JP2007024957A - 像振れ補正装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】撮影レンズ等の光学系の振動を角速度センサで検出し、角速度センサからの角速度信号をデジタルフィルタでデジタル積分して得られた角度信号に基づいて防振レンズを制御する像振れ補正装置において、フィルタ演算等の処理時間に起因する角度信号の位相の遅れをデジタルフィルタのフィルタ特性によって低減し、防振性能の向上を図る像振れ補正装置を提供する。
【解決手段】デジタル積分を行うデジタルフィルタは、ハードウェア的に示した図2の演算を行う。このとき、乗算定数A0、A1はそれらの比A0/A1が1より大きくなる値に設定される。これによって周波数が高くなるにつれて位相の遅れが小さくなる位相特性をもち、処理時間に起因する位相の遅れを相殺することができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は像振れ補正装置に係り、特に振動によるカメラの像振れを補正(防止)する像振れ補正装置に関する。
例えば、テレビカメラの像振れ補正装置として、撮影光学系に防振レンズを光軸と直交する面内で移動自在に配置し、カメラ(カメラの撮影光学系)に振動が加わると、その振動による像振れを打ち消す方向に防振レンズをアクチュエータで駆動して像振れを補正するようにしたものが知られている。例えば、特許文献1に記載の像振れ補正装置によれば、カメラに加わった振動を振れ検出センサ(角速度センサや加速度センサ等)によって検出し、その振れ検出センサから出力される振れ信号に基づいて防振レンズを制御して像振れを補正する位置に防振レンズを変位させるようにしている。
また、従来、振れ検出センサとして角速度センサを使用する場合、例えばその角速度センサから振れ信号として出力される角速度信号を積分処理して角度信号に変換し、角度信号に基づいて防振レンズを基準位置から変位させているが、角速度信号を角度信号に変換する際の積分処理を、アナログ処理ではなくデジタル処理で行うものが知られている。例えば、角速度センサから出力されたアナログの角速度信号をA/D変換器によってデジタル信号に変換した後、デジタルフィルタで積分処理(デジタル積分)することによって積分処理がデジタル処理で行われる。尚、デジタルフィルタでの積分処理は、角速度信号により検出された像振れを補正するための防振レンズの位置(目標位置)を角速度信号から求めるために行われる少なくとも積分の要素を含む演算処理であり、本明細書では、デジタルフィルタでの積分処理により求められる角度信号が角速度信号の正確な積分値を示すものでなくても角度信号という。また、その角度信号は、角速度信号により検出された像振れを補正するための防振レンズの位置(目標位置)の値を示すものとする。
特開2002−229089号公報
ところで、デジタル積分を行うデジタルフィルタの特性は、ローパスフィルタの特性をもち、デジタルフィルタへの入力信号がカットオフ周波数よりも低い周波数では、入力信号の周波数が低くなるほど出力信号の位相の遅れが0度に近づき(遅れが小さくなる)、カットオフ周波数よりも高い周波数では、入力信号の周波数が高くなるほど出力信号の位相の遅れが90度に近づく(遅れが大きくなる)位相特性となる。このような位相特性のデジタルフィルタによれば、カットオフ周波数よりも高い周波数領域において出力信号の位相の遅れが略90度となる周波数の入力信号に対して積分作用を有する。上記像振れ補正装置では、角速度センサから出力される角速度信号のうち像振れ補正の対象とする周波数の角速度信号よりも低いカットオフ周波数となるローパスフィルタ特性のデジタルフィルタによって像振れ補正の対象とする周波数の角速度信号が角度信号に変換される。
しかしながら、デジタルフィルタにより角速度信号(入力信号)を角度信号(出力信号)に変換する場合、角速度センサから出力された角速度信号の各周波数成分に対する位相の遅れは、積分作用による遅れ(理想的には90度)だけでなく各処理に要する時間(処理時間)に起因する遅れもある。例えば、デジタルフィルタに新たな入力値(角速度信号の値)が与えられてから、その入力値に応答する出力値(角度信号の値)が演算されて出力されるまでの処理時間によって位相の遅れが生じる。仮にその処理時間を1msとすると、1Hzの入力信号(正弦波信号)に対しては、360*(1/1000)=0.36度、10Hzの入力信号に対しては360*(10/1000)=3.6度、20Hzの入力信号に対しては360*(20/1000)=7.2度の位相の遅れが生じ、その処理時間によって入力信号の周波数が高くなるほど出力信号の位相の遅れが大きくなる。また、角速度センサから出力されたアナログの角速度信号をデジタル信号に変換するA/D変換器での処理時間によっても位相の遅れが生じ、更に、デジタルフィルタにより得られた角度信号を防振レンズの移動位置(目標位置)を示す指令信号として防振レンズの駆動回路に出力する場合にはデジタルの指令信号をアナログ信号に変換するD/A変換器での処理時間によって位相の遅れが生じる。
そのため、デジタル積分によって角速度信号の各周波数成分の位相を90度遅らせたとしても上述のような処理時間に起因する位相の遅れにより90度よりも位相の遅れが大きくなり、特に周波数が高くなるほどその位相の遅れも大きくなるため、防振性能が低下するという問題があった。
この対策として微分回路や微分特性を有するデジタルフィルタを使用して位相を進ませることにより処理時間による位相の遅れを補償することが一般的に行われているが、微分により位相を進ませるとそれと同時にゲインも高くなってしまい、角速度信号を角度信号に変換する上で位相とゲインのバランスが崩れ、結果として高い周波数での防振性能が低下するという問題があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、デジタルフィルタによるデジタル積分を用いる場合にフィルタ演算等の各処理に要する時間に起因するデジタルフィルタの出力信号の位相の遅れをデジタルフィルタのフィルタ特性によって低減し、防振性能の向上を図る像振れ補正装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の像振れ補正装置は、像を結像する光学系の振れを示す振れ信号を振れ検出手段から取得し、該取得した振れ信号をデジタルフィルタによりデジタル積分することによって得られた該デジタルフィルタからの出力信号に基づいて前記光学系の振れに起因する像振れを補正する像振れ補正装置において、前記デジタルフィルタは、前記振れ信号から所定サンプリング周期ごとにサンプリングされて入力される入力値X(n=1、2、3…)と、1サンプリング前の入力値Xn−1の入力時に算出された遅延値Wn−1に乗算定数B1を乗算した値B1・Wn−1とを加算した加算値W=(X+B1・Wn−1)を算出すると共に、該算出した加算値Wを遅延値Wとして記憶し、前記加算値Wに乗算定数A0を乗算した値A0・Wと、前記遅延値Wn−1に乗算定数A1を乗算した値A1・Wn−1とを加算した加算値Y=(A0・W+A1・Wn−1)を算出し、該算出した加算値Yを出力値Yとして出力するデジタルフィルタであって、前記乗算定数A0及びA1が、0ではない値であって、且つ、(A0/A1)>1を満たす値に設定されるデジタルフィルタであることを特徴としている。
本発明によれば、デジタル積分を行うデジタルフィルタのフィルタ特性において、周波数が低い場合は、従来と同様に周波数が高くなるにつれてデジタルフィルタの出力信号の位相の遅れが90度に近づき、ある周波数以上になると周波数が高くなるにつれて位相の遅れが次第に小さくなる特性をもつようになる。そのため、フィルタ演算等の処理時間に起因する位相の遅れを低減することができる。尚、従来は、デジタルフィルタの乗算定数A0とA1が同一値に設定され、且つ、0に近い値に設定されるのが一般的である。
また、本発明におけるデジタルフィルタのゲインも従来と略同様の特性であるため位相とゲインのバランスが崩れて高い周波数での防振性能が低下するという不具合も生じない。
請求項2に記載の像振れ補正装置は、請求項1に記載の発明において、前記デジタルフィルタの乗算定数B1は、0<B1<1で、且つ、1に近い値に設定されることを特徴としている。
請求項3に記載の像振れ補正装置は、請求項1に記載の発明において、前記振れ検出手段は、前記光学系の振れの角速度を検出する角速度センサであって、前記振れ信号は角速度信号であることを特徴としている。
本発明に係る像振れ補正装置によれば、デジタル積分を行うデジタルフィルタのフィルタ特性において、入力信号の周波数が高くなるにつれて出力信号の位相の遅れが小さくなる特性をもつようになるため、処理時間に起因する位相の遅れを低減することができ、防振性能の向上が図れる。
以下添付図面に従って本発明に係る像振れ補正装置の好ましい実施の形態について詳述する。
図1は、本発明に係る像振れ補正装置の内部構成を示した構成図である。像振れ補正装置は、例えば、テレビカメラ用のレンズ装置(撮影レンズ)、ムービカメラ、又は、スチルカメラ等に搭載され、同図に示す防振レンズ28は、本装置が搭載されるレンズ装置又はカメラ等の光学系において、光軸に対して垂直な面内で上下(鉛直方向)、左右(水平方向)に移動可能に配置される。また、防振レンズ28は、モータ26により上下、又は、左右に駆動されるようになっており、カメラ(光学系)に振動が生じた場合には、このモータ26により像振れを補正する位置(振動による像振れを打ち消す位置)に移動するようになっている。尚、防振レンズ28は上下方向と左右方向のいずれの方向についても各方向に生じた振動に基づいて同様に駆動されるため、同図には一方向に対する像振れ補正を行う構成についてのみ示し、他方向に対して同様に構成されるものとする。
同図に示す角速度センサ10は、例えばジャイロセンサであり、光学系の振動を検出するための振れ検出センサとして用いられる。この角速度センサ10は、例えばレンズ鏡胴の上面に設置され、レンズ鏡胴の左右方向の振動の角速度を検出し、検出した角速度に応じた電圧の電気信号を出力する。尚、角速度センサ10から出力される信号を以下、角速度信号という。
角速度センサ10から出力された角速度信号は、増幅回路12により増幅処理された後、ハイパスフィルタ14によって直流成分が除去され、ローパスフィルタ16によって高周波ノイズが除去される。続いて、A/D変換器18によってアナログの角速度信号がデジタル信号に変換され、デジタルフィルタ20に所定のサンプリング周期でサンプリングされる。
デジタルフィルタ20の処理についての詳細は後述するが、デジタルフィルタ20は、所定のサンプリング周期でサンプリングされる角速度信号を積分処理(デジタル積分)して角度信号を算出する。角度信号の値は、像振れを補正するための防振レンズ28の位置(目標位置)を示す目標値であり、デジタルフィルタ20は角速度信号から算出した角度信号を指令信号としてD/A変換器22に出力する。
D/A変換器22に出力された指令信号は、D/A変換器22によりデジタル信号からアナログ信号に変換された後、モータ駆動回路24に入力される。そして、その指令信号に従ってモータ26がモータ駆動回路24により駆動され、防振レンズ28が指令信号により指示された目標位置に移動する。
これによって角速度センサ10によって検出された振動による像振れを補正する位置に防振レンズ28が変位し、像振れが補正(防止)される。
次に、デジタルフィルタ20について詳説する。デジタルフィルタ20は具体的にはIIR(Infinite Impulse Response)フィルタの演算処理を行う回路であり、デジタルフィルタ20として、デジタルフィルタ用に特化された回路を用いることもできるが、例えば、プログラムによってソフトウェア的にデジタルフィルタと同等の処理を行うことができるCPU等のデジタル演算手段が用いられる。
図2は、デジタルフィルタ20の演算処理をハードウェア的に示したブロック線図であり、同図を用いてデジタルフィルタ20の演算処理の内容を説明する。
デジタルフィルタ20は、角速度センサ10から出力された角速度信号の値をA/D変換器18から所定のサンプリング周期で順次サンプリングする。これによってデジタルフィルタ20に入力される入力値をX(n=1、2、3…)とする。また、入力値Xに応答してデジタルフィルタ20から出力される出力値をY(n=1、2、3…)とする。
同図に示すように、デジタルフィルタ20に入力された入力値Xは、まず、加算器30に入力される。一方、これに応答して加算器30から出力される出力値をW(n=1、2、3…)とすると、遅延器32からは、1サンプリング前(入力値Xn−1の入力時)の加算器30の出力値(遅延値)Wn−1が出力されており、その遅延値Wn−1に対して乗算定数B1が乗算された値B1・Wn−1が乗算器34から加算器30に入力される。
従って、加算器30からは、次式(1)で表される出力値Wが出力される。
=X+B1・Wn−1 …(1)
即ち、デジタルフィルタ20は、入力値Xの入力時よりも1サンプリング前の入力値Xn−1が入力された際の上式(1)の値Wn−1を次のサンプリング時の遅延値として記憶しておき、入力値Xが入力された際には、その入力値Xと記憶している遅延値Wn−1とから乗算定数B1を用いて上式(1)の値Wを算出する。また、求めたWを次のサンプリング時の遅延値として記憶する。
加算器30から出力された出力値Wは続いて乗算器36により乗算定数A0が乗算され、乗算器36の出力値A0・Wが加算器40に入力される。一方、上記遅延器32から出力される遅延値Wn−1に対して乗算定数A1が乗算された値A1・Wn−1が乗算器38から加算器40に入力される。従って、加算器40からは、次式(2)で表される出力値Yがデジタルフィルタ20の出力値として出力される。
=A0・W+A1・Wn−1 …(2)
即ち、デジタルフィルタ20は、上式(1)により算出した値Wと、1サンプリング前に記憶した遅延値Wn−1と、乗算定数A0、A1を用いて上式(2)の値Yを算出する。そして、その算出した値Yを入力値Xに応答する出力値としてデジタルフィルタ20から出力する。
続いて、フィルタ係数として設定される上記乗算定数A0、A1、B1の値について説明する。デジタルフィルタ20は、上記演算によってデジタル積分を行うものであり、従来では乗算定数A0、A1、B1の値は、例えば、
A0=0.0008
A1=0.0008
B1=0.999
に設定されている。これに対して、本実施の形態では、乗算定数A0、A1、B1の値は、
A0=0.9999
A1=0.0008
B1=0.999
に設定される。これによれば、従来と異なり乗算定数A0とA1の値が相違し、A0がA1よりも大きな値に設定されている。乗算定数B1は0より大きく1より小さい値の範囲で設定されている。また、乗算定数A0、B1は1に近い値(略1)に設定され、乗算定数A1が0に近い値(略0)に設定されている。
図3(A)、(B)に本実施の形態の乗算定数におけるフィルタ特性を示し、図4(A)、(B)に従来の乗算定数におけるフィルタ特性を示す。図3、図4はいずれも像振れ補正の対象とする振動(角速度信号)の周波数領域(数ヘルツ〜数十ヘルツ)に対するフィルタ特性を示しており、図3(A)、図4(A)は、ゲイン特性を示し、図3(B)、図4(B)は、位相特性を示している。
従来の乗算定数では、図4(B)の実線C4で示すように入力信号(角速度信号)の周波数が高くなるにつれて出力信号(角度信号)の位相の遅れが90度に近づく特性を示している。尚、0〜数ヘルツの低域において位相の遅れが90度よりも大きく進んでいる周波数領域は像振れ補正の対象とする振動の領域ではなく(90度よりも大きく進んでいる周波数は非常に低いため像振れ補正を行わなくても問題がない)、その領域の信号は図1に示したハイパスフィルタ14により遮断される。
これに対して、本実施の形態の乗算定数では、図3(B)の実線C1で示すように低い周波数領域で、従来と同様の特性を示し、ある周波数以上になると周波数が高くなるにつれて位相の遅れが90度よりも小さくなる(進む)特性を示す。
ここで、角速度センサ10からある値の角速度信号が出力されてから、その値に応答する角度信号(指令信号)がモータ駆動回路24に与えられるまでには、その間での信号処理のための時間を要する。例えば、図1においてA/D変換器18でアナログ信号をデジタル信号に変換する処理、D/A変換器22でデジタル信号をアナログ信号に変換する処理、デジタルフィルタ20での演算処理などで時間を要する。
そのため、それらの処理時間に起因して、モータ駆動回路24に与えられる角度信号の位相が角速度センサ10から出力された角速度信号に対して遅れる。このような処理時間による起因する位相の遅れは周波数が高くなるほど大きくなる。
そこで、処理時間に起因する位相の遅れと、デジタルフィルタでのフィルタ特性による位相の遅れとを考慮した位相特性を図3(B)、図4(B)に示すと、本実施の形態の乗算定数の場合には図3(B)の破線C2のようになり、従来の乗算定数の場合には図4(B)の破線C5のようなる。
これによれば、従来の乗算定数の場合には周波数が高くなるにつれて位相の遅れが大きくなると共に、周波数が高くなると位相の遅れが90度よりも大幅に大きくなるため防振性能がよくない。
これに対して、本実施の形態の乗算定数の場合には、フィルタ特性によって周波数が高くなるほど位相の遅れを小さくするようにした分、処理時間に起因する位相の遅れが低減され、周波数が高くなっても略90度で一定となる。そのため、防振性能が従来に比べて向上する。
また、図3(A)の実線C3で示した本実施の形態の乗算定数でのゲイン特性と、図4(A)の実線C6で示した従来の乗算定数でのゲイン特性とを比較すると、ゲインの大きさは変化しているが略同様の特性を示しており、本実施の形態の乗算定数を採用した場合に位相とゲインとのバランスが崩れて高い周波数での防振性能が低下するという不具合も生じない。尚、本実施の形態の乗算定数の場合には従来の乗算定数の場合よりもゲインが大きくなるため、その分、デジタルフィルタ20に入力する入力信号を図1の増幅回路12、デジタルフィルタ20の演算処理を行うCPU、又は、その他の回路でゲイン調整して従来の乗算定数の場合よりも小さくし、角速度センサ10により検出された振動の大きさに対して適切な大きさで防振レンズ28を変位させるようにする。デジタルフィルタ20に入力する入力信号のレベルではなくデジタルフィルタ20から出力される出力信号のレベルを調整してもよい。
尚、図3に示したような本実施の形態におけるフィルタ特性を得るための乗算定数A0、A1、B1の値は、上記のように、
A0=0.9999
A1=0.0008
B1=0.999
とした場合に限らない。上式(2)において乗算定数A0とA1の比が一定であれば、それらの絶対的な値として任意の値を設定したとしても位相特性は変わらない。但し、それらの値によってゲインの大きさ(全周波数に対する全体的な大きさ)が変化するためA0とA1の絶対的な値も好適なゲインとなるように設定することが必要となるが、上記のようにゲイン調整はデジタルフィルタ20以外の要素によって調整可能なためA0とA1の絶対的な大きさは特定の値に制限されない。
そこで、乗算定数A0とA1の比のみを考慮すると、図3に示したようなフィルタ特性(位相特性)を得るため、即ち、図3(B)の実線C1のようにある周波数以上になると周波数が高くなるにつれて位相の遅れが90度付近から減少していく特性を得るためには、乗算定数A0とA1をそれぞれ0ではない値であって、且つ、それらの比A0/A1が1より大きくなる値、即ち、(A0/A1)>1となる値に設定すればよく、上記具体値に限らない。(A0/A1)の大きさとして、10より大きく、即ち、(A0/A1)>10とすることが望ましく、100より大きければ、即ち、(A0/A1)>100であればより好ましい。
また、上式(1)における乗算定数B1は、0<B1<1となる範囲に設定されるが、0.98<B1<1の範囲に設定するのが望ましく、0.99<B1<1の範囲であればより好ましい。
図1は、本発明に係る像振れ補正装置の内部構成を示した構成図である。 図2は、デジタルフィルタの演算処理をハードウェア的に示したブロック線図である。 図3は、本実施の形態の乗算定数におけるデジタルフィルタのフィルタ特性を示した図である。 図4は、従来の乗算定数におけるデジタルフィルタのフィルタ特性を示した図である。
符号の説明
10…角速度センサ、12…増幅回路、14…ハイパスフィルタ、16…ローパスフィルタ、18…A/D変換器、20…デジタルフィルタ、22…D/A変換器、24…モータ駆動回路、26…モータ、28…防振レンズ、30、40…加算器、32…遅延器、34、36、38…乗算器

Claims (3)

  1. 像を結像する光学系の振れを示す振れ信号を振れ検出手段から取得し、該取得した振れ信号をデジタルフィルタによりデジタル積分することによって得られた該デジタルフィルタからの出力信号に基づいて前記光学系の振れに起因する像振れを補正する像振れ補正装置において、
    前記デジタルフィルタは、前記振れ信号から所定サンプリング周期ごとにサンプリングされて入力される入力値X(n=1、2、3…)と、1サンプリング前の入力値Xn−1の入力時に算出された遅延値Wn−1に乗算定数B1を乗算した値B1・Wn−1とを加算した加算値W=(X+B1・Wn−1)を算出すると共に、該算出した加算値Wを遅延値Wとして記憶し、前記加算値Wに乗算定数A0を乗算した値A0・Wと、前記遅延値Wn−1に乗算定数A1を乗算した値A1・Wn−1とを加算した加算値Y=(A0・W+A1・Wn−1)を算出し、該算出した加算値Yを出力値Yとして出力するデジタルフィルタであって、
    前記乗算定数A0及びA1が、0ではない値であって、且つ、(A0/A1)>1を満たす値に設定されるデジタルフィルタであることを特徴とする像振れ補正装置。
  2. 前記デジタルフィルタの乗算定数B1は、0<B1<1で、且つ、1に近い値に設定されることを特徴とする請求項1の像振れ補正装置。
  3. 前記振れ検出手段は、前記光学系の振れの角速度を検出する角速度センサであって、前記振れ信号は角速度信号であることを特徴とする請求項1の像振れ補正装置。
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