JP2007034056A - 平版印刷版の処理装置及び処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 画像露光において高精細スクリーンを用いる光重合性感光層を有する平版印刷版を網点サイズが同一で、処理むらが少なく長期間にわたって処理むら等の画像欠陥を生ずることなく現像処理できる平版印刷版の処理装置を提供する。
【解決手段】 支持体上に光重合性感光層を有する感光性平版印刷版をレーザー露光した後、現像処理する際、露光後の感光性平版印刷版の露光面を、回転軸上の擦り部材141,142で擦ることによって未露光部の光重合性感光層を除去する感光性平版印刷版の処理装置及び処理方法であって、擦り部材141,142が、回転軸の軸方向中央部の外径D1を最大として、軸端部に向かうに従って徐々に外径が小さくなるクラウン形状としたことで、平版印刷版の網点サイズが同一で、処理むらが少なく長期間にわたって画像欠陥のない安定した処理が行える。
【選択図】 図3

Description

本発明は、光重合性感光層を有する平版印刷版をレーザー露光した後、現像処理する平版印刷版の処理装置及び処理方法に関する。
近年におけるレーザーの発展は目覚ましく、高出力かつ小型のものが容易に入手できるようになった。これらのレーザーは、コンピュータ等のデジタルデータにより直接印刷版を製版する際の記録光源として非常に有用である。
記録光源としてはArイオンレーザー(488nm)やFD−YAGレーザー(532nm)が使用され、これらの光源に適合した光重合性感光層を有する感光性平版印刷版が開発され、実用に供されている。また最近、InGaN系半導体レーザー(バイオレットレーザー、350nm〜450nm)が開発され、明室化、露光機の低コスト化、高生産性が期待されるため、この光源に感光性を有する高感度な光重合性感光層を有する平版印刷版の開発が急速化している。
更に、製版・印刷業界では、データから直接刷版へ網点が出力される上記技術の進展とスクリーニング処理ソフトの組み合せにより、高精細化を伴った各種のスクリーニング印刷が比較的容易に実用化できる状況になり、市場の高級印刷指向と相まって、高精細スクリーンが広く用いられるようになってきた。高精細スクリーンとして、従来のAMスクリーンでは250線を超えるスクリーニング方式とFM型及びAM/FMハイブリッド型がある(下記非特許文献1参照)。
また、平版印刷版を形成するには、レーザー露光によって印刷版に記録を行ったあと現像処理を行う。一般に、印刷版の現像処理には自動現像装置が用いられている。自動現像装置としては、加熱、前水洗、現像、水洗、フィニッシングからなる工程を含むものが広く用いられている(特許文献1)。
日本印刷学会誌 第40巻第2号(2003) 特開2003−107728号公報
高精細スクリーンを用いてレーザー露光によって画像記録された印刷版を現像処理した場合、現像ブラシに起因する処理むらが発生し、画像欠陥が生じてしまうことがあった。
本発明は以上のような背景に基づいてなされたものである。その目的は、画像露光において高精細スクリーンを用いる光重合性感光層を有する平版印刷版を長期間にわたって処理むら等の画像欠陥を生ずることなく現像処理できる、平版印刷版の処理装置を提供することにある。
本発明者は、鋭意検討の結果、画像露光において高精細スクリーンを用いる光重合性感光層を有する平版印刷版の網点部分は、従来使用されていた175線程度のAMスクリーンの網点部分に比べ、網点個数が多く又小さい。そのため単位面積あたりの網点の周囲長(画像部と非画像部の境界長さ)が長いため、フリンジと称される部分が多い。そのフリンジ部分は、現像される部分と残る部分の境界であるため、現像液に溶解、分散されない不溶解物が若干含まれている。従来の網点サイズのAMスクリーンでは、問題にならなかったその境界部分の不溶解部分が、高精細スクリーンでは、処理むらになりやすく、画像欠陥を生じることを見出した。
また、現像ブラシローラは両端をばねなどによって押さえる構造のため、ブラシローラに撓みが発生し、両端部のブラシ圧が高くなり中央部のブラシ圧が弱くなる。このため、このようなブラシローラで平版印圧版を現像した場合には、平版印刷版に付与される擦り圧力が不均一になり、平版印刷版の処理むらが発生し易い。
特に、高精細スクリーンを用いた場合は、現像ブラシの両端部では網点サイズが小さくなり、中央部では網点サイズが大きくなり、同一の平版印刷版の版上で網点サイズが異なる重大な画像欠陥を生じる。
そして、本発明者は、更に鋭意検討を重ねた結果、支持体上に光重合性感光層を有する感光性平版印刷版をレーザー露光した後、現像処理する際、露光後の前記感光性平版印刷版の露光面をブラシローラや不織布を表面に付けたローラ等の擦り部材で擦ることによって、未露光部の前記光重合性感光層を除去する処理装置において、前記擦り部材を、中央部の外径を最大として、擦り部材の端部に向かうに従って徐々に外径が小さくなるクラウン形状としたことで、平版印刷版の網点サイズが同一で、処理むらが少なく長期間にわたって画像欠陥のない安定した処理ができる装置を見出した。
特に、画像露光において、AMスクリーンとしては250線以上であり、FMスクリーンとしては網点を構成する最小画素のサイズが50μm以下である高精細スクリーンを用いた場合にその効果が顕著である。
すなわち、本発明の上記目的は、下記構成によって達成される。
(1) 支持体上に光重合性感光層を有する感光性平版印刷版をレーザー露光した後、現像処理する際、露光後の前記感光性平版印刷版の露光面を、回転軸上の擦り部材で擦ることによって未露光部の前記光重合性感光層を除去する感光性平版印刷版の処理装置であって、前記擦り部材が、前記回転軸の軸方向中央部の外径を最大として、軸端部に向かうに従って徐々に外径が小さくなるクラウン形状であることを特徴とする平版印刷版の処理装置。
この平版印刷版の処理装置によれば、露光後の感光性平版印刷版の露光面を、回転軸上の擦り部材で擦ることによって、未露光部の光重合性感光層を除去する際に、擦り部材が、回転軸の軸方向中央部の外径を最大として、軸端部に向かうに従って徐々に外径が小さくなるクラウン形状であることにより、擦り部材の幅方向に対して均一な擦り圧を平版印刷版に加えることができ、未露光部の光重合性感光層を版面から確実に掻き取ることができる。これによって、平版印刷版の良好な現像処理が実現される。
(2) 前記擦り部材が、ブラシ材であることを特徴とする(1)記載の平版印刷版の処理装置。
この平版印刷版の処理装置によれば、擦り部材をブラシ材で構成することで、光重合性感光層の掻き取り効率が向上する。
(3) 前記回転軸がクラウン軸であり、前記ブラシ材が前記回転軸表面に配設されてなることを特徴とする(2)記載の平版印刷版の処理装置。
この平版印刷版の処理装置によれば、クラウン軸である回転軸上にブラシ材を配設することで、回転軸のクラウン形状に沿って取り付けられたブラシ材の外形状がクラウン形状となる。
(4) 前記回転軸が直径を一定とする直状部を有し、該直状部に前記ブラシ材が前記回転軸の軸方向に沿ってブラシ毛の長さをクラウン形状になるように異ならせて配設されてなることを特徴とする(2)記載の平版印刷版の処理装置。
この平版印刷版の処理装置によれば、回転軸の直状部にブラシ毛の長さを異ならせてクラウン形状を形成することにより、擦り部材の外形状を簡単にクラウン形状にすることができる。
(5) 前記擦り部材が、繊維製の編成物であることを特徴とする(1)記載の平版印刷版の処理装置。
この平版印刷版の処理装置によれば、繊維性の編成物を回転軸の周面に取り付けることで、擦り部材を簡単に交換することができ、メンテナンス性が向上する。
(6) 前記クラウン形状は、前記擦り部材の軸方向中央部の外径をD1、軸方向両端部の外径をD2としたとき、単位長さ当たりのクラウン量t=(D1−D2)/2が1.0〜10mm/1000mmの範囲であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項記載の平版印刷版の処理装置。
この平版印刷版の処理装置によれば、擦り部材の単位長さ当たりのクラウン量t=(D1−D2)/2を、1.0〜10mm/1000mmの範囲にすることで、擦り部材の幅方向に対して均一な擦り圧を確実に平版印刷版に加えることができる。
(7) 支持体上に光重合性感光層を有する感光性平版印刷版をレーザー露光した後、現像処理する際、露光後の前記感光性平版印刷版の露光面を、回転軸上の擦り部材で擦ることによって未露光部の前記光重合性感光層を除去する感光性平版印刷版の処理方法であって、前記回転軸の軸方向中央部の外径を最大として、軸端部に向かうに従って徐々に外径が小さくなるクラウン形状の擦り部材によって擦ることを特徴とする平版印刷版の処理方法。
この平版印刷版の処理方法によれば、回転軸の軸方向中央部の外径を最大として、軸端部に向かうに従って徐々に外径が小さくなるクラウン形状である擦り部材を用いることにより、擦り部材の幅方向に対して均一な擦り圧を平版印刷版に加えることができ、未露光部の光重合性感光層を版面から確実に掻き取ることができる。これによって、平版印刷版の良好な現像処理が実現される。
(8) 前記擦り部材がブラシ部材であり、前記感光性平版印刷版の現像処理の経過に応じて、前記ブラシ部材のブラシ毛を前記クラウン形状になるようにカットすることを特徴とする(7)記載の平版印刷版の処理方法。
この平版印刷版の処理方法によれば、平版印刷版の現像処理の経過により、ブラシ毛の先端が削れて所望のクラウン形状からずれを生じた場合に、ブラシ毛をカットすることにより、簡単に所望のクラウン形状を再形成することができる。これにより、メンテナンス性が向上する。
(9) 前記画像露光に際し、AMスクリーンとしては250線以上であり、FMスクリーンとしては網点を構成する最小画素のサイズが50μm以下である高精細スクリーンを用いることを特徴とする(8)記載の平版印刷版の処理方法。
この平版印刷版の処理方法によれば、高精細スクリーンを用いて形成した画像では、単位面積当たりの網点の周囲長が長いため、一般的にフリンジ部分が多くなるが、このフリンジ部分における光重合性感光層を確実に除去するために、フリンジ部分の残存に起因する処理むらや画像欠陥の発生を防止できる。
ここで、高精細スクリーンとして、従来のAMスクリーンでは250線を超えるスクリーニング方式とFM型及びAM/FMハイブリッド型がある。
AM高精細スクリーンとしては、250線以上が相当するが、富士写真フイルム(株)社製Co−Reスクリーンが好適に使用できる。
FMスクリーンとしては、富士写真フイルム社製FMスクリーンTAFFETA(20)、CREO社製のStaccato(10、20、25、35、36)、大日本スクリーン社製のRandot、RandotX(10、15、20)、Heidelbelg社製 Stain Screening、 Agfa社製 Cristal Rasterを使用することができる。
ハイブリッドスクリーンとしては、大日本スクリーン社製Fairdot、Agfa社製Sublimaが知られている。
具体的には、250線以上のAMスクリーン、前述したFMスクリーン、ハイブリッドスクリーンがある。FMスクリーン、ハイブリッドスクリーンでは、網点を構成する最小画素のサイズが50μm以下のものでは、画像ムラが生じやすく、特に、30μm以下のものでは、画像ムラがより生じやすく、本発明が有効である。
本発明は、支持体上に光重合性感光層を有する感光性平版印刷版をレーザー露光した後、現像処理する際、露光後の前記感光性平版印刷版の露光面を、回転軸上の擦り部材で擦ることによって未露光部の前記光重合性感光層を除去する感光性平版印刷版の処理装置であって、前記擦り部材が、前記回転軸の軸方向中央部の外径を最大として、軸端部に向かうに従って徐々に外径が小さくなるクラウン形状としたことで、平版印刷版の網点サイズが同一で、処理むらが少なく長期間にわたって画像欠陥のない安定した処理ができるといった優れた効果を有する。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
本発明に使用される自動現像装置としては、加熱、前水洗、現像、水洗、フィニッシング工程の中で、とりわけ現像工程が具備されていれば、いかなるものも使用できる。以下に図面を参照しながら本発明にかかる平版印刷版の処理装置及び処理方法の実施の形態を説明する。
図1及び図2には、本実施形態にかかる自動現像装置の基本構成を示している。自動現像装置1は、図1に示す前処理部200と、図2に示す現像処理部10とで構成されている。
前処理部200では、平版印刷版(以下、印刷版ともいう。)12に対し、現像処理に先立って前加熱処理及び前水洗処理を施す。なお、前処理装置200によって前処理された印刷版12は、現像処理部10によって現像処理されるが、この現像処理部10は、印刷版12に対する現像処理が可能な任意の構成を用いることができる。また、本実施の形態に適用した前処理部200は、現像処理部10と別に単独で使用されるものであってもよく、この現像処理部10に連結して使用してもよい。また、前処理部をなくして現像部だけで処理してもよい。
前処理装置200には、機枠202内に、前加熱部204が印刷版12の搬送方向上流側に設けられ、前水洗工程としての前水洗部206が下流側に設けられている。
前加熱部204には、加熱室208内に複数本(図1においては3本とした。)の串型ローラ210が配置されている。また、加熱室208内には、入口212側にヒータ214が設けられ、ヒータ214の上流側に循環ファン216が設けられている。
前加熱部204では、印刷版12が加熱室208内を通過するときに、所定の温度及び所定の加熱時間となるようにして、印刷版12の光重合性感光層を的確に硬化させて、印刷版12の耐刷力の増加を図っている。
一方、加熱室208内を通過した印刷版12は、出口218から前水洗部206へ送られる。
前水洗部206には、水洗タンク220が設けられており、この水洗タンク220内に洗浄水を貯留する洗浄槽222が形成されている。
前水洗部206において、前加熱部204側に、搬送ローラ224、226、228が印刷版12の搬送方向に沿って千鳥状に配置されている。搬送ローラ224、228は、印刷版12の上面に対向するように設けられ、搬送ローラ226は、搬送ローラ224、228の間で、印刷版12の下面に対向するように配置されている。
これにより、前水洗部206へ送り込まれた印刷版12は、搬送ローラ224、228と搬送ローラ226の間を搬送される。
前水洗部206には、搬送ローラ228の下流側に、ブラシローラ230とバックアップローラ232が、上下に対で設けられている。ブラシローラ230とバックアップローラ232の接触位置は、搬送ローラ228の下端よりも低くなっている。これにより、印刷版12は、搬送ローラ226、228の間から傾斜されてブラシローラ230とバックアップローラ232の間へ送り込まれる。
また、前水洗部206には、搬送ローラ228とブラシローラ230の間にスプレーパイプ234が設けられ、ブラシローラ230の上方にスプレーパイプ236が設けられている。
スプレーパイプ236から噴出される洗浄水が、ブラシローラ230の軸線方向に沿った全域に供給され、該洗浄水がブラシ素材に略均一に供給される。そして、印刷版12は、洗浄水が供給されたブラシローラ230によってブラッシングされる。
これにより、印刷版12は、表面に洗浄水が供給されると共に、さらに、洗浄水が溜められた状態で、ブラシローラ230とバックアップローラ232の間へ送り込まれる。
印刷版12に設けている保護層は、洗浄水によって膨潤して剥がれ易くなる。したがって、印刷版12は、表面に洗浄水が溜まった状態で、ブラシローラ230によってブラッシングされ、保護層が確実に除去され、部分的に保護層が残ることにより、現像処理を行ったときに、現像むらを生じさせてしまうことがない。
なお、ブラシローラ230は、バックアップローラ232との間で印刷版12を挟んだときに、所定のブラシ圧が得られるように構成されている。これにより、所定方向に回転した状態で、印刷版12がブラシローラ230とバックアップローラ232の間を通過すると、ブラシローラ230によって該印刷版12の表面がブラッシングされる。
一方、前水洗部206には、ブラシローラ230の下流側に、串型ローラ238が設けられている。この串型ローラ238は、印刷版12の搬送路の上方側に配置されており、ブラシローラ230とバックアップローラ232の間を通過した印刷版12が、ブラシローラ230によってブラッシングされることにより浮き上がって、搬送路から外れてしまうのを防止する。
また、前処理部200が現像処理部10と連結されている場合には、前水洗部206の最下流に、平版印刷版12を搬送可能な状態で、現像処理部10の搬送ローラ対42が設けられている。
次に、自動現像装置1の現像処理部10を説明する。
図2に示すように、自動現像装置1は、図示しない露光装置によって画像露光された光重合性感光層を有する平版印刷版の現像処理に適用される。
本実施の形態の自動現像装置1で現像される印刷版12は、アルミニウム等を用いた薄板の支持体面に、接着層を介して感光層を形成し、その上に保護層を設けた版である。
図2に示すように、自動現像装置1の現像処理部10は、印刷版12を現像液によって処理するための現像部14と、現像液によって処理された印刷版12の水洗水を供給して水洗する水洗部16と、水洗後の印刷版12に版面保護用のガム液を塗布して不感脂化処理するフィニッシング処理部18と、印刷版12を乾燥させる乾燥部20と、が配設されている。すなわち、自動現像装置1には、印刷版12の搬送方向(図2の矢印A)方向に沿って、現像工程、水洗工程、フィニッシング処理工程及び乾燥工程が順に配置されている。
現像処理部10内には、処理タンク22が設けられている。この処理タンク22には、処理槽として現像部14となる位置に現像槽24が形成され、水洗部16及びフィニッシング処理部18となる位置に水洗槽26及びフィニッシング処理槽28が形成されている。また、処理タンク22には、現像槽24の上流側(印刷版12の搬送方向の上流側)に挿入部34のスペースが設けられ、フィニッシング処理槽28の下流側に乾燥部20のスペースが形成されている。
処理タンク22の周囲を覆う外板パネル30には、現像処理部10への印刷版12の挿入側(図1の紙面左側)にスリット状の挿入口32が形成され、処理タンク22には、現像部14の挿入口32側に挿入部34が形成されている。
現像処理部10には、処理タンク22の上部及び乾燥部20の上部を覆うカバー36、38が設けられている。挿入口32側のカバー36は、処理タンク22の挿入部34から水洗部16の上部を覆い、カバー38は、水洗部16の上部から乾燥部20の上部の間を覆うように配置される。
また、カバー36には、現像部14と水洗部16との間に印刷版12を挿入するためのリエントリー用の挿入口(副挿入口)40が設けられている。副挿入口40は、現像部14での処理を除くPS版プロセッサーでの処理を行うための印刷版12の挿入用となっている。
挿入口40に隣接する挿入部34には、ゴム製の搬送ローラ対42が配設されている。画像が焼付けられた印刷版12は、挿入口32から矢印A方向に沿って挿入されることにより、搬送ローラ対42の間に送り込まれる。
搬送ローラ対42は、回転駆動されることにより、この印刷版12を挿入口32から引き入れながら、水平方向に対して約15°から31°の範囲の角度で現像部14へ送り込む。なお、片面タイプの印刷版12の処理に用いる現像処理部10では、感光層(感光面)が上方へ向けられた状態で挿入口32から挿入される。すなわち、印刷版12は、感光面を上方へ向けられた状態で現像処理部10によって処理される。
処理タンク22に形成されている現像槽24は、底部中央が下方へ向けて突出された略山形状となっており、印刷版12の現像処理を行うための現像液を貯留する。浸漬時間は2秒から60秒、好ましくは5秒から30秒が好ましい。浸漬温度は15〜50℃が好ましく、15〜45℃がより好ましく、20℃〜40℃とすることがさらに好ましい。
この現像槽24内には、印刷版12の搬送路の上流部となる挿入部34側に搬送ローラ48が配置されている。また、現像槽24内には、印刷版の搬送路の中央部に搬送ローラ対50が配置され、下流部となる水洗部16側に搬送ローラ対52が配置されている。
現像処理部10の現像槽24には、搬送ローラ48と搬送ローラ対50の間にガイド116が設けられる。このガイド116は、一端部が搬送ローラ48に対向し、他端部が搬送ローラ対50の間へ向けられている。
搬送ローラ対42によって現像処理部10内に引き入れられた印刷版12は、搬送ローラ48とガイド116の間に送り込まれ、ガイド116上を搬送ローラ対50の間へ案内搬送される。
また、現像槽24内には、搬送ローラ対50の近傍に、ガイド116に対向してブラシローラ141が配置される。ブラシローラ141は、長尺のクラウン状部材であって、回転軸を中心に所定回転方向及び所定の回転速度で回転駆動して、ガイド116上を搬送される印刷版12における露光面の表面に接触することにより、印刷版12の上面を擦ることによってブラッシングする。なお、ガイド116は、ブラシローラ141が所定のブラシ圧で印刷版12の上面に接触するように配置される。
また、ブラシローラ141は、現像液の液面から突出するようになっており、遮蔽蓋100の凹部100Bには、搬送ローラ対50と共に、ブラシローラ141の液面から突出した上部が入り込むようになっている。
また、現像槽24内には、搬送ローラ対50、52の間に、ブラシローラ142が配置されている。ブラシローラ142は、ブラシローラ141と同様の構成とすることができ、搬送ローラ対50、52の間を搬送される印刷版12の上面側に対向するように取り付けられている。ブラシローラ142は、所定方向及び所定の回転方向に回転しながら印刷版12の上面に接触することにより、印刷版12の上面側の感光層を擦ることによってブラッシングして、現像液によって不要な感光層の除去を促進するようになっている。ブラシローラ142に対して印刷版12の搬送方向の下流側近傍に搬送ローラ60が配置されている。搬送ローラ60は、搬送ローラ対50、52の間を搬送される印刷版12の上面側に対向するように取り付けられている。
搬送ローラ対42によって挿入口32から引き入れられた印刷版12は、搬送ローラ48の下方を通過してブラシローラ141に擦られてブラッシングされた後に、搬送ローラ対50の間へ送り込まれる。そして、印刷版12は、搬送ローラ50によって現像槽24の底面に沿うように搬送ローラ対52へ向けて斜め上方へ案内される。このとき、印刷版12の上面側がブラシローラ142に擦られてブラッシングされる。
本実施形態において、ブラシローラ141及びブラシローラ142は、露光後において平版印刷版12の露光面の表面を擦ることで、未露光部の光重合性感光層を除去する擦り部材として機能する。
ブラシローラ141及びブラシローラ142は中央部の外径を最大として、ブラシローラ端部に向かうに従って徐々に外径が小さくなるクラウン形状をしている。
また、ブラシローラ141の、印刷版12を挟む反対側にはバックアップローラが設けられている。また、ブラシローラ142の印刷版12を挟む反対側には、バックアッププレート46が配置されている。
本発明に使用される擦り部材は、平版印刷版原板の画像記録面を擦ることができる部材であれば何でもよいが、回転軸を中心に回転することで光重合性感光層を擦ることが可能な部材(例えば、公知のチャンネルブラシ、ねじりブラシ、植え込みブラシ、絨毯ブラシ、およびモルトンローラなど)を使用することが特に好ましい。
チャンネルブラシとしては、実開昭62-167253号、実開平4-63447号、実開平4-64128号、特開平6−186751号の各公報に開示されているような、長尺のいわゆるチャンネルブラシ(帯状ブラシ)を、ローラ本体表面に螺旋状に巻付けたものが用いられる。
ねじりブラシとしては、特開平3−87832号の各公報に開示されているようなシャフトに設けられた螺旋状の溝内にねじりブラシを挿入してシャフトへ螺旋状に巻き付けたものが用いられる。
植え込みブラシとしては、シャフトローラに小穴をあけ、ブラシ材料を植え込む方法で作成されるものが用いられる。
絨毯ブラシとしては、特開2001−5193号、特開2001−66788号の各公報に開示されているようなシャフトローラの周面に織物に毛材が織り込まれた細長の帯体を巻き付けたものが用いられる。
モルトンローラとしては、特開平10−198044号の公報に開示されているようなローラ部に繊維製の編成物からなる筒状の摺接材を被せて装着側の端部を緊締したものが使用できる。
擦り部材として回転する部材を用いる場合、その擦り部材の回転数は、光重合性感光層の除去性を向上させるために、なるべく速いことが好ましいが、自動現像処理機の耐久性、製造コスト、現像液の飛散及び平版印刷版原板の露光部の損傷等の観点から、30〜500rpm、より好ましくは50〜300rpmが好ましい。
擦り部材としてブラシを用いる場合、そのブラシの本数は、一本以上有ればよく、複数本有していてもよい。
擦り部材に用いるブラシの材質は、馬の毛、豚の毛等の天然繊維、人造繊維、金属繊維などが知られているが、耐薬品性より人造繊維が好ましい。人造繊維としては、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン6・10、ナイロン6・12、ナイロン12等のポリアミド類、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル類、ポリアクリロニトリル、ポリ(メタ)アクリル酸アルキル等のポリアクリル類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のポリオレフィン類、アセチルセルロース等のセルロース類、ポリウレタン等のポリウレタン類、ポリフェニレンサルファイト、エチレン・4弗化エチレン共重合体、ポリ弗化ビニリデン等の弗素樹脂類が用いられるが、弾性、剛性、耐摩耗性、耐熱性、耐薬品性、給水性、吸湿性等を考慮すると、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン6・10、ナイロン6・12、ナイロン12、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートが好ましく、より好ましくはナイロンナイロン6・6、ナイロン6・10、6・12、ナイロン12、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレンが用いられる。ポリエステル類ではとくにポリブチレンテレフタレート(PBT)が好ましい。ポリオレフィン類では特にポリプロピレンが好ましい。
ブラシの太さは特に限定はされないが、0.01mmから1.0mmが好ましく、より好ましくは、0.02mmから0.5mmが好ましい。ブラシの太さが0.01mmより細いと擦り性が劣り、1.0mmより太いと、版面に擦り傷を付けやすくなるためである。また、ブラシの毛の長さは特に限定されないが、通常3mmから50mmの範囲で用いられる。3mmより短くすると平版印刷版原板へのあたりが不均一になって版面に擦り傷を付けやすくなるためである。また、50mmより長い場合には、長くすることによる現像処理上のメリットが見出されなくなり、経済的にも不利である。モルトンローラの場合は、編成物からなる筒状の摺接材を被せるため、毛材の太さや長さの規定は不要である。
本実施形態の自動現像装置1において、擦り部材であるブラシローラ141,142は、回転軸を中心として正転と逆転との回転方向の切り替えが可能であり、一方のブラシローラを正転としたとき、他方のブラシローラを逆転とすることができる。さらに、3つ以上のブラシローラを擦り部材として適用する場合には、ブラシローラのうち少なくとも一つを逆転に回転させる。
ブラシローラ141,142の形状は、回転軸の軸方向中央部の外径を最大として、軸端部に向かうに従って徐々に外径が小さくなるものであればいかなるものでも使用できる。
すなわちブラシローラ141,142は、図3に示すような中央部の外径を最大として、ブラシローラ端部に向かうに従って徐々に外径が小さくなるものである。また、図示したブラシローラ141,142は、基部b10の幅方向にブラシ素材b1の先端部が膨らんだチャンネルブラシを基部b10が密着するように、ローラ本体R10の外周面に螺旋状に巻き付けて、ブラシの植え込みムラが実質的に生じないように構成されている。
このブラシローラ141,142においては、ブラシローラ軸方向中央部の外径をD1、軸方向両端部の外径をD2としたとき、単位長さ当たりのクラウン量t=(D1−D2)/2が1.0〜10mm/1000mmの範囲であることが好ましい。この範囲のクラウン量にすることで、ブラシローラ141,142の幅方向に対して均一な擦り圧を確実に平版印刷版に加えることができる。クラウン量が1.0mm/1000mm未満ではブラシローラ141,142の幅方向に擦り圧の不均一分布が発生し、擦りむらが生じる。また、クラウン量が10mm/1000mmを超える場合は印刷版の反りが生じてかえって擦りむらが生じ易くなる。
ブラシローラをクラウン状にする方法は、ブラシローラの回転軸となるシャフトローラをクラウン状にし、そのシャフトに繊維製の編成物からなる筒状の摺接材を被せて装着側の端部を緊締したモルトンローラにしたものでも良く、また、クラウン状にしたシャフトローラに小穴をあけ、ブラシ材料を植え込む方法で作成されるものでもよい。更に、クラウン状にしたシャフトローラに長尺のいわゆるチャンネルブラシ(帯状ブラシ)を、ローラ本体表面に螺旋状に巻付けたものや織物に毛材が織り込まれた細長の帯体を巻き付けたものでもよい。
もう一方のクラウンブラシローラの作製方法としては、回転軸が直径を一定とする直状部を有し、この直状部にブラシ材が回転軸の軸方向に沿ってブラシ毛の長さをクラウン形状になるように異ならせて配設して形成したものでもよい。つまり、等径のシャフトローラに小穴をあけブラシ材料を植え込む方法で作成されたものや、長尺のいわゆるチャンネルブラシ(帯状ブラシ)をシャフトローラ本体表面に螺旋状に巻付けたもの、更に織物に毛材が織り込まれた細長の帯体をシャフトローラに巻き付けた後にクラウン形状に毛刈りしたものでもよい。
また、クラウンブラシローラは、平版印刷版の現像処理の経過により、ブラシ毛の先端が削れて所望のクラウン形状からずれを生じた場合に、ブラシ毛をカットすることにより、簡単に所望のクラウン形状を再形成することができる。例えば、現像開始後にタイマーカウントを開始して、所定期間が経過したときに、ブラシ毛のカットを促す報知を行い、ブラシローラのブラシ毛をカットするようにする。これにより、消耗したブラシローラを交換する手間が省け、ランニングコストを抑え、メンテナンス性を向上することができる。
現像部14において搬送方向下流側に設けられた搬送ローラ対52は、例えば外周部がゴム製のローラによって形成されている。印刷版12は、クラウンブラシローラ141,142によって光重合性感光層が除去された後で、搬送ローラ対52によって挟持されつつ現像槽24から引き出され、水洗部16へ送り込まれる。
現像槽24内には、搬送ローラ対50と搬送ローラ対52の間の底面近傍にスプレーパイプ56が設けられている。このスプレーパイプ56には、図示しないポンプによって吸引した現像槽24内の現像液が供給されるようになっており、スプレーパイプ56からこの現像液を噴出する。これにより、現像槽24内の現像液が攪拌されて、印刷版12の均一な処理が可能となる。
搬送ローラ対52によって現像槽24から引き出された印刷版12は、この搬送ローラ対52によって表面に付着している現像液が絞り落とされながら水洗部16へ送り込まれる。
水洗部16には、水洗槽26の上方に配設された搬送ローラ対62、64によって印刷版12を略水平状態で搬送する搬送路が形成されており、印刷版12は、搬送ローラ対62、64に挟持されて水洗槽26の上方を水平搬送される。
水洗部16には、搬送ローラ対62、64の間に、印刷版12の搬送路を挟んで上下に対で、スプレーパイプ66、68が設けられている。スプレーパイプ66、68は軸線方向が印刷版12の幅方向(搬送方向と直交する方向)に沿って配置され、印刷版12の搬送路に対向する複数の吐出孔(図示省略)が、軸線方向に沿って形成されている。
水洗槽26には、例えば洗浄剤として水(以下「水洗水」とする)が貯留されており、現像処理部10では、図示しない給水ポンプによって、印刷版12の搬送に同期させて、スプレーパイプ66、68に水洗槽26内の水洗水を供給する。これにより、水洗水がスプレーパイプ66、68から印刷版12へ向けて噴出されて、印刷版12の表面に付着している現像液を洗い流す。
印刷版12に供給された水洗水は、印刷版12が搬送ローラ対64に挟持されて送り出されることにより、印刷版12表裏面に付着していた現像液等と共に印刷版12の表裏面から絞り落とされ、水洗槽26内に回収される。なお、スプレーパイプ66、68からの水洗水の噴出方向は、スプレーパイプ66が印刷版12の搬送方向上流側で、スプレーパイプ68が印刷版12の搬送方向下流側としているが、これに限定されず他の方向であってもよい。また、水洗水の新液は、印刷版12の処理量に応じて図示しない手段によって水洗槽26に供給される。
水洗部16には、搬送ローラ対62、64の間に、印刷版12の版面をブラッシングするブラシが配置されていてもよい。
フィニッシング処理部18には、フィニッシング処理槽28の上方に搬送ローラ対70が設けられ、印刷版12は、搬送ローラ対64によって搬送ローラ対70へ向けて搬送されることにより、フィニッシング処理部18内を搬送された後に、搬送ローラ対70によって挟持されて乾燥部20へ向けて送られる。
フィニッシング処理部18には、印刷版12の搬送路の上方側にスプレーパイプ72が設けられ、搬送路の下方側にスプレーパイプ74が設けられている。スプレーパイプ72、74は、長手方向(軸線方向)が印刷版12の幅方向に沿い、印刷版12の搬送路を挟んで上下に配置されている。また、スプレーパイプ72、74には、印刷版12の幅方向に沿って複数の吐出孔が形成されている。
フィニッシング処理槽28には、印刷版12の版面保護に用いるガム液が貯留されており、このガム液が印刷版12の搬送に同期してスプレーパイプ72、74に供給される。スプレーパイプ72は、このガム液を印刷版12へ向けて滴下して印刷版12の表面に広げて塗布する。また、スプレーパイプ74は、吐出孔から印刷版12の裏面へ向けてガム液を吐出して、印刷版12の裏面にガム液を塗布する。
印刷版12は、表裏面に塗布されるガム液によって保護膜が形成される。なお、スプレーパイプ72からのガム液の吐出方向は、印刷版12の搬送方向下流側に限らず、他の方向であってもよく、また、整流板を設け、この整流板へ向けて噴出したガム液を、整流板で印刷版12の幅方向に沿って均一に拡散させながら、印刷版12の表面に流し落として塗布するようにしてもよい。また、スプレーパイプ74に換えて、吐出したガム液に印刷版12が接触しながら移動することにより印刷版12の裏面にガム液を塗布する吐出ユニット等を用いてもよい。
なお、フィニッシング処理部18には、搬送ローラ対70の上方に洗浄スプレー76が設けられ、搬送ローラ対70の上方のローラに接触しながら回転する洗浄ローラ78が設けられており、予め設定している所定のタイミングで、この洗浄スプレー76から搬送ローラ対70の上方のローラと洗浄ローラ78の接触位置に、整流板80を介して洗浄水を滴下することにより、洗浄水を搬送ローラ対70の上方のローラの周面に均一に拡散させて、搬送ローラ対70の上下のローラの周面からガム液を洗い流し、ローラの周面にガム液が固着してフォトポリマー版12を損傷させてしまうのを防止する。
フィニッシング処理部18でガム液が塗布された印刷版12は、搬送ローラ対70に挟持されて、表裏面にガム液が若干残った状態(ガム液が薄膜として残った状態)で乾燥部20へ送られる。
保護膜の形成された印刷版12は、搬送ローラ対92にニップされて、現像処理部10から搬出される。
ここで、前述した現像処理部10を更に説明すると、現像処理部10には、フィニッシング処理部18と乾燥部20の間に、仕切り板82が設けられている。この仕切り板82は、印刷版12の搬送路の上方に、処理タンク22の上端と対向するように配置されており、これにより、フィニッシング処理部18と乾燥部20の間にスリット状の挿通口84が形成されている。なお、仕切り板82は、二重構造となっており、これにより、挿通口84の乾燥部20側に溝状の通気路が形成され、乾燥部20内の空気がこの通気路内に入り込むことにより、乾燥部20内の空気が挿通口84からフィニッシング処理部18内に入り込んでしまうのを防止している。
乾燥部20内には、挿通口84の近傍に、印刷版12を支持する支持ローラ86が配設され、また、印刷版12の搬送方向の中央部及び、排出口88の近傍には、搬送ローラ対90及び搬送ローラ対92が配設されている。印刷版12は、支持ローラ86及び搬送ローラ対90、92によって乾燥部20内を搬送される。
支持ローラ86と搬送ローラ対90との間、及び搬送ローラ対90と搬送ローラ対92との間には、印刷版12の搬送路を挟んで対でダクト94、96が配設されている。ダクト94、96は、長手方向が印刷版12の幅方向に沿って配設されており、印刷版12の搬送路に対向する面にスリット孔98が設けられている。
ダクト94、96は、図示しない乾燥風発生手段によって発生された乾燥風が、長手方向の一端側から供給されると、この乾燥風をスリット孔98から印刷版12の搬送路へ向けて吐出し、印刷版12に吹き付ける。これにより、印刷版12は、表裏面に塗布されているガム液が乾燥され、保護膜が形成される。
現像処理部10では、現像槽24内に液面蓋100を配置することにより、現像槽24内の現像液が空気中の炭酸ガス等と接触してしまうことによる劣化や水分の蒸発を防止するようにしている。なお、遮蔽蓋100及び処理タンク22と搬送ローラ48や搬送ローラ対52等の間にシリコンゴム等によって形成したブレード状の遮蔽部材(図示省略)を設けて、現像槽24内の現像液が新鮮な外気と接触したり、現像液中の水分が蒸発してしまうのを防止してもよく、より好ましい。
更に、前水洗水及び水洗水に、水垢、かびなどの繁殖を抑制するために防腐剤を自動添加してもよい。水垢防止剤としては、富士写真フイルム(株)社製BK−3が好適に用いられる。添加量としては50〜5000ppm、好ましくは100〜3000ppmである。
AM高精細スクリーンとしては、250線以上が相当するが、富士写真フイルム(株)社製 Co−Reスクリーンが好適に使用できる。
FMスクリーンとしては、例えば、富士写真フイルム社製FMスクリーンTAFFETA(20)、CREO社製のStaccato(10、20、25、35、36)、大日本スクリーン社製のRandot、RandotX(10、15、20)、Heidelbelg社製 Stain Screening、 Agfa社製 Cristal Rasterを用いることができる。
ハイブリッドスクリーンとしては、大日本スクリーン社製Fairdot、Agfa社製Sublimaが知られている。具体的には、250線以上、更に好ましくは300線以上のAMスクリーン、前述したFMスクリーン、ハイブリッドスクリーンがある。FMスクリーン、ハイブリッドスクリーンでは、網点を構成する最小画素のサイズが50μm以下のものでは、画像ムラが生じやすく、特に、30μm以下のものでは、画像ムラが生じやすく、本発明が有効である。
ここでいう最小画素のサイズとは、画像を構成する最小画素の一辺の長さを表している。図4は、FMスクリーンのハイライト部を示している。図5は、FMスクリーン中間調を示している。図4及び図5に示すように、最小画素は、ハイライト側で見られるほか、中間調や、シャドー部側でもその一部に視認することができる。
このように、本発明にかかる平版印刷版の処理方法は、光重合性感光層を有する感光性平版印刷版12をレーザー露光した後、現像処理する際、画像露光において高精細スクリーンを用いる平版印刷版12を露光後、平版印刷版の露光面をブラシローラで擦ることによって、未露光部の平版印刷版の感光層を除去する際に、現像ブラシローラが中央部の外径を最大として、ブラシローラ端部に向かうに従って徐々に外径が小さくなるクラウン形状としたことで、平版印刷版の網点サイズが同一で、処理むらが少なく長期間にわたって画像欠陥のない安定した処理ができるといった優れた効果を有する。
次に、本発明の平版印刷版の自動現像装置1に用いられる感光性平版印刷版の製版について以下に補足説明する。
本発明に用いられる感光性平版印刷版は、支持体上に光重合性感光層を有する。また、支持体と光重合性感光層の間に、必要に応じて、下塗り層を設けても良く、光重合性感光層上には、保護層(酸素遮断層)を設けてもよい。感光性平版印刷版としては、特開2004-4145号、特開2005-84303号などに記載されているような光重合性感光層を有する感光性平版印刷版が挙げられる。
(製版方法)
本発明の感光性平版印刷版は、通常、画像露光したのち、現像液で感光層の未露光部を除去し、画像を得る。
その他、本発明の感光性平版印刷版の製版プロセスとしては、必要に応じ、露光前、露光中、露光から現像までの間に、全面を加熱しても良い。この様な加熱により、感光層中の画像形成反応が促進され、感度や耐刷性の向上や、感度の安定化といった利点が生じ得る。さらに、画像強度・耐刷性の向上を目的として、現像後の画像に対し、全面後加熱もしくは、全面露光を行う事も有効である。通常現像前の加熱は150℃以下の穏和な条件で行う事が好ましい。温度が高すぎると、非画像部迄がかぶってしまう等の問題を生じる。現像後の加熱には非常に強い条件を利用する。通常は200〜500℃の範囲である。温度が低いと十分な画像強化作用が得られず、高すぎる場合には支持体の劣化、画像部の熱分解といった問題を生じる。
本発明による走査露光平版印刷版の露光方法は、公知の方法を制限なく用いる事ができる。望ましい光源の波長は350nmから450nmであり、具体的にはInGaN系半導体レーザが好適である。露光機構は、内面ドラム方式、外面ドラム方式、フラットベッド方式等の何れでも良い。これらの露光機構の中で内面ドラム方式が特に有効である。
レーザーとして、Arイオンレーザー(364nm、351nm、10mW〜1W)、Krイオンレーザー(356nm、351nm、10mW〜1W)、He−Cdレーザー(441nm、325nm、1mW〜100mW)、固体レーザーとして、Nd:YAG(YVO4)とSHG結晶×2回の組み合わせ(355nm、5mW〜1W)、Cr:LiSAFとSHG結晶の組み合わせ(430nm、10mW)、半導体レーザー系として、KNbO3リング共振器(430nm、30mW)、導波型波長変換素子とAlGaAs、InGaAs半導体の組み合わせ(380nm〜450nm、5mW〜100mW)、導波型波長変換素子とAlGaInP、AlGaAs半導体の組み合わせ(300nm〜350nm、5mW〜100mW)、AlGaInN(350nm〜450nm、5mW〜30mW)その他、パルスレーザーとしてN2レーザー(337nm、パルス0.1〜10mJ)、XeF(351nm、パルス10〜250mJ)が挙げられる。特にこの中でAlGaInN半導体レーザー(市販InGaN系半導体レーザー400〜410nm、5〜30mW)が波長特性、コストの面で好適である。
また、従来公知の活性光線で画像露光後、現像までの間に、光重合型感光層の硬化率を高める目的で50℃〜150℃の温度で1秒から5分の時間の加熱プロセスを設けることにより、非画像部の硬化性を高め、耐刷性の更なる向上を図ることができ、より好ましい。
上述の感光性平版印刷版を従来公知の現像液を用いて現像し、画像形成することが可能であるが、これらの従来公知の現像液としては、特公昭57−7427号に記載されているような現像液が挙げられる。
また現像処理された感光性平版印刷版は、特開昭54−8002号、同55−115045号、同59−58431号等の各公報に記載されているように、水洗水、界面活性剤等を含有するリンス液、アラビアガムや澱粉誘導体等を含む不感脂化液で後処理される。本発明の感光性平版印刷版の後処理にはこれらの処理を種々組み合わせて用いることができる。このような処理によって得られた平版印刷版はオフセット印刷機にかけられ、多数枚の印刷に用いられる。
以下、実施例に基づいて、本発明の顕著な効果を説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されない。
(実施例1〜3及び比較例1,2)
(FMスクリーンでの網点再現性の評価)
富士写真フイルム(株)社製バイオレットレーザー用高感度感光性平版印刷版PN−Vを下記の方法により製版し、一版ごとに網点再現性の測定を行った。
網点測定は、図6に示すように等間隔に配置した網点150を合計30点測定し、その差を評価した。印刷版のサイズは横1030mm、縦800mmのものを用いた。
印刷版をFUJIFILM Electronic Imaging Ltd 製Violet半導体レーザセッターVx9600(InGaN系半導体レーザ405nm±10nm発光/出力30mW)に装填し、90μJ/cm2の露光量で、解像度2438dpiで、富士写真フイルム製FMスクリーン、TAFFETA 20で50%の平網を描画した。
露光後の印刷版は、上述した自動現像装置に送られ、100℃−10秒間加熱後、PVA保護層を水洗除去し、引き続いて現像温度28℃、現像時間20秒とした。現像ブラシローラは表1に示すものを2本用いた。
現像液は富士写真フイルム(株)製現像液DV−2を水で5倍に希釈したものを仕込んだ。現像後の版はリンス浴で水洗後、フィニッシャー処理浴へ送られ、富士写真フイルム(株)製ガム液FP−2Wを水で2倍に希釈したものを用いた。フィニッシャー後の版は、熱風乾燥後排出され、FMスクリーンの50%平網を描画した平版印刷版を得た。得られた、平版印刷版の平網の網点測定を評価した。
網点測定は、GretagMacbeth社製D19Cを使用した。
Figure 2007034056
表1に示すように、実施例1〜3は、版上の網点再現性のばらつきが少なく安定に処理できた。
しかし、比較例1,2は、版上の網点再現性のばらつきが多く印刷品質上好ましいものではなかった。
本発明に係る平版印刷版の自動現像装置の前処理部の構成を示す図である。 本発明に係る平版印刷版の自動現像装置の現像処理部の構成を示す図である。 本発明のクラウンブラシローラを示す斜視図である。 FMスクリーンのハイライト部を示す図である。 FMスクリーン中間調を示す図である。 網点測定の際の網点の配置状態を示す図である。
符号の説明
1 自動現像装置
10 現像処理部
12 印刷版
14 現像部
16 水洗部
18 フィニッシング処理部
20 乾燥部
24 現像槽
141,142 現像ブラシローラ(擦り部材)
200 前処理部
D1 擦り部材の軸方向中央部の外径
D2 擦り部材の軸方向両端部の外径

Claims (9)

  1. 支持体上に光重合性感光層を有する感光性平版印刷版をレーザー露光した後、現像処理する際、露光後の前記感光性平版印刷版の露光面を、回転軸上の擦り部材で擦ることによって未露光部の前記光重合性感光層を除去する感光性平版印刷版の処理装置であって、
    前記擦り部材が、前記回転軸の軸方向中央部の外径を最大として、軸端部に向かうに従って徐々に外径が小さくなるクラウン形状であることを特徴とする平版印刷版の処理装置。
  2. 前記擦り部材が、ブラシ材であることを特徴とする請求項1記載の平版印刷版の処理装置。
  3. 前記回転軸がクラウン軸であり、前記ブラシ材が前記回転軸表面に配設されてなることを特徴とする請求項2記載の平版印刷版の処理装置。
  4. 前記回転軸が直径を一定とする直状部を有し、該直状部に前記ブラシ材が前記回転軸の軸方向に沿ってブラシ毛の長さをクラウン形状になるように異ならせて配設されてなることを特徴とする請求項2記載の平版印刷版の処理装置。
  5. 前記擦り部材が、繊維製の編成物であることを特徴とする請求項1記載の平版印刷版の処理装置。
  6. 前記クラウン形状は、前記擦り部材の軸方向中央部の外径をD1、軸方向両端部の外径をD2としたとき、単位長さ当たりのクラウン量t=(D1−D2)/2が1.0〜10mm/1000mmの範囲であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項記載の平版印刷版の処理装置。
  7. 支持体上に光重合性感光層を有する感光性平版印刷版をレーザー露光した後、現像処理する際、露光後の前記感光性平版印刷版の露光面を、回転軸上の擦り部材で擦ることによって未露光部の前記光重合性感光層を除去する感光性平版印刷版の処理方法であって、
    前記回転軸の軸方向中央部の外径を最大として、軸端部に向かうに従って徐々に外径が小さくなるクラウン形状の擦り部材によって擦ることを特徴とする平版印刷版の処理方法。
  8. 前記擦り部材がブラシ部材であり、前記感光性平版印刷版の現像処理の経過に応じて、前記ブラシ部材のブラシ毛を前記クラウン形状になるようにカットすることを特徴とする請求項7記載の平版印刷版の処理方法。
  9. 前記画像露光に際し、AMスクリーンとしては250線以上であり、FMスクリーンとしては網点を構成する最小画素のサイズが50μm以下である高精細スクリーンを用いることを特徴とする請求項7記載の平版印刷版の処理方法。
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