JP2007024827A - 位相シフト干渉計 - Google Patents
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Abstract
【課題】 フィゾー型の位相シフト干渉計を提供する。
【解決手段】 P波とS波とを発射する照明光学系200と、コリメートレンズ110と、参照ハーフミラー120と、ピンホール131を有するピンホールプレート130と、ピンホール131を通過する光束に含まれる物体光と参照光とを4つの異なる位相で干渉させて異なる位相の干渉縞を得る位相シフト干渉縞取得部300と、を備える。S波については参照ハーフミラー120からの反射光である参照光SRのみがピンホール131を通過して被検面からの反射光である物体光SMはピンホールプレート130にて遮断される。P波については被検面からの反射光である物体光PMのみがピンホール131を通過して参照ハーフミラー120からの反射光である参照光PRは前記ピンホールプレート130にて遮断される。
【選択図】 図1
Description
図13に示されるフィゾー型の位相シフト干渉計における光の光路について説明する。
図13において、光源11から発射された光(L10)は、コリメートレンズ系12によって平行光束となり、途中のハーフミラー13を通過(L11)してワーク表面に照射される。
光源11からは直線偏光が発射(L10)されるとする。
ここで、ハーフミラー13とワークとの間にはリファレンス面を兼ねる1/4波長板14が配設されている。
光源11からこの1/4波長板14に入射する光(L11)のうち一部は反射され、残りは透過する。
1/4波長板14にて反射される光(L12)は参照光としてハーフミラー13に再帰する。
1/4波長板14を透過する光(L13)はワーク表面に照射され、ワーク表面にて反射されて物体光(L14)として1/4波長板14に再帰した後、1/4波長板14を透過してハーフミラー13に入射する。
このとき、ワーク表面からの物体光(L14)は1/4波長板を2回通過するので振動方向が90度回転され、参照光(L12)に対して直交する偏光方向を有する。
従って、参照光(L12)と物体光(L14)とは干渉することなく無干渉光束として共通の光路でハーフミラー13に再帰する。
ハーフミラー13に再帰した無干渉光束は、ハーフミラー13で反射(L16)されたのち、反射ミラー15で反射されて、さらに1/4波長板16を通過する(L17)。
無干渉光束がこの1/4波長板16を通過することにより、無干渉光束に含まれる互いに直交方向の振動方向を有する物体光(L14)と参照光(L12)とが互いに反対の回転方向である円偏光となる。
1/4波長板16を通過した光(L17)は、光路上に配設された第1ハーフミラー17、第2ハーフミラー18および反射ミラー19によって3つの光束(L18、L19、L20)に分割される。
分割された各光束(L18、L19、L20)の光路上には偏光板20、21、22およびCCDカメラ23、24、25が配設されている。
ここで、第1ハーフミラー17にて反射された第1光束(L18)の光路上に配設される第1偏光板20と、第2ハーフミラー18にて反射された第2光束(L19)の光路上に配設される第2偏光板21と、反射ミラー19で反射された第3光束(L20)の光路上に配設される第3偏光板22と、はそれぞれ透過軸角度が異なっている。
例えば、第1偏光板20の透過軸角度を0度とすると、第2偏光板21の透過軸角度は45度であり、第3偏光板22の透過軸角度は90度である。
すると、各CCDカメラにおいて90度ずつ位相が異なる3つの干渉縞の像が撮像される。
そして、所定の解析手段に各干渉縞の画像を入力して、干渉縞上の各点における画像強度を3つの干渉縞で対比することにより、ワーク表面の位相情報が得られる。
これにより、ワーク表面の形状が求められる。
上記構成では、物体光と参照光とを無干渉で合波するために1/4波長板14を光路上に配置し、物体光が1/4波長板14を2回通過するようにして物体光と参照光とを互いに直交する偏光としている。しかしながら、実際に1/4波長板14を大きな開口で作成するには非常な困難がある。
すなわち、波長板は複屈折性の結晶を所定方向でカットした平板であるところ、良質な波長板で開口が広いものを得ることは非常に難しく、製作コストが甚大となる。
そのため、実現可能なフィゾー型の位相シフト干渉計が望まれていた。
すなわち、第1偏光については、参照ハーフミラーにて反射される参照光と被検面にて反射される物体光とがピンホールに向かい、第2偏光についても、参照ハーフミラーにて反射される参照光と被検面にて反射される物体光とがピンホールに向かう。
第2偏光については被検面からの反射光である物体光のみがピンホールを通過する。つまり、参照光としては第1偏光のみがピンホールを通過し、物体光としては第2偏光のみがピンホールを通過する。そして、第1偏光と第2偏光とは互いに直交する偏光方向であるかもしくは逆方向の回転方向である偏光であるので、第1偏光の参照光と第2偏光の物体光とは干渉し合うことなく無干渉の光束としてピンホールを通過する。
ピンホールを通過した第1偏光の参照光と第2偏光の物体光との無干渉光束は、位相シフト干渉縞取得部に入射する。位相シフト干渉縞取得部は、ピンホールを通過してきた無干渉光束を3以上の異なる位相で干渉させる。
つまり、第1偏光の参照光と第2偏光の物体光とを複数の異なる位相で干渉させて異なる位相の干渉縞を得る。そして、位相が異なる干渉縞から被検面の位相情報が得られ、被検面の高さが求められる。
従来は、フィゾー型の位相シフト干渉計において物体光と参照光とを無干渉の光束とするために1/4波長板を使用する構成が考案されていたところ、幅広の光束に対応するように開口の広い波長板を用意することは困難であった。
この点、本発明では、当初から互いに干渉し合わない第1偏光と第2偏光とを照明光学系から発射するので、物体光と参照光とを無干渉光束とするために開口の広い波長板を必要としない。
このように各偏光の参照光と物体光とが干渉してしまうと、位相シフト干渉縞取得部において参照光と物体光とを異なる位相で干渉させて位相が異なる複数の干渉縞を同時に得ることができなくなる。
この点、本発明では、第1偏光については参照ハーフミラーにて反射される参照光のみがピンホールを通過して位相シフト干渉縞取得部に入射するようにし、第2偏光については被検面で反射された物体光のみがピンホールを通過して位相シフト干渉縞取得部に入射するようにする。
このようにピンホールによって位相シフト干渉縞取得部に入射する光束を選択するので、第1偏光の参照光と第2偏光の物体光とが無干渉光束として位相シフト干渉縞取得部に入射する。よって、位相シフト干渉縞取得部において、参照光と物体光とを異なる位相で干渉させて位相の異なる複数の干渉縞を同時に得ることができる。
その結果、第1偏光の参照光と第2偏光の物体光とを無干渉の状態で位相シフト干渉縞取得部に入射させることができる。そして、ピンホールによって位相シフト干渉縞取得部に入射する光束を選択するにあたって、第1偏光と第2偏光とを所定間隔離間して発射するとともに、参照ハーフミラーの角度を調整するだけでよいので簡便である。
参照ハーフミラーは所定角度傾斜しているところ、参照ハーフミラーの傾斜角度に所定の調整がなされることで、参照ハーフミラーによる第1偏光の反射光である参照光は、コリメートレンズの光軸に対して平行に反射される。すると、この第1偏光の参照光は、コリメートレンズによってピンホールの位置に焦点を結んで、ピンホールを通過する。
よって、第2偏光の物体光は、コリメートレンズによってピンホール位置に結像し、ピンホールを通過する。
このような構成によれば、ピンホールを通過させるべき第1偏光の参照光と第2偏光の物体光とはコリメートレンズの焦点位置にて結像するので、ピンホールはコリメートレンズの焦点位置に合わせて配設すればよい。したがって、ピンホール位置の調整を始めとして干渉計の組立てが簡単化される。
あるいは、複数のハーフミラーやプリズムで光束を分割して三つ以上の光束にしてから、それぞれの光束が透過軸角度の異なる偏光板を通過するようにして異なる位相の干渉縞を得てもよい。
これにより、光束分割手段による光束の分割によって生成される第1偏光と第2偏光との相対強度を調整することができる。例えば、反射率の低いワークを測定対象とする場合には、物体光が弱すぎて望ましい干渉縞が得られないおそれもあるが、分割される第1偏光と第2偏光との強度を調整してワークからの反射光である物体光の強度とリファレンス面からの反射光である参照光の強度とを略等しくすることで干渉縞を明瞭にすることができる。
(第1実施形態)
本発明の位相シフト干渉計に係る第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態の全体構成を示す図である。
この位相シフト干渉計100は、フィゾー型の干渉計であり、互いに直交する偏光であるS波(第1偏光)とP波(第2偏光)とを発射する照明光学系200と、照明光学系200からの光を平行光束にしてワーク表面(被検面)に照射するコリメートレンズ110と、コリメートレンズ110とワークとの間において所定角度傾斜して配設された参照面としての参照ハーフミラー120と、コリメートレンズ110を間にしてワークとは反対側においてコリメートレンズ110の焦点位置に配設されたピンホール131を有するピンホールプレート130と、ピンホール131を通過した光束を異なる位相で干渉させて異なる位相の複数の干渉縞を得る位相シフト干渉縞取得部300と、照明光学系200からの光をワーク表面に向けて反射するとともにワーク表面および参照ハーフミラー120からの反射光を位相シフト干渉縞取得部300に向けて透過させるハーフミラー140と、を備える。
照明光学系200は、レーザー光源210と、レーザー光源210からの光を偏光にする偏光板220と、半波長板230と、レーザー光源210からの光をP波とS波とに分ける光束分割手段240と、光束分割手段240からのP波とS波とを平行光束にする平行光束生成手段250と、を備える。
光束分割手段240は、偏光ビームスプリッタ241と、二枚の反射ミラー242、243と、を備える。
なお、偏光ビームスプリッタ241は、P波を通過させ、S波を反射する。
このとき、第1反射ミラー242から偏光ビームスプリッタ241に再帰する位置は光源210から偏光ビームスプリッタ241に光(L2)が入射する入射位置からずれており、かつ、前述のP波とは反対の側にずれる。
そして、第1反射ミラー242からのS波は偏光ビームスプリッタ241にて反射されて平行光束生成手段250に入射する。
このように、偏光ビームスプリッタ241を透過したP波と偏光ビームスプリッタ241にて反射されるS波とが反対方向の経路で三角形状に反射されることにより、所定間隔離間した二光束となる。
このような構成を備える照明光学系200によって、図3に示されるように、P波とS波とが所定間隔(d)離間された状態で発射される。
まず、照明光学系200から発射されたP波の光路について図4を参照して説明する。
図4は、P波の光路を示す図である。
参照ハーフミラー120にて反射されたP波は、まず、コリメートレンズ110を通過するところ、P波の中心軸がハーフミラー140に入射する位置はコリメートレンズ110の光軸上にある。よって、ハーフミラー140にて反射されてコリメートレンズ110を通過したP波は、平行光束となって参照ハーフミラー120およびワーク表面に照射される。
この参照ハーフミラー120で反射される光をP波の参照光(PR)と称する。
また、参照ハーフミラー120に照射されたP波のうち、一部はこの参照ハーフミラー120を透過してワーク表面に照射され、ワーク表面から反射される。
このワーク表面にて反射される光をP波の物体光(PM)と称する。
ここで、参照ハーフミラー120は、所定角度傾斜して配設されているので、参照ハーフミラー120からの反射光であるP波の参照光(PR)は、コリメートレンズ110の光軸に対して所定角度をなす方向に向けて参照ハーフミラー120から反射される。そのため、このP波の参照光(PR)がコリメートレンズ110によって結像する位置は、コリメートレンズ110の焦点位置からずれた位置になる。その一方、ワーク表面にて反射されたP波の物体光(PM)は、コリメートレンズ110を通過した後、コリメートレンズ110の焦点位置に結像する。
その一方、コリメートレンズ110を通過したP波の物体光(PM)は、ピンホール131内に焦点を結ぶので(図5参照)、ピンホール131を通過して位相シフト干渉縞取得部300に向かう。
図6は、S波の光路を示す図である。
照明光学系200から発射されたS波は、ハーフミラー140にて反射された後、コリメートレンズ110を通過して参照ハーフミラー120およびワーク表面に向けて照射される。ハーフミラー140にて反射されたS波は、まず、コリメートレンズ110を通過するところ、S波はP波から所定間隔離間しており、S波の中心軸がハーフミラー140に入射する位置はコリメートレンズ110の主軸からずれる。よって、ハーフミラー140にて反射されてコリメートレンズ110を通過した光は、所定の傾斜角度をもって参照ハーフミラー120およびワーク表面に照射される。
参照ハーフミラー120に照射されたS波のうち、一部はこの参照ハーフミラー120で反射される。
この参照ハーフミラー120で反射される光をS波の参照光(SR)と称する。また、参照ハーフミラー120に照射されたS波のうち、一部はこの参照ハーフミラー120は透過してワーク表面に照射され、ワーク表面から反射される。このワーク表面にて反射される光をS波の物体光(SM)と称する。
ここで、コリメートレンズ110から参照ハーフミラー120に入射するS波は所定角度をもって参照ハーフミラー120に入射するところ、参照ハーフミラー120が所定角度傾斜している。このとき、参照ハーフミラー120は、コリメートレンズ110の光軸に対して略平行にS波の参照光(SR)を反射する角度で配設されている。
すなわち、S波の参照光(SR)はコリメートレンズ110を通過した後にコリメートレンズ110の焦点位置に結像する。そして、このコリメートレンズ110の焦点位置にピンホール131が配設されているので、S波の参照光(SR)はピンホール131を通過して位相シフト干渉縞取得部300に向かう(図5参照)。
ここで、P波の物体光(PM)とS波の参照光(SR)とは、互いに直交する偏光方向を有するので、共通の光路をたどってコリメートレンズ110からピンホール131を通過する際でもP波の物体光(PM)とS波の参照光(SR)とが互いに干渉することはなく、無干渉光束としてピンホール131を通過する。
位相シフト干渉縞取得部300は、レンズ310と、1/4波長板320と、複合偏光板330と、撮像手段としての複合CCDカメラ340と、を備えている。
レンズ310は、ピンホール131に焦点位置を合わせて配設されている。1/4波長板320は、ピンホール131からレンズ310を介して入射するS波の参照光とP波の物体光とを互いに回転方向が異なる円偏光にする。複合偏光板330は、図8に示されるように、透過軸角度が互いに異なる4つの偏光板331〜334を一枚の板状にした偏光板であり、光路中に配設されることによって、光束の4つの部分が複合偏光板330の異なる透過軸角度の偏光板部分331〜334を通過する。
複合偏光板330を構成する4つの偏光板331〜334の透過軸角度は45度ずつ異なり、各偏光板331〜334の透過軸角度は0度、45度、90度、135度である。複合CCDカメラ340は、複合偏光板330を構成する各偏光板331〜334に対応して4つのCCDカメラ341〜344からなる。
干渉縞の像は複合CCDカメラ340に入射し、複合CCDカメラ340の各カメラ341〜344によって撮像される。すると、図9に示されるように、光束を4分割して、各分割部分で異なる位相の干渉縞が取得される。
このように偏光ビームスプリッタ241における光の分割においてS波とP波との割合を調整して、ワークからの反射光であるP波の物体光PMの強度と参照ハーフミラー120からの反射光であるS波の参照光SRの強度とを略等しくすることで干渉縞を明瞭にする。
(1)従来は、フィゾー型の位相シフト干渉計において物体光と参照光とを無干渉の光束とするために1/4波長板を使用する構成が考案されていたところ、幅広の光束に対応するように開口の広い波長板を用意することは困難であったが、本実施形態では、照明光学系200からP波とS波とを発射するので、物体光と参照光とを無干渉光束とするために開口の広い波長板を必要としない。よって、被検面の表面形状を測定するフィゾー型の干渉計において、S波の参照光SRとP波の物体光PMとを異なる複数の位相で干渉させて、位相が異なる複数の干渉縞を同時に得るフィゾー型の位相シフト干渉計100を実現することができる。
このようにピンホール131によって位相シフト干渉縞取得部300に入射する光束を選択するので、S波の参照光(SR)とP波の物体光(PM)とが無干渉光束として位相シフト干渉縞取得部300に入射し、位相シフト干渉縞取得部300において、参照光(PR)と物体光(SM)とを異なる位相で干渉させて位相の異なる複数の干渉縞を同時に得ることができる。
次に、本発明の変形例1について図10を参照して説明する。
変形例1の基本的構成は第1実施形態に同様であるが、照明光学系の構成に特徴を有する。
図10において、照明光学系400は、レーザー光源410と、レーザー光源410からの光を偏光にする偏光板420と、半波長板430と、レーザー光源410からの光をP波とS波とに分ける光束分割手段440と、光束分割手段440からのP波とS波とを平行光束にする平行光束生成手段450と、を備える。
ここで、光束分割手段440は、偏光ビームスプリッタ441であり、平行光束生成手段450は、2つのレンズ451、453と、2本の光ファイバ452、454と、を備えて構成されている。
レーザー光源410から発射された光(L1)は、偏光板420を通過することで所定の偏光方向を有する偏光となり、半波長板430によって偏光方向が所定角度で回転された状態で偏光ビームスプリッタ441に入射する(L2)。すると、偏光ビームスプリッタ441に入射した光のうち、P波は偏光ビームスプリッタ441を通過し、S波は偏光ビームスプリッタ441にて反射される。そして、P波とS波とはそれぞれレンズ451、453を通して光ファイバ452、454に導入される。光ファイバ452、454の末端部452A、454Aは、所定間隔を隔てて互いに平行に配設されている。これにより、光ファイバ452、454の末端部452A、454Aから発射されたP波とS波とは所定間隔離間して平行に発射される。
次に、本発明の変形例2について図11を参照して説明する。
変形例2の基本的構成は、第1実施形態に同様であるが、照明光学系の構成に特徴を有する。
図11において、照明光学系500は、レーザー光源510と、レーザー光源510からの光を偏光にする偏光板520と、半波長板530と、レーザー光源510からの光をP波とS波とに分ける光束分割手段540と、光束分割手段540からのP波とS波とを平行光束にする平行光束生成手段550と、を備える。
ここで、光束分割手段540は、サバールプレート541であり、平行光束生成手段550は、ウォラストンプリズム551と、レンズ552と、を備えている。
そして、P波とS波とが所定間隔離間した状態でサバールプレート541から射出されてウォラストンプリズム551に入射する。すると、このP波とS波とは直進経路に対して5度ほど傾斜した射出角でウォラストンプリズム551から射出される。
ウォラストンプリズム551から射出されたP波およびS波は、レンズ552を通過することによって、焦点位置にて一旦絞られた後に拡散光束として照明光学系500から発射される。さらに、レンズ552は、ウォラストンプリズム551から射出される光が交差する位置に焦点位置を合わせて配設されているところ、レンズ552を通過した後のP波とS波との光軸は互いに平行となる。
次に、本発明の変形例3について図12を参照して説明する。
変形例3の基本的構成は、第1実施形態に同様であるが、照明光学系の構成に特徴を有する。
図12において、照明光学系600は、レーザー光源610と、レーザー光源610からの光を偏光にする偏光板620と、半波長板630と、レンズ640と、サバールプレート650と、を備えている。
レーザー光源610から発射された光は、偏光板620を通過することで所定の偏光方向を有する偏光となる。そして、半波長板630によって偏光方向が所定角度で回転された状態でレンズ640に入射し、このレンズ640によって焦点位置に絞られ、サバールプレート650に入射する。サバールプレート650に光が入射すると、互いに直交する成分を有するP波とS波とが所定間隔離間するようにずれる。そして、P波とS波とが所定間隔離間した状態でサバールプレート650から射出される。
例えば、照明光学系の構成としては、上記に説明した構成に限られず、光源からの光をP波とS波とに分割して所定間隔離間した状態で発射できる構成であればよい。
また、照明光学系から発射する光は直線偏光であるP波とS波である場合を例にして説明したが、例えば、互いに反対方向の回転方向を有する円偏光であってもよい。
位相シフト干渉縞取得部において、複合偏光板を光束中に挿入して、光束の各部分が複合偏光板中の異なる透過軸角度の偏光板部分を通過することで異なる位相の干渉縞を生成する場合を例にして説明したが、ピンホールを通過してきた無干渉光束を複数枚のハーフミラー等やプリズム等を用いて複数の光束に分割した上で、波長板および偏光板等を用いて各光束が異なる位相で干渉するようにしてもよい。
Claims (5)
- 互いに直交する偏光方向を有するかもしくは互いに逆方向の回転方向を有する第1偏光と第2偏光とを発射する照明光学系と、
前記照明光学系から被検面への光路中に配設されたコリメートレンズと、
前記コリメートレンズと前記被検面との間の光路中に配設され、前記第1偏光および前記第2偏光の一部を反射するとともに前記第1偏光および前記第2偏光の一部を前記被検面に向けて透過させる参照ハーフミラーと、
前記コリメートレンズを間にして前記被検面とは反対側において前記コリメートレンズから焦点距離の位置に配設されたピンホールを有するピンホールプレートと、
前記被検面からの反射光である物体光および前記参照ハーフミラーからの反射光である参照光のうち前記ピンホールを通過する光束に含まれる前記物体光と前記参照光とを3以上の異なる位相で干渉させて異なる位相の干渉縞を得る位相シフト干渉縞取得部と、を備え、
前記第1偏光については前記参照ハーフミラーからの反射光である参照光のみが前記ピンホールを通過して前記被検面からの反射光である物体光は前記ピンホールプレートにて遮断され、かつ、前記第2偏光については前記被検面からの反射光である物体光のみが前記ピンホールを通過して前記参照ハーフミラーからの反射光である参照光は前記ピンホールプレートにて遮断される
ことを特徴とする位相シフト干渉計。 - 請求項1に記載の位相シフト干渉計において、
前記照明光学系は、前記第1偏光と前記第2偏光とを所定間隔離間させて発射し、
前記参照ハーフミラーは、前記コリメートレンズの光軸に対して所定角度傾斜して配設されている
ことを特徴とする位相シフト干渉計。 - 請求項2に記載の位相シフト干渉計において、
前記照明光学系は、第1偏光を前記コリメートレンズの光軸からずれた点から発射し、かつ、第2偏光を前記コリメートレンズの光軸に沿って発射する
ことを特徴とする位相シフト干渉計。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の位相シフト干渉計において、
前記位相シフト干渉縞取得部は、
前記ピンホールを通過した光の光路上に配設された1/4波長板と、
光路中に配設され、透過軸角度が互いに異なる3以上の偏光板と、を備える
ことを特徴とする位相シフト干渉計。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の位相シフト干渉計において、
前記照明光学系は、
一つのレーザー光源と、
レーザー光源からの光を偏光にする偏光板と、
半波長板と、
前記レーザー光源からの光を互いに直交する偏光方向を有する前記第1偏光と前記第2偏光とに分割する光束分割手段と、を備え、
前記半波長板を回転させることにより半波長板の主軸角度を前記光束分割手段の主軸角度に対して相対的に調整可能である
ことを特徴とする位相シフト干渉計。
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