JP2007031174A - アルカリシリカ反応抑制用セメント組成物及びセメント含有組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 混合材の添加によらずに、アルカリシリカ反応を抑制し得るアルカリシリカ反応抑制用セメント組成物を提供すること。
【解決手段】 好適な実施形態に係るアルカリシリカ反応抑制用セメント組成物は、セメントクリンカー及び石膏を含有しており、SiO、Al及びFeを含む組成を有し、且つ、質量比で、SiO/(Al+Fe)が2.5以下であるものである。
【選択図】 なし

Description

本発明は、アルカリシリカ反応抑制用セメント組成物及びこれを含むセメント含有組成物に関する。
モルタルやコンクリート等のセメント含有組成物は、一般にセメント組成物と骨材とを含む。かかるコンクリート等からなる構造物等は、使用される骨材によっては、この骨材中の反応性のシリカ等と、セメント、骨材、その他の混和材料等に含まれるアルカリや、外部から浸透したアルカリとが反応することにより異常膨張し、破壊される場合があることが知られている。この反応は、アルカリシリカ反応又はアルカリ骨材反応と呼ばれる。これを抑制するために、平成14年に国土交通省から以下の対策が出されている(非特許文献1参照)。
すなわち、この対策において、構造物に利用するコンクリートは、アルカリシリカ反応を抑制するために、次の3つの対策の中のいずれか1つについて確認を取らなければならないとされている。この3つの対策には、(ア)コンクリート中のアルカリ総量の抑制、(イ)抑制効果のある混合セメント等の使用、又は、(ウ)安全と認められる骨材の使用、がある。
このうち、(ウ)の対策については、近年骨材資源の入手が難しくなっていることから、採用が困難となってきている。そのため、(ア)又は(イ)の対策の重要性が増している。しかし、例えば、構造物に対し、外部からアルカリが浸透するような環境においては、条件によっては(ア)の対策では不十分な場合がある。このような場合には、(イ)の対策を取る必要がある。
通常、(イ)の対策においては、主に、所定量の高炉スラグ微粉末のような混合材をセメントに混合した混合セメントを使用する。また、これ以外のアルカリシリカ反応を抑制する材料としては、リチウム化合物が知られており、このリチウム化合物を用いた例としては、リチウム化合物をコンクリートへ注入する方法(特許文献1参照)や、コンクリートの流動性への影響が小さいリチウム化合物を用いる方法(特許文献2参照)等が開示されている。
"アルカリ骨材反応抑制対策について"、[online]、平成14年8月1日、国土交通省、[平成17年6月1日検索]、インターネット〈URL:http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha02/13/130801_.html〉 特開2002−173380号公報 特開2004−196566号公報
しかしながら、上述した高炉スラグ微粉末を用いる場合には、得られる構造物の初期強度の低下、或いは、温度変化によるひび割れや乾燥収縮によるひび割れ等の問題が生じる場合があった。また、上記のリチウム化合物は、非常に高価であるため、アルカリシリカ反応抑制対策のための費用が大きくなり過ぎてしまっていた。このように、混合材を用いる場合は、アルカリシリカ反応を抑制できる代わりに、新たな不都合が生じ易い傾向にあった。
そこで、本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、混合材の添加によらずに、アルカリシリカ反応を抑制し得るセメント組成物を提供することを目的とする。また、かかるセメント組成物を含むセメント含有組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために、種々のセメント組成物についてアルカリシリカ反応に及ぼす影響を鋭意検討した結果、セメントの化学組成がアルカリシリカ反応による膨張率と関係することを知見し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のアルカリシリカ反応抑制用セメント組成物は、セメントクリンカー及び石膏を含有するセメント組成物であって、SiO、Al及びFeを含む組成を有しており、質量比で、SiO/(Al+Fe)が2.5以下であることを特徴とする。
従来セメント組成物として一般に用いられるポルトランドセメントは、ポルトランドセメントクリンカーに石膏を添加し粉砕して製造される。ポルトランドセメントクリンカーは、3CaO・SiO(CS)、2CaO・SiO(CS)、3CaO・Al(CA)及び4CaO・Al・Fe(CAF)を主要鉱物とする焼成物であり、クリンカーの焼成特性やセメントの特性は、これらの鉱物組成の影響を受け易い。しかしながら、アルカリシリカ反応に関しては、これまで、これらの鉱物組成との関係が全く知られていなかった。
これに対し、本発明のアルカリシリカ反応抑制用セメント組成物においては、上述のように、SiO、Al及びFeが特定の質量比を満たしている。本発明者らの検討によると、このようなセメント組成物は、骨材と混合してコンクリート組成物とされた場合に、上述したようなアルカリシリカ反応を大幅に抑制することが可能となることが判明した。したがって、かかるセメント組成物を用いれば、混合材等を添加しなくてもアルカリシリカ反応を抑制し得るモルタルやコンクリート組成物等が得られるようになる。
上記本発明のアルカリシリカ反応抑制用セメント組成物は、高炉スラグ、フライアッシュ、石灰石、シリカフュ−ム及びけい石からなる群より選ばれる少なくとも一種以上の無機粉末を更に含むと好ましい。これらの無機粉末を適宜選択して含有させることにより、セメント組成物やこれを含むセメント含有組成物の種々の特性を向上させることが可能となる。
本発明はまた、上記本発明のアルカリシリカ反応抑制用セメント組成物と、骨材とを含むセメント含有組成物を提供する。このセメント含有組成物は、上記本発明のアルカリシリカ反応抑制用セメント組成物を含むため、混合材を添加しなくても、骨材の種類にかかわらずアルカリシリカ反応を大幅に抑制することができる。
上記本発明のセメント含有組成物においては、骨材がアルカリシリカ反応性試験方法で無害でないと判定されたものであると好ましい。本発明のセメント含有組成物に含まれるセメント組成物は、上述の如く、アルカリシリカ反応を抑制する効果に優れることから、本発明の構成は、上記のアルカリシリカ反応性試験方法で無害でないと判定されたようなアルカリシリカ反応を生じ易い骨材を用いる場合に特に有効である。
また、骨材としては、ガラス質シリカ、トリジマイト、クリストバライト、オパール、火山ガラス、玉髄、潜昌質石英、及び、ひずんだ結晶格子構造を有する石英からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の骨材も好適である。これらの骨材も、コンクリート等において通常アルカリシリカ反応を生じ易いものである。したがって、本発明の構成は、これらの骨材を用いる場合に極めて有効となる。
そして、本発明のセメント含有組成物は、外部からの塩分の浸透が生じる環境にさらされる構造物に使用されるものであると特に好適である。本発明のアルカリシリカ反応抑制用セメント含有組成物は、優れたアルカリシリカ反応抑制効果を有していることから、外部からの塩分浸透の影響によってアルカリシリカ反応が生じ易い環境にさらされる構造物に適用した場合に、特に有効である。
本発明によれば、特定の化学組成とすることによって、アルカリシリカ反応を抑制する効果に優れるアルカリシリカ反応抑制用セメント組成物を提供することが可能となる。これにより、使用できる骨材の種類が多く、種々の骨材を有効に利用することが可能なモルタルやコンクリート組成物等のセメント含有組成物を提供できる。そして、このようなセメント含有組成物を用いた構造物は、耐久性が向上したものとなり、これにより補修することなく長期間の供用が可能であり、その結果、維持管理費用の削減が可能なものとなる。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
まず、セメント組成物について説明する。
好適な実施形態に係るセメント組成物は、クリンカー及び石膏を少なくとも含むものであり、例えば、二酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化第二鉄(Fe)及び三酸化硫黄(SO)を含む組成を有している。
好適なクリンカーとしては、SiO20〜23質量%、Al5.5〜7.7質量%、Fe2.9〜4.9質量%、CaO64〜67質量%を含むものが挙げられる。また、セメント組成物としては、石膏をセメント中のSO量に換算して1.5〜3.5質量%となる量含んでいるものが好ましい。
上記セメント組成物は、質量比で、SiO/(Al+Fe)が2.5以下となっている。すなわち、セメント組成物に含まれるSiO含有率(質量%)を、Al含有率(質量%)とFe含有率(質量%)とを合計した値で割って算出された値が2.5以下となっている。この値は、けい酸率(S.M.)と呼ばれる。なお、セメント組成物中におけるSiO、Al、Fe等の含有率(質量%)は、JISR 5202−1999「ポルトランドセメントの化学分析方法」に準拠した方法により求めることができる。
本実施形態のセメント組成物において、けい酸率は、2.5以下であり、1.7〜2.4であると好ましい。けい酸率が2.5より大きくなると、このセメント組成物を骨材と組み合わせてモルタル、コンクリート組成物等のセメント含有組成物とした場合、特に、アルカリシリカ反応性試験等で無害でないと判定された骨材を使用すると、かかるセメント含有組成物における膨張量が不都合なほどに大きくなる傾向にある。
この原因の詳細は必ずしも明らかではないが、けい酸率が高くなると、クリンカー中において、上記の化学成分から形成されている3CaO・SiO(「CS」と略す)や2CaO・SiO(「CS」と略す)量に対する3CaO・Al(「CA」と略す)や4CaO・Al・Fe(「CAF」と略す)量の比率が相対的に減少することに起因していると考えられる。そして、CSやCSから生成する水和物よりも、CAやCAFから生成する水和物の方が、膨張の原因とされるアルカリシリカ反応の際に生じるゲル状物質の生成量やその特性(膨潤性、粘性等)を変化させて膨張を抑制する効果が大きい傾向にある。このため、上記のようにCAやCAFの量の比率が減少した結果、セメント含有組成物を用いた場合の膨張量が過大となるものと思われる。
なお、セメント組成物におけるけい酸率が小さくなると、当該組成物におけるCAやCAF(これらは「間隙相」と呼ばれる)量が増大することとなる。しかし、この間隙相は融点が低いため、けい酸率が小さ過ぎると、具体的には1.7よりも小さくなると、クリンカー焼成時に、生成する融液の量が増してしまい、クリンカーが融着し易くなる傾向にある。このため、製造工程上の観点からは、けい酸率は1.7以上とすることが好ましい。
本実施形態のセメント組成物は、上述したクリンカー及び石膏に加え、所望の特性を向上させ得る混合材を更に含んでいてもよい。かかる混合材は、セメント組成物中、0〜5質量%程度含有させることが好ましい。このような混合材としては、例えば、高炉スラグ微粉末、フライアッシュ、石灰石粉末、シリカフュ−ム又はけい石粉末等の無機粉末が挙げられる。
例えば、高炉スラグ微粉末やフライアッシュ等を添加することにより、セメント組成物によるアルカリシリカ反応を抑制する効果を増強することができる。通常、これらは、十分なアルカリシリカ反応の抑制効果を得るために、ある程度以上の量をセメント組成物に添加する必要があり、この結果、得られる構造物の初期強度等の特性が低下してしまう場合もあった。これに対し、本実施形態のセメント組成物においては、混合材を添加しなくても十分にアルカリシリカ反応を抑制し得ることから、これらの混合材の添加量を少なくした場合、或いは添加しなかった場合であっても優れた効果が得られるようになる。
なお、上述したけい酸率は、セメント組成物全体、つまり、セメント組成物が上記のような混合材を含む場合は、クリンカー、石膏及びその他の混合材も含めた組成物全体における値である。つまり、混合材中にSiO、Al又はFeが含まれている場合には、かかる混合材中に含まれるこれらの成分も考慮してけい酸率を調整する。なお、石膏については上記成分を殆ど含んでいないことから、セメント組成物が混合材を含まない場合や、混合材を含んでいても上記成分を含んでいない場合には、セメント組成物中のクリンカーのけい酸率を、セメント組成物全体におけるけい酸率であると近似してもよい。
本実施形態のセメント組成物は、セメントクリンカーと石膏とを混合して粉砕するか、或いは、セメントクリンカー及び石膏をそれぞれ粉砕した後に混合することで得ることができる。石膏としては、二水石膏、半水石膏、無水石膏等を単独で又は組み合わせて用いることができる。
セメント組成物を得るためのセメントクリンカーとしては、石灰石、粘土等を原料とし、これらを混合して焼成したものを適用できる。セメントクリンカーの原料としては、天然原料のほか、産業廃棄物や産業副産物である鉄鋼スラグ、非鉄スラグ、石炭灰、及び下水汚泥等を使用してもよい。
セメントクリンカーとしては、例えば、けい酸率が上述した好適範囲であるようなものが好ましい。また、セメント組成物中に、SiO、Al又はFeを含む混合材を添加する場合は、混合材中に含まれるこれらの成分の含有量を考慮してセメントクリンカーのけい酸率を設定することが好ましい。ここで、セメントクリンカーのけい酸率は、その製造時に原料の配合比や化学成分を変化させることで調整することができる。
次に、セメント含有組成物について説明する。
セメント含有組成物は、上述したセメント組成物に加えて骨材を含む組成物であり、これにはモルタルやコンクリート組成物が含まれる。モルタルは、セメント組成物に細骨材を加えた組成物であり、コンクリート組成物は、モルタルに粗骨材を更に加えた組成物である。
セメント含有組成物に含まれる骨材は、モルタルやコンクリート等の骨材として通常用いられるものであれば特に制限されないが、所定のアルカリシリカ反応性試験方法で無害でないと判定された骨材が好ましい。本実施形態のセメント組成物は、骨材とのアルカリシリカ反応を低減する効果に優れていることから、このようなアルカリシリカ反応を生じ易い骨材と組み合わせて得られたセメント含有組成物は、構造物を形成した場合であっても異常膨張を極めて生じ難い。
ここで、所定のアルカリシリカ反応性試験としては、通常、コンクリート組成物等に用いられる骨材のアルカリシリカ反応性を評価するための試験であれば特に制限なく適用できる。具体的には、JIS A 1145に規定された「骨材のアルカリシリカ反応性試験方法(化学法)」、JIS A 5308「レディーミクストコンクリート」の付属書7に規定された「骨材のアルカリシリカ反応性試験方法(化学法)」、JIS A 1146に規定された「骨材のアルカリシリカ反応性試験方法(モルタルバー法)」、又は、JIS A 5308「レディーミクストコンクリート」の付属書8に規定された「骨材のアルカリシリカ反応性試験方法(モルタルバー法)」が挙げられる。
そして、本実施形態のセメント含有組成物は、上述した実施形態のセメント組成物と、上記の試験のうち少なくとも1つの試験で無害でないと判定された骨材とを組み合わせる場合に有効であり、これらの全てで無害でないと判定された骨材とを組み合わせる場合に特に有効である。
このような骨材としては、例えば、ガラス質シリカ、トリジマイト、クリストバライト、オパール、火山ガラス、玉髄、潜昌質石英、又は、ひずんだ結晶格子構造を有する石英が例示できる。ガラス質シリカとしては、パイレックス(登録商標)ガラス、ガラス廃材等が挙げられる。なお、ひずんだ結晶格子構造を有する石英は、例えば、偏光顕微鏡観察において波動消光を示すものである。これらも、アルカリシリカ反応性試験において無害でないと判定されることが多いが、これらの骨材を用いた場合であっても、上記のセメント組成物と組み合わせることで、構造物等とした場合に異常膨張を生じ難いセメント含有組成物を得ることができる。
本実施形態のセメント含有組成物は、通常の方法で製造することができる。例えば、モルタル組成物は、所定量のセメント組成物と水と細骨材とを混合することにより製造することができる。また、モルタル組成物には、必要に応じて所定量の化学混和剤、繊維等を添加してもよい。この化学混和剤としては、AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤等の各種の減水剤や、凝結調整剤、増粘剤、保水剤等を利用できる。さらに、コンクリート組成物は、上述したようなモルタル組成物に、粗骨材を更に配合することによって製造することができる。
上記のセメント含有組成物は、これを成型・固化することにより種々の構造物として適用される。このような構造物は、外部からの塩分の浸透が生じる環境において使用された場合でも、良好な耐久性を示すものとなる。ここで、外部からの塩分の浸透が生じる環境とは、外部からアルカリ塩が作用する環境をいう。このような環境としては、海水や潮風の影響を受ける環境が例示できる。また、アルカリ塩を製造したり、使用したりする化学工場等においてもこのような環境が形成され得る。
そして、上記のような外部からの塩分の浸透が生じる環境においては、モルタルやコンクリート組成物等のセメント含有組成物中のアルカリ量が少なく、通常では異常膨張が極めて発生し難いと考えられる構造物であっても、外部からのアルカリ塩の浸透により、部分的にアルカリ濃度が高い部分が生じ、これにより異常膨張が生じることとなる。しかし、本実施形態のセメント含有組成物からなる構造物は、これに含まれるセメント組成物自体がアルカリシリカ反応の抑制効果に優れていることから、上記のような外部からのアルカリ塩の浸透があったとしても、異常膨張を極めて生じ難い。
以上のように、本実施形態のセメント含有組成物は、構造物の材料として適用することで優れた耐久性を発揮することができる。したがって、このようなセメント含有組成物は、防波堤、消波ブロック、魚礁、護岸壁、沿岸部の橋脚等、感潮部や海水中にあって海水の作用を受けるコンクリート構造物や海水の飛まつや潮風を受けるコンクリート構造物の材料として好適に用いることができる。また、寒冷地のコンクリート舗装道路又は橋梁の床版、或いは、桁又はその橋脚のように、アルカリ塩等により構成される凍結防止材やこれが溶解した水と接触し易い状況にあるコンクリート構造物の材料としても好適に使用することができる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(セメント組成物の調製)
ポルトランドセメントクリンカーを焼成し、これに石膏を加えてブレーン比表面積3300±100cm/gとなるように粉砕して、表1に示す組成を有する調製例1及び比較調製例1のポルトランドセメントをそれぞれ得た。なお、ポルトランドセメントの組成は、JIS R 5202−1999「ポルトランドセメントの化学分析方法」に準拠して測定した。また、表1中の「NaOeq.」は、全アルカリ量を示し、NaO(質量%)+0.658×KO(質量%)で算出される値である。
Figure 2007031174
(骨材の調製)
骨材としてパイレックスガラス♯7740(コーニング社製)を用い、これを表2に示す粒度に調整して、骨材を準備した。
Figure 2007031174
(モルタル組成物の調製)
調製例1及び比較調製例1のポルトランドセメントをそれぞれ用い、以下に示す方法に従って実施例1及び比較例1のモルタル組成物を調製した。なお、調製例1のポルトランドセメントを用いた場合が実施例1に、比較調製例のポルトランドセメントを用いた場合が比較例にそれぞれ該当する。
すなわち、まず、ポルトランドセメント400gに水200gを加え、ホバートミキサーで30秒間混合した。次に、この混合物に、上記で調製した骨材を加えて1分間低速混練した後、1分30秒間休止した。その間に容器に付着した混合物を掻き落とした。次いで、さらに高速で1分混練した後、1分30秒間休止し、同様に掻き落としを行い、最後に15秒間高速で混練して、モルタル組成物を調製した。
(膨張率の測定)
以下に示すようにして、実施例1及び比較例1のモルタル組成物を用いて供試体を形成した後、これらの膨張率の測定を行った。
すなわち、まず、モルタル組成物を25mm×25mm×285mmの型枠に打ち込み、24時間湿空養生した後に脱型して、供試体を得た。供試体の調製と養生は23℃±2℃の条件で行った。
それから、得られた供試体の長さ(基長)を測定した。次いで、下部に水を張った密閉容器の中に、得られた供試体を水に触れないように縦置きに設置した。この供試体を容器ごと38℃±2℃の環境で12日間保管し、更に容器を23℃±2℃の部屋に移動して16時間以上保管した。かかる保管後の供試体の長さを測定し、材齢14日における長さとした。
そして、得られた基長及び材齢14日における長さの値から、各供試体の材齢14日における膨張率を、ASTM C 490−00a「Standard Practice for Use of Apparatus for the Determination of Length Change of Hardened Cement Paste, Mortar and Concrete」に準拠して次式により求めた。
L=(Lx−Li)/G×100
ここで、L:材齢14日における膨張率、Lx:材齢14日における基準棒と供試体とのダイヤルゲージの読み取り値の差、Li:基長測定時における基準棒と供試体とのダイヤルゲージの読み取り値の差、G:公称ゲージ長254mmをそれぞれ示す。
実施例1及び比較例1のモルタル組成物から得られた供試体の膨張率(%)を、表3にまとめて示す。なお、表3中、「膨張率の比率」は、比較例1の供試体の膨張率を100とし、これを基準にして換算した実施例1の供試体の膨張率の値を示している。
Figure 2007031174
表3より、実施例1のモルタル組成物を用いて得られた供試体は、比較例1のモルタル組成物を用いて得られた供試体に比して、膨張が著しく抑制されていることが確認された。

Claims (6)

  1. セメントクリンカー及び石膏を含有するアルカリシリカ反応抑制用セメント組成物であって、
    SiO、Al及びFeを含む組成を有しており、
    質量比で、SiO/(Al+Fe)が2.5以下であることを特徴とするアルカリシリカ反応抑制用セメント組成物。
  2. 高炉スラグ、フライアッシュ、石灰石、シリカフュ−ム及びけい石からなる群より選ばれる少なくとも一種以上の無機粉末を更に含むことを特徴とする請求項1記載のアルカリシリカ反応抑制用セメント組成物。
  3. 請求項1又は2記載のアルカリシリカ反応抑制用セメント組成物と、骨材と、を含有することを特徴とするセメント含有組成物。
  4. 前記骨材が、アルカリシリカ反応性試験方法で無害でないと判定された骨材であることを特徴とする請求項3記載のセメント含有組成物。
  5. 前記骨材が、ガラス質シリカ、トリジマイト、クリストバライト、オパール、火山ガラス、玉髄、潜昌質石英、及び、ひずんだ結晶格子構造を有する石英からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の骨材であることを特徴とする請求項3又は4記載のセメント含有組成物。
  6. 外部からの塩分浸透が生じる環境にさらされる構造物に使用される請求項3〜5のいずれか一項に記載のセメント含有組成物。
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