JP2007031392A - クロロゲン酸類の効率的抽出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】コーヒー豆から短時間、高収率、低固液比でクロロゲン酸類を抽出する方法を提供する。
【解決手段】本発明のクロロゲン酸類の抽出方法は、未粉砕のコーヒー生豆を、水の存在下、温度120〜210℃、圧力0.14〜1.90MPaの条件で加熱加圧する工程を含むことを特徴とする。前記方法において、前記温度は120〜160℃、前記圧力は0.14〜0.30MPaであることが好ましい。
【選択図】なし
【解決手段】本発明のクロロゲン酸類の抽出方法は、未粉砕のコーヒー生豆を、水の存在下、温度120〜210℃、圧力0.14〜1.90MPaの条件で加熱加圧する工程を含むことを特徴とする。前記方法において、前記温度は120〜160℃、前記圧力は0.14〜0.30MPaであることが好ましい。
【選択図】なし
Description
本発明は、コーヒー生豆からクロロゲン酸類を抽出する方法に関し、特に、飲食品、化粧品、医薬品などの天然抗酸化剤として有用なクロロゲン酸の製造に有用である。
クロロゲン酸類は、コーヒー豆、果物、野菜等の植物界に広く分布する天然の抗酸化物質として知られており、主に、食品分野で抗酸化剤として利用されている。特に、コーヒー豆は、クロロゲン酸類を豊富に含有するため、従来から、クロロゲン酸類の供給源として利用され、コーヒー豆からクロロゲン酸類を抽出、製造する方法が提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。しかしながら、これらの方法は、いずれも粉砕したコーヒー生豆を利用してクロロゲン酸類を抽出しているため、抽出物中に水性溶媒に可溶な他の成分まで全て抽出されてしまい、クロロゲン酸類の純度が低く、また、その後のクロロゲン酸類抽出作業も煩雑であった。このような状況に鑑み、未粉砕のコーヒー生豆を用いた精製クロロゲン酸の製法が提案されている(例えば、特許文献5参照)。
特開2004−267158号公報
特開平4−27374号公報
特開平4−145048号公報
特開昭62−111671号公報
特公昭61−30549号公報
しかしながら、特許文献5の方法では、クロロゲン酸類の抽出に長時間(3時間以上)を要し、また、抽出物中に含まれるクロロゲン酸類の純度も十分ではなかった。そこで、本発明の目的は、コーヒー豆から、効率的、すなわち短時間、高収率、低固液比でクロロゲン酸類を抽出する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく、クロロゲン酸類の効率的な抽出方法ついて鋭意研究したところ、未粉砕のコーヒー生豆を所定の条件で加熱加圧処理することにより、極めて効率的にクロロゲン酸類を抽出することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のクロロゲン酸類の抽出方法は、未粉砕のコーヒー生豆を、水の存在下、温度120〜210℃、圧力0.14〜1.90MPaの条件で加熱加圧する工程を含むことを特徴とする。
本発明者らは、コーヒー生豆における有用成分(クロロゲン酸類、カフェイン)の抽出効率について直交表実験計画法を用いて検討したところ、生豆を粉砕する事により、可溶性固形分の抽出効率は有意に上昇するが、クロロゲン酸類やカフェインの抽出効率には有意な差異を与えないことなどから、生豆を粉砕する事なく、丸豆のままでも効率的にクロロゲン酸類を抽出することが不可能ではないと考え、種々の高温高圧条件下における生豆有用成分の抽出特性について検討した結果、上記発明を見出したものである。
本発明の方法によれば、コーヒー生豆を水中で加熱すると共に加圧する事によって、生豆内部のポーラス構造を一部破壊する事により、溶媒の豆内部への浸透性を高め、その結果、溶媒が豆の内部まで効率的に浸透し、固液接触の効率向上によってクロロゲン酸類の抽出効率が改善され、コーヒー生豆を粉砕する事なく、かつ効率的にクロロゲン酸類の抽出液を得ることが可能となる。
上記方法において、前記温度が120〜160℃、前記圧力が0.14〜0.30MPaであることが好ましい。加熱加圧条件が前記範囲内であると、熱水に不溶な成分、例えば多糖類等の可溶化および過剰加熱によるクロロゲン酸類の分解を防止でき、溶質中に占めるクロロゲン酸類の割合(または純度)を高めることができる。
上記方法において、前記水が、前記コーヒー生豆1重量部に対して1〜10重量部であることが好ましい。溶媒量が前記範囲内であると、高濃度のクロロゲン酸類抽出液が得られ、その後の固液分離作業、精製作業等を容易に行うことができる。
本発明のクロロゲン酸類の抽出方法によれば、高濃度のクロロゲン酸類含有抽出液を、短時間に得ることができる。また、本発明の方法は、コーヒー生豆を粉砕する事なく、丸豆のまま使用するため、水性溶媒に可溶な成分の可溶化を抑えることができ、不純物が少なく、高純度のクロロゲン酸類含有抽出液を得ることができる。これにより抽出後の固液分離(濾過)作業が容易になり、さらなる作業時間の短縮が可能である。また、強固なコーヒー生豆を粉砕する工程が省け、かつ大幅な抽出作業時間の短縮が可能で、設備の簡素化、コストの低減化が達成される。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明において、クロロゲン酸類には、しばしば文献で「クロロゲン酸」と呼ばれる5−カフェイルキナ酸(5−CQA)のみならず、 4−カフェイルキナ酸(4−CQA)、3−カフェイルキナ酸(3−CQA)のほか、4,5−ジカフェイルキナ酸(3,4−diCQA)、3,5−ジカフェイルキナ酸(3,5−diCQA)および3,4−ジカフェイルキナ酸(3,4−diCQA)、さらには5−フェルロイルキナ酸(5−FQA)等の異性体混合物も含まれる。
本発明のクロロゲン酸類の抽出方法は、未粉砕のコーヒー生豆を使用することを特徴とするものである。すなわち、コーヒー生豆を一切粉砕せず、丸豆のままで直接抽出に使用する。このことにより、コーヒー豆中に含まれる他の水性溶媒に可溶な成分の可溶化を抑えることができ、かつコーヒー豆の粉砕工程を省くことができる。
本発明において使用するコーヒー生豆は、その種類および産地を問わず如何なるコーヒー生豆をも使用することができ、例えば、アラビカ種、ロブスタ種、リベリカ種等のものを挙げることができる。また、複数の種類の豆をブレンドしたものを用いてもよい。
コーヒー生豆からクロロゲン酸を抽出するための溶媒としては、クロロゲン酸を可溶化できる溶媒であれば特に限定されないが、例えば、水または水と極性有機溶媒からなる溶媒を挙げることができ、抽出液の溶媒を留去、乾燥等することなく食品等に使用できる点で、水が好ましい。前記極性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、アセトン、n−プロパノール、プロピレングリコール等を挙げることができる。
また、本発明において、前記溶媒を、コーヒー生豆1重量部に対して1〜10重量部使用することが好ましく、5〜10重量部使用することがさらに好ましい。溶媒量がコーヒー生豆1重量部に対して1重量部未満であると、溶媒の多くが生豆に含浸したまま抽出液として分離されないため、クロロゲン酸類が十分回収されず、10重量部を超えると、抽出液中のクロロゲン酸類濃度が低下し、溶媒留去が困難となる。これらの問題に対する対策として、溶媒循環式の抽出器を用いることも考えられるが、装置が煩雑となり、かつ抽出に長時間を要するという問題が生じる。
本発明の方法は、前記未粉砕のコーヒー生豆を、溶媒中、所定の温度および圧力条件で加熱加圧する工程を含むものである。
本発明の方法において、加熱温度は120〜210℃であり、より好ましくは120〜180℃、さらに好ましくは120〜160℃である。温度が120℃未満であると、クロロゲン酸類の収率が大幅に低下する。温度が210℃を超えると、通常の熱水に不溶な成分(多糖類等)が多量の可溶化し、溶質中に占めるクロロゲン酸類の割合(純度)が低下してしまう。また、過剰加熱はクロロゲン酸類の分解反応を誘因する。
本発明の方法において、加圧圧力は、0.14〜1.90MPaであり、より好ましくは0.14〜0.91MPa、さらに好ましくは0.14〜0.30MPaである。圧力が0.14MPa未満であると、クロロゲン酸類の収率が低下する。一方、圧力が1.90MPaを超えると、クロロゲン酸類の分解等を誘発し、収率が低下する。
本発明の方法における加熱加圧時間は、使用するコーヒー豆重量、抽出溶媒重量等により適宜決定することができるが、5〜30分が好ましく、より好ましくは7〜20分である。加圧加熱時間が5分未満であると溶媒の生豆への浸透が不十分となり、収率の低下を招く。一方、30分を超えても収率の増加には寄与せず、作業面において非効率的となる。
また、前記加熱加圧処理には、従来公知の方法、装置を使用することが可能であり、例えば、バッチ式、連続式の高圧抽出器を用いることができるが、装置コストの点でバッチ式高圧抽出器を使用することが好ましい。また、より効率的にクロロゲン酸を抽出するため、反流式攪拌器や、溶媒循環できる攪拌器を使用してもよい。
また、コーヒー生豆は、加熱加圧処理前に、前記溶媒によって浸漬処理を施してもよい。浸漬処理時間は特に限定されないが、12時間以内が好ましい。また、浸漬処理時の温度は、特に限定されないが、通常10〜40℃である。
前記加熱加圧処理により得られるクロロゲン酸類抽出液は、遠心分離、ろ過等により回収してもよい。また、上記と同様の操作を繰り返し行って、上記処理の残渣物から、再度クロロゲン酸類抽出液を得ることができる。さらに、前記抽出液を精製してより高純度のクロロゲン酸類抽出液を得ることもできる。
前記抽出液の精製方法としては、有機溶媒を使用する方法、イオン交換樹脂を使用する方法等を挙げることができる。
有機溶媒を使用する方法としては、例えば、エタノール水などの水和性有機溶媒を前記抽出液に加えて、タンパク質等を沈殿させ、遠心分離やろ過などにより、沈殿したタンパク質等を除去することができる。イオン交換樹脂を使用する方法としては、例えば、前記抽出液をイオン交換樹脂と接触させ、カフェイン、ギ酸、酢酸、プロピオン酸等を除去することができる(特許第2834541号公報および前記特許文献3を参照)。
上記のようにして得られたクロロゲン酸類抽出液は、さらに所望により、濃縮して濃縮液とすることができる。また、噴霧乾燥、凍結乾燥、真空乾燥等の公知の方法により乾燥して抽出乾燥物とすることができる。さらに、上記抽出液に種々の腑形剤、例えば、デンプン、ゼラチン、セルロース、デキストリンを配合して乾燥し、粉末状、顆粒状その他任意の形態とすることができ、これらは、抗酸化剤または抗酸化剤組成物として食品、化粧品、医薬品等の分野で利用することができる。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例等における評価項目は下記のようにして測定を行った。
<評価試験>
(1)可溶性固形分の収率および抽出効率
クロロゲン酸類抽出液をフィルター(日本ポール株式会社製エキクロディスク(孔径0.45μm))でろ過し、ろ液約2gをアルミ皿に秤量し、99℃±1℃で2.5±0.5時間乾燥させたときの乾燥減量から可溶性固形分((w/w)%)を算出した。可溶性固形分収率は下記式(1)、
〔収率:%〕=(〔液中の可溶性固形分濃度:%〕×〔抽出液量:g〕)/〔抽出に供したコーヒー量:g〕 (1)
により算出した。また、可溶性固形分の抽出効率は下記式(2)、
〔抽出効率:%〕=(〔液中の可溶性固形分濃度:%〕×〔抽出液量:g〕)/〔熱水で抽出可能な全固形分量:g〕 (2)
により算出した。
(2)クロロゲン酸類の収率
抽出液約5gをフィルター(日本ポール株式会社製エキクロディスク(孔径0.45μm))でろ過し、さらに限外ろ過(アドバンテック社製USY−1)により抽出液を濃縮した。次いで、濃縮抽出液を高速液体クロマトグラフィーにより分析した。
分析条件
装置:LC−10A(株式会社島津製作所製)、
カラム:COSMOSYL 5C18−AR−II、4.6×250mm(ナカライテスク株式会社製)
カラム温度:40℃、
移動相:(A)メタノール/水/酢酸(20:80:0.3);(B)メタノール;(C)(A)および(C)
流速:1.0ml/min、
検出器:UV(325nm)
3−CQA、4−CQA、5−CQAおよび5−FQAは、5−CQAを標準試料として定量した。diCQAについては、比吸光度に基づき、5−CQAを標準試料とした定量値に2.09分の1を乗じて算出した。収率は下記式(3)、
〔収率:%〕=(〔液中のクロロゲン酸類濃度:%〕×〔抽出液量:g〕)/〔抽出に供したコーヒー量:g〕 (3)
により算出した。また、抽出効率は下記式(4)、
〔抽出効率:%〕=(〔液中のクロロゲン酸類濃度:%〕×〔抽出液量:g〕)/〔熱水(100℃)で抽出可能なクロロゲン酸類量:g〕 (4)
により算出した。
(3)カフェインの収率
抽出液約1gを精秤し、β−フェネチルアルコール4000ppm含有メタノール溶液20mLを加えて、混合し、孔計0.45μmのフィルター(日本ポール株式会社製エキクロディスク)でろ過し、高速液体クロマトグラフィーにより分析した。なお、定量計算は、β−フェネチルアルコールによる内部標準法によって行った。
分析条件:
装置:LC−10A(株式会社島津製作所製)、
カラム:COSMOSYL 5C18−AR−II、4.6×250mm(ナカライテスク株式会社製)、
カラム温度:常温、
移動相:メタノール/0.2M過塩素酸=2/8、
流速:1.0ml/min、
検出器:UV(280nm)
収率は下記式(5)、
〔収率:%〕=(〔液中のカフェイン濃度:%〕×〔抽出液量:g〕)/〔抽出に供したコーヒー量:g〕 (5)
により算出した。
(1)可溶性固形分の収率および抽出効率
クロロゲン酸類抽出液をフィルター(日本ポール株式会社製エキクロディスク(孔径0.45μm))でろ過し、ろ液約2gをアルミ皿に秤量し、99℃±1℃で2.5±0.5時間乾燥させたときの乾燥減量から可溶性固形分((w/w)%)を算出した。可溶性固形分収率は下記式(1)、
〔収率:%〕=(〔液中の可溶性固形分濃度:%〕×〔抽出液量:g〕)/〔抽出に供したコーヒー量:g〕 (1)
により算出した。また、可溶性固形分の抽出効率は下記式(2)、
〔抽出効率:%〕=(〔液中の可溶性固形分濃度:%〕×〔抽出液量:g〕)/〔熱水で抽出可能な全固形分量:g〕 (2)
により算出した。
(2)クロロゲン酸類の収率
抽出液約5gをフィルター(日本ポール株式会社製エキクロディスク(孔径0.45μm))でろ過し、さらに限外ろ過(アドバンテック社製USY−1)により抽出液を濃縮した。次いで、濃縮抽出液を高速液体クロマトグラフィーにより分析した。
分析条件
装置:LC−10A(株式会社島津製作所製)、
カラム:COSMOSYL 5C18−AR−II、4.6×250mm(ナカライテスク株式会社製)
カラム温度:40℃、
移動相:(A)メタノール/水/酢酸(20:80:0.3);(B)メタノール;(C)(A)および(C)
流速:1.0ml/min、
検出器:UV(325nm)
3−CQA、4−CQA、5−CQAおよび5−FQAは、5−CQAを標準試料として定量した。diCQAについては、比吸光度に基づき、5−CQAを標準試料とした定量値に2.09分の1を乗じて算出した。収率は下記式(3)、
〔収率:%〕=(〔液中のクロロゲン酸類濃度:%〕×〔抽出液量:g〕)/〔抽出に供したコーヒー量:g〕 (3)
により算出した。また、抽出効率は下記式(4)、
〔抽出効率:%〕=(〔液中のクロロゲン酸類濃度:%〕×〔抽出液量:g〕)/〔熱水(100℃)で抽出可能なクロロゲン酸類量:g〕 (4)
により算出した。
(3)カフェインの収率
抽出液約1gを精秤し、β−フェネチルアルコール4000ppm含有メタノール溶液20mLを加えて、混合し、孔計0.45μmのフィルター(日本ポール株式会社製エキクロディスク)でろ過し、高速液体クロマトグラフィーにより分析した。なお、定量計算は、β−フェネチルアルコールによる内部標準法によって行った。
分析条件:
装置:LC−10A(株式会社島津製作所製)、
カラム:COSMOSYL 5C18−AR−II、4.6×250mm(ナカライテスク株式会社製)、
カラム温度:常温、
移動相:メタノール/0.2M過塩素酸=2/8、
流速:1.0ml/min、
検出器:UV(280nm)
収率は下記式(5)、
〔収率:%〕=(〔液中のカフェイン濃度:%〕×〔抽出液量:g〕)/〔抽出に供したコーヒー量:g〕 (5)
により算出した。
<実施例1>
未粉砕のコーヒー生豆(インドネシア産AP−1)400gを、加熱前浸漬することなく、バッチ式高圧抽出器((株)イズミフードマシナリ製、高周波式5L高圧コーヒー抽出器)に入れ、3.5kgの水を添加して、抽出温度120℃、抽出圧力0.14Mpa、抽出時間約9分間で抽出処理を行い、クロロゲン酸類抽出液2969gを得た。残渣量(未乾燥)は759gであった。
未粉砕のコーヒー生豆(インドネシア産AP−1)400gを、加熱前浸漬することなく、バッチ式高圧抽出器((株)イズミフードマシナリ製、高周波式5L高圧コーヒー抽出器)に入れ、3.5kgの水を添加して、抽出温度120℃、抽出圧力0.14Mpa、抽出時間約9分間で抽出処理を行い、クロロゲン酸類抽出液2969gを得た。残渣量(未乾燥)は759gであった。
<実施例2>
抽出温度を160℃、抽出圧力を0.3Mpa、抽出時間を約13分間とした以外は実施例1と同様にして、クロロゲン酸類抽出液2958gを得た。残渣量(未乾燥)は742gであった。
抽出温度を160℃、抽出圧力を0.3Mpa、抽出時間を約13分間とした以外は実施例1と同様にして、クロロゲン酸類抽出液2958gを得た。残渣量(未乾燥)は742gであった。
<実施例3>
抽出温度を180℃、抽出圧力を0.91Mpa、抽出時間を約15〜16分間とした以外は実施例1と同様にして、クロロゲン酸類抽出液2991gを得た。残渣量(未乾燥)は742gであった。
抽出温度を180℃、抽出圧力を0.91Mpa、抽出時間を約15〜16分間とした以外は実施例1と同様にして、クロロゲン酸類抽出液2991gを得た。残渣量(未乾燥)は742gであった。
<実施例4>
抽出温度を210℃、抽出圧力を1.90Mpa、抽出時間を約20分間とした以外は実施例1と同様にして、クロロゲン酸類抽出液3000gを得た。残渣量(未乾燥)は762gであった。
抽出温度を210℃、抽出圧力を1.90Mpa、抽出時間を約20分間とした以外は実施例1と同様にして、クロロゲン酸類抽出液3000gを得た。残渣量(未乾燥)は762gであった。
<実施例5>
未粉砕のコーヒー生豆(インドネシア産AP−1)400gを、加熱前浸漬することなく、バッチ式高圧抽出器((株)イズミフードマシナリ製、高周波式5L高圧コーヒー抽出器)に入れ、3.5kgの水を添加して、抽出温度120℃、抽出圧力0.12Mpa、抽出時間約8〜9分間で抽出処理を行い、第1回目の抽出液を得た。抽出液を除去後、3.5kgの水を添加して、前記と同様の抽出処理を行い、第2回目の抽出液を得た。さらに前記と同様の処理を行い、第3回目の抽出液を得た。得られた抽出液は、第1回目の抽出液が3111g、第2回目の抽出液が3450g、第3回目の抽出液が3432gであった。また、最終的な残渣量(未乾燥)は747gであった。120℃高圧抽出液(1〜3回目抽出の合算)におけるクロロゲン酸類濃度は、0.26%であった。
未粉砕のコーヒー生豆(インドネシア産AP−1)400gを、加熱前浸漬することなく、バッチ式高圧抽出器((株)イズミフードマシナリ製、高周波式5L高圧コーヒー抽出器)に入れ、3.5kgの水を添加して、抽出温度120℃、抽出圧力0.12Mpa、抽出時間約8〜9分間で抽出処理を行い、第1回目の抽出液を得た。抽出液を除去後、3.5kgの水を添加して、前記と同様の抽出処理を行い、第2回目の抽出液を得た。さらに前記と同様の処理を行い、第3回目の抽出液を得た。得られた抽出液は、第1回目の抽出液が3111g、第2回目の抽出液が3450g、第3回目の抽出液が3432gであった。また、最終的な残渣量(未乾燥)は747gであった。120℃高圧抽出液(1〜3回目抽出の合算)におけるクロロゲン酸類濃度は、0.26%であった。
<比較例1>
抽出温度を約80℃、抽出圧力を常圧(約0.1Mpa)、抽出時間を約7分間とした以外は実施例1と同様にして、クロロゲン酸類抽出液2975gを得た。残渣量(未乾燥)は714gであった。
抽出温度を約80℃、抽出圧力を常圧(約0.1Mpa)、抽出時間を約7分間とした以外は実施例1と同様にして、クロロゲン酸類抽出液2975gを得た。残渣量(未乾燥)は714gであった。
<比較例2>
抽出温度を80℃、抽出圧力を常圧(約0.1Mpa)、抽出時間を7〜8分間とした以外は実施例5と同様にして、第1回目の抽出液3125g、第2回の目抽出液3405g、第3回目の抽出液3447gを得た。最終的な残渣量(未乾燥)は754gであった。80℃常圧抽出液(1〜3回目抽出の合算)におけるクロロゲン酸類濃度は、0.18%であった。
抽出温度を80℃、抽出圧力を常圧(約0.1Mpa)、抽出時間を7〜8分間とした以外は実施例5と同様にして、第1回目の抽出液3125g、第2回の目抽出液3405g、第3回目の抽出液3447gを得た。最終的な残渣量(未乾燥)は754gであった。80℃常圧抽出液(1〜3回目抽出の合算)におけるクロロゲン酸類濃度は、0.18%であった。
また、実施例1〜4では、比較例1に比べ、可溶性固形分が高い収率で得られ、固形分の収率は温度および圧力の上昇に伴って増加した。特に実施例4では、熱水(100℃)、常圧で抽出処理した場合の可溶性固形分の収率(28.1%)を上回る収率で得られた。これは、多糖類等の生豆成分が加水分解される等して可溶化したためであると考えられる。なお、カフェインは120℃、0.14Mpa以上に抽出温度、抽出圧力を上昇させても収率の増加は生じなかった。
<参考例1>
高温高圧条件下におけるコーヒー生豆の組織構造について、走査型電子顕微鏡によって観察した。未粉末のコーヒー生豆(インドネシア産AP−1)400gを210℃、1.9MPaで20分間加熱加圧し、コーヒー豆残渣を得た。このコーヒー豆残渣と未処理のコーヒー生豆を中央からカッターで切断し、露出した豆の断面をエネルギー分散型X線分光装置付走査電子顕微鏡(日本電子(株)製、JSM6460LV(JED−2200付))で観察した。結果を図1に示す(図左:未処理のコーヒー生豆(倍率500倍)、図右:加熱加圧処理したコーヒー豆(倍率500倍))。未処理の生豆の断面は、空胞によってスポンジ状の構造を示している。一方、加熱加圧処理した生豆は、内部の組織構造が破壊されていた。このことから、高温高圧条件下では、常圧条件下における抽出操作とは異なる作用効果がコーヒー生豆に対して生じていることが確認された。
高温高圧条件下におけるコーヒー生豆の組織構造について、走査型電子顕微鏡によって観察した。未粉末のコーヒー生豆(インドネシア産AP−1)400gを210℃、1.9MPaで20分間加熱加圧し、コーヒー豆残渣を得た。このコーヒー豆残渣と未処理のコーヒー生豆を中央からカッターで切断し、露出した豆の断面をエネルギー分散型X線分光装置付走査電子顕微鏡(日本電子(株)製、JSM6460LV(JED−2200付))で観察した。結果を図1に示す(図左:未処理のコーヒー生豆(倍率500倍)、図右:加熱加圧処理したコーヒー豆(倍率500倍))。未処理の生豆の断面は、空胞によってスポンジ状の構造を示している。一方、加熱加圧処理した生豆は、内部の組織構造が破壊されていた。このことから、高温高圧条件下では、常圧条件下における抽出操作とは異なる作用効果がコーヒー生豆に対して生じていることが確認された。
Claims (3)
- 未粉砕のコーヒー生豆を、水の存在下、温度120〜210℃、圧力0.14〜1.90MPaの条件で加熱加圧する工程を含むことを特徴とするクロロゲン酸類の抽出方法。
- 前記温度が120〜160℃、前記圧力が0.14〜0.30MPaであることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 前記水が、前記コーヒー生豆1重量部に対して1〜10重量部であることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005219936A JP2007031392A (ja) | 2005-07-29 | 2005-07-29 | クロロゲン酸類の効率的抽出方法 |
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JP2005219936A JP2007031392A (ja) | 2005-07-29 | 2005-07-29 | クロロゲン酸類の効率的抽出方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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JP (1) | JP2007031392A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010213790A (ja) * | 2009-03-13 | 2010-09-30 | Izumi Food Machinery Co Ltd | 循環加熱式の抽出装置と抽出方法 |
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