JP2007029668A - ゴルフボール用材料、ゴルフボール、及びゴルフボール用材料の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 (A)酸含有ポリマー組成物中の酸基の少なくとも一部を中和できる酸素含有無機金属化合物の微粒子金属酸化物、またはマスターバッチ、(B)ジエン系ポリマー、熱可塑性ポリマー、及び熱硬化性ポリマーよりなる群から選択された1種又は2種以上からなる樹脂組成物、及び(C)酸含量0.5〜30質量%を有するポリマーとからなり、(B)成分及び(C)成分からなる配合物に対して(A)成分を配合してなることを特徴とするゴルフボール材料及びその製造方法を提供する。
【選択図】 なし
Description
請求項1:
(A)金属イオン種の超微粒子(A1)及び/又は金属イオン種のマスターバッチ(A2)と、
(B)ジエン系ポリマー,熱可塑性ポリマー及び熱硬化性ポリマーよりなる群から選択された1種又は2種以上からなるポリマーと、
(C)オレフィン−不飽和カルボン酸2元共重合体,オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元共重合体,不飽和カルボン酸無水物含有ポリマー,不飽和ジカルボン酸含有ポリマー及び不飽和ジカルボン酸ハーフエステル含有ポリマーよりなる群から選択された1種又は2種以上からなる酸含量0.5〜30質量%を有するポリマーと、
とからなり、(B)成分及び(C)成分からなる配合物に対して(A)成分を配合してなることを特徴とするゴルフボール材料。
請求項2:
(B)成分が、ポリオレフィン系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリアクリレート系ポリマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ジエン系ポリマー、ポリアセタール、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、及びABS系樹脂よりなる群から選択された1種又は2種以上からなるポリマー組成物である請求項1記載のゴルフボール用材料。
請求項3:
上記(B)成分及び(C)成分の配合割合が、質量比で99/1〜1/99である請求項1又は2記載のゴルフボール用材料。
請求項4:
上記(B)成分が熱硬化性ポリマーであり、かつ上記(B)成分及び(C)成分の配合割合が、質量比で49/51〜1/99である請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴルフボール用材料。
請求項5:
上記(B)成分がポリブタジエンであり、かつこのポリブタジエンがシス1,4結合を60%以上、1,2ビニル結合を4%以下有し、ムーニー粘度(ML1+4(100℃))35〜65、質量平均分子量(Mw)450,000〜850,000、かつその質量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比が5以下のものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のゴルフボール用材料。
請求項6:
上記(B)成分であるポリブタジエンを、単独使用するか、及び/又は、酸無水物及びラジカル発生剤の混合組成物として使用した請求項1〜5のいずれか1項に記載のゴルフボール材料。
請求項7:
上記(B)成分がポリブタジエンであると共に、(B)成分及び(C)成分の樹脂組成物全体中の(B)成分の占める割合が1〜50質量%である請求項1〜6のいずれか1項に記載のゴルフボール用材料。
請求項8:
上記(B)成分が、衝撃強度値35〜130J/m、曲げ弾性率2.50〜3.10GPaの範囲内を有するポリアセタールホモポリマー及び/又はポリアセタールコポリマーである請求項1〜7のいずれか1項に記載のゴルフボール用材料。
請求項9:
上記(B)成分がポリアセタールであり、(B)成分の占める割合が樹脂組成物全量に対して1〜50重量%の割合で配合してなる請求項1〜8のいずれか1項に記載のゴルフボール用材料。
請求項10:
上記(B)成分及び(C)成分ポリマー組成物に対する上記(A1)成分及び/又は(A2)成分の配合量が、上記(B)成分及び(C)成分の混合組成物中の酸基の中和度によって選定される請求項1〜9のいずれか1項に記載のゴルフボール用材料。
請求項11:
上記(A)成分の金属イオン種が、酸素含有無機金属化合物の超微粒子(A1)であり、その平均粒径が0.005〜0.1μmであり、その粒度分布が0.001〜1.0μmである請求項1〜10のいずれか1項に記載のゴルフボール材料。
請求項12:
上記酸素含有金属化合物の微粒子(A1)が、炭酸リチウム,炭酸ナトリウム,炭酸カリウム,炭酸マグネシウム,炭酸カルシウム,酸化マグネシウム,酸化亜鉛及び酸化カルシウムの群から選ばれる化合物の1種又は2種以上である請求項11記載のゴルフボール材料。
請求項13:
上記(A)成分が、酸素含有無機金属化合物をマスターバッチ化したもの(A2)であり、その酸素含有無機金属化合物の平均粒径が0.005〜50μmであり、その粒度分布が0.001〜300μmであることを請求項11記載のゴルフボール材料。
請求項14:
上記酸素含有金属化合物が、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、及び酸化亜鉛の群から選ばれる化合物の1種又は2種以上である請求項11記載のゴルフボール材料。
請求項15:
上記酸素含有無機金属化合物をマスターバッチ化したもの(A2)が、酸素含有無機金属化合物を20〜80質量%配合したMFR10g/10分以上のベースポリマー材料からなる請求項11記載のゴルフボール材料。
請求項16:
上記酸素含有無機金属化合物をマスターバッチ化したもの(A2)が、ニーダーと強制フィーダ付き二軸一軸押出機,タンデム型押出機及び真空ベント付き二軸押出機のいずれかを使用し、混練温度が50℃〜220℃の条件下で調製されたものである請求項11記載のゴルフボール材料。
請求項17:
(A)金属イオン種の超微粒子(A1)及び/又は金属イオン種のマスターバッチ(A2)と、
(B)ジエン系ポリマー,熱可塑性ポリマー及び熱硬化性ポリマーよりなる群から選択された1種又は2種以上からなるポリマーと、
(C)オレフィン−不飽和カルボン酸2元共重合体,オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元共重合体,不飽和カルボン酸無水物含有ポリマー,不飽和ジカルボン酸含有ポリマー及び不飽和ジカルボン酸ハーフエステル含有ポリマーよりなる群から選択された1種又は2種以上からなる酸含量0.5〜30質量%を有するポリマーとを配合してなるゴルフボール材料の製造方法において、上記(B)成分及び(C)成分の樹脂組成物に対して、(A1)及び/又は(A2)により、ワンステップで酸含有ポリマー中の酸中和反応を行なうことを特徴とするゴルフボール材料の製造方法。
請求項18:
上記の(A1)及び/又は(A2)による酸含有ポリマー組成物の酸中和反応を、ワンステップで行う反応押出機として、ニーディングディスクゾーンを有するスクリューセグメント配置の二軸押出機を使用した請求項17記載のゴルフボール用材料の製造方法。
請求項19:
L/Dが20以上の二軸押出機を使用した請求項18記載のゴルフボール用材料の製造方法。
請求項20:
上記二軸押出機のスクリューセグメント配置について、ニーディングディスクゾーンのL/Dが全体L/Dの10〜90%である請求項18又は19記載のゴルフボール用材料の製造方法。
請求項21:
上記二軸押出機のニーディングディスクゾーンの構成ディスクが、RKD(Right−handed Kneading Disc)、LKD (Left−handed Kneading Disc)、リバース(Reverse Disc)、各種ニュートラル(Neutral Disc)からなる請求項18〜20のいずれか1項に記載のゴルフボール用材料の製造方法。
請求項22:
上記二軸押出機のスクリュー直径が15mmΦ以上である請求項18〜21のいずれか1項に記載のゴルフボール用材料の製造方法。
請求項23:
上記二軸押出機が、ベントポート及びそれに連結した真空ラインを有する請求項18〜22のいずれか1項に記載のゴルフボール用材料の製造方法。
請求項24:
上記二軸押出機が、液体滴下又は液体圧注入付帯設備を有する請求項18〜23のいずれか1項に記載のゴルフボール用材料の製造方法。
請求項25:
上記液体として、ROH(Rは水素又はアルキル基)で示される液体を使用し、その添加量が樹脂押出量に対して0.1〜10重量%である請求項24記載のゴルフボール用材料の製造方法。
請求項26:
上記二軸押出機の中和反応条件として、設定温度110℃〜260℃、押出量が二軸押出機スクリュー径(D)32mmΦで、2Kg/hr〜60Kg/hrであると共に、スクリュー径比D1/D2(但し,D2よりもD1の方が径が大きい)をAとすると、A1.0〜A3.0の範囲内において二軸押出機のスケールアップ時の押出量がAに比例する請求項18〜25のいずれか1項に記載のゴルフボール用材料の製造方法。
請求項27:
請求項1〜16のいずれか1項記載のゴルフボール用材料の成形物を構成要素として用いることを特徴とするゴルフボール。
請求項28:
請求項1〜16のいずれか1項記載のゴルフボール用材料を、コアと該コアを被覆するカバーとからなるツーピースソリッドゴルフボール、又は、1層以上のコアと該コアを被覆する2層以上の中間層と該中間層を被覆する1層以上のカバーとからなるマルチピースソリッドゴルフボールにおけるカバー材又は中間層材として用いることを特徴とするゴルフボール。
本発明は、(A)金属イオン種の超微粒子と、(B)ジエン系ポリマー,熱可塑性ポリマー及び熱硬化性ポリマーよりなる群から選択された1種又は2種以上からなるポリマーと、(C)オレフィン−不飽和カルボン酸2元共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元共重合体,及び不飽和カルボン酸無水物,不飽和ジカルボン酸及び又は不飽和ジカルボン酸ハーフエステル含有ポリマーよりなる群から選択された1種又は2種以上からなる酸含有ポリマーとを配合してなることを特徴とする。
本発明の超微粒子(A1)は、その平均粒径が0.005〜0.1μm、その粒度分布が0.001から1.0μmであることが好ましい。この粒子を用いれば、通常の粒径が数十μmの粒子と比較して、その表面が活性であり、酸に対する反応性が高く、また分散性も良好であることから、本発明の中和反応には好適である。
(ii)スクリューセグメント配置に関して、ニーディングディスクゾーンのL/Dが全体L/Dの10〜90%、好ましくは20〜80%、更に好ましくは30から70%であること
なお、ニーディングディスクゾーンの構成ディスクは、RKD(Right−handed Kneading Disc),LKD (Left−handed Kneading Disc),リバース(Reverse Disc),各種ニュートラル(Neutral Disc)から構成される。
(iii)スクリューの直径が15mmΦ以上であること
(iv)ベントポート及びこれに連結した真空ラインを有すること
(v)液体滴下又は液体圧注入付帯設備を有すること
また、混合方法としても特に制限されるものではないが、(A)成分をより良好に微分散させる観点から、予め(B)成分と(C)成分とを十分に溶融混合したポリマー組成物(B)成分及び(C)成分を得た後に、(A)成分、即ち(A1)成分及び/又は(A2)成分を配合し混練することが好適である。添加剤を配合する場合には、(A)成分を混練した後に添加剤を加えて混練することも可能である。
(i)不飽和無水カルボン酸,不飽和ジカルボン酸及び/又は不飽和カルボン酸でグラフト化したオレフィン系ポリマー、
(ii)不飽和無水カルボン酸,不飽和ジカルボン酸及び/又は不飽和カルボン酸でグラフト化したオレフィン−不飽和カルボン酸ポリマー、
(iii)不飽和無水カルボン酸,不飽和ジカルボン酸及び/又は不飽和カルボン酸でグラフト化したオレフィン−不飽和カルボン酸エステルポリマー、
(iv)不飽和無水カルボン酸,不飽和ジカルボン酸及び/又は不飽和カルボン酸でグラフト化したオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステルポリマー、
(v)オレフィン−不飽和無水カルボン酸−不飽和カルボン酸エステルポリマー、
(vi)オレフィン−不飽和ジカルボン酸−不飽和カルボン酸エステルポリマー、
(vii)オレフィン−不飽和ジカルボン酸ハーフエステル−不飽和カルボン酸エステルポリマー、
例えば、カバーが単層又は2層以上の多層構造を有する糸巻きゴルフボールのカバー,ワンピースゴルフボール,ツーピースソリッドゴルフボール,スリーピースソリッドゴルフボール等のマルチピースゴルフボールにおけるソリッドコア、中間層、カバー等を挙げることができる。本発明のゴルフボール用材料の成形物を構成要素として具備するゴルフボールであれば、ゴルフボールの種類は特に制限されるものではない。
a)カバー表面が均一性に優れている。
b)耐擦過傷性に優れている。
c)耐久性(打撃回数)に優れている。
d)高硬度である。
e)耐熱性に優れている。
f)部分的な分子間相互侵入網目構造を有する。
5リットル加圧ニーダー(ナニワ製造機械社製、設定温度100℃)を使用し、マスバッチ用ベースポリマーにA−C580/Nucrel 599の配合比30/70(質量比)を用い、酸化亜鉛ZnO−2(平均粒径0.6μm)を使用した。A−C580/Nucrel 599とZnO−2の配合比が50/50(質量比)で2.0Kg仕込み、ローター回転数35rpm、混練温度が120℃〜130℃の範囲になるようにコントロールしながら、0.49MPaの加圧下、20分間混練した。その混練物を二軸一軸押出機40mmΦ(ナニワ製造機械社製、温度設定180℃)でストランド化し、冷却水槽、エアーナイフ及びペレタイザーを通して、ペレット化した。得られたZnO−2含有量50質量%のZnO−2マスターバッチのMFRは2.1g/10min(190℃、2160g荷重)であった。得られたマスターバッチをZnO−2MBと略す。
トーメンプラスチック社製、ポリエチレンワックス、アクリル酸含有量9.6質量%、650cps 140℃。
Nucrel599
DuPont社製、エチレン−メタアクリル酸ポリマー、メタクリル酸含有量10質量%、MFR450g/10分。
表1に記載した配合割合で、ゴルフボール材料を調製した。BR01とEMAA−1を所定の割合、2.5Kg仕込み、設定温度80℃とした。これ以外は、実験例1と同じ5リットル加圧ニーダーの操作を繰り返した。その混練物を取り出し、設定温度130℃以外は、実験例1と同じ二軸一軸押出機の操作を繰り返した。設定温度を160℃とした二軸押出機に、得られたBR01/EMAA−1混練物のペレットとZnO−1とを表1記載の所定割合で別々に、二軸押出機ホッパーへフィードした。そして、スクリュー回転数70回転/分、押出量16Kg/hrの条件下、二軸押出機の途中から液体圧注入ポンプによる水を樹脂押出量に対して2質量%になるように圧入しながら、真空ベントによる揮発分留去の条件下、溶融混練した。次いで、二軸押出機ダイから押出されるストランドを冷却用水槽に通し、エアーナイフで水切り後、ペレタイザーでペレット化し、均一な混合組成物を得た。この得られた均一で透明な混合組成物のペレットを使用し、ホットプレス成形機にて、縦・横150mmの3mm厚みシートを作成し、目視にて、ZnO−1の未反応物及び未分散塊状物がないことを確認した。得られたゴルフボール用材料の諸特性を評価した。結果を表1に記載した。
ZnO−1の代わりに、実験例1で調製したZnO−2MBを使用する以外は、表1に示した配合割合で、実施例1の操作を繰り返し、均一で透明なBR01/EMAA−1/ZnO−2MBの混合組成物を得た。この得られた均一で透明な混合組成物のペレットを使用し、ホットプレス成形機にて、縦・横150mmの3mm厚みシートを作成し、目視にて、ZnO−2の未反応物及び未分散塊状物がないことを確認した。得られたゴルフボール用材料の諸特性を評価した。結果を表1に記載した。
ZnO−2マスターバッチの代わりに、ZnO−2を使用する以外は、表1に示した配合割合で、実施例1と同じ操作を繰り返した。得られたBR01/EMAA−1/ZnO−2の混合組成物のペレットを使用し、ホットプレス成形機にて、縦・横150mmの3mm厚みシートを作成し、目視にて、多数の未反応物ZnO−2(白斑点)の存在を確認した。得られたゴルフボール用材料の諸特性を評価し、結果を表1に記載した。
BR01
ポリブタジエンBR01、JSR社製、シス−1,4−結合含有量96%、ニッケル系重合触媒。
BR02
100質量部のBR01に対し無水マレイン酸2質量部を混合し、この混合物100質量部に対し1質量部のジクミルパーオキサイドを加え約80℃で10分間混合した生成物。
ZnO−1
堺化学工業製、 酸化亜鉛NANOFINE−50、平均粒径20nm、粒度分布1〜100nm。粒径0.05μm以下の成分割合約60%。
ZnO−2
堺化学工業製、酸化亜鉛1種、平均粒径0.8μm、粒度分布0.07〜3.00μm。
POM
アミラスS761、東レ社製、ポリアセタールコポリマー、MFR9.6g/10min、融点166℃、Rockwell硬度(Rスケール)115。
EMAA−1
Nucrel 2050H、三井・デュポンポリケミカル社製、エチレン−メタクリル酸共重合体、MFR500g/10min。
EMAA−2
Nucrel 1560、三井・デュポンポリケミカル社製、エチレン−メタクリル酸共重合体、MFR60g/10min。
S8940
DuPont社製、エチレン−メタクリル酸共重合体ナトリウムアイオノマー、MFR3.0g/10min。
JIS−K7210に準拠し、試験温度190℃、試験荷重21.18N(2.16kgf)条件下での測定値。
ショアD硬度
ASTM D−2240に準じて測定したショアD硬度。
反発弾性
トリプソン式反発弾性装置を用い、JIS−K6255、ISO4662に準じた測定値。
破断伸び(%),引っ張り強度(MPa)
JIS−K7161に準じて測定した。
BR01の代わりにBR02を使用し、二軸押出機の設定温度を160℃から180℃に変更する以外は、表2に示す配合で、実施例1と同じ操作を繰り返し、均一なBR02/EMAA−1/ZnO−1混合組成物を得た。得られた均一で透明な混合組成物のペレットを使用し、ホットプレス成形機にて、縦・横150mmの3mm厚みシートを作成し、目視にて、ZnO−1の未反応物及び未分散塊状物がないことを確認した。得られたゴルフボール用材料の諸特性を評価した。結果を表2に記載した。
表2で示した配合割合で、POMとEMAA−1をドライブレンドし、実施例1で使用した二軸押出機(設定温度180℃)のホッパーへフィードし、スクリュー回転数80回転/分、押出量20Kg/hr、真空ベントによる揮発分留去の条件下、溶融混練し、二軸押出機ダイから押出されるストランドを冷却用水槽に通し、エアーナイフで水切り後、ペレタイザーでペレット化し、均一なPOM/EMAA−1の混練物を得た。BR01/EMAA−1混練物の代わりに得られたPOM/EMAA−1を、ZnO−1の代わりにZnO−2MBを使用し、表2に示した配合割合でドライブレンドし、設定温度を160℃から190℃に変更し、実施例1と同じ二軸押出機の操作を繰り返し、均一なPOM/EMAA−1/ZnO−2MB混合組成物を得た。得られた均一で透明な混合組成物のペレットを使用し、ホットプレス成形機にて、縦・横150mmの3mm厚みシートを作成し、目視にて、ZnO−2の未反応物及び未分散塊状物がないことを確認した。得られたゴルフボール用材料の諸特性を評価した。結果を表2に記載した。
EMAA−1の代わりにEMAA−2を、ZnO−2MBの代わりにZnO−1を使用し、表2に示した配合割合で、実施例4と同じ操作を繰り返し、均一なPOM/EMAA−2/ZnO−1混合組成物を得た。得られた均一で透明な混合組成物のペレットを使用し、ホットプレス成形機にて、縦・横150mmの3mm厚みシートを作成し、目視にて、ZnO−2の未反応物及び未分散塊状物がないことを確認した。得られたゴルフボール用材料の諸特性を評価した。結果を表2に記載した。
実施例5で得られたPOM/EMAA−2/ZnO−1混合組成物とS8940を、表2に示した配合割合でドライブレンドし、実施例1で使用した二軸押出機(設定温度190℃)のホッパーへフィードし、スクリュー回転数80回転/分、押出量20Kg/hr、真空ベントによる揮発分留去の条件下、溶融混練した。そして、二軸押出機ダイから押出されるストランドを冷却用水槽に通し、エアーナイフで水切り後、ペレタイザーでペレット化し、POM/EMAA−2/ZnO−1/S8940の均一な混合組成物を得た。得られたゴルフボール用材料の諸特性を評価した。結果を表2に記載した。
実施例3の二軸押出機の押出条件(設定温度180℃、水圧注入)で、EMAA−1とZnO−1とを中和反応した均一なEMAA−1/ZnO−1を得た。これにBR02を、表2で示した配合割合でドライブレンドし、実施例4におけるPOM/EMAA−1の二軸押出機条件の(設定温度180℃)で、溶融混練し、ペレット化し、EMAA−1/ZnO−1/BR02の不均一な混合組成物を得た。得られたゴルフボール用材料の諸特性を評価した。結果を表2に記載した。
実施例3の二軸押出機の押出条件(設定温度180℃、水注入)で、EMAA−1とZnO−2MBとを中和反応した均一なEMAA−1/ZnO−2MBを得た。これに、表2で示した配合割合でPOMをドライブレンドし、実施例6で使用した二軸押出機(設定温度190℃)の押出条件で、溶融混練し、ペレット化後、EMAA−1/ZnO−2MB/POMの白濁不均一な混合組成物を得た。得られたゴルフボール用材料の諸特性を評価した。結果を表2に記載した。
実施例3の二軸押出機の押出条件(設定温度180℃、水注入)で、EMAA−2とZnO−1とを中和反応した均一なEMAA−2/ZnO−1を得た。これに、表2で示した配合割合でPOMをドライブレンドし、実施例6で使用した二軸押出機(設定温度190℃)の押出条件で、溶融混練し、ペレット化後、EMAA−2/ZnO−1/POMの白濁不均一な混合組成物を得た。得られたゴルフボール用材料の諸特性を評価した。結果を表2に記載した。
比較例4で得られたEMAA−2/ZnO−1/POMの白濁不均一な混合組成物に、S8940を、表2で示した配合割合で、ドライブレンドし、実施例6で使用した二軸押出機(設定温度190℃)の押出条件で、溶融混練した。ペレット化後、EMAA−2/ZnO−1/POM/S8940の白濁不均一な混合組成物を得た。得られたゴルフボール用材料の諸特性を評価した。結果を表2に記載した。
参考として、実施例におけるBR02やPOMを配合せず、EMAA−1とZnO−1を、表2で示した配合割合で、二軸押出機の設定温度を160℃から180℃に変更する以外は、実施例1の押出条件で、均一で透明なEMAA−1/ZnO−1の混合組成物を得た。これに、S8940を、表2で示した配合割合でドライブレンドし、実施例6で使用した二軸押出機(設定温度190℃)の押出条件で、溶融混練した。ペレット化後、EMAA−1/ZnO−1の均一で透明な混合組成物を得た。得られたゴルフボール用材料の諸特性を評価した。
次に、実施例3、実施例5及び実施例6で得られた材料をツーピースゴルフボールのカバー材に使用し、コアにBR架橋体(外径38.9mmΦ、質量36.0g、圧縮歪3.35mm)を用い、射出成形機(設定温度ホッパー:160℃、C1〜ヘッド:180〜200℃)を使用し、射出圧力5.9MPa、保持圧力4.9MPa、射出・保持時間8秒、冷却時間25秒の条件下、射出成形を行い、ツーピースゴルフボール(直径42.7mmΦ、質量45.5g)を作製した。これらのゴルフボール評価を行い、その結果を表3に記載した。
上記の実施例7、実施例8及び実施例9に相当する比較として、比較例2、比較例4及び比較例5の材料をツーピースゴルフボールのカバー材に使用し、実施例8〜10と同じ射出成形条件下、ツーピースゴルフボールを作製した。これらのゴルフボール評価を行い、その結果を表3に併記した。
ゴルフボールを硬板の上に置き、初期荷重98N(10kgf)から終荷重1,275N(130kgf)に負荷したときのゴルフボールのたわみ量(mm)。
表面硬度 *2
ASTM D−2240に準じて測定したショアD硬度。
初速 *3
初速は、R&Aの承認する装置であるUSGAのドラム回転式の初速計と同方式の初速測定器を用いて測定した。ボールは23±1℃の温度で3時間以上温調し、室温23±2℃の部屋でテストされた。250ポンド(113.4kg)のヘッド(ストライキングマスク)を使って打撃速度143.8ft/s(43.83m/s)にてボールを打撃した。1ダースのボールを各々4回打撃して6.28ft(1.91m)の間を通過する時間を計測し、初速を計算した。約15分間でこのサイクルを行った。
反発係数(C.O.R) *4
空気砲弾によりボールをスチール板に向けて43m/sで発射させたとき、その跳ね返り速度を計測する。反発係数(C.O.R)は、ボール初速と跳ね返り速度との比率である。
耐久性 *5
米国AUTOMATED DESIGN CORPORATION製のADC BALL COR DURABILITY TESTERによりゴルフボールの耐久性(Durability)を評価した。この試験機は、ゴルフボールを空気圧で発射させた後、平行に設置した2枚の金属板に連続的に衝突させる機能を有する。ボールが割れるまでに要した発射回数の平均値を耐久性とした。この場合、平均値とは、同種のボールを7個用意し、それぞれのボールを発射させて7個のボールがそれぞれ割れるまでに要した発射回数を平均化した値である。
試験機のタイプは横型CORであり、金属板への入射速度は43m/sであった。
耐擦過傷性 *6
ボールを23℃に保温し、ピツチングウェッジをスイングロボットマシンに取り付け、ヘッドスピード33m/sにて打撃し、打撃傷を目視で判断した。下記の基準で評価した。
良好: 傷がない、もしくは使用上、全く気にならない程度の傷。
悪い: 表面が毛羽立つ、ディンプルが欠ける、などの傷
耐摩耗性 *7
内容量5リットルの筒状物に15個のゴルフボールと1.7リットルの砂を入れて、50rpm,2時間ミキシングした。その後にボールを取り出し、摩耗による表面の傷つきの度合い、光沢減少の度合いを目視により評価した。
良好: 傷が少ない又は使用上全く気にならない程度の傷、光沢低下なし
悪い: 傷が目立つ、やや光沢低下
Claims (28)
- (A)金属イオン種の超微粒子(A1)及び/又は金属イオン種のマスターバッチ(A2)と、
(B)ジエン系ポリマー,熱可塑性ポリマー及び熱硬化性ポリマーよりなる群から選択された1種又は2種以上からなるポリマーと、
(C)オレフィン−不飽和カルボン酸2元共重合体,オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元共重合体,不飽和カルボン酸無水物含有ポリマー,不飽和ジカルボン酸含有ポリマー及び不飽和ジカルボン酸ハーフエステル含有ポリマーよりなる群から選択された1種又は2種以上からなる酸含量0.5〜30質量%を有するポリマー
とからなり、(B)成分及び(C)成分からなる配合物に対して(A)成分を配合してなることを特徴とするゴルフボール材料。 - (B)成分が、ポリオレフィン系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリアクリレート系ポリマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ジエン系ポリマー、ポリアセタール、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、及びABS系樹脂よりなる群から選択された1種又は2種以上からなるポリマー組成物である請求項1記載のゴルフボール用材料。
- 上記(B)成分及び(C)成分の配合割合が、質量比で99/1〜1/99である請求項1又は2記載のゴルフボール用材料。
- 上記(B)成分が熱硬化性ポリマーであり、かつ上記(B)成分及び(C)成分の配合割合が、質量比で49/51〜1/99である請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴルフボール用材料。
- 上記(B)成分がポリブタジエンであり、かつこのポリブタジエンがシス1,4結合を60%以上、1,2ビニル結合を4%以下有し、ムーニー粘度(ML1+4(100℃))35〜65、質量平均分子量(Mw)450,000〜850,000、かつその質量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比が5以下のものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のゴルフボール用材料。
- 上記(B)成分であるポリブタジエンを、単独使用するか、及び/又は、酸無水物及びラジカル発生剤の混合組成物として使用した請求項1〜5のいずれか1項に記載のゴルフボール材料。
- 上記(B)成分がポリブタジエンであると共に、(B)成分及び(C)成分の樹脂組成物全体中の(B)成分の占める割合が1〜50質量%である請求項1〜6のいずれか1項に記載のゴルフボール用材料。
- 上記(B)成分が、衝撃強度値35〜130J/m、曲げ弾性率2.50〜3.10GPaの範囲内を有するポリアセタールホモポリマー及び/又はポリアセタールコポリマーである請求項1〜7のいずれか1項に記載のゴルフボール用材料。
- 上記(B)成分がポリアセタールであり、(B)成分の占める割合が樹脂組成物全量に対して1〜50重量%の割合で配合してなる請求項1〜8のいずれか1項に記載のゴルフボール用材料。
- 上記(B)成分及び(C)成分ポリマー組成物に対する上記(A1)成分及び/又は(A2)成分の配合量が、上記(B)成分及び(C)成分の混合組成物中の酸基の中和度によって選定される請求項1〜9のいずれか1項に記載のゴルフボール用材料。
- 上記(A)成分の金属イオン種が、酸素含有無機金属化合物の超微粒子(A1)であり、その平均粒径が0.005〜0.1μmであり、その粒度分布が0.001〜1.0μmである請求項1〜10のいずれか1項に記載のゴルフボール材料。
- 上記酸素含有金属化合物の微粒子(A1)が、炭酸リチウム,炭酸ナトリウム,炭酸カリウム,炭酸マグネシウム,炭酸カルシウム,酸化マグネシウム,酸化亜鉛及び酸化カルシウムの群から選ばれる化合物の1種又は2種以上である請求項11記載のゴルフボール材料。
- 上記(A)成分が、酸素含有無機金属化合物をマスターバッチ化したもの(A2)であり、その酸素含有無機金属化合物の平均粒径が0.005〜50μmであり、その粒度分布が0.001〜300μmであることを請求項11記載のゴルフボール材料。
- 上記酸素含有金属化合物が、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、及び酸化亜鉛の群から選ばれる化合物の1種又は2種以上である請求項11記載のゴルフボール材料。
- 上記酸素含有無機金属化合物をマスターバッチ化したもの(A2)が、酸素含有無機金属化合物を20〜80質量%配合したMFR10g/10分以上のベースポリマー材料からなる請求項11記載のゴルフボール材料。
- 上記酸素含有無機金属化合物をマスターバッチ化したもの(A2)が、ニーダーと強制フィーダ付き二軸一軸押出機,タンデム型押出機及び真空ベント付き二軸押出機のいずれかを使用し、混練温度が50℃〜220℃の条件下で調製されたものである請求項11記載のゴルフボール材料。
- (A)金属イオン種の超微粒子(A1)及び/又は金属イオン種のマスターバッチ(A2)と、
(B)ジエン系ポリマー,熱可塑性ポリマー及び熱硬化性ポリマーよりなる群から選択された1種又は2種以上からなるポリマーと、
(C)オレフィン−不飽和カルボン酸2元共重合体,オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル3元共重合体,不飽和カルボン酸無水物含有ポリマー,不飽和ジカルボン酸含有ポリマー及び不飽和ジカルボン酸ハーフエステル含有ポリマーよりなる群から選択された1種又は2種以上からなる酸含量0.5〜30質量%を有するポリマー
を配合してなるゴルフボール材料の製造方法において、上記(B)成分及び(C)成分の樹脂組成物に対して、(A1)及び/又は(A2)により、ワンステップで酸含有ポリマー中の酸中和反応を行なうことを特徴とするゴルフボール材料の製造方法。 - 上記の(A1)及び/又は(A2)による酸含有ポリマー組成物の酸中和反応を、ワンステップで行う反応押出機として、ニーディングディスクゾーンを有するスクリューセグメント配置の二軸押出機を使用した請求項17記載のゴルフボール用材料の製造方法。
- L/Dが20以上の二軸押出機を使用した請求項18記載のゴルフボール用材料の製造方法。
- 上記二軸押出機のスクリューセグメント配置について、ニーディングディスクゾーンのL/Dが全体L/Dの10〜90%である請求項18又は19記載のゴルフボール用材料の製造方法。
- 上記二軸押出機のニーディングディスクゾーンの構成ディスクが、RKD(Right−handed Kneading Disc)、LKD (Left−handed Kneading Disc)、リバース(Reverse Disc)、各種ニュートラル(Neutral Disc)からなる請求項18〜20のいずれか1項に記載のゴルフボール用材料の製造方法。
- 上記二軸押出機のスクリュー直径が15mmΦ以上である請求項18〜21のいずれか1項に記載のゴルフボール用材料の製造方法。
- 上記二軸押出機が、ベントポート及びそれに連結した真空ラインを有する請求項18〜22のいずれか1項に記載のゴルフボール用材料の製造方法。
- 上記二軸押出機が、液体滴下又は液体圧注入付帯設備を有する請求項18〜23のいずれか1項に記載のゴルフボール用材料の製造方法。
- 上記液体として、ROH(Rは水素又はアルキル基)で示される液体を使用し、その添加量が樹脂押出量に対して0.1〜10重量%である請求項24記載のゴルフボール用材料の製造方法。
- 上記二軸押出機の中和反応条件として、設定温度110℃〜260℃、押出量が二軸押出機スクリュー径(D)32mmΦで、2Kg/hr〜60Kg/hrであると共に、スクリュー径比D1/D2(但し,D2よりもD1の方が径が大きい)をAとすると、A1.0〜A3.0の範囲内において二軸押出機のスケールアップ時の押出量がAに比例する請求項18〜25のいずれか1項に記載のゴルフボール用材料の製造方法。
- 請求項1〜16のいずれか1項記載のゴルフボール用材料の成形物を構成要素として用いることを特徴とするゴルフボール。
- 請求項1〜16のいずれか1項記載のゴルフボール用材料を、コアと該コアを被覆するカバーとからなるツーピースソリッドゴルフボール、又は、1層以上のコアと該コアを被覆する2層以上の中間層と該中間層を被覆する1層以上のカバーとからなるマルチピースソリッドゴルフボールにおけるカバー材又は中間層材として用いることを特徴とするゴルフボール。
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