JP2007031172A - アミノアルコール型有機構造化剤からラメラ固体を合成する方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ケイ酸塩をベースとするラメラ固体の合成方法を提供する。
【解決手段】ケイ酸塩をベースとするラメラ固体の合成方法であって、i)アルカリ性金属、シリカ源、水および有機構造化剤を含む混合物が調製される混合工程と、ii)結晶固体の形成を可能にする条件下にこの混合物が維持される結晶化工程とを包含する方法。 この方法において用いられる有機構造化剤は、炭化水素鎖によって離間されるアルコール基およびアミン基を含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、ケイ酸塩をベースとするラメラ固体の合成方法の分野に関し、最近のものは、フィロケイ酸塩のラメラ固体またはラメラケイ酸型の名称の下でも知られている。ケイ酸塩をベースとするラメラ固体は、四面体配位にスタッキングされたケイ素(Si)層(SiO)を含む化合物として規定される。ケイ素Si以外の元素が固体中に存在してもよく、これも四面体位置にある。
ラメラケイ酸塩の中で、マガディアイト、ナトロシライト、ケニヤアイト、マカタイト、ネコアイト、カネマイト、オケナイト、デハイエライト、マクドナルダイトおよびローデサイトを挙げることが可能である。
これらの固体は、しばしば、ASi・nHO(Aは例えばナトリウムまたはカリウム元素であり得る)等の組成を有する天然の状態で存在する。このようなラメラ固体は、例えば、マガディアイトについてはNaSi1429・9HOであり、ケニヤアイトについてはNaSi2041・10HOである。このような天然の固体は、合成の固体と同一の組成を有する。これらの固体は、しばしば、葉(leaves)間にファンデルワールス型の相互作用を有する三次元構造および小さい比表面積を有する。
これらの固体は、有利な吸着および交換特性を有する。これらの固体は水または有機分子の吸着並びに表面カチオン交換に特に適している。最近になって、ラメラケイ酸塩がプロトン交換によって酸性固体になるそれらの容量により広範に研究されている。さらに、ラメラ間のスペースへの柱状物(column)の導入がメソ多孔度を形成し、比表面積を増大させることを可能にしている。
塩化ベンジルトリエチルアンモニウム、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム、塩化ジベンジルジメチルアンモニウム、N,N’−ジメチルピペラジン、トリエチルアミンまたは他の第4級化合物または複素環アミンの中から選択された有機構造化剤を用いることによって、架橋されたラメラケイ酸塩を合成マガディアイトからなるラメラケイ酸塩から合成することが特許文献1から知られている。
アルキルアミン、トリアルキルアミン、テトラアルキルアンモニウム化合物およびジアミントリメチルヘキサメチレンジアミン化合物(ここで、前記アルキルは1〜12個の炭素原子を有する)の中から選択される有機化合物を用いることによってケニヤアイト型の結晶化されたケイ酸塩を合成することも特許文献2から知られている。
国際公開第88/00091号パンフレット 国際公開第91/12204号パンフレット
本発明は、炭化水素鎖によって離間されたアルコール基およびアミン基を含む有機構造化剤を用いることによってケイ酸塩をベースとするラメラ固体を合成する方法に関する。
本発明の合成方法は、従来技術に示されたものに比較して、より経済的であり、かつ、より効率的であり、それは、より再現性のある方法でのラメラ固体の製造を可能にする。
したがって、本発明は、ケイ酸塩をベースとするラメラ固体を合成する方法であって、
i) アルカリ性金属M、シリカ源SiO、水、有機構造化剤(organic structuring agent)Aおよび場合により四面体配位を有する別の金属Xを含む混合物が調製される混合工程と、
ii) 上記混合物が結晶固体の形成を許容する条件下に維持される結晶化工程(ここで、有機構造化剤は炭化水素鎖によって離間された少なくとも1つのアルコール基および少なくとも1つのアミン基を含む)と
を包含する方法に関する。
有利には、有機構造化剤は、単一のアルコール基および単一のアミン基を含む。
より好ましくは、アルコール基は、有機構造化剤の末端基である。同様に、アミン基は、好ましくは、有機構造化剤の末端基である。一層より好ましくは、アルコールおよびアミンの2つの基が、有機構造化剤の末端基である。
有機構造化剤は、好ましくは1〜20個の炭素原子を含む。
アミンおよびアルコールの2つの基を離間させる炭化水素鎖は、直鎖、環状または芳香族アルキル基を含み得るが、好ましくは、環状または芳香族である。
有機構造化剤は、好ましくは、チラミン、4−アミノフェノール、trans−4−アミノシクロヘキサノールおよび2−(4−アミノ−フェニル)−エタノールによって形成される群から選択される。
合成方法は、アルカリ性金属、シリカ源、水および有機構造化剤を含む混合物が調製される混合工程を包含する。
混合物を調製するための工程において混合されるアルカリ性金属Mは、リチウム、カリウム、ナトリウムおよび/カルシウムであり得る。アルカリ性金属は好ましくはナトリウムである。
混合物を調製するための工程において混合されるシリカ源は、ケイ酸塩、シリカゲル、コロイド状シリカおよび/またはケイ酸であり得る。
さらに、非シリカ性の四面体配位を有する金属Xは好ましくは混合工程i)中に混合される。
より好ましくは、金属Xはアルミニウム、ホウ素、クロム、鉄、ガリウム、インジウム、ニッケル、ジルコニウム、コバルト、チタン、銅、ニオブおよびユウロピウムによって形成された群から選択される。
一層より好ましくは、金属Xはアルミニウムである。
金属Xは酸化された形態XOまたは任意の他の形態(例えば、Al、Al(NO、Co(CHCOO)、Ti(EtO)、Ni(CHCOO)、Zn(CHCOO)、Cu(CHCOO)、Cr(CHCOO)、Eu(CHCOO)、Zr(OH)、Na、Nb等)で混合物に混合され得る。
工程i)の間に得られる混合物の組成は、下記のように記載され得る。
SiO:xMOH:yHO:zA、ここで、
− xは0〜1、好ましくは0.1〜0.6であり、
− yは10より大きく、
− zは0.05〜3、好ましくは0.2〜1である。
本発明による合成方法は、この混合物が結晶固体の形成を許容する条件下に維持される結晶化工程を包含する。
結晶化工程は、一般的に、水熱タイプである。この工程は、当業者に知られる任意の方法により行われ得るが、好ましくは、オートクレーブ内にて行われる。反応混合物は、結晶化工程の継続時間の間激しく攪拌されてもされなくてもよい。
有利には、結晶化工程ii)の間、工程i)の間に得られる混合物は100〜200℃、好ましくは135〜175℃の結晶化温度に、1〜20日間、好ましくは3〜10日間の結晶化期間にわたって加熱される。
結晶化工程ii)において得られる生成物は、好ましくは下記工程の少なくとも1つに付される:
iii)結晶化混合物から固体を分離するための工程、
iv)固体を洗浄するための工程、および
v)前記固体を乾燥させるための工程。
結晶化された固体は、一般的に、ろ過等の当業者に知られる任意の方法によって混合物から分離される。次いで、固体は、水、好ましくは脱イオン水で洗浄される。
乾燥工程v)は、一般的に、50〜150℃の温度で12〜30時間にわたって行われる。
乾燥は、好ましくは大気圧で行われるが、減圧下に行われてもよい。
本発明による合成方法は、より詳細には、ケニヤアイトおよびマガディアイトによって形成された群に属するラメラ固体を生成することを可能にする。
本発明はまた、ケイ酸塩をベースとする架橋されたラメラ固体の合成方法であって、ラメラ固体の合成を包含し、得られる該固体は次に固体のラメラ間のスペースへの架橋剤の挿入によって架橋される方法に関する。
架橋剤の挿入は、当業者に知られる任意の技術によって行われ得る。
ケイ酸塩層間への架橋剤の挿入は、架橋剤の柱状物がラメラ固体の層に結合され、かつ、ラメラ固体の構造が維持されるように行われ、これにより、最終的な固体の多孔度は増大される。
ラメラ固体から架橋されたラメラ固体を得ることは、下記工程によって行われ得る:
− 好ましくはカチオン交換によって行われる、ラメラ間のスペースの増加を可能にするカチオン性膨張剤をラメラ固体に挿入するための工程、
− 架橋剤を先行工程において得られる固体に挿入するための工程(ここで、架橋剤は好ましくはポリオキシカチオンの中から選択される)、
− 先行工程において得られる固体を洗浄するための工程および
− 洗浄された固体を焼成するための工程。
膨張剤は、有機または有機金属化学ラジカルまたは無機錯体であり得、好ましくは、強い正電荷を備えている。
一定の場合には、焼成工程は、架橋されたラメラ固体の多孔度を示すことを可能にする。この焼成工程は、有利には、空気中、300〜800℃の温度で行われ得る。
ラメラ固体を乾燥させる工程の後または架橋されたラメラ固体を焼成する工程の後、混合するための工程i)に加えられたアルカリ性金属を水素イオンとカチオン交換することが可能であり、これにより、最終固体が酸性になる。
(実施例1:シリカ性のケニヤアイトの合成)
98重量%のチラミンおよびシリカ(Aldrichにより販売される商品名Ludox(登録商標) AS−40として知られる)を含む溶液が塩基性のNaOH苛性ソーダ溶液(98重量%)および水中に混ぜ合わされる。
混合物が2時間にわたって激しく攪拌される。次いで、混合物は、均質化の後、テフロン(登録商標)ジャケットに移され、その後、オートクレーブ中に置かれる。
オートクレーブがオーブン中6時間にわたって150℃に加熱される。合成のために、オートクレーブは連続して攪拌される。
得られた結晶化された生成物はろ過され、脱イオン水で洗浄され(中性のpHに達する)、その後、一晩60℃で乾燥される。
粗い合成サンプルについて行われた回折図が図1に示される。
(実施例2:シリカ性マガディアイトの合成)
97重量%のtrans−4−アミノシクロヘキサノールおよびシリカ(Aldrichによって販売されるLudox(登録商標) AS−40)を含む溶液が塩基性NaOH苛性ソーダ溶液(98重量%)および水中に混ぜ合わされる。
混合物が2時間にわたって激しく攪拌される。次いで、混合物は、均質化の後、テフロン(登録商標)ジャケットに移され、その後、オートクレープ中に置かれる。
オートクレープがオーブン中3時間にわたって150℃に加熱される。合成のために、オートクレーブは連続して攪拌される。得られた結晶化された生成物はろ過され、脱イオン水で洗浄され(中性のpHに達する)、その後、一晩60℃で乾燥される。
粗い合成サンプルについて行われた回折図が図2に示される。
(実施例3:金属Mで置換されたケニヤアイト)
98重量%のチラミンおよびシリカ(Aldrichによって販売されるLudox(登録商標) AS−40)を含む溶液が塩基性NaOH苛性ソーダ溶液(98重量%)および水中で混ぜ合わされる。
混合物が15分間にわたって激しく攪拌される。カチオンMを含む水溶液が混合物に加えられ、下記表1に記載されるような組成物が得られる。
Figure 2007031172
次いで、混合物は、均一化の後に、テフロン(登録商標)ジャケットに移され、次いで、オートクレーブ内に置かれる。オートクレーブは、数日間にわたってオーブン内において150℃に加熱される。合成の間、オートクレーブは連続的に攪拌される。次いで、得られた結晶化された生成物は、ろ過され、脱イオン水で洗浄され(中性のpHに達する)、次いで、60℃で一晩乾燥される。
(実施例4:金属Mで置換されたマガディアイト)
97重量%のtrans−4−アミノシクロヘキサノールおよびシリカ(にAldrichよって販売されるLudox(登録商標)AS−40)を含む柱状物が、以下の表2に記載されるモル組成に従って塩基性NaOH苛性ソーダ溶液(98重量%)、水およびカチオンに混ぜ合わされる。
Figure 2007031172
混合物は、5時間にわたって激しく攪拌される。次いで、混合物は、均一化の後に、テフロン(登録商標)ジャケットに移され、次いで、オートクレーブ内に置かれる。
オートクレーブは、オーブン内において150℃で3日間にわたって加熱される。合成の間、オートクレーブは、連続的に攪拌される。得られた結晶化された生成物は、ろ過され、脱イオン水で洗浄され(中性のpHに達する)、その後、60℃で一晩乾燥される。
粗い合成サンプルで行われた回折図を示す。 粗い合成サンプルで行われた回折図を示す。

Claims (12)

  1. i)アルカリ性金属、シリカ源、水および有機構造化剤を含む混合物が調製される混合工程と、
    ii)結晶固体の形成を可能にする条件下に該混合物が維持される結晶化工程と
    を包含する、ケイ酸塩をベースとするラメラ固体の合成方法において、
    有機構造化剤が、炭化水素鎖によって離間された少なくとも1つのアルコール基と少なくとも1つのアミン基とを含むことを特徴とする方法。
  2. アルコール基が有機構造化剤の末端基である、請求項1に記載の合成方法。
  3. アミン基が有機構造化剤の末端基である、請求項1または2に記載の合成方法。
  4. 有機構造化剤は1〜20個の炭素原子を含む、請求項1〜3のいずれか1つに記載の合成方法。
  5. 有機構造化剤がチラミン、4−アミノフェノール、trans−アミノシクロヘキサノールおよび2−(4−アミノ−フェニル)−エタノールから形成される群から選択される、請求項1〜4のいずれか1つに記載の合成方法。
  6. 混合工程i)の間に、さらに、非シリカ性の四面体配位の金属Xが混ぜ合わされる、請求項1〜5のいずれか1つに記載の合成方法。
  7. 金属Xがアルミニウム、ホウ素、クロム、鉄、ガリウム、インジウム、ニッケル、ジルコニウム、コバルト、チタン、銅、ニオブおよびユウロピウムによって形成される群から選択される、請求項6に記載の方法。
  8. 結晶化工程ii)の間に、工程i)の間に得られる混合物が100〜200℃の結晶化温度に1〜20日の結晶化期間にわたって加熱される、請求項1〜7のいずれか1つに記載の合成方法。
  9. 結晶化工程ii)で得られる生成物が、
    iii)固体を結晶化混合物から分離する工程、
    iv)このようにして得られた固体を洗浄する工程、および、
    v)乾燥工程
    に付される、請求項1〜8のいずれか1つに記載の合成方法。
  10. 乾燥工程v)は、50〜150℃の温度で12〜30時間にわたって行われる、請求項9に記載の合成方法。
  11. 生成されたラメラ固体が、ケニヤアイトおよびマガディアイトによって形成された群に属する、請求項1〜10のいずれか1つに記載の合成方法。
  12. 請求項1〜11のいずれか1つの方法によるラメラ固体の合成を含み、得られる該固体は、次いで、該固体のラメラ間のスペース内への架橋剤の挿入によって架橋される、架橋されたケイ酸塩をベースとするラメラ固体の合成方法。
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