JP2007029797A - 染色排水の脱色制御方法及び脱色制御装置並びに排水処理システム - Google Patents

染色排水の脱色制御方法及び脱色制御装置並びに排水処理システム Download PDF

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Abstract

【課題】脱色終点で確実に塩素系酸化剤の添加を終了できる染色排水の脱色制御方法及び装置並びに排水処理システムを提供する。
【解決手段】脱色制御装置1Aは、所定の処理を施された染色排水に塩素系酸化剤を添加して脱色を行う第1脱色槽2及び第2脱色槽3を備えている。塩素系酸化剤貯槽4及び5は、第1脱色槽2及び第2脱色槽3に塩素系酸化剤を注入する。第1脱色槽2及び第2脱色槽3の酸化還元電位(ORP)は、酸化還元電位計8及び9により測定され、測定信号は制御部20に入力される。制御部20は、脱色終点の直前に対応する酸化還元電位で塩素系酸化剤の添加を停止する制御を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、染色排水の脱色制御方法及び脱色制御装置並びに排水処理システム、特に、染色排水の脱色処理を確実に制御することができ、設備費、維持管理費を安価に抑えることができる染色排水の脱色制御方法及び脱色制御装置並びに排水処理システムに関するものである。
染色工場等では、布地を始めとする各種織布や皮革製品等に対し、直接染料、酸性染料、分散染料、反応性染料等の各種の染料、顔料及び染色助剤を用いて染色を行っている。被染色物の染色や水洗の際に、染料、顔料等を含む多量の染色排水が生じる。染色排水は、主に染料、顔料、糊等の物質で構成されている。染色排水を河川に放流する際には、放流基準の観点から、(1)有機物の除去、(2)固形浮遊物(SS)の除去、(3)酸、アルカリの中和等が必要となる。なお、色度成分については、放流基準が設定されていないが、河川が着色すると、環境保全や環境美化の点から問題となる場合がある。
従来は、生物処理と凝集沈殿を組み合わせた方法で、糊成分等の有機物の除去や顔料、布等の固形浮遊物の除去が行われていたが、水に溶解している染料の除去は困難であり、着色したまま染色排水を河川に放流する場合もある。
染色排水の色度成分を除去するためには、次のような各種の方法が行われている。まず、過酸化水素と鉄塩添加による脱色法であるフェントン法では、ほとんどの着色物質の脱色ができるが、設備が複雑で設備費が高く、薬品注入量の制御等維持管理も複雑で、薬品代、スラッジ処理費が高い。また、オゾン処理法では、色素成分のアゾ基のヒドラジン基が酸化されカルボン酸になるため退色するが、酸化力が弱く完全分解できないため、全有機体炭素(TOC)はほとんど変化せず、BODは増加する傾向にある。また、オゾン発生装置等の設備費が非常に高く、色素が残留する場合がある。
活性炭吸着法では、活性炭吸着塔の設備費は比較的安価であるが、有機物が残留する着色排水を吸着除去する場合、色度成分のみを選択的に吸着除去できず、ランニングコストが非常に高くなるという欠点がある。
さらに、特許文献1には、染色排水に次亜塩素酸ナトリウム液を添加して染料成分を分解処理し、次いでその処理水を濾布と活性炭により処理することが開示されている。特許文献1では、染色廃水に次亜塩素酸ナトリウム液を添加することによって染色廃水を酸化脱色し、活性炭により色度成分を吸着しており、次亜塩素酸ナトリウム液と活性炭とを併用することにより脱色を行っている。
また、特許文献2には、染色工程廃水を塩素化イソシアヌール酸を含む錠剤に接触させる染色工程廃水の浄化方法が開示されている。特許文献2では、染色工程廃水に塩素化イソシアヌール酸を含む錠剤を接触させることによって、錠剤中から溶出した塩素化イソシアヌール酸が廃水中の溶存染料を分解して脱色すると共に、廃水のCOD(化学的酸素要求量)及びBOD(生物化学的酸素要求量)を低減している。
特開平7−100469号公報 特公昭63−1114号公報
しかしながら、特許文献1においては、次亜塩素酸ナトリウムの添加量を染色廃水の色の濃度に応じて加減することが記載されているが、変色の終点に応じて次亜塩素酸ナトリウムの添加量を制御することについては、意図していない。また、有機物が残留する場合は、有機物の吸着に活性炭が使われるが、有機物の吸着が飽和に達した際には活性炭を交換しなければならず、ランニングコストが高くなる欠点がある。さらに、特許文献2においては、廃水の脱色、浄化を効率よく達成するために、廃水の流速及び塩素化イソシアヌール酸を含む錠剤の接触表面積を適当に選定することにより行っているが、廃水の流速及び錠剤の接触表面積をどのように制御するかについては、開示していない。
次亜塩素酸ナトリウム等の添加量が適切に調整されていないと、添加する次亜塩素酸ナトリウム等を過剰に加える場合を生じ、このような処理水をそのまま河川に放流することは、環境保全上望ましくない。また、過剰に添加された次亜塩素酸ナトリウム等を中和するために、還元剤を添加することが必要となるが、過剰な次亜塩素酸ナトリウム等及びこれを中和する還元剤のために不要なコストを生じるという問題点があった。
本発明者は、着色状況の異なる染色排水について、次亜塩素酸ナトリウムを添加し脱色前後の吸光度、残留塩素及び酸化還元電位を測定した。その結果、吸光度を測定した場合、580nm付近で吸光度が最大になり、次亜塩素酸ナトリウムの添加により吸光度が確実に減少することが確認できた。ところが、脱色終点の吸光度は染色排水の着色度合いによりばらつきがあるため、吸光度を指標として脱色終点を制御することは困難であった。
また、染色排水に次亜塩素酸ナトリウムを添加し脱色前後の残留塩素を測定したところ、残留塩素は次亜塩素酸ナトリウムを染色排水に添加した当初から計測され、脱色の途中段階と終点とで残留塩素量の値に大きな変化がなく、残留塩素量を指標として脱色終点を制御することは困難であった。
これに対して、染色排水に次亜塩素酸ナトリウムを添加し脱色前後の酸化還元電位を測定したところ、着色の度合いが異なる染色排水のいずれにおいても、脱色終点近辺の酸化還元電位は同程度の値であった。すなわち、次亜塩素酸ナトリウムなどの塩素系酸化剤の添加に伴い、予め染色排水の脱色終点の酸化還元電位を測定しておけば、塩素系酸化剤の添加量を過不足なく添加できることが判明した。
本発明は、このような知見に基づき、従来の課題を解決するためになされたものであり、染色排水の脱色処理を確実に制御することができ、設備費、維持管理費を安価に抑えることができる染色排水の脱色制御方法及び装置並びに排水処理システムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の染色排水の脱色制御方法にあっては、染色排水の脱色処理を制御する方法であって、前記染色排水に塩素系酸化剤を添加しながら前記染色排水の酸化還元電位を測定し、脱色終点の直前に対応する酸化還元電位で前記塩素系酸化剤の添加を停止する制御を行うことを特徴とする。
また、本発明の請求項2に記載の染色排水の脱色制御方法にあっては、染色排水の脱色処理を制御する方法であって、前記染色排水に塩素系酸化剤を添加しながら前記染色排水の酸化還元電位を測定し、脱色終点に対応する酸化還元電位を求め、求めた酸化還元電位を制御値として設定し、この制御値を目標に、前記塩素系酸化剤の添加及び添加の停止を制御することを特徴とする。
また、本発明の請求項3に記載の染色排水の脱色制御方法にあっては、前記染色排水を前記塩素系酸化剤で脱色した後、さらに還元剤で残留塩素を還元することを特徴とする。
また、本発明の請求項4に記載の染色排水の脱色制御装置にあっては、染色排水の脱色処理を制御する装置であって、前記染色排水を収容する脱色槽と、前記脱色槽に塩素系酸化剤を添加する塩素系酸化剤添加部と、前記脱色槽中における前記染色排水の酸化還元電位を測定する酸化還元電位計と、脱色終点の直前に対応する酸化還元電位で前記塩素系酸化剤の添加を停止する制御を行う制御部とを備えたことを特徴とする。
また、本発明の請求項5に記載の染色排水の脱色制御装置にあっては、染色排水の脱色処理を制御する装置であって、前記染色排水を収容する脱色槽と、前記脱色槽に塩素系酸化剤を添加する塩素系酸化剤添加部と、前記脱色槽中における前記染色排水の酸化還元電位を測定する酸化還元電位計と、脱色終点に対応する酸化還元電位を制御値として設定し、この制御値を目標に前記塩素系酸化剤の添加及び添加の停止を制御する制御部とを備えたことを特徴とする。
また、本発明の請求項6に記載の排水処理システムにあっては、水量及び水質を均一にするために排水を貯留する調整槽と、前記調整槽からの排水を中和する中和槽と、前記中和槽からの排水中に含まれる有機物を分解する曝気槽と、前記曝気槽からの排水が導入され、凝集沈殿物を除去する凝集沈殿槽と、前記凝集沈殿槽からの排水を脱色制御する脱色制御装置と、前記脱色制御装置からの排水を還元処理する還元槽と、前記還元槽からの排水を所定の設定条件と比較、監視する監視槽とを備え、前記脱色制御装置は、前記排水を収容する脱色槽と、前記脱色槽に塩素系酸化剤を添加する塩素系酸化剤添加部と、前記脱色槽中における前記排水の酸化還元電位を測定する酸化還元電位計と、脱色終点に対応する酸化還元電位を制御値として設定し、この制御値を目標に前記塩素系酸化剤の添加及び添加の停止を制御する制御部とを備えたことを特徴とする。
本発明にかかる染色排水の脱色制御方法及び脱色制御装置によれば、染色排水に塩素系酸化剤を添加しながら染色排水の酸化還元電位を測定し、脱色終点の直前に対応する酸化還元電位で前記塩素系酸化剤の添加を停止する制御を行う、或いは、求めた酸化還元電位を制御値として設定し、この制御値を目標に、前記塩素系酸化剤の添加及び添加の停止を制御するので、脱色終点で確実に塩素系酸化剤の添加を終了でき、過剰に塩素系酸化剤を添加するのを回避できるため、残留塩素を還元する還元剤の添加量も抑制できるという効果を奏する。
また、本発明にかかる排水処理システムによれば、排水の中和処理、曝気処理、凝集沈殿物除去に加えて脱色処理及び還元処理を行うので、排水中の有機物及び浮遊物除去と共に、脱色終点に対応する酸化還元電位を制御値として設定して塩素系酸化剤の添加を制御するため、確実に塩素系酸化剤の添加を終了でき、過剰に塩素系酸化剤を添加するのを回避できると共に、残留塩素を還元する還元剤の添加量も抑制できるという効果を奏する。
以下に、本発明にかかる染色排水の脱色制御方法及び脱色制御装置並びに排水処理システムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態によって、本発明が限定されるものではない。
本発明による染色排水の脱色制御方法及び脱色制御装置並びに排水処理システムにおいて、脱色制御は、バッチ処理及び連続処理のいずれにも適用することができる。バッチ処理においては、1つの水槽で後述する脱色、還元、監視を行うことができ、脱色対象となる染色排水に塩素系酸化剤を添加しながら染色排水の酸化還元電位を測定する。次に、脱色終点に対応する酸化還元電位を求める操作を行う。バッチ処理では、得られた脱色終点の直前に対応する酸化還元電位によって、塩素系酸化剤の添加を停止する制御を行うことができる。脱色処理する染色排水の水量が比較的少ない場合、例えば10〜20m3/日程度ではバッチ処理が有利に採用される。
これに対して、脱色処理する染色排水の水量が多い場合、例えば1000m3/日では、バッチ処理では水槽容量が大きくなり(例えば染色排水の水量が1000m3/日では1000m3の水槽が必要となる)、現実的ではなくなるため、連続処理が採用される。また、連続処理では、脱色終点に対応する酸化還元電位を求め、求めた酸化還元電位を制御値として設定し、この制御値を目標に前記塩素系酸化剤の添加及び添加の停止を制御する。この制御値は、比較的簡単に実施できるバッチ処理によって予め基礎データを取り、この基礎データから求めておくことができる。すなわち、バッチ処理により脱色終点に対応する酸化還元電位を求め、これを制御値として、連続処理による脱色制御を行うことができる。
本発明にかかる染色排水の脱色制御方法及び脱色制御装置並びに排水処理システムにおいて、以下の実施の形態1〜3では連続処理による脱色制御について説明し、実施の形態4ではバッチ処理による脱色制御について説明する。
(実施の形態1)
以下に、本発明による染色排水の脱色制御方法及び脱色制御装置の実施の形態1を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態1による脱色制御装置を示す概略構成図である。図1において、脱色制御装置1Aは、後述するように所定の処理が施された染色排水に塩素系酸化剤を添加して脱色を行う脱色槽として、第1脱色槽2及び第2脱色槽3を備えている。また、これらの第1脱色槽2及び第2脱色槽3に対して、塩素系酸化剤を供給する塩素系酸化剤貯槽4及び5が設けられており、それぞれ電磁弁6及び7により塩素系酸化剤の供給量が制御されている。なお、塩素系酸化剤は、電磁弁6及び7の下流側に設けられたポンプの電源をそれぞれオン又はオフすることによって供給しても良い。
さらに、第1脱色槽2及び第2脱色槽3には、酸化還元電位(ORP)を測定する酸化還元電位計8及び9がそれぞれ設けられている。なお、図1等において、Pはポンプを表し、Mは攪拌用のモータをそれぞれ示す。
次に、第2脱色槽3に隣接して、還元剤を添加して染色排水の還元を行う還元槽10を備えている。この還元槽10に対して、還元剤を供給する還元剤貯槽11が設けられており、電磁弁12により還元剤の供給量が制御されている。還元槽10には、残留塩素濃度計13を設け、残留塩素濃度計13の設定値に対して還元剤の添加量を制御しても良い。さらに、還元槽10に隣接して、処理水を監視する監視槽14を備えている。監視槽14には、処理水のpH及び残留塩素濃度をそれぞれ監視するpH計15及び残留塩素濃度計16が設けられている。以上の第1脱色槽2、第2脱色槽3、還元槽10及び監視槽14は、開閉自在な流通口17、18及び19によって連通している。
ここで、酸化還元電位計8及び9からの測定信号は制御部20に入力され、制御部20は、測定信号に応じて電磁弁6、7及び12を開閉する制御を行う。或いは、これらの電磁弁6、7及び12の下流側に設けられたポンプの電源をそれぞれオン又はオフすることによって、塩素系酸化剤又は還元剤の添加量を制御しても良い。なお、制御部20は、後述するように、pH計15及び残留塩素濃度計16からの測定信号に基づいて、処理水の放流及び原水調整槽への戻りの制御も行う。さらに、各ポンプの電源をオン又はオフする制御も行うことができる。
第1脱色槽2及び第2脱色槽3で使用される塩素系酸化剤としては、次亜塩素酸ナトリウム、さらし粉、次亜塩素酸カルシウム等を好適に使用することができ、これらを水溶液で使用するのが好ましい。また、還元槽10で使用される還元剤としては、チオ硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム等を好適に使用することができる。なお、以下の説明では、塩素系酸化剤として次亜塩素酸ナトリウムを、還元剤としてチオ硫酸ナトリウムをそれぞれ使用した場合について説明する。
以上のように構成された脱色制御装置1Aで染色排水の脱色処理を行うには、後述する調整槽、中和槽、流動床曝気槽、凝集反応槽及び凝集沈殿槽を経た染色排水を、第1脱色槽2に導入する。第1脱色槽2では、流動床曝気槽及び凝集沈殿槽で除去できなかった着色成分を含んだ排水に、塩素系酸化剤として例えば次亜塩素酸ナトリウムを添加して脱色する。
この時、例えば、後述する実施の形態4におけるバッチ処理によって、次亜塩素酸ナトリウムの添加量と、着色成分を含んだ排水の酸化還元電位との関係を予め求めておく。本発明者は、次亜塩素酸ナトリウムの添加量を増加すると、脱色終点の近傍で急激に酸化還元電位が増大する現象を見出した。すなわち、本来、次亜塩素酸ナトリウムの添加に伴い、酸化還元電位はほぼ直線的に増大するが、次亜塩素酸ナトリウムが着色成分の脱色に消費される間は酸化還元電位が緩やかに増大し、脱色が終了すると次亜塩素酸ナトリウムが着色成分の脱色に消費されなくなるため、脱色終点から酸化還元電位が急激に増大すると考えられる。
脱色の終点付近では、次亜塩素酸ナトリウムの添加により酸化還元電位が急激に増加する現象が起こることから、終点の酸化還元電位を制御値として設定することにより、少量の次亜塩素酸ナトリウムの添加で酸化還元電位が上昇し、次亜塩素酸ナトリウムの過剰添加が起こり難く、制御が容易になる。
ところが、処理水には多種類の物質が混在し脱色の反応系は複雑であるため、脱色終点は酸化還元電位が急激に増大する電位よりも高い電位にずれると考えられる。言い換えると、酸化還元電位が急激に上昇した際に、急激に上昇し始めた酸化還元電位から所定の高い電位が脱色終点となる。具体的には、約550mVで酸化還元電位が急激に増大する場合、この値よりも約100mV〜200mV高い電位、或いは100mV〜300mV高い電位で脱色が終了することを確認した。なお、最終的な脱色の終点は、目視によって決定する。
このような脱色終点に対応する酸化還元電位を、後述する実施の形態4におけるバッチ処理によって求める。すなわち、染色排水に塩素系酸化剤を添加しながら染色排水の酸化還元電位を測定し、脱色終点に対応する酸化還元電位を求める。求めた酸化還元電位を制御値として設定し、この制御値を目標に塩素系酸化剤の添加及び添加の停止を制御することができる。
図1の第1脱色槽2において、脱色終点に対応する制御値を制御部20に入力しておく。次に、第1脱色槽2内の酸化還元電位を酸化還元電位計8で測定し、制御部20に入力する。酸化還元電位が急激に増大し始めた場合には、制御部20が電磁弁6又はポンプをオン又はオフすることにより、次亜塩素酸ナトリウムの添加量を制御する。
例えば、2段の脱色槽を設置し、初段を荒脱色、次段を仕上げの脱色を行うことができる。最終目的の制御値が750mVである場合、初段では、電磁弁6又はポンプの操作により塩素系酸化剤貯槽4から第1脱色槽2に次亜塩素酸ナトリウムを添加し、酸化還元電位が荒脱色の目標値である700mVにおいて、次亜塩素酸ナトリウムの添加を止める制御を制御部20が行う。これにより、排水の着色の大半を消失させることができる。もし、排水の着色が完全に脱色していない場合には、さらに第2脱色槽3でいわば仕上げの脱色を行っても良い。
次に、第1脱色槽2で処理した排水を、流通口17を経由して第2脱色槽3内に導く。第2脱色槽3では、酸化還元電位計9により染色排水の酸化還元電位を測定し、制御部20に入力する。例えば、制御値が750mVである場合、電磁弁7又はポンプの操作により塩素系酸化剤貯槽5から第2脱色槽3に次亜塩素酸ナトリウムを添加し、酸化還元電位が750mVにおいて、次亜塩素酸ナトリウムの添加を止める制御を制御部20が行う。こうして、排水の脱色を正確に終了することができる。
このように、脱色のために過剰な次亜塩素酸ナトリウムを添加する必要が無く、残留塩素を還元するためのチオ硫酸ナトリウムの使用量も減少させることができるので、使用する薬剤のコストを低減することができる。また、最終的に処理水を河川に放流する場合にも、環境保全上望ましい。なお、第1脱色槽2でほとんど排水が脱色され、着色が認められない場合には、次亜塩素酸ナトリウムの注入を止めても良い。第2脱色槽3を第1脱色槽2と併用することにより、処理水の着色状況に応じた脱色処理が可能となる。
次に、第2脱色槽3で処理した排水を、流通口18を経由して還元槽10内に導く。還元槽10では、過剰に注入された次亜塩素酸ナトリウムを還元除去するために、還元剤としてチオ硫酸ナトリウムを添加する。チオ硫酸ナトリウムは、制御部20で電磁弁12を開閉することにより、還元剤貯槽11から還元槽10に添加される。或いは、電磁弁12の下流側に設けられたポンプの電源をオン又はオフすることによって、チオ硫酸ナトリウムの添加量を制御しても良い。還元終点での残留塩素濃度が例えば、3〜5mg/lで安定している場合、これに応じたチオ硫酸ナトリウム量を定量注入する。
さらに、残留塩素濃度計13を用いて、例えば、残留塩素濃度が0.5mg/l以上の場合にはチオ硫酸ナトリウムを注入し、残留塩素濃度が0.2mg/l以下の場合にチオ硫酸ナトリウムの添加を停止する制御を制御部20で行っても良い。
続いて、還元槽10で処理した排水を、流通口19を経由して監視槽14内に導く。監視槽14では、処理水の水素イオン濃度及び残留塩素濃度をそれぞれpH計15及び残留塩素濃度計16により監視し、測定結果は制御部20に入力される。処理水の水素イオン濃度及び残留塩素濃度は、それぞれ予め設定された濃度が制御部20に記憶されており、pH計15及び残留塩素濃度計16による測定結果と照合される。
処理水の水素イオン濃度及び残留塩素濃度が予め設定された濃度範囲内の場合には、処理水を河川等に放流する。一方、処理水の水素イオン濃度及び残留塩素濃度が予め設定された濃度範囲を逸脱する場合には、後述するように、処理水を放流する放流弁を閉じ、処理水を原水調整槽へ戻す戻り弁を開く制御を制御部20が行う。これにより、所定の基準値を超えた排水が河川にそのまま放流されるのを防止することができる。
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2による脱色制御装置を示す概略構成図である。図2において、脱色制御装置1Bは、実施の形態1における図1の脱色制御装置1Aと同様な構成であるが、染色排水に塩素系酸化剤を添加して脱色を行う脱色槽として、第1脱色槽2のみを備えている点が異なる。従って、実施の形態1と同様な構成についての説明は、省略する。
脱色制御装置1Bで染色排水の脱色処理を行うには、後述する調整槽、中和槽、流動床曝気槽、凝集反応槽及び凝集沈殿槽を経た染色排水を、第1脱色槽2に導入する。第1脱色槽2では、流動床曝気槽及び凝集沈殿槽で除去できなかった着色成分を含んだ排水に、塩素系酸化剤として例えば次亜塩素酸ナトリウムを添加して脱色する。
図2の脱色制御装置1Bで染色排水の脱色処理を行うには、実施の形態1と同様に、後述する実施の形態4におけるバッチ処理によって、次亜塩素酸ナトリウムの添加量と、着色成分を含んだ排水の酸化還元電位との関係を予め求め、脱色終点を制御部20に入力しておく。次に、第1脱色槽2内の酸化還元電位を酸化還元電位計8で測定し、制御部20に設定された制御値まで電磁弁6又はポンプをオン又はオフすることにより、次亜塩素酸ナトリウムの添加量を制御する。
具体的には、脱色終点に対応する制御値が700mVである場合、700mV付近で次亜塩素酸ナトリウムの添加を制御する。すなわち、酸化還元電位が680mV未満のとき、電磁弁6又はポンプをオンにして塩素系酸化剤貯槽4から第1脱色槽2に次亜塩素酸ナトリウムを添加する。また、酸化還元電位が720mVを超えるとき、電磁弁6又はポンプをオフにして次亜塩素酸ナトリウムの添加を中止する。
次亜塩素酸ナトリウムの供給を中止したことにより染色排水の酸化還元電位が低下したとき、酸化還元電位が680mV未満で再びポンプをオンにする、或いは電磁弁6を開いて次亜塩素酸ナトリウムを供給する。このように、第1脱色槽2内における染色排水の酸化還元電位は、制御値700mVを中心としてある範囲(680〜720mV)に収まる。さらに、次亜塩素酸ナトリウムの供給及び供給中止を繰り返すことによって、酸化還元電位を制御値700mVに収束させることができ、染色排水の脱色を完全に行うことができる。
もし、脱色が終了していない場合には、制御値を上げることも可能である。例えば、制御値を700mVから750mVに引き上げた場合、酸化還元電位が730mV未満ではポンプをオンにする、或いは電磁弁6を開いて次亜塩素酸ナトリウムを供給する。酸化還元電位が770mVを超えたときに、次亜塩素酸ナトリウムの供給を中止することができる。
次に、第1脱色槽2で処理した排水を、流通口17を経由して還元槽10内に導き、さらに流通口19を経由して、還元槽10で処理した後に染色排水を監視槽14に導き、実施の形態1と同様な処理を行う。
本発明者は、染色排水中の成分が類似している場合、実験上、染色が濃い、中間及び薄い排水でも同様な結果が得られることを確認した。なお、異なる染色排水を脱色する場合には、再度バッチ処理により脱色終点に対応する制御値を求め、この制御値を目標に、連続処理において脱色を行うことができる。
(実施の形態3)
図3は、本発明の実施の形態3による排水処理システムを示す概略構成図であり、排水処理システム100は、実施の形態1で説明した脱色制御装置1Aを備えている。図3において、染色工場等において、被染色物の染色や水洗の際に、染料、顔料等を含む多量の染色排水が生じる。染料としては、種々の化学染料が含まれ、化学染料には、反応染料例えばシバクロンブルー、硫化染料例えばアサシオソール、サルファーブルー7、酸性染料例えばカヤカランブラック等が含まれる。顔料としては、リュウダイW、ニューラクチミン、サンダイスーパー、ネオ、群青等が含まれる。なお、これらの染料や顔料に限らず、種々の染料や顔料等を単独又は混合して含まれていても良い。
このような染料や顔料等を含む染色排水は、まず、水量や水質を可能な限り均一にして、次の排水処理施設にかかる負荷変動を小さくするために原水調整槽21に貯留される。次に、原水調整槽21を経た染色排水は、中和槽22に導入される。
中和槽22では、酸溶液貯槽23及びアルカリ溶液貯槽24にそれぞれ貯められた例えば硫酸及び水酸化ナトリウムが、電磁弁25及び26を開閉することによって注入される。中和槽22内の水素イオン濃度は、pH計27で測定し、測定結果は制御部20に入力される。制御部20は、中和槽22内の染色排水が中性となるように、電磁弁25及び26をオン又はオフして、注入する硫酸及び水酸化ナトリウム量を制御する。或いは、電磁弁25及び26の下流側に設けられたポンプの電源をそれぞれオン又はオフすることによって、注入する硫酸及び水酸化ナトリウム量を制御しても良い。
中和槽22で中和された染色排水は、曝気槽として流動床曝気槽28に導入される。ここで、本発明における曝気槽とは、いわゆる生物処理槽であり、浮遊式の活性汚泥方式ではなく、充填剤を投入しその表面に付着した微生物により有機物を分解する方式である。このような曝気槽は、固定床又は流動床とも呼ばれるものである。これにより、後段で処理水を直接凝集沈殿することができる。流動床曝気槽28では、曝気ブロワー29からのエアレーションにより微生物が付着した担体を流動させ、生物学的に有機物を分解する。特に、染色排水では糊成分を効果的に分解除去することができる。
流動床曝気槽28で処理された染色排水は、凝集反応槽30a、30bに導入される。凝集反応槽30aでは、無機凝集剤が貯められた無機凝集剤貯槽31aから、電磁弁32aを制御部20で制御することにより、無機凝集剤を染色排水に注入する。或いは、電磁弁32の下流側に設けられたポンプの電源をオン又はオフすることによって無機凝集剤を染色排水に注入しても良い。次に、凝集反応槽30bにおいて、高分子凝集剤が貯められた高分子凝集剤貯槽31bから、電磁弁32bを制御部20で制御することにより、高分子凝集剤を染色排水に注入する。或いは、電磁弁32bの下流側に設けられたポンプの電源をオン又はオフすることによって高分子凝集剤を染色排水に注入しても良い。
これらの凝集反応槽30a、30bにおける処理により、中和槽22の入口側に配置されたスクリーン(図示しない)を通過した固形物、流動床曝気槽28で発生した余剰汚泥微生物、及び顔料等の浮遊物を凝集する。次に、凝集反応槽30a、30bで凝集された凝集物は、凝集沈殿槽33に導入され、沈殿物が除去される。染色排水から除去された沈殿物は、汚泥貯槽に搬送され、汚泥脱水機(図示しない)で水分を除去した後、ケーキ状に加工されて廃棄又は再利用される。
凝集沈殿槽33で沈殿物が除去された染色排水は、実施の形態1で説明した脱色制御装置1Aと同様にして、第1脱色槽2及び第2脱色槽3おける脱色処理及び還元槽10における還元処理を行う。なお、図3では、第1脱色槽2及び第2脱色槽3を使用して脱色処理を行っているが、実施の形態2で説明したように、第1脱色槽2のみで脱色処理を行っても良い。続いて、実施の形態1で説明したように、監視槽14において、処理水の水素イオン濃度及び残留塩素濃度をそれぞれpH計15及び残留塩素濃度計16により監視する。
処理水の水素イオン濃度及び残留塩素濃度が、制御部20において予め設定された濃度範囲内の場合には、制御部20により放流弁34を開くことにより、処理水を河川等に放流する。一方、処理水の水素イオン濃度及び残留塩素濃度が予め設定された濃度範囲を逸脱する場合には、制御部20により処理水を放流する放流弁34を閉じ、処理水を原水調整槽21へ戻す戻り弁35を開く。このようにして、所定の基準値を超えた排水が河川にそのまま放流されるのを防止すると共に、所定の基準値を超えた排水の再処理を行うことができる。
(実施の形態4)
図4は、本発明の実施の形態4による脱色制御装置を示す概略構成図である。この実施の形態4では、バッチ処理による脱色処理の制御について説明する。図4において、脱色制御装置1Cは、染色排水の脱色、還元及び監視の各工程を兼ねて行うことができる反応槽40を備えている。また、この反応槽40に酸及びアルカリを注入することによって、染色排水を中性に調整するために、酸溶液貯槽23及びアルカリ溶液貯槽24が設けられても良い。これらの酸溶液貯槽23及びアルカリ溶液貯槽24に貯められた例えば硫酸及び水酸化ナトリウムは、電磁弁25及び26を開閉することによって注入される。或いは、電磁弁25及び26の下流側にそれぞれ設けられたポンプの電源をオン又はオフすることによって、硫酸及び水酸化ナトリウムの供給量を制御しても良い。
反応槽40内の水素イオン濃度は、pH計15で測定し、測定結果は制御部20に入力される。制御部20は、入力されたpHの測定結果に基づいて、電磁弁25及び26又はポンプの電源のオン又はオフによって、染色排水の液性を中性になるように制御する。
次に、脱色処理を行うために、塩素系酸化剤貯槽4に貯えられた塩素系酸化剤例えば次亜塩素酸ナトリウムを、電磁弁6を開閉する、又はポンプの電源をオン又はオフすることによって反応槽40内に供給する。このとき、酸化還元電位計8によって染色排水の酸化還元電位を求め、次亜塩素酸ナトリウムの添加量と、酸化還元電位との関係を求める。すなわち、染色排水に塩素系酸化剤を添加しながら染色排水の酸化還元電位を測定し、脱色終点に対応する酸化還元電位を求める。
上述のように、次亜塩素酸ナトリウムの添加量を増加すると、脱色終点の近傍で急激に酸化還元電位が増大する。例えば、急激に増大し始める酸化還元電位が500mVである場合、次亜塩素酸ナトリウムを徐々に添加しながら酸化還元電位を測定し、目視により脱色終点を確認する。このとき、脱色が終了したときの酸化還元電位を求めると、700mV程度となる。
次に、過剰に注入された次亜塩素酸ナトリウムを還元除去するために、還元剤としてチオ硫酸ナトリウムを添加する。チオ硫酸ナトリウムは、制御部20で電磁弁12を開閉することにより、還元剤貯槽11からチオ硫酸ナトリウムを反応槽40に添加する。或いは、電磁弁12の下流側に設けられたポンプの電源をオン又はオフすることによって、チオ硫酸ナトリウムの添加量を制御しても良い。還元終点での残留塩素濃度が例えば、3〜5mg/lで安定している場合、これに応じたチオ硫酸ナトリウム量を定量注入する。
さらに、残留塩素濃度計13を用いて、例えば、残留塩素濃度が0.5mg/l以上の場合にはチオ硫酸ナトリウムを注入し、残留塩素濃度が0.2mg/l以下の場合にチオ硫酸ナトリウムの添加を停止する制御を制御部20で行っても良い。
次に、処理水の水素イオン濃度及び残留塩素濃度をそれぞれpH計15及び残留塩素濃度計13により監視する。これらの測定結果は制御部20に入力される。処理水の水素イオン濃度及び残留塩素濃度は、それぞれ予め設定された濃度が制御部20に記憶されており、pH計15及び残留塩素濃度計13による測定結果と照合される。
処理水の水素イオン濃度及び残留塩素濃度が予め設定された濃度範囲内の場合には、制御部20が放流弁34を開く制御を行うことによって、処理水を河川等に放流する。一方、処理水の水素イオン濃度及び残留塩素濃度が予め設定された濃度範囲を逸脱する場合には、処理水に還元剤、酸又はアルカリを添加して所定の基準内となるように調整する。
以上のように、バッチ処理では、脱色処理する染色排水の量が比較的少ない場合の脱色処理に有利に適用できる。また、実施の形態1〜3で説明した連続処理における脱色終点に対応する酸化還元電位、すなわち制御値を求めるためにも適用できる。この場合、図4に示した脱色制御装置1Cを使用しても良いが、実験室規模で、例えばビーカーを反応槽として使用することも可能であり、より簡便に制御値を求めることができる。
以下、実施例に基づいて、本発明をさらに具体的に説明する。染色排水として、主に反応染料であるシバクロンブルーを含み、濃度の異なる3種類の染色排水を用意した。これらの各染色排水を、図4に示す反応槽40に流入し、硫酸及び水酸化ナトリウムを加えることによって、染色排水を中性となるように調整した。次に、次亜塩素酸ナトリウムを添加しながら酸化還元電位計8により染色排水の酸化還元電位を測定した。
得られた酸化還元電位の測定結果を図5に示す。図5において、曲線Aは着色が薄い染色排水についての測定結果であり、曲線Bは着色が普通程度の染色排水についての測定結果であり、曲線Cは着色が濃い染色排水についての測定結果である。各染色排水において、次亜塩素酸ナトリウムの添加に伴って、酸化還元電位が上昇し、約550mVで酸化還元電位が急激に上昇した。また、約750mV程度で脱色が終了することが確認できた。すなわち、曲線A〜Cにおいて、測定点D、E、Fがそれぞれ脱色終点を示している。
以上のように、本発明にかかる染色排水の脱色制御方法及び脱色制御装置は、脱色終点で確実に塩素系酸化剤の添加を終了でき、或いは脱色終点に対応する酸化還元電位を制御値として塩素系酸化剤の添加を制御できるので、過剰に塩素系酸化剤を添加するのを回避できるため染色排水の脱色処理に有用であり、特に、排水中の有機物及び浮遊物除去を行うと共に、脱色終点で確実に塩素系酸化剤の添加を終了できる排水処理システムに適している。
本発明の実施の形態1による脱色制御装置を示す概略構成図である。 本発明の実施の形態2による脱色制御装置を示す概略構成図である。 本発明の実施の形態3による排水処理システムを示す概略構成図である。 本発明の実施の形態4による脱色制御装置を示す概略構成図である。 本発明の実施例において測定した次亜塩素酸ナトリウムの添加量と染色排水の酸化還元電位との関係を示す線図である。
符号の説明
1A,1B 脱色制御装置
2 第1脱色槽
3 第2脱色槽
4,5 塩素系酸化剤貯槽
6,7,12,25,26,32 電磁弁
8,9 酸化還元電位計
10 還元槽
11 還元剤貯槽
13,16 残留塩素濃度計
14 監視槽
15,27 pH計
17,18,19 流通口
20 制御部
21 原水調整槽
22 中和槽
23 酸溶液貯槽
24 アルカリ溶液貯槽
28 流動床曝気槽
29 曝気ブロワー
30a、30b 凝集反応槽
31a 無機凝集剤貯槽
31b 高分子凝集剤貯槽
33 凝集沈殿槽
34 放流弁
35 戻り弁
40 反応槽

Claims (6)

  1. 染色排水の脱色処理を制御する方法であって、前記染色排水に塩素系酸化剤を添加しながら前記染色排水の酸化還元電位を測定し、脱色終点の直前に対応する酸化還元電位で前記塩素系酸化剤の添加を停止する制御を行うことを特徴とする染色排水の脱色制御方法。
  2. 染色排水の脱色処理を制御する方法であって、前記染色排水に塩素系酸化剤を添加しながら前記染色排水の酸化還元電位を測定し、脱色終点に対応する酸化還元電位を求め、求めた酸化還元電位を制御値として設定し、この制御値を目標に前記塩素系酸化剤の添加及び添加の停止を制御することを特徴とする染色排水の脱色制御方法。
  3. 前記染色排水を前記塩素系酸化剤で脱色した後、さらに還元剤で残留塩素を還元することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の染色排水の脱色制御方法。
  4. 染色排水の脱色処理を制御する装置であって、前記染色排水を収容する脱色槽と、前記脱色槽に塩素系酸化剤を添加する塩素系酸化剤添加部と、前記脱色槽中における前記染色排水の酸化還元電位を測定する酸化還元電位計と、脱色終点の直前に対応する酸化還元電位で前記塩素系酸化剤の添加を停止する制御を行う制御部とを備えたことを特徴とする染色排水の脱色制御装置。
  5. 染色排水の脱色処理を制御する装置であって、前記染色排水を収容する脱色槽と、前記脱色槽に塩素系酸化剤を添加する塩素系酸化剤添加部と、前記脱色槽中における前記染色排水の酸化還元電位を測定する酸化還元電位計と、脱色終点に対応する酸化還元電位を制御値として設定し、この制御値を目標に前記塩素系酸化剤の添加及び添加の停止を制御する制御部とを備えたことを特徴とする染色排水の脱色制御装置。
  6. 水量及び水質を均一にするために排水を貯留する調整槽と、前記調整槽からの排水を中和する中和槽と、前記中和槽からの排水中に含まれる有機物を分解する曝気槽と、前記曝気槽からの排水が導入され、凝集沈殿物を除去する凝集沈殿槽と、前記凝集沈殿槽からの排水を脱色制御する脱色制御装置と、前記脱色制御装置からの排水を還元処理する還元槽と、前記還元槽からの排水を所定の設定条件と比較、監視する監視槽とを備え、
    前記脱色制御装置は、前記排水を収容する脱色槽と、前記脱色槽に塩素系酸化剤を添加する塩素系酸化剤添加部と、前記脱色槽中における前記排水の酸化還元電位を測定する酸化還元電位計と、脱色終点に対応する酸化還元電位を制御値として設定し、この制御値を目標に前記塩素系酸化剤の添加及び添加の停止を制御する制御部とを備えたことを特徴とする排水処理システム。
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