JP2007036138A - バイポーラトランジスタ及び電力増幅器 - Google Patents

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克彦 川島
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昌宏 前田
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啓一 村山
Hirotaka Miyamoto
裕孝 宮本
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Abstract

【課題】 HBTセル内での発熱均一性を保ち、かつ、高周波帯域の利得特性を向上させたバイポーラトランジスタを提供する。
【解決手段】 ベースメサフィンガー(エミッタレッジ層15、ベース層16及びコレクタ層17)を2本のコレクタフィンガー(コレクタ電極13)で挟み、ベースメサフィンガー上に1本のベースフィンガー(ベース電極12)及びその両側の2本のエミッタフィンガー(エミッタ層14及びエミッタ電極11)を形成した構造である。2本のエミッタフィンガーは、ベースフィンガーを基準に対称の位置に形成される。
【選択図】 図1B

Description

本発明は、バイポーラトランジスタ及び電力増幅器に関し、より特定的には、携帯電話等の高周波帯を利用した無線携帯端末の信号送信部に用いられる電力増幅用半導体集積回路に、能動素子として形成されるバイポーラトランジスタ、及びそのバイポーラトランジスタを用いた電力増幅器に関する。
近年、携帯電話等の無線携帯端末の信号送信部には、高周波動作が可能かつ正電源動作が可能な化合物半導体であるバイポーラトラジスタを能動素子として利用した電力増幅用半導体集積回路が、よく用いられている。特に、ベース層がp型GaAs層であり、かつそのベース層とヘテロ接合されたエミッタ層がバンドギャップの広いAlGaAs又はInGaPからなる層である、ヘテロ接合バイポーラトラジスタ(以下、HBTと略す)がよく用いられる。バイポーラポランジスタの中でもこのHBTが用いられる理由は、ベース層のホールがエミッタ層に逆流してエミッタの電子キャリアと再結合することを防止し、エミッタからベースへの電子キャリアの注入を高効率化し、その結果としてトランジスタを高効率動作させることができるためである。
このHBTは、一般的にストリップライン状のエミッタフィンガーが1本又は複数本並んだマルチフィンガー構造をしている(特許文献1及び特許文献2を参照)。図10A及び図10Bは、エミッタフィンガーが1本であるHBTの構造例を示した平面図及び断面図である。図10A及び図10Bに示す従来のHBTは、1本のエミッタフィンガー(エミッタ層104及びエミッタ電極101)と、このエミッタフィンガーの両端に設けられた2本のベースフィンガー(ベース電極102)とを、2本のコレクタフィンガー(コレクタ電極103)で挟んだ構造である。通常、HBTの出力電力は、エミッタの面積で決まる。このため、エミッタフィンガーが1本であるHBTで高出力電力を実現させるためには、エミッタフィンガー長Lを長くする必要があるが、これは半導体のチップ面積を無駄に占有してしまう原因となる。
そこで、エミッタフィンガー長Lを長くせずHBTを高出力電力にさせるために、エミッタフィンガーを複数本設ける構造が採られる。図11A及び図11Bは、エミッタフィンガーが4本であるHBTの構造例を示した平面図及び断面図である。図11A及び図11Bに示す従来のHBTは、4本のエミッタフィンガーと、このエミッタフィンガーの両端に設けられた5本のベースフィンガーとを、2本のコレクタフィンガーで挟んだ構造である。このように、図11Aに示すHBTは、複数本のエミッタフィンガーでエミッタ面積を稼げるため、HBTで高出力電力を実現させる場合、図10Aに示したHBTよりもエミッタフィンガー長Lを短くすることができる。
また、この高周波特性の優れたマルチフィンガー構造のHBTを1ユニットセルとして、複数のHBTセルを並列接続して出力を合成した多セル構造が、電力増幅用HBTの構造によく用いられる。この多セル構造による電力増幅用HBTの構造例を、図12A及び図12Bに示す。図12Aは、1本のエミッタフィンガーを有するHBTセルを多セル構造にした例である。図12Bは、4本のエミッタフィンガーを有するHBTセルを多セル構造にした例である。図12A及び図12Bでは、各HBTセルのコレクタ出力は共通のコレクタ配線100でまとめて接続され、また各HBTセルのエミッタは共通のエミッタ配線110でまとめて接続されている。さらに、エミッタ配線110にはビアホール120が設けられて、接地されている。
しかし、このような多セル構造の場合、次の点を注意する必要がある。電力増幅用HBTでは、電流密度が高くなるため各HBTセルが発熱する。ところが、各HBTセルの発熱は均一に生じず、HBTセル間での発熱の不均一性が起因となってHBTセルの動作不良が起こる。より詳しく説明すると、温度上昇の高い周辺より温度の高いHBTセルが、正帰還によってさらに発熱するという熱暴走が生じ、最終的に破壊に至るのである。また、各HBTセルの発熱がHBTセル間で不均一であると、HBTのエミッタが全て有効に機能せず、高周波特性が劣化するという問題も生じる。
このため、HBTセル間での発熱不均一性への対策として、図12A及び図12Bに明示しているように、各HBTセルにDCバイアスを供給するためのDCバイアス供給線150と各HBTセルのベース配線140との間に、外部ベース抵抗130をそれぞれ挿入する手法が採られる。外部ベース抵抗130を挿入することによって、HBTのベース電流の増加を抑制させることができ、温度が上昇しても熱暴走を回避させることができる。この外部ベース抵抗130は、HBTセルの動作を安定させるためのものであり、一般的にはベースバラスト抵抗と呼ばれる。なお、各HBTセルのエミッタにバラスト抵抗を入れても、コレクタ電流の増加を抑制して熱暴走を回避させることができる。しかし、バラスト抵抗が取り得る値の範囲の狭さが原因で、最近ではコレクタバラスト抵抗よりもベースバラスト抵抗の方が多く利用されている。
特開平6−342803号公報 特開2002−110904号公報
上述したように、ベースバラスト抵抗を用いた従来の電力増幅用HBTでは、HBTセル間での発熱不均一性については対策されているが、各HBTセル内での発熱不均一性は考慮されていない。このHBTセル内での発熱不均一性とは、エミッタフィンガー間の発熱不均一性を意味し、以下の原因で生じる。
図11Aに示したエミッタフィンガーが4本のHBTセルにおいて、全てのエミッタフィンガーが同程度に発熱した場合、中心2本のエミッタフィンガーは、外側2本のエミッタフィンガーから熱の影響を受けるため、より高い温度になる。すなわち、中心2本のエミッタフィンガーの発熱分布領域が、外側2本のエミッタフィンガーの発熱分布領域と重なるため、中心2本のエミッタフィンガーの温度が高くなる(図13を参照)。なお、この問題の対策としては、エミッタフィンガーの間隔を十分広くとって発熱分布領域を完全に分離させることが考えられるが、HBTセル面積が大きくなり、チップ面積の増大及び高周波特性の劣化等の新たな課題が発生するため、実用的ではない。
また、図11Aに示したHBTセルは、4本のエミッタフィンガーの両端に5本のベースフィンガーがあるので、その各ベースフィンガーのベース電極とベース層との接触抵抗において、フィンガー間で不均一性が生じ易い。このため、ベース電流の注入量に不均一が生じ、結果としてエミッタフィンガー間での不均一性につながるという問題もある。
この問題は、図10Aに示した1本のエミッタフィンガー及び2本のベースフィンガーであるHBTセルについても、同様に存在する。すなわち、2本のベースフィンガーのベース電極とベース層との接触抵抗において、フィンガー間で不均一性が生じ易い。特に、このHBTセルは、エミッタフィンガーに合わせてベースフィンガーも長いため、フィンガーの長さ方向に接触抵抗の不均一性が増大する結果となる。そして、両側のベース抵抗の不均一性により、HBTセル内での不均一動作性が増大する。例えば、エミッタフィンガー中を流れる電流が、左側のベースフィンガー寄りよりも右側のベースフィンガー寄りの方が多くなる等である。
さらに、HBTセルでは、ベース−コレクタ間の寄生容量が高く、この寄生容量による電力の帰還によって高周波帯応用において利得劣化が起こるという課題がある。HBTの高周波特性は、主にベース層とコレクタ層とで発生する寄生容量によるが、その寄生容量は、図10B及び図11Bに示したベースメサ幅W1に比例する。ベース−コレクタ間容量は、コレクタ層を挟むベース層とコレクタ層との面積に比例するからである。このベースメサ幅W1を狭めるためには、必要なエミッタ面積以外の面積をできる限り減らすことが必要である。しかし、図11Bに示したHBTセルの構造ではエミッタ4本に対しベース5本、図10Bに示したHBTセルの構造ではエミッタ1本に対しベース2本と、必要なエミッタ面積よりも常に1本分のベース電極面積が多くなる。このように、従来のHBTセルの構造では、ベースフィンガーの影響で、ベースメサ幅W1を狭くすることに限度があり、高周波帯における利得特性が劣化するという課題があった。
一方、多セル構造の電力増幅用HBTでは、図12A及び図12Bで示したように、外部ベース抵抗130の値が大きくなる。このため、電力増幅用HBTを実際に半導体に集積するとき、外部ベース抵抗用に大きな面積を確保するが必要があり、結果チップ面積が大きくなってコストが高くなるという課題がある。
それ故に、本発明の目的は、HBTセル内での発熱均一性を保ち、かつ、高周波帯域の利得特性を向上させたバイポーラトランジスタ、及び多セル構造でのチップ面積の縮小を図った電力増幅器を提供することである。
本発明は、半導体基板上に形成されたバイポーラトランジスタに向けられている。そして、上記目的を達成させるために、本発明のバイポーラトランジスタは、1本のベースフィンガー、この1本のベースフィンガーを中心に対称となる位置に、1本のベースフィンガーと平行して配置された2本のエミッタフィンガー、及び1本のベースフィンガー及び2本のエミッタフィンガーを挟む位置に配置された2本のコレクタフィンガーで構成されている。なお、エミッタフィンガーは、1本のベースフィンガーを中心に対称となる位置に、1本のベースフィンガーと平行して偶数本縦列に配置されてもよい。
好ましくは、2本のエミッタフィンガーの長さを共に30μm以下にする。また、好ましくは、1本のベースフィンガーの電極幅を1μm以下にする。
このバイポーラトランジスタが、ベース層にヘテロ接合されたエミッタ層を有するヘテロ接合バイポーラトランジスタである場合には、1本のベースフィンガーの電極が、エミッタ層のワイドギャップ層を貫通してベース層にオーミック接合された構造とすることも可能である。
これらのバイポーラトランジスタを複数用いて、ベースを共通接続し、コレクタを高周波信号出力端子に接続し、かつエミッタを接地して、高周波信号入力端子と共通接続したベースとの間に容量を挿入し、バイアス供給端子と共通接続したベースとの間に抵抗を挿入することで、電力増幅器を構成することができる。
上記本発明によれば、セル内の均一動作が優れており、ベース−コレクタ間容量も小さくできるので、低コストで優れた高周波特性が得られる。また、内蔵ベース抵抗値が高いため、多セル化して電力増幅器を構成した場合には、外部ベース抵抗のない小サイズでかつ破壊耐性に優れた電力増幅器を実現することができる。
〈バイポーラトランジスタの構造〉
まず、本発明の一実施形態に係るバイポーラトランジスタの構造を説明する。
図1Aは、本発明の一実施形態に係るバイポーラトランジスタの構造を示す平面図である。図1Bは、図1Aに示すバイポーラトランジスタのa−a断面図である。この実施形態に係るバイポーラトランジスタは、ベースメサフィンガー(エミッタレッジ層15、ベース層16及びコレクタ層17)を2本のコレクタフィンガー(コレクタ電極13)で挟み、ベースメサフィンガー上に1本のベースフィンガー(ベース電極12)及びその両側の2本のエミッタフィンガー(エミッタ層14及びエミッタ電極11)を形成した構造である。2本のエミッタフィンガーは、ベースフィンガーを基準に対称の位置に形成される。また、このバイポーラトランジスタは、典型的にはヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT)である。
この実施形態に係るバイポーラトランジスタの構造では、2本のエミッタフィンガーがベースフィンガーから対称な位置にあるので、2本のエミッタフィンガーの発熱は図2に示すように均一になる。また、ベースフィンガーは1本しかないので、ベースフィンガー間が不均一となる問題は発生しない。
また、不均一を発生させないためのエミッタフィンガー長Lとしては、30μm以下が好ましい。例えば、図3に示すように、HBTの出力負荷をVSWR=10:1としたときの、1HBTセルの熱暴走破壊する飽和出力に対する加入力電力の特性を、不均一性を表す指標として考える。この場合は、数字が大きいほどデバイスの安定性が良いことを示しており、エミッタフィンガー長Lが30μm以下で加入力電力が5dBであっても、HBTが破壊しないことがわかる。
さらに、この実施形態に係るバイポーラトランジスタの構造では、2本のエミッタフィンガーの間にベースフィンガーが1本だけなので、1エミッタフィンガー当たりのベースフィンガーの数が最小となっている。このため、必要な出力電力に相当するエミッタ面積に対するベースフィンガーの面積が小さく、エミッタ面積よりも大きくなるベース層の面積を小さくすることができる。よって、ベースメサ幅W1を狭くすることができ、結果ベース−コレクタ間の容量を低減するため、高周波帯での高利得を実現できる。
ここで、ベース電極12の幅を1μm以下に設定すれば、ベース電極12とベース層16との接触面積が小さくなるので、接触抵抗を大きくすることができる。図4に、本発明のバイポーラトランジスタを1セルとして複数セルを並列接続した電力増幅用HBTの構成例を示す。図5に、HBTのエミッタフィンガー長Lを30μmとした場合の、ベース電極幅と破壊耐性とベース−コンタクト抵抗との特性相関図を示す。この図5からわかるように、ベース電極幅が1μm以下ではトランジスタの寄生ベース抵抗が20Ωと高く、破壊耐性性能も高くなるため、熱暴走対策用としてのベースバラスト抵抗が不要となる。よって、バイポーラトランジスタを1セルとして複数セルを並列接続した電力増幅用HBTを構成する場合には、従来の構成(図11A等)には必要であったベースバラスト抵抗130の分だけ構成面積を小さくすることができる。
なお、電力増幅器に高出力特性が必要になって多くのセル数が必要になったときは、ベースメサを2つ以上並べ、かつ、ベース電極12及びコレクタ電極13を共通に用いた構造のHBTセルを製造すればよい。図6Aに、そのバイポーラトランジスタの構造例を示す。ベースフィンガーが長いにもかかわらず、1つのベースメサ部に20Ω程度のベース抵抗が入っているので、新たなユニットセルの中の2つのベースメサ部における不均一性は抑制される。本発明の構造は、容易にセルの接続ができ、新たなセルを構成することができる。図6Bに、このバイポーラトランジスタを1セルとして複数セルを並列接続した電力増幅用HBTの構成例を示す。
〈バイポーラトランジスタの製造方法〉
次に、本発明の一実施形態に係るバイポーラトランジスタの製造方法を説明する。
図7は、図1Bに示した本発明の一実施形態に係るバイポーラトランジスタを製造する各工程A〜Eを説明する図である。
エミッタ部は、n型GaAs層エミッタ層14とn型InGaPエミッタレッジ層15とからなる層である。WSiからなるエミッタ電極11と接触する層は、オーミック接触する必要があるので、薄層のInGaAsがエミッタの最上層に設けられている。エミッタ部の下層には、ベース部となるp型GaAsベース層16がある。その下層にはn型GaAsコレクタ層17がある。さらにその下層には、高濃度ドーピングされたサブコレクタ層と呼ばれるn+型GaAsサブコレクタ層18がある。このエピタキシャル層に対して、エッチング加工を施し、エミッタメサ層及びベースメサ層を形成し、トランジスタの3つの端子の電極を半導体層上に形成する方法によって、トランジスタを製造する。
HBTでは、エッチング工程においてGaAsとInGaPの選択エッチングを利用することができる。コレクタ電極13は、Ni/AuGe/Auの合金を用い、ベース電極12はTi/Pt/Auである。
まず、エミッタ領域に形成したWSiエミッタ電極11をマスクしてn型GaAsエミッタ層14をエッチングし、n型InGaPエミッタレッジ層15を露出させる(工程A)。このとき、GaAsとInGaPの選択エッチングの製造方法を利用する。次に、n型InGaPエミッタレッジ層15、p型GaAsベース層16、及びn型GaAsコレクタ層17をエッチングして、n+型GaAsサブコレクタ層18を露出させる(工程B)。この工程Bは、ベースメサ層を形成する工程である。このベースメサ幅W1が小さければ小さい程ベース−コレクタ容量が小さくなり、高周波特性が優れる。
ここで、ヘテロ接合のエミッタレッジ層の機能を簡単に説明しておく。エミッタ部をエッチング除去して露出されるp型のベース層の表面には、表面準位が多く存在し、その準位での表面再結合により結晶の劣化が発生するという問題がある。そこで、この問題の対策として、必要な面積のエミッタ層の周辺のベース層表面をできるだけ他の安定層、すなわちエミッタレッジ層で堆積して保護させるのである。このエミッタレッジ層による構造は、ガードリング構造とも呼ばれる。
エミッタメサ間隔W4の幅の中で、n型InGaPエミッタレッジ層15をエッチングして、p型GaAsベース層16を露出させる(工程C)。このエッチングは、選択エッチングを用い、レッジ開口幅W2を開口する。高周波性能を上げるために、狭いエミッタメサ間隔W4の中に高精度な狭いエミッタレッジ開口幅W2を形成するときは、高精度なフォトリソグラフィー技術及び高精度なエッチング技術を必要とするので、高コストな製造方法を必要とする。
次に、幅1μm以下のTi/Pt/Auからなるベース電極12を、蒸着リフトオフによって形成する(工程D)。次に、n+型GaAsサブコレクタ層18にAuGeNi/Auコレクタ電極13を蒸着リフトオフによって形成し、その後に400℃程度の加熱をしてアロイ化する(工程E)。
ところで、高周波特性に優れたHBTにおいて高周波帯での性能向上を図るためには、ベースメサ幅W1を狭くして、その狭いベースメサ幅W1の中にレッジ開口幅W2を確保し、その中に幅1μm以下のベース電極を形成する必要がある。しかし、上述したように製造コストが高くなってしまう。
そこで、この製造方法を簡便化させたHBT構造及び製造方法を、図8に示す。この図8に示すHBT構造では、レッジの開口がそもそもなく、通常のp型GaAsベース層16にヘテロ接合されるn型InGaPエミッタレッジ層15をベース電極82が貫通してp型GaAsベース層16に接触している。このHBT構造では、微細なn型InGaPエミッタレッジ層15の開口エッチング工程がないので、製造方法が簡便となる。ベース電極82は、n型InGaPエミッタレッジ層15の上に蒸着形成された後に、熱を加えることによりベース電極82がn型InGaPエミッタレッジ層15を熱拡散して、p型GaAsベース層16に接触させる。この構造では、レッジ開口幅がなく、ベース幅W3も狭いので、ベースメサ幅W1はどの構造よりも最小にすることができ、ベース−コレクタ間の容量も小さくなって、利得と効率が向上し高周波特性が良好となる。
なお、コレクタ電極13は、Ni/AuGe/Auの合金を用い、ベース電極82はPtを最下層に入れたPt/Ti/Pt/Auである。
まず、エミッタ領域に形成したWSiエミッタ電極11をマスクしてn型GaAsエミッタ層14をエッチングし、n型InGaPエミッタレッジ層15を露出させる(工程A)。このとき、GaAsとInGaPの選択エッチングの製造方法を利用する。次に、n型InGaPエミッタレッジ層15、p型GaAsベース層16、及びn型GaAsコレクタ層17をエッチングして、n+型GaAsサブコレクタ層18を露出させる(工程B)。この工程Bは、ベースメサ層を形成する工程である。このベースメサ幅W1が小さければ小さい程ベース−コレクタ容量が小さくなり、高周波特性が優れる。この工程A及び工程Bは、図7と同じである。
ベースメサを形成した後に、n型InGaPエミッタレッジ層15にPt/Ti/Pt/Auからなるベース電極82を蒸着リフトオフして形成する(工程F)。そして、AuGeNi/Auコレクタ電極13を、蒸着リフトオフによって形成し、その後に400℃程度の加熱をし、アロイ化してコレクタ電極13を形成する(工程G)。この400℃程度の加熱によって、コレクタ電極13がアロイ化されるばかりではなく、n型InGaPエミッタレッジ層15の上のPt/Ti/Pt/Auベース電極82中の最下層のPtが、熱拡散係数が高いのでn型InGaPエミッタレッジ層15の間を熱拡散して貫通し、p型GaAsベース層16に接触し、オーミック接続する。
この構造では、高周波性能を上げるために、狭いエミッタメサ間隔W4の中に、高精度な狭いエミッタレッジ開口幅W2を形成するための高性能な製造方法は必要はないので、低コスト化できる。また、W1>W4>W3となれば良いので、同じベース幅W3に対してよりエミッタメサ間隔W4を狭くでき、結果としてベースメサ幅W1を狭くすることができる。よって、よりベース−コレクタ間容量を低減することができ、高周波帯における性能を上げることができる。
〈電力増幅器の構成〉
次に、本発明の一実施形態に係るバイポーラトランジスタを用いた電力増幅器について説明する。
図9Aは、図1Bに示した本発明の一実施形態に係るバイポーラトランジスタを複数並列接続した電力増幅器の構成例を示す図である。図9Bは、図9Aに示した電力増幅器の等価回路図である。この図9A及び図9Bは、バイポーラトランジスタを4つ並列接続した電力増幅器の構成例である。
この電力増幅器は、複数のバイポーラトランジスタQと、容量Cと、抵抗Rとで構成される。複数のバイポーラトランジスタQのベース電極は、共通接続され、容量Cを介して高周波信号入力(RF入力)端子に、また抵抗Rを介してバイアス供給(DC入力)端子に、それぞれ接続される。容量Cは、高周波信号を通過させるための容量である。抵抗Rは、ベース電流が過剰に流れないようにするための抑制用抵抗である。複数のバイポーラトランジスタQのエミッタ電極は、共通配線からビアホールを介し接地される。複数のバイポーラトランジスタQのコレクタ電極は、共通接続され、高周波信号出力(RF出力)端子に接続される。
この電力増幅器は、図1Bに示したバイポーラトランジスタを並列接続した構成であるため、ベース−コレクタ容量が小さくなり、利得及び効率が向上して高周波特性が良好となる。また、破壊耐性性能も高いため、熱暴走対策用としてのベースバラスト抵抗が不要になり、バイポーラトランジスタを1セルとして複数セルを並列接続した電力増幅用HBTを構成する場合には、従来の構成(図11A等)には必要であったベースバラスト抵抗130の分だけ構成面積を小さくすることができる。
以上のように、本発明の一実施形態に係るバイポーラトランジスタによれば、セル内の均一動作が優れており、ベース−コレクタ間容量も小さくできるので、低コストで優れた高周波特性が得られる。また、多セル化して電力増幅器を構成した場合には、外部ベース抵抗のない小サイズでかつ破壊耐性に優れた電力増幅器を実現することができる。
本発明のバイポーラトランジスタ及び電力増幅器は、高周波帯を利用した無線携帯端末の信号送信部等で利用することが可能であり、特にトランジスタの発熱に対する耐破壊性及び高周波帯域の利得特性向上を図りたい場合等に有用である。
本発明の一実施形態に係るバイポーラトランジスタの構造を示す平面図 図1Aのバイポーラトランジスタのa−a断面図 図1Aのバイポーラトランジスタのユニットセル温度分布 エミッタフィンガー長と破壊耐性との相関を示す特性図 図1Aのバイポーラトランジスタを多セル化した電力増幅用HBTの構成例 ベース電極幅(内蔵ベース抵抗値)と破壊耐性との相関を示す特性図 本発明の一実施形態に係る他のバイポーラトランジスタの構造を示す平面図 図6Aのバイポーラトランジスタを多セル化した電力増幅用HBTの構成例 図1Bのバイポーラトランジスタを製造する工程を説明する図 図1Bを改良したバイポーラトランジスタを製造する他の工程を説明する図 本発明の一実施形態に係るバイポーラトランジスタを複数並列接続した電力増幅器の構成例を示す図 図9Aに示した電力増幅器の等価回路図 従来のバイポーラトランジスタの構造を示す平面図 図10Aのバイポーラトランジスタのc−c断面図 従来の他のバイポーラトランジスタの構造を示す平面図 図11Aのバイポーラトランジスタのd−d断面図 図10Aのバイポーラトランジスタを多セル化した従来の電力増幅用HBTの構成例 図11Aのバイポーラトランジスタを多セル化した従来の電力増幅用HBTの構成例 図11Aのバイポーラトランジスタのユニットセル温度分布
符号の説明
11、101 エミッタ電極
12、82、102 ベース電極
13、103 コレクタ電極
14、104 エミッタ層
15、105 エミッタレッジ層
16、106 ベース層
17、107 コレクタ層
18、108 サブコレクタ層
40、100 コレクタ配線
41、110 エミッタ配線
42、120 ビアホール(接地)
45、150 DCバイアス供給線
130 外部ベース抵抗
140 ベース配線
W1 ベースメサ幅
W2 レッジ開口幅
W3 ベース電極幅
W4 エミッタメサ幅
L エミッタフィンガー長

Claims (6)

  1. 半導体基板上に形成されたバイポーラトランジスタであって、
    1本のベースフィンガー、
    前記1本のベースフィンガーを中心に対称となる位置に、前記1本のベースフィンガーと平行して配置された2本のエミッタフィンガー、及び
    前記1本のベースフィンガー及び前記2本のエミッタフィンガーを挟む位置に配置された2本のコレクタフィンガーで構成される、バイポーラトランジスタ。
  2. 前記2本のエミッタフィンガーの長さが、共に30μm以下であることを特徴とする、請求項1に記載のバイポーラトランジスタ。
  3. 前記1本のベースフィンガーの電極幅が、1μm以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のバイポーラトランジスタ。
  4. ベース層にヘテロ接合されたエミッタ層を有するヘテロ接合バイポーラトランジスタであり、
    前記1本のベースフィンガーの電極が、前記エミッタ層のワイドギャップ層を貫通して前記ベース層にオーミック接合された構造であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のバイポーラトランジスタ。
  5. 半導体基板上に形成されたバイポーラトランジスタであって、
    1本のベースフィンガー、
    前記1本のベースフィンガーを中心に対称となる位置に、前記1本のベースフィンガーと平行して縦列配置された偶数本のエミッタフィンガー、及び
    前記1本のベースフィンガー及び前記偶数本のエミッタフィンガーを挟む位置に配置された2本のコレクタフィンガーで構成される、バイポーラトランジスタ。
  6. 複数のバイポーラトランジスタを並列に接続して構成される電力増幅器であって、
    ベースが共通接続され、コレクタが高周波信号出力端子に接続され、かつエミッタが接地された、電流増幅を行う請求項3〜5のいずれかに記載の複数のバイポーラトランジスタと、
    高周波信号入力端子と前記複数のバイポーラトランジスタの共通接続されたベースとを接続する容量と、
    バイアス供給端子と前記複数のバイポーラトランジスタの共通接続されたベースとを接続する抵抗とを備える、電力増幅器。
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