JP2007031244A - セルフレベリング性水硬性組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 主成分と、硫酸アルミニウムと、収縮低減剤とを含むセルフレベリング性水硬性組成物であり、
主成分はポルトランドセメント100質量部、骨材150〜350質量部、混和材0質量部を超えて20質量部未満及び膨張材0〜40質量部からなり、
硫酸アルミニウムはセメントと骨材との合計量(100質量%)に対して0.1〜0.7質量%含むセルフレベリング性水硬性組成物を提供すること。
【選択図】 なし
Description
主成分はポルトランドセメント100質量部、骨材150〜350質量部、混和材0質量部を超えて20質量部未満及び膨張材0〜40質量部からなり、
硫酸アルミニウムはセメントと骨材との合計量(100質量%)に対して0.1〜0.7質量%含むセルフレベリング性水硬性組成物を提供することである。
本発明は、上記のセルフレベリング性水硬性組成物と水との配合物を硬化させて得られる硬化物を提供することである。
1)セルフレベリング性水硬性組成物は、好ましくは主成分100質量部に対し収縮低減剤を0.1〜3質量部を含むこと。
2)セルフレベリング性水硬性組成物は、さらに繊維を含むこと、好ましくは主成分100質量部に対し繊維0.01〜5質量部を含むこと。
3)セルフレベリング性水硬性組成物は、さらに流動化剤、増粘剤及び消泡剤から選ばれる成分を少なくとも1種含むこと、好ましくは主成分100質量部に対し流動化剤0.01〜3質量部、増粘剤0.01〜3質量部及び消泡剤0.01〜3質量部から選ばれる成分を少なくとも1種含むこと。
4)セルフレベリング性水硬性組成物は、さらに硫酸アルミニウムを除く凝結調整剤を含むこと、好ましくはさらに凝結遅延剤を含むこと。
5)セルフレベリング性水硬性組成物は、天端などのコンクリートのレベル調整用であること。
骨材ついては、粒子径の小さいな珪砂、川砂、海砂、山砂、砕砂などの砂、石英粉末、廃FCC触媒などの骨材を用いることが好ましい。
特に、骨材としては、珪砂、川砂、海砂、山砂、砕砂などの2mm以下、さらに好ましくは1mm以下、より好ましくは0.7mm以下の砂などが好ましく用いることが出来る。
骨材としては、天端などのコンクリートのレベル調整などに用いるために、好ましくは1mm以下、さらに好ましくは0.8mm以下、より好ましくは0.7mm以下、特に好ましくは0.6mm以下のものを用いることが好ましい。
骨材は、ポルトランドセメント100質量部に対し、150〜350質量部、好ましくは160〜250質量部、さらに好ましくは180〜210質量部の範囲であり、前記範囲内では流動性及び表面状態の優れる硬化物を得るために好ましい。
膨張材は、例えばエトリンガト系のカルシウムサルホアルミネートを主成分とするもの、酸化カルシウム、酸化アルミニウム及び三酸化イオウを主成分とするもの、石灰系のもの、石膏などを挙げることができ、なかでも石膏を含有するものを好適に用いることができる。
膨張材の量は、ポルトランドセメント100質量部に対して、40質量部以下、好ましくは20質量部以下、さらに好ましくは15質量部以下含むことが、膨張によるクラック発生防止のために好ましい。
石灰類としては、生石灰、消石灰、仮焼ドロマイト、炭酸カルシウム等が挙げられ、一種又は二種以上の混合物として使用できる。特に石灰類としては、消石灰が好ましい。
硫酸アルミニウムはその含有量が少なすぎると収縮低減効果の発現が不十分となり、また含有量が増すに従って収縮低減効果も大きくなるがあまり多すぎると、流動性が低下するとともに硬化体に微細なひび割れが生じるので硫酸アルミニウムは前記範囲が好適である。
収縮低減剤としては、例えばポリプロピレングリコール、ポリ(プロピレン・エチレン)グリコールなどのポリアルキレングリコール類、炭素数1〜6のアルコキシポリ(プロピレン・エチレン)グリコールなどの一般に公知のものをもちいることができる。
セルフレベリング性水硬性組成物において、収縮低減剤の配合量は、用いる主成分やセルフレベリング性水硬性組成物により、配合量を適宜選択すればよく、例えば主成分100質量部に対し好ましくは0.1〜3質量部、さらに好ましくは0.15〜2質量部、特に好ましくは0.2〜1質量部を含むことができる。
セルフレベリング性水硬性組成物は、凝結調整剤の凝結促進剤及び/又は凝結遅延剤の成分、添加量及び混合比率を適宜選択して、流動性、可使時間、硬化性状などを調整することができ、20℃可使時間を数分程度から1時間程度まで任意の時間に調整することができる。
凝結促進剤としては、特性を妨げない粒径を用いることが好ましく、粒径は50μm以下にするのが好ましい。
流動化剤(減水剤)は、本発明の特性を損なわない範囲で添加することができ主成分100質量部に対し、0.001〜5質量部、さらに好ましくは0.01〜4質量部、より好ましくは0.03〜3質量部、特に好ましくは0.05〜2質量部であり、添加量が余り少ないと十分な効果が発現せず、また多すぎても添加量に見合った効果は期待できず単に不経済であるだけでなく、所要の流動性を得るための混練水量が増大し、同時に粘稠性も大きくなり、充填性が悪化する場合がある。
増粘剤の添加量は、本発明の特性を損なわない範囲で添加することができ、主成分100質量部に対して、好ましくは0.001〜2質量部、さらに好ましくは0.005〜1.5質量部、より好ましくは0.01〜1質量部、特に0.02〜0.5質量部含むことが好ましい。増粘剤の添加量が多くなると、流動性の低下を招く恐れがあり好ましくない。
増粘剤及び消泡剤を併用して用いることは、主成分の骨材分離の抑制、気泡発生の抑制、硬化体表面の改善に好ましい効果を与え、セルフレベリング材としての特性を向上させるために好ましい。
消泡剤の添加量は、本発明の特性を損なわない範囲で添加することができ、主成分100質量部に対して、好ましくは0.001〜2質量部、さらに好ましくは0.005〜1.5質量部、より好ましくは0.01〜1質量部、特に0.02〜0.5質量部含むことが好ましい。消泡剤の添加量は、上記範囲内が、消泡効果が認められるために好ましい。
特に繊維は、有機繊維が好ましく、繊維長は0.5〜15mm程度のものを用いることが好ましい。
セルフレベリング性水硬性組成物は、繊維を含むことにより、圧縮強度の優れ、クラックの起きにくい又は起きない硬化物を得ることができる。
繊維は、主成分100質量部に対し、好ましくは0.001〜2質量部、さらに好ましくは0.003〜1質量部、より好ましくは0.01〜0.5質量部、特に好ましくは0.03〜0.2質量部含むことが好ましい。
樹脂粉は、樹脂固形分の配合割合は、主成分100質量部に対し、好ましくは0.001〜10質量部、好ましくは0.005〜8質量部、好ましくは0.01〜5質量部、特に好ましくは0.05〜2質量部配合することができる。
本発明のセルフレベリング性水硬性組成物において、水の配合量は、主成分100質量部に対し、好ましくは10〜90質量部、さらに好ましくは20〜70質量部、より好ましくは25〜50質量部を加えて用いることが好ましい。
セルフレベリング性水硬性組成物は、コンクリートの表面仕上げや天端の表面仕上げ等に用いることができる。
1)セメント100質量部に対して、
骨材が150〜350質量部、好ましくは160〜300質量部、さらに好ましくは170〜250質量部、
フライアッシュ及びスラグ粉から選択される成分を少なくとも1種含む混和材が、0質量部を超えて20質量部未満、好ましくは3〜19質量部、さらに好ましくは5〜18質量部、
及び膨張材が0〜40質量部、好ましくは5〜30質量部、さらに好ましくは8〜20質量部からなる主成分と、
2)硫酸アルミニウムがセメントと骨材との合計量(100質量%)に対して0.1〜0.7重量%、好ましくは0.2〜0.6質量%、さらに好ましくは0.3〜0.4質量%含まれ、
3)収縮低減剤が主成分100質量部に対し0.1〜3質量部を含み、
4)繊維が主成分100質量部に対し0.01〜0.15質量部を含み、
5)樹脂粉が主成分100質量部に対し0.01〜0.5質量部を含み、
6)主成分100質量部に対して、流動化剤(減水剤)0.05〜1質量部、増粘剤0〜0.5質量部、消泡剤0.01〜1質量部及び凝結遅延剤0.01〜0.1質量部とを含むものである。
圧縮強度については、JIS・R5201に準じて、温度5℃、湿度65%の環境下で測定する。
測定資料は、モルタル供試体成形用型(40×40×160mm)で成型、養生し、硬化させたものを用いる。
モルタルを、パレット(280×190×H15mm)に流し込み、温度5℃、湿度65%の環境下の条件で養生して、得られる硬化物の表面を目視で観察して評価し、メクレはさらに金ごてを使用して評価する。表面の凹凸、気泡、メクレ及びクラックの4項目について評価を行う。
1)表面の凹凸の評価:(○:凹凸が0、△:凹凸が1〜5個程度、×:凹凸が多数認められるの3段階で行う。)
2)気泡の評価:(○:気泡が0、△:気泡が1〜5個程度、×:気泡が多数認められるの3段階で行う。)
3)メクレの評価:(○:メクレが0、△:メクレが1〜5箇所程度、×:メクレが多数認められるの3段階で行う。)
4)クラックの評価:(○:クラックが0、△:クラックが1〜5個程度、×:クラックが多数認められるの3段階で行う。)
・ポルトランドセメント:三菱宇部セメント社製、早強セメント、ブレーン比表面積4,500cm2/g。
・高炉スラグ:川崎製鉄社製、リバメント、ブレーン比表面積4,400cm2/g。
・フライアッシュ:常磐火力産業社製、9号。
・珪砂:東海サンド社製、浜岡砂(最大粒径:0.6mmのもの)。
・石膏:旭硝子社製、フッ酸無水石膏、ブレーン比表面積3,300cm2/g。
・収縮低減剤:竹本油脂社製、ヒビダン。
・硫酸カリウム:上野製薬社製。
・硫酸アルミニウム:大明化学工業社製、S150。
・遅延剤:グルコン酸ナトリウム、富田製薬社製。
・樹脂粉:クラリアントポリマー社製、モビニールパウダーDM200。
・繊維:ポリエステル繊維、京都繊維資材社製、2mm。
・流動化剤:ポリカルボン酸系減水剤(市販品、建材用)。
・増粘剤:松本油脂社製、マーポローズEMP30。
・消泡剤:旭電化工業社製、アデカB115F。
表1に記載の主成分と、表2に示す添加し混合してSL組成物を製造した。次いで水を入れたポリエチレンビーカ(2.0リットル)内をミキサーで撹拌しながら、水/SL組成物比が0.26になるようにSL組成物(1kg)を投入し、3分間混練し、モルタルを得た。モルタルのフロー値を測定し、さらに硬化させ、材齢28日後の圧縮強度及び表面状態の評価を行い、結果を表3に示す。(温度5℃、湿度65%の環境下で養生)
Claims (5)
- 主成分と、硫酸アルミニウムと、収縮低減剤とを含むセルフレベリング性水硬性組成物であり、
主成分はポルトランドセメント100質量部、骨材150〜350質量部、混和材0質量部を超えて20質量部未満及び膨張材0〜40質量部からなり、
硫酸アルミニウムはセメントと骨材との合計量(100質量%)に対して0.1〜0.7質量%含むセルフレベリング性水硬性組成物。 - セルフレベリング性水硬性組成物は、さらに繊維を含むことを特徴とする請求項1に記載のセルフレベリング性水硬性組成物。
- セルフレベリング性水硬性組成物は、さらに流動化剤、増粘剤及び消泡剤から選ばれる成分を少なくとも1種含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のセルフレベリング性水硬性組成物。
- 請求項1〜3に記載のセルフレベリング性水硬性組成物と水とを混練して得られるモルタル。
- 請求項1〜3に記載のセルフレベリング性水硬性組成物と水との配合物を硬化させて得られる硬化物。
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