厚さよりも小さい場合にはほとんど問題とはならない。しかし、それよりも大きな段差が導体パターン付近に生じると、段差部分で導体パターンが切断されて回路断線が発生しやすくなる。また、絶縁パターン部分で生じると、絶縁不良やパターン間ショートを引き起こして、回路基板の致命的な不良原因となる。前述したように現状の液体吐出ヘッドでは吐出口間の液滴量ばらつきが20%以下である。そのため、4層の場合には段差が1層分以下であるため問題とはならないが、5層以上積層した回路基板では段差が1層分以上となるため、回路パターンの不良を起こす可能性が極めて高い。
なお、図9の液体吐出ヘッド1002の、吐出口列の長さより広い領域の回路基板を形成するには、図11の(a)に示すように最初に吐出口列の長さ分の描画領域の回路パターン1005を形成する。次に同図の(b)に示すように液体吐出ヘッド1002をその吐出口列の長さ分移動して次の描画領域の回路パターン1006を形成する。そのため、回路パターン1006についても各層の断面プロファイルは変わらず、前の描画領域の回路パターン1005と同様に大きな段差が生じている。
このような回路パターンの厚さばらつきは、吐出口間に液滴量ばらつきがある場合に限らず、図11の(c)に示すように、液滴1004の吐出方向が吐出口間でばらついたときにも回路パターン1005に段差が発生する。
吐出方向のばらつきの原因も液体吐出ヘッドの製造工程上の問題がほとんどで、液滴量のばらつきと同様に、吐出口の位置によらずランダムに発生する場合もあるし、吐出口列の決まった吐出口でばらつきを持つ場合もある。
本発明は、基材上に積層される回路パターンの、厚さのばらつきに起因する回路パターンのショートや断線等を防ぐことのできる多層回路パターンの形成方法および形成装置を提供することを目的とするものである。
本発明の多層回路パターンの形成方法は、回路パターンを形成する溶液を基材に吐出する複数の吐出口からなる吐出口列を備えた液体吐出ヘッドと、前記基材とを相対的に繰り返し走査させながら、前記溶液を吐出して、複数の層を積層させてなる回路パターンを前記基材に形成する回路パターンの形成方法であって、積層される方向に関して、異なる層で、同一の材料の前記溶液で形成される部分を有する回路パターンを形成する際に、前記基材に対する前記吐出口の位置を、前記異なる層の少なくとも1つの層と、他の層とで異ならせることを特徴とする。
積層方向に関して、異なる少なくとも2つの層で、同一の材料からなる回路パターンを形成する際に、基材に対する吐出口の位置を各層ごとに異ならせることによって、回路パターンの厚さのばらつきを平均化する。
本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1の(a)および(b)は、一実施の形態による多層回路パターンの製造装置を示すものである。主走査手段であるキャリッジ100には、2つのヘッド部(液体吐出ヘッド)100a、100bと、該ヘッド部100a、100bに導電パターン用溶液および絶縁パターン用溶液をそれぞれ供給するための図示しない2つのタンクが搭載されている。ヘッド部100a、100bは、複数の吐出口(ノズル)からなる吐出口列を有する。それぞれのヘッド部に設けられた吐出口からは、それぞれ回路パターン形成用溶液である導電パターン用溶液および絶縁パターン用溶液を基材101上に吐出する。
導電パターン用溶液としては導電性の面からAl、Ag、SnO2 などの金属コロイドを含むものが一般的で、金属コロイドの粒子直径は回路パターンの均一性や安定性等の観点から、数10〜数100nmの範囲のものが好適に用いられる。絶縁パターン用溶液としては、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの絶縁性微粒子を含むものが好適に用いられる。しかし、最終的に絶縁性を発現するものであれば特に限定するものではない。
一方、基材101としては、一般にアルミナ、シリカ、窒化アルミニウム、チタン酸バリウム、ジルコニアなどを焼結した多孔質セラミックス、ポリオレフィンや無機フィラを主材料にした多孔質樹脂フィルムやガラス繊維などがあげられる。後述するように、回路パターン形成において、加熱定着工程や焼成工程を有する場合は、耐熱性のある多孔質セラミックスが望ましい。
キャリッジ100は、基材101を搭載した副走査手段であるステージ102の上を、駆動手段であるCR(キャリッジ)リニアモータ103によって主走査方向に移動できるようになっている。ステージ102を主走査方向と直交する副走査方向に移動させる駆動手段であるLF(ラインフィード)リニアモータ102aは、定盤104に高い剛性を保って固定されている。そのため、基材101を載せるステージ102の表面はステージ102が移動しても常に定盤面と平行となっている。また、CRリニアモータ103は,定盤104の上に一対のベース支柱105を介して高い剛性を保って固定されている。キャリッジ100が、定盤面すなわちステージ102の表面と平行な走査路に沿って移動するように調整されている。CRリニアモータ103およびLFリニアモータ102aにはそれぞれリニアエンコーダ111、112および原点センサ113、114が内蔵されている。これは、各リニアモータ移動時のサーボ制御入力として利用されるとともに、リニアエンコーダ111は導電パターン用溶液と絶縁パターン用溶液の吐出タイミングの制御にも利用される。
エンコーダの分解能は0.5μmと高精度であるため、数10μm幅の回路パターンを形成するには充分である。本装置には、コンピュータ(不図示)が接続されており、コンピュータから送られた回路パターンの描画データに基づいて、ステージ102をLFリニアモータ102aによって所定の位置に移動させる。その後、図1の(b)に示すようにキャリッジ100をCRリニアモータ103で移動させながら基材101上にヘッド部100a、100bから導電パターン用溶液と絶縁パターン用溶液を吐出する操作を繰り返す。これにより導電パターンと絶縁パターンを有する回路パターンを基材上に描画することができる。なお、基材101を支持しているステージ102には、定着手段である加熱ヒータが埋め込まれているため、各回路パターンを加熱して定着を促進させることができる。
このように、本装置上で回路パターンを描画し、すみやかに定着することが可能であるため、定着した回路パターンの上に、連続して回路パターンを積層して多層回路パターンを形成することができる。ただし、本装置によって形成された回路パターンには、各溶液中に含まれる溶剤が残存しており、また導電性を発現させるための金属コロイドがそのままの状態で存在する。電気的な絶縁性および導電性に関して、回路基板の性能をさらに向上させるには、本装置で形成した多層回路パターン中の溶剤を完全に除去し、かつ金属コロイドを焼結して導電性を発現させる目的で、別途設けられたベーク装置でベーク処理を行うことが望ましい。
また、定着処理やベーク処理は上述の方法に限らず、各層を形成する毎に定着処理を行うものでも、各層を形成する毎に定着とベーク処理の両方を行うものでも、ベーク処理が定着処理を兼ねそなえており各層の形成ごとに、ベーク処理を行うものでも良い。定着手段も上述の加熱方法のみに、限定されるものではない。
参考のために、まず従来の多層回路パターン形成方法について説明する。図8に示すように、キャリッジ100に搭載されている2つのヘッド部100a、100bからそれぞれ導電パターン用溶液と絶縁パターン用溶液を吐出する。
まず1層目の回路パターンAを形成するため、ステージ102が描画開始位置に移動すると、コンピュータから1スキャン目の描画データが送信される。すると、基材101上をキャリッジが移動を開始し、ヘッド部100aおよびヘッド部100bは基材101上を主走査方向であるキャリッジ移動方向(X方向)にスキャンしながら描画データにしたがって導電パターン用溶液および絶縁パターン用溶液を基材101上に吐出する。このようにして、1スキャン目の描画が完了すると、今度は次の部分を描画するためステージ102をステージ移動方向(Y方向)にヘッドの描画幅分(吐出口列の長さ分)移動させる。そして、2スキャン目の描画データが送られてくると、キャリッジ100が移動を開始し、1スキャン目と同様にして基材101上に2スキャン目の回路パターンAを形成する。以後同様にして1層目の回路パターンAが完成するまで、これらの動作を繰り返す。1層目の回路パターンAの描画が完了すると、ステージ102に内蔵されている加熱ヒータによって、回路パターンAは基材101に加熱定着される。回路パターンAの定着が完了すると、今度は回路パターンAを基材とみなして2層目の回路パターンBが、1層目と同様にして積層される。以後同様にして、3層目の回路パターンC、および4層目の回路パターンDが順次積層されて、例えば4層の多層回路パターン基板の形成が完了する。
上記従来の方法では基材101に対するヘッド部100a、100bの副走査方向(Y方向)の位置、すなわちステージ移動方向における描画開始位置(吐出口位置)が回路パターンの層によらず常に固定されていた。この方法は、コンピュータによる画像編集処理が簡易化できること、描画時間を最短にできることなどの多くのメリットがある。しかし、この方法では、同一の吐出口列を用いて、何層も積層パターンを形成すると、図10に示したように積層数を増加させるにしたがって段差が拡大するため、多層回路基板において致命的な欠陥を引き起こすことがあった。
このような段差の重なりを回避するためには、同じ吐出口で形成されたパターンが、積層方向において、何層も重なり合うのを避ければよい。
つまり、1つの吐出口からは1種類の回路パターン形成材料しか吐出できないため、同じ吐出口で形成されたパターンが、積層方向において、何層も重なり合うおそれがある部分は、積層方向において、異なる層で、同一の材料で形成される部分である。該同一の材料で形成される部分のパターン形成の際に、基板に対する吐出口の位置を、層によって異ならせることで、同じ吐出口で形成されたパターンが、積層方向において、何層も重なり合うのを避けることができる。
具体的には、図2ないし図6に示すように、少なくとも1層の回路パターンを形成するときのヘッド部100a、100bのうちの少なくとも一方の吐出口位置を、主走査方向に略直交する吐出口列の列方向に変位させる。このようにして、他層の回路パターンを形成するときの吐出口位置と重なるのを防ぐ。このために、例えばヘッド部100a、100bを副走査方向に変位させたり、回転方向に変位させるための変位手段を、キャリッジ100に搭載する。
また、吐出する1つの材料に対して複数の吐出口列を有するヘッドでも良い。この場合、積層方向に関して、異なる層で、同一の材料で形成される部分を有する回路パターンを形成する際に、基材に対するヘッド部の副走査方向(Y方向)の位置は層によって変えずに、層によってX方向にヘッドをずらして、パターンを形成すればよい。つまり、積層方向に関して、異なる吐出口列で層が形成されているため、吐出口列固有のばらつきが緩和され、同様の効果が得られる。
具体的には、図7に示すように、ヘッド部100a、100bは、それぞれ4つの吐出口列を有した例を示している。ここで、1層目のパターンP1、パターンP1上に同一材料で形成される2層目のパターンP2、パターンP2上に同一材料で形成される3層目のパターンP3、同様に4層目のパターンP4を形成する場合を考える。
1層目のパターンP1は、ヘッド部100bの図中一番右の吐出口列によって形成する。
2層目のパターンP2の形成にあたり、キャリッジ移動方向(X方向)にヘッドをずらし、パターンP2はヘッド部100bの図中右から2番目の吐出口列によって形成する。
同様に3層目もキャリッジ移動方向にヘッドをずらし、パターンP3はヘッド部100bの図中右から3番目の吐出口列で、そして、4層目のパターンP4はヘッド部100bの図中右から4番目の吐出口列によって形成すればよい。
また、上述したX方向のずらしと、Y方向のずらしと、の両方を組み合わせたものでも良い。
図2に示すように1層目の回路パターンAを形成し、定着させたのち、2層目の回路パターンBでは導電ヘッドであるヘッド部100aおよび絶縁ヘッドであるヘッド部100bを共にヘッド幅の1/4の長さだけ描画開始位置をずらしている。さらに3層目の回路パターンCではヘッド幅の1/2の長さ、4層目の回路パターンDでは3/4の長さずらした位置を描画開始位置としている。すなわち、層を重ねる毎にヘッド幅の1/4づつ、吐出口列の列方向に吐出口位置をずらしながら積層している。
図3はこのように積層して形成した多層回路基板の断面プロファイルを示す。なお、図3においても図10と回路パターンが同一であるため、回路パターンエリア以外の非描画エリアNでは溶液を吐出しないように描画データをコンピュータで作成する際にマスク処理をしている。本実施例では回路パターンを積層するたびにヘッド幅の1/4づつ描画開始位置を図10の(a)のS1〜S4のようにずらしているため、図3の(b)に示すように各層で生じている段差は平均化され、4層目まで積層しても段差としては1層分の段差が残存するだけになっている。この理由は回路基板のどの部分においても、ヘッドを4分割したブロック(B1、B2、B3、B4)すべてを使用して4層が積層されているためで、このような処理を施すことで吐出口位置に依存する厚さばらつきを平均化することができる。
なお、上記の処理に限定する必要はなく、例えば2層目で1/2、3層目で3/4、4層目で1/4のように描画開始位置のずらし量(変位量)の順番を変えてもよい。
また、ここでは4層回路基板を例にしているが、この平均化の効果は10層以上の多層回路基板の場合でも同様である。例えばヘッド幅Wの1/S(多層回路基板の層数)づつ、積層する毎に描画開始位置をずらしてやれば、完成した多層回路基板に残存する段差は層数によらず常に回路パターン1層分の厚さばらつきとなることは明白である。本実施例では説明を解かりやすくするため、回路パターンの厚さばらつきを極端に大きくして表現しているため、図中では回路パターン厚分の段差が生じている。しかし、前述のように通常ヘッドの吐出量のばらつきは20%以下であり、実際の多層回路基板に残存する段差は最大でも回路パターン厚さの1/5以下となるため、多層回路基板に不良が生じることはない。
本実施例ではヘッド全体の厚さばらつきを平均化するため、ずらし量Lを吐出口列の長さWの1/S(多層回路基板の層数)としているが、L=W*N/S(N=1〜(S−1)の整数)としてもよい。また、厚さばらつきがヘッドの位置によらずランダムに発生する場合などには、ずらし量も適宜決めればよく、さらに層毎のずらし量を一定にしなくても平均化の効果は得られる。
本実施例によれば、ヘッドの吐出性能に起因して回路パターンに厚さばらつきが生じた場合に、それを積層化した多層回路基板に残存する段差を最小限にすることができる。また、図3のE1〜E4に示すようなスキャン間の継ぎ目部分で生じた段差についても同様の効果が期待できる。
実施例1では導電ヘッドであるヘッド部100aと絶縁ヘッドであるヘッド部100bを同時にずらしていたが、本実施例では図4に示すように、絶縁ヘッドであるヘッド部100bのみをずらしている。通常液体吐出方式により形成される回路パターンは電子部品の端子間を接続する導電パターン以外のすべての領域は絶縁パターンである。導電パターンは数10μmの細線パターンで構成されるため、回路パターンのほとんどの部分は絶縁パターンが占有している。そのため、導電パターン部分が多層にわたって積層されることはほとんど無く、段差が増幅されることは少ない。一方、大部分を専有する絶縁パターンはほとんどの部分が上下に積層されるため段差が増幅されてしまう。
そこで、本実施例では絶縁ヘッドであるヘッド部100bのみ、層を重ねる毎にヘッドの1/4幅だけずらすようにして、絶縁パターンの段差のみ平均化させるようにしている。
本実施例においても、実施例1と同様に2層目で1/2、3層目で3/4、4層目で1/4のように描画開始位置のずらし量の順番を変えても問題はない。また、厚さばらつきがヘッドの位置によらずランダムに発生する場合などには、ずらし量も適宜決めればよく、さらに層毎のずらし量も一定にする必要もない。
なお、本実施例は導電パターンと絶縁パターンが含まれる回路パターンの場合を例にしているが、2つの回路パターンを完全に絶縁するための絶縁層、すなわち絶縁パターンのみの場合でも同様の効果が期待できる。
さらに、導電パターンが大部分の面積を占める電源層やグランド層を積層して多層形成される場合には、絶縁ヘッドをずらす代わりに導電ヘッドをずらすようにすれば同様の効果が期待できる。
実施例1では導電ヘッドであるヘッド部100aおよび絶縁ヘッドであるヘッド部100bを同時にずらしていたが、本実施例では図5に示すように、2つのヘッド部100a、100bでそれぞれずらし量を変えている。製造方法の違いなどで、導電ヘッドであるヘッド部100aと絶縁ヘッドであるヘッド部100bで厚さばらつきが異なる場合には、それぞれについて適切なずらし量を設定することでより段差の少ない多層回路基板を形成することができる。
例えば、導電ヘッドは図9の(a)に示すような厚さばらつきであるが、絶縁ヘッドは図9の(b)に示すような厚さばらつきである場合、導電ヘッドのずらし量はヘッド幅の1/2が適切であるが、絶縁ヘッドはヘッド幅の1/3が適切である。このような場合、本実施例のようにそれぞれ個別にずらし量を設定したほうが、多層回路パターンに生じる段差を最小限に抑えることができる。
導電ヘッドであるヘッド部100aと絶縁ヘッドであるヘッド部100bによる厚さばらつきが図9の(c)に示すように左端から右端に向けて徐々に厚さを増している場合は、図6に示すように、層を重ねる毎にヘッドの上下を反転して積層していくとよい。これによって、多層回路基板の段差を最小減に抑えることができる。なお、この例ではヘッドを反転しているが、基材側を反転しても特に問題なく、同様の効果を得ることができる。また、厚さばらつきによっては、ヘッドの反転だけでなく、描画開始位置をずらすことを併用しても効果的である。
このように、上述した各実施例を用いることで、液体吐出ヘッドから吐出される液滴の吐出量や吐出方向のばらつきに起因する回路パターンの厚さのばらつきを平均化でき、多層回路の層数によらず、多層回路の厚さを均一化することができる。また、スキャン間の継ぎ目部分で生じる段差についても、多層化によって分散できるため、均一性が高く、回路パターンの厚さばらつき等に起因するショートや断線等の少ない高品質な多層回路基板を実現できる。
一実施の形態による多層回路パターンの製造装置を示すもので、(a)は装置の全体を示す斜視図、(b)は液体吐出ヘッドのヘッド部と回路パターンを説明する図である。 実施例1による多層回路基板の製造工程を説明する図である。 実施例1による多層回路基板の断面を説明する図である。 実施例2による多層回路基板の製造工程を説明する図である。 実施例3による多層回路基板の製造工程を説明する図である。 実施例4による多層回路基板の製造工程を説明する図である。 別の実施の形態による多層回路基板の製造工程を説明する図である。 従来例による多層回路基板の製造工程を説明する図である。 吐出量のばらつきと回路パターンの厚さの関係を示す図である。 吐出量のばらつきを有するヘッドで描画した回路パターンの断面を説明する図である。 従来例によるトラブルを説明する図である
符号の説明
100 キャリッジ
101 基材
100a、100b ヘッド部
102 ステージ
102a LFリニアモータ
103 CRリニアモータ
104 定盤
105 支柱

Claims (6)

  1. 回路パターンを形成する溶液を基材に吐出する複数の吐出口からなる吐出口列を備えた液体吐出ヘッドと、前記基材とを相対的に繰り返し走査させながら、前記溶液を吐出して、複数の層を積層させてなる回路パターンを前記基材に形成する回路パターンの形成方法であって、
    積層される方向に関して、異なる層で、同一の材料の前記溶液で形成される部分を有する回路パターンを形成する際に、前記基材に対する前記吐出口の位置を、前記異なる層の少なくとも1つの層と、他の層とで異ならせることを特徴とする多層回路パターンの形成方法。
  2. 前記異なる層の少なくとも1つの層と、他の層とで、前記基材に対する前記吐出口の位置を、前記吐出口列の列方向に変位させることを特徴とする請求項1に記載の多層回路パターンの形成方法。
  3. 前記異なる層の少なくとも1つの層と、他の層とで、前記基材に対する前記吐出口の位置が、相対的に反転していることを特徴とする請求項1に記載の多層回路パターンの形成方法。
  4. 前記層を形成する毎に、定着処理を行うことを特徴とする請求項1ないし3いずれか1項に記載の多層回路パターンの形成方法。
  5. 回路パターンを形成する溶液を基材に吐出する複数の吐出口からなる吐出口列を備えた液体吐出ヘッドと、該液体吐出ヘッドと前記基材とを相対的に走査させる主走査手段と、を有し、前記ヘッドを前記基材に対して相対的に繰り返し走査させながら前記溶液を吐出して、複数の層を積層させてなる回路パターンを前記基材に形成する多層回路パターンの形成装置であって、
    積層される方向に関して、異なる層で、同一の材料の前記溶液で形成される部分を有する回路パターンを形成する際に、
    前記基材に対する前記ヘッドの位置を、前記異なる層の少なくとも1つの層と、他の層とで、変位させる変位手段を有する多層回路パターンの形成装置。
  6. 前記変位は、前記吐出口列の列方向に変位し、前記吐出口列の長さをW、前記回路パターンの層数をSとしたとき、前記変位手段による前記吐出口列の列方向の変位量Lが
    L=N*W/S ただし、Nは1〜(S−1)の整数
    であることを特徴とする請求項5記載の多層回路パターンの形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010056522A (ja) * 2008-08-28 2010-03-11 Samsung Electro-Mechanics Co Ltd インクジェットプリンタ及びこれを用いた印刷方法
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