JP2007029178A - 洗浄用具,その製造方法及び製造装置 - Google Patents

洗浄用具,その製造方法及び製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 全体としての通気性及び柔軟性を維持しつつ、所定の硬度を保有させることができて、耐久性及び洗浄効果を高めることができる洗浄用具及その製造方法を提供する。
【解決手段】 セル個数が6〜50個/25mmで、除膜処理されたポリウレタンフォームよりなる本体12の骨格12a全体に対して、同骨格12aより硬質の樹脂液13を供給含浸させて、樹脂被膜を形成する。これにより、骨格12aと樹脂被膜との合計密度を30〜400kg/mとする。
【選択図】 図1

Description

この発明は、例えば食器等を洗浄したり、バスやトイレ等の衛生機器を洗浄したり、自動車のボディー等を洗浄したりする場合に使用する洗浄用具,その製造方法及び製造装置に関するものである。
従来、この種の洗浄用具としては、適度な柔軟性を有するスポンジ製品が広く使用されている。中でも、ポリウレタンフォームは、セルサイズ等の設定が容易であるために幅広く用いられ、ポリウレタンフォームのブロックを任意の大きさに裁断加工した洗浄用具が一般に普及している。
しかしながら、このポリウレタンフォームを裁断加工してなる洗浄用具においては、柔軟性に富む反面、剛性が低いため、洗浄する対象部分や汚れ部分が硬い場合には、汚れを十分に掻き落とすことができないとともに、ポリウレタンフォーム自体が破断し易くて、耐久性に乏しいという問題もあった。
このような問題に対処するため、例えば硬度の高いポリウレタンを使用して、洗浄用具全体の硬度を高めることも従来から試みられている。ところが、この高硬度のポリウレタンフォームよりなる洗浄用具では、引張り強度や伸び強度等の物理的強度が低くて脆いものであり、耐久性に乏しいという問題が残った。
また、前記の問題に対処するため、例えば特許文献1に開示されるような方法により、洗浄用具全体の硬度を高めることも従来から提案されている。すなわち、特許文献1に開示される方法では、押さえ板やローラによりウレタンフォームを樹脂液中において圧縮して、その復元過程においてウレタンフォームに樹脂液を吸収させたり、ローラによりポリウレタンフォームに硬質の樹脂液を転写塗布させたりし、その後に、乾燥炉で樹脂液を乾燥固化させている。
さらに、他の方法では、ポリウレタンフォームを非圧縮状態で硬質の樹脂液に完全に浸漬させることにより、ポリウレタンフォームに樹脂液を含浸させるとともに、そのポリウレタンフォームを圧縮させて、余分な樹脂液を絞り落とした後、乾燥炉で乾燥固化させている。
特開平7−144333号公報
ところが、この特許文献1に開示された従来方法では、樹脂液を多量に収容した樹脂液容器を装備する必要があるため、製造装置全体が大規模になるとともに、少ロットの樹脂液含浸処理においても、多量の樹脂液を要するため、場合によってはその樹脂液が無駄になる。また、ポリウレタンフォームの復元を利用して樹脂液を吸収させるだけであるため、フォーム全体に対して均一に含浸させることは困難で、部分的に大量の樹脂が含浸されて、その部分の硬度が著しく高くなったり、通気性が低下したりするおそれがあり、均一な硬度で、水切り性のよいポリウレタンフォームを得ることができない。特に、回転ローラにより樹脂液を転写塗布する方法では、樹脂液がローラとの接触部近辺には含浸させることはできるが、その樹脂液をポリウレタンフォームの内部まで十分に含浸させることができず、前記と同様に、全体として均一な硬度で、水切り性のよい洗浄用具を得ることができないということがあった。
さらに、非圧縮状態のポリウレタンフォームを樹脂液に浸漬させる方法では、前記と同様に、樹脂液を多量に収容した樹脂液容器を装備する必要があるため、製造装置全体が大規模になるばかりでなく、ポリウレタンフォームに多量の樹脂液が含浸されるため、これを高圧力で圧縮して余分な樹脂液を絞り落とす必要がある。この場合、ポリウレタンフォームが圧縮状態から復元する過程でポリウレタンフォーム中の樹脂液に気泡が発生して、ポリウレタンフォームの骨格表面に樹脂液が膜状に残留したり、あるいは滴状の樹脂液が残留したりして、それらがそのまま硬化して気泡膜となったり、固形分の塊となったりすることが多い。このため、膜状あるいは塊状の樹脂により、ポリウレタンフォームの通気性が損なわれて、水切り性の低下を招くことになる。また、硬化した樹脂の塊の発生により、ポリウレタンフォームの柔軟性が損なわれるばかりでなく、樹脂の塊が使用中に脱落して洗浄物に付着することがあった。
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、全体としての通気性及び柔軟性を維持しつつ、所定の硬度を保有させることができて、耐久性及び洗浄効果を高めることができることができる洗浄用具,その製造方法及び製造装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、洗浄用具に係る請求項1に記載の発明は、セル個数が6〜50個/25mmで、除膜処理されたポリウレタンフォームの骨格全体に対して、同骨格より硬質の樹脂被膜を形成し、骨格と樹脂被膜との合計密度を30〜400kg/mとしたことを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明においては、請求項1に記載の発明において、前記樹脂被膜が研磨材を含有することを特徴とする。
洗浄用具の製造方法に係る請求項3に記載の発明においては、ポリウレタンフォームよりなる素材の上面に、硬化状態においてその素材の骨格の硬度よりも硬質の樹脂液を落下供給した後に、素材を圧縮し、続いて復元状態の素材に対して相反する2方向からエアブローを行うことを特徴とする。
請求項4に記載の発明においては、請求項3に記載の発明において、樹脂液を小孔よりなる複数の供給口から線状に落下させることを特徴とする。
請求項5に記載の発明においては、請求項3または4に記載の発明において、エアブローを素材の上方から行った後に下方から行うことを特徴とする。
請求項6に記載の発明においては、請求項5に記載の発明において、下方からのエアブロー量が上方からのエアブロー量よりも多いことを特徴とする。
洗浄用具の製造装置に係る請求項7に記載の発明においては、ポリウレタンフォームよりなる素材に対してその上方の複数位置から樹脂を線状に落下供給して素材に含浸させるための樹脂供給手段と、樹脂が含浸された素材を圧縮するための圧縮手段と、圧縮状態が復元した素材の上方からエアをブローする上部ブロー手段と、その上部ブロー手段によるブロー量よりも多い量のブローを素材に対して下方から行う下部ブロー手段とを素材の搬送経路に沿って配置したことを特徴とする。
(作用)
請求項1に記載の発明においては、洗浄用具全体としての通気性及び柔軟性を維持しつつ、骨格よりも硬質の樹脂被膜により所定の硬度を保有させることができる。よって、硬い汚れ部分でも効果的に掻き落とすことができるとともに、その掻き落とし作業時に洗浄用具の表面が骨格の柔軟性と、その表面の硬質の樹脂被膜の耐摩耗性との相乗効果により、洗浄用具としての耐久性を向上できる。
請求項2に記載の発明においては、樹脂被膜が研磨材を含有するため、掻き落とし効果をさらに向上できる。
請求項3及び請求項7に記載の発明においては、素材を樹脂液中に浸漬させる必要がないため、多量の樹脂液を収容した樹脂容器を用意する必要がなく、製造装置全体をコンパクトに構成することができるとともに、少量の樹脂液を使用して、ポリウレタンフォームに樹脂液を均一に含浸させることができる。また、ポリウレタンフォームを低圧力で圧縮すればよいため、ポリウレタンフォームの骨格表面に樹脂の膜が発生するのを抑制することができるともに、エアブローによって樹脂の残留をなくすことができて、樹脂の膜だけではなく、塊もなくすことができ、ポリウレタンフォームが保有する本来の通気性及び柔軟性が損なわれるおそれを防止することができる。
請求項4に記載の発明においては、樹脂液を小孔よりなる複数の供給口から線状に落下させるため、素材の全域に対して樹脂を均一に供給することが可能になる。
請求項5に記載の発明においては、エアブローを素材の上方から行った後に下方から行うため、素材の下部に残留しやすい樹脂液を有効に吹き飛ばすことができる。すなわち、樹脂等の液体は、総じてフォームの下部側の気泡に残留しやすいが、これを抑制することができる。
請求項6に記載の発明においては、下方からのエアブロー量が上方からのエアブロー量よりも多いため、素材の下部に残留しやすい樹脂液を有効に吹き飛ばすことができる。
以上のように、この発明によれば、全体としての通気性及び柔軟性を維持しつつ、所定の硬度を保有させることができるとともに、耐久性及び洗浄効果を高めることができる。
以下に、この発明の一実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1に示すように、この実施形態の洗浄用具11では、除膜処理されたポリウレタンフォームよりなる本体12の骨格12a全体に対して、硬化状態でその骨格12aよりも硬質の樹脂液13を含浸させて乾燥固化させることにより、樹脂被膜を形成した構成となっている。そして、この洗浄用具11の本体12の骨格12aと樹脂被膜との合計密度が30〜400(kg/m)となるように構成されている。前記ポリウレタンフォームとしては、通気性が、JIS K6400−7のB法で、250(ml/cm/sec)以上、好ましくは300(ml/cm/sec)以上で、セル数が6〜50(個/25mm)の範囲内、好ましくは6〜25(個/25mm)の範囲内のものが用いられる。
ちなみに、通気性が250(ml/cm/sec)未満のポリウレタンフォームを使用すると、後述する洗浄用具11の製造装置において、ポリウレタンフォームよりなる本体12の内部まで樹脂液13を十分に含浸させるのが困難になる。また、通気性の上限は特に限定されないが、約500(ml/cm/sec)を越えると測定が不能になる。さらに、セル数が6(個/25mm)未満のものでは、樹脂液13を含浸させることは可能であるが、現状では発泡製品を安定して製造することが困難である。また、セル数が50(個/25mm)を越えるものでは、ポリウレタンフォームよりなる本体12の内部まで樹脂液13を十分に含浸させるのが困難になる。
しかも、洗浄用具11の骨格12aと樹脂被膜との合計密度が30(kg/m)未満であると、前記と同様に発泡製品を安定して製造することが困難であるばかりでなく、樹脂液13を骨格に全表面に均一に保持させることが難しい。また、骨格12aと樹脂被膜との合計密度が400(kg/m)を越えると、通気性が低下して水切り性が悪くなる。なお、前記合計密度は50〜200(kg/m)が好ましい。
一方、前記本体12に含浸される樹脂液13としては、本体12の骨格12aと同質ではあるが、分子量が異なるポリウレタン系エマルジョン溶液が用いられている。また、この樹脂液13には、必要に応じて研磨効果を有する粉体(研磨材)を混ぜ込んで使用することもできる。この添加剤としては、例えば酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化鉄、酸化クロムのような金属酸化物から、金属、あるいはガラス、セラミック等の無機物質も用いることができる。この場合、研磨材の粒径あるいはサイズは、特に限定されることなく運用することができる。さらに、樹脂液13に対する研磨材の含有率は、本体12の骨格12aに対して研磨材を樹脂液13とともに有効に付着させるために、重量比で20〜50%の範囲内に設定するのが好ましい。
次に、前記のような構成の洗浄用具11を製造するための製造装置について説明する。
図2〜図4に示すように、この製造装置においては、ポリウレタンフォームよりなる本体12を搬送するためのコンベア20A,20Bが延長配置されている。このコンベア20A,20Bは、対をなすローラ21と、ローラ21間に掛装された複数の無端紐状のベルト22とから構成されている。一方のコンベア20Aの始端側の上部には、樹脂液13を収容するためのコンベア20Aの搬送方向と直交する方向に延長形成された一対の樹脂液供給トラフ23A,23Bがコンベア20Aの搬送方向に沿って配置されている。両樹脂液供給トラフ23A,23Bの底面には、樹脂液13を線状に落下供給するための複数の小孔よりなる供給口24がコンベア20Aの搬送方向と直交する方向に沿って所定間隔おきに形成されている。
図3に示すように、これらの供給口24の直径Dは約3mmに設定されるとともに、供給口24の配列ピッチPは約5mmに設定されている。また、樹脂液供給トラフ23A,23Bの相互間において、供給口24の配列位置が半ピッチP/2分だけずれるように構成されている。そして、コンベア20Aにより本体12が図2の左方向に搬送されながら、両樹脂液供給トラフ23A,23Bの供給口24から本体12の上面に樹脂液13が線状に落下供給されて含浸されるようになっている。
図2に示すように、前記コンベア20A上において樹脂液供給トラフ23A,23Bよりも下流側には、一対の圧縮ローラ25,26が所定の間隙をおいた状態で配設されている。そして、両圧縮ローラ25,26が回転されながら、樹脂液13を含浸した本体12がコンベア20Aにて両圧縮ローラ25,26間を通して搬送されることにより、本体12が低圧力で圧縮される。これにより、本体12に含浸された樹脂液13が本体12の骨格12a全体にわたって拡散されるとともに、本体12の骨格12a間に存在する余分な樹脂液13が絞り落とされるようになっている。
図2に示すように、前記樹脂液供給トラフ23A,23B及び圧縮ローラ25,26に対向して、コンベア20Aの下部には樹脂液回収トレイ27,28が配設されている。そして、両樹脂液供給トラフ23A,23Bの供給口24からの樹脂液13の供給時に本体12から滴下する樹脂液13、及び、圧縮ローラ25,26による本体12の圧縮時に絞り落とされた樹脂液13が、これらの樹脂液回収トレイ27,28にて回収され、循環経路29を介して樹脂液回収トレイ27,28に戻されるようになっている。
図2及び図4に示すように、前記圧縮ローラ25,26よりも下流側においてコンベア20Aの上方には、上部エアブロー管30がコンベア20Aの搬送方向と直交する方向へ延長配置され、その上部エアブロー管30の下面には複数のエア噴出口31が所定間隔おきに形成されている。そして、前記圧縮ローラ25,26による圧縮状態から復元した素材が、コンベア20Aにより上部エアブロー管30の下方を通過するとき、エア噴出口31から本体12に対してエアが下向きに吹き付けられる。これにより、樹脂液13が本体12の骨格12a全体にわたって均一に拡散されるとともに、本体12の骨格12a間に残留する余分な樹脂液13が吹き飛ばされるようになっている。
前記樹脂液供給トラフ23A,23Bよりも下流側において両コンベア20A,20Bの切替え部分の下方には、下部エアブロー管32,33がコンベア20A,20Bの搬送方向と直交する方向へ延長配置され、それらの下部エアブロー管32,33の上面には複数のエア噴出口34が所定間隔おきに形成されている。そして、本体12がコンベア20A,20Bにより両下部エアブロー管32,33の上方を通過するとき、エア噴出口34から本体12に対してエアが上向きに吹き付けられる。これにより、本体12の骨格12a内での樹脂液13の拡散、及び残留樹脂液13の吹き飛ばしが続けて行われるようになっている。この場合、下部エアブロー管32,33は、2本であるため、1本の上部側のエアブロー管30からのエアブロー量の多い量のエアブローが行われる。
さて、この製造装置により洗浄用具11を製造する場合には、コンベア20A,20Bによりポリウレタンフォームよりなる本体12が図2の左方向に搬送される。この状態で、両樹脂液供給トラフ23A,23Bの供給口24から本体12の上面に樹脂液13が複数本の線状となって供給されて、本体12の全体にわたって含浸される。その後、圧縮ローラ25,26により本体12が低圧力で圧縮され、本体12に含浸された樹脂液13が本体12の骨格12a全体にわたって拡散されるとともに、本体12の骨格12a間に存在する余分な樹脂液13が絞り落とされる。
続いて、圧縮状態から復元された本体12に対して、上部エアブロー管30のエア噴出口31及び下部エアブロー管32,33のエア噴出口34からエアが下向き及び上向きに繰り返し吹き付けられる。これによって、樹脂液13が本体12の骨格12a全体にわたって均一に拡散されるとともに、本体12の骨格12a間に残留する余分な樹脂液13が吹き飛ばされる。従って、本体12に樹脂液13が膜状や塊状になって残留することはない。ここで、樹脂液13のような液体は、本体12の下部側に残留しやすいものであるが、この実施形態のように、上部側からのエアブローの後に下部側からより多量のエアブローを行えば、樹脂液の余分な残留をほとんどなくすことができる。なお、上下のエアブローによりコンベア20A,20Bのベルト22に付着した樹脂液13も吹き飛ばすことができ、ベルト22から本体12に対する樹脂液13の再付着を防止できる。
その後、コンベア20Bにより本体12が図示しない乾燥炉内に搬入されて、所定温度で所定時間にわたり乾燥される。これにより、図1に示すように、本体12の骨格12a全体にわたって、硬質の樹脂液13よりなる樹脂被膜を形成した洗浄用具11が製造される。
このように、樹脂液供給トラフ23A,23Bを使用し、本体12の上面に樹脂液13を複数の線状にして落下供給しているため、多量の樹脂液を収容した樹脂容器を用意する必要がなく、製造装置全体をコンパクトに構成することができる。それとともに、少量の樹脂液13を使用して、ポリウレタンフォームの本体12に樹脂液13を均一に含浸させることができる。
また、素材全体を樹脂液に浸漬させている従来方法と異なって、本体12に多量の樹脂液13が含浸されないため、圧縮ローラ25,26において本体12を高圧力で圧縮することなく、低圧力で圧縮しても余分な樹脂液13を容易に絞り落とすことができる。このため、本体12の高圧力の圧縮を原因とした骨格12aの表面における樹脂の膜や塊が発生することはない。よって、ポリウレタンフォームが本来保有する通気性(すなわち、水切り性)を損ねるおそれを抑制することができるとともに、樹脂が骨格12a上で塊状になって柔軟性を損ねたり、樹脂の塊が使用中に脱落したりするのを防止することができる。
さらに、本体12に供給含浸させる樹脂液13として、本体12の材料と同質のポリウレタン系エマルジョン溶液を使用しているため、本体12の骨格12aの表面に樹脂液13を馴染みよく付着させることができる。よって、骨格12aの表面に樹脂液13の樹脂被膜を均一に形成することができるとともに、その樹脂被膜が骨格12aの表面から剥離するおそれを抑制することができる。
以上のように、この実施形態の洗浄用具11では、洗浄用具11全体としてポリウレタンフォームが有する本来の高い通気性及び柔軟性を維持しつつ、所定の硬度を保有させることができる。従って、この洗浄用具11を使用すれば、硬い汚れ部分であっても効果的に掻き落とすことができるとともに、その掻き落とし作業時に洗浄用具11の表面が破断するおそれを抑制することができる。さらに、この洗浄作業後には、洗浄用具11から水切りを十分に行うことができて、衛生的に取り扱うことができる。
従って、この実施形態の効果を列挙すれば以下の通りである。
(1) 多量の樹脂液を収容した樹脂容器を用意する必要がなく、製造装置全体をコンパクトに構成することができる。
(2) 洗浄用具11の本体12に多量の樹脂液13が含浸されることがないため、本体12を低圧力で圧縮しても、その骨格12aの表面に樹脂の膜や塊が発生することはなく、通気性を損ねるおそれを抑制することができるばかりでなく、樹脂が骨格12a上で塊状になって柔軟性を損ねたり、樹脂の塊が使用中に脱落したりするのを防止することができる。
(3) 樹脂液13として、本体12の材料と同質のポリウレタン系エマルジョン溶液を使用しているため、骨格12aの表面に樹脂液13の樹脂被膜を均一に形成することができるとともに、その樹脂被膜が骨格12aの表面から剥離するおそれを抑制することができる。
(4) 洗浄用具11では、洗浄用具11全体としてポリウレタンフォームが有する本来の高い通気性及び柔軟性を維持しつつ、洗浄用具11に所定の硬度を保有させることができる。従って、この洗浄用具11を使用すれば、硬い汚れ部分であっても効果的に掻き落とすことができるとともに、その掻き落とし作業時に洗浄用具11の表面が破断するおそれを抑制することができる。また、樹脂被膜は硬質であるため、耐摩耗性に優れ、骨格12aは樹脂被膜に比して引張り強度が高い。従って、それらの長所の相乗効果により洗浄用具11の耐久性を向上できる。さらに、この洗浄作業後には、洗浄用具11から水切りを十分に行うことができて、衛生的に取り扱うことができる。
(5) 樹脂被膜が研磨材を含有するため、洗浄用具11としての掻き落とし効果をさらに向上できる。
(6) 樹脂液13を小孔よりなる複数の供給口24から線状に落下させるため、本体12の全域に対して樹脂を均一に供給することが可能になる。これに対し、樹脂液13をスリット状の開口からカーテン状に落下させた場合には、樹脂液13の粘性や気流等により場所によってカーテンの厚さが変化したり、カーテンに切れ目が出来たりして、本体12に対する均一供給が難しい。
(7) エアブローを本体12の上方から行った後に下方から行うため、本体12の下部に残留しやすい樹脂液13を有効に吹き飛ばすことができ、余分な樹脂液13の残留を防止できる。しかも、下方からのエアブロー量が上方からのエアブロー量よりも多いため、余分な樹脂液13の残留防止効果を有効に発揮することができる。
(実施例)
Figure 2007029178
表1に示すように、実施例1においては、本体12として、株式会社イノアックコーポレーション製の除膜処理済みのポリウレタンフォーム、製品番号MF−8のものを縦100mm、横100mm、厚さ20mmにカットして使用し、樹脂液13としてポリウレタン系エマルジョン溶液を線状供給工法にて含浸させた。また、本体12を圧縮ローラ25,26により圧縮するとともに、本体12に上下からエアブローを行い、その後に本体12を乾燥炉にて100℃で1時間乾燥固化して、洗浄用具11を製造した。さらに、実施例2及び実施例3においては、本体12として製品番号MF−13及びMF−30のポリウレタンフォームを使用して、実施例1と同様の処理を施した。
一方、比較例1においては、実施例3と同一の本体12を使用して、樹脂液13を浸漬工法により含浸させた。比較例2においては、本体12として実施例と同じ材質であるが、除膜処理を施していない製品番号SCのポリウレタンフォームを使用して、樹脂液13をスプレーによって本体に供給した。
この場合、製品番号MF−8のポリウレタンフォームは、密度30kg/m、セル数8個/25mmの物性を有している。製品番号MF−13のポリウレタンフォームは、密度30kg/m、セル数13個/25mmの物性を有している。製品番号MF−30のポリウレタンフォームは、密度30kg/m、セル数30個/25mmの物性を有している。比較例2のポリウレタンフォームは、密度31kg/m、セル数35個/25mmの物性を有している。
これらの実施例1〜3及び比較例1〜2について、樹脂液13の含浸前と含浸後とにおいて、密度を測定して比較判定したところ、表1に示すような結果が得られた。
表1の測定結果から明らかなように、実施例1〜3においては、樹脂液13の含浸前後の密度に適度の変化が生じて、耐久性を向上させることができる。これに対して、比較例1においては、浸漬工法により樹脂液13が含浸されているため、ポリウレタンフォーム全体に多量の樹脂液が乗って、含浸後の密度も高くなって、ポリウレタンフォームの表面に樹脂の塊や膜の詰まり等が確認された。さらに、比較例2においては、樹脂液13の含浸前後ともに、多量の樹脂液13が乗って樹脂の塊が多く認められた。
(変更例)
なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 前記実施形態においては、本体12を所定の大きさにカットした状態で、樹脂液13の含浸処理等を行っているが、長尺状の素材に樹脂液の含浸処理等を行って、長尺状の製品を製造すること。
・ エアブローの回数を変更すること。例えば、上方からのエアブローを2回、下方からのエアブローを3回とすること。この場合、下方からのエアブロー量が上方からのエアブロー量よりも多くなるようにする。
・ 上下のエアブロー管をそれぞれ同数にすること。ただし、この場合は、下部のエアブロー管からのエアブロー量が多くなるように、下部のエアブロー管のエア噴出孔の数を多くしたり、エアブロー圧力を高くしたりすること。
・ コンベア20A,20Bのベルト20としてネットよりなるものを用いること。
一実施形態の洗浄用具を示す斜視図。 図1の洗浄用具の製造装置を示す斜視図。 図2の製造装置における樹脂液供給トラフの部分拡大横断面図。 図2の製造装置におけるエアブロー構成の部分拡大平面図。
符号の説明
11…洗浄用具、12…本体、12a…骨格、13…樹脂液、20A,20B…コンベア、23A,23B…樹脂液供給トラフ、24…供給口、25,26…圧縮ローラ、30…上部エアブロワー管、31…エア噴出口、32,33…下部エアブロワー管、34…エア噴出口。

Claims (7)

  1. セル個数が6〜50個/25mmで、除膜処理されたポリウレタンフォームの骨格全体に対して、同骨格より硬質の樹脂被膜を形成し、骨格と樹脂被膜との合計密度を30〜400kg/mとしたことを特徴とする洗浄用具。
  2. 前記樹脂被膜が研磨材を含有することを特徴とする請求項1に記載の洗浄用具。
  3. ポリウレタンフォームよりなる素材の上面に、硬化状態においてその素材の骨格の硬度よりも硬質の樹脂液を落下供給した後に、素材を圧縮し、続いて復元状態の素材に対して相反する2方向からエアブローを行うことを特徴とする洗浄用具の製造方法。
  4. 樹脂液を小孔よりなる複数の供給口から線状に落下させることを特徴とする請求項3に記載の洗浄用具の製造方法。
  5. エアブローを素材の上方から行った後に下方から行うことを特徴とする請求項3または4に記載の洗浄用具の製造方法。
  6. 下方からのエアブロー量が上方からのエアブロー量よりも多いことを特徴とする請求項5に記載の洗浄用具の製造方法。
  7. ポリウレタンフォームよりなる素材に対してその上方の複数位置から樹脂を線状に落下供給して素材に含浸させるための樹脂供給手段と、
    樹脂が含浸された素材を圧縮するための圧縮手段と、
    圧縮状態が復元した素材の上方からエアをブローする上部ブロー手段と、
    その上部ブロー手段によるブロー量よりも多い量のブローを素材に対して下方から行う下部ブロー手段と
    を素材の搬送経路に沿って配置したことを特徴とする洗浄用具の製造装置。
JP2005213165A 2005-07-22 2005-07-22 洗浄用具の製造方法及び製造装置 Active JP4695452B2 (ja)

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