JP2007029179A - 洗浄用具、その製造方法及び製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 全体としての高い通気性を維持しつつ、部分的に剛性を保有させることができて、操作性、耐久性及び洗浄効果を高めることができるようにする。
【解決手段】 除膜処理したポリウレタンフォームよりなる本体12の一側部の骨格12aに対して、同骨格12aよりも硬質のポリウレタン等の樹脂13をスプレーにより塗布する。これにより、本体12の一側部に硬質の樹脂含浸層14を形成する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、例えば食器等を洗浄したり、バスやトイレ等の衛生機器を洗浄したり、あるいは自動車のボディー等を洗浄したりする場合に使用する洗浄用具、その製造方法及び製造装置に関するものである。
従来、この種の洗浄用具としては、適度な柔軟性を有するスポンジ製品が広く使用されている。中でも、ポリウレタンフォームは、用途に応じたセルサイズや柔軟性等の物性の設定が容易であるために幅広く用いられ、ポリウレタンフォームのブロックを任意の大きさに裁断加工した洗浄用具が一般に普及している。
しかしながら、このポリウレタンフォームを裁断加工してなる洗浄用具においては、柔軟性に富む反面、剛性が低いため、汚れ部分が硬いような場合には、その汚れを十分に掻き落とすことができないとともに、ポリウレタンフォーム自体が摩耗に弱いため、耐久性に乏しいという問題もあった。
このような問題に対処するため、例えば硬度の高いポリウレタンを発泡させて、洗浄用具全体の硬度を高めることも従来から試みられている。ところが、この高硬度のポリウレタンフォームよりなる洗浄用具では、硬い汚れ等には対応できるものの、脆くなって引張り強度や伸び強度等の物理的強度が低下し、従って、柔軟性に富むポリウレタンフォームと同様に耐久性に乏しいという問題がある。
また、適度の柔軟性を有するポリウレタンフォームの表面に不織布等の他の素材を貼り合わせて、剛性を持たせた洗浄用具も提案されている(例えば、特許文献1参照)。さらに、ポリウレタンフォームの表面に、ドクターナイフあるいはロールコーターを使用して樹脂液を塗布することにより、ポリウレタン樹脂硬化層を形成した洗浄用具も提案されている(例えば、特許文献2及び特許文献3参照)。
特開2002−127252号公報 実用新案登録第3016630号公報 特開2001−181438号公報
ところが、これらの特許文献1〜3に記載の洗浄用具においては、次のような問題があった。
すなわち、特許文献1の洗浄用具では、異なった2種の素材と接着剤が必要であるため、製造コストが高くなるとともに、張り合わせ部分で剥がれ易いという問題があった。また、この特許文献1の洗浄用具では、硬い汚れには対応できるものの、高硬度樹脂が持つ前述した引張り強度の低さ等の弱点は解決されていない。
さらに、特許文献2及び特許文献3に記載の洗浄用具では、ドクターナイフあるいはロールコーターにより、ポリウレタンフォームの表面に樹脂液を塗布しているので、塗布した樹脂がポリウレタンフォームのセル骨格に膜状あるいは塊状に残留する。このため、セルの目がつぶれて、ポリウレタンフォームが保有する本来の通気性(言い換えれば、水切り性)を損ねるとともに、塊状の樹脂の存在のために柔軟性を損ねたり、塊状の樹脂が使用中に脱落して、それが汚れになったりするという問題があった。
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、全体としての高い通気性、すなわち水切れ性を維持しつつ、部分的に剛性を保有させることができて、耐久性や洗浄効果を高めることができる洗浄用具及びその製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の洗浄用具に係る発明は、除膜処理したポリウレタンフォームよりなる本体の一側部における骨格表面に、同骨格よりも硬質の樹脂をスプレーにより塗布したことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、塗布される樹脂はポリウレタンであることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記本体はポリウレタンフォームであって、セル数が6〜60(個/25mm)の範囲内であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の発明において、塗布される樹脂は、粉体よりなる研磨材を含むことを特徴とする。
洗浄用具の製造方法に係る請求項5に記載の発明は、除膜処理したポリウレタンフォームよりなる本体の一側部の骨格に対して、同骨格よりも硬質の樹脂をスプレーにより塗布することを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、本体の一側部に対する樹脂のスプレーに際して、本体の他側部から空気を吸引することを特徴とする。
洗浄用具の製造装置に係る請求項7に記載の発明は、所定形状のポリウレタンフォームの一側部に対して同ポリウレタンフォームより硬質の樹脂をスプレーにより塗布するためのスプレー手段と、前記ポリウレタンフォームの他側部から空気を吸引するための吸引手段とを備えたことを特徴とする。
(作用)
請求項1及び請求項5及び請求項7に記載の発明においては、除膜処理したポリウレタンフォーム等よりなる本体の一側部における骨格表面に、骨格よりも硬質の樹脂をスプレーにて塗布することにより、硬質の樹脂含浸層が形成されている。このため、洗浄用具全体としてポリウレタンフォーム等が有する本来の高い通気性を維持しつつ、洗浄用具の一側部に剛性を保有させることができる。よって、洗浄用具を樹脂含浸層の機能を利用して、硬い汚れ部分でも効果的に掻き落とすことができるとともに、硬質の樹脂は骨格の表面を被覆しているだけであるため、硬質樹脂の損傷による耐久性の問題は生じない。
請求項2に記載の発明においては、塗布する樹脂として本体材料と同質のポリウレタンを使用しているため、本体の骨格表面に樹脂を馴染みよく塗布することができて、塗布された樹脂が骨格表面から剥離することを抑制することができる。
請求項3に記載の発明においては、セル数の比率が好適であるため、本体の表面に対する樹脂の均一な塗布、及び本体の内部までの樹脂の十分な含浸が可能となる。
請求項4に記載の発明においては、研磨材により、掻き落としによる洗浄効果を有効に発揮することができる。
請求項6に記載の発明においては、ポリウレタンフォームに対してスプレーによる塗布側の反対側から空気を吸引するため、スプレーによる樹脂の塗布、すなわち樹脂の含浸をポリウレタンフォームの内部まで有効に行うことができる。
以上のように、この発明によれば、洗浄用具全体としての高い通気性を維持しつつ、その一側部に剛性を保有させることができる。よって、洗浄用具の使用時における作業性や洗浄効果、そして耐久性を高めることができる。
以下に、この発明の一実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1に示すように、この実施形態の洗浄用具11の本体12はポリウレタンフォームよりなり、そのポリウレタンフォームは、燃焼処理や溶解処理等により除膜処理されている。この本体12の一側部に、その骨格12aの表面に対して硬化状態において骨格12aよりも硬質の溶液状の樹脂13を塗布することにより、樹脂含浸層14が形成されている。このポリウレタンフォームとしては、通気性がJIS K6400−7のB法による評価において、90(ml/cm/sec)以上、好ましくは250(ml/cm/sec)以上であり、これを達成するために、セル数が6〜60(個/25mm)の範囲内、好ましくは6〜30(個/25mm)の範囲内のポリウレタンフォームが用いられている。
ちなみに、通気性が90(ml/cm/sec)未満のポリウレタンフォームを使用すると、後述する洗浄用具11の製造装置において、ポリウレタンフォームよりなる本体12内からエアを十分に吸引することができなくなる。このため、本体12の表面に対して樹脂13を均一に塗布したり、本体12の内部まで樹脂13を十分に含浸させたりできなくなる。また、通気性の上限は特に限定されないが、約500(ml/cm/sec)越えると、通気量が増加しすぎて測定が不能になる。
一方、前記本体12上に塗布する溶液状の樹脂13としては、本体12の骨格12aと同質で、分子量が異なるポリウレタン樹脂が用いられ、このポリウレタン樹脂は、本体12の一側部の表面から1〜20mmの範囲内、好ましくは3〜10mmの範囲内の深さLまで含浸塗布されている。ここで、含浸塗布とは、前記ポリウレタン樹脂がセルの内部に見かけ上含浸されたように、同セルの骨格表面に塗布された状態をいう。この塗布深さLを1mm未満に設定すると、樹脂13の塗布による表面の研磨機能の向上等の効果をあまり期待することができなくなる。また、塗布深さLを20mmよりも大きく設定しても、深部に塗布された樹脂は表面の研磨機能等の効果向上にあまり寄与しない。このため、塗布深さLは1mm以上で、20mm以内に設定すればよい。
なお、前記本体12上に塗布する樹脂13には、必要に応じて研磨効果を有する粉体よりなる研磨材を混ぜ込むこともできる。この研磨材としては、例えば酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化鉄、酸化クロムのような酸化物、あるいは、ガラス、セラミック等の無機物質を用いることができる。また、この研磨材は、後述する製造装置における樹脂13の噴霧を考慮して、そのサイズは、研磨材粒度JIS R6001に規定される番手で、100番手以上、特に150番手以上が好ましい。100番手未満の場合は、研磨材の粒径が大きすぎて、うまく噴霧できない。また、噴霧のノズルを傷つける等の不具合が発生する。さらに、樹脂13に対する研磨材の含有率は、本体12の骨格12aに対して研磨材を樹脂13とともに効率よく付着させるために、重量比で20〜50%の範囲内に設定するのが好ましい。
次に、前記のような構成の洗浄用具11を製造するための製造装置について説明する。
図2及び図3に示すように、この製造装置においては、ポリウレタンフォームよりなる本体12を搬送するためのコンベア20が装備されている。このコンベア20は、一対のローラ21と、両ローラ21間に平行に掛装された複数の無端の紐状あるいは線状のベルト22とから構成されている。コンベア20の中間部にはそのベルト22の上方走行部分を包囲するように、塗布室23が配設され、その塗布室23の両側部にはコンベア20上の本体12を出し入れするための入口24及び出口25が形成されている。入口24及び出口25には、シャッタ26が開閉可能に取り付けられている。これらのシャッタ26は、塗布室23に対する本体12の出し入れ時にのみ開放される。
前記塗布室23の内頂部には、前後左右に移動可能なスプレーノズル27がコンベア20による本体12の搬送方向及びその搬送方向と直交する方向へ移動可能に支持されている。スプレーノズル27には、前記樹脂13を貯留するための樹脂液タンク28と、その樹脂液タンク28内の樹脂13をスプレーノズル27から噴霧させるために圧送する圧送装置29とが接続されている。このスプレーノズル27,樹脂液タンク28及び圧送装置29によりスプレー手段が構成されている。
塗布室23内においてコンベア20上の本体12の下部には漏斗状の吸引口30が上方に向かって開口するように配設され、塗布室23の外部に設けられた空気の吸引装置31に接続されている。この吸引口30及び吸引装置31により吸引手段が構成されている。
さて、この製造装置により洗浄用具11を製造する場合には、コンベア20によりポリウレタンフォームよりなる本体12が塗布室23内に搬入される。この状態で、スプレーノズル27が本体12の搬送方向及びそれと直交する方向へ移動されながら、圧送装置29の作動により、スプレーノズル27から本体12の一側部に対して、ポリウレタンよりなる樹脂13が噴霧される。このとき、吸引装置31の作動により、本体12内から吸引口30を介してエアが吸引される。これにより、噴霧された樹脂13が本体12の一側部に対して、所定の深さLまで均一に含浸塗布される。
このとき、本体12のセル数が6(個/25mm)未満の場合には、本体12の骨格に樹脂13を塗布することは可能であるが、セルが大きくなりすぎて1つのセルの骨格面積が広くなりすぎるため、骨格に対する樹脂13の含浸塗布が不均一となり、発泡製品を安定して製造することが困難である。また、セル数が60(個/25mm)を越えるものでは、通気抵抗が高くなって、通気量が減少し、このため、本体12内からのエアの吸引を十分に行うことができず、本体12の表面に対する樹脂13の均一な塗布、及び本体12の内部までの樹脂13の十分な含浸が困難になる。
その後、コンベア20により本体12が塗布室23内から搬出されるとともに、図示しない乾燥炉内に搬入されて、所定温度で所定時間にわたり乾燥される。これにより、図1に示すように、一側部に樹脂含浸層14を有する洗浄用具11が製造される。
このように、スプレーノズル27を使用して、本体12の一側部に樹脂13を噴霧塗布するとともに、その反対側から空気を吸引しているため、ドクターナイフやロールコーターによる従来の塗布方法とは異なって、塗布した樹脂13が本体12の骨格12aに膜状に残留することなく、樹脂13が内部まで均一に塗布含浸された洗浄用具11とすることができる。よって、ポリウレタンフォームが保有する本来の通気性や水切り性を損ねることを抑制することができるとともに、樹脂が骨格上で塊状になって柔軟性を損ねたり、樹脂の塊が使用中に脱落したりするのを防止することができる。
また、本体12に塗布する樹脂13として、本体12の材料と同質のポリウレタンを使用しているため、本体12の骨格12aの表面に樹脂13を馴染みよく塗布することができて、塗布された樹脂13が骨格12aの表面から剥離することを抑制することができる。
以上のように、この実施形態の洗浄用具11では、洗浄用具11全体としてポリウレタンフォームが有する本来の高い通気性と柔軟性とを維持しつつ、洗浄用具11の一側部に剛性を保有させることができる。従って、硬質の樹脂含浸層14の部分を使用して、硬い汚れ部分でも効果的に掻き落とすことができるとともに、その掻き落とし作業時に洗浄用具11の表面が破断したりすることを抑制することができる。つまり、この洗浄用具11は、樹脂含浸層14により、高硬度の洗浄用具のような洗浄機能や耐磨耗性を発揮できる反面、高硬度の洗浄用具とは異なって低引張り強度のような弱点を有しないため、洗浄機能及び耐久性に優れる。さらに、この洗浄作業後には、洗浄用具11から水切りを十分に行うことができて、衛生的に取り扱うことができる。
従って、この実施形態に効果を列挙すれば以下の通りである。
(1) 所定深さまでの樹脂含浸層14をスプレーノズル27による噴霧と空気吸引とを用いて、簡単かつ有効に形成することができ、洗浄機能の優れた洗浄用具11とすることができる。そして、このように、スプレーによる噴霧形式を用いるため、樹脂液中に浸漬させる場合と比較して、樹脂液を大量に用意する必要がなく、少ない量の樹脂液を有効に用いることができる。
(2) スプレーノズル27による噴霧塗布法を用いるため、ドクターナイフやロールコーターによる従来の塗布方法とは異なって、塗布した樹脂13が本体12の骨格12aに膜状に残留することはなく、良好な通気性や水切り性を得ることができる。
(3) 同様に、スプレーノズル27による噴霧塗布法を用いるため、樹脂が本体12の骨格12a上で塊状になるのを防止することができる。
(4) 本体12に塗布する樹脂13として、本体12の材料と同質のポリウレタンを使用しているため、塗布された樹脂13が骨格12aの表面から剥離することを抑制することができる。
(5) 柔軟性のある本体12に高硬度の樹脂含浸層14を被覆形成しているため、従来の特許文献1の洗浄用具とは異なり、洗浄用具が剥離によって分離してしまうというようなこととは無縁であり、耐久性と洗浄機能とを両立させることができる。
(実施例)
Figure 2007029179
表1に示す実施例1においては、本体12として、株式会社イノアックコーポレーション製の除膜処理済みのポリウレタンフォーム、製品番号MF−15を、カッターを用いて30mmの厚さに剥き加工したものを使用した。また、樹脂13としてポリウレタン系エマルジョン接着剤をスプレー工法にて本体12に噴霧塗布した。その後、本体12を乾燥炉にて100℃で20分間乾燥固化して、洗浄用具11を製造した。
また、実施例2及び実施例3においては、本体12として株式会社イノアックコーポレーション製の除膜処理済みのポリウレタンフォーム、製品番号MF−30,MF−50を使用して、実施例1と同様な処理を施した。
一方、比較例1においては、実施例2と同一の本体12を使用したが、樹脂13の塗布処理を行わなかった。比較例2においては、実施例2と同一の本体12及び樹脂13を使用して、ロールコーター工法により前記と同様な樹脂13を塗布した。比較例3においては、本体12として前記株式会社イノアックコーポレーション製のポリウレタンフォーム、製品番号MF−30と同材質であるが、除膜処理を施していないポリウレタンフォーム、製品番号SCを使用して、実施例と同様なスプレー工法により樹脂13を塗布した。
この場合、製品番号MF−15のポリウレタンフォームは、密度30kg/m、セル数13個/25mmの物性を有している。製品番号MF−30のポリウレタンフォームは、密度30kg/m、セル数30個/25mmの物性を有している。製品番号MF−50のポリウレタンフォームは、密度30kg/m、セル数50個/25mmの物性を有している。SCのポリウレタンフォームは、密度31kg/m、セル数35個/25mmの物性を有している。
これらの実施例1〜3及び比較例1〜3について、樹脂13の塗布前と塗布後とにおいて、密度(kg/m)及び通気抵抗(ml/cm/sec)を測定して比較判定して、耐久性及び通気性について評価したところ、表1に示すような結果が得られた。ここで、樹脂13の塗布後の密度については、塗布した部分の表面層を前述した剥き加工して、その密度を測定した。通気抵抗については、塗布した部分の厚さが10mmの製品で通気抵抗を測定した。また、この通気抵抗の測定は、JIS K6400−7のB法に準じて行った。耐久性は、台所のガスレンジ等の汚れを想定し、腐食及び油汚れが付着したスチール製(金属製)の板を研磨することで評価した。評価は、目視により、各製品サンプルで、表面塗布した樹脂の脱落や、ちぎれの発生しないものには○、顕著に発生したものには×、その間は△を意味する。
表1の測定結果から明らかなように、実施例1〜3においては、塗布前後の密度の値に適度の変化が生じて、耐久性を向上させることができるとともに、塗布前後の通気抵抗にあまり変化が見られないで、良好な通気性を得ることができた。
これに対して、比較例1においては、樹脂13が塗布されていないため、所定の耐久性を得ることができなかった。また、比較例2においては、ロールコーター工法により樹脂13が塗布されているため、ポリウレタンフォームの表面に多量の樹脂液が乗って、塗布後の通気性が大きく低下した。それとともに、塗布後の密度も高くなって、ポリウレタンフォームの表面に樹脂の塊や膜の詰まり等が確認された。さらに、比較例3においては、除膜処理をしていないポリウレタンフォームを使用しているため、もともと通気抵抗がきわめて高いばかりでなく、表面から内部に樹脂13が十分に含浸されなかった。
(変形例)
この発明は、以下のように具体化することも可能である。
・ 本体12の一側面に硬質の樹脂をスプレーにより含浸塗布した後に、本体12の反対側の他側面に対しても同様な含浸塗布を行うこと。
一実施形態の洗浄用具を示す斜視図。 図1の洗浄用具の製造装置を示す断面図。 図2の3−3線における断面図。
符号の説明
11…洗浄用具、12…本体、12a…骨格、13…樹脂、14…樹脂含浸層、20…コンベア、23…塗布室、27…スプレー手段を構成するスプレーノズル、29…スプレー手段を構成する圧送装置、30…吸引手段を構成する吸引口、31…吸引手段を構成する吸引装置。

Claims (7)

  1. 除膜処理したポリウレタンフォームよりなる本体の一側部における骨格表面に、同骨格よりも硬質の樹脂をスプレーにより塗布したことを特徴とする洗浄用具。
  2. 塗布される樹脂はポリウレタンであることを特徴とする請求項1に記載の洗浄用具。
  3. 前記本体はポリウレタンフォームであって、セル数が6〜60(個/25mm)の範囲内であることを特徴とする請求項1または2に記載の洗浄用具。
  4. 塗布される樹脂は、粉体よりなる研磨材を含むことを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の洗浄用具。
  5. 除膜処理したポリウレタンフォームよりなる本体の一側部の骨格に対して、同骨格よりも硬質の樹脂をスプレーにより塗布することを特徴とする洗浄用具の製造方法。
  6. 本体の一側部に対する樹脂のスプレーに際して、本体の他側部から空気を吸引することを特徴とする請求項5に記載の洗浄用具の製造方法。
  7. 所定形状のポリウレタンフォームの一側部に対して同ポリウレタンフォームより硬質の樹脂をスプレーにより塗布するためのスプレー手段と、前記ポリウレタンフォームの他側部から空気を吸引するための吸引手段とを備えたことを特徴とする洗浄用具の製造装置。
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