JP2007024663A - 鉄道車両の車軸支持装置の異常診断方法及び装置 - Google Patents

鉄道車両の車軸支持装置の異常診断方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 鉄道車両の脱線事故の防止に寄与し得る、異常診断方法及び装置を実現する。
【解決手段】 車軸に外嵌固定した1対の内輪5、5と共に回転及び軸方向変位するエンコーダ13の被検出部である外周面に、外輪4に支持した1対のセンサ14、14の検出部を近接対向させる。これら各センサ14、14の出力信号の周波数に基づいて上記各内輪5、5の回転速度を算出自在とする。これと共に、上記各センサ14、14の出力信号同士の位相差に基づいて上記外輪4と上記内輪5、5との間に作用するアキシアル荷重を算出自在とする。そして、このアキシアル荷重に基づいて異常診断を行なう事により、上記課題を解決する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、鉄道車両の車軸支持装置を分解する事なく、この車軸支持装置の異常等を診断可能とする、鉄道車両の車軸支持装置の異常診断方法及び装置の改良に関する。
従来から、鉄道車両の車軸支持装置では、転がり軸受等を構成する部品の摩耗や破損による不具合の発生を防止する為に、定期的に分解目視検査が実施されている。この分解目視検査は、装置の一定期間の使用後に、転がり軸受等を装置から取り外して分解し、熟練した専門の検査担当者が目視によって各構成部品の摩耗の度合いや傷の有無等を確認する事により行なう。検査担当者は、新品の構成部品にはない凹凸や磨耗等の異常を確認した場合には、新品に交換した後、再度組み立てを行なう。
ところが、上述の様な分解目視検査では、装置の分解及び再組立の作業に多大な労力を要し、保守コストが嵩むと言う問題がある。又、再組立の際に、検査前にはなかった打痕を各構成部品に付けてしまう等、検査自体が各構成部品の欠陥を生む原因となる可能性がある。又、限られた時間内で多数の構成部品を目視で検査する為、欠陥を見落とす可能性が残ると言う問題もある。更に、この欠陥の程度の判断も個人差があり、実質的には欠陥がなくても部品交換が行われる等、無駄なコストがかかると言う問題もある。
この様な不都合を解消できる発明として、特許文献1〜2には、鉄道車両の車軸支持装置に組み付けた異常診断装置により、この車軸支持装置を分解する事なく、この車軸支持装置を構成する部品に摩耗や破損等の異常が生じているか否かを診断し、且つ、何れの部品に異常が生じているのかを特定できる発明が記載されている。ところが、これら特許文献1、2に記載された発明は、上述した様な異常の診断等を行なえるに止まるものである。これに対し、近年、鉄道車両に関しては、より高度の安全運行が要求されており、特に、曲線走行する際の脱線事故を確実に防止できる様にする事が望まれている。この様な脱線事故は、上述した様な部品の摩耗や破損等の異常の有無とは関係なく、曲線走行の際に鉄道車両に作用する遠心力に基づいて発生する。この為、この様な脱線事故を確実に防止できる様にすべく、異常診断方法及び装置の改良が望まれている。
特開2005−17128号公報 特開2005−62154号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑み、鉄道車両の脱線事故の防止に寄与し得る、鉄道車両の車軸支持装置の異常診断方法及び装置を実現すべく発明したものである。
本発明の鉄道車両の車軸支持装置の異常診断方法及び装置のうち、請求項1に記載した異常診断方法は、ハウジングの内側に車軸を回転自在に支持する為の転がり軸受を備えた鉄道車両の車軸支持装置の異常診断方法であって、この転がり軸受を構成する内輪と共に回転する部分にこの内輪と同心に設けられ、被検出面の特性を円周方向に関して交互に変化させると共に、特性変化のパターンを、測定すべき荷重の作用方向に対応して漸次変化させているエンコーダと、検出部を上記被検出面に対向させた状態で回転しない部分に支持され、この被検出面の特性変化のパターンに対応して出力信号のパターンを変化させるセンサとを使用して、このセンサの出力信号に基づいて上記転がり軸受を構成する外輪に対する内輪の回転速度を測定すると共に、上記センサの出力信号のパターンに基づいて上記外輪と上記内輪との間に作用している荷重を測定する。且つ、所定の検出処理手段を使用して、上記車軸支持装置から発生する所定の物理量{例えば、振動、音、AE(Acoustic Emission )、ひずみ等}に関する信号を検出する。これと共に、所定の演算処理手段を使用して、上記検出処理手段が検出した信号に対し、必要に応じて所定の処理を施した後に周波数分析処理を施し、この周波数分析処理を施した結果と、上記車軸支持装置の異常の有無の診断基準となる、上記回転速度をパラメータとする第一基準値とを比較する事に基づき、上記車軸支持装置の異常の有無を診断すると共に異常部位を特定する。且つ、上記測定した荷重と、この荷重に関する第二基準値とを比較する事に基づき、上記車軸支持装置の異常の有無を診断する。
又、請求項4に記載した鉄道車両の車軸支持装置の異常診断装置は、ハウジングの内側に車軸を回転自在に支持する為の転がり軸受を備えた鉄道車両の車軸支持装置の異常診断装置であって、転がり軸受を構成する内輪と共に回転する部分にこの内輪と同心に設けられ、被検出面の特性を円周方向に関して交互に変化させると共に、特性変化のパターンを、測定すべき荷重の作用方向に対応して漸次変化させているエンコーダと、検出部を上記被検出面に対向させた状態で回転しない部分に支持され、この被検出面の特性変化のパターンに対応して出力信号のパターンを変化させるセンサと、このセンサの出力信号に基づいて上記転がり軸受を構成する外輪に対する内輪の回転速度を算出する回転速度演算器と、上記センサの出力信号のパターンに基づいて上記外輪と上記内輪との間に作用している荷重を算出する荷重演算器と、上記車軸支持装置から発生する所定の物理量{例えば、振動、音、AE(Acoustic Emission )、ひずみ等}に関する信号を検出する検出処理手段と、この検出処理手段が検出した信号に対し、必要に応じて所定の処理を施した後に周波数分析処理を施し、この周波数分析処理を施した結果と、上記車軸支持装置の異常の有無の診断基準となる、上記回転速度をパラメータとする第一基準値とを比較する事に基づき、上記車軸支持装置の異常の有無を診断すると共に異常部位を特定し、且つ、上記測定した荷重と、この荷重に関する第二基準値とを比較する事に基づき、上記車軸支持装置の異常の有無を診断する演算処理手段とを備える。
上述の様な本発明の鉄道車両の車軸支持装置の異常診断方法及び装置によれば、前述の特許文献1、2に記載された従来技術の場合と同様、車軸支持装置を分解する事なく、この車軸支持装置を構成する部品に摩耗や破損等の異常が生じているか否かを診断できると共に、何れの部品に異常が生じているのかを特定できる。更に、本発明の場合には、転がり軸受を構成する外輪と内輪との間に作用している荷重を測定し、この荷重の大きさに基づく、車軸支持装置の異常の有無を判定できる。この為、鉄道車両が曲線走行する際の脱線事故の防止に寄与できる。即ち、鉄道車両が曲線走行する際には、車体に遠心力が作用する事に伴い、車軸を支持する転がり軸受に、その遠心力の大きさに見合った大きさのアキシアル荷重が作用する。従って、このアキシアル荷重を測定し、このアキシアル荷重が、例えば予め定めておいた荷重に関する第二基準値を越えた場合に異常有りとの判定を行なえば、その後、鉄道車両の走行速度を低下させる等により、脱線事故を防止できる。更に、本発明の場合には、車軸支持装置を構成する部品に摩耗や破損等の異常が生じているか否かを診断する為に必要な情報である、上記内輪の回転速度を測定する為に使用するセンサ及びエンコーダにより、上記荷重を測定する。この為、異常診断装置の小型化及び低コスト化を十分に図れる。
本発明の鉄道車両の車軸支持装置の異常診断方法及び装置を実施する場合には、好ましくは、請求項2、5に記載した様に、検出処理手段が検出した信号に対し、必要に応じて施す所定の処理として、少なくともA/D変換処理と、フィルタ処理と、エンベロープ(包絡線)処理とを実施する。
より好ましくは、請求項3、6に記載した様に、第一基準値のパラメータとして、外輪に対する内輪の回転速度に加え、これら外輪と内輪との間に作用する荷重を採用する。
この様にすれば、車軸支持装置の異常診断をより正確に行なえる。
又、本発明の鉄道車両の車軸支持装置の異常診断装置を実施する場合に、具体的には、例えば請求項7に記載した様に、検出すべき荷重が、外輪と内輪との間に軸方向に作用するアキシアル荷重であり、被検出面がエンコーダの外周面であり、この被検出面に、互いに異なる特性を有する第一被検出部と第二被検出部とが円周方向に関して交互に且つ等間隔で配置されており、これら第一、第二両被検出部の境界が、上記エンコーダの軸方向に対し傾斜すると共に、この境界の軸方向に対する傾斜方向が、このエンコーダの軸方向中間部を境に互いに逆方向であり、この軸方向中間部を挟んでこのエンコーダの軸方向に離隔した位置に設置された1対のセンサが、このエンコーダの被検出面に対向している、と言った構成を採用する事ができる。
この場合、より具体的には、例えば請求項8に記載した様に、上記エンコーダが永久磁石製であって、上記第一被検出部がN極であり、上記第二被検出部がS極である、と言った構成を採用する事ができる。
或は、例えば請求項9に記載した様に、上記第一被検出部が透孔若しくは凹部であり、上記第二被検出部が円周方向に隣り合う透孔若しくは凹部同士の間に存在する間部分である、と言った構成を採用する事ができる。
図1〜8は、請求項1、2、4、5、7、8に対応する、本発明の実施例1を示している。図1に示す様に、車軸支持装置は、ハウジング1の内側に車軸2の端部を、複列円すいころ軸受3により回転自在に支持している。この複列円すいころ軸受3は、外輪4と、1対の内輪5、5と、複数個の円すいころ6、6と、1対の保持器7、7と、円筒状の間座8とを備える。このうちの外輪4は、内周面に複列の円すい凹面状の外輪軌道9、9を有し、上記ハウジング1に内嵌した状態で、使用時にも回転しない。又、上記各内輪5、5はそれぞれ、外周面に円すい凸面状の内輪軌道10を有し、上記車軸2の端部に外嵌固定した状態で、使用時にこの車軸2と共に回転する。又、上記各円すいころ6、6は、上記各外輪軌道9、9と上記各内輪軌道10、10との間にそれぞれ複数個ずつ、上記各保持器7、7により保持された状態で、転動自在に設けられている。又、上記間座8は、上記1対の内輪5、5同士の間に挟持した状態で、上記車軸2の端部に外嵌している。尚、図1に示した部分よりも右方に存在する、この車軸2の中間部両端寄り部分には、それぞれ車輪(図示せず)を外嵌固定している。又、この車軸2の図示しない中間部には、図2に略示する様な大歯車11を外嵌固定している。そして、この大歯車11に噛合させた小歯車12を、図示しない駆動軸に外嵌固定する事により、この駆動軸から上記車軸2への回転力の伝達を行なえる様にしている。
又、上記間座8の軸方向中間部には、永久磁石により円筒状に構成したエンコーダ13を外嵌固定している。これと共に、上記外輪4の軸方向中間部で複列に配置された上記各円すいころ6、6の間部分に1対のセンサ14、14を、それぞれの検出部を、被検出面である上記エンコーダ13の外周面に近接対向させた状態で設けている。図3〜5に示す様に、このエンコーダ13の外周面には、N極に着磁した部分とS極に着磁した部分とを、円周方向に関して交互に且つ等間隔で配置している。これらN極に着磁された部分とS極に着磁された部分との境界は、上記エンコーダ13の軸方向に対し同じ角度だけ傾斜させると共に、この軸方向に対する傾斜方向を、このエンコーダ13の軸方向中間部を境に互いに逆方向としている。従って、上記N極に着磁された部分とS極に着磁された部分とは、軸方向中間部が円周方向に関して最も突出した(又は凹んだ)、「く」字形となっている。
又、上記各センサ14、14は、検出部に、ホールIC、ホール素子、MR、GMR等の磁気検知素子を組み込んでいる。この様な両センサ14、14の検出部が上記エンコーダ13の外周面に対向する位置は、このエンコーダ13の円周方向に関して同じ位置としている。言い換えれば、上記両センサ14、14の検出部は、上記外輪4の中心軸を含む同一の仮想平面上に配置されている。又、この外輪4と上記各内輪5、5との間にアキシアル荷重が作用しない状態で、上記N極に着磁された部分とS極に着磁された部分との軸方向中間部で円周方向に関して最も突出した部分(境界の傾斜方向が変化する部分)が、上記両センサ14、14の検出部同士の間の丁度中央位置に存在する様に、各部材13、14、14の設置位置を規制している。この様に、上記境界の傾斜方向が変化する部分を上記中央位置に存在させる事で、内外輪の温度差や熱膨張等の変形による誤差(変位が生じていなくても内外輪の温度差によって位相差が生じる、所謂オフセット)を小さく抑えられる様にしている。尚、本実施例の場合には、上記エンコーダ13として永久磁石製のものを使用している為、上記両センサ14、14側に永久磁石を組み込んではいない。
本実施例の場合、上記外輪4と上記各内輪5、5との間にアキシアル荷重が作用すると、上記エンコーダ13が回転した場合に得られる、上記両センサ14、14の出力信号が変化する位相が互いにずれる。即ち、上記外輪4と上記各内輪5、5との間にアキシアル荷重が作用していない状態では、上記両センサ14、14の検出部は、図5の(A)の実線イ、イ上、即ち、上記最も突出した部分から軸方向に同じだけずれた部分に対向する。従って、上記両センサ14、14の出力信号の位相は、同図の(C)に示す様に一致する。これに対し、上記エンコーダ13と同期して回転及び軸方向変位する上記各内輪5、5に、図5の(A)で下向きのアキシアル荷重が作用し(上記外輪4と上記各内輪5、5とがアキシアル方向に相対変位し)た場合には、上記両センサ14、14の検出部は、図5の(A)の破線ロ、ロ上、即ち、上記最も突出した部分からの軸方向に関するずれが互いに異なる部分に対向する。この状態では上記両センサ14、14の出力信号の位相は、同図の(B)に示す様にずれる。更に、上記エンコーダ13と同期して回転及び軸方向変位する上記各内輪5、5に、図5の(A)で上向きのアキシアル荷重が作用した場合には、上記両センサ14、14の検出部は、図5の(A)の鎖線ハ、ハ上、即ち、上記最も突出した部分からの軸方向に関するずれが、逆方向に互いに異なる部分に対向する。この状態では上記両センサ14、14の出力信号の位相は、同図の(D)に示す様にずれる。
上述の様に本実施例の場合には、上記両センサ14、14の出力信号の位相が、上記外輪4と上記各内輪5、5との間に加わるアキシアル荷重の方向に応じた方向にずれる。又、このアキシアル荷重により上記両センサ14、14の出力信号の位相がずれる程度(変位量)は、このアキシアル荷重が大きくなる程大きくなる。そこで、本実施例の場合には、上記両センサ14、14の出力信号の位相ずれの有無、ずれが存在する場合にはその方向及び大きさに基づいて、上記外輪4と上記各内輪5、5との間に作用しているアキシアル荷重の方向及び大きさを、図示しない荷重演算器により算出する。又、上記各センサ14、14の出力信号の周波数は、上記エンコーダ13及び各内輪5、5の回転速度に応じて変化する。そこで、本実施例の場合には、上記各センサ14、14のうちの少なくとも一方のセンサ14の出力信号の周波数に基づいて、上記各内輪5、5の回転速度を、後述する回転速度演算器である回転分析部21(図7)により算出する。
又、本実施例の異常診断装置は、上述した様なエンコーダ13及びセンサ14、14等の他、図6に示す様に、それぞれが検出処理手段である1対の検出処理部15、15と、それぞれが演算処理手段である1対の演算処理部16、16と、制御処理部17とを備える。このうちの各検出処理部15、15は、前記複列円すいころ軸受3の各円すいころ列近傍で発生する振動を電気信号として出力する、それぞれが振動センサである加速度センサ18、18を備える。即ち、本実施例の場合、前記ハウジング1の外周面の円周方向一部で、それぞれが軸方向に関して上記各円すいころ列の中央部に対応する部分に、図1に示す様に1対の凹部19、19を形成している。そして、これら各凹部19、19に、上記各加速度センサ18、18を収容している。又、本実施例の場合、これら各加速度センサ18、18は、円周方向に関して上記複列円すいころ軸受3の負荷圏と同位相の部分に設置している。これにより、例えば、前記外輪、内輪各軌道9、10や前記各円すいころ6、6の転動面に損傷が発生した場合に、その損傷部が相手面と転がり接触した際に発生する振動を、感度良く検出できる様にしている。
又、上記各演算処理部16、16は、車軸支持装置を構成する各部品に摩耗や破損等の異常が生じているか否かを診断し、且つ、異常が生じている部品を特定する為に、上記各加速度センサ18、18の出力した電気信号等を演算処理するもので、CPU等が搭載されたICチップ、メモリ等から成るマイクロコンピュータ(マイコン)である。これら各演算処理部16、16はそれぞれ、図7に示す様に、データ蓄積分配部20と、回転分析部21と、フィルタ処理部22と、振動分析部23と、比較判定部24と、データ保存部25とを備える。
このうちのデータ蓄積分配部20は、上記加速度センサ18及び前記少なくとも一方のセンサ14の出力信号(電気信号)を受け取り、一時的に蓄積すると共に、上記加速度センサ18の出力信号を上記振動分析部23に、上記センサ14の出力信号を上記回転分析部21に、それぞれ振り分ける。尚、上記データ蓄積分配部20に送られる、上記各センサ18、14の出力信号は、それぞれ図示しないA/D変換器によりディジタル化され、且つ、図示しない増幅器により増幅されたものである。又、上記回転分析部21は、上記少なくとも一方のセンサ14からの出力信号を基に、前記各内輪5、5及び車軸2の回転速度を算出し、算出した回転速度を上記比較判定部24に送信する。
上記フィルタ処理部22は、上記加速度センサ18の出力信号から所定の周波数を切り出し、切り出した周波数帯のみを含む出力信号を、上記振動分析部23に送信する。又、この振動分析部23は、上記フィルタ処理部22から送られてきた信号を基に、上記車軸支持装置で発生した振動の周波数分析を行なう。具体的には、送られてきた信号に前処理としてエンベロープ処理を施し、診断に必要な周波数成分のみに変換した後、FFT(高速フーリエ変換)を行なって、振動の周波数スペクトルを算出する。そして、算出した周波数スペクトル(エンベロープスペクトル)を、必要に応じて上記エンベロープ処理後のエンベロープデータと共に、上記比較判定部24に送信する。尚、上記振動分析部23による周波数分析に於いては、サンプリング時間に応じて、フーリエ変換可能な最大の周波数(ナイキスト周波数)が決まる為、ナイキスト周波数以上の周波数は、振動信号中に含まれていない事が好ましい。この様な理由から、本実施例では、上記データ蓄積分配部20と上記振動分析部23との間に上記フィルタ処理部22を設け、このフィルタ処理部22で必要な周波数を切り出し、切り出された周波数帯のみを含む振動信号を上記振動分析部23に送信する様に構成している。
尚、一般に、転がり軸受を構成する各部品の異常(軌道、転動面、保持器の損傷等)に起因して回転時に発生する異常振動周波数は、回転速度及び軸受の設計諸元に依存して決まっている。即ち、転がり軸受を構成する各部品毎の異常振動周波数は、下記の表1の様に示される。
Figure 2007024663
この表1中の符号の意味は、下記の通りである。
r :内輪(5、5)の回転速度[Hz]
c :保持器(7、7)の回転速度[Hz]
i :fr −fc [Hz]
b :転動体(6、6)の自転速度[Hz]
m :転動体(6、6)のピッチ円直径[mm]
Z:転動体(6、6)の総数[個]
a :転動体(6、6)の直径[mm]
α:接触角
又、前記大歯車11と前記小歯車12との噛み合いの異常に起因して回転時に発生する異常振動周波数fm は、次の(1)式で示される。
m =Z1 ・(N1 /60)=Z2 ・(N2 /60) ―――――(1)
1 :大歯車11の歯数[個]
2 :小歯車12の歯数[個]
1 :大歯車11の回転速度[min-1
2 :小歯車12の回転速度[min-1
更に、前記車軸2の両端寄り部分に固定した車輪等の回転体の異常(摩耗、回転アンバランス等)に起因して回転時に発生する異常振動周波数も、それぞれこの回転体の設計諸元等に依存して決まる。
又、前記比較判定部24は、上記振動分析部23で分析された結果と、車軸支持装置の異常の有無の診断基準となる情報とを比較照合し、この車軸支持装置の異常の有無を診断する。具体的には、上記比較判定部24は、前記回転分析部21で算出した回転速度と、上記車輪支持装置を構成する各部位の設計諸元とに基づき、上記表1中の計算、並びに、上記(1)式の計算等を行なう事により、診断すべき各部品毎の異常振動周波数を求める。そして、上記振動分析部23で算出した周波数スペクトルから、上記各部品毎の異常振動周波数に対応する、周波数成分を抽出する。これと共に、上記比較判定部24は、上記回転速度をパラメータとする、上記各部品毎の異常振動周波数成分の第一基準値を算出する。尚、これら各第一基準値は、上記各部品に異常が発生しているか否かを診断する為の指標であり、上記回転速度に応じてどの程度の大きさにするかは任意に決定できるが、例えば前記特許文献1に記載されている様に、上記エンベロープデータの実効値等を算出する等に基づいて決定する事ができる。そして、上記比較判定部24は、上述の様に抽出した各部品毎の異常振動周波数成分が、それぞれ対応する第一基準値以下である場合には、異常無しと判定し、何れかの部品の異常振動周波数成分が対応する第一基準値より大きい場合には、当該部品に異常有りと判定する。そして、この判定結果を、必要に応じて上記回転分析部21及び振動分析部23の分析結果と共に、前記データ保存部25に記憶させ、且つ、前記制御処理部17に送信する。
又、本実施例の場合、上記比較判定部24には、前述した図示しない荷重演算器により算出したアキシアル荷重を送信する様にしている。そして、上記比較判定部24は、このアキシアル荷重と、上記データ保存部25に記憶されている、予め定めておいたアキシアル荷重に関する第二基準値とを比較する。そして、上記アキシアル荷重がこの第二基準値以下である場合には、異常無しと判定し、上記アキシアル荷重がこの第二基準値よりも大きい場合には、異常有りと判定する。そして、この判定結果を、必要に応じて上記アキシアル荷重と共に、上記データ保存部25に記憶させ、且つ、上記制御処理部17に送信する。
又、この制御処理部17は、上述した様な各演算処理部16、16の分析結果やアキシアル荷重や判定結果を所定の表示形態で表示する結果出力部26と、鉄道車両の駆動機構の動作を制御する制御系に対し、上記判定結果に応じた制御信号をフィードバックする制御器27を備える。このうちの結果出力部26は、具体的には、モニターや画像表示やプリンタへの印刷出力によって、上記各演算処理部16、16の分析結果やアキシアル荷重や判定結果を通知する他、これら各演算処理部16、16の判定結果が異常有りの場合には、警告灯やブザー等の警報装置による通知を行なう。又、上記制御器27は、例えば、上記各演算処理部16、16の判定結果が異常有りの場合に、異常の程度に応じて、鉄道車両の走行停止や減速等を示す制御信号を、図示しないこの鉄道車両の走行制御器に送信する。尚、前記各検出処理部15、15及び前記各センサ14、14と、上記各演算処理部16、16と、上記制御処理部17との間での信号の伝達方式は、信号の送受信を的確に行なえるのであれば、有線方式を利用する他、ネットワークを考慮した無線方式を利用しても良い。
次に、上述の様に構成する本実施例の異常診断装置を使用して行なう異常診断の流れを、図8に示したフローチャートを参照しつつ説明する。本実施例の異常診断を行なう際には、先ず、前記各加速度センサ18、18により、前記複列円すいころ軸受3を構成する各円すいころ列付近の振動を検出する(ステップ1)。次いで、この振動の検出信号(アナログ信号)を、前記A/D変換器によりディジタル信号に変換した後、前記増幅器により増幅する(ステップ2)。尚、これら変換と増幅とは、順序が逆であっても構わない。次いで、この様に変換及び増幅を行なった信号に対し、前記フィルタ処理部22によりフィルタ処理を施す(ステップ3)。次いで、この様にフィルタ処理を施した信号に対し、前記振動分析部23により、エンベロープ処理を施し(ステップ4)、更にFFTを行ない、上記振動の周波数スペクトルを算出する(ステップ5)。又、これらステップ1〜5の流れと並行して、前記エンコーダ13に対向させた上記各センサ14、14の出力信号に基づき、前述した図示しない荷重演算器により外輪4と各内輪5、5との間に作用しているアキシアル荷重を算出すると共に、前記回転分析部21により上記各内輪5、5の回転速度を算出する。
次いで、前記比較判定部24により、上記回転分析部21で算出した回転速度と、車輪支持装置を構成する各部位の設計諸元とに基づき、前記表1中の計算、並びに、前記(1)式の計算等を行なう事により、診断すべき各部品毎の異常振動周波数を求める(ステップ6)。尚、この様な各部品毎の異常振動周波数は、予め算出しておいた(図7に示したデータ保存部25に保存しておいた)結果を利用しても良い。次いで、上記ステップ5で得た周波数スペクトル(エンベロープスペクトル)から、上記ステップ6で得た各部品毎の異常振動周波数に対応する、周波数成分{軸受成分SB (前記表1のSBi、SBo、SBb、SBcに関する成分)、歯車成分SG (前記大歯車11及び小歯車12の噛み合い部に関する成分)、回転体成分SR (前記車輪等に関する成分)}を抽出する(ステップ7)。又、これらステップ6〜7の流れと並行して、上記比較判定部24により、上記各部品毎の異常振動周波数の第一基準値を算出する(ステップ8)。
次いで、やはり上記比較判定部24により、上記ステップ7で抽出した各部品毎の異常振動周波数成分(SB 、SG 、SR )と、上記ステップ8で算出した各第一基準値とを比較する(ステップ9)。そして、上記総ての部品の異常振動周波数成分(SB 、SG 、SR )が対応する第一基準値以下である場合には、異常無しと判定し、何れかの部品の異常振動周波数成分(SB 、SG 、SR )が対応する第一基準値より大きい場合には、当該部品に異常有りと判定する(ステップ10)。又、これと並行して、上記比較判定部24により、上記荷重演算器により算出したアキシアル荷重と、予め定めておいたアキシアル荷重に関する第二基準値とを比較し、上記アキシアル荷重がこの第二基準値以下である場合には、異常無しと判定し、上記アキシアル荷重がこの第二基準値よりも大きい場合には、異常有りと判定する(ステップ11)。そして、これらステップ10、11の判定結果を、前記結果出力部26により、必要に応じて上記各分析部21、23の分析結果及び上記アキシアル荷重と共に所定の表示形態で表示する(ステップ12)。更には、前記制御器27により、上記判定結果(及び分析結果やアキシアル荷重)を利用して鉄道車両の走行制御を行なう。本実施例の場合、この様な表示及び走行制御は、鉄道車両の走行中、リアルタイムで連続的に行なう。
上述した様な本実施例の鉄道車両の車軸支持装置の異常診断方法及び装置によれば、車軸支持装置を分解する事なく、複列円すいころ軸受3の各構成部品、大歯車11と小歯車12との噛み合い部、車輪等に摩耗や破損等の異常が生じているか否かを診断できると共に、何れの部品に異常が生じているのかを特定できる。又、本実施例の場合には、上記複列円すいころ軸受3を構成する外輪4と各内輪5、5との間に作用しているアキシアル荷重を測定する事に基づき、鉄道車両が脱線しない為の走行制御を行なえる。更に、本実施例の場合には、車軸支持装置を構成する部品に摩耗や破損等の異常が生じているか否かを診断する為に必要な情報である、上記各内輪5、5の回転速度を測定する為に使用するエンコーダ13及びセンサ14、14により、上記アキシアル荷重を測定する。この為、異常診断装置の小型化及び低コスト化を十分に図れる。
図9〜14は、請求項1〜7及び9に対応する、本発明の実施例2を示している。本実施例の場合、複列円すいころ軸受3を構成する間座8に外嵌固定するエンコーダ13aとして、図10〜11に示す様なものを使用する。このエンコーダ13aは、磁性金属板により全体を円筒状に構成しており、被検出面である外周面に、スリット状の透孔28a、28bと柱部29a、29bとを、円周方向に関して交互に且つ等間隔で配置している。これら各透孔28a、28bと各柱部29a、29bとは、上記エンコーダ13aの軸方向に対し同じ角度だけ傾斜させると共に、この軸方向に対する傾斜方向を、このエンコーダ13aの軸方向中間部を境に互いに逆方向としている。即ち、このエンコーダ13aは、軸方向片半部に、上記軸方向に対し所定方向に同じだけ傾斜した透孔28a、28aを形成すると共に、軸方向他半部に、この所定方向と逆方向に同じ角度だけ傾斜した透孔28b、28bを形成している。尚、図示の例では、スリットである透孔28a、28bを「ハ」字形に設けているが、頂部を連結させた「く」字状の透孔にしても、同様の作用を得られる。
そして、上記エンコーダ13aの外周面に、外輪4の軸方向中間部に設置した1対のセンサ14a、14aの検出部を近接対向させている。これら両センサ14a、14aの検出部が上記エンコーダ13aの外周面に対向する位置は、このエンコーダ13aの円周方向に関して同じ位置としている。又、上記外輪4と1対の内輪5、5との間にアキシアル荷重が作用しない状態で、上記各透孔28a、28b同士の間に位置し、全周に連続するリム部30が、上記両センサ14a、14aの検出部同士の間の丁度中央位置に存在する様に、各部材13a、14a、14aの設置位置を規制している。尚、本実施例の場合には、上記エンコーダ13aが単なる磁性材製である為、上記両センサ14a、14aの側に永久磁石を組み込んでいる。
本実施例の場合、上記外輪4と上記各内輪5、5との間にアキシアル荷重が作用し、これら外輪4と各内輪5、5とがアキシアル方向に相対変位すると、上述した実施例1の場合と同様に、上記両センサ14a、14aの出力信号が変化する位相がずれる。即ち、上記外輪4と上記各内輪5、5との間にアキシアル荷重が作用していない状態では、上記両センサ14a、14aの検出部は、図12の(A)の実線イ、イ上、即ち、上記リム部30から軸方向に同じだけずれた部分に対向する。従って、上記両センサ14a、14aの出力信号の位相は、同図の(C)に示す様に一致する。これに対し、上記エンコーダ13aと共に回転及び軸方向変位する上記各内輪5、5に、図12の(A)で下向きのアキシアル荷重が作用した場合には、上記両センサ14a、14aの検出部は、図12の(A)の破線ロ、ロ上、即ち、上記リム部30からの軸方向に関するずれが互いに異なる部分に対向する。この状態では上記両センサ14a、14aの出力信号の位相は、同図の(B)に示す様にずれる。更に、上記エンコーダ13aと共に回転及び軸方向変位する上記各内輪5、5に、図12の(A)で上向きのアキシアル荷重が作用した場合には、上記両センサ14a、14aの検出部は、図12の(A)の鎖線ハ、ハ上、即ち、上記リム部30からの軸方向に関するずれが、逆方向に互いに異なる部分に対向する。この状態では上記両センサ14a、14aの出力信号の位相は、同図の(D)に示す様にずれる。
上述の様に本実施例の場合も、上述の実施例1の場合と同様に、上記両センサ14a、14aの出力信号の位相が、上記外輪4と上記各内輪5、5との間に加わるアキシアル荷重の方向に応じた方向にずれる。又、このアキシアル荷重により上記両センサ14a、14aの出力信号の位相がずれる程度(変位量)は、このアキシアル荷重が大きくなる程大きくなる。そこで、本実施例の場合も、上記両センサ14a、14aの出力信号の位相ずれの有無、ずれが存在する場合にはその方向及び大きさに基づいて、上記外輪4と上記各内輪5、5との間に作用しているアキシアル荷重の方向及び大きさを、図示しない荷重演算器により算出する。又、上記各センサ14a、14aの出力信号の周波数に基づいて、上記各内輪5、5の回転速度を、回転分析部21(図7参照)により算出する。
又、本実施例の場合には、図13に示す様に、加速度センサ18、18を含んだ検出処理部15、15とマイクロコンピュータから成る演算処理部16、16とを組み合わせた、単一の処理ユニットを、車軸支持装置に組み込んでいる。これにより、異常診断装置の小型化を図っている。又、本実施例の場合には、図14に示す様に、異常診断を行なう際には、検出されたアキシアル荷重をも考慮して、各部品毎の異常周波数の第一基準値を算出する(ステップ8)。この様にアキシアル荷重をも考慮して第一基準値を決定する事により、車軸支持装置を構成する各部品の異常診断をより正確に行なえる様にしている。その他の構成及び作用は、上述した実施例1の場合と同様である。
尚、本発明を実施する場合、車軸支持装置で発生する振動を検出する為のセンサの種類は、特に問わない。例えば、上記各実施例で採用した加速度センサの他、AEセンサ、超音波センサ、ショックパルスセンサや、速度、ひずみ、応力、変位型等、振動を電気信号化できるセンサであれば良い。特に、ノイズが多い個所に取り付ける場合には、絶縁型を使用した方が、ノイズの影響を受けにくくできる為、好ましい。又、圧電素子等の振動検出素子を合成樹脂等にモールドして振動検出センサの形にしても良い。又、設置する振動検出センサの数も、特に問わない。更に、設置位置に対する振動検出センサの固定方法は、ボルト固定、接着、モールド材による埋め込み等、適宜の方法を採用できる。このうち、モールド材による埋め込みを採用する場合には、振動検出センサの防水性及び耐震性を十分に確保できる。
又、得られた分析結果及び判定結果は、リアルタイムでの表示や走行制御に供するだけでなく、データ保存部25等に大量に蓄積しておき、プログラム等を利用して異常診断に関する管理レポートを作成する事もできる。
本発明の実施例1を示す、異常診断装置を組み込んだ鉄道車両の車軸支持装置の断面図。 車軸に固定する大歯車と駆動軸に固定する小歯車とを示す略側面図。 エンコーダの斜視図。 このエンコーダの外周面の展開図。 変位に伴う1対のセンサの出力信号の変化状態を示す線図。 異常診断装置のブロック図。 異常診断装置を構成する演算処理部のブロック図。 異常診断手順を示すフローチャート。 本発明の実施例2を示す、異常診断装置を組み込んだ鉄道車両の車軸支持装置の断面図。 エンコーダの斜視図。 このエンコーダの外周面の展開図。 変位に伴う1対のセンサの出力信号の変化状態を示す線図。 異常診断装置のブロック図。 異常診断手順を示すフローチャート。
符号の説明
1 ハウジング
2 車軸
3 複列円すいころ軸受
4 外輪
5 内輪
6 円すいころ
7 保持器
8 間座
9 外輪軌道
10 内輪軌道
11 大歯車
12 小歯車
13、13a エンコーダ
14、14a センサ
15 検出処理部
16 演算処理部
17 制御処理部
18 加速度センサ
19 凹部
20 データ蓄積分配部
21 回転分析部
22 フィルタ処理部
23 振動分析部
24 比較判定部
25 データ保存部
26 結果出力部
27 制御器
28a、28b 透孔
29a、29b 柱部
30 リム部

Claims (9)

  1. ハウジングの内側に車軸を回転自在に支持する為の転がり軸受を備えた鉄道車両の車軸支持装置の異常診断方法であって、この転がり軸受を構成する内輪と共に回転する部分にこの内輪と同心に設けられ、被検出面の特性を円周方向に関して交互に変化させると共に、特性変化のパターンを、測定すべき荷重の作用方向に対応して漸次変化させているエンコーダと、検出部を上記被検出面に対向させた状態で回転しない部分に支持され、この被検出面の特性変化のパターンに対応して出力信号のパターンを変化させるセンサとを使用し、このセンサの出力信号に基づいて上記転がり軸受を構成する外輪に対する内輪の回転速度を測定すると共に、上記センサの出力信号のパターンに基づいて上記外輪と上記内輪との間に作用している荷重を測定し、且つ、所定の検出処理手段を使用して、上記車軸支持装置から発生する所定の物理量に関する信号を検出すると共に、所定の演算処理手段を使用して、上記検出処理手段が検出した信号に対し、必要に応じて所定の処理を施した後に周波数分析処理を施し、この周波数分析処理を施した結果と、上記車軸支持装置の異常の有無の診断基準となる、上記回転速度をパラメータとする第一基準値とを比較する事に基づき、上記車軸支持装置の異常の有無を診断すると共に異常部位を特定し、且つ、上記測定した荷重と、この荷重に関する第二基準値とを比較する事に基づき、上記車軸支持装置の異常の有無を診断する鉄道車両の車軸支持装置の異常診断方法。
  2. 検出処理手段が検出した信号に対し、必要に応じて施す所定の処理として、少なくともA/D変換処理と、フィルタ処理と、エンベロープ処理とを実施する、請求項1に記載した鉄道車両の車軸支持装置の異常診断方法。
  3. 第一基準値のパラメータとして、外輪に対する内輪の回転速度に加え、これら外輪と内輪との間に作用する荷重を採用する、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載した鉄道車両の車軸支持装置の異常診断方法。
  4. ハウジングの内側に車軸を回転自在に支持する為の転がり軸受を備えた鉄道車両の車軸支持装置の異常診断装置であって、この転がり軸受を構成する内輪と共に回転する部分にこの内輪と同心に設けられ、被検出面の特性を円周方向に関して交互に変化させると共に、特性変化のパターンを、測定すべき荷重の作用方向に対応して漸次変化させているエンコーダと、検出部を上記被検出面に対向させた状態で回転しない部分に支持され、この被検出面の特性変化のパターンに対応して出力信号のパターンを変化させるセンサと、このセンサの出力信号に基づいて上記転がり軸受を構成する外輪に対する内輪の回転速度を算出する回転速度演算器と、上記センサの出力信号のパターンに基づいて上記外輪と上記内輪との間に作用している荷重を算出する荷重演算器と、上記車軸支持装置から発生する所定の物理量に関する信号を検出する検出処理手段と、この検出処理手段が検出した信号に対し、必要に応じて所定の処理を施した後に周波数分析処理を施し、この周波数分析処理を施した結果と、上記車軸支持装置の異常の有無の診断基準となる、上記回転速度をパラメータとする第一基準値とを比較する事に基づき、上記車軸支持装置の異常の有無を診断すると共に異常部位を特定し、且つ、上記測定した荷重と、この荷重に関する第二基準値とを比較する事に基づき、上記車軸支持装置の異常の有無を診断する演算処理手段とを備えた鉄道車両の車軸支持装置の異常診断装置。
  5. 検出処理手段が検出した信号に対し、必要に応じて施す所定の処理として、少なくともA/D変換処理と、フィルタ処理と、エンベロープ処理とを実施する、請求項4に記載した鉄道車両の車軸支持装置の異常診断装置。
  6. 第一基準値のパラメータとして、外輪に対する内輪の回転速度に加え、これら外輪と内輪との間に作用する荷重を採用する、請求項4〜5のうちの何れか1項に記載した鉄道車両の車軸支持装置の異常診断装置。
  7. 検出すべき荷重が、外輪と内輪との間に軸方向に作用するアキシアル荷重であり、被検出面がエンコーダの外周面であり、この被検出面に、互いに異なる特性を有する第一被検出部と第二被検出部とが円周方向に関して交互に且つ等間隔で配置されており、これら第一、第二両被検出部の境界が、上記エンコーダの軸方向に対し傾斜すると共に、この境界の軸方向に対する傾斜方向が、このエンコーダの軸方向中間部を境に互いに逆方向であり、この軸方向中間部を挟んでこのエンコーダの軸方向に離隔した位置に設置された1対のセンサが、このエンコーダの被検出面に対向している、請求項4〜6のうちの何れか1項に記載した鉄道車両の車軸用軸受装置の異常診断装置。
  8. エンコーダが永久磁石製であって、第一被検出部がN極であり、第二被検出部がS極である、請求項7に記載した鉄道車両の車軸用軸受装置の異常診断装置。
  9. 第一被検出部が透孔若しくは凹部であり、第二被検出部が円周方向に隣り合う透孔若しくは凹部同士の間に存在する間部分である、請求項7に記載した鉄道車両の車軸用軸受装置の異常診断装置。
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