JP4369804B2 - 有機性廃水の浮上分離処理方法 - Google Patents

有機性廃水の浮上分離処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、漁業、水産加工業、食品加工業、洗浄業、化学工業、鋳造工業、建設土木工業、金属工業、繊維工業、色材工業、皮革工業、パルプ工業等の各種産業において発生する発泡成分を含む有機性廃水の浮上分離処理方法に関するものである。
従来、発泡成分を含む有機性廃水の処理方法としては浮上分離処理方法が良く用いられていた。浮上分離処理方法には、泡沫分離方法や加圧浮上方法などが有るが、中でも、泡沫分離方法は、発泡成分を含む有機性排水中の発泡成分除去手段として良く用いられており、例えば、図8に示すような散気管によって泡を発生させて泡沫分離を行い、水棲生物の飼育水を浄化する処理システムのフローが提案されている(特許文献1参照)。
この方法は、飼育水槽からの被処理水である原水82を泡沫分離装置81の下方側から流入管83を介して内筒84に流入させ、内筒84内に空気供給管87を介して空気86を導入させることにより微細な泡85を気泡混入部である散気管88から発生させる。発生した微細な泡85を開口から排出し、泡85を分離した処理水89は内筒84から離隔された外周に設けられた外筒90により内筒84の側壁に沿って下方側へ導かれ、外筒90の開口部周囲の内側に設けられ、開口周囲に泡排出通路92を形成している堰91により気液分離され、堰91を超えた泡85を含んだ汚泡水93を泡排出管94を介して外部へ排出するようにしたものであり、原水82を気泡混入部下部より導入させて飼育水中の懸濁物や有機物に泡を吸着発泡させ、発泡した泡沫を上下動自在の堰91に設けられた泡排出管94に通過させて槽外部へ排出させるものである。これにより、汚泡水93を効率よく分離、排出することができ、清浄な飼育水での飼育が可能となるものである。
また、加圧浮上方法は、圧力を加えた加圧水を大気圧下の発泡成分を含む有機性排水中に投入し、水の飽和蒸気圧の差で気泡を発生させるものである。水の物性差を利用した気泡発生手段は加圧浮上方法のみであるため、微細な穴から気体を投入する方法や水流によって生じた負圧により気体を吸引し、放出する方法等による浮上分離方法と比べて、発生する気泡径を小さくすることができる。
特開2001−170617号公報
しかしながら、図8に示した従来の処理システムのフローは、流入管83から流入した原水82が、内筒84内で浄化され処理水89を流出管95から流出していくという一方向のみのフローになっていて、原水82と泡85を繰り返し接触させる手法が取り入れられていなかった。そのため、原水82と泡85の接触頻度が少ないという問題があり、十分な泡沫分離を行うには、一槽内での泡沫分離処理時間を極めて長く取らなければならないという問題があった。
また、処理水89を多く得ながら処理時間を短縮しようとすると、泡沫分離装置81内の水の流れが速くなり、泡85に接触しない発泡成分が多く存在してしまい、原水82中の発泡成分が十分に発泡されないまま系外へ流出し、周囲の水環境を悪化させるという問題があった。
一方、加圧浮上方法では、運転管理が困難なため、処理水質が一定にならずにバラツキが見られるという問題があった。
本発明は、以上のような従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、その課題は、発泡成分を含む有機性廃水を効率よく、且つ、短時間で一定の処理水質に処理しうる浮上分離処理方法を提供することにある。
本発明の第一は、発泡成分を含む有機性廃水の浮上分離処理方法であって、気泡発生手段が設けられた浮上分離槽内において、上記有機性廃水より発泡成分が除去された槽内水を再び浮上分離槽内に戻して循環させ、
上記浮上分離槽が、気泡発生エリアと気液分離流路と水位調整エリアと処理水排出エリアとで構成され、
上記気泡発生エリアと気液分離流路とが上部において互いに連通するように気液分離板によって仕切られ、
上記気液分離流路と水位調整エリアとが底部において互いに連通するように仕切り板によって仕切られ、
上記水位調整エリアに隣接して処理水排出エリアが設けられ、
上記気液分離流路及び水位調整エリアを経て、該水位調整エリアを超えて処理水排出エリアに流入した処理水が外部に排出され、
上記気泡発生エリアに上記気泡発生手段と有機性廃水の導入口が設けられ、上記気液分離流路に流入した槽内水の一部が上記気泡発生エリアに循環される経路を有し、当該浮上分離槽内を循環する槽内水の循環流量が、以下の関係式を満たすことを特徴とする。
A>B×0.5 (1)
(A+B)/C<D (2)
A:槽内水の循環流量(m3/h)
B:浮上分離槽内に流入する有機性廃水流量(m3/h)
C:気液分離流路の断面積(m2
D:気泡発生手段によって発生した気泡の浮上速度(m/h)
本発明の第二は、発泡成分を含む有機性廃水の浮上分離処理方法であって、気泡発生手段が設けられた浮上分離槽内において、上記有機性廃水より発泡成分が除去された槽内水を再び浮上分離槽内に戻して循環させ、
上記浮上分離槽が、気泡発生エリアと第一及び第二の気液分離流路と水位調整エリアと処理水排出エリアとで構成され、
上記第一気液分離流路が、第一気液分離板と浮上分離槽の内部側面の仕切り板との間に形成され、上記仕切り板によって仕切られた水位調整エリアとは底部において連通し、
上記第二気液分離流路が、第一気液分離板とこれと平行に並べられた第二気液分離板との間に形成され、気泡発生エリア及び第一気液分離流路とはそれぞれ上部において連通し、
水位調整エリアに隣接して処理水排出エリアが設けられ、
上記第一気液分離流路及び水位調整エリアを経て、該水位調整エリアを超えて処理水排出エリアに流入した処理水が外部に排出され、
上記気泡発生エリアに上記気泡発生手段と有機性廃水の導入口が設けられ、上記第二気液分離流路に流入した槽内水の一部が上記気泡発生エリアに循環される経路を有し、当該浮上分離槽内を循環する槽内水の循環流量が、以下の関係式を満たすことを特徴とする
A>B×0.5 (1)
(A+B)/C<D (2)
A:槽内水の循環流量(m 3 /h)
B:浮上分離槽内に流入する有機性廃水流量(m 3 /h)
C:第一気液分離流路の断面積(m 2
D:気泡発生手段によって発生した気泡の浮上速度(m/h)
A>B×0.5 (1)
(A+B)/C<D (2)
A:槽内水の循環流量(m3/h)
B:浮上分離槽内に流入する有機性廃水流量(m3/h)
C:気液分離流路の断面積(m2
D:気泡発生手段によって発生した気泡の浮上速度(m/h)
本発明において、浮上分離処理方法は、泡沫分離方法が好ましく、また、気泡発生手段としては、自吸式気泡発生装置が好ましく用いられる。
本発明においては、以下のような優れた効果が得られる。
(1)浮上分離槽の槽内水を循環させることにより、発泡成分を含む有機性廃水の発泡成分と気泡との接触の機会が増加するため、発泡効率が良くなり、汚濁物質が濃縮された発泡成分を分離することで、発泡成分を含む有機廃水から発泡成分を効率よく除去することができる。
(2)有機性廃水の発泡効率が良いため、発泡に要する処理時間を短縮することができ、浮上分離槽内の水の流れを速くしても有機性廃水中の発泡成分を十分に発泡させることができ、有機性廃水の処理性能を向上させることができる。
(3)槽内水の循環流量を、本発明に係る特定の関係式を満たす範囲に設定することで、有機性廃水中の発泡成分と気泡を効率よく接触、発泡させると共に、気泡が槽内循環によって処理水に混ざることがないため、槽内水を循環させない場合に比較して、COD(化学的酸素要求量)の除去率を約7割程度向上することができる。
(4)浮上分離処理方法として泡沫分離方法を用いることにより、処理設備をコンパクトに設定することができ、運転管理が容易で一定の処理水質を得ることができる。
(5)泡沫分離方法に使用する気泡発生手段として自吸式気泡発生装置を用いることにより、気体供給手段に気体導入ラインやポンプ等の設備別途必要としないため、処理設備をコンパクトにすることができる。
本発明の処理方法は、浮上分離槽内において処理された槽内水を再び槽内に戻して循環させることに特徴を有し、さらに詳しくは、発泡成分が除去された槽内水を、槽内の配管経路或いは槽外の配管経路を通じてポンプ等の槽内水移送手段により再度、浮上分離槽内に戻して循環させることに特徴を有する。
本発明において、浮上分離槽の槽内水を循環させることにより、発泡成分を含む有機性廃水を発泡させる際に、該有機性廃水中に溶存乃至分散している発泡成分と、気泡発生手段により発生させた気泡を接触させる機会が増加するため発泡効率が良くなり、汚濁物質が濃縮された発泡成分を分離させることで、発泡成分を含む有機性廃水から発泡成分を除去することができる。また、発泡効率が良くなることで、発泡に要する処理時間を短縮することができ、浮上分離槽内の水の流れを速くしても発泡成分を十分発泡させることができ、有機性廃水の処理性能を向上させることができる。
尚、本発明において、有機性廃水に含まれる発泡成分とは、タンパク質や界面活性剤等の起泡作用を有するものであり、気泡とは、気泡発生手段で生成される気泡を意味し、泡沫とは、気泡発生手段から発生した気泡が発泡成分により起泡して水面上に生成した発泡成分と汚濁物質を含むものである。また、本発明における槽内水とは、浮上分離槽内に貯留されている流体であり、処理水とは、浮上分離槽内にて、有機性廃水から発泡成分が除去されたものを言う。
本発明においては、浮上分離槽が、気液分離板によって気泡発生エリアと気液分離流路とに互いに連通するように仕切られ、上記気泡発生エリアに上記気泡発生手段と有機性廃水の導入口が設けられ、上記気液分離流路が処理水の排出エリアに連絡され、且つ該気液分離流路に流入した槽内水の一部が上記気泡発生エリアに循環される経路を有し、当該浮上分離槽内を循環する槽内水の循環流量が、以下の関係式を満たすことが望ましい。
A>B×0.5 (1)
(A+B)/C<D (2)
A:槽内水の循環流量(m3/h)
B:浮上分離槽内に流入する有機性廃水流量(m3/h)
C:気液分離流路の断面積(m2
D:気泡発生手段によって発生した気泡の浮上速度(m/h)
浮上分離槽内の水の流れにおいて、発泡成分を含む有機廃水の導入流速と気泡による槽内攪拌だけでは、有機廃水と気泡の接触頻度が少なくなり、発泡成分が十分に除去されないまま処理水として系外に排出されてしまう。そのため、処理水の水質を一定レベル以上に保つためには、槽内水の循環流量Aが、浮上分離槽内に流入する有機性廃水流量Bの50%を超えるように上記(1)式を満たす必要がある。さらに、図3に示すように、気泡発生エリアに導入される水量、即ち、循環流量Aと有機性廃水流量Bとの和を、気液分離流路の断面積Cで商して導かれる、気液分離流路を流れる槽内水の流速Vが、気泡発生エリアで発生した気泡の浮上速度Dよりも速い場合には、泡沫の一部が浮上分離槽の水面上に生成して外へ排出される前に、槽内水の流れに巻き込まれて処理水と混合し、処理水の水質を低下させてしまう。よって、上記(2)式を満たし、気液分離流路の流速(A+B)/Cを気泡の浮上速度D未満になるように設定することにより、処理水の水質を一定レベル以上に保つことができる。
本発明の浮上分離処理方法としては、泡沫分離方法、加圧分離方法、常圧浮上法など、発泡成分を含む有機性廃水から該発泡成分を除去しうる方法であれば、特に限定されるものではないが、泡沫分離方法は、処理設備をコンパクトに設定することができ、運転管理が容易で一定の処理水質を得ることができるので本発明に好適に使用される。
また、本発明に用いられる気泡発生手段としては、自吸式気泡発生装置、加圧式気泡発生装置、散気板など、気泡を発生させうるものであれば、特に限定されるものではないが、自吸式気泡発生装置は、気体供給手段に気体導入ラインやポンプ等の設備を別途必要としないため、処理設備をコンパクトに設定することができるため、好適に使用される。
尚、本発明において、気液分離流路の水平方向の断面積は、浮上分離処理を十分に行うことができれば、特に限定されるものではないが、全体の有効容量を変えずにより多くの有機性廃水を処理する場合には、気泡発生エリアにおいて十分に発泡成分を浮上分離させることができる容量さえ確保できていれば、気液分離流路の水平方向の断面積を大きくしても構わない。
以下、本発明の処理方法について具体的な実施形態を挙げて詳細に説明する。
図1は、本発明の有機性廃水の浮上分離処理方法を泡沫分離方法により実施する浮上分離槽の一構成例を示す断面模式図であり、1は泡沫分離槽(浮上分離槽)、2は気泡発生エリア、3は気液分離流路、4は循環水採取エリア、5は処理水排出エリア、6は吸気管、7は気泡発生装置、8は泡沫、9は泡沫掻寄機、10は仕切板、11は気液分離板、12は循環ポンプ、13は循環経路、14は有機性廃水(原水)、15は気泡、16は処理水である。
図1において、本発明の浮上分離槽に相当する泡沫分離槽1は、気泡発生エリア2,気液分離流路3、循環水採取エリア4、処理水排出エリア5の四つのエリアで構成されている。気泡発生エリア2は、底部に気体導入口の吸気管6を伴った気泡発生手段である気泡発生装置7を有しており、上部に発生した泡沫8を掻き取る泡沫掻寄機9を有している。気液分離流路3は、泡沫分離槽1の内部側面の仕切板10と泡沫掻寄機9の下方に設置された気液分離板11間に形成されている。循環水採取エリア4は底部が気液分離流路3に連通しており、気液分離流路3付近の循環水採取エリア4底部に循環ポンプ12が設けられており、さらに循環経路13によって循環ポンプ12と気泡発生エリア2が連通されるように構成されている。処理水排出エリア5は、前記循環水採取エリア4に隣接して設けられている。
図1の泡沫分離槽1においては、先ず、発泡成分を含む有機性廃水14(以下、「原水」と記す)が泡沫分離槽1内の気泡発生エリア2へ導入される。導入された原水14は、気泡発生エリア2内にて一定時間滞留すると共に、吸気管6を通して大気中から空気が導入されて気泡発生装置7より気泡15が発生することで気泡発生エリア2に滞留する原水14中に溶解している発泡成分が発泡し、気泡発生エリア2上部へ浮上して水面上に泡沫8を生成する。浮上した泡沫8は泡沫掻き寄せ機9により排出口(不図示)を通って泡沫分離槽1から排出されることで泡沫分離処理が行われる。原水14から泡沫8が除去された槽内水は、気液分離流路3を通過し、循環水採取エリア4へ移動する。循環水採取エリア4に移動した槽内水は一定量が循環ポンプ12によって循環経路13を通って再び気泡発生エリア2に導入され、繰り返し泡沫分離処理される。本泡沫分離槽1内における水の流れは図2に示すようになっており、槽内循環されることで気泡と発泡成分とを接触させる機会を増加させ、水の流れが速くなっても発泡成分を十分発泡させることができる。
図4に、図1とは異なる浮上分離槽の構成例を示す。図4の浮上分離槽1では、循環ポンプ12が気液分離流路3の下部に設置され、図1の循環水採取エリア4が水位調整エリア41である以外は、図1の浮上分離槽と同じ構成である。
また、図5にさらに異なる構成例を示す。図中、50は仕切板、51は第一気液分離板、52は第二気液分離板、53は第一気液分離流路、54は第二気液分離流路である。図5の泡沫分離槽1は、気泡発生エリア2、第一気液分離流路53、第2気液分離流路54、水位調整エリア41、処理水排出エリア5の五つのエリアで構成されている。第一気液分離流路53は、泡沫分離槽2の内部側面の仕切板50と第一気液分離板51との間に形成され、底部は水位調整エリア41と連通している。第二気液分離流路54は、第一気液分離板51とこれと平行に並べられた第二気液分離板52との間に形成され、循環経路13により、気泡発生エリア2と連通しているが、他のエリアとは直接には隔離されている。
図5の泡沫分離槽1は、原水14から泡沫分離された槽内水の一定量が第二気液分離流路54と気泡発生エリア2を連通する循環経路13によって循環する。泡沫分離処理された処理水16は、第一気液分離流路53、水位調整エリア41、処理水排出エリア5を通って、原水14の導入量だけ系外へ排出される。
(試験例1)
実際の漁港より採取した水揚げ、荷捌き廃水を原水とし、図1に示した構成の泡沫分離槽を用いて、本発明の処理を実施した。
〔CODの測定方法〕
処理水のCODはJIS K0102 19に準拠し、アルカリ性過マンガン酸カリウムによる酸素消費量により測定した。
〔廃水処理条件〕
・泡沫分離槽:自吸式泡沫分離槽、有効容量500L、滞留時間120分
・原水流量:0.25m3/h
・泡沫発生量(運転時間180分後の発生量):54L
・槽内水の循環流量:0.5m3/h
・気液分離流路の断面積:0.12m2
〔測定条件〕
(a)泡沫分離槽内を予め原水で満水とし、120分バッチ式で泡沫分離処理を行い、事前に槽内水を清浄にした後、上記原水流量を通水し、連続運転を開始する。
(b)バッチ運転の際、槽内水の循環を実施する。
(c)廃水処理で使用した原水、処理水は60分経過毎に採取し、CODを測定する。
(比較例1)
バッチ運転の際に槽内水の循環を行わず、原水流量を0.25m3/h、泡沫発生量(運転時間180分後の発生量)24Lとして、槽内水の循環を行わない以外は試験例1と同様に処理を行った。
試験例1,比較例1の結果を図6に示す。図6から明らかなように、原水水質はバラツキがあるものの、概ねCOD=50〜60mg/Lの範囲にあり、試験例1の場合、処理水のCODは13.0mg/L程度に減少し、運転時間が180分を経過した時点でも、13.6mg/Lであった。ここで、泡沫分離槽における滞留時間が120分であることから、運転時間180分における処理水の原水は運転時間60分における原水に該当する。運転時間60分における原水のCODは48.1mg/Lであったから、試験例1の場合、COD除去率は72%である。
一方、比較例1では、CODは時間の経過と共に減少しているが、運転時間が180分を経過した時点でも、処理水のCODは38.3mg/Lであった。ここで、泡沫分離槽における滞留時間が120分であることから、運転時間180分における処理水の原水は運転時間60分における原水に該当する。運転時間60分における原水のCODは66.2mg/Lであったから、比較例1のCOD除去率は42%であった。
このことから、泡沫分離槽の槽内水を循環させない場合と比べて、循環させる本発明の処理方法では、COD除去率が約7割程度向上することがわかった。
(試験例2〜6)
槽内水の循環流量を変化させて処理の比較を行った。
〔廃水処理条件〕
・泡沫分離槽:自吸式泡沫分離槽、有効容量500L、滞留時間30分
・原水流量:1.00m3/h
・槽内水の循環流量:0.5,0.6,1.0,2.0,3.0m3/h
・気液分離流路の断面積:0.12m2
〔測定条件〕
(a)槽内水の循環流量を変更する前に、予め循環流量=2.0m3/hで廃水処理を施して事前に槽内水を清浄にした後、槽内水の循環流量を変更した時点を運転時間0分とする。
(b)廃水処理で使用した原水、処理水は60分経過毎に採取し、CODを測定する。
結果を図7に示す。図7から明らかなように、原水水質はバラツキがあるものの、概ねCODは20〜40mg/Lの範囲にあり、試験例3〜5の場合、原水に比べて処理水のCODは概ね13.0mg/L程度に減少して安定しているため、この循環流量の範囲内であれば、確実で常に安定した廃水処理性能を示すことが確認された。
本試験において泡沫分離槽から発生する気泡の大きさは直径が約180μmであった。この大きさの泡沫の気泡浮上速度は27.9m/hと推測できる。このことは、公知技術より導き出され、例えば特開2002−143885号公報にも開示されている。また、槽内水の循環流量を変えた時の泡沫分離槽内における気液分離流路の水の流速はそれぞれ、試験例2で12.5m/h、試験例3で13.3m/h、試験例4で17.0m/h、試験例5で25.0m/h、試験例6で33.0m/hであった。試験例2〜5において、泡沫分離方法を用いた槽内水の循環流量Aが泡沫分離槽内に導入される有機性廃水流量Bの50%を超えており、且つ、気液分離流路の水の流速が、気泡の浮上速度D未満であることから、常に安定して確実に、有機性廃水から発泡成分を除去する効果が得られる。
本発明の処理方法を実施する浮上分離槽の一構成例の断面模式図である。 本発明の処理方法における浮上分離槽内の水の流れを示した模式図である。 浮上分離槽内の気液分離流路における浮上分離の状態を示した模式図である。 本発明の処理方法を実施する浮上分離槽の他の構成例の断面模式図である。 本発明の処理方法を実施する浮上分離槽の他の構成例の断面模式図である。 本発明の実施例の試験例1と比較例1における運転時間と処理水質との関係を示すグラフである。 本発明の実施例の試験例2〜6における運転時間と処理水質との関係を示すグラフである。 従来の発泡成分を含む有機性廃水の浮上分離処理方法における処理装置を示す断面模式図である。
符号の説明
1 泡沫分離槽
2 気泡発生エリア
3 気液分離流路
4 循環水採取エリア
5 処理水排出エリア
6 吸気管
7 気泡発生装置
8 泡沫
9 泡沫掻寄機
10 仕切板
11 気液分離板
12 循環ポンプ
13 循環経路
14 有機性廃水(原水)
15 気泡
16 処理水
41 水位調整エリア
50 仕切板
51 第一気液分離板
52 第二気液分離板
53 第一気液分離流路
54 第二気液分離流路
81 泡沫分離装置
82 原水
83 流入管
84 内筒
85 泡
86 空気
87 空気供給管
88 散気管
89 処理水
90 外筒
91 堰
92 泡排出通路
93 汚泡水
94 泡排出管

Claims (2)

  1. 発泡成分を含む有機性廃水の浮上分離処理方法であって、気泡発生手段が設けられた浮上分離槽内において、上記有機性廃水より発泡成分が除去された槽内水を再び浮上分離槽内に戻して循環させ、
    上記浮上分離槽が、気泡発生エリアと気液分離流路と水位調整エリアと処理水排出エリアとで構成され、
    上記気泡発生エリアと気液分離流路とが上部において互いに連通するように気液分離板によって仕切られ、
    上記気液分離流路と水位調整エリアとが底部において互いに連通するように仕切り板によって仕切られ、
    上記水位調整エリアに隣接して処理水排出エリアが設けられ、
    上記気液分離流路及び水位調整エリアを経て、該水位調整エリアを超えて処理水排出エリアに流入した処理水が外部に排出され、
    上記気泡発生エリアに上記気泡発生手段と有機性廃水の導入口が設けられ、上記気液分離流路に流入した槽内水の一部が上記気泡発生エリアに循環される経路を有し、当該浮上分離槽内を循環する槽内水の循環流量が、以下の関係式を満たすことを特徴とする有機性廃水の浮上分離処理方法。
    A>B×0.5 (1)
    (A+B)/C<D (2)
    A:槽内水の循環流量(m3/h)
    B:浮上分離槽内に流入する有機性廃水流量(m3/h)
    C:気液分離流路の断面積(m2
    D:気泡発生手段によって発生した気泡の浮上速度(m/h)
  2. 発泡成分を含む有機性廃水の浮上分離処理方法であって、気泡発生手段が設けられた浮上分離槽内において、上記有機性廃水より発泡成分が除去された槽内水を再び浮上分離槽内に戻して循環させ、
    上記浮上分離槽が、気泡発生エリアと第一及び第二の気液分離流路と水位調整エリアと処理水排出エリアとで構成され、
    上記第一気液分離流路が、第一気液分離板と浮上分離槽の内部側面の仕切り板との間に形成され、上記仕切り板によって仕切られた水位調整エリアとは底部において連通し、
    上記第二気液分離流路が、第一気液分離板とこれと平行に並べられた第二気液分離板との間に形成され、気泡発生エリア及び第一気液分離流路とはそれぞれ上部において連通し、
    水位調整エリアに隣接して処理水排出エリアが設けられ、
    上記第一気液分離流路及び水位調整エリアを経て、該水位調整エリアを超えて処理水排出エリアに流入した処理水が外部に排出され、
    上記気泡発生エリアに上記気泡発生手段と有機性廃水の導入口が設けられ、上記第二気液分離流路に流入した槽内水の一部が上記気泡発生エリアに循環される経路を有し、当該浮上分離槽内を循環する槽内水の循環流量が、以下の関係式を満たすことを特徴とする有機性廃水の浮上分離処理方法。
    A>B×0.5 (1)
    (A+B)/C<D (2)
    A:槽内水の循環流量(m 3 /h)
    B:浮上分離槽内に流入する有機性廃水流量(m 3 /h)
    C:第一気液分離流路の断面積(m 2
    D:気泡発生手段によって発生した気泡の浮上速度(m/h)
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