JP2007024276A - ダイヤフラムとその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧力1〜2MPa程度に達するような高圧環境下で使用する場合にも、耐久性に優れたダイヤフラムとその製造方法を提供する。
【解決手段】本体ゴム内部に補強繊維コード2が配置されていると共に、ダイヤフラムバルブ本体に取り付けるための締結具を装着する開口部Hが形成されている。補強繊維コード2が、互いに略直交する2方向に編まれて平織り構造をなしていることに加えて、この平織り構造をなす補強繊維コード2a,2bと少なくとも2方向の異なる角度で交差する斜行補強繊維コード2c,2dが編み込まれて構成されていると共に、開口部H周辺に位置する補強繊維コード2が切断されることなく高密度に収束して配置されているダイヤフラム。
【選択図】図2
【解決手段】本体ゴム内部に補強繊維コード2が配置されていると共に、ダイヤフラムバルブ本体に取り付けるための締結具を装着する開口部Hが形成されている。補強繊維コード2が、互いに略直交する2方向に編まれて平織り構造をなしていることに加えて、この平織り構造をなす補強繊維コード2a,2bと少なくとも2方向の異なる角度で交差する斜行補強繊維コード2c,2dが編み込まれて構成されていると共に、開口部H周辺に位置する補強繊維コード2が切断されることなく高密度に収束して配置されているダイヤフラム。
【選択図】図2
Description
本発明はダイヤフラムとその製造方法に関し、詳しくは、本体ゴム内部に補強繊維コードが配置されていると共に、ダイヤフラムバルブ本体に取り付けるための締結具を装着する開口部が形成されているダイヤフラムとその製造方法に関する。
ダイヤフラムバルブは、ゴムの特長を生かし、容易かつ確実に流体をシールすることができるため、比較的小口径で低圧低温の用途で広く使用されている。このゴム製ダイヤフラムをより高圧の用途に使用するためには、ゴムの中間部に補強繊維を埋設して補強することが有用である。この補強繊維は、ダイヤフラムを構成するゴムが伸ばされて変形することを規制して、ゴムの早期破損を防止することができる。
高圧用に使用するときには、ダイヤフラムの外周部を固定する力が大きくなり、ゴム、繊維にかかる圧縮および引っ張り荷重が大きくなって、この固定部分の破損が最も起こり易い。
そこで、かかる部分の補強をするために、種々の工夫がなされており、ダイヤフラムの外周部を固定するバルブ側に突条を設けたダイヤフラムバルブ(特許文献1)、ダイヤフラムの外周部に変形防止リングを配置したダイヤフラムバルブ(特許文献2)などが提案されている。
しかしながら、上記従来技術のダイヤフラムバルブの構成では、いずれもシール圧力を数kg/cm2 程度高めるに過ぎず、より高い圧力、例えば、圧力1〜2MPa程度に達するような環境で使用する場合には、このようなダイヤフラムは到底耐えられず、早期に破損するという問題があり、より強度の高いダイヤフラムバルブの実現に対する要請は強いものがある。
そこで、補強繊維を内包したダイヤフラムを用いることが考えられるが、少ない締め付け面積にて、繊維がゴムと離反しないようにすることが困難であるため、ボルトで締め付け固定することになる。しかしながら、通常用いられている平織り(縦横)の補強繊維では、ボルト締結用に設けられる開口部にて補強繊維を切断することになるので、強度の大幅な低下は避けられず、この部分から破断する。
平織りを開口部で収束することにより繊維の破断部を作らない方法も考えられるが、ダイヤフラムの外周部で補強繊維が切断されているので、繊維間の縦横の離反が発生し易く、やはり強度の低下は避けられない。また、補強繊維を網状にすることも考えられるが、この場合も開口部で補強繊維が切断され、効果的に強度を高めることはできない。
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の有する問題点に鑑みて、圧力1〜2MPa程度に達するような高圧環境下で使用する場合にも、耐久性に優れたダイヤフラムとその製造方法を提供することにある。
上記課題は、請求項記載の発明により達成される。すなわち、本発明に係るダイヤフラムの特徴構成は、本体ゴム内部に補強繊維コードが配置されていると共に、ダイヤフラムバルブ本体に取り付けるための締結具を装着する開口部が形成されていて、前記補強繊維コードが、互いに略直交する2方向に編まれて平織り構造をなしていることに加えて、この平織り構造をなす補強繊維コードと少なくとも2方向の異なる角度で交差する斜行補強繊維コードが編み込まれて構成されていると共に、前記開口部周辺に位置する前記補強繊維コードが切断されることなく高密度に収束して配置されていることにある。
この構成によれば、互いに略直交する2方向に編まれた平織り構造をなしていることに加えて、更にこれに対して少なくとも2方向の異なる角度で交差する斜行補強繊維コードが編み込まれていることから、例えば、互いに略直交する2方向に編まれた平織り構造のみで補強繊維コードを高密度に配置する場合に比べて、補強繊維コードどうしの交差密度を疎にすることができ、補強繊維コードを収束させた場合の摩擦力をそれだけ低減(約30%以上)できて、治具を用いて開口部を形成するような場合に、補強繊維コードを切断することなく収束し易くできる。しかも、締結具が装着される開口部周辺の繊維補強コードが切断されておらず、高密度に配置されているため、ダイヤフラムバルブ本体に、ボルトのような締結具により装着されて使用されたとしても、締結具にかかる引張力が4方向に均等・分散され、単位補強繊維コード当たりの負荷が低減されて、開口部周辺からの破損を効果的に防止でき、特に、圧力1〜2MPa程度に達するような高圧環境条件下でも耐久性に優れたダイヤフラムとなる。
その結果、圧力1〜2MPa程度に達するような高圧環境下で使用する場合にも、耐久性に優れたダイヤフラムを提供することができた。
前記補強繊維コードが断面略偏平状であると共に、平織り構造をなす前記補強繊維コードと交差する斜行補強繊維コードが、前記平織り構造を構成する補強繊維コードの経糸および緯糸に挟持されるようにして編み込まれていることが好ましい。
この構成によれば、異なる4方向に配置された各補強繊維コードが互いに強固に絡み合うと共に、網織のように各繊維の交差点が結束されていないので、治具を用いて補強繊維コードを切断することなく開口する場合にも、確実に開口できる。
又、本発明に係るダイヤフラムの製造方法の特徴構成は、金型内に未加硫ゴムを注入し、この未加硫ゴム上に補強繊維コードを配置し、更に未加硫ゴムを注入して前記補強繊維コードを被覆することによりゴム内部に補強繊維コードを配置し、ダイヤフラムバルブ本体に取り付けるための締結具を装着する開口部を形成する方法において、前記補強繊維コードが、互いに略直交する2方向に編まれて平織り構造をなしていることに加えて、この平織り構造をなす補強繊維コードと少なくとも2方向の異なる角度で交差する斜行補強繊維コードが編み込まれて構成されていると共に、前記開口部周辺に位置する前記補強繊維コードが切断されることなく高密度に収束して配置されるように、前記開口部を穿孔して形成することにある。
この構成によれば、圧力1〜2MPa程度に達するような高圧環境下で使用する場合にも、耐久性に優れたダイヤフラムの製造方法を提供することができる。特に、補強繊維コードが異なる4方向から編み込まれているので、交差部分が強固であり、外力に対して補強繊維コードの密度を確実に維持できて、加硫中のゴム流動に対しても、補強繊維の位置変動を極めて小さくできる。
前記補強繊維コードとして、断面略偏平状の補強繊維コードを用いると共に、平織り構造をなす前記補強繊維コードと交差する斜行補強繊維コードが、前記平織り構造の補強繊維コードを構成する経糸および緯糸に挟持されるようにして編み込まれていることが好ましい。
この構成によれば、各補強繊維コードが互いに強固に絡み合うと共に、治具を用いて補強繊維コードを切断することなく開口する場合に、確実に開口できる。
前記開口部を形成するため、前記金型内に未加硫ゴムを注入しこの未加硫ゴム上に前記補強繊維コードを配置した後、先細り状の穿孔治具を、前記開口部周辺の補強繊維コードを押し広げるように挿入して行うことが好ましい。
この構成によれば、補強繊維コードを切断することが確実に防止され、開口部周辺に補強繊維コードを高密度に収束させた領域を形成することができる。
本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態に係るダイヤフラムの一例を示す平面構造を示し、図2は、図1のダイヤフラムの開口部周辺における補強繊維の配置を説明する部分平面構造であり、図3は図1のダイヤフラムのA−A線断面構造を示し、図4は補強繊維の部分拡大平面構造を示す。
このダイヤフラムDは、図1,3に示すように、4隅が円弧状に形成された略正方形をしており、4隅近傍にそれぞれ開口部Hが設けられた平面構造を有すると共に、図3に示すように、中央部D1が一方向に幾分膨出した構造を有する。ダイヤフラムDが、ダイヤフラムバルブ本体に装着された場合には、この中央部D1が反転することにより、ダイヤフラムバルブ本体の内部に挿入された流体をシールすることになる。
そして、本体ゴム1として加硫済みSBR(スチレンブタジエンゴム)を使用し、その内部に繊維補強コード2として、図4に拡大して示すように、2方向に略直交することに加え、2方向に斜行したポリエステル繊維コードを配置した4軸平織り構成を有する。すなわち、この繊維補強コード2は、互いに直交する経糸2aと緯糸2bとが、1本づつ交互に上下に浮沈しながら交錯して平織構造を構成すると共に、これら経糸2a、緯糸2bに対して左右から略45°傾斜し、互いに直交して斜行する2本の斜行繊維コード2c,2dが編み込まれて構成されている。つまり、互いに直交する斜行繊維コード2c,2dは、経糸2aの下方に位置すると共に、緯糸2bの上方に位置して、これら経糸2a、緯糸2bに挟持された状態で編み込まれている。もとより、この組み合わせに限定されるものではなく、斜行繊維コード2c,2dが、経糸2aの上方に位置すると共に、緯糸2bの下方に位置して、これら経糸2a、緯糸2bに挟持された状態で編み込まれていてもよい。
このポリエステル繊維コード2の構成は、特に限定されるものではないが、撚りがなく、断面が平たい略偏平状をしていることが好ましい。断面が略偏平状になっていると、4本の繊維が交錯したとしてもゴム全体の厚みを厚くすることがなく、特に開口部H周辺で収束される場合でも、開口部が過大な肉厚にならないので都合がよい。また、ポリエステル繊維コード2は、本体ゴム1との接着力を強化するため、予め同質のゴム材料で被覆していてもよい。もっとも、ポリエステル繊維コード2として、そのまま本体ゴム内に配置してもよい(ノンディップコード)。
そして、中心部および周辺4箇所近傍には、上記したように、ダイヤフラムバルブ本体に締結具を用いてダイヤフラムを締着するため、夫々開口部Hが形成されている。開口部Hの周辺での補強繊維は、開口部Hを迂回するように配置されており、この部分の補強繊維コード密度が高くなって、高い補強効果を発揮する構造になっている。つまり、開口部Hの周辺での補強繊維コードは、切断された切断端が開口部Hに露出することなく、開口部H周辺に補強繊維コードの収束した密度の高い領域を形成する特徴を備える。開口部H周辺が、このように強固に補強されているため、従来技術では、6〜8個の締結具を使用する必要のある場合でも、本実施形態の構成であれば、締結具を4個にしても十分な締結力が得られる。
以上のように補強繊維を4軸(縦横および2方向での斜行)に交差する構成にすると、互いに略直交する2方向に編まれた平織り構造のみで補強繊維コードを高密度に配置する場合に比べて、補強繊維コードどうしの交差密度を疎にすることができ、補強繊維コードを収束させた場合の摩擦力をそれだけ低減(約30%以上)できて、治具を用いて開口部Hを形成する場合に、補強繊維コードを切断することなく開口部周囲に収束し易くできる。しかも、開口部Hに装着されるボルトのような締結具にかかる引張力は、ボルトにかかる引張力が4方向に均等・分散され、単位補強繊維コード当たりの負荷が低減されて、開口部周辺からの破損を効果的に防止できる。その結果、1〜2MPa以上といった高圧の過酷な雰囲気においても、高い強度で耐久力を維持可能となる。
次に、本実施形態のダイヤフラムDの製造方法を説明する。まず、金型内に未加硫のSBRを注入し、固化した後、SBRに被覆され縦横に平織りされていると共に、これらに2方向に斜行するように編み込まれた4軸構成のポリエステル繊維コードを配置する。
この状態で、先端が尖った先細り状の棒状をした穿孔治具を用いて、先端をダイヤフラムDの開口部位置に当てて、開口部周辺の補強繊維コードを押し広げるようにして挿入し、穿孔することにより、ダイヤフラムをダイヤフラムバルブ本体に締結具を介して締結するための開口部Hを形成する。このようにすると、図2に示すように、開口部周辺の補強繊維コードが開口部周辺で切断されることなく、高密度に収束した構成となり、高い補強構造を形成することができる。
そして、穿孔治具を挿入したまま金型内に未加硫のSBRを注入し、補強繊維コードを全て被覆して、所定時間、所定温度で加硫し、固化した後、穿孔治具を引き抜く。この場合も、補強繊維コードが互いに交差する4軸で編み込まれているので、加硫中のゴムの流動に対しても補強繊維コードが変位せず、均質なダイヤフラムを製造できる。
なお、金型は図1に示したダイヤフラムを形成用としての角形でも、円形でもよく、ダイヤフラムDの形状も角形でも円形でもでもよいことになり、形状については使用態様に応じて種々の変形が可能である。
本実施形態のダイヤフラムDは、このようにして製造されるため、先端が尖った先細り状の棒状をした穿孔治具を用意するだけで、従来の製法に用いられていた金型をそのまま使用することができ、製造コストの大きな高騰をもたらすことなく、高強度で耐久性のあるダイヤフラムを製造することができる。
以下に、本実施形態に係るダイヤフラムを実施例として、比較例と共に耐久テストを実施した結果を説明する。
(実施例1)
図1に示すような形状を有する、4隅が円弧状(半径約20mm)になっている略角形状ダイヤフラム(一辺約120mm、厚み約6mm)を製造した。周辺4箇所に、締結具であるボルト(M12)を挿通するための挿通孔(開口部。径約13mm)を設けてあり、本体ゴム、被覆ゴム共に硬度60°(ショアA)のSBRを用いた。このダイヤフラムの厚み方向中央部には、図4に示す構造を有するポリエステル繊維コードを配置した。ポリエステル繊維コードは、偏平状をした撚りのない1100dtexのものを使用し、織密度は縦横共に8本/25.4mmであり、これに加えて左右斜め方向に、それぞれ11.3本/25.4mmを図4に示す構造に編み込んだ。そして、周辺4箇所の開口部は、先端が先細り状をした径約13mmの円錐キリ状の穿孔治具を用いて、編み込んだ繊維を切断することなく押し広げるようにして開口・形成した。このようにして製造したダイヤフラムを、所定のダイヤフラムバルブ本体に取り付け、ダイヤフラムの中央部に圧力(0.5〜2MPa)を負荷して、内容物である流体の開閉を行う作動を繰り返し、ダイヤフラムが破損しシール漏れが生じるまでの回数を測定した。その結果を、下記の比較例の結果と共に表1に示す。
図1に示すような形状を有する、4隅が円弧状(半径約20mm)になっている略角形状ダイヤフラム(一辺約120mm、厚み約6mm)を製造した。周辺4箇所に、締結具であるボルト(M12)を挿通するための挿通孔(開口部。径約13mm)を設けてあり、本体ゴム、被覆ゴム共に硬度60°(ショアA)のSBRを用いた。このダイヤフラムの厚み方向中央部には、図4に示す構造を有するポリエステル繊維コードを配置した。ポリエステル繊維コードは、偏平状をした撚りのない1100dtexのものを使用し、織密度は縦横共に8本/25.4mmであり、これに加えて左右斜め方向に、それぞれ11.3本/25.4mmを図4に示す構造に編み込んだ。そして、周辺4箇所の開口部は、先端が先細り状をした径約13mmの円錐キリ状の穿孔治具を用いて、編み込んだ繊維を切断することなく押し広げるようにして開口・形成した。このようにして製造したダイヤフラムを、所定のダイヤフラムバルブ本体に取り付け、ダイヤフラムの中央部に圧力(0.5〜2MPa)を負荷して、内容物である流体の開閉を行う作動を繰り返し、ダイヤフラムが破損しシール漏れが生じるまでの回数を測定した。その結果を、下記の比較例の結果と共に表1に示す。
(比較例1)
実施例1に用いたと同様な繊維性状を有するポリエステル繊維コードを、平織り構造として、実施例1と同様にして、周辺4箇所の周囲位置に、径約13mmのボルト挿通孔を4箇所、ポンチにて打ち抜き穿孔したダイヤフラムを作製した。
実施例1に用いたと同様な繊維性状を有するポリエステル繊維コードを、平織り構造として、実施例1と同様にして、周辺4箇所の周囲位置に、径約13mmのボルト挿通孔を4箇所、ポンチにて打ち抜き穿孔したダイヤフラムを作製した。
(比較例2)
比較例1と同様なポリエステル繊維コードを、縦横の2方向に直交させて平織りしたものを配置し、実施例1、比較例1と同様な4箇所の周囲位置に、同様なボルト挿通孔をポンチにて打ち抜き穿孔したダイヤフラムを作製した。ただし、縦横の2方向に直交させた繊維コードは、実施例1(および比較例1)の縦横2方向の平織り構造の2倍の密度とした。
比較例1と同様なポリエステル繊維コードを、縦横の2方向に直交させて平織りしたものを配置し、実施例1、比較例1と同様な4箇所の周囲位置に、同様なボルト挿通孔をポンチにて打ち抜き穿孔したダイヤフラムを作製した。ただし、縦横の2方向に直交させた繊維コードは、実施例1(および比較例1)の縦横2方向の平織り構造の2倍の密度とした。
(比較例3)
比較例1と同様なポリエステル繊維コードとして、略角形状ダイヤフラムの各辺に対して、約45°の斜め2方向に位置し、互いに直交して平織りしたものを配置し、比較例1,2と同様な4箇所の周囲位置に、同様なボルト挿通孔をポンチにて打ち抜き穿孔したダイヤフラムを作製すると共に、これら繊維コード密度を比較例2と同様に、実施例1の斜行補強繊維コードの2倍の密度とした。
比較例1と同様なポリエステル繊維コードとして、略角形状ダイヤフラムの各辺に対して、約45°の斜め2方向に位置し、互いに直交して平織りしたものを配置し、比較例1,2と同様な4箇所の周囲位置に、同様なボルト挿通孔をポンチにて打ち抜き穿孔したダイヤフラムを作製すると共に、これら繊維コード密度を比較例2と同様に、実施例1の斜行補強繊維コードの2倍の密度とした。
表1の結果より、実施例1のダイヤフラムは、比較例1〜3に比べて破損に至る繰り返し回数が格段に多く、2MPaといった高圧でも優れた耐久性を有することが分かる。
〔別実施の形態〕
(1)上記実施形態では、補強繊維コードとしてポリエステル繊維を用いた例を示したが、補強繊維コードとしてはこれに限定されるものではなく、ポリエチレン繊維、ナイロン繊維、アラミド繊維、ポリプロピレン繊維などで構成されていてもよい。また、ダイヤフラムを構成するゴムについても、上記したSBRに限定されるものではなく、特に耐熱性に優れたフッ素ゴムその他を使用してもよい。
(2)上記実施形態では、斜行補強繊維コードが、縦横方向に直交する平織り構造をなす補強繊維コードに対して略45°に交差して編み込まれている例を示したが、斜行補強繊維コードは、必ずしも略45°に交差して編み込まれている必要はなく、20〜70°程度の傾斜角度をもって編み込まれていればよい。もっとも、略45°の角度で交差して編み込まれていると、特に開口部での締結具に対して均等な引張力が作用して都合がよい。また、斜行補強繊維コードの鳳雛も、2本に限定されるものではなく、更に数を増やしてもよいが、偶数本であると、ダイヤフラム全体に対して均等な補強ができて好ましい。
(3)上記実施形態では、開口部を形成するのに、先端が先細り状の穿孔治具を用いて行ったが、これに代えて、予め下金型に開口部形成用の突起を設けておき、この突起を避けるように補強繊維コード押し込み配置し、その後、未加硫ゴムを注入するようにしてもよい。この方法によっても、開口部周辺で補強繊維が切断されないので、上記実施形態と実質的に同様の効果を発揮し得る。
(1)上記実施形態では、補強繊維コードとしてポリエステル繊維を用いた例を示したが、補強繊維コードとしてはこれに限定されるものではなく、ポリエチレン繊維、ナイロン繊維、アラミド繊維、ポリプロピレン繊維などで構成されていてもよい。また、ダイヤフラムを構成するゴムについても、上記したSBRに限定されるものではなく、特に耐熱性に優れたフッ素ゴムその他を使用してもよい。
(2)上記実施形態では、斜行補強繊維コードが、縦横方向に直交する平織り構造をなす補強繊維コードに対して略45°に交差して編み込まれている例を示したが、斜行補強繊維コードは、必ずしも略45°に交差して編み込まれている必要はなく、20〜70°程度の傾斜角度をもって編み込まれていればよい。もっとも、略45°の角度で交差して編み込まれていると、特に開口部での締結具に対して均等な引張力が作用して都合がよい。また、斜行補強繊維コードの鳳雛も、2本に限定されるものではなく、更に数を増やしてもよいが、偶数本であると、ダイヤフラム全体に対して均等な補強ができて好ましい。
(3)上記実施形態では、開口部を形成するのに、先端が先細り状の穿孔治具を用いて行ったが、これに代えて、予め下金型に開口部形成用の突起を設けておき、この突起を避けるように補強繊維コード押し込み配置し、その後、未加硫ゴムを注入するようにしてもよい。この方法によっても、開口部周辺で補強繊維が切断されないので、上記実施形態と実質的に同様の効果を発揮し得る。
1 本体ゴム
2 補強繊維コード
2a,2b 平織り構造の補強繊維コード
2c,2d 斜行補強繊維コード
H 開口部
2 補強繊維コード
2a,2b 平織り構造の補強繊維コード
2c,2d 斜行補強繊維コード
H 開口部
Claims (5)
- 本体ゴム内部に補強繊維コードが配置されていると共に、ダイヤフラムバルブ本体に取り付けるための締結具を装着する開口部が形成されているダイヤフラムにおいて、
前記補強繊維コードが、互いに略直交する2方向に編まれて平織り構造をなしていることに加えて、この平織り構造をなす補強繊維コードと少なくとも2方向の異なる角度で交差する斜行補強繊維コードが編み込まれて構成されていると共に、前記開口部周辺に位置する前記補強繊維コードが切断されることなく高密度に収束して配置されていることを特徴とするダイヤフラム。 - 前記補強繊維コードが断面略偏平状であると共に、平織り構造をなす前記補強繊維コードと交差する斜行補強繊維コードが、前記平織り構造を構成する補強繊維コードの経糸および緯糸に挟持されるようにして編み込まれている請求項1のダイヤフラム。
- 金型内に未加硫ゴムを注入し、この未加硫ゴム上に補強繊維コードを配置し、更に未加硫ゴムを注入して前記補強繊維コードを被覆することによりゴム内部に補強繊維コードを配置し、ダイヤフラムバルブ本体に取り付けるための締結具を装着する開口部を形成するダイヤフラムの製造方法において、
前記補強繊維コードが、互いに略直交する2方向に編まれて平織り構造をなしていることに加えて、この平織り構造をなす補強繊維コードと少なくとも2方向の異なる角度で交差する斜行補強繊維コードが編み込まれて構成されていると共に、前記開口部周辺に位置する前記補強繊維コードが切断されることなく高密度に収束して配置されるように、前記開口部を穿孔して形成することを特徴とするダイヤフラムの製造方法。 - 前記補強繊維コードとして、断面略偏平状の補強繊維コードを用いると共に、平織り構造をなす前記補強繊維コードと交差する斜行補強繊維コードが、前記平織り構造の補強繊維コードを構成する経糸および緯糸に挟持されるようにして編み込まれている請求項3のダイヤフラムの製造方法。
- 前記開口部を形成するため、前記金型内に未加硫ゴムを注入しこの未加硫ゴム上に前記補強繊維コードを配置した後、先細り状の穿孔治具を、前記開口部周辺の補強繊維コードを押し広げるように挿入して行う請求項3又は4のダイヤフラムの製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015078754A (ja) * | 2013-10-18 | 2015-04-23 | 株式会社鷺宮製作所 | ダイアフラムアッセンブリー、および、それを備える感圧制御弁 |
JP2016035284A (ja) * | 2014-08-01 | 2016-03-17 | 株式会社鷺宮製作所 | 駆動軸へのダイヤフラムの固定構造及び駆動軸へのダイヤフラムの固定方法、ダイヤフラム及び電磁式制御弁 |
JP2016035283A (ja) * | 2014-08-01 | 2016-03-17 | 株式会社鷺宮製作所 | ダイヤフラムの製造方法及びダイヤフラム |
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2005
- 2005-07-21 JP JP2005210787A patent/JP2007024276A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20081007 |