JP2007029947A - 有機性廃水の浮上分離処理方法及び浮上分離処理装置 - Google Patents

有機性廃水の浮上分離処理方法及び浮上分離処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】界面活性剤等の発泡成分を含む有機性廃水に微細気泡を効率よく接触させて処理する浮上分離処理方法を提供する。
【解決手段】分離槽1内に設置した散気板7より気泡11を発生させ、該散気板7よりも上方に設置した自給式微細気泡発生装置6より微細気泡12を発生させ、該微細気泡12により気泡11を剪断して微細化することにより、大量の微細気泡を有機性廃水2に供給し、有機性廃水2に含まれる発泡成分を該微細気泡12によって泡沫13として上昇させ、泡沫分離水3として排出する一方、泡沫13が除去された槽内水を処理水4として得る浮上分離処理方法において、分離槽1内に供給する空気量を分離槽1の水平断面積に基づいて設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、漁業、水産加工業、食品加工業、洗浄業、化学工業、鋳造工業、建設土木工業、金属工業、繊維工業、皮革工業、パルプ工業、または養魚施設、活魚飼育施設、金魚飼育施設、水族館のような観賞用水槽施設等の飼育施設における飼育水域内に飼育用水を流動させて、この飼育水域内の水中生物を飼育するようにした水中生物の飼育分野等の各種産業における界面活性剤のような発泡成分を含む有機性廃水(水中生物飼育水を含む)の浮上分離処理方法及び浮上分離処理装置に関するものである。さらに詳しくは発泡成分を含む有機性廃水に気泡を混入させ、気泡に吸着させて浮上させることにより槽上部へ濃縮された発泡成分を分離させる浮上分離処理方法及び浮上分離処理装置において、有機性廃水と微細気泡とを効率よく接触させることで廃水処理の処理速度(水中生物飼育水の場合は浄化速度)を向上させることができ、浮上分離槽の水平断面積に対して所望の浮上分離処理性能に必要な空気量を計算で求めることが可能であり、かつ供給する空気量を多くしても微細気泡を大量に発生させることができる有機性廃水の浮上分離処理方法及び浮上分離処理装置に関するものである。
従来、発泡成分である界面活性剤を含む有機性廃水処理として浮上分離方法がよく用いられていた。中でも泡沫分離方法は、界面活性剤を含む有機性廃水中の発泡成分除去手段として良く用いられており、例えば、図11及び図12に示すような回転翼装置によって気泡を発生させて泡沫分離を行う界面活性剤含有汚水の浄化処理装置が提案されている(特許文献1、第6−12頁、第1図参照)。
その構造は、界面活性剤を含有する汚水の被処理水を収容する処理槽101と、処理槽101中の被処理水に泡沫102を発生させる泡沫発生手段と、泡沫発生手段により発生した泡沫102を被処理水より分離する泡沫分離手段と、被処理水を濾過する濾過手段を有し、泡沫発生手段及び濾過手段により被処理水を浄化処理する浄化処理装置であって、泡沫発生手段は処理槽101に設けられ、スクリュー状の回転翼103a、回転翼103aと一端を連結した気体流通路を形成できる中空の回転軸103b、回転軸103bの両端に軸受103cを介して回転軸103bを覆うように設けられた中空管103d、回転軸103bの他端側に設けた気体取入口103e、気体取入口103eの一端側に設けた気体吹出し口103f及び回転軸103bの他端に設けたモーター103gからなる回転翼装置103であり、濾過手段は処理槽101の下部に設けられた濾過槽104であった。
その効果は、処理槽101に被処理水を導入し、回転翼装置103を作動すると、回転翼103aの回転により被処理水は攪拌されると同時に回転軸103b内が負圧になり、気体取入口103eから空気が吸い込まれて吹出し口103fから被処理水中に混入され、泡沫102を発生させ、発生した泡沫102は回転翼103aの回転により裁断され細かくされるとともに、その攪拌作用によって周囲に隈なく拡散され、その泡沫の被処理水中における分布を均一にすることができ、界面活性剤を含有する汚水の被処理水から界面活性剤及びCOD、BOD成分を効率よく除去することができるものであった。
特開平11−57690号公報
しかしながら、前記従来の浄化処理装置では、被処理水に含まれる界面活性剤のような発泡成分に対して、処理槽101内に供給する空気量をどのくらいにするか等の運転条件を決めなければならないが、処理槽101を設置するにあたっては、設置場所のスペースによって処理槽101の大きさが異なり、処理槽101によって運転条件も異なるため、泡沫分離に最適な運転条件を得るためには何を基準にして決めればよいか明確になっていないという問題があった。そのため、実際に試験を行ってデータを取りながら最適な運転条件を決めなければならないので時間や手間がかかるという問題や、或いは実務者の経験を基に決めることにより、実務者の個人差により成果にばらつきが生じるという問題があった。
また、従来技術の実施例より、処理槽101の水平断面積(B)は0.09(m2)、処理槽101内に供給する空気量(A)は0.09(m3/h)となり、A/B=1となるが、この場合の泡沫処理の処理速度はあまり速くなく、安定した処理を行うまでに時間がかかるという問題があった。
処理速度を向上させる方法として、処理槽101内に供給する空気量を多くすると共に気泡径を微細にする方法が考えられるが、空気量については、小規模な実験レベル(例えば処理槽101が1〜2L程度)であれば、処理槽101が小さい分、通常の空気供給装置を用いれば多くの空気量を得ることは可能だが、実際に使われる装置(10L以上)になると、装置の大きさに対して多くの空気量を供給するには、空気の供給設備に費用がかかるという問題があった。また気泡径については、微細気泡を大量に発生することが求められるが、処理槽101内に供給する空気量を多くしようして大量の空気を送り込むと気泡径は大きくなってしまい、供給する空気の気泡径を小さく保つには、供給する空気量を少なくせざるを得ず、供給する空気量を多くして且つ気泡径を微細にするのは困難であるという問題があった。尚、供給する空気量を多くして且つ気泡径を微細にする方法として、微細気泡発生装置の数を増やす方法があるが、これは処理槽101が大きくなるほど微細気泡発生装置が多く必要となり、イニシャルコストの増加に繋がるという問題があった。
本発明は、以上のような従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、界面活性剤のような発泡成分を含む有機性廃水(水中生物飼育水を含む)に気泡を混入させ、気泡に吸着させて浮上させることにより槽上部へ濃縮された発泡成分を分離させる浮上分離処理方法及び浮上分離処理装置において、有機性廃水と微細気泡とを効率よく接触させることで廃水処理の処理速度(水中生物飼育水の場合は浄化速度)を向上させることができ、浮上分離槽の水平断面積に対して所望の浮上分離処理性能に必要な空気量を計算で求めることが可能であり、かつ供給する空気量を多くしても微細気泡を大量に発生させることができる有機性廃水の浮上分離処理方法及び浮上分離処理装置を提供するものである。
本発明は分離槽内の有機性廃水(水中生物飼育水を含む)に空気を供給して該有機性廃水を処理する浮上分離処理方法において、該分離槽内に供給する空気量を該分離槽の水平断面積に基づいて設定することを特徴とする有機性廃水の浮上分離処理方法である。
上記本発明の浮上分離処理方法においては、下記の構成を好ましい実施形態として含む。
前記空気量、及び前記分離槽の水平断面積が、以下の関係式を満たす。
A/B≧20 (1)
A;分離槽内に供給する空気量(m3/時)
B;分離槽の水平断面積(m2
前記分離槽の水平断面積Bが0.01m2から10m2の範囲である。
前記分離槽に供給する空気が微細気泡である。
前記微細気泡が、気泡のみを発生させる手段によって気泡を発生させた後、微細気泡を発生させ且つ該気泡を剪断する手段によって発生する。
当該有機性廃水の浮上分離処理方法が泡沫分離方法である。
前記有機性廃水の浮上分離処理方法を、水中生物飼育水の浄化に用いてなる。
浮上分離処理を行う分離槽と、気泡のみを発生させる手段と、該手段の上方に微細気泡を発生させ且つ該気泡を剪断する手段とを有する。
前記気泡のみを発生させる手段が散気板であり、前記微細気泡を発生させ且つ該気泡を剪断する手段が自給式微細気泡発生装置である。
前記有機性廃水の浮上分離処理装置を、水中生物飼育水の浄化設備内に配置してなる。
本発明における発泡成分を含む有機性廃水(水中生物飼育水を含む)の処理方法は、以上説明した構成になっているので、以下のような優れた効果が得られる。
(1)分離槽内に供給する空気量が分離槽の水平断面積に基づいて設定されるため、浮上分離処理を効率良く処理するのに必要な空気量を容易に得ることができる。
(2)分離槽へ供給する空気量A、分離槽の水平断面積Bの関係が、A/B≧20の範囲内にあると、発泡成分と気泡や微細気泡を効率よく接触して発泡させるため、A/B<20に比べて、COD、濁度、色度をそれぞれを充分低下させ、廃水処理が安定するまでの処理速度を約2〜6倍程度速くすることができ、廃水処理の運転時間を短縮することができる。
(3)分離槽の水平断面積に応じて、浮上分離処理に必要な分離槽内に供給する空気量を計算により求めることが可能であるため、最適条件を設定する時間や手間が掛からない。
(4)分離槽に供給する空気が微細気泡であることにより気泡数が多くなり、分離槽内で微細気泡を分散することにより、発泡成分を効率よく分離、排出することができる。
(5)微細気泡を、気泡のみを発生させる手段によって気泡を発生させた後、微細気泡を含む水流を発生させる手段によって微細気泡を含む水流を発生させ、該微細気泡を含む水流によって上記気泡を剪断して供給することにより、分離槽内に供給する空気量を多くすると共に気泡径を微細にすることができ、分離槽内に微細気泡を大量に発生させることができる。
(6)気泡のみを発生させる手段が散気板であり、微細気泡を含む水流を発生させる手段が自給式微細気泡発生装置であることにより、分離槽内に微細気泡を大量に発生させ、有機性廃水と微細気泡を効率よく接触させるため、散気板のみや自給式微細気泡発生装置のみ用いた場合に比べて、COD、濁度、色度をそれぞれ充分低下させ、廃水処理が安定するまでの処理速度を約2倍以上に向上することができ、廃水処理の運転時間を短縮することができる。
(7)浮上分離方法に泡沫分離方法を用いることにより、処理設備をコンパクトに設定することができ、運転管理が容易で一定の処理水質を得ることができる。
(8)本発明の有機性廃水の浮上分離処理装置を水中生物飼育水の浄化設備内に用いることにより、水中生物飼育の際に敬遠される薬液やオゾンの添加や、電気分解により生成する酸化剤の添加を行うことなく水中生物飼育水の浄化を行うことができる。
図1は、本発明の浮上分離処理方法の好ましい実施形態の構成図である。
本発明における有機性廃水2とは、汚濁物質、タンパク質、界面活性剤等の起泡作用を有する発泡成分を含むものである。また、本発明の浮上分離処理方法を、水中生物飼育水の浄化に用いた場合、有機性廃水2は水中生物飼育水となる。
本発明における気泡11とは直径が1(mm)を超える有機性廃水中の空気塊のことであり、微細気泡12とは直径が1(mm)以下の空気塊のことであり、泡沫13とは有機性廃水2に含まれる発泡成分が気泡11や微細気泡12に接触し、発泡したものである。
本発明における分離槽1内に供給する空気量とは、分離槽1内へ設置した気泡11や微細気泡12を発生させる手段により、分離槽1内へ供給した空気の時間当たりの体積のことであり、気泡11や微細気泡12を発生させる手段が複数の場合はその総和のことである。
本発明におけるCOD除去率とは、有機性廃水2を浮上分離処理により処理水4に処理した際に、有機性廃水2のCODから処理水4のCODに減少した割合を百分率で示したものであり、COD除去率が高いほど浮上分離処理によりCODが減少した割合が大きいことを示している。
本発明において、分離槽1内に供給する空気量が分離槽1の水平断面積(図1中のA−A’断面積)に比例して増加する必要がある。これは浮上分離において、有機性廃水2と気泡11や微細気泡12とを効率よく接触させる必要があることから、運転条件を決めるにあたっては、空気量と有機性廃水量の体積の関係、いわゆる気液比が一つの目安になる。しかし、気液比のみで運転条件を決めると、分離槽1の構造によって分離槽1の水平断面積が狭く高さが高い構造もあれば、分離槽1の水平断面積が広く高さが低い構造もあり、これらは気液比を目安にして考えると同じ有機性廃水量であるため同じ空気量を供給することになる。この時、分離槽1の水平断面積が広く高さが低い場合の分離槽1では、気泡11や微細気泡12が分離槽1内に十分行き渡らずに有機性廃水2と接触しない場所が生じる恐れがある。これに対して、分離槽1内に供給する空気量と分離槽1の水平断面積との関係で運転条件を決めると、分離槽1の大きさや形状が変化してもそれに応じて十分な空気量を供給でき、気泡11や微細気泡12と有機性廃水2が接触しない場所はなくなる。以上のことから、浮上分離を行う際に分離槽1内に供給する空気量は、分離槽1の水平断面積に基づいて設定する必要がある。尚、分離槽1の水平断面積とは、気泡11や微細気泡12を発生させる手段が位置する分離槽1の内部空間の水平方向の面積をいう。分離槽1内に複数の気泡11や微細気泡12を発生させる手段が上下に配置されている場合、その中間の位置、即ち図1の場合であれば自給式微細気泡発生装置6と散気板7の間にある分離槽1の内部空間の水平方向(A−A’)の面積のことをいう。
本発明において、分離槽1内に供給する空気量〔A(m3/h)〕、分離槽1の水平断面積〔B(m2)〕の関係は、A/B≧20であることが好ましく、さらに20≦A/B≦100であることがより好ましい。分離槽1内に供給する空気量(A)が少ないと、気泡11や微細気泡12と分離槽1の槽内水との接触頻度が少なくなるので、発泡成分が除去されるまでに時間がかかり過ぎてしまい、槽内の滞留時間が必要時間確保できなければ発泡成分が除去されないまま系外へ流出してしまう。従って処理水質の悪化を引き起こさず、処理時間を短くするために、分離槽1内に供給する空気量(A)と分離槽1の水平断面積(B)の関係は、A/B≧20の範囲に設定する必要がある。またこの関係は、分離槽1が大きくなれば大きくなるほど必要なものであり、分離槽1の水平断面積(B)が0.01(m2)から10(m2)の範囲であることが望ましく、0.01(m2)から3(m2)の範囲であることがより望ましい。廃水処理の処理速度を向上させるには分離槽1の水平断面積(B)をある程度の大きさ以上に設けると良く、大量に発生させる微細気泡と廃水とを効率よく接触させるために水平断面積(B)は0.01(m2)以上である必要があり、分離槽1をあまり大きくさせずに微細気泡と廃水とを効率よく接触させる設備を形成するには水平断面積(B)は10(m2)以下である必要がある。なお、分離槽1は一つの分離槽1を大きく形成するよりも分離槽1を多数設けるほうが廃水処理の効率が良く、一つの分離槽あたりのランニングコストが低く、全体のランニングコストを低減できるので好適である。
本発明において、分離槽1に供給する空気は微細気泡であることが好ましい。これは同じ空気量であれば、気泡径が微細であるほど気泡数が多くなり、分離槽1内で分散され易いため、有機性廃水2中の汚濁物質や発泡成分と微細気泡12の接触が多くなり、発泡成分を効率よく分離、排出することができるため好適である。
本発明において、微細気泡12は、気泡11のみを発生させる手段によって気泡11を発生させた後、微細気泡12を発生させる手段によって微細気泡12を発生させ、気泡11を剪断して微細化することが好ましい。より具体的には、微細気泡12を発生させる手段によって微細気泡12を含む水流を発生させ、微細気泡12を含む水流により気泡11を剪断する。これは気泡11のみを発生させる手段を、微細気泡12を含む水流を発生させる手段より下方へ設け、気泡11のみを発生させる手段から発生された気泡11が微細気泡12を含む水流を発生させる手段の位置まで浮上して、気泡11に対して微細気泡12を含む水流を衝突させることにより、気泡11は微細気泡12を含む水流によって剪断されて微細化し、微細気泡12となる(図2参照)。これにより、分離槽1内に供給される空気量の大半は気泡11で賄ってやり、かつ微細気泡12に気泡11を剪断させることによって、大量の微細気泡12を得ることができるため好適である。
本発明において、気泡11のみを発生させる手段が散気板7であり、微細気泡12を発生させる手段は自給式微細気泡発生装置6であることが好ましい。さらに発生した気泡11が浮上し、微細気泡12を含む水流により気泡11を剪断させるためには、散気板7が必ず自給式微細気泡発生装置6の下方に位置した方が良い。通常の微細気泡を発生させるために用いる自給式微細気泡発生装置(図示せず)は、ポンプによって被処理水である有機性廃水の循環流を形成し、この循環流によって負圧が発生して空気を吸引し、循環流の中で空気と有機性廃水を混合することで微細気泡を発生する。そのため、有機性廃水に大量の空気を混合させるには、有機性廃水の循環流速を早くしなければならず、気液混合に対して大量の電気エネルギーを費やすことが要求される。ところがブロワ10を動力源として散気板7で空気量を供給する本発明の手法は、大量の空気量を得ることに対してエネルギー効率が良く、散気板7はその種類も豊富で低価格であることから、分離槽形状に見合った形状の散気板7を低コストで容易に選ぶことができ、また自給式微細気泡発生装置6は、水流によって生じた負圧により気体を吸引し放出することで微細気泡12を生成するものであり、空気を供給する手段に空気導入ラインやポンプ等の設備を別途必要としないため、散気板7と自給式微細気泡発生装置6の組合せは処理設備をコンパクトに低コストで設定でき、処理設備の製造を容易にすることができるため好適である。
浮上分離処理方法としては、泡沫分離方法、加圧浮上方法など、発泡成分を含む有機性廃水から発泡成分を除去するものであれば特に限定されるものではない。このうち泡沫分離方法は、処理設備をコンパクトに設定することができ、運転管理が容易で一定の処理水質を得ることができるので好適に使用される。
以下、本発明の実施形態を図1、図2に基づいて詳細に説明する。1は泡沫分離を行う円筒状の分離槽であり、分離槽1側面から有機性廃水2が流入する流入口、分離槽1上部に泡沫分離水3を排出させる排出口、分離槽1底部に処理水4を流出させる流出口が設けられている。分離槽1は槽内の中間部から上部にかけて、中央が貫通され上部に向かって縮径する傾斜部を有する笠状の遮蔽板5が一定間隔を開けて三段設けられている。分離槽1内の中間部よりやや下方の位置に自給式微細気泡発生装置6が設けられ、自給式微細気泡発生装置6の下方であり分離槽1底部にまで至らない位置に散気板7が設けられている。自給式微細気泡発生装置6は外部空気と連通する吸気口8に連通し、散気板7は、ブロワ10に連通する吸気口9に連通している。
次に本発明の実施形態の作用について説明する。先ず、発泡成分を含む有機性廃水2(以下、原水と記す)が分離槽1へ流入する。流入した原水2は分離槽1内にて一定時間滞留する。同時にブロワ10によって大気中の空気が吸気口9を通して導入されることにより散気板7より気泡11が分離槽1内へ供給される。さらに大気中の空気を吸気口8を通して吸引する自給式微細気泡発生装置6によって微細気泡12が分離槽1内へ供給される。この時、気泡11と微細気泡12を含む水流は分離槽1内にて垂直方向に激しく衝突し(図2参照)、微細気泡12を含む水流によって剪断されて気泡11は微細気泡12となり、原水2に溶解している発泡成分と接触して泡沫13となる。泡沫13は遮蔽板5に沿って浮上し、分離槽1内で上昇した泡沫13が再び分離槽1底部へ下降することを抑制されながら水面上に生成される。水面上に生成された泡沫13は泡沫分離水3として分離槽1の排出口から排出されて、泡沫分離処理が行われる。一方、原水2から泡沫13が除去された槽内水は、処理水4として分離槽1底部より流出される。
次に分離槽1に対する処理条件について説明する。供給する空気量は、分離槽1の水平断面積に基づいて設定される。つまり分離槽1の水平断面積が大きくなれば大きくなるほど供給する空気量を多くしなければならない。ここで例えば分離槽1の大きさが、直径1(m)の円筒状の時、A/B≧20の範囲内でA/B=25で設定すると、供給する空気量は約20〔(m3/h)/m2〕となり、この条件であれば分離槽1に対して充分な空気量が供給されることから、発泡成分と微細気泡を効率よく接触、発泡させることができるため、効率の良い有機性廃水の処理が行われ、且つ処理速度を向上させ短い時間で安定した処理を行なうことができる。
また、運転条件として分離槽1に供給する空気量をA/B≧20の特定の値で決めることにより、計算により分離槽1の規模に適した運転条件を決めることができ、最適な運転条件を決める時間を大幅に短縮でき、或いは設計者によるバラツキを抑えることができる。
次に、本発明の分離槽内における発泡成分を含む有機性廃水の浮上分離処理方法の試験を行った。試験の測定方法を以下に示す。
(1)CODの測定(酸性法)
泡沫分離による原水及び処理水のCODをJIS K0102 17に準拠し、100℃における過マンガン酸カリウムによる酸素消費量により測定した。
(2)CODの測定(アルカリ法)
泡沫分離による原水及び処理水のCODをJIS K0102 19に準拠し、アルカリ性過マンガン酸カリウムによる酸素消費量により測定した。
(3)濁度測定
(3−1)非連続測定の場合(実施例1〜実施例3)
泡沫分離による原水及び処理水の一定時間毎に測定した濁度は、米国HACH社製の携帯型濁度計2100P型により測定した。2100P型はホルマジンを標準物質に用いて、波長570(nm)における透過光と散乱光の強度比から濁度(NTU)を求める計測器である。
(3−2)連続測定の場合(実施例4)
泡沫分離による処理水の常時測定した濁度は、横河電機製の表面散乱形濁度計TB400G−4−1−A2/B/S スタイルS2により測定した。TB400G−4−1−A2/B/S スタイルS2は、測定槽と検出部と変換器で構成されている。測定槽は常時、通水されており、満たされた測定水の表面へタングステンランプで照射することによって得られる散乱光を検出し、濁度に変換することで濁度(mg/L)を求める計測器である。この濁度計で求めた濁度(mg/L)から、『NTU』=1.428571429×『mg/L』で換算して濁度(NTU)を求めた。
(4)色度の測定
泡沫分離による原水及び処理水のCODをJIS K0101 10に準拠し、白金・コバルトを標準物質とした色度として測定した。
〔実施例1〕
先ず、本発明の分離槽の水平断面積に対して、それぞれ異なる空気量を供給した時の発泡成分を含む有機性廃水処理(以下、廃水処理と記す)の処理速度の評価を行った。
本発明の実施形態に基づいた試験装置を作成し、水道水にタンパク質を溶解させた擬似廃水を原水とし、測定すると原水のCOD=52.2〜59.9(mg/L)の範囲にあるものを用いて、廃水処理試験を以下の条件で行った。試験結果を図3に示す。図3は運転時間に対するCOD除去率の推移を示したグラフである。
(廃水処理条件)
・気泡発生装置:散気板及び自給式微細気泡発生装置の併用
・分離槽:有効容量15(L)
・分離槽の水平断面積:B=0.01766(m2
〈実施例1−1〉
・分離槽内に供給する空気量:A=0.114(m3/h)
・A/B=6.5〔(m3/h)/m2
〈実施例1−2〉
・分離槽内に供給する空気量:A=0.306(m3/h)
・A/B=17.0〔(m3/h)/m2
〈実施例1−3〉
・分離槽内に供給する空気量:A=0.354(m3/h)
・A/B=20.0〔(m3/h)/m2
〈実施例1−4〉
・分離槽内に供給する空気量:A=0.480(m3/h)
・A/B=27.0〔(m3/h)/m2
(試験条件)
(a)分離槽内は予め原水で満水とし、120分間バッチ式で廃水処理を行った。
(b)廃水処理で使用した処理水は60(分)まで10(分)経過毎、その後90(分)と120(分)に採取しCOD(酸性法による)を測定した後、測定したCODから、COD除去率を算出した。
図3より、処理速度に差はあるが、どの実施例でも問題なく廃水処理が行なわれている。実施例1−1及び実施例1−2は、試験開始時のCOD除去率は20.0(%)未満で推移し、試験開始から40〜60(分)経過後にCOD除去率が20.0(%)を超え、その後COD除去率が上昇し、90分経過時にはCOD除去率が80.0(%)程度になり処理性能が安定した。一方、実施例1−3及び実施例1−4では、試験開始から10(分)でCOD除去率が約20.0(%)に達し、時間の経過とともにCOD除去率が急激に上昇し、試験開始から30分経過した時点で高いCOD除去率を得ている。尚、運転時間が90(分)を経過すると、何れの実施例においても以後は時間が経過してもCOD除去率が81.0〜84.6(%)の範囲で推移し、廃水処理が安定する傾向である。
このことから、分離槽内に供給する空気量(A)と分離槽の水平断面積(B)が、A/B≧20であれば、原水と微細気泡の接触が効率よく行われ、廃水処理が安定するまでの処理速度がA/B<20と比べて4〜6倍程度早くなり、廃水処理の運転時間を短縮することができる。
〔実施例2〕
次に、実施例1との比較として、原水を実際の漁港より採取した水揚げ、荷捌き廃水(以下、実廃水と記す)とし、さらに分離槽の水平断面積を実施例1の4倍の大きさにした分離槽を用いて、それぞれ異なる空気量を供給した時の廃水処理の評価を行った。
本発明の実施形態に基づいた試験装置を作成し、実廃水を原水とし、測定すると原水のCOD=38.6〜49.5(mg/L)(アルカリ法による)の範囲にあるものを用いて、廃水処理試験を以下の条件で行った。試験結果を図4に示す。図4は運転時間に対するCOD除去率の推移を示したグラフである。
(廃水処理条件)
・気泡発生装置:散気板及び自給式微細気泡発生装置の併用
・分離槽:有効容量70(L)
・分離槽の水平断面積:B=0.07065(m2
〈実施例2−1〉
・分離槽内に供給する空気量:A=0.150(m3/h)
・A/B=2.1〔(m3/h)/m2
〈実施例2−2〉
・分離槽内に供給する空気量:A=0.480(m3/h)
・A/B=6.8〔(m3/h)/m2
〈実施例2−3〉
・分離槽内に供給する空気量:A=1.200(m3/h)
・A/B=17.0〔(m3/h)/m2
〈実施例2−4〉
・分離槽内に供給する空気量:A=2.400(m3/h)
・A/B=34.0〔(m3/h)/m2
〈実施例2−5〉
・分離槽内に供給する空気量:A=6.000(m3/h)
・A/B=85.0〔(m3/h)/m2
(試験条件)
(a)分離槽内は予め原水で満水とし、90分間バッチ式で廃水処理を行った。
(b)廃水処理で使用した処理水は30(分)毎に採取し、COD(アルカリ法による)を測定した後、測定したCODから、COD除去率を算出した。
図4より、処理速度に差はあるが、どの実施例でも問題なく廃水処理が行なわれている。実施例2−1,2−2,2−3は、試験開始から30(分)経過時においてCOD除去率は38.3〜43.0(%)であり、COD除去率が55.0(%)を越えるまでの運転時間は、60〜90(分)必要であった。一方、実施例2−4,2−5では、試験開始から30(分)経過した段階でCOD除去率が55.0(%)を越えており、高いCOD除去率を得ている。尚、運転時間が90(分)を経過すると、それ以降は時間が経過してもCOD除去率が微増するだけで、廃水処理が安定する傾向であった。
このことから、分離槽内に供給する空気量(A)と分離槽の水平断面積(B)が、A/B≧20であれば、原水と微細気泡の接触が効率よく行われ、廃水処理が安定するまでの処理速度がA/B<20と比べて2〜3倍程度早くなり、廃水処理の運転時間を短縮することができる。また、実施例1と実施例2から、原水が試験的に作成した擬似廃水または実廃水であっても、また分離槽の水平断面積が異なっていても、廃水処理が安定するまで処理速度は同じ傾向を示しており、A/B≧20であれば、A/B<20と比べて廃水処理が安定するまで処理速度が2〜6倍程度の範囲で早くなり、廃水処理の運転時間を短縮することができる。さらに、発泡成分が除去されるまでの時間が短くて済み、廃水処理での槽内の滞留時間を短縮することができるため、廃水処理の単位時間当たりの処理量を向上させることができる。
〔実施例3〕
次に、分離槽内に空気を供給する手段を、自給式微細気泡発生装置のみを用いた分離処理の場合、散気板のみを用いた分離処理の場合、自給式微細気泡発生装置と散気板を併用した分離処理の場合でそれぞれ試験装置を作成して試験を実施し、廃水処理の評価を行った。尚本試験において分離槽内に供給する空気量は6.0(m3/h)としたが、自給式微細気泡発生装置のみの場合(実施例3−1)、空気吸引口が供給する空気量を受け入れるほどの開口面積を有しておらず、実際には自給式微細気泡発生装置から供給される空気量は、設定値6.0(m3/h)の1/5の空気量を供給した場合で実施した。
自給式微細気泡発生装置のみを用いて直接ブロワで送気することで廃水処理を行う試験装置を作成し、実廃水を原水として、廃水処理試験を以下の条件で実施した。試験結果を図5〜7に示す。図5は運転時間に対するCODの推移を示したグラフ、図6は運転時間に対する濁度の推移を示したグラフ、図7は運転時間に対する色度の推移を示したグラフである。
(廃水処理条件)
・分離槽:有効容量70(L)
・分離槽の水平断面積:B=0.07065(m2
〈実施例3−1〉
・分離槽内に供給する空気量:A=1.2(m3/h)
・A/B=17.0〔(m3/h)/m2
・気泡発生装置:自給式微細気泡発生装置のみ使用
〈実施例3−2〉
・分離槽内に供給する空気量:A=6.0(m3/h)
・A/B=84.9〔(m3/h)/m2
・気泡発生装置:散気板のみ使用
〈実施例3−3〉
・分離槽内に供給する空気量:A=6.0(m3/h)
・A/B=84.9〔(m3/h)/m2
・気泡発生装置:散気板と自給式微細気泡発生装置を併用
(試験条件)
(a)分離槽内は予め原水で満水とし、60(分)バッチ式で廃水処理を行った。
(b)廃水処理で使用した原水、処理水は10(分)経過毎に採取し、COD(アルカリ法による)、濁度、色度を測定した。
本実施例では、実施例3−2では分離槽内に気泡のみを供給した場合、実施例3−3では分離槽内に気泡と微細気泡とを供給した場合、実施例3−1では分離槽内に微細気泡のみを供給し、且つA/B<20である場合の比較となる。
図5より、各実施例は、試験開始時の原水CODは40〜50(mg/L)の範囲であり、運転時間が経過するにつれて処理水のCODは約20(mg/L)まで低下して廃水処理が安定した。ここで処理水CODが約20(mg/L)に到達するまでの運転時間に着目すると、実施例3−1において60(分)、実施例3−2において20(分)、実施例3−3において10(分)であり、実施例3−3は実施例3−1と比べて6倍、実施例3−2と比べて2倍の速さで廃水処理が行われており、処理速度を向上させる効果が確認された。
図6より、各実施例は、試験開始時の原水の濁度は35〜85(NTU)の範囲であり、運転時間が経過するにつれて処理水の濁度は10(NTU)未満まで低下して廃水処理が安定した。ここで濁度が10(NTU)未満になるまでの運転時間に着目すると、実施例3−1において60(分)、実施例3−2において20(分)、実施例3−3において20(分)であり、実施例3−3は実施例3−1と比べて3倍の速さ、実施例3−2と等倍の速さで廃水処理が行われており、処理速度を向上させる効果が確認された。
図7より、各実施例は、試験開始時の原水の色度は280〜390(度)の範囲であり、運転時間が60(分)経過した時点で、実施例3−1の色度は179(度)、実施例3−2の色度は119(度)、実施例3−3の色度は53(度)まで低下し、廃水処理性能に差が見られた。ここで処理水の色度が約180(度)に到達するまでの時間に着目すると、実施例3−1は60(分)、実施例3−2は20(分)、実施例3−3は10(分)であり、実施例3−3は実施例3−1と比べて6倍、実施例3−2と比べて2倍の速さで廃水処理が行われており、処理速度を向上させる効果が確認された。また微細気泡を大量に発生することにより、色度がより低下する。
以上のことから、まず分離槽内に供給する空気量(A)と分離槽の水平断面積(B)が、A/B≧20であれば、原水と微細気泡の接触が効率よく行われ、CODに加えて濁度、色度の観点からも廃水処理が安定するまでの処理速度がA/B<20と比べて2〜3倍程度早くなり、廃水処理の運転時間を短縮することができる。次に分離槽内に供給する空気は、微細気泡であることにより、原水と微細気泡の接触が効率よく行われ、COD、色度それぞれにおいて廃水処理が安定するまでの処理速度が2倍程度向上し、廃水処理の運転時間を短縮することができる。特に色度については、分離槽内に微細気泡を多く供給することにより、廃水処理による色度の低下の割合はより向上する。また、自給式微細気泡発生装置と散気板の併用により、大量の微細気泡を発生させることができる。
〔実施例4〕
次に、実際に水中生物として魚類を飼育している水槽に対して、魚類を飼育する水中生物飼育水の浄化設備内に本発明の泡沫分離装置を設置した場合と、設置していない場合について、それぞれ試験装置を作成して試験を実施し、水中生物飼育水の浄化の評価を行った。
図8の(a)に示す本発明の泡沫分離装置19を浄化設備内に設置した装置と、図8の(b)に示す本発明の泡沫分離装置19を浄化設備内に設置していない装置をそれぞれ作製し、水中生物飼育水の浄化試験を以下の条件で実施した。なお、水中生物飼育水の浄化を全く行わない場合には水中生物(魚類)によって時間の経過と共に水質(濁度、色度)は悪化する。試験結果を図9〜図10に示す。
(水中生物飼育水の浄化条件)
・実験期間:42日
・飼育水槽の有効水量:0.75(m3
・飼育水槽に占める魚体密度:5(kg/m3
・ろ過器に用いた砂:φ0.6(mm)のケイ砂
・ろ過器の流量:0.8(m3/h)
<実施例4>
魚を飼育する飼育水槽16、濁度計17、ろ過器18、泡沫分離装置19を接続した水中生物飼育水の閉鎖型浄化試験装置を用いて水中生物飼育水の浄化を行った(図8の(a)参照)。この試験装置は、飼育水槽16から水中生物飼育水を循環させる配管を接続し、飼育水槽16から配管に設けられた濁度計17、ろ過器18、泡沫分離装置19を通って飼育水槽16に水中生物飼育水を流して循環を行うものである。
(泡沫分離装置の処理条件)
・気泡発生装置:散気板と自給式微細気泡発生装置を併用
・分離槽:有効容量13.6(L)
・分離槽内に供給する空気量:A=0.36(m3/h)
・分離槽の水平断面積:B=0.01766(m2
・A/B=20.4〔(m3/h)/(m2)〕
・泡沫分離装置の流量:0.42(m3/h)
<比較例4>
魚を飼育する飼育水槽16、濁度計17、ろ過器18を接続した水中生物飼育水の閉鎖型浄化試験装置を用いて水中生物飼育水の浄化を行った(図8の(b)参照)。この試験装置は、飼育水槽16から水中生物飼育水を循環させる配管を接続し、飼育水槽16から配管に設けられた濁度計17、ろ過器18を通って飼育水槽16に水中生物飼育水を流して循環を行うものである。
(試験条件)
(a)飼育水槽16内の水中生物飼育水を流量0.24(m3/h)にて濁度計17へ通水させながら、同時に流量0.8(m3/h)でろ過器18へ通水させ、実施例4ではろ過された水中生物飼育水と、ろ過器18と並列に接続された泡沫分離装置19で泡沫分離処理を行った後、飼育水槽16へ戻すことで水中生物飼育水の循環を行い、比較例4ではろ過された水中生物飼育水だけを飼育水槽16へ戻すことで水中生物飼育水の循環を行った。
(b)実験期間内において、循環する水中生物飼育水を濁度計17で濁度の連続測定を行い、濁度計17から水中生物飼育水を取り出して色度を測定した。
図9より、比較例4の濁度は0.18〜0.49(NTU)の範囲にあり、実施例4の濁度は0.08〜0.20(NTU)の範囲であった。比較例1は飼育水槽内で飼育されている水中生物(魚類)により実験日数が経過するに連れて濁度が増加していく傾向を示したことに対し、実施例4は実験日数が経過しても濁度はほぼ変化せずに実験開始時期のまま維持する傾向を示しており、本発明の泡沫分離装置を用いることで水中生物飼育水の浄化を行うことができる。
図10より、比較例4の色度は5〜24(度)の範囲にあり、実施例4の色度は、0〜8(度)の範囲であった。比較例4は飼育水槽内で飼育されている水中生物(魚類)により10(度)付近で推移していたのに対し、実施例4は5(度)付近で推移しており、本発明の泡沫分離装置を用いることで水中生物飼育水の浄化を行うことができる。
以上のことから、分離槽内に供給する空気量(A)と分離槽の水平断面積(B)が、水中生物飼育水の浄化設備内に浮上分離装置を用いてA/B≧20の範囲内で使用することにより、泡沫分離処理において水中生物飼育水と微細気泡の接触が効率よく行われ、水中生物(魚類)によって時間の経過と共に水質(濁度や色度)が悪化する水中生物飼育水を浄化することができ、初期の清潔な水中生物飼育水の状態から濁度と色度の増加を抑制して水質の悪化を抑制することができる。また、本発明は水中生物飼育の際に敬遠される薬液やオゾンの添加や、電気分解により生成する酸化剤の添加を行うことなく、安全に水中生物飼育水の浄化を行うことができる。
本発明における実施形態を示した構成図である。 浮上分離処理における微細気泡を含む水流が気泡を剪断する状態を示した概念図である。 本発明の実施例1において、擬似廃水を用いた場合の分離槽の水平断面積に対して供給する空気量を変えた場合の運転時間に対するCOD除去率の推移を示したグラフである。 本発明の実施例2において、実廃水を用いた場合の分離槽の水平断面積に対して供給する空気量を変えた場合の運転時間に対するCOD除去率の推移を示したグラフである。 本発明の実施例3において、異なる気泡発生装置を用いた場合の運転時間に対するCODの推移を示したグラフである。 本発明の実施例3において、異なる気泡発生装置を用いた場合の運転時間に対する濁度の推移を示したグラフである。 本発明の実施例3において、異なる気泡発生装置を用いた場合の運転時間に対する色度の推移を示したグラフである。 水中生物飼育水の浄化を行う閉鎖型浄化実験装置を示す模式図である。 本発明の実施例4において、泡沫分離装置を用いる場合と用いない場合の実験日数に対する濁度の推移を示したグラフである。 本発明の実施例4において、泡沫分離装置を用いる場合と用いない場合の実験日数に対する色度の推移を示したグラフである。 従来の発泡成分である界面活性剤を含む汚水を浄化する装置例の概要である。 図11の回転翼装置の概略断面図である。
符号の説明
1 分離槽
2 有機性廃水(原水)
3 泡沫分離水
4 処理水
5 遮蔽板
6 自給式微細気泡発生装置
7 散気板
8 吸気口
9 吸気口
10 ブロワ
11 気泡
12 微細気泡
13 泡沫
14 微細気泡を含む水流
15 気泡の流れ
16 飼育水槽
17 濁度計
18 ろ過器
19 泡沫分離装置
101 処理槽
102 泡沫
103 回転翼装置
103a 回転翼
103b 回転軸
103c 軸受
103d 中空管
103e 気体取入口
103f 気体吹出口
103g モーター
104 濾過槽

Claims (10)

  1. 分離槽内の有機性廃水に空気を供給して該有機性廃水を処理する浮上分離処理方法において、該分離槽内に供給する空気量を該分離槽の水平断面積に基づいて設定することを特徴とする有機性廃水の浮上分離処理方法。
  2. 前記空気量、および前記分離槽の水平断面積が、以下の関係式を満たす請求項1に記載の有機性廃水の浮上分離処理方法。
    A/B≧20 (1)
    A;分離槽内に供給する空気量(m3/h)
    B;分離槽の水平断面積(m2
  3. 前記分離槽の水平断面積が0.01m2から10m2の範囲である請求項2に記載の有機性廃水の浮上分離処理方法。
  4. 前記分離槽に供給する空気が微細気泡である請求項1乃至3のいずれかに記載の有機性廃水の浮上分離処理方法。
  5. 前記微細気泡が、気泡のみを発生させる手段によって気泡を発生させた後、微細気泡を発生させ且つ該気泡を剪断する手段によって発生する請求項4に記載の有機性廃水の浮上分離処理方法。
  6. 当該有機性廃水の浮上分離処理方法が泡沫分離方法である請求項1乃至5のいずれかに記載の有機性廃水の浮上分離処理方法。
  7. 前記有機性廃水の浮上分離処理方法を、水中生物飼育水の浄化に用いた請求項1乃至6のいずれかに記載の有機性廃水の浮上分離処理方法。
  8. 浮上分離処理を行う分離槽と、気泡のみを発生させる手段と、該手段の上方に微細気泡を発生させ且つ該気泡を剪断する手段とを有することを特徴とする有機性廃水の浮上分離処理装置。
  9. 前記気泡のみを発生させる手段が散気板であり、前記微細気泡を発生させ且つ該気泡を剪断する手段が自給式微細気泡発生装置である請求項8に記載の有機性廃水の浮上分離処理装置。
  10. 前記有機性廃水の浮上分離処理装置を、水中生物飼育水の浄化設備内に配置した請求項8または9記載の有機性廃水の浮上分離処理装置。
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