JP2007031465A - 変色性ボールペン用インキ組成物及びそれを用いた変色性ボールペン、筆記具セット - Google Patents

変色性ボールペン用インキ組成物及びそれを用いた変色性ボールペン、筆記具セット Download PDF

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Abstract

【課題】 経時によってインキ組成物が過度の減粘を生じることがないため、筆記先端部からインキの漏れ出しを発生させることのなく永続して良好な筆跡を形成できると共に、筆跡を変色又は消色させることのできる実用性と利便性に優れた変色性ボールペン及びそれを用いた変色性ボールペン、筆記具セットを提供する。
【解決手段】 水と、還元剤により変色又は消色する染料と、サクシノグリカン又はウェランガムから選ばれる多糖類とから少なくともなり、インキのpHが1〜6の範囲にある変色性ボールペン用インキ組成物、及び、それを用いた変色性ボールペン、前記変色性ボールペンと変色用塗布具とからなる筆記具セット
【選択図】 なし

Description

本発明は変色性ボールペン用インキ組成物及びそれを用いた変色性ボールペン、筆記具セットに関する。更に詳細には、変色液の適用により変色又は消色可能な筆跡を形成できる変色性ボールペン用インキ組成物及びそれを用いた変色性ボールペン、前記ボールペンと変色性塗布具とからなる筆記具セットに関する。
従来より、変色性インキを直接収容したボールペンが開示されている。
前記ボールペンは、筆記して形成した筆跡上に別の変色液を収容した筆記具で重ね書きすることにより、前記筆跡を消去することができるため、学習用、特に暗記に適したボールペンである。
前記インキ組成物中に添加される増粘剤としてはグァーガムやセルロースが開示されているが、これらの増粘剤を添加したインキ組成物は、該インキ組成物の染料が良好な発色を呈するpHが酸性の領域で経時により減粘する傾向にあり、よって、筆記先端部からインキが漏れ出す虞がある。
特開2004−256706号公報
本発明は、前述した従来の変色性インキの問題点を解消すようとするものであって、即ち、経時によってインキ組成物が過度の減粘を生じることがなく、よって、筆記先端部からインキの漏れ出しを発生させることのない永続して良好な筆跡を形成できる変色性ボールペン用インキ組成物及びそれを用いた変色性ボールペン、筆記具セットを提供しようとするものである。
本発明は、水と、還元剤により変色又は消色する染料と、サクシノグリカン又はウェランガムから選ばれる多糖類とから少なくともなり、インキのpHが1〜6の範囲にある変色性ボールペン用インキ組成物を要件とする。
更には、前記インキ組成物の20℃でE型回転粘度計における100rpmでの粘度が3〜160mPa・sの範囲にあり、且つ、剪断減粘性指数が0.1〜0.6の範囲にあることを要件とする。
更には、前記ボールペン用水性インキ組成物を、ボールペンチップを直接又は中継部材を介して取り付けたインキ収容管内に直接充填したボールペンレフィルを軸筒内に収容した変色性ボールペン、或いは、前記ボールペン用水性インキ組成物を、ボールペンチップを直接又は中継部材を介して取り付けた軸筒内に直接充填した変色性ボールペンを要件とする。
更には、前記ボールペンの後端部に変色液を収容した変色用塗布具を備えてなる変色性ボールペン、前記変色性ボールペンと、変色液を収容した変色用塗布具とからなる筆記具セットを要件とする。
本発明は、経時によってインキ組成物が過度の減粘を生じることがないため、筆記先端部からインキの漏れ出しを発生させることのなく永続して良好な筆跡を形成できると共に、筆跡を変色又は消色させることのできる実用性と利便性に優れた変色性ボールペン及びそれを用いた変色性ボールペン、前記ボールペンと変色性塗布具とからなる筆記具セットを提供できる。
前記インキ中に含まれる着色剤としては、還元剤によって変色又は消色する染料であって、メチン系染料、トリメチルメタン系染料、ジフェニルメタン系染料、トリフェニルメタン系染料、キサンテン系染料、シアニン系染料、アゾ系染料、アントラキノン系染料、シアニン系染料等を使用することができる。
前記染料として具体的には、C.I.ベーシックブルー1、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー7、C.I.ベーシックブルー54、C.I.ベーシックブルー65、C.I.ベーシックブルー69、C.I.ベーシックオレンジ21、C.I.ベーシックオレンジ46、C.I.ベーシックレッド13、C.I.ベーシックレッド14、C.I.ベーシックレッド37、C.I.ベーシックレッド49、C.I.ベーシックグリーン1、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックバイオレット1、C.I.ベーシックバイオレット10、C.I.ベーシックバイオレット15、C.I.ベーシックバイオレット27、C.I.ベーシックイエロー49、C.I.アシッドブルー93、C.I.アシッドレッド92、C.I.アシッドグリーン3、C.I.アシッドバイオレット19、C.I.アシッドイエロー23を例示できる。
なお、前記還元剤によって変色又は消色する染料と共に、還元剤によって変色し難い染料や顔料を併用することによって、筆記時には前記染料の色調が混色となった筆跡が視認され、前記筆跡に変色液を付着させることにより、一方の染料が変色又は消色して異なる色調の筆跡を視認可能な構成とすることもできる。
インキ中に含まれる溶剤は、水の他に従来汎用の水溶性有機溶剤を添加することもでき、エタノール、プロパノール、ブタノール、グリセリン、ソルビトール、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチレングリコール、ヘキシレングリコール、1,3−ブタンジオール、ネオプレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
尚、前記水溶性有機溶剤は1種又は2種以上を併用することもでき、2〜50重量%、好ましくは5〜35重量%の範囲で用いられる。
なお、インキ中で染料の発色性を良好なものとするためには、インキのpHを1〜6、好ましくは1から4にする必要がある。
よって、インキのpHを前記酸性領域に調整が必要な場合は酸性物質を添加することもでき、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、シュウ酸、コハク酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、リン酸、パラトルエンスルホン酸等のスルホン酸、塩酸、硫酸、硝酸等が適用される。
特に、ボールペンチップの摩耗に影響が小さい有機酸が好適に用いられる。
前記インキに剪断減粘性を付与するために用いられる多糖類としては、ウェランガム、構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体であるサクシノグリカン(平均分子量約100乃至800万)が挙げられ、単独或いは混合して使用することができる。
更に、水溶性樹脂を用いることもでき、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、スチレンマレイン酸共重合物、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、デキストリン等が挙げられる。
インキの剪断減粘性とは静止状態あるいは応力の低い時は高粘度で流動し難い性質を有し、応力が増大すると低粘度化して良流動性を示すレオロジー特性を言うものであり、チクソトロピー性あるいは擬似可塑性とも呼ばれる液性を意味している。よって、インキは筆記時の高剪断応力下においては三次元構造が一時的に破壊されインキの粘度が低下し、筆記先端部のインキは筆記に適した低粘度インキとなり、紙面に転移される。非筆記時にはインキの粘度が高くなり、インキの漏出を防止したり、インキの分離、逆流を防ぐことができる。又、インキ物性を経時的に安定に保つことができる。
前記ウェランガム、サクシノグリカンから選ばれる多糖類はインキが酸性領域であっても安定的に機能して所望のインキ粘度を永続して示すため、好適に用いられる。
特にインキのpHが1乃至4の染料が良好な発色状態を示す系において、他の増粘剤は十分な機能を示し難いにもかかわらず、前記多糖類は初期及び経時後も過度の粘度上昇や粘度低下を生じることなく、所望のインキ粘度を維持することができる。
前記インキは、EM型回転粘度計の100rpmにおける測定粘度(20℃)が、3〜160mPa・sの範囲にあり、且つ剪断減粘性指数〔粘度計による剪断応力値(T)及び剪断速度(j)値の流動学的測定により導かれる、実験式(T=Kj:但し、K及びnは計算された定数である)を適用して計算されるn値〕が0.1〜0.6、好ましくは0.1〜0.5、より好ましくは0.1〜0.4の範囲の剪断減粘性変色性インキが好適である。
その他、必要に応じて染料の発消色に影響を及ぼさない範囲で、防錆剤、石炭酸等の防腐剤或いは防黴剤、界面活性剤、湿潤剤、メチルポリシロキサン等の消泡剤、潤滑剤等の添加剤を使用してもよい。
前記潤滑剤としては、金属石鹸、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、エチレンオキサイド付加型カチオン活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸モノエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸ジエステル、或いは、それらの金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、アルカノールアミン塩、チオカルバミン酸塩、ジメチルジチオカルバミン酸塩等が挙げられる。
ボールペンを構成するボールペンチップは、従来より汎用のチップ機構、例えば、金属を切削加工して内部にボール受け座とインキ導出部を形成したチップ、金属製パイプの先端近傍の内面に複数の内方突出部を外面からの押圧変形により設け、前記内方突出部の相互間に、中心部から径方向外方に放射状に延びるインキ流出間隙を形成したチップ、金属又はプラスチック製チップ内部に樹脂製のボール受け座を設けたもの等を適用でき、特に押圧変形によるチップは、ボール後端との接触面積が比較的小であり、低筆記圧でのスムーズな筆記感を与えることができる。
前記ボールペンチップに抱持されるボールは、超硬合金、ステンレス鋼、ルビー、セラミック等の外径0.1〜3.0mm、好ましくは0.1〜1.5mm、より好ましくは0.1〜1.0mmのボールが有効である。
なお、前記ボールペンチップには、チップ内にボールの後端を前方に弾発する弾発部材を配して、非筆記時にはチップ先端の内縁にボールを押圧させて密接状態とし、筆記時には筆圧によりボールを後退させてインキを流出可能に構成することもでき、不使用時のインキ漏れを抑制できる。
前記弾発部材は、金属細線のスプリング、前記スプリングの一端にストレート部(ロッド部)を備えたもの、線状プラスチック加工体等を例示でき、10〜45gの弾発力により、押圧可能に構成して適用される。
前記ボールペンチップと直接、或いは、接続部材を介して連結されるインキ収容管は、汎用の筒状成形部材、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂による成形部材が適用され、インキの低蒸発性、生産性の面で好適に用いられる。
又、前記インキ収容管は、1.5〜10mm程度の内径を有するものが好適に用いられる。
更に、前記インキ収容管として透明、着色透明、或いは半透明の成形体を用いることにより、インキ色やインキ残量等を確認できる。
前記インキ収容管はレフィルの形態として軸筒内に収容したり、先端部にチップを装着した軸筒自体をインキ収容管として、前記軸筒内に直接インキを充填してもよい。
レフィルを軸筒内に収容するタイプのボールペンは、キャップを装着する構成のボールペンの他、キャップを要しない前記レフィルを出没可能に構成した後端ノックやサイドノック等のノック式、又は、回転式のボールペンであってもよい。
前記インキ収容管に収容したインキの後端にはインキ逆流防止体が充填される。
前記インキ逆流防止体は不揮発性液体及び/又は難揮発性液体(基油)からなる。
具体的には、ワセリン、スピンドル油、ヒマシ油、オリーブ油、精製鉱油、流動パラフィン、ポリブテン、α−オレフィン、α−オレフィンオリゴマーまたはコオリゴマー、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコーンオイル等があげられ、一種又は二種以上を併用することもできる。
前記不揮発性液体及び/又は難揮発性液体には、ゲル化剤を添加して好適な粘度まで増粘させることが好ましく、表面を疎水処理したシリカ、表面をメチル化処理した微粒子シリカ、珪酸アルミニウム、膨潤性雲母、疎水処理を施したベントナイトやモンモリロナイトなどの粘土系増粘剤、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属石鹸、トリベンジリデンソルビトール、脂肪酸アマイド、アマイド変性ポリエチレンワックス、水添ひまし油、脂肪酸デキストリン等のデキストリン系化合物、セルロース系化合物を例示できる。
前記インキ逆流防止体の基油としては、ポリブテン又はシリコーン油が好適に用いられ、増粘剤としては脂肪酸アマイド又はシリカが好適に用いられる。
なお、インキ逆流防止体には、樹脂製の固体栓を併用することもできる。
前記変色性ボールペン用インキを変色又は消色させる還元剤として具体的には、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸リチウム、亜硫酸カルシウム、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸亜鉛、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、チオ硫酸アンモミウム、次亜塩素酸ナトリウム、塩化錫、ハイドロサルファイト等を例示でき、変色又は消色性能の観点から亜硫酸ナトリウム又は亜硫酸カリウムが好適に用いられる。
また、前記変色液には必要に応じて有機溶剤や各種添加剤を配合できる。
前記変色用塗布具としては、収容した変色液を開口部から直接筆跡に付着させる簡易構造の塗布具、開口部に刷毛等の吸液体を設けたキャップを有し、キャップを嵌めた状態で前記吸液体が容器内の変色液を含浸する構成となし、筆跡上に吸液体を接触させて変色液を塗布する構造の塗布具を例示できる。
また、筆記具の構造を有する塗布具であってもよく、塗布部に繊維チップ、フェルトチップ、プラスチックチップ、筆穂等を筆記先端部に装着し、軸筒内部に収容した繊維束からなるインキ吸蔵体に変色液を含浸させ、筆記先端部に変色液を供給する構造、軸筒内部に直接インキを収容し、櫛溝状の液体流量調節部材や繊維束からなる液体流量調節部材を介在させて筆記先端部に所定量の変色液を供給する構造、軸筒内部に直接変色液を収容して、弁機構により筆記先端部に所定量の変色液を供給する構造のマーキングペンや筆ペン、軸筒に収容した繊維束からなる吸蔵体に変色液を含浸させ、ボールペンチップを装着した筆記先端部に変色液を供給する構造、軸筒内部に直接インキを収容し、櫛溝状の液体流量調節部材や繊維束からなる液体流量調節部材を介在させて筆記先端部に所定量の変色液を供給する構造、軸筒内に変色液を充填した収容管を有し、該収容管はボールペンチップに連通しており、さらに変色液の後端には逆流防止用の液栓を配設した構造のボールペンを例示できる。
前記変色用塗布具(ボールペン、マーキングペン、筆ペン等)は、変色性ボールペンの一部、具体的にはボールペンの後部に設けて(所謂、両頭式筆記具構造)、筆記により得られた筆跡を単一の筆記具により変色又は消色可能な携帯性に優れたボールペンとすることができる。
なお、前記変色液を筆記具形態の塗布具に収容して実用に供する場合、変色性ボールペンにより形成された筆跡の幅よりも太い筆跡幅を形成できる塗布具が効率的に前記筆跡を変色又は消色させることができる。
前記後部に設けられる塗布具がボールペン形態の場合、前記ボールペンに設けられたボールの直径(A)と、変色性ボールペンに設けられたボールの直径(B)は以下の関係式(1)を満たすことが好ましい。
A≧B (1)
更に、前記関係式においてより好ましくはA>Bである。
また、変色用塗布具と、変色性ボールペンと組み合わせて筆記具セットを得ることもできる。
前記筆記具セットは、単一の変色性ボールペンと変色用塗布具により構成されていてもよいが、複数の色調の異なる変色性ボールペンや複数の筆跡幅の異なる変色性ボールペンと変色用塗布具を組み合わせた筆記具セットとすることにより、バリエーションに富む筆跡や絵柄を形成できると共に、前記筆跡や絵柄を変色又は消色可能な意外性を有する筆記具セットが得られる。
なお、前記変色液を筆記具形態の塗布具に収容して実用に供する場合、変色性ボールペンにより形成された筆跡の幅よりも太い筆跡幅を形成できる塗布具が効率的に前記筆跡を変色又は消色させることができる。
前記変色用塗布具がボールペン形態の場合、前記ボールペンに設けられたボールの直径(A)と、変色性ボールペンに設けられたボールの直径(B)は以下の関係式(2)を満たすことが好ましい。
A≧B (2)
更に、前記関係式においてより好ましくはA>Bである。
以下に実施例を示すが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、実施例中の部は重量部を示す。
実施例1
剪断減粘性変色性インキの調製
赤色染料 2.0部
〔保土谷化学工業(株)製、C.I.ベーシックレッド14〕
リン酸エステル系界面活性剤(潤滑剤) 0.5部
〔第一工業製薬(株)製、商品名:プライサーフA212E〕
石炭酸(防腐剤) 0.1部
クエン酸(pH調整剤) 1.0部
サクシノグリカン(増粘剤) 0.45部
グリセリン 15.0部
水(イオン交換水) 80.95部
前記溶剤の一部に染料及び各種添加剤を加えたものと、これとは別に溶剤の一部に増粘剤を加えたものとを混ぜ合わせた後、1時間攪拌して剪断減粘性変色性インキを得た。
なお、前記インキのpHは2.9であり、粘度は20℃でEMD型回転粘度計〔東機産業(株)製、RE−80R、標準ロータ使用)を用いて測定した結果、100rpmで42mPa・s、1rpmで1280mPa・sであり、剪断減粘性指数は0.26であった。
実施例2
剪断減粘性変色性インキの調製
青色染料 4.0部
〔クラリアントGmbH社製、C.I.アシッドブルー93〕
リン酸エステル系界面活性剤(潤滑剤) 0.5部
〔第一工業製薬(株)製、商品名:プライサーフA212E〕
石炭酸(防腐剤) 0.1部
乳酸(pH調整剤) 2.0部
サクシノグリカン(増粘剤) 0.45部
グリセリン 15.0部
水(イオン交換水) 77.95部
前記溶剤の一部に染料及び各種添加剤を加えたものと、これとは別に溶剤の一部に増粘剤を加えたものとを混ぜ合わせた後、1時間攪拌して剪断減粘性変色性インキを得た。
なお、前記インキのpHは2.5であり、粘度は20℃でEMD型回転粘度計〔東機産業(株)製、RE−80R、標準ロータ使用)を用いて測定した結果、100rpmで47mPa・s、1rpmで1331mPa・sであり、剪断減粘性指数は0.27であった。
実施例3
剪断減粘性変色性インキの調製
緑色染料 2.0部
〔保土谷化学工業(株)製、C.I.ベーシックグリーン1〕
リン酸エステル系界面活性剤(潤滑剤) 0.5部
〔第一工業製薬(株)製、商品名:プライサーフA212E〕
石炭酸(防腐剤) 0.1部
パラトルエンスルホン酸(pH調整剤) 0.5部
ウェランガム(増粘剤) 0.45部
エチレングリコール 9.0部
水(イオン交換水) 87.45部
前記溶剤の一部に染料及び各種添加剤を加えたものと、これとは別に溶剤の一部に増粘剤を加えたものとを混ぜ合わせた後、1時間攪拌して剪断減粘性変色性インキを得た。
なお、前記インキのpHは2.0であり、粘度は20℃でEMD型回転粘度計〔東機産業(株)製、RE−80R、標準ロータ使用)を用いて測定した結果、100rpmで36mPa・s、1rpmで1126mPa・sであり、剪断減粘性指数は0.25であった。
実施例4
剪断減粘性変色性インキの調製
ピンク色染料 2.0部
〔保土谷化学工業(株)製、C.I.ベーシックレッド13〕
リン酸エステル系界面活性剤(潤滑剤) 0.5部
〔第一工業製薬(株)製、商品名:プライサーフA212E〕
石炭酸(防腐剤) 0.1部
ウェランガム(増粘剤) 0.45部
グリセリン 15.0部
水(イオン交換水) 81.95部
前記溶剤の一部に染料及び各種添加剤を加えたものと、これとは別に溶剤の一部に増粘剤を加えたものとを混ぜ合わせた後、1時間攪拌して剪断減粘性変色性インキを得た。
なお、前記インキのpHは2.3であり、粘度は20℃でEMD型回転粘度計〔東機産業(株)製、RE−80R、標準ロータ使用)を用いて測定した結果、100rpmで31mPa・s、1rpmで973mPa・sであり、剪断減粘性指数は0.25であった。
インキ逆流防止体の調製
基油としてポリブテン85部中に、増粘剤として脂肪酸アマイド15部を添加した後、3本ロールにて混練してインキ逆流防止体を得た。
変色性ボールペンの作製
前記実施例1で調製したインキ組成物を直径0.3mmのボールを抱持するステンレススチール製チップがポリプロピレン製パイプ(内径3.8mm)の一端に嵌着されたボールペンレフィルに充填し、その後端に前記インキ逆流防止体を配設した後、前記ボールペンレフィルを軸筒に組み込み、変色性ボールペンを作製した。
変色性ボールペンの作製
前記実施例2で調製したインキ組成物を直径0.4mmのボールを抱持するステンレススチール製チップがポリプロピレン製パイプ(内径3.8mm)の一端に嵌着されたボールペンレフィルに充填し、その後端に前記インキ逆流防止体を配設した後、前記ボールペンレフィルを軸筒に組み込み、変色性ボールペンを作製した。
変色性ボールペンの作製
前記実施例3で調製したインキ組成物を直径0.5mmのボールを抱持するステンレススチール製チップがポリプロピレン製パイプ(内径3.8mm)の一端に嵌着されたボールペンレフィルに充填し、その後端に前記インキ逆流防止体を配設した後、前記ボールペンレフィルを軸筒に組み込み、変色性ボールペンを作製した。
変色性ボールペンの作製
前記実施例4で調製したインキ組成物を直径0.7mmのボールを抱持するステンレススチール製チップがポリプロピレン製パイプ(内径3.8mm)の一端に嵌着されたボールペンレフィルに充填し、その後端に前記インキ逆流防止体を配設した後、前記ボールペンレフィルを軸筒に組み込み、変色性ボールペンを作製した。
前記各変色性ボールペンを用いて紙面上に筆記すると、それぞれ赤色、青色、緑色、ピンク色の筆跡が得られた。
変色液の調製
亜硫酸ナトリウム(還元剤) 10.0部
炭酸カリウム 1.0部
リン酸エステル系界面活性剤 0.2部
〔第一工業製薬(株)製、商品名:プライサーフAL〕
石炭酸(防腐剤) 0.1部
グリセリン 10.0部
水(イオン交換水) 78.7部
前記溶剤中に還元剤と各種添加剤を加えて攪拌して変色液を得た。
変色用塗布具の作製
前記変色液を、ポリエステルスライバーを合成樹脂フィルムで被覆した繊維集束インキ吸蔵体に含浸させて軸筒内に収容し、軸筒先端部にチゼル型繊維マーキングペンチップを取り付けてマーキングペン形態の変色用塗布具を得た。
なお、前記変色用塗布具には着脱自在のキャップを備えてなる。
変色用塗布具の作製
前記変色液を、軸筒内に直接収容し、櫛溝状のインキ流量調節部材を介して軸筒先端部に直径0.7mmのボールを抱持したボールペンチップを取り付けてボールペン形態の変色用塗布具を得た。
なお、前記変色用塗布具には着脱自在のキャップを備えてなる。
両頭式変色性ボールペンの作製
軸筒の一方に前記実施例1で調製したインキを収容した変色性ボールペンレフィルを収容し、他方にマーキングペン形態の変色用塗布具を嵌合して両頭式変色性ボールペンを得た。
前記ボールペンを用いて紙面上に筆記すると、赤色の筆跡が得られ、前記筆跡上から他方に設けた変色用塗布具を用いて変色液を塗布すると筆跡は消色した。
前記両頭式変色性ボールペンは筆記と消去を1本の筆記具で行うことができるため、携帯性と利便性に優れる。
筆記具セットの作製
前記実施例2で調製したインキを収容した変色性ボールペンと、マーキングペン形態の変色性塗布具を組み合わせて筆記具セットを得た。
前記ボールペンを用いて紙面上に筆記すると、青色の筆跡が得られ、前記筆跡上から変色用塗布具を用いて変色液を塗布すると筆跡は消色した。
筆記具セットの作製
前記各変色性ボールペンと、ボールペン形態の変色性塗布具を組み合わせて筆記具セットを得た。
前記各ボールペンを用いて紙面上に筆記すると、赤色、青色、緑色、桃色のカラフルな筆跡が得られ、前記筆跡上から変色用塗布具を用いて変色液を塗布すると各筆跡は消色した。
比較例1
剪断減粘性変色性インキの調製
赤色染料 2.0部
〔保土谷化学工業(株)製、C.I.ベーシックレッド14〕
リン酸エステル系界面活性剤(潤滑剤) 0.5部
〔第一工業製薬(株)製、商品名:プライサーフ212E〕
石炭酸(防腐剤) 0.1部
クエン酸(pH調整剤) 0.5部
グアーガム(増粘剤) 0.45部
グリセリン 15.0部
水(イオン交換水) 81.45部
前記溶剤の一部に染料と各種添加剤を加えたものと、これとは別に溶剤の一部に増粘剤を加えたものとを混ぜ合わせた後、1時間攪拌して剪断減粘性変色性インキを得た。
なお、前記インキのpHは3.0であり、粘度は20℃でEMD型回転粘度計〔東機産業(株)製、RE−80R、標準ロータ使用)を用いて測定した結果、100rpmで37mPa・s、1rpmで806mPa・sであり、剪断減粘性指数は0.33であった。
比較例1のインキを用いた以外は実施例1と同様の方法により、変色性ボールペンを得た。
前記変色性ボールペンを用いて紙面上に筆記すると赤色の筆跡が得られ、前記筆跡上から変色用塗布具を用いて変色液を塗布すると筆跡は消色した。
前記各変色性ボールペンを用いて以下の試験を行った。
経時試験
前記実施例及び比較例で得たインキ組成物をポリ容器に収容し、50℃で1ケ月放置した後、20℃でEMD型回転粘度計〔東機産業(株)製、RE−80R、標準ロータ使用)を用いて100rpmと1rpmの粘度を測定した。
筆記試験
前記実施例及び比較例のインキ組成物を収容した各変色性ボールペンを、50℃で1ケ月放置した後、紙面上に筆記して筆跡の状態を目視により観察した。
以下の表に各試験結果を示す。
Figure 2007031465
なお、表中の筆記試験結果の評価は以下のとおりである。
経時試験
○:良好な筆跡を形成できる。
×:筆跡に滲みやボテが見られる。

Claims (11)

  1. 水と、還元剤により変色又は消色する染料と、サクシノグリカン又はウェランガムから選ばれる多糖類とから少なくともなり、インキのpHが1〜6の範囲にある変色性ボールペン用インキ組成物。
  2. 20℃でE型回転粘度計における100rpmでの粘度が3〜160mPa・sの範囲にあり、且つ、剪断減粘性指数が0.1〜0.6の範囲にある請求項1記載の変色性ボールペン用インキ組成物。
  3. 請求項1又は2記載のボールペン用水性インキ組成物を、ボールペンチップを直接又は中継部材を介して取り付けたインキ収容管内に直接充填したボールペンレフィルを軸筒内に収容した変色性ボールペン。
  4. 請求項1又は2記載のボールペン用水性インキ組成物を、ボールペンチップを直接又は中継部材を介して取り付けた軸筒内に直接充填した変色性ボールペン。
  5. インキ後端部にインキ逆流防止体を配してなる請求項3又は4記載の変色性ボールペン。
  6. 前記ボールペンチップは、金属製のパイプ先端近傍を外面より内方に押圧変形させることによりボール受け座を形成する構成である請求項3乃至5のいずれかに記載の水性ボールペン。
  7. ボールペンの後端部に変色液を収容した変色用塗布具を備えてなる請求項3乃至6のいずれかに記載の変色性ボールペン。
  8. 前記変色用塗布具は、先端部にマーキングペンチップを備えたマーキングペン、又は、先端部にボールを抱持したボールペンチップを備えたボールペンである請求項7記載の変色性ボールペン。
  9. 請求項3乃至6のいずれかに記載の変色性ボールペンと、変色液を収容した変色用塗布具とからなる筆記具セット。
  10. 前記変色用塗布具は、先端部にマーキングペンチップを備えたマーキングペン、又は、先端部にボールを抱持したボールペンチップを備えたボールペンである請求項9記載の筆記具セット。
  11. 色調の異なる複数の変色性ボールペンと変色用塗布具とからなる請求項9又は10記載の筆記具セット。
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