JP2007026870A - フィラメント制御装置、フィラメント制御方法および熱電子利用処理装置 - Google Patents

フィラメント制御装置、フィラメント制御方法および熱電子利用処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 フィラメントから放出される熱電子量を、安定して高精度に制御する。
【解決手段】 フィラメント制御装置10は、フィラメント5の抵抗値を測定する抵抗測定手段1と、第1期間中の抵抗平均値Raveを演算する抵抗平均値演算器2と、抵抗平均値Raveと電力目標値Wrefとから、フィラメント5に供給すべき電流目標値Irefを演算する電流目標値演算器3と、第1期間の後の第2期間中において、電流目標値Irefと一致するように、フィラメント5に流れる電流値を制御する定電流電源4と、第1期間および第2期間のタイミングを制御するタイミング制御回路6とを備えている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、フィラメントから放出される熱電子量を安定して制御可能とするフィラメント制御装置、これを用いたフィラメント制御方法および、このフィラメント制御装置が搭載されて、フィラメントから放出される熱電子を利用して熱電子利用処理を行うイオン注入処理装置や電子ビーム加工処理装置などの熱電子利用処理装置に関する。
従来より、フィラメントから放出される熱電子を利用する処理は、半導体デバイスの製造などにおけるイオン注入処理や、電子ビーム加工処理など、幅広く行われている。例えば、熱電子によってイオンビームの空間電荷を中和して、イオンビームの発散を抑えた状態で半導体材料などにイオン注入を行なうイオン注入処理が知られている。
このようなイオン注入処理を行う従来のイオン注入処理装置の一例として、例えば特許文献1には、熱電子によってイオンビームの空間電荷を中和するために、空間電荷中和装置が搭載されたイオン注入処理装置が開示されている。
図11は、特許文献1に記載されている従来の空間電荷中和装置の概略構成例を示す模式図であり、この空間電荷中和装置は、イオン注入処理装置に搭載されている。
図11において、従来の空間電荷中和装置100は、磁極101と、電子銃102と、加熱電源103と、エミッション電源104とを有しており、従来のイオン注入処理装置において、図示しない質量分離機に配置されている。なお、質量分離機は、周知の通り、磁場作用によってイオンビームを湾曲させながら、そのイオンビームに含まれる、質量が異なる複数のイオン種を互いに分離するものである。
磁極101は、図示しない質量分離機内に、紙面に対して垂直方向の磁場Bを形成する。この磁場Bの作用により、ビーム導入口101aから質量分離機内に導入されたイオンビーム105の軌道が、図示のように湾曲させられるようになっている。
電子銃102は、上記磁極101に取付けられており、フィラメント102aと電子引出電極102bとを有している。
加熱電源103は、フィラメント102aを加熱するためにフィラメント102aに接続されている電源である。
エミッション電源104は、フィラメント102aと電子引出電極102bとの間に所定の電圧を印加するために両者間に接続されている。
上記構成により、この従来の空間電荷中和装置100において、加熱電源103によってフィラメント102aが加熱されて、熱電子が放出される。このフィラメント102aから放出された熱電子は、さらに、エミッション電源104により正電位とされた電子引出電極102bによって、電子銃102の外部に引き出される。
このようにして、電子銃102の電子引出電極102bから引き出された電子の軌跡は、磁場Bの作用によって図中の軌道Oのように湾曲させられ、この電子の軌道Oがイオンビーム105と交差することによって、イオンビーム105の空間電荷が中和される。この結果、イオンビーム105中の正イオン同士の反発によるイオンビームの発散が抑えられ、所望とする発散しないイオンビームを出力させることができる。
ところで、電子引出電極102bによって引き出される電子は、特定の方向性(特定方向の初速度ベクトル)を有するため、磁場Bの作用による湾曲軌道が、特定の軌道のみとなる恐れがある。したがって、電子が質量分離機内の特定の部分にしか存在できなくなり、イオンビームの空間電荷の中和が不十分となることが懸念される。
この問題の対策として、この特許文献1では、エミッション電源104から電子引出電極102bに対して与えられる電圧を時間的に変化させている。これにより、電子引出電極102bから引き出される電子の初速度を時間的に変化させて、電子の軌道Oを時間的に変化させ、質量分離機内の広い範囲にわたって電子を分布させるようにしている。
特開平7−161320号公報
上記従来の空間電荷中和装置100では、フィラメント102aから放出された熱電子を、電子引出電極102bによって電子銃102の外部に引き出し、これに加えて、電子の初速度を時間的に変化させることにより、質量分離機内の広い範囲にわたって電子を分布させるようにしている。
しかしながら、上記質量分離機内の広い範囲に電子を分布させる作用を実現するのに際して、電子引出電極102bを採用することや、時間的に変化する電圧を付与することは必須ではなく、フィラメント102aから放出される熱電子をそのまま利用することも考えられる。
その理由は、フィラメント102aから放出される熱電子は、特定の方向性を持たず、ランダムな方向に向いているため、磁場Bの作用によって様々な軌道を描くことができるからである。このようにすれば、上記従来の空間電荷中和装置100の構成を簡略化しながら、イオンビームの空間電荷を中和することができる。
ところが、以上のように電子引出電極102bを設けない場合には、以下のような新たな問題が生じる。即ち、電子引出電極102bを設けた場合には、この電子引出電極102bに印加される電圧を調整することのみでイオンビームに供給される電子量を制御することができるが、この電子引出電極102bを設けない場合には、フィラメント102aから放出される熱電子量自体を精度よく制御する必要がある。
一方、フィラメント102aには、通電時間に依存する経時的な劣化(線細り)や経時的温度上昇などのドリフト的に変化する外乱に加えて、イオンビームに晒されていることに起因するランダム性の外乱(突発的な温度上昇、被覆物の付着や剥がれなど)も作用している。これらの外乱の影響がある状況下で、熱電子の放出量を安定して高精度に制御することは困難であった。
本発明は、上記従来の問題を解決するもので、フィラメントから放出される熱電子量を高精度でかつ、安定して制御できるフィラメント制御装置、これを用いたフィラメント制御方法および、このフィラメント制御装置が搭載され、熱電子によってイオンビームの空間電荷を中和してイオン注入処理を行なったり、電子ビーム源として熱電子を利用する電子ビーム加工処理を行なうような、フィラメントから放出される熱電子を利用する熱電子利用処理を行う、例えばイオン注入処理装置や電子ビーム加工処理装置などの熱電子利用処理装置を提供することを目的とする。
本発明のフィラメント制御装置は、フィラメントで消費される電力を所定の電力目標値と一致するように制御するフィラメント制御装置であって、該フィラメントの抵抗値を所定の時間間隔で測定する抵抗測定手段と、該抵抗測定手段により第1期間中に測定された複数の該抵抗値に対して平均値を演算する抵抗平均値演算手段と、該抵抗平均値演算手段により演算された該平均値と該電力目標値とから、該フィラメントに供給すべき電流の目標値を演算する電流目標値演算手段と、第2期間中に、該電流目標値演算手段により演算された該電流の目標値と一致するように、該フィラメントに流れる電流値を制御する電流制御手段と、該第1期間および該第2期間のタイミング(例えば開始タイミングおよび終了タイミング)を制御するタイミング制御手段とを有するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
本発明のフィラメント制御装置は、フィラメントで消費される電力を所定の電力目標値と一致するように制御するフィラメント制御装置であって、該フィラメントの抵抗値を所定の時間間隔で測定する抵抗測定手段と、該抵抗測定手段により第1期間中に測定された複数の該抵抗値に対して平均値を演算する抵抗平均値演算手段と、該抵抗平均値演算手段により演算された該平均値と該電力目標値とから、該フィラメントに印加すべき電圧の目標値を演算する電圧目標値演算手段と、第2期間中に、該電圧目標値演算手段により演算された該電圧の目標値と一致するように、該フィラメントに印加される電圧を制御する電圧制御手段と、該第1期間および該第2期間のタイミング(例えば開始タイミングおよび終了タイミング)を制御するタイミング制御手段とを有するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
また、好ましくは、本発明のフィラメント制御装置における電流制御手段は定電流電源である。
また、好ましくは、本発明のフィラメント制御装置における電圧制御手段は定電圧電源である。
さらに、好ましくは、本発明のフィラメント制御装置における抵抗測定手段は、前記フィラメントに流れる電流および電圧を測定する電流検出手段および電圧検出手段と、該電圧検出手段により測定された電圧値を該電流検出手段により測定された電流値で除算して前記抵抗値を算出する抵抗値算出手段とを有する。
さらに、好ましくは、本発明のフィラメント制御装置におけるタイミング制御手段は、前記第1期間と前記第2期間とからなる各期間が繰り返され、該第2期間が次の該第1期間の少なくとも一部と重複するようにタイミング制御する。
さらに、好ましくは、本発明のフィラメント制御装置におけるタイミング制御手段は、前記第1期間と前記第2期間とからなる各期間が繰り返され、該各期間において、該第1期間の後に該第2期間がくるようにタイミング制御する。
さらに、好ましくは、本発明のフィラメント制御装置における第1期間が前記フィラメントの寿命時間の0.001%以上0.1%以下に設定されている。
さらに、好ましくは、本発明のタイミング制御手段は、前記抵抗測定手段と前記抵抗平均値演算手段との間に設けられ、前記第1期間に、該抵抗測定手段から該抵抗平均値演算手段に信号出力可能に制御される第1スイッチ手段と、
該抵抗平均値演算手段と前記電流目標値演算手段または前記電圧目標値演算手段との間に設けられ、該第1期間の終了後(例えば第1期間終了後〜次の第1期間開始までの期間)に、該抵抗平均値演算手段から該電流目標値演算手段または該電圧目標値演算手段に信号出力可能に制御される第2スイッチ手段とを更に有する。
さらに、好ましくは、本発明のタイミング制御手段は、前記電流目標値演算手段と前記電流制御手段との間または、前記電圧目標値演算手段と前記電圧制御手段との間に設けられ、前記第2期間の開始毎に、前記電流の目標値、または、前記電圧の目標値を更新するように制御されるサンプルホールド回路を更に有する。
本発明の熱電子利用処理装置は、本発明の上記フィラメント制御装置が搭載されて、前記フィラメントから放出される熱電子を利用して熱電子利用処理を行う熱電子利用処理装置であって、前記第2期間中において、前記電流制御手段または前記電圧制御手段によって前記フィラメントの電流値または電圧値が制御された状態で該熱電子利用処理が実行されており、そのことにより上記目的が達成される。
また、好ましくは、本発明の熱電子利用処理装置において、前記フィラメントがイオンビームの空間電荷分布を中和するための中和用フィラメントであり、該フィラメントから放出される熱電子によってイオンビームの空間電荷分布を中和してイオン注入処理を行う。
さらに、好ましくは、本発明の熱電子利用処理装置において、前記フィラメントが電子ビームを発生させるための電子ビーム源用フィラメントであり、該フィラメントから放出される熱電子により電子ビーム加工処理を行う。
本発明のフィラメント制御方法は、フィラメントで消費される電力を所定の電力目標値と一致するように制御するフィラメント制御方法であって、該フィラメントの抵抗値を所定の時間間隔で測定する抵抗測定ステップと、該抵抗測定ステップで第1期間中に測定された複数の該抵抗値に対して平均値を演算する抵抗平均値演算ステップと、該抵抗平均値演算ステップで演算された該平均値と該電力目標値とから、該フィラメントに供給すべき電流の目標値を演算する電流目標値演算ステップと、第2期間中に、該電流目標値演算ステップで演算された該電流の目標値と一致するように、該フィラメントに流れる電流値を制御する電流制御ステップとを有するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
本発明のフィラメント制御方法は、フィラメントで消費される電力を所定の電力目標値と一致するように制御するフィラメント制御方法であって、該フィラメントの抵抗値を所定の時間間隔で測定する抵抗測定ステップと、該抵抗測定ステップで第1期間中に測定された複数の該抵抗値に対して平均値を演算する抵抗平均値演算ステップと、該抵抗平均値演算ステップで演算された該平均値と該電力目標値とから、該フィラメントに印加すべき電圧の目標値を演算する電圧目標値演算ステップと、第2期間中に、該電圧目標値演算ステップで演算された該電圧の目標値と一致するように、該フィラメントに印加される電圧を制御する電圧制御ステップとを有するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
また、好ましくは、本発明のフィラメント制御方法において、前記第1期間と前記第2期間とからなる各期間が繰り返され、該第2期間が次の該第1期間の少なくとも一部と重複するようにタイミング制御する。
また、好ましくは、本発明のフィラメント制御方法において、前記第1期間と前記第2期間とからなる各期間が繰り返され、該各期間において、該第1期間の後に該第2期間がくるようにタイミング制御する。
上記構成により、以下に、本発明の作用について説明する。
本発明にあっては、熱電子を放出可能とするフィラメントで消費される電力を、所定の電力目標値と一致するように制御するために、フィラメントの抵抗値を所定の時間間隔で複数回測定し、第1期間中の抵抗平均値とフィラメントの電力目標値とから、フィラメントに供給すべき電流目標値を演算する。第2期間中に、電流目標値と一致するように、フィラメントに流れる電流を制御する。
または、熱電子を放出可能とするフィラメントで消費される電力を、所定の電力目標値と一致するように制御するために、フィラメントの抵抗値を所定の時間間隔で複数回測定し、第1期間中の抵抗平均値とフィラメントの電力目標値とから、フィラメントに印加すべき電圧目標値を演算する。第2期間中に、電圧目標値と一致するように、フィラメントにかかる電圧を制御する。
このようにして、直前の第1期間の抵抗測定結果からこれに続く第2期間の電流目標値や電圧目標値を設定することによって、第2期間にフィラメントで消費される消費電力を所定の電力目標値と一致させることが可能となる。
ここで、第2期間の電流目標値や電圧目標値を設定する際に用いる抵抗平均値は、第1期間中に所定の時間間隔で測定した複数の抵抗値を平均化したものであるから、該抵抗平均値は、突発的な温度上昇、被覆物の付着や剥がれなど、ランダム性の外乱の影響が除外され、通電時間に依存したフィラメントの経時的な劣化(線細り)や経時的温度上昇など、ドリフト的に変化する外乱の影響を正確に表したものとなる。この抵抗平均値に基づく電流目標値や電圧目標値の設定によって、通電時間に依存したフィラメントの経時的な劣化(線細り)や経時的温度上昇など、ドリフト的に変化する外乱の影響が確実に抑制され、フィラメントで消費される消費電力を所定の電力目標値と一致させることが可能となる。
しかも、リアルタイムの電力制御ではなく、第2期間の開始毎に、電流目標値または電圧目標値を調整しているだけなので、制御系が不安定となる虞れもない。
以上により、本発明のフィラメント制御装置およびこれを用いたフィラメント制御方法によれば、直前の第1期間におけるフィラメントの抵抗平均値に基づいて、電力目標値を電流目標値に変換し、この電流目標値によって、続く第2期間におけるフィラメント電流を制御する。
または、直前の第1期間におけるフィラメントの抵抗平均値に基づいて、電力目標値を電圧目標値に変換し、この電圧目標値によって、続く第2期間におけるフィラメント電圧を制御する。
これによって、通電時間に依存したフィラメントの経時的な劣化(線細り)や経時的温度上昇など、ドリフト的に変化する外乱の影響を確実に抑制して、消費電力を所定の電力目標値と一致させることができる。さらに、リアルタイムの電力制御を行わず、第2期間の開始毎に電流目標値または電圧目標値を調整しているだけなので、制御系が不安定となる虞れもない。
このように、制御系の安定性を維持しつつ、ドリフト的な外乱の影響を確実に抑制して消費電力を所定の値に制御することができるため、フィラメントから放出される熱電子量を高精度、かつ、安定して制御することができる。
さらに、本発明の熱電子利用処理装置によれば、本発明のフィラメント制御装置を搭載して、フィラメントから放出される熱電子量を高精度、かつ、安定して制御することができるため、イオン注入処理(空間電荷中和処理)や電子ビーム加工処理などの熱電子利用処理を、再現性よく、高い信頼性をもって行うことができる。
以下、本発明のフィラメント制御装置およびフィラメント制御方法の各実施形態1,2および、このフィラメント制御装置が搭載されて、フィラメントから放出される熱電子を利用する熱電子利用処理(例えば空間電荷中和処理)を行う熱電子利用処理装置の実施形態3を説明する前に、まず、本発明の技術思想について説明する。
本発明は、フィラメントから放出される熱電子量を、高精度でかつ、安定して制御することを目的としている。この目的を達成するためには、フィラメントで消費される電力を所定の電力目標値と一致するように制御すればよい。その理由は、フィラメントから放出される熱電子の量は、フィラメントの温度、即ち、フィラメントで消費される電力によって決まるからである。
したがって、単純には、フィラメントで消費される電力をリアルタイムにフィードバックする電力制御を行って、熱電子の放出量を制御することができるはずである。これについて図1を用いて説明する。
図1は、本発明の技術思想を説明するためのフィラメント制御装置の構成例を示すブロック図である。
図1において、フィラメント制御装置30は、電流検出器31aと、電圧検出器31bと、電力演算器31cと、比較器32aと、ゲイン部32bと、ドライバ32cと、電源34とを有しており、電流検出器31aおよび電圧検出器31bによってフィラメント5に流れる電流と電圧が測定され、電力演算器31cによって消費電力が演算される。この演算された消費電力が、比較器32aによって所定の電力目標値と比較され、両者が一致するように、ゲイン部32b、ドライバ32cおよび電源34を通してフィラメント5への電流供給または電圧供給が為されるようになっている。
しかしながら、このフィラメント制御装置30の構成のままでは、制御系の安定性を維持しつつ、かつ、フィラメント5に作用する主要な外乱の影響を抑制することが困難である。
その一例として、フィラメント5を、イオンビームの空間電荷を中和する中和用のフィラメント5とした場合の、フィラメント制御装置30の動作について考えてみる。
この用途のフィラメント5には、通電時間に依存して、経時的な劣化(線細り)や経時的温度上昇など、ドリフト的(DC的)に変化する外乱T1が作用する。さらに、この外乱T1に加えて、フィラメント5がイオンビームに晒されていることに起因して、イオンビームの衝突による突発的な温度上昇、被覆物の付着や剥がれなど、ランダム性の外乱T2も作用する。なお、フィラメント5は、イオンビーム出力のオン/オフに応じて適宜にオン/オフが繰り返され、オン直後、すなわち、制御開始時の応答時間は、可能な限り短いことが要求されている。
この状況下で、図1に示すフィラメント制御装置30によって、ランダム性(すなわち、広い周波数帯域)の外乱T2を抑圧しようとすると、広い周波数帯域においてゲイン部32bのゲインを高めておく必要がある。しかしながら、このように広い周波数帯域でゲインを高めると、制御系の位相余裕が少なくなり、制御系が不安定となって発振してしまう虞れがある。
一方、制御系の安定性確保に重点を置いてゲインを小さくすると、外乱T2に対する抑圧特性のみではなく、ドリフト的な外乱T1に対する抑圧特性も不十分なものとなってしまう。なお、低周波数域のゲインのみを高めて、ドリフト的な外乱T1に対する抑圧特性を向上させることも考えられるが、このようにすると、制御開始時の応答時間も長くなり、フィラメントのオン/オフが繰り返されるような用途には適用できなくなる。
したがって、図1に示すフィラメント制御装置30のように、フィラメントで消費される電力をリアルタイムにフィードバックする電力制御系では、制御系の安定性を維持しつつ、かつ、ドリフト的な外乱T1の影響を確実に抑制することが困難である。
一方、半導体デバイスの製造工程におけるイオン注入処理のように、1基板当りで数分間程度のイオン注入が複数の基板に対して繰返し行なわれるような処理を考えた場合、ドリフト的な外乱T1の抑制が特に重要であり、外乱T2の影響は大きな問題とはならない。
これは、ドリフト的な外乱T1は、基板毎にイオン注入状態を徐々に変化させるため、複数の基板間で見ると、デバイスの特性を大きくばらつかせてしまうからである。
一方、ランダム性の外乱T2については、1基板のイオン注入中に時々刻々の変化を与えるものの、この間で平均化して見ると、ほとんど無視することができる。これは、統計的に、ランダムノイズの平均値が「0」となることによる。
上記観点から、本発明では、ランダム性の外乱T2の影響は無視し、ドリフト的な外乱T1の影響を確実に抑制するようにして、フィラメント5の消費電力を制御し、フィラメント5から放出される熱電子量を高精度、かつ、安定して制御するようにする。また、フィラメントのオン/オフが繰り返されるような場合においても、制御開始時の応答時間を短くする。
次に、本発明のフィラメント制御装置およびこれを用いたフィラメント制御方法の具体的な実施形態1,2と、このフィラメント制御装置が質量分離機の空間電荷中和装置に搭載された本発明のイオン注入処理装置の具体例、(熱電子利用処理装置の実施形態3)を、図面を参照しながら順次説明する。
(実施形態1)
図2は、本発明の実施形態1に係るフィラメント制御装置の構成例を示すブロック図である。
図2において、本実施形態1のフィラメント制御装置10は、フィラメント5の抵抗値を所定の時間間隔で測定する抵抗測定手段1と、第1期間A中に測定した複数の抵抗値の平均値を演算する抵抗平均値演算手段としての抵抗平均値演算器2と、その平均値と電力目標値に基づいてフィラメント5に供給する電流の目標値を演算する電流目標値演算手段としての電流目標値演算器3と、第2期間C中にその電流目標値に基づいてフィラメント供給電流を制御する電流制御手段としての定電流電源4と、第1期間および第2期間の開始タイミングおよび終了タイミングを制御するタイミング制御信号(タイミングパルス)を出力するタイミング制御回路6と、このタイミング制御回路6により制御される第1スイッチ手段としての第1スイッチ7、第2スイッチ手段としての第2スイッチ8およびサンプルホールド回路9とを有している。これらのタイミング制御回路6、第1スイッチ7、第2スイッチ8およびサンプルホールド回路9により、第1期間および第2期間の各タイミングを制御するタイミング制御手段が構成されている。
抵抗測定手段1は、フィラメント5に流れる電流値I(ti)を測定する電流検出手段としての電流検出器1a、フィラメント5の電圧値V(ti)を測定する電圧検出手段としての電圧検出器1bおよび、測定された電圧値および電流値に基づいてフィラメント5の抵抗値R(ti)を演算する抵抗値算出手段としての抵抗演算器1cから構成されており、このフィラメント5の抵抗値R(ti)を所定の時間間隔で測定する。抵抗演算器1cは、電流検出器1aにより測定された電流値I(ti)と、電圧検出器1bにより測定された電圧値V(ti)とを取得し、その取得した電圧値V(ti)を電流値I(ti)で除算することにより、フィラメント5の抵抗値R(ti)を算出する。
抵抗平均値演算器2は、抵抗測定手段1により、後述する第1期間A中に測定された複数の抵抗値R(ti)(i=1〜n)に対して、それらの平均値(抵抗平均値)Raveを演算する。抵抗平均値演算器2によって演算される抵抗平均値Raveは、
Rave=ΣR(ti)/n (i=1〜n;nは自然数) ・・・ (1)
のように表される。
電流目標値演算器3は、抵抗平均値演算器2により演算された抵抗平均値Raveと、フィラメント5の電力目標値Wrefとから、後述する第2期間Cにおいて、フィラメント5に供給すべき電流の目標値Irefを演算する。電流目標値演算器3によって演算される電流目標値Irefは、
Iref=(Wref/Rave)0.5 ・・・ (2)
のように表される。
定電流電源4は、公知の定電流電源であり、後述する第2期間Cに電流目標値Irefが設定値として与えられて、フィラメント5に流れる電流Iを制御する。
タイミング制御回路6は、第1期間Aの開始タイミングおよび終了タイミングを表す各タイミングパルスTP1、および、第2期間Cの開始タイミングを表すタイミングパルスTP2をそれぞれ出力する。タイミングパルスTP1は、後述する図4に示すように、第1期間Aの間にHighレベルとなるパルスであり、第1期間Aの開始タイミング(TP1の立上り)および終了タイミング(TP1の立下り)を表している。また、タイミングパルスTP2は、第2期間Cの開始タイミング(TP2の立上り)を表している。
第1スイッチ7は、タイミングパルスTP1がHighレベルにある第1期間Aにおいて、抵抗測定手段1から出力される抵抗値R(ti)を示す信号を抵抗平均値演算器2に出力する。
第2スイッチ8は、タイミングパルスTP1がLowレベルにある期間(第1期間Aの終了から次の第1期間Aの開始までの期間B)において、抵抗平均値演算器2から出力される抵抗平均値Raveを示す信号を電流目標値演算器3に出力する。
サンプルホールド回路9は、タイミングパルスTP2の立上りタイミング(第2期間Cの開始タイミング)毎に、電流目標値演算器3から出力される電流目標値Irefを示す信号を定電流電源4に出力する。
上記構成により、以下に、図3〜図5を参照しながらフィラメント制御装置10の動作およびフィラメント制御装置10によるフィラメント制御方法について説明する。
図3は、図2のフィラメント制御装置10の動作フロー(フィラメント制御方法)について説明するための図である。図4は、図2の抵抗測定手段1から出力される抵抗値R(ti)、抵抗平均値演算器2から第2スイッチ8を介して出力される抵抗平均値Rave、および電流目標値演算器3からサンプルホールド回路9を介して出力される電流目標値Irefについて、各々の時間変化をタイミングパルスTP1およびTP2と併せて模式的に表したタイミング図である。図5は、図2のフィラメント5の消費電力Wを、その目標値Wrefと比較して示したタイミング図である。
図3の「スタート」では、図4に示すように、タイミング制御回路6から出力されるタイミングパルスTP1がHighレベルとなり、1回目の第1期間A−1が開始される。この1回目の第1期間A−1においては、定電流電源4に対して、電流目標値Irefの初期値Iref(0)が設定値として与えられて、定電流電源4によってフィラメント5が制御される。
次に、図3のステップS1の抵抗測定ステップでは、図4に示すように、電流目標値Iref(0)に基づいてフィラメント5の電流Iが制御された状態において、抵抗測定手段1によってフィラメント5の抵抗値R(ti)が所定の時間間隔で測定される。この間、フィラメント5には、突発的な温度上昇、被覆物の付着や剥がれなど、ランダム性の外乱T2が作用しており、抵抗値R(ti)は、図4中に白丸プロットで示すように、ランダムに変動する。抵抗測定手段1によって、第1期間A−1(タイミングパルスTP1がHighレベル(一方電圧レベル)の期間)中に測定された抵抗値R(ti)は、第1スイッチ7を介して抵抗平均値演算器2に送られる。
さらに、ステップS2の抵抗平均値演算ステップでは、図4に示すように、タイミングパルスTP1がLowレベル(他方電圧レベル)となって第1期間A−1が終了すると(期間B−1)、抵抗平均値演算器2による抵抗値R(ti)の取得が終了する。第1期間A−1中に取得された複数の抵抗値R(ti)(i=1〜n)に対して、上式(1)に基づいて、それらの平均値(抵抗平均値)Rave(1)が演算される。なお、この複数の抵抗値R(ti)の平均化処理によって、第1期間A−1中に作用したランダム性の外乱T2の影響は除外されているため、演算された抵抗平均値Rave(1)は、図4中に黒丸プロットで示すように、第1期間A−1におけるフィラメント5の平均的な劣化状態や温度状態を正確に反映した抵抗値となる。上記抵抗平均値Rave(1)は、タイミングパルスTP1がLowレベル(他方電圧レベル)の期間(期間B−1)において、第2スイッチ8を介して電流目標値演算器3に送られる。
さらに、ステップS3の電流目標値演算ステップでは、電流目標値演算器3によって、抵抗平均値Rave(1)と電力目標値Wrefとから、フィラメント5に供給すべき電流目標値Iref(1)が、上式(2)に基づいて演算される。これにより、フィラメント5の経時的な劣化状態や温度状態に対応した、直前(第1期間A−1)の抵抗平均値Rave(1)に基づいて、電力目標値Wrefが電流目標値Iref(1)に変換される。上記電流目標値Iref(1)は、サンプルホールド回路9に送られる。
さらに、ステップS4の電流制御ステップでは、図4に示すように、タイミング制御回路6から出力されるタイミングパルスTP2がHighレベルとなると、その立上りタイミングと同期して第2期間C−1が開始される。サンプルホールド回路9から定電流電源4に対して、電流目標値Iref(1)が送られる。定電流電源4は、第2期間C−1の間(次の第2期間C−2が開始されるまでの間)、図4中に実線で示す電流目標値Iref(1)を設定値として、フィラメント5に流れる電流Iを制御する。
このステップS4の電流制御ステップの間(第2期間C−1)に、ステップS4−1の抵抗測定ステップの処理(第1期間A−2)が行われている。この抵抗測定ステップでは、図4に示すように、上記タイミングパルスTP2の立上りタイミングと同期して、タイミングパルスTP1もHighレベルとなる。これにより、第2期間C−1の開始と同時に、2回目の第1期間A−2が開始される。以後は、ステップS1〜ステップS4と同様の動作が繰り返される。
以上のように、第1期間A−1→第2期間C−1(第1期間A−2)→第2期間C−2(第1期間A−3)→…というように、第2期間C−kと次の第1期間A−(k+1)とが重複しながら、第1期間A−kと第2期間C−kとからなる期間が繰り返される。これにより、第2期間C−k(第1期間A−(k+1))における抵抗平均値Rave(k+1)に基づいて、次の第2期間C−(k+1)におけるフィラメント5の電流が制御される。
なお、上記抵抗平均値Rave(k)は、k回目の第1期間A−kにおける抵抗平均値を示している。また、電流目標値Iref(k)は、抵抗平均値Rave(k)に基づいて演算された電流目標値を示している。
本実施形態1のフィラメント制御装置10およびこれを用いたフィラメント制御方法によれば、上述したように、直前(第1期間A−k)のフィラメント抵抗の平均値Rave(k)に基づいて、電力目標値Wrefを電流目標値Iref(k)に変換し、この電流目標値Iref(k)によって、これ(第1期間A−k)に続く第2期間C−kにおけるフィラメント5の電流Iを制御している。
ここで、上記抵抗平均値Rave(k)においては、平均化処理によってランダム性の外乱T2の影響が除外されている。したがって、この抵抗平均値Rave(k)は、第1期間A−kにおける、フィラメント5の平均的な劣化状態や温度状態を正確に反映した抵抗値となっている。したがって、第1期間Aの繰返し毎に得られる抵抗平均値Rave(k)(k=1,2,…)は、図4中の黒丸プロットで示されるように、通電時間に依存した、経時的な劣化(線細り)や経時的温度上昇など、ドリフト的な抵抗変化(外乱T1)を正確に表している。
本実施形態1では、この抵抗平均値Rave(k)の経時変化(ドリフト的な抵抗変化(外乱T1))に応じて、電流目標値Iref(k)(k=1,2,…)を、図4中の実線で示すように変化させて、フィラメント5の電流Iを制御している。
この結果、ドリフト的な外乱T1(経時的な抵抗変化)の影響を確実に抑圧して、図5に示すように、消費電力Wを電力目標値Wrefと一致させることができる。
しかも、本実施形態1では、図1に示したようなリアルタイムのフィードバックによる電力制御は行っておらず、第2期間Cの開始毎に定電流電源4に設定値として与える電流目標値を調整しているだけであるため、制御系が不安定となる虞れはない。
また、制御開始時(第2期間Cの開始時)の応答時間は、定電流電源4の応答時間で決まるため、上記のように、ドリフト的な外乱T1(経時的な抵抗変化)の影響を確実に抑圧しながらも、十分に短い応答時間でフィラメントの電力を制御することができ、フィラメントのオン/オフが繰り返されるような場合においても十分に適用可能である。
したがって、本実施形態1によれば、制御系の安定性を維持しつつ、ドリフト的な外乱T1の影響を確実に抑圧して、フィラメントの消費電力を所定の値に制御することができる。このように、安定して、高精度にフィラメント電力を制御することができるため、フィラメントから放出される熱電子量を高精度、かつ、安定して制御することができる。
なお、本実施形態1では、第1期間Aの抵抗平均値Raveを、後の第2期間Cにおける電流目標値の演算に用いているため、この間の時間的な抵抗変化が懸念されるが、第1期間Aを適切に短い時間に設定しておけば、大きな抵抗変化は起こらず、特に問題は生じない。例えば、第1期間Aを、フィラメント寿命時間の0.001%以上0.1%以下に設定すればよい。例えば、このフィラメント寿命時間を500時間とした場合には、第1期間Aを18秒〜30分の範囲で、例えば分オーダとすればよい。
(実施形態1の変形例)
上記実施形態1では、第2期間C−kと、次の第1期間A−(k+1)とが重複するように、タイミングパルスTP2の立上りタイミングと同期して、タイミングパルスTP1もHighレベルとしている。
しかしながら、第1期間Aと第2期間Cのタイミングは、必ずしも上記タイミングに限らず、第1期間A−kの後に第2期間C−kが続くようになっていればよい。
例えば、第1期間A−1→第2期間C−1→第1期間A−2→第2期間C−2→第1期間A−3→…というように、第1期間Aと第2期間Cとが交互に繰り返されていてもよい。この場合には、図6の動作フローに示すように、ステップS4の電流制御ステップの後に、ステップS1の抵抗測定ステップが続くように、フィラメント制御装置10を動作させるようにすればよい。
以上により、上記実施形態1では、第1期間Aと第2期間Cとからなる期間が繰り返され、第2期間Cが次の第1期間Aの少なくとも一部と重複するようにタイミング制御されているが、上記実施形態1の本変形例のように、第1期間Aと第2期間Cとが重複なく繰り返され、第1期間Aの後に第2期間Cがくるようにタイミング制御されてもよい。
なお、タイムロスを少なくしようとすると、第2期間C−kを次の第1期間A−(k+1)の少なくとも一部と重複させる方が好ましい。さらに好ましくは、上記実施形態1のように、第2期間C−kが、完全に、次の第1期間A−(k+1)を含んでいる方がよい。
(実施形態2)
上記実施形態1では、抵抗平均値Rave(k)に基づいて、電力目標値Wrefを電流目標値Iref(k)に変換し、この電流目標値Iref(k)によって、第2期間C−kにおけるフィラメント5の電流Iを制御しているが、本実施形態2では、電力目標値Wrefを電圧目標値Vref(k)に変換し、この電圧目標値Vref(k)によって、第2期間C−kにおけるフィラメント5の電圧Vを制御する場合について説明する。この場合にも、上記実施形態1の場合と同様の本発明の効果を得ることができる。
図7は、本発明の実施形態2に係るフィラメント制御装置20の構成例を示すブロック図である。
図7において、本実施形態2のフィラメント制御装置20は、フィラメント制御装置10の電流目標値演算器3の代わりに電圧目標値演算手段としての電圧目標値演算器23を有し、さらに、定電流電源4に代えて電圧制御手段としての定電圧電源24を有している。その他の構成は、上記実施形態1のフィラメント制御装置10の構成例と同様であるので、ここではその説明を省略している。
本実施形態2において、電圧目標値演算器23は、抵抗平均値演算器2により演算された抵抗平均値Raveと、電力目標値Wrefとから、フィラメント5に印加すべき電圧の目標値Vrefを演算する。電圧目標値演算器23によって演算される電圧目標値Vrefは、
Vref=(Wref×Rave)0.5 ・・・ (3)
のように表される。
定電圧電源24は、第2期間Cに電圧目標値Vrefが設定値として与えられて、フィラメント5の電圧Vを制御する。
図8は、図7の電圧目標値演算器23からサンプルホールド回路9を介して出力される電圧目標値Vref、抵抗測定手段1から出力される抵抗値R(ti)、および抵抗平均値演算器2から第2スイッチ8を介して出力される抵抗平均値Raveについて、各々の時間変化をタイミングパルスTP1およびTP2と併せて模式的に表したタイミング図である。
本実施形態2のフィラメント制御装置20によれば、直前(第1期間A―k)のフィラメント抵抗の平均値Rave(k)に基づいて、電力目標値Wrefを電圧目標値Vref(k)に変換し、この電圧目標値Vref(k)によって、これ(第1期間A−k)に続く第2期間C−kにおけるフィラメント電圧Vを制御している。
ここで、上記抵抗平均値Rave(k)においては、上記実施形態1の場合と同様に、平均化処理によってランダム性の外乱T2の影響が除外されている。したがって、この抵抗平均値Rave(k)は、第1期間A−kにおける、フィラメント5の平均的な劣化状態や温度状態を正確に反映した抵抗値となっている。したがって、第1期間Aの繰返し毎に得られる抵抗平均値Rave(k)(k=1,2,…)は、図8中の黒丸プロットで示されるように、通電時間に依存した、経時的な劣化(線細り)や経時的温度上昇等、ドリフト的な抵抗変化(外乱T1)を正確に表している。
本実施形態2では、この抵抗平均値Rave(k)の経時変化(ドリフト的な抵抗変化(外乱T1))に応じて、電圧目標値Vref(k)(k=1,2,…)を、図8中の実線で示すように変化させて、フィラメント5の電圧Vを制御している。
この結果、ドリフト的な外乱T1(経時的な抵抗変化)の影響を確実に抑圧して、消費電力Wを電力目標値Wrefと一致させることができる。
しかも、本実施形態2では、図1に示したようなリアルタイムのフィードバックによる電力制御を行っておらず、第2期間Cの開始毎に定電圧電源24に設定値として与える電圧目標値を調整しているだけであるため、制御系が不安定となる虞れはない。
また、制御開始時(第2期間Cの開始時)の応答時間は、定電圧電源24の応答時間で決まるため、上記のように、ドリフト的な外乱T1(経時的な抵抗変化)の影響を確実に抑圧しながらも、十分に短い応答時間でフィラメントの電力を制御することができ、フィラメントのオン/オフが繰り返されるような場合においても十分に適用可能である。
したがって、本実施形態2によれば、上記実施形態1の場合と同様に、制御系の安定性を維持しつつ、ドリフト的な外乱T1の影響を確実に抑圧して、フィラメントの消費電力を所定の値に制御することができる。このように、安定して、かつ高精度にフィラメント5への電力を制御することができる。このため、フィラメント5から放出される熱電子量を高精度、かつ、安定して制御することができる。
(実施形態3)
上記実施形態1のフィラメント制御装置10によれば、制御系の安定性を維持しつつ、ドリフト的な外乱T1の影響を確実に抑圧して、フィラメント5の消費電力を所定の値に制御することができる。このようなフィラメント制御装置10は、フィラメント5から放出される熱電子量を高精度、かつ、安定して制御することができるため、熱電子を利用する各種処理(熱電子利用処理)に適用することができる。
本実施形態3では、その一例として、上記実施形態1のフィラメント制御装置10を用い、フィラメント制御装置10によって電力制御されたフィラメント5から放出される熱電子でイオンビームの空間電荷を中和して、イオン注入処理を行うイオン注入処理装置について説明する。
図9は、本実施形態3に係るイオン注入処理装置の概略構成例を示す模式図である。
図9において、本実施形態3のイオン注入処理装置50は、イオン源51、質量分離機52、中和用フィラメント5、上記実施形態1のフィラメント制御装置10を有している。
イオン源51は、放電などにより複数種のイオンを生成して、この複数種のイオンからなる第1イオンビームIaを出力する。このイオン源51は、例えば、アノード51aとカソード51bとの間で原料ガス(例えばH希釈されたB)に基づくプラズマを生成し、このプラズマ中のイオン(B 、B 、H など)を、イオン源51の出口に設けた引出電極51cによって、第1イオンビームIaとして引き出す。好ましくは、アノード51aとカソード51bとの間にイオン源用フィラメント51dが設けられており、効率的にプラズマを生成するための電子が供給される。
質量分離機52は、イオン源51から出力される第1イオンビームIaを、磁場作用によって図中の軌道Ibで示すように湾曲させながら、第1イオンビームIaに含まれる、質量の異なる複数のイオン種を互いに分離する。なお、質量分離機52には、紙面に対して直角方向に磁場Bが作用するように、図示しないコイルが単独で、または、ヨークを含む磁気回路として設けられている。また、質量分離機52の出口部には、上記磁場Bの作用によって特定の軌道半径(または、特定範囲の軌道半径)で曲げられた特定質量のイオンのみが通過できるように、開口部52aが設けられている。この開口部52aを通過したイオンビームは、必要に応じて適宜に加速され、第2イオンビームIcとして出力される。この第2イオンビームIcによって、被処理物(例えば半導体基板)に対してイオン注入処理が行われる。
上記質量分離機52には、中和用のフィラメント5が取り付けられており、この中和用のフィラメント5は、上記実施形態1のフィラメント制御装置10によって、その消費電力が所定の電力目標値と一致するように制御されている。中和用のフィラメント5は、例えば、質量分離機52のある側面から内部に向かって挿入されており、その個数は一個以上の適宜な個数とされている。
本実施形態3のイオン注入処理装置50では、図2に示すフィラメント制御装置10の定電流電源4によって、電流目標値Irefにより中和用のフィラメント5に流れる電流Iが制御されている状態(第2期間Cにおいて、図3のステップS4の電流制御がなされている状態)において、被処理物(例えば半導体基板)に対するイオン注入処理が行われる。すなわち、図10の動作フローに示すように、第2期間Cの繰返し毎に、イオン注入処理(ステップS4−2)が行われる。なお、図10において、イオン注入処理(ステップS4−2)以外の動作フローは、図3に示す上記実施形態1の場合と同様であるので、ここでは、その説明を省略する。
したがって、本実施形態3のイオン注入処理装置50によれば、上記実施形態1のフィラメント制御装置10が、イオン注入処理装置50の質量分離機52に搭載されることによって、安定して、かつ高精度に中和用のフィラメント5の消費電力を制御することができる。したがって、中和用のフィラメント5から放出される熱電子量を高精度、かつ、安定して制御した状態で、イオン注入処理を行うことができる。しかも、この熱電子は、電子引出電極により引出されるものではなく、中和用のフィラメント5から放出される熱電子であるため、特定の方向性を持たず、ランダムな方向に向いている。このため、磁場Bの作用によりさまざまな軌道を描いて、質量分離機52内の広い範囲に電子を分布させることができる。
本実施形態3では、このように所定量に制御され、かつ、広い範囲に分布した熱電子をイオンビームIbに作用させることができるため、安定して効率的に空間電荷を中和することができる。この結果、イオンビームIb中の正イオン同士の反発によるイオンビームの発散が効果的に抑えられ、所望とする発散しないイオンビームを出力することができる。このようなイオンビームを用いたイオン注入を行うことにより、半導体デバイスの特性をばらつかせることなく、再現よく、信頼性の高いデバイスを製造することができる。
なお、上記実施形態3では、中和用のフィラメント5から放出される熱電子を、イオンビームの発散を抑制する目的で利用する場合について説明したが、他の用途、例えば、イオン注入時の被処理物(例えば半導体基板)の帯電防止の目的で用いることも可能である。この用途の場合には、中和用のフィラメント5、およびフィラメント制御装置10が必ずしも質量分離機52に搭載されている必要はなく、質量分離機52が設けられていないイオン注入処理装置への適用も可能である。例えば、中和用のフィラメント5が被処理物(例えば半導体基板)の直上に設けられていてもよい。
また、上記実施形態3では、半導体基板にイオン注入処理を行うためのイオン注入処理装置50に上記実施形態1のフィラメント制御装置10を搭載する場合について説明したが、これに限らず、例えば電子ビーム加工処理を行うための電子ビーム加工処理装置に電子ビーム源として上記実施形態1のフィラメント制御装置10を搭載することも可能であり、この場合にも、上記実施形態1,3の場合と同様の効果を得ることができる。このようなイオン注入処理装置や電子ビーム加工処理装置など、フィラメントから放出される熱電子を利用する熱電子利用処理を行う熱電子利用処理装置には、上記実施形態1のフィラメント制御装置10の他に、上記実施形態2のフィラメント制御装置20を搭載することもでき、この場合にも、上記実施形態2,3の場合と同様の効果を得ることができる。
以上のように、本発明の好ましい実施形態1〜3を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態1〜3に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態1〜3の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
本発明は、フィラメントから放出される熱電子量を、安定して高精度に制御可能とするフィラメント制御装置、フィラメント制御方法および、このフィラメント制御装置が質量分離機の空間電荷中和装置などに搭載され、フィラメントから放出される熱電子を利用する熱電子利用処理を行う例えばイオン注入処理装置や電子ビーム加工処理装置などの熱電子利用処理装置の分野において、直前の第1期間におけるフィラメントの抵抗平均値に基づいて、電力目標値を電流目標値に変換し、この電流目標値によって、続く第2期間におけるフィラメント電流を制御するか、または、直前の第1期間におけるフィラメントの抵抗平均値に基づいて、電力目標値を電圧目標値に変換し、この電圧目標値によって、続く第2期間におけるフィラメント電圧を制御することによって、通電時間に依存したフィラメントの経時的な劣化(線細り)や経時的温度上昇など、ドリフト的に変化する外乱の影響を確実に抑制して、消費電力を所定の電力目標値と一致させることができる。さらに、リアルタイムの電力制御を行わず、第2期間の開始毎に電流目標値または電圧目標値を調整しているだけなので、制御系が不安定となる虞れもない。
このように、制御系の安定性を維持しつつ、ドリフト的な外乱の影響を確実に抑制して消費電力を所定の値に制御することができるため、フィラメントから放出される熱電子量を高精度、かつ、安定して制御することができる。したがって、イオン注入処理(空間電荷中和処理)や電子ビーム加工処理などの熱電子利用処理を、再現性よく、高い信頼性をもって行うことができる。
本発明の技術思想を説明するためのフィラメント制御装置の構成例を示すブロック図である。 本発明の実施形態1に係るフィラメント制御装置の構成例を示すブロック図である。 図2のフィラメント制御装置の動作フローを示す図である。 図3のフィラメント制御装置の動作フローを説明するためのタイミング図である。 図2のフィラメント制御装置によって制御された消費電力Wの時間変化を示すタイミング図である。 本発明の実施形態1の変形例に係るフィラメント制御装置の動作フローを示す図である。 本発明の実施形態2に係るフィラメント制御装置の構成例を示すブロック図である。 図7のフィラメント制御装置の動作フローを説明するためのタイミング図である。 本発明の実施形態3に係るイオン注入処理装置の概略構成例を示す模式図である。 図9のイオン注入処理装置の動作フローを示す図である。 従来の空間電荷中和装置の構成例を示す模式図である。
符号の説明
1 抵抗測定手段
1a 電流検出器
1b 電圧検出器
1c 抵抗演算器
2 抵抗平均値演算器
3 電流目標値演算器
4 定電流電源
5 フィラメント
6 タイミング制御回路
7 第1スイッチ
8 第2スイッチ
9 サンプルホールド回路(SH)
10,20,30 フィラメント制御装置
23 電圧目標値演算器
24 定電圧電源
31a 電流検出器
31b 電圧検出器
31c 電力演算器
32a 比較器
32b ゲイン部
32c ドライバ
34 電源
50 イオン注入処理装置
51 イオン源
52 質量分離機

Claims (17)

  1. フィラメントで消費される電力を所定の電力目標値と一致するように制御するフィラメント制御装置であって、
    該フィラメントの抵抗値を所定の時間間隔で測定する抵抗測定手段と、
    該抵抗測定手段により第1期間中に測定された複数の該抵抗値に対して平均値を演算する抵抗平均値演算手段と、
    該抵抗平均値演算手段により演算された該平均値と該電力目標値とから、該フィラメントに供給すべき電流の目標値を演算する電流目標値演算手段と、
    第2期間中に、該電流目標値演算手段により演算された該電流の目標値と一致するように、該フィラメントに流れる電流値を制御する電流制御手段と、
    該第1期間および該第2期間のタイミングを制御するタイミング制御手段とを有するフィラメント制御装置。
  2. フィラメントで消費される電力を所定の電力目標値と一致するように制御するフィラメント制御装置であって、
    該フィラメントの抵抗値を所定の時間間隔で測定する抵抗測定手段と、
    該抵抗測定手段により第1期間中に測定された複数の該抵抗値に対して平均値を演算する抵抗平均値演算手段と、
    該抵抗平均値演算手段により演算された該平均値と該電力目標値とから、該フィラメントに印加すべき電圧の目標値を演算する電圧目標値演算手段と、
    第2期間中に、該電圧目標値演算手段により演算された該電圧の目標値と一致するように、該フィラメントに印加される電圧を制御する電圧制御手段と、
    該第1期間および該第2期間のタイミングを制御するタイミング制御手段とを備えたフィラメント制御装置。
  3. 前記電流制御手段は定電流電源である請求項1に記載のフィラメント制御装置。
  4. 前記電圧制御手段は定電圧電源である請求項2に記載のフィラメント制御装置。
  5. 前記抵抗測定手段は、前記フィラメントに流れる電流および電圧を測定する電流検出手段および電圧検出手段と、該電圧検出手段により測定された電圧値を該電流検出手段により測定された電流値で除算して前記抵抗値を算出する抵抗値算出手段とを有する請求項1または2に記載のフィラメント制御装置。
  6. 前記タイミング制御手段は、前記第1期間と前記第2期間とからなる各期間が繰り返され、該第2期間が次の該第1期間の少なくとも一部と重複するように、前記タイミングを制御する請求項1または2に記載のフィラメント制御装置。
  7. 前記タイミング制御手段は、前記第1期間と前記第2期間とからなる各期間が繰り返され、該各期間において、該第1期間の後に該第2期間がくるように、前記タイミングを制御する請求項1または2に記載のフィラメント制御装置。
  8. 前記第1期間が前記フィラメントの寿命時間の0.001%以上0.1%以下に設定されている請求項1、2、6および7のいずれかに記載のフィラメント制御装置。
  9. 前記タイミング制御手段は、前記抵抗測定手段と前記抵抗平均値演算手段との間に設けられ、前記第1期間に、該抵抗測定手段から該抵抗平均値演算手段に信号出力可能に制御される第1スイッチ手段と、
    該抵抗平均値演算手段と前記電流目標値演算手段または前記電圧目標値演算手段との間に設けられ、該第1期間の終了後に、該抵抗平均値演算手段から該電流目標値演算手段または該電圧目標値演算手段に信号出力可能に制御される第2スイッチ手段とを更に有する請求項1、2および6〜8のいずれかに記載のフィラメント制御装置。
  10. 前記タイミング制御手段は、前記電流目標値演算手段と前記電流制御手段との間または、前記電圧目標値演算手段と前記電圧制御手段との間に設けられ、前記第2期間の開始毎に、前記電流の目標値、または、前記電圧の目標値を更新するように制御されるサンプルホールド回路を更に有する請求項1、2および6〜9のいずれかに記載のフィラメント制御装置。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載のフィラメント制御装置が搭載されて、前記フィラメントから放出される熱電子を利用して熱電子利用処理を行う熱電子利用処理装置であって、
    前記第2期間中において、前記電流制御手段または前記電圧制御手段によって前記フィラメントの電流値または電圧値が制御された状態で該熱電子利用処理が実行される熱電子利用処理装置。
  12. 前記フィラメントがイオンビームの空間電荷分布を中和するための中和用フィラメントであり、該フィラメントから放出される熱電子によってイオンビームの空間電荷分布を中和してイオン注入処理を行う請求項11に記載の熱電子利用処理装置。
  13. 前記フィラメントが電子ビームを発生させるための電子ビーム源用フィラメントであり、該フィラメントから放出される熱電子により電子ビーム加工処理を行う請求項11に記載の熱電子利用処理装置。
  14. フィラメントで消費される電力を所定の電力目標値と一致するように制御するフィラメント制御方法であって、
    該フィラメントの抵抗値を所定の時間間隔で測定する抵抗測定ステップと、
    該抵抗測定ステップで第1期間中に測定された複数の該抵抗値に対して平均値を演算する抵抗平均値演算ステップと、
    該抵抗平均値演算ステップで演算された該平均値と該電力目標値とから、該フィラメントに供給すべき電流の目標値を演算する電流目標値演算ステップと、
    第2期間中に、該電流目標値演算ステップで演算された該電流の目標値と一致するように、該フィラメントに流れる電流値を制御する電流制御ステップとを有するフィラメント制御方法。
  15. フィラメントで消費される電力を所定の電力目標値と一致するように制御するフィラメント制御方法であって、
    該フィラメントの抵抗値を所定の時間間隔で測定する抵抗測定ステップと、
    該抵抗測定ステップで第1期間中に測定された複数の該抵抗値に対して平均値を演算する抵抗平均値演算ステップと、
    該抵抗平均値演算ステップで演算された該平均値と該電力目標値とから、該フィラメントに印加すべき電圧の目標値を演算する電圧目標値演算ステップと、
    第2期間中に、該電圧目標値演算ステップで演算された該電圧の目標値と一致するように、該フィラメントに印加される電圧を制御する電圧制御ステップとを有するフィラメント制御方法。
  16. 前記第1期間と前記第2期間とからなる各期間が繰り返され、該第2期間が次の該第1期間の少なくとも一部と重複するようにタイミング制御する請求項14または15に記載のフィラメント制御方法。
  17. 前記第1期間と前記第2期間とからなる各期間が繰り返され、該各期間において、該第1期間の後に該第2期間がくるようにタイミング制御する請求項14または15に記載のフィラメント制御方法。
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