JP4583611B2 - 斜入射干渉計装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、比較的大きい凹凸が形成されている面の表面形状測定にも適応し得る斜入射干渉計装置に関し、詳しくは参照光と測定光との光路を分割し、参照面で反射された参照光と被検面で反射された測定光とを合成することにより光干渉を行なわしめる斜入射干渉計装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、可干渉光を被検面に対して斜めに入射し、測定感度を低下させることによってある程度凹凸の大きい被検面の表面形状測定を可能とした斜入射干渉計装置が知られている。このような斜入射干渉計装置としては種々のタイプのものが知られており、図7に示すものはその一例として、本出願人により特開平7−260419号公報に開示された装置である。
【0003】
すなわち、この斜入射干渉計装置は、図7に示すように、レーザ光源20から射出された可干渉光21が発散レンズ22およびピンホール板23によって発散光線束とされ、この後、反射ミラー24、ハーフプリズム29によって方向を転換され、コリメータレンズ25によって平行光線束とされ、この後、参照板26の参照面26aに照射される構成とされている。この参照面26aは平面精度の高いハーフミラー面とされており、照射された平行光線束の一部を透過して平行光線束31(31a,31b)を生成するとともに、その余の平行光線束を反射して参照光33(33a,33b)を生成する。参照面26aを透過した平行光線束31は被検体27の被検面27a上に照射され、この被検面27aにより反射されて、被検面情報を担持した物体光32(32a,32b)が生成される。
【0004】
ここで被検面27aには、参照面26aを通過して直接入射する平行光線束31aと、平面反射ミラー28を経由して入射する平行光線束31bが照射されるが、両光線束31a,31bは共に作用が同様であるので、主として入射光線束31aとそれにより発生する測定光32aについて説明する。上記物体光32aは、被検面27aに対して垂直に配された平面反射ミラー28により全反射されるため、参照面26aからの平行光線束31に平行となって参照面26aに再入射する。この後、参照光33bと物体光32aはハーフプリズム29を通過し、その両者の光干渉により形成された干渉縞がCCD受光面30b上に結像される。
【0005】
なお、参照光33aと物体光32bは、ハーフプリズム29を通過しその両者の光干渉により形成された干渉縞がCCD受光面30a上に結像される。受光面30aと受光面30b上に形成された干渉縞は互いに鏡像関係となっており、これらの干渉縞像の一方の、ビデオ信号に変換された干渉縞像を、モニタ上に映出させることにより被検体27の被検面27aの形状を測定するようになっている。
【0006】
この斜入射干渉計装置はこのような構成により、良好な測定精度を有しつつ簡易かつコンパクトな構成の装置とされている。すなわち、被検面27aから反射した測定光32が参照面26aを透過した可干渉光が参照面26aに戻るまでの間に、被検面27a上に1回だけ照射されるようになっているので、参照面26aに戻った測定光32とこの参照面26aで反射された参照光33との間の光干渉により生じた干渉縞の解析が、上記可干渉光が被検面27a上に2回照射される通常の測定方法に比べ容易で、また測定精度の低下を防止することができる。
【0007】
さらに、この装置では上記反射ミラー28によって参照面26a方向に測定光32を戻しており、この反射ミラー28以外の光学部材は被検体27aよりも参照板26側に配されることとなり、また、この反射ミラー28は被検体27に近接させることが可能であるから、バーチ型の斜入射干渉計装置と比べ被検面27aの面方向の装置の幅を小さくすることができ、装置のコンパクト化を図ることが可能となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらこの装置では、被検体が薄板の平行平面ガラスのような場合には、被検面を透過し被検面と反対側の面(以下、この面を裏面と称する)で反射した光も参照光と合成され、被検面の干渉縞像のノイズとなってしまうことがあり問題となる。良好な測定精度と装置のコンパクト性を維持しつつ、さらに、このような裏面からのノイズを除去し得る斜入射干渉計が要望されている。
【0009】
裏面からのノイズを除去し得る斜入射干渉計装置としては、例えば、特公平6−17787号公報に開示されたもののように、低可干渉性光源を用いる方法がある。この方法によれば、光源特性により干渉縞像は光路長が略等しい場合にのみ生じることになるため、参照光と被検面での反射光との光路長が略等しくなるよう構成する必要がある。この場合、薄板の平行平面ガラスの裏面からの反射光は参照光や被検面での反射光とは光路長が異なり互いに干渉し難いので、裏面からのノイズなく被検面形状を測定することができる。
【0010】
しかし、上記特開平7−260419号公報に開示された装置はその構成上、測定光と参照光の光路長を略等しくするのは原理的に困難である。また、上記特公平6−17787号公報記載の斜入射干渉計装置は、2つのハーフミラーと2つの全反射ミラーを配することにより測定光と参照光の光路長が略等しくなるように構成された装置であるが、この装置はこれらのうち2つのハーフミラーと1つの全反射ミラーを被検面に対し垂直に位置させるものであり、コンパクトな構成とすることは困難である。
【0011】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであって、良好な測定精度と装置のコンパクト性を維持しつつ、被検体裏面からの反射光によるノイズを除去し得る斜入射干渉計装置を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の斜入射干渉計装置は、被検体の近傍に平面反射ミラーを配置し、光源からの出射光をコリメータレンズで平行光となし、この平行光よりなり前記被検体の被検面に対して斜め入射され、該被検面および該平面反射ミラーをこの順または逆の順に経由する測定光と、該平行光よりなり参照面で反射された参照光とを合成し互いに干渉させ、生成された干渉縞を干渉縞観察手段に形成させるように構成された斜入射干渉計装置において、
前記コリメータレンズから前記被検面または前記平面反射ミラーに至る光路中に、前記コリメータレンズからの平行光を二分し、一方を前記被検体および前記平面反射ミラーに入射する前記測定光となすと共に他方を前記参照面に入射する参照光となす、単独の部材よりなる光束分割合成手段を配設し、
前記光源として可干渉距離の短い低可干渉性の光源を用い、該参照光と該測定光の、両光が前記コリメータレンズから出射されて以降、前記光束分割合成手段における分割を経て該光束分割合成手段において合成されるまでの光路長差が、該参照光と該測定光とが互いに干渉を生じる範囲内に設定されているように構成されたことを特徴とするものである。
【0013】
また、前記分割面において分割された前記測定光が、前記平面反射ミラーおよび前記被検面においてこの順に反射され、前記合成面において前記参照光と合成されるように構成されてなることが好ましい。
【0014】
また、前記光束分割合成手段には、所定位置に前記ハーフミラー面と全反射面とが形成され、この全反射面における反射光が前記測定光とされるように構成されてなることが好ましい。
【0015】
また、前記光束分割合成手段には、所定位置にハーフミラー面と素通し面が形成され、この素通し面における透過光が前記測定光とされるように構成されてなることも好ましい。
【0016】
さらに、前記被検面に斜入射される前記測定光が、S偏光の光束とされていることがより好ましい。
【0017】
なお、上記「単独の部材」とは一平板状の部材のことを意味するものであり、例えば、複数の平板状の部材を面一とならないような位置関係で連結させて一部材とされているようなものを意味するものではない。また、上記「光束分割合成手段」とは、光束分割合成手段に入射した光束のうち所定位置に入射した光束が前記参照光とされ、その余の光束のうち他の所定位置に入射した光束が前記測定光とされ得るような面を保有するとともに、前記被検体および前記平面反射ミラーを経由した前記測定光光束が前記参照板から戻ってきた参照光と所定位置において合成され得るような面を保有する手段を意味するものである。なお、このようにして分割された参照光および測定光について、その両方またはいずれか一方の光がさらに分割され、それらの一部が参照光や測定光として合成されるように構成されていても構わない。
【0018】
また、上記「可干渉距離の短い低可干渉性の光源」とは、例えばシングルモードレーザのような可干渉距離の長い可干渉性の光源でなく、一般に干渉計の基準板として用いられる程度の平行平面板の表裏面間隔よりも可干渉距離が短い特性を有する光源を意味するものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、後述する実施例1に係る斜入射干渉計装置の図面を代表として参照しながら説明する。図1は実施例1に係る斜入射干渉計装置の構成を示す概略図である。
【0020】
この装置は、光源からの可干渉距離の短い低可干渉性の光をコリメートしたのち参照光および測定光に分割し、測定光を被検面に斜入射させ、この被検面から反射された測定光および参照面から反射された参照光を合成し互いに干渉させ、生成された干渉縞を干渉縞観察用結像面上に形成させるように構成された斜入射干渉計装置である。
【0021】
可干渉距離の短い低可干渉性の光源を備えた光源部10から射出された発散光線束は、ハーフプリズム19によって方向を転換され、コリメータレンズ15によって平行光線束とされ、この後、光束分割合成手段1に入射される。この光束分割合成手段1は平板状の単独の部材よりなり、後述するようにコリメート光を参照光4a(4aCおよび4aCCを4aと総称する)および測定光5a(5aCおよび5aCCを5aと総称する)に分割するとともに、参照光4b(4bCまたは4bCCのうち干渉縞生成に関わる光束を4bと称する)と測定光5b(5bCまたは5bCCのうち干渉縞生成に関わる光束を5bと称する)とを合成する機能を有する。ここで参照光4bは、参照光4aが参照面16aで反射されて戻ってきた光束であり、測定光5bは、測定光5aが前記被検体および前記平面反射ミラーを経由して前記光源からの光軸に略一致した光軸で逆送してきた光束である。なお、この光束分割合成手段1は、図1に示されるような単独の部材からなるものばかりでなく、複数の平板状の部材を、参照光4aと測定光5aを分割する面および参照光4bと測定光5bを合成する面が各々面一となるように連結あるいは結合させて、一部材となしたものであっても良い。
【0022】
図2は、図1に示された斜入射干渉計装置の光束分割合成手段1をA方向より見た図である。図1および図2に示されるとおり、光束分割合成手段1に入射された平行光線束は、ハーフミラー面が形成された光束分割合成面1aにおいて分割されて、透過光が参照光4aとされ反射光が測定光5aとされる。
【0023】
すなわち、光束分割合成手段1で反射された測定光5aのうち光束分割合成面1aの時計回り分割部位2で反射された光束5aCは、平面反射ミラー18で反射されて被検体17の被検面17aに斜入射し反射されて被検面17aの情報を担持した測定光5bCとなり、時計回りに光束分割合成面1aの反時計回り分割部位3に戻る。他方、光束分割合成手段1に入射された平行光線束光束のうち分割合成面1aの反時計回り分割部位3で反射された光束5aCCは、前記光束5bCおよび5aCの光路を光束5aCCおよび5bCCとして逆送して、反時計回りに光束分割合成面1aの時計回り分割部位2に戻る。
【0024】
また、光束分割合成面1aを透過した参照光4aのうち前記反時計回り分割部位3を透過した光束4aCCは、補償板12を介し、参照板16の参照面16aに照射される。この参照面16aは平面精度の高い反射面とされており、照射された参照光4aCCを参照光4bCCとして前記光束分割合成手段1の光束分割合成面1aの反時計回り分割部位3に向けて反射する。なお、前記時計回り分割部位2を透過した光束4aCについては、図示のとおり光路上に補償板12および参照板16が配されておらず、前記光束分割合成手段1の光束分割合成面1aの時計回り分割部位2に戻ることはなく、干渉縞の生成に関与するものではないので、説明は省略する。
【0025】
この結果、前記光束分割合成手段1の光束分割合成面1aにおいては、その反時計回り分割部位3においてのみ参照光4bCCと測定光5bCが合成されることになる。なお、時計回り分割部位2に戻った測定光5bCCについては、参照光束が戻ってこないために参照光と合成されることがなく、干渉縞の生成に関与するものではないので、説明は省略する。
【0026】
ここで、この斜入射干渉計装置は、参照光4aCC、4bCC(以下、干渉縞生成に関与する参照光を参照光4と称する)と測定光5aC、5bC(以下、干渉縞生成に関与する測定光を測定光5と称する)の、両光がコリメータレンズから出射されて以降、光束分割合成手段における分割を経て光束分割合成手段において合成されるまでの光路長差が、参照光4と測定光5とが互いに干渉を生じる範囲内に設定されている。また、この斜入射干渉計装置は光源として可干渉距離の短い低可干渉性の光源を用いているので、参照光4と測定光5の光路長差はごく小さく、両光の光路長は略等しいということができる。
【0027】
すなわち、コリメータレンズ15を出射直後の光束中に光軸と直交する仮想面を想定した場合、測定光5の光路長は、この仮想面から、光束分割合成手段1の光束分割合成面1aの時計回り分割部位2で反射され、平面反射ミラー18で反射されて被検体17の被検面17aに斜入射し、反射されて光束分割合成手段1の光束分割合成面1aの反時計回り分割部位3に戻るまでとなる。他方、参照光4の光路長は、この仮想面から、光束分割合成手段1の光束分割合成面1aの反時計回り分割部位3を透過し、補償板12を透過して参照板16の参照面16aで反射され、再び補償板12を透過して光束分割合成手段1の光束分割合成面1aの反時計回り分割部位3に戻るまでとなり、これらの光路長を略等しくなるように構成しているためこの合成光は光干渉を生じる。
【0028】
本実施形態によれば、このように参照光4と測定光5の光路長を略等しくなるよう構成していることにより、光源部10の光源が可干渉性の高い光源ではなく、例えば発光ダイオードの如き可干渉距離の短い低可干渉性の光源であっても、この合成光は光干渉を生じる。この干渉縞を持つ合成光はコリメータレンズ15と図示しない結像レンズによりCCD受光面11に到達し、コリメータレンズ15と図示しない結像レンズでCCD受光面11上に結像された被検面17aの像上に重畳する。このCCD受光面11上に形成された干渉縞像をビデオ信号に変換し、モニタ(図示せず)上に映出させることにより、被検体17の被検面17aの形状を測定するようになっている。
【0029】
なお、参照板16は極めて平面度の高い参照面16aを有しており、例えば石英ガラス板で形成されることができる。また、平面反射ミラー18は平面度の高い石英ガラス面に反射膜を蒸着することにより構成されることができる。
【0030】
以下、本実施形態の作用効果について説明する。まず、本実施形態によれば良好な測定精度と装置のコンパクト性を維持しつつ、被検体裏面からの反射光によるノイズを除去し得る斜入射干渉計装置を得ることができる。
【0031】
すなわち本実施形態の斜入射干渉計装置によれば、干渉縞の形成に関与する測定光5は光束分割合成手段1から被検面17aを経由して再び光束分割合成手段1に戻るまでの間に被検面17a上に1回だけ照射されるようになっているので上記従来例と同程度の良好な測定精度を得ることができる。また、本実施形態の斜入射干渉計装置においても、光束分割合成手段1から出て光束分割合成手段1に至る測定光5の光路中に平面反射ミラー18が配置され光束分割合成手段1方向に測定光5を戻すように作用しており、この平面反射ミラー18以外の光学部材は被検体17よりも光束分割合成手段1側に配されることとなり、また、この平面反射ミラー18は被検体17に近接させることが可能であるから、装置のコンパクト性を維持している。
【0032】
さらに、本実施形態の斜入射干渉計装置によれば、光源として低可干渉性光源を用いるとともに、平行光束がコリメータレンズ15から出射したのち光束分割合成手段1を経て再度光束分割合成面1aに戻るまでの、参照光4および測定光5の光路長が互いに略等しくなるように構成されている。これにより、平行平面ガラスのような被検体17の場合にも、被検体裏面からの反射光は参照光4や測定光5とは光路長が異なり互いに干渉し難いので、裏面からのノイズなく被検面形状を測定することができる。なお、このような低可干渉性光源としては、例えば、発光ダイオードや横モードが単一で縦モードがマルチモードのレーザなどを用いることが好ましい。ただし、低可干渉性光源としてはこれ以外にも例えば自然光や蛍光灯などがあり、これらを光源とすることを妨げるものではない。
【0033】
また、本実施形態の斜入射干渉計装置は、ハーフミラー面が形成された光束分割合成面1aを備えた単独の部材よりなる光束分割合成手段1を備え、この光束分割合成手段1がコリメート光を参照光4aおよび測定光5aに分割し、かつ参照面16aで反射された参照光4bCCおよび被検面17aから反射された測定光5bCを合成する機能を有している。この光束分割合成手段1は、上述した特公平6−17787号公報に開示された装置の2つのハーフミラーを、いわば一体化させたような機能を有するものである。しかしながら、この従来例においてこれらのハーフミラーを一平板状の部材として構成することは想定されておらず、また、これらのハーフミラーを被検面17aに対し垂直に位置させるこの従来例の構成において、これら2枚のハーフミラーを一平板状の部材により代替させることは不可能である。本実施形態によれば、このような単独の部材による光束分割合成手段1を備えることにより部材数が低減され、これに伴い装置のコンパクト化やコスト低減や、部材の光学調整が容易になるという利点がある。
【0034】
この光束分割合成手段1についてさらに詳しく説明する。光束分割合成手段1は光束分割合成面1a全面がハーフミラー面とされていることがコスト的にも部材の光学調整を容易にするためにも好ましいが、被検体17の被検面17aを余裕を持ってカバーし得る光束を測定光5aCとして送出するに足る範囲のみをハーフミラー面とすることも可能である。また、所定位置に光束通過用の開口を設けると共に光学部材固定用の座を設けた金属円盤上に2つのハーフミラーをその表面が略同一平面となるように配設したものであっても良い。
【0035】
この光束分割合成手段1は図1および2に示されるように、光源部10から遠い側の面(以下、この面を裏面と称する)が光束分割合成面1aとされハーフミラー面となっている。前述したように、コリメータレンズ15からの平行光束のうち、光束分割合成面1aの時計回り分割部位2に入射した光束は時計回り分割部位2のハーフミラー作用により反射されて測定光束5aCとして平面反射ミラー18経由で被検体17の被検面17aに斜入射し、反射されて測定光5bCとなり前記光束分割合成面1aの反時計回り分割部位3に戻り、そのハーフミラー作用により反射されてコリメータレンズ15方向に逆送せしめられている。また、コリメータレンズ15からの平行光束のうち、光束分割合成面1aの反時計回り分割部位3に入射した光束は、そのハーフミラー作用により透過して参照光束4aCCとして補償板12経由で参照板16の参照面16aに入射し、反射されて参照光4bCCとなり補償板12を経由して光束分割合成面1aの反時計回り分割部位3に戻り、そのハーフミラー作用により透過して測定光5bCと合成される。
【0036】
ここで、前述した被検体17の被検面17aを余裕を持ってカバーし得る光束を測定光5aCとして送出するに足る範囲のみをハーフミラー面とすることについて、図3に基づき説明する。ハーフミラー面が形成される時計回り分割部位2および反時計回り分割部位3は、図3に示されるとおり、その長軸が互いに平行な楕円形状の範囲とされることが好ましい。すなわち時計回り分割部位2は被検面17aに照射される測定光5aCをその余の光と分割する部位であり、この測定光5aCは被検面17aに対し斜入射されるので、被検面17a上に照射される光束が円形状となるためには、被検面17aに斜入射されて拡大される方向に短軸を取り、長軸は被検面17aでの光束サイズとして必要とされた長さの楕円形状の光束が時計回り分割部位2から被検面17aに照射されればよいことになる。
【0037】
しかし、光学部材の配設位置公差の拡大あるいは光学部材の製作公差の拡大のためには、それら公差の拡大に伴って被検面17aに入射する測定光5aCが設計上の入射位置から平行移動する分を十分にカバーできる程度に測定光5aCの光束を大きくする、すなわち、時計回り分割部位2のハーフミラー面を余裕を持ったサイズのものとすることが望ましい。また、反時計回り分割部位3のハーフミラー面は測定光5bCと参照光4bCCとを合成する部位であり、時計回り分割部位2と同様の理由から時計回り分割部位2と同形状とされていることが好ましい。
【0038】
なお、以上の説明において時計回り分割部位2はハーフミラー面として説明してきたが、図1においてより好ましくは、この時計回り分割部位2には全反射面が形成されていることが望ましい。すなわち、この全反射面における反射光が測定光5aCとされて被検面17aに照射され、測定光5bCとしてハーフミラー面が形成された反時計回り分割部位3において参照光4bCCと合成されるように構成されていることが望ましい。
【0039】
時計回り分割部位2がハーフミラー面とされている場合には、この面を透過する平行光線束4aCは不要な光となってしまうので、この面が全反射面とされている方が効率よく光量を利用することができる。また、CCD受光面11においてコントラストの良い干渉縞像は、参照光4bと測定光5bの光量がバランスよく合成された場合に生じるので、被検面17aの反射率によっては測定光5bの光量が測定光5aに比べかなり減少することを考慮し、予め参照光4aの光量よりも測定光5aが多くなるように構成することは効果的である。
【0040】
なお、同様に参照光4および測定光5の光量を調節する手段として、いずれか一方または両方の光路中に光量調節用のフィルタを配置するように構成してもよい。図1にその例として、点線で光量調節用フィルタ14a、14bを示す。
【0041】
また、本実施形態の斜入射干渉計において、被検面17aに斜入射される測定光5aCが、被検面17aに対しS偏光の光束とされているように構成することで、被検面17aにおける反射光量を増加させ、それに伴い被検体17の裏面に到達する光量を抑え、その結果として被検体17の裏面からのノイズをさらに低減し、コントラストの良好な干渉縞像を得、測定精度を向上させることが可能となる。前述したように本実施形態は、可干渉距離の短い低可干渉性光源を用い、参照光4と測定光5とがコリメータレンズ15を出射して以降光束分割合成手段1で合成されるまでの、参照光4および測定光5の光路長が互いに略等しくなるように構成されているので、被検体17の裏面からの反射光は干渉を生じにくい。しかしこの裏面からの反射光は、CCD受光面11上で干渉縞ノイズを生じることはないとしても、参照光4と測定光5による合成光とともにCCD受光面11に入射することになるので、干渉縞像のコントラストを悪化させる虞がある。
【0042】
本実施形態のように被検面17aへの入射角の大きい斜入射干渉計においては、S偏光はかなり反射されやすく被検面17aでの透過率は低いので、被検面17aを透過して裏面へ向かう光および裏面から反射されて被検面17aを透過してCCD受光面11へ向かう光は少なく、その結果、裏面からの反射光が干渉縞像に与える影響は低減される。
【0043】
このように、被検面17aに斜入射される測定光5aを被検面17aに対しS偏光の光束とする方法としては、例えば横モードが単一で縦モードがマルチモードの直線偏光レーザのような光源を用い所定の偏光方向を有する光束が光源部10から射出されるように構成することや、横モードが単一で縦モードがマルチモードの円偏光レーザや発光ダイオードなどを用いるとともに光源部10から被検面17aに至る光路中に所定の偏光成分のみを透過する偏光板を配置することが可能である。図1にその例として、点線で偏光板13を示す。
【0044】
また、本実施形態の斜入射干渉計において、干渉縞生成に関わる測定光5は図1に示す測定光5aCのように、まず平面反射ミラー18において反射され、その後被検面17aにおいて反射されて、光束分割合成手段1に向かうように構成されてなることが好ましい。すなわち、凹凸面を有する被検面17aの形状によっては反射された測定光5bCが広がりを持つため、被検面17aが後段の光束分割合成手段1と近い位置に配置される方が合理的な構成となる。
【0045】
さらに、本実施形態において、この平面反射ミラー18が、図1に示すように被検面17aに対し垂直に配されているので、測定光5bCは光束分割合成手段1の時計回り分割部位2からの測定光5aCに平行となって反時計回り分割部位3に入射する。したがって、このように配置されていれば、装置の測定感度を変化させるために測定光5aの被検面17aへの入射角を変化させた場合にも測定精度を良好に維持することが容易となる。
【0046】
測定光5aの被検面17aへの入射角を変化させる方法としては、例えば、図1に示すように、B方向に光束分割合成手段1の角度を可変とする方法がある。
この場合、補償板12は光束分割合成手段1と平行性を維持するように一体として回転させることが好ましい。このように測定光5aの被検面17aへの入射角を変化させると、この変化に応じて被検面17aや平面反射ミラー18の位置を移動させる必要が生じる場合がある。このような場合に平面反射ミラー18を、C方向として示されるように上下方向(ミラー面方向)あるいは左右方向(ミラー面に対して垂直方向)にスライドさせ得るようにしておけば、この平面反射ミラー18を大径のものとすることなく、測定光5aを光束分割合成手段1方向に反射させることが可能となる。また、被検体17を、D方向として示されるように上下方向(被検面に対して垂直方向)あるいは左右方向(被検面方向)にスライドさせ得るようにして、測定光5aを光束分割合成手段1方向に反射させることも可能である。
【0047】
また、光束分割合成手段1の配置角度は、光束分割合成面1aが被検面17aに対し平行に近づくほど被検面17aへの入射角が大きくなるので、斜入射により被検面17a上では所定方向の光束径が拡大される。したがって、光束分割合成面1a上の時計回り分割部位2および反時計回り分割部位3に関しては、ハーフミラー加工あるいは全反射ミラー加工される部分は楕円形状の短軸方向(図3参照)がより短くてよいので、加工の必要な面積は縮小される。また、この場合時計回り分割部位2と反時計回り分割部位3が光束分割合成面1aの中心に近づくため光束分割合成手段1を一層小型化できる。
【0048】
被検面17aへの入射角を変化させる方法としては、これ以外にも、被検体17と平面反射ミラー18を除いて光源部10から参照面16までの各構成要素を一体として回動させる方法や、被検体17、平面反射ミラー18、光束分割合成手段1および補償板12を除く光源部10から参照面16までの各構成要素を一体として回動させる方法等が可能である。
【0049】
なお、測定光5aの被検面17aへの入射角を変化させる場合にも、参照光4と測定光5とがコリメータレンズ15を出射して以降、光束分割合成面1aの反時計回り分割部位3においてに合成されるまでの、両光の光路長は互いに略等しくなるように構成される必要があるので、必要に応じ参照板16が、あるいはその他の部材も移動可能であるように構成されていてもよい。
【0050】
以上説明したように平面反射ミラー18が被検面17aに対し垂直に配されている場合には、装置の測定感度を変化させるために測定光5aの被検面17aへの入射角を変化させることも容易であり、部材の調整も容易となる利点がある。
【0051】
また、本実施形態の装置には、参照光4の光路中に光束分割合成手段1と同材質で同じ厚みの補償板12が配置され、コリメータレンズ15を出射して以降、光束分割合成面1aの反時計回り分割部位3に至る参照光4と測定光5がともに同回数(図1においては3回)この材質中を透過するように構成されている。これにより干渉縞像は色滲みが低減されコントラストの劣化を防止することができ、測定精度が向上されるものであるが、本実施形態において実用上はこのような補償板12は必須ではなく、また、必ずしも参照光4の光路中にのみ配置されるものでもない。
【0052】
また、本実施形態の装置において、補償板12および参照板16は参照光4aCCの光路にのみ配設される大きさとされている。これらの部材の大きさは特に規定されるものではなく、例えば参照光4aCも補償板12を透過し参照板16により反射され得るような大きさとされていてもよい。しかしながら、たとえこのようにして参照光4aCが参照板16により反射され、測定光5bCCと光束分割合成手段1の光束分割合成面1aの時計回り分割部位2において合成されたとしても、これによりCCD受光面11上に形成された干渉縞は参照光4bCCと測定光5bCにより形成された干渉縞と互いに鏡像関係となるに過ぎず、本実施形態の装置により得られる情報以上のものが得られるわけではない。したがって、むしろ本実施形態のように各部材を小さくし、省スペース化および低コスト化を図ることが好ましい。
【0053】
また、本実施形態の斜入射干渉計装置において、干渉縞を測定する際にコンピュータを用いたフリンジスキャニング法(位相シフト法)等を実施して位相解析処理するように構成してもよい。例えば参照板16を、ピエゾアクチュエータ41を用いて光軸方向に微小量移動させることにより、各々の測定における参照光と測定光の光路長差を変化させ位相走査を行うことができる。
【0054】
また、ピエゾアクチュエータ41を用いて参照板16の位置および傾き制御を行うように構成することも可能である。すなわち、測定される干渉縞が撮像カメラのCCD受光面11上に結像され、画像入力基板を介してCPUおよび画像処理用のメモリを搭載したコンピュータに入力され、入力された干渉縞画像データに対して種々の演算処理が施されてピエゾアクチュエータ41の過不足変位量が求められ、この過不足変位量が補充されるようにピエゾ駆動部から、ピエゾアクチュエータ41に対し駆動信号を送出させるように指示され、これによりピエゾアクチュエータ41に保持された参照板16が所定の微小量だけ移動するように構成されることができる。
【0055】
【実施例】
以下、本発明の各実施例について説明する。各実施例において同様の部材には同一の符号を付している。
【0056】
<実施例1>
図1に示すように、本実施例に係る斜入射干渉計装置は、平行平面板よりなる光束分割合成手段1を備えた装置であり、この光束分割合成手段1の裏面が光束分割合成面1aとなっており、光束分割合成面1aは時計回り分割部位2と反時計回り分割部位3で構成されている。また、図2はこの光束分割合成手段1を図1に示されたA方向より見た図である。
【0057】
すなわち、コリメータレンズ15で平行光線束とされた光源部10からの光は、光束分割合成手段1の光束分割合成面1aに形成されたハーフミラー面において、参照光4aおよび測定光5aに分割される。参照光4aとして光束分割合成面1aを透過した光束のうち光束分割合成面1aの反時計回り分割部位3を透過した光は、参照光4aCCとして補償板12を経由して参照面16aに照射され、この参照面16aにより光束分割合成面1aの反時計回り分割部位3に向けて参照光4bCCとして反射される。他方、測定光5aとして光束分割合成面1aで反射された光束のうち光束分割合成面1aの時計回り分割部位2で反射された光は、測定光5aCとして平面反射ミラー18により全反射されたのち被検面17aに斜入射される。そして、この被検面17aにより測定光5bCとして光束分割合成面1aの反時計回り分割部位3に向けて反射される。
【0058】
参照光4bCCと被検面情報を担持した測定光5bCとは、光束分割合成手段1の反時計回り分割部位3に導かれ、この面において合成される。本実施例においてハーフミラーで構成される光束分割合成面1aは光束分割合成手段1の裏面とされ、その反時計回り分割部位3において、この面を透過する参照光4bCCとこの面で反射される測定光5bCが合成される。この斜入射干渉計装置は、参照光4と測定光5とがコリメータレンズ15を出射して以降、光束分割合成面1aの反時計回り分割部位3においてに合成されるまでの、両光の光路長が互いに略等しくなるように構成されているので、この合成光は光干渉を生じる。この干渉縞情報を担持した合成光はコリメータレンズ15と図示しない結像レンズによりCCD受光面11に到達し、コリメータレンズ15と図示しない結像レンズでCCD受光面11上に結像された被検面17aの像上に重畳する。
【0059】
上述のとおり本実施例の斜入射干渉計装置は、可干渉距離の短い低可干渉性光源を用い、コリメータレンズから出射以降合成されるまでの参照光と測定光の光路長が互いに略等しくなるよう構成されている。したがって、被検体裏面からの反射光による干渉縞ノイズを発生させることなく干渉縞測定を行うことができる。
【0060】
なお、本実施例および以下に示す各実施例において、所定位置に光量調整用フィルタ14a、14b、偏光板13を配置してもよく、また、光束分割合成手段1の角度を方向Bに示すように回動させたり、平面反射ミラー18を方向Cに示すようにスライドさせたり、被検体17を方向Dに示すようにスライドさせたりしてもよい。なお、以下に示す実施例2〜4においては、図の煩雑を避けるためこれらの図示は省略されている。
【0061】
<実施例2>
図4は、本発明に係る斜入射干渉計装置の実施例1と異なる態様の主要部を示す図である。この装置の光束分割合成手段1は実施例1と同様に、裏面が光束分割合成面1aとなっているが、光束分割合成面1aの反時計回り分割部位3が全反射面で時計回り分割部位2がハーフミラー面で構成されている。本実施例の装置は、反時計回り分割部位3が全反射面であることと測定光5が反時計回りに被検面17a、平面反射ミラー18を経由して光束分割合成面1aの時計回り分割部位2に戻ることが実施例1の態様と異なるところである。
【0062】
すなわち、この装置の実施例1との相違点は、光束分割合成手段1の光束分割合成面1aに入射し、反時計回り分割部位3の全反射面で反射された測定光5aCCは被検面17aに斜入射し、被検面情報を担持した測定光5bCCとして平面反射ミラー18を経由して光束分割合成面1aの時計回り分割部位2に戻り、一方、光束分割合成面1aの時計回り分割部位2を透過した参照光4aCは参照面16aで反射され参照光4bCとなって時計回り分割部位2に戻り測定光5bCCと合成される点にある。また、測定光5aCCの光量を増加させるために光束分割合成面1aの反時計回り分割部位3を全反射面としていることも異なる点である。なお、本実施例の光束分割合成手段1においても、実施例1と同様に所定位置のみ全反射面とハーフミラー面が形成された構成、あるいは所定位置に光束通過用の開口を設けると共に光学部材固定用の座を設けた金属円盤上に全反射鏡とハーフミラーをその表面が略同一平面となるように配設した構成とされていても良い。
【0063】
なお、本実施例においても実施例1と同様に、光束分割合成面1aの時計回り分割部位2において合成された被検面情報を担持した測定光5bCCと参照光4bCは光干渉を生じ、この干渉縞情報を担持した合成光はコリメータレンズ15と図示しない結像レンズによりCCD受光面11に到達し、コリメータレンズ15と図示しない結像レンズでCCD受光面上に結像された被検面17aの像上に重畳する。
【0064】
上述のとおり本実施例の斜入射干渉計装置は、可干渉距離の短い低可干渉性光源を用い、コリメータレンズから出射以降合成されるまでの参照光と測定光の光路長が互いに略等しくなるよう構成されている。したがって、被検体裏面からの反射光による干渉縞ノイズを発生させることなく干渉縞測定を行うことができる。
【0065】
<実施例3>
図5は、本発明に係る斜入射干渉計装置の上記実施例と異なる態様の主要部を示す図である。この装置の光束分割合成手段1は、平行光束が入射する側の所定範囲の面上に測定光5を送出するための反射面を設け、裏面に被検面情報を担持した測定光5と参照光4を合成するハーフミラー面を設けた構成とされている。
すなわち、上記実施例の装置において光束分割合成手段1は、参照光4と測定光5の分割および両光の合成を行う光束分割合成面1aを備えているが、本実施例3の装置の光束分割合成手段1においては、参照光4と測定光5の分割および両光の合成が互いに異なる面において行われる。
【0066】
図示しないコリメータレンズにより出射された平行光束は、光束分割合成手段1の表面上に反射面として形成された時計回り分割部位2で反射され、平面反射ミラー18および被検面17aを経由した測定光5bCとして光束分割合成手段1に戻り、裏面にハーフミラー面として形成された反時計回り分割部位3に到達し図示しないコリメータレンズ方向に反射される。一方、コリメータレンズから出射された平行光束のうち光束分割合成手段1の表面の透明部位を通過して裏面の反時計回り分割部位3に到達した光束は、そこを透過して参照面16aに入射し反射されて参照光4bCCとして再び反時計回り分割部位3に戻り、そこを透過して測定光5bCと合成される。この合成された光束と被検面17aの撮影に関しては前記いずれの実施例とも共通である。
【0067】
上述のとおり本実施例の斜入射干渉計装置は、可干渉距離の短い低可干渉性光源を用い、コリメータレンズから出射以降合成されるまでの参照光と測定光の光路長が互いに略等しくなるよう構成されている。したがって、被検体裏面からの反射光による干渉縞ノイズを発生させることなく干渉縞測定を行うことができる。
【0068】
また、本実施例においては、図5に示すとおり、平行光束として光束分割合成手段1に入射してから反時計回り分割部位3で合成されるまでの参照光4と測定光5はともに1回ずつ光束分割合成手段1を通過する。従って本実施例においてはいずれの光路中にも補償板を配置する必要がなく、部材数を低減することが可能となる。
【0069】
なお、本実施例中の光学配置は図5に拘るものではなく、光束分割合成手段1をその中心軸で180度回転させて、図5で時計回り分割部位2となっている部位が反時計回り分割部位3となり、図5で反時計回り分割部位3となっている部位を時計回り分割部位2となるように構成することも可能である。
【0070】
なお、本実施例に係る光束分割合成手段1は、その表面の半分を反射面とし残余の領域に対応する裏面にハーフミラー面を形成しているがこの形態に拘るものではない。例えば、表面の半分を反射面とし裏面全面をハーフミラー面としても良いし、図3の如く表面と裏面の必要領域だけに反射面とハーフミラー面を形成しても良い。
【0071】
<実施例4>
図6は、本発明に係る斜入射干渉計装置の上記実施例と異なる態様の主要部を示す図である。本実施例においては、上記実施例のいずれもが光束分割合成手段1を透過した光束を参照光4となし、反射された光束を測定光5としているのに対して、反射された光束を参照光4、透過した光束を測定光5とする構成とされている。
【0072】
すなわち、光束分割合成手段1の光束分割合成面1aに設けられた時計回り分割部位2は図示しない光源の波長に対する反射防止コートが施された素通し面、また、反時計回り分割部位3はハーフミラー面とされている。図示しないコリメータレンズから出射された平行光束の一部は、光束分割合成手段1の時計回り分割部位2を透過して平面反射ミラー18を経由して被検面17aに入射する。被検面17aで反射された光は測定光5bCとして光束分割合成手段1の裏面から入射して反時計回り分割部位3に到達し、透過してコリメータレンズ方向に向かう。他方、コリメータレンズから出射された平行光束のうち光束分割合成手段1の反時計回り分割部位3に入射した光は、そのハーフミラー作用により反射されて補償板12を経由して参照面16aに到達する。参照面16aで反射された光は再び補償板12を透過し参照光4bCCとして反時計回り分割部位3に戻り、反射されて測定光5bCと合成されてコリメータレンズ方向に向かう。この合成された光束と被検面17aの撮影に関しては前記いずれの実施例とも共通である。
【0073】
上述のとおり本実施例の斜入射干渉計装置は、可干渉距離の短い低可干渉性光源を用い、コリメータレンズから出射以降合成されるまでの参照光と測定光の光路長が互いに略等しくなるよう構成されている。したがって、被検体裏面からの反射光による干渉縞ノイズを発生させることなく干渉縞測定を行うことができる。
なお、本実施例中の光学配置は図6に拘るものではなく、光束分割合成手段1をその中心軸で180度回転させた態様も実施例3と同様に可能である。
【0074】
なお、本実施例に係る光束分割合成手段1は、その表面の半分を反射防止コートを施した素通し面とし残余の領域にハーフミラー面を形成しているがこの形態に拘るものではない。例えば、前記反射防止面での光量損失のことを考えなければ反射防止コートを省いた素通し面とすることも可能である。
【0075】
また、いずれの実施例についても共通な事項として、干渉縞の測定に必要な光束の反射あるいは合成には寄与しない面とされている場合であっても、光束分割合成手段において光束が入射する面に、光源の光波長に対する反射防止コートを施すことは、光量損失低減やCCD受光面上でのノイズ低減の観点から望ましい。
【0076】
なお、本発明に係る斜入射干渉計装置としては上記実施例のものに限られるものではなく、種々の態様の変更が可能である。例えば、各部材の位置は、測定光の被検面に対する所望の入射角や、アライメント調整の容易性、光束分割合成手段をはじめとする部材の加工コスト、装置全体の大きさや形状等の諸要素を勘案し適宜選択が可能である。
【0077】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の斜入射干渉計装置によれば、可干渉距離の短い低可干渉性光源を用い、コリメータレンズから出射されて以降、合成されるまでの参照光と測定光の光路長を互いに略等しく構成することにより、従来と同程度の良好な測定精度と装置のコンパクト性を維持しつつ、平行平面ガラスのような被検体の、被検体裏面からの反射光による干渉縞ノイズを発生させることなく干渉縞測定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に係る斜入射干渉計装置の構成を示す概略図
【図2】実施例1に係る図1の装置の光束分割合成手段の拡大図
【図3】実施例1に係る図1の装置の光束分割合成手段の別態様を示す拡大図
【図4】実施例2に係る斜入射干渉計装置の主要部を示す概略図
【図5】実施例3に係る斜入射干渉計装置の主要部を示す概略図
【図6】実施例4に係る斜入射干渉計装置の主要部を示す概略図
【図7】従来の斜入射干渉計装置の構成を示す概略図
【符号の説明】
1 光束分割合成手段
1a 光束分割合成面
2 時計回り分割部位
3 反時計回り分割部位
4、4a、4b 参照光
4aC、4bC 時計回り分割部位を経由した参照光
4aCC、4bCC 反時計回り分割部位を経由した参照光
5、5a、5b 測定光
5aC、5bC 時計回り分割部位を経由した測定光
5aCC、5bCC 反時計回り分割部位を経由した測定光
10 光源部
11、30a、30b CCD受光面
12 補償板
13 偏光板
14a、14b 光量調節用フィルタ
15、25 コリメータレンズ
16、26 参照板
16a、26a 参照面
17、27 被検体
17a、27a 被検面
18、24、28 平面反射ミラー
19、29 ハーフプリズム
20 レーザ光源
21 可干渉光
22 発散レンズ
23 ピンホール板
31a、31b 平行光線束
32a、32b 物体光
33a、33b 参照光

Claims (5)

  1. 被検体の近傍に平面反射ミラーを配置し、光源からの出射光をコリメータレンズで平行光となし、この平行光よりなり前記被検体の被検面に対して斜め入射され、該被検面および該平面反射ミラーをこの順または逆の順に経由する測定光と、該平行光よりなり参照面で反射された参照光とを合成し互いに干渉させ、生成された干渉縞を干渉縞観察手段に形成させるように構成された斜入射干渉計装置において、
    前記コリメータレンズから前記被検面または前記平面反射ミラーに至る光路中に、前記コリメータレンズからの平行光を二分し、一方を前記被検体および前記平面反射ミラーに入射する前記測定光となすと共に他方を前記参照面に入射する参照光となす、単独の部材よりなる光束分割合成手段を配設し、
    前記光源として可干渉距離の短い低可干渉性の光源を用い、該参照光と該測定光の、両光が前記コリメータレンズから出射されて以降、前記光束分割合成手段における分割を経て該光束分割合成手段において合成されるまでの光路長差が、該参照光と該測定光とが互いに干渉を生じる範囲内に設定されているように構成されたことを特徴とする斜入射干渉計装置。
  2. 前記光束分割合成手段において分割された前記測定光が、前記平面反射ミラーおよび前記被検面においてこの順に反射され、前記光束分割合成手段において前記参照光と合成されるように構成されてなることを特徴とする請求項1記載の斜入射干渉計装置。
  3. 前記光束分割合成手段には、所定位置に前記ハーフミラー面と全反射面とが形成され、この全反射面における反射光が前記測定光とされるように構成されてなることを特徴とする請求項1または2項記載の斜入射干渉計装置。
  4. 前記光束分割合成手段には、所定位置にハーフミラー面と素通し面が形成され、この素通し面における透過光が前記測定光とされるように構成されてなることを特徴とする請求項1または2記載の斜入射干渉計装置。
  5. 前記被検面に斜入射される前記測定光が、S偏光の光束とされていることを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項記載の斜入射干渉計装置。
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