JP2007031194A - 光ファイバ用母材とその製造方法、光ファイバとその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 光ファイバの水素耐性向上のための重水素の使用量が少なく、また曝露にかかる時間を短縮できる光ファイバ用母材及び光ファイバの提供。
【解決手段】 石英ガラスからなり、コア領域とその外周を囲むクラッド領域とを有する出発母材の外周に、外付け工程により石英ガラスを付加した外付け領域が設けられた光ファイバ用母材であって、前記外付け領域は、その径方向断面のうち、OH濃度が0.4ppm〜3ppmの範囲である領域が80%以上を占めていることを特徴とする光ファイバ用母材。該光ファイバ用母材を紡糸して光ファイバを作製し、次いで該光ファイバを重水素含有雰囲気中に曝露して波長630nm帯のNBOHCに起因する吸収損失が実質的に無くなるまで重水素曝露処理を行って耐水素特性の向上した光ファイバを得る製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光ファイバの耐水素特性向上のための重水素の使用量が少なく、また曝露にかかる時間を短縮できる光ファイバ用母材とその製造方法、該母材から製造される光ファイバとその製造方法に関する。
光ファイバを用いた伝送路で最も多く使用されているのは、ゼロ分散波長を1310nm付近に持つシングルモード光ファイバである。従来、この光ファイバは波長1310nmの信号光の伝送に利用されていたが、最近になって、分散補償技術の進歩などにより、他の波長の信号光を伝送するためにも利用されるようになってきた。
近年、要求される伝送容量の増加に低コストで応じるために、CWDM(Coarse Wavelength Division Multiplexing;低密度波長分割多重)技術が開発されてきた。この伝送技術では、波長間隔を25nm程度に広くすることで、安価な光源を使用しても、各信号波長間での混信が起こらないようになっている。この技術で多くの信号光を光ファイバで伝送するには、使用可能な波長域が広いことが望ましい。しかし、従来のシングルモード光ファイバには、波長1383nm付近に光ファイバ中のOH基に起因する吸収損失ピーク(以下、単にOHピークと記す。)があり、この波長域を利用できなかった。これを使用可能とするため、低水分光ファイバが開発され、ITU−T G652 table Cでも国際規格として定められている。
このような光ファイバでは、初期のOHピークが小さいことに加えて、水素によるエージングを行った後でもそのOHピークが小さいことが要求される。このため、光ファイバの水素耐性を向上させる一つの方法として、光ファイバを重水素で処理するという方法がある。この方法は、重水素Dが光ファイバ中の欠陥と、水素Hと同じように反応するにもかかわらず、反応で生成するOD基がOH基とは異なり、信号光として使用される波長領域に問題となるような吸収損失ピークを形成しない、という特徴があることを利用した方法である(特許文献1参照。)。
さらに、重水素は高価であり、光ファイバの水素耐性を向上させるために多量の重水素を使用すると、光ファイバの製造コストが上昇してしまう。そのため、特許文献2に開示されているように、光ファイバを格納した容器に重水素を供給したり排出するときに、できるだけ重水素の使用量が少なくて済む方法も提案されている。
特開2000−148450号公報 特開2005−29438号公報
しかしながら、重水素で処理して光ファイバのOHピークを小さくするためには、光ファイバ中の信号光が通過する領域まで、十分に重水素を拡散させる必要があることは変わらないので、特許文献2に記載されたような装置的な改善では、重水素の使用量を低減する効果に限界があった。
また、速やかに重水素を紡糸後の光ファイバ内に拡散させることが可能な光ファイバ用母材の特徴については、これまでに検討されていなかった。
本発明は前記事情に鑑みてなされ、光ファイバを重水素雰囲気中においたときに、重水素が速やかに光ファイバのコア領域まで拡散し、光ファイバの耐水素特性向上のための重水素の使用量が少なく、また曝露にかかる時間を短縮できる光ファイバ用母材及び光ファイバの提供を目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は、石英ガラスからなり、コア領域とその外周を囲むクラッド領域とを有する出発母材の外周に、外付け工程により石英ガラスを付加した外付け領域が設けられた光ファイバ用母材であって、前記外付け領域は、その径方向断面のうち、OH濃度が0.4ppm〜3ppmの範囲である領域が80%以上を占めていることを特徴とする光ファイバ用母材を提供する。
また本発明は、石英ガラスからなり、コア領域とその外周を囲むクラッド領域とを有する出発母材を作製し、次いで該出発母材の外側にSiOスート粒子を堆積させ、その後脱水、焼結を行い外付け領域を付加して光ファイバ用母材を得る光ファイバ用母材の製造方法であって、前記外付け領域は、その径方向断面のうち、OH濃度が0.4ppm〜3ppmの範囲である領域が80%以上を占めるように脱水時の雰囲気ガス条件を調整して形成することを特徴とする光ファイバ用母材の製造方法を提供する。
また本発明は、石英ガラスからなり、コア領域とその外周を囲むクラッド領域とを有する出発母材の外周に、外付け工程により石英ガラスを付加した外付け領域が設けられ、前記外付け領域は、その径方向断面のうち、OH濃度が0.4ppm〜3ppmの範囲である領域が80%以上を占めている光ファイバ用母材を作製し、次いで該光ファイバ用母材を紡糸して光ファイバを作製し、次いで該光ファイバを重水素含有雰囲気中に曝露して波長630nm帯のNBOHCに起因する吸収損失が実質的に無くなるまで重水素曝露処理を行って耐水素特性の向上した光ファイバを得ることを特徴とする光ファイバの製造方法を提供する。
また本発明は、前述した本発明に係る光ファイバの製造方法により製造された光ファイバを提供する。
本発明によれば、外付け領域の径方向断面のうち、OH濃度が0.4ppm〜3ppmの範囲にある領域が80%以上を占めている光ファイバ用母材を用いることによって、クラッド領域のNBOHCが少なくなり、紡糸後の光ファイバの耐水素特性を向上させるために行う重水素曝露処理を効率的に行うことができるので、高価な重水素の使用量を低減でき、光ファイバの製造コストを低減することができる。
また、重水素曝露処理時間を最短にすることができるので、光ファイバ製造に要する時間が少なくなり、光ファイバの製造コストを低減することができる。
本発明では、石英ガラスからなり、コア領域とその外周を囲むクラッド領域とを有する光ファイバを重水素含有雰囲気中においたときに、重水素が速やかにコア領域まで拡散する光ファイバ用母材とその製造方法、該母材を用いて製造される光ファイバとその製造方法を提案する。
本発明に係る光ファイバ用母材の製造方法の一例を以下に示す。
まず、VAD法により、SiOを主成分とし、GeOなどを含む高屈折率のコア領域と、それを囲むSiOを主成分としたクラッド領域を有する母材を製造し、電気炉内で脱水を行った後、焼結する(VAD工程)。
このようにして製造した母材は、延伸して出発母材とする。
次に、得られた出発母材の外側に、SiOスート粒子を堆積させ、その後再度脱水、焼結を行なう(外付け工程)。
この光ファイバ用母材の製造方法において、初期のOH基による損失を小さくするために、通常外付け工程においても脱水を行い、母材中に存在するOH基の濃度を十分に低減している。
この外付け工程の脱水時の雰囲気ガス条件を調整し、外付け領域に残留するOH基を適当な濃度にすることで、初期のOH基による損失を低減したまま、光ファイバを重水素雰囲気に曝露したときに重水素がコア領域まで拡散する時間を短くすることができる。具体的には、出発母材の外側に付加される外付け領域は、その径方向断面のうち、OH濃度が0.4ppm〜3ppmの範囲である領域が80%以上とする。この光ファイバ用母材から紡糸した光ファイバは、重水素雰囲気下に曝露したときに、重水素をコア領域まで速やかに拡散させることができる。
ここで、外付け領域について、図1を元に説明する。
外付け工程を経て得られた光ファイバ用母材を径方向に切り出し、FT−IR法(フーリエ変換赤外分光法)によりその直径方向のOH濃度分布を測定すると、図1のようになる。
ここで、出発母材の領域は、OH基濃度はほぼ0ppmである。また、製造方法にもよるが、出発母材と外付け領域の境界面には高OH基の層が存在している。この場合、外付け領域とは、前記境界面の高OH基層から外側のこととする。
また、図1に示すように、通常外付け領域のOH基濃度分布は、なだらかに変化している。そこで、本発明の光ファイバ用母材は、図1の外付け領域の半径方向の濃度分布を面積分した上で、OH基濃度が0.4ppm〜3ppmの範囲となる領域の面積比率が80%以上であることを要件とする。
光ファイバ内には、非架橋酸素空孔欠陥(Non-Bridging Oxygen Hole Center;以下、NBOHCと記す。)と呼ばれる欠陥が存在している(長沢可也、“光ファイバに対する放射線効果の研究の現状”昭和61年電気・情報関連学会連合大会 12−2(2−105〜2−108)参照。)。コア領域にこのNBOHCが多く存在すると、水素耐性が悪くなるため、光ファイバを重水素雰囲気下に曝露し、NBOHCと重水素を結合させることで、NBOHCを消滅させている。
外付け工程で製造した領域は、信号光が通過しない領域なので、NBOHCが存在していても水素耐性を悪化させることはないが、重水素雰囲気下に曝露する処理を行う時には、重水素が外付け領域のNBOHCと結合するため、重水素濃度が低下し、コア領域まで拡散するまでに、時間がかかるようになる。そのため、重水素がコア領域まで拡散する時間を短くするためには、外付け領域のNBOHCを低減することが有効である。
紡糸中に母材を高温下で変形させると、外付け領域に存在するOH基から、水素が熱乖離によって発生する。この熱乖離した水素が光ファイバ中に残存し、紡糸後に生成されたNBOHCと結合するため、光ファイバの外付け領域におけるNBOHCは低減する。前記過程において、NBOHCの代わりにOH基が生じるが、外付け領域は信号光が通過しない領域なので、OH基が存在していても光ファイバの品質には影響を与えない。
本発明の光ファイバは、前述した光ファイバ用母材を紡糸して光ファイバを作製し、次いで該光ファイバを重水素含有雰囲気中に曝露して波長630nm帯のNBOHCに起因する吸収損失が実質的に無くなるまで重水素曝露処理を行って得られる。
光ファイバを重水素含有雰囲気下に曝露すると、波長630nmのNBOHCに起因する吸収損失は図2のように変化する。コア領域中にNBOHCが存在すると、波長630nm帯の損失として現れる。従って、コア領域のNBOHCの変化は、波長630nmの損失を測定することで知ることができる。
図2において、光ファイバへの重水素の曝露を開始した後、しばらくの間は波長630nmの損失は変化しない(領域A)。その後、波長630nmの損失は変化し(領域B)、最終的に一定の値で安定する(領域C)。
図2の領域Aは、重水素がクラッド領域を拡散している時間帯である。領域Bは、重水素がコア領域まで到達し、コア領域のNBOHCと結合している時間帯である。領域Cは、コア領域のNBOHCが全て重水素と結合し終わり、コア領域のNBOHCがなくなった時間帯である。
光ファイバ用母材中の外付け領域において、80%以上の領域がOH基濃度0.4ppm〜3ppmの範囲内となるように構成することで、光ファイバ中の外付け領域に存在するNBOHCを消失させることができるので、外付け領域を拡散している重水素がNBOHCと結合し、濃度が低下することがないので、図2の領域Aの時間を最も短くすることができる。
光ファイバ用母材の外付け領域に存在するOH基の濃度が0.4ppmより低いと、紡糸中に乖離する水素の量が少なく、光ファイバの外付け領域のNBOHCを十分に消滅させることができない。
また、光ファイバ用母材の外付け領域のOH基濃度が3ppmを超えると、紡糸中に拡散したOH基または水素が信号光が通過する領域に影響をおよぼし、OHピークによる損失が高くなり、光ファイバの損失特性が悪化する。
光ファイバ用母材の外付け領域におけるOH基濃度が0.4ppm〜3ppmの範囲では、OHピークによる損失の増加も微小であり、更に外付け領域のNBOHCを消滅させることが可能であり、重水素を曝露する処理を効率的に行うことができる。
なお、光ファイバ用母材の外付け領域の内、その径方向断面積の80%以上において、OH基濃度を0.4ppm〜3ppmとすることで、前述した効果が得られる。断面積の80%以上がOH基濃度0.4ppm〜3ppmの範囲にあれば、残りの外付け領域がこの範囲から外れていても、紡糸中に乖離する水素の総量は大きく変化しないため、本発明が意図する効果は十分に得ることができる。一方、OH基濃度0.4ppm〜3ppmの範囲の領域が外付け領域の断面積の80%未満であると、重水素処理時間が長く必要であったり、重水素処理後の光ファイバの損失が高くなる可能性がある。
以下、実施例により、本発明の効果を実証する。
[実施例1]
VAD法により、SiOを主成分とし、GeOなどを含むコアと、SiOを主成分としたクラッドを製造し、電気炉内で脱水を行った後、焼結した(VAD工程)。
次いで、前記のように作製した母材を加熱して延伸し、更にその外側にSiOスート粒子を堆積させ、その後、再度脱水、焼結を行う(外付け工程)。
脱水は塩素系ガスを含む雰囲気下、電気炉によって約1300℃に加熱した領域にスート母材をトラバースさせることにより行う。塩素系ガスとしては、塩素(Cl)ガス、三塩化ホウ素(BCl)ガス、四塩化炭素(CCl)ガス、四塩化ケイ素(SiCl)ガスなどの1種又は2種以上を用いることができるが、好ましくは塩素ガスが用いられる。
焼結は、微量の塩素系ガスを含む雰囲気下、電気炉によって約1500℃に加熱した領域に脱水が終了したスート母材をトラバースさせることで行う。通常、脱水が終了した後、ガス条件を焼結時の条件に変更し、一定時間をかけて温度を上げた後に焼結を行う。ただし、焼結時には塩素系ガスは必ずしも流す必要はない。
外付け工程の脱水、焼結を行うときには、塩素ガスとともに酸素ガスを流す。酸素ガスは、塩素が母材内に残留することで、屈折率が上昇することを抑制するために、一般的に添加される。
本実施例では、外付け工程の雰囲気ガス組成を以下のように設定した(%は体積%)。
脱水時の雰囲気ガス:ヘリウムガス(He)98.0%、塩素ガス(Cl)1.0%、酸素ガス(O)1.0%。
焼結時の雰囲気ガス:He 98.4%、Cl 0.8%、O 0.8%。
脱水時の雰囲気ガス条件から焼結時の雰囲気ガス条件に切り替えた時から、1時間以上経過してから、焼結のトラバースを開始した。これは、脱水ガス雰囲気から焼結ガス雰囲気に十分にガス置換し終わるために必要な時間である。
前記条件で製造した母材から、厚さ10mmのサンプルを切り出し、鏡面研磨を行った後に、IR測定を行った。その結果、外付け領域の約95%の領域において、OH基濃度が0.4ppm〜3ppmであった。
IR測定を行った母材と同じ母材を紡糸線速1000m/分の条件で紡糸して光ファイバを作製した。得られた光ファイバの波長1383nmの損失(1383nm損失)は0.280dB/kmであった。
また同時に紡糸した光ファイバを密閉容器に格納し、波長630nmの損失を測定しながら、1.0%の重水素(残部ヘリウムガス)を容器内に供給し、波長630nmの損失変化を経時的にモニタした。その結果、波長630nmの損失が変化し終わるまでの時間(図2の領域Aと領域Bの合計に相当する時間)は29.7時間であった。
[実施例2及び比較例1〜4]
表1に示す通り、脱水時のガスと焼結時のガス中の塩素ガス濃度を増減し、外付け領域のOH基濃度分布を変化させた以外は、実施例1と同様にして光ファイバ用母材を作製し、さらにそれを紡糸して光ファイバを作製した。それぞれの光ファイバ用母材と光ファイバについて、実施例1と同様に、外付け領域中でOH基濃度が0.4ppm〜3ppmの領域の割合、1383nm損失、及び重水素雰囲気下で630nm損失が低下するまでの時間を測定した。結果を表1と表2にまとめた。
Figure 2007031194
Figure 2007031194
表1及び表2に示す通り、本発明に係る実施例1は、光ファイバ用母材の径方向断面において、外付け領域中でOH濃度が0.4ppm〜3ppmの領域の割合が95%であり、本発明の請求範囲に合致する母材である。実施例1の母材は、1383nm損失が0.280dB/kmと低損失となった。また、この母材から紡糸して作製した光ファイバは、重水素雰囲気下で630nm損失が低下するまでの時間が29.7時間と重水素処理時間を短くすることができた。
実施例2は、脱水時のガスと焼結時のガス中の塩素ガス濃度を実施例1の場合よりも増やし、外付け領域の残留OH基濃度を下げた条件である。外付け領域のOH基濃度が0.4ppm〜3ppmに入る領域は83%であり、本発明の請求範囲に合致する光ファイバ用母材である。実施例2の母材は、1383nm損失が0.278dB/kmであり、実施例1と同様に低損失となった。また重水素雰囲気下で630nm損失が低下するまでの時間は30.4時間であり、実施例1とほぼ同様であった。
比較例1は、脱水時のガスと焼結時のガス中の塩素ガス濃度を更に増やし、外付け領域の残留OH基濃度を下げた条件である。外付け領域のOH基濃度が0.4ppm〜3ppmに入る領域は72%であり、本発明の請求範囲外となる光ファイバ用母材である。比較例1の母材は、1383nm損失が0.277dB/kmと低損失になったものの、この母材から紡糸して作製した光ファイバは、重水素雰囲気下で630nm損失が低下するまでの時間が36.4時間と実施例1に比べて長くなった。
比較例2は、脱水時のガスと焼結時のガス中の塩素ガス濃度を更に増やし、外付け領域の残留OH基濃度を下げた条件である。外付け領域全域にわたってOH基濃度が0.4ppm以下となり、外付け領域のOH基濃度が0.4ppm〜3ppmに入る領域は0%であり、本発明の請求範囲外となる光ファイバ用母材である。比較例2の母材は、1383nm損失が0.277dB/kmと低損失になったものの、この母材から紡糸して作製した光ファイバは、重水素雰囲気下で630nm損失が低下するまでの時間が48.1時間と実施例1に比べてかなり長くなった。
比較例3は、脱水時のガスと焼結時のガス中の塩素ガス濃度を実施例1よりも減らし、外付け領域の残留OH基濃度を多くした条件である。外付け領域のOH基濃度が0.4ppm〜3ppmに入る領域は67%であり、それ以外の領域は3ppm以上のOH基が存在しており、本発明の請求範囲外となる光ファイバ用母材である。比較例3の母材は、1383nm損失が0.298dB/kmと実施例1よりも高損失になった。重水素雰囲気下で630nm損失が低下するまでの時間は29.4時間であり、実施例1とほぼ同様であった。
比較例4は、脱水時のガスと焼結時のガス中の塩素ガス濃度を更に減らし、外付け領域の残留OH基濃度を多くした条件である。外付け領域のOH基濃度が0.4ppm〜3ppmに入る領域は12%であり、それ以外の領域は3ppm以上のOH基が存在しており、本発明の請求範囲外となる光ファイバ用母材である。比較例4の母材は、1383nm損失が0.324dB/kmと実施例1よりも高損失になった。重水素雰囲気下で630nm損失が低下するまでの時間は29.4時間であり、実施例1とほぼ同様であった。
以上の結果より、外付け領域のOH基濃度が0.4ppm〜3ppmの範囲である領域が80%以上である光ファイバ用母材は、1383nm損失の増加がほとんどなく、紡糸して得られた光ファイバを重水素処理する際に、重水素雰囲気下で630nm損失が低下するまでの時間を短くすることができる。つまり、重水素に曝露するときの重水素が少なくて済み、また処理にかかる時間も短くなることがわかる。
光ファイバ用母材の径方向のOH基濃度分布を例示するグラフである。 一般の光ファイバの重水素曝露処理における波長630nmのNBOHCに起因する吸収損失の経時変化を示すグラフである。

Claims (4)

  1. 石英ガラスからなり、コア領域とその外周を囲むクラッド領域とを有する出発母材の外周に、外付け工程により石英ガラスを付加した外付け領域が設けられた光ファイバ用母材であって、前記外付け領域は、その径方向断面のうち、OH濃度が0.4ppm〜3ppmの範囲である領域が80%以上を占めていることを特徴とする光ファイバ用母材。
  2. 石英ガラスからなり、コア領域とその外周を囲むクラッド領域とを有する出発母材を作製し、次いで該出発母材の外側にSiOスート粒子を堆積させ、その後脱水、焼結を行い外付け領域を付加して光ファイバ用母材を得る光ファイバ用母材の製造方法であって、前記外付け領域は、その径方向断面のうち、OH濃度が0.4ppm〜3ppmの範囲である領域が80%以上を占めるように脱水時の雰囲気ガス条件を調整して形成することを特徴とする光ファイバ用母材の製造方法。
  3. 石英ガラスからなり、コア領域とその外周を囲むクラッド領域とを有する出発母材の外周に、外付け工程により石英ガラスを付加した外付け領域が設けられ、前記外付け領域は、その径方向断面のうち、OH濃度が0.4ppm〜3ppmの範囲である領域が80%以上を占めている光ファイバ用母材を作製し、次いで該光ファイバ用母材を紡糸して光ファイバを作製し、次いで該光ファイバを重水素含有雰囲気中に曝露して波長630nm帯のNBOHCに起因する吸収損失が実質的に無くなるまで重水素曝露処理を行って耐水素特性の向上した光ファイバを得ることを特徴とする光ファイバの製造方法。
  4. 請求項3に記載の製造方法により製造された光ファイバ。
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