JP2007023894A - ターボ過給機 - Google Patents
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Abstract
【課題】 タービンホイールに多くの排気ガスを及ぼすと共に、タービン効率の向上を図る。
【解決手段】 タービンハウジング5内に収容され、該タービンハウジング5により区画形成されているスクロール室9からタービンホイール室11に至ったエンジンからの排気ガスによりタービン軸心回りに回転されるタービンホイール3と、前記スクロール室9から前記タービンホイール室11へのガス流入口を、前記タービン軸心方向に並んで配置される上流側流入口Guと下流側流入口Gdとに分ける隔壁と、を備え、前記下流側流入口Gdは前記タービンホイール3の羽根33のシュラウド部3cに対向し、前記隔壁15の径方向内側の端面15bは、前記羽根33の前記シュラウド部3cにおけるリーディングエッジ部3aに隣接する位置に対向し、且つ前記端面15bの形状は前記シュラウド部3cの軌跡に対応していることを特徴とする。
【選択図】 図2
【解決手段】 タービンハウジング5内に収容され、該タービンハウジング5により区画形成されているスクロール室9からタービンホイール室11に至ったエンジンからの排気ガスによりタービン軸心回りに回転されるタービンホイール3と、前記スクロール室9から前記タービンホイール室11へのガス流入口を、前記タービン軸心方向に並んで配置される上流側流入口Guと下流側流入口Gdとに分ける隔壁と、を備え、前記下流側流入口Gdは前記タービンホイール3の羽根33のシュラウド部3cに対向し、前記隔壁15の径方向内側の端面15bは、前記羽根33の前記シュラウド部3cにおけるリーディングエッジ部3aに隣接する位置に対向し、且つ前記端面15bの形状は前記シュラウド部3cの軌跡に対応していることを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
本発明は、ラジアルタービンを備えるターボ過給機に関する。
従来より、エンジンの排気系に接続されて設けられたターボ過給機では、スクロール室からタービンホイール室への排気ガスは、タービンホイールのリーディングエッジ部から羽根へ至り、この排気ガスの排気エネルギでタービンホイールが駆動され、その回転力で同軸のコンプレッサホイールが回転して空気を圧縮して、エンジンに過給することが行われている。そして、このようなターボ過給機では、例えば予め設定した過給圧力になると、過給圧力を一定に保つべく、排気ガスの一部を排気系におけるタービンホイールの前後を結ぶバイパス経路にバイパスさせることが行われている。
一方、特許文献1には、スクロール室を二分割するべく、タービンハウジングに延設された隔壁が設けられたターボ過給機において、該隔壁の内周側の先端部をタービンホイールの入口部であるリーディングエッジ部に近接して対向させることが開示されている。
しかしながら、排気ガスの一部をバイパスさせる上記ターボ過給機では、バイパスされる排気ガスから排気エネルギが取り出されないので、排気ガスの排気エネルギをより有効に利用することが望まれる。また、上記特許文献1に記載のものでは、スクロール室を介してタービンホイールへ導かれる排気ガスの流量には限界がある。
そこで、本発明では、タービンホイールに多くの排気ガスを及ぼすと共に、タービン効率の向上を図ることを可能にするターボ過給機を提供することを目的とする。
本発明に係るターボ過給機は、タービンハウジング内に収容され、該タービンハウジングにより区画形成されているスクロール室からタービンホイール室に至ったエンジンからの排気ガスによりタービン軸心回りに回転されるタービンホイールと、前記スクロール室から前記タービンホイール室へのガス流入口を、前記タービン軸心方向に並んで配置される上流側流入口と下流側流入口とに分ける隔壁と、を備え、前記下流側流入口は前記タービンホイールの羽根のシュラウド部に対向し、前記隔壁の径方向内側の端面は、前記羽根の前記シュラウド部におけるリーディングエッジ部に隣接する位置に対向し、且つ前記端面の形状は前記シュラウド部の軌跡に対応していることを特徴とする。
上記構成によれば、下流側流入口は羽根のシュラウド部に対向し、隔壁の径方向内側の端面は、羽根のシュラウド部におけるリーディングエッジ部に隣接する位置に対向するので、上流側流入口は羽根のリーディングエッジ部に対向し、下流側流入口は羽根のシュラウド部に対向することになる。従って、ガス流入口が羽根のリーディングエッジ部のみに対向する場合よりも、下流側流入口の分、ガス流入口を大きくすることが可能になる。これにより、より多くの排気ガスをタービンホイールの羽根に及ぼすことが可能になる。また、隔壁の径方向内側の端面の形状がシュラウド部の軌跡に対応するので、隔壁の端面と羽根との間隔を適切に狭くすることが可能になる。これにより、上流側流入口からの排気ガスと、下流側流入口からの排気ガスとの干渉ないし相互の減勢が抑制される。従って、排気ガスの流れに乱れが生じず、流れ損失が低減され、タービン効率の向上を図ることが可能になる。
好ましくは、前記軸心を通る平面における前記端面の断面の曲率半径が、前記シュラウド部の軌跡における前記端面が対向する部分の曲率半径よりも小さいことを特徴とする。この場合、前記端面と、該端面が対向する前記シュラウド部の軌跡と、の間隔を一定としたことを特徴とするとなお好ましい。
また、上記本発明において、前記端面には、前記羽根により切削可能なアブレータブル層が設けられていることを特徴とする。これにより、端面とシュラウド部との間の隙間が実質的に零になり、上流側流入口からの排気ガスと、下流側流入口からの排気ガスとの干渉ないし相互の減勢が更に抑制されることになる。
本発明のターボ過給機によれば、タービンホイールに多くの排気ガスを及ぼすと共に、タービン効率の向上を図ることが可能になる。
以下、本発明の好適な一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。本実施形態に係るターボ過給機は、エンジンの排気系に設けられるターボ過給機であって、排気ガスの排気エネルギでタービンホイールが駆動され、その回転力で同軸のコンプレッサホイールが回転して空気を圧縮して、エンジンに過給するものである。本発明に係るターボ過給機1は、以下に詳述するように、そのタービン側に特徴を有するので、以下ターボ過給機1のタービン側について説明して、他の説明を省略する。なお以下の実施形態に係るターボ過給機1のタービンは、タービンホイールの径方向外側に位置するスクロール室からの排気ガスがタービンホイールに直角にあたる、すなわち排気ガスがタービンハウジング内で直角に向きを変えるラジアルタービンである。
図1および図2には、ターボ過給機1のタービン側のみ描いており、図1はターボ過給機1のタービン側の断面図であり、図2は図1とはほぼ90°異なる切断面におけるターボ過給機1のタービン側の断面図である。
本実施形態のターボ過給機1のタービン側においては、タービンホイール3が収容されるタービンハウジング5に、エンジン50の排気管52が接続されている。タービンハウジング5は、排気管52に接続されてエンジン50からの排気ガスを導く排気導入部7と、この排気導入部7よりも下流側に連通するスクロール室9(図中線Xよりも下流側)と、タービンホイール3が収容されるタービンホイール室11と、タービンハウジング5の出口を形成する出口部13と、を区画形成している。なお、本明細書において、スクロール室9からタービンホイール室11へ排気ガスが流入する箇所を、ガス流入口Gと称する。
本実施形態の排気導入部7からスクロール室9にかけては、排気ガスの流れる通路が二分割されるように、後で詳述する隔壁15が設けられている。この隔壁15は、タービンハウジング5内に導入された排気ガスが二経路から、タービンホイール3を収容するタービンホイール室11に至るようにされるべく、スクロール室9に沿ってタービンホイール3近傍まで延設される。これにより形成される二つの通路の内、一方を、タービンホイール3のタービン軸心方向上流側部分に対向する流入口(以下、上流側流入口Guと称する。)を有する上流側通路Puと、また他方を、タービンホイール3のタービン軸心方向下流側部分に対向する流入口(以下、下流側流入口Gdと称する。)を有する下流側通路Pdと、それぞれ称する。すなわち本実施形態では、ガス流入口Gは、上流側流入口Guと下流側流入口Gdの二つからなり、上流側流入口Guのタービン軸心方向下流側には隔壁15を挟んで下流側流入口Gdがタービン軸心方向に並んで配置されることになる。
タービンホイール室11には、上述の如く、タービンホイール3が収容される。タービンホイール3を図3に示す。タービンホイール3は、タービン軸心Lと同軸のハブ31と、ハブ31周りに配置される複数の羽根33と、を有する。本明細書において、羽根33における最外周の端縁はリーディングエッジ部3aと称され、また羽根33におけるタービンハウジング出口側の端縁はトレーリングエッジ部3bと称される。そして、リーディングエッジ部3aとトレーリングエッジ部3bとの間の羽根の端縁は、タービンハウジング5のシュラウド壁のシュラウド曲線に倣う形状を有していて、シュラウド部3cと称される。
隔壁15の内端部15aは、羽根33のシュラウド部3cのうちリーディングエッジ部3aに隣接する部分の軌跡に沿って全周に亘って配置されており、隔壁15の端面15bを形成している。この隔壁15により、上流側流入口Guと下流側流入口Gdとの境界が区画形成されている。羽根33近傍の隔壁15の端面15bは、シュラウド部3cに倣う形状を有している。隔壁15の外端縁は、タービンハウジング5の内面にほぼ全周に亘って接続しており、また排気導入部7を二つに区画している。本実施形態のターボ過給機1は、排気ガスの一部をバイパスさせるための構造を有していない。
下流側流入口Gdからタービン収容室11に入ってタービンホイール3に至る排気ガスの流れを調整すべく、下流側通路Pdの上流側のタービンハウジング5の排気導入部7には、下流側通路Pdを開閉可能にする切換バルブ17が設けられている。切換バルブ17が全閉や全開および、任意の中間角度に連続的に調整されるべく、アクチュエータ19が配置され、このアクチュエータ19等の制御用に制御装置(ECU)21が設けられている。
ECU21は、CPU、ROM、RAM、A/D変換器、入力インタフェース、出力インタフェース等を備えるマイクロコンピュータで構成されている。入力インタフェースには、排気管52が区画形成する排気通路54の圧力(背圧)に対応する電気信号を出力する圧力センサ56や、エンジン50のクランク軸の近傍に設けられエンジン回転数に対応する電気信号を出力する回転数センサ58や、不図示のスロットルバルブなどの開度などに基づいてエンジン負荷に対応する電気信号を出力する負荷センサ60などが電気的に接続されている。ECU21は、これらのセンサ56、58、60などからの検出信号に基づき、予め設定されたプログラムに従ってエンジン50の所定の運転がなされるように、出力インタフェースから電気配線を介して信号を出力して、アクチュエータ19などの作動を制御するようになっている。なお、本実施形態では、低負荷運転がなされているときには切換バルブ17が閉じられ、中負荷および高負荷運転がなされているときには切換バルブが所定の角度に開かれるように、予め実験により求められた切換バルブ17の開度に関するマップがROMに記憶されている。
本実施形態の羽根33は、回転方向R(図3参照)に凸状をなしている。すなわち、羽根33の翼面は、タービン軸心方向上流側の端縁である後縁部3dから羽根33の中心部付近までタービン軸心方向下流側に向かうに従って回転方向Rに前進し、さらにそこから羽根33のタービン軸心方向下流側であるトレーリングエッジ部3bに向かうに従って回転方向Rとは逆向きに後退する形状にされている。すなわち羽根33は、いわゆる反動型の湾曲形状を有していて、排気ガスのエネルギを受けることによって、その反動で回転するように形成されている。このように羽根33が湾曲しているので、該羽根33は、羽根の回転方向位置がタービン軸心方向下流側ほど回転方向Rに張り出している部分(以下、前進部分と称する。)と、羽根の回転方向位置がタービン軸心方向下流側ほど後退する部分(以下、後退部分と称する。)と、に分けることが出来る。
本実施形態の一つの羽根33の断面図を図4(a)に、そしてその羽根33が配置されているその羽根33の周囲のターボ過給機1の拡大図を図4(b)に示す。ただし、図4中の白抜き矢印a1、a2はタービンホイール室11へ流れる排気ガスの流れを、そして図4中の矢印b1〜b5はタービンホイール3の羽根33によって方向付けられた排気ガスの流れを表している。なお、図4(a)の羽根33の断面図は、図4(b)のA−A線に沿った羽根33の断面図である。図4によると、本実施形態の羽根33の後退部分33aが、ガス流入口Gよりも、タービン軸心方向下流側に位置していることが理解される。換言すると、羽根33の後退部分33aは、図4(b)中で右側である、下流側流入口Gdよりもタービン軸心方向右側、すなわちタービン軸心方向下流側に配置されていることが理解される。そしてこれにより、本実施形態の羽根33の前進部分33bと後退部分33aとの境界点である前端点33cは、その羽根33がハブ31の周囲に配置された状態で、下流側流入口Gdの下流側端部を通り、タービン軸心Lに垂直な平面Bよりもタービン軸心方向下流側、すなわち図4(a)中の領域αに位置することになる。なお、羽根33の前端点33cは、タービン軸心Lに垂直な平面B上に位置されても良い。従って、羽根33の前進部分33bの一部に、上流側流入口Guと下流側流入口Gdとの全体が対向することになる。
図4の矢印b1〜b5に鑑みると、本実施形態の羽根33によって排気ガスは、タービン軸心方向下流側などのタービンハウジング5の出口部13の方向に適切に方向付けられることが理解される。換言すると、ガス流入口Gからタービンホイール室11へ流入した排気ガスは、上記羽根33を有するタービンホイール3により、約90度向きを変えて、タービンハウジング5の出口部13から排出されることになる。
本実施形態では、前述のように、排気導入部7からスクロール室9にかけて排気ガスの流れる通路が二分割されるように、隔壁15が設けられている。この隔壁15の径方向内側の端面15bは、羽根33のリーディングエッジ部3aに最も隣接するシュラウド部3cの位置に近接して対向している(図4等参照)。すなわち、上流側流入口Guが羽根33のリーディングエッジ部3aのみに対向するように、上流側流入口Gdを区画形成する下流側側壁15cが形成されるべく、隔壁15は位置付けられている。
加えて、本実施形態の隔壁15の端面15bの形状は、羽根33のシュラウド部3cの軌跡に対応している。これを、図5に基づいて説明する。図5は、図4(b)の隔壁15の端面15b近傍の部分拡大図である。図5によれば、隔壁15の端面15bの形状は、羽根33のシュラウド部3cの形状に実質的に対応している、すなわち端面15bの形状は、回転するシュラウド部3cの辿る軌跡に実質的に対応していることが理解される。そして、最も理想的なのは、シュラウド部3cの軌跡における端面15bが対向するシュラウド部3cの部分と、タービン軸心Lを通る平面における端面15bとの間隔Lgが一定であり、且つ両者の曲率中心が互いに一致している場合であることが理解される。これを可能な限り実現するべく、本実施形態では、タービン軸心Lを通る平面における端面15bの断面の曲率半径Rpが、シュラウド部3cの軌跡における端面15bが対向する部分の曲率半径Rsよりも小さく規定されている。これは、曲率半径Rsと断面の曲率半径Rpとの差(Rs−Rp)である間隔Lgが「0」より大きいからである。この間隔Lgは、「0」より大きく、且つ「0」から所定範囲内、すなわち端面15bと羽根33との隙間を経由して、排ガスの漏れ量が所定の許容値以下となるような範囲内とするのが好適である。例えば、曲率半径Rsを3.5mm、曲率半径Rpを3.0mmとすると良い。
なお、図5における羽根33の第一長さL1が、その第二長さL2よりも短くなるように、ハブ31の曲率半径Rhは、上述の羽根33の曲率半径Rsよりも大きくされている。それ故、望ましくは、「曲率半径Rh>曲率半径Rs>曲率半径Rp」の関係が成立することになる。
以上、本実施形態では、ラジアルタービンにおいて、下流側流入口Gdを羽根33のシュラウド部3cに対向させた。加えて、隔壁15の端面15bを、羽根33のリーディングエッジ部3aに隣接するシュラウド部3cの位置に近接して対向させると共に、端面15bの形状をシュラウド部3cの軌跡に対応させた。これら等により、優れた効果が奏されることになる。以下に、本発明の実施形態に係るターボ過給機1の作用を、図面に基づいて説明する。
上述の如く、スクロール室9からタービンホイール室へ11へと排気ガスが流れ込むガス流入口Gは、上流側流入口Guと下流側流入口Gdとからなるので、これら二つの流入口Gu、Gdによって多くの排気ガスをスクロール室9からタービンホイール室11へ適切に流すことが可能になる。そして、下流側流入口Gdが羽根33のシュラウド部3cに対向し、隔壁15の径方向内側の端面15bが、羽根33のリーディングエッジ部3aに隣接するシュラウド部3cの位置に近接して対向するので、上流側流入口Guは羽根33のリーディングエッジ部3aのみに対向し、下流側流入口Gdは羽根33のシュラウド部3cのみに対向することになる。
このような構成のもと、運転状態に応じて切換バルブ17が開閉されることにより、本実施形態ではスクロール室9からタービンホイール室11への排気ガスの流量、すなわちタービンホイール3への排気ガスの流量を調整することが可能になる。より具体的には、排気ガスの流量が少ない低負荷運転時には、切換バルブ17が閉じられて、排気ガスは上流側通路Puを介して上流側流入口Guのみからタービンホイール室11に供給され、タービンホイール3の羽根33のリーディングエッジ部3aから羽根33間を介してタービンハウジング5の出口部13へ流れることになる。一方、排気ガスの流量が多い中負荷または高負荷運転時には、切換バルブ17が開かれて、排気ガスは、上流側通路Puのみならず下流側通路Pdをも介して上流側流入口Guおよび下流側流入口Gdからタービンホイール室11に供給され、タービンホイール3の羽根33のリーディングエッジ部3aのみならずシュラウド部3cからも、タービンハウジング5の出口部13へ流れることになる。従って、排気ガスの流量が多い場合には、流量の少ない場合よりも、ガス流入口Gの断面積が、羽根33のシュラウド部3cに対向する下流側流入口Gd分、大きくなる。つまり、排気ガスの流量が多くても、排気ガスを無駄に廃棄することなく、適切にタービンホイール室11へ導いて、タービンホイール3の羽根33に及ぼすことが可能になる。
一方、本実施形態によれば、隔壁15の径方向内側の端面15bが、羽根33のリーディングエッジ部3aに隣接するシュラウド部3cの位置に近接して対向すると共に、端面15bの形状はシュラウド部3cの軌跡に対応するので、隔壁15の端面15bと羽根33との間隔Lgを適切に狭くすることが可能になる。これにより、排気ガスは上流側流入口Guや下流側流入口Gdから出ると直ちにタービンホイール3に衝突して所定の方向に方向付けられることになる。より具体的には、隔壁15が上述の如くタービンホイール3の近傍まで延設されているが故に、ガス流入口G、すなわち上流側流入口Guおよび下流側流入口Gdからそれぞれタービンホイール室11へ流入した排気ガスの干渉ないし相互の減勢が抑制されることになる。その結果、排気ガスの流れに乱れが生じず、排気ガスはタービンホイール3へ円滑に流れることになるので、流れ損失が低減されて、タービン効率の向上を図ることが可能になる。
以上、本発明を上記実施形態に基づいて説明したけれども、本発明はこれに限定されない。例えば、上記実施形態では隔壁15をタービンハウジング5と一体にして支持することにしたが、本発明は、タービンホイール室11へのガス流入口Gがタービン軸心方向に二つ以上に分割され、且つ上記の如き作用効果が奏されるのであれば、隔壁15がどのような大きさ、形状であっても、またどのように支持されても良い。さらに、上記ターボ過給機1は多くの排気ガスを受け入れ可能にしているが、過給圧力を調整するべく、排気ガスの一部をバイパスさせる構成を備えても良い。さらに、上記実施形態の羽根33は反動型の形状であったが、いわゆる衝撃型の形状であっても良い。また、切換バルブ17は排気通路54の圧力のみに基づいて制御しても良いし、エンジン回転数のみに基づいて制御しても良く、あるいはエンジン負荷、排気通路54の圧力およびエンジン回転数の組み合わせに基づいて制御しても良い。
さらに、例えば、上流側流入口Guおよび下流側流入口Gdのそれぞれに、全周に亘って放射状に配列された複数のノズルを備えても良い。この例を模式的に図6に示す。図6では、図4(b)の上流側流入口Guと下流側流入口Gdとに二種類のノズルがそれぞれ一つずつ配置されているところを示している。その一方の上流側ノズルNuは、上流側流入口Guに、タービンハウジング5と隔壁15との間に支持されるように配置されている。また、その他方の下流側ノズルNdは、下流側流入口Gdに、タービンハウジング5と隔壁15との間に支持されるように配置されている。これにより、スクロール室9からタービンホイール室11へ排気ガスがより大きい流速で、且つ方向付けられて導かれることになり、より多くの排気エネルギがタービンホイール3を介して取り出せて、タービン効率のさらなる向上を図ることが可能になる。なお、上流側ノズルNuと羽根33のリーディングエッジ部3aの軌跡との間隔Luは、羽根33の振動、上流側ノズルNuや羽根33の熱膨張等などを考慮して、1.0mm程度であることが好ましい。また、下流側ノズルNdと羽根33のシュラウド部3cの軌跡との間隔Ldも、同様の理由により、1.0mm程度であることが好ましい。
なお、それら複数のノズルの代わりに、同様の整流作用を奏する複数の羽根など、排気ガスの流れを阻害しない整流部材ないし手段を備えても良い。
ところで、上記実施形態では、上述の隔壁15を備えることにより、上流側流入口Guおよび下流側流入口Gdからそれぞれタービンホイール室11へ流入した排気ガスの互いの干渉ないし減勢が抑制されることが示された。このような干渉ないし減勢をさらに抑制するのには、出来るだけ、隔壁15がタービンホイール3に近接するのが好ましい。それ故、例えば、隔壁15とタービンホイール3との間の隙間を狭く、可及的に「0」に近づけるべく、隔壁15の端面15bに、羽根33により切削可能なアブレータブル層Sが設けられることが好ましい(図7参照)。アブレーダブル層Sは、快削性に優れ且つ排気ガスによる高温でも熱的安定性に優れる材料から作製される。具体的には、アブレーダブル層Sは、そのような材料を端面15bにアブレーダブル溶射することで作製される。作製当初は、端面15bと羽根33との所望の隙間よりも厚く、端面15bにアブレータブル層Sを設け、タービンホイール3が回転することにより徐々にアブレータブル層Sが削られて、アブレータブル層Sと羽根33との間の隙間が形成されることになる。従って、このアブレーダブル層Sを設けることにより、端面15bとシュラウド部3cとの間隔が実質的に「0」になり、上流側流入口Guからの排気ガスと、下流側流入口Gdからの排気ガスとの干渉等が更に抑制されることになる。
なお、上記実施形態では、本発明をある程度の具体性をもって説明したが、本発明については、特許請求の範囲に記載された発明の精神や範囲から離れることなしに、さまざまな改変や変更が可能であることは理解されなければならない。すなわち、本発明は特許請求の範囲およびその等価物の範囲および趣旨に含まれる修正および変更を包含するものである。
1 ターボ過給機
3 タービンホイール
3a リーディングエッジ部
3b トレーリングエッジ部
3c シュラウド部
5 タービンハウジング
7 排気導入部
9 スクロール室
11 タービンホイール室
13 出口部
15 隔壁
15b 端面
17 切換バルブ
19 アクチュエータ
21 ECU
31 ハブ
33 羽根
33a 後退部分
33b 前進部分
33c 前端点
G ガス流入口
Gu 上流側流入口
Gd 下流側流入口
Pu 上流側通路
Pd 下流側通路
S アブレーダブル層
3 タービンホイール
3a リーディングエッジ部
3b トレーリングエッジ部
3c シュラウド部
5 タービンハウジング
7 排気導入部
9 スクロール室
11 タービンホイール室
13 出口部
15 隔壁
15b 端面
17 切換バルブ
19 アクチュエータ
21 ECU
31 ハブ
33 羽根
33a 後退部分
33b 前進部分
33c 前端点
G ガス流入口
Gu 上流側流入口
Gd 下流側流入口
Pu 上流側通路
Pd 下流側通路
S アブレーダブル層
Claims (4)
- タービンハウジング内に収容され、該タービンハウジングにより区画形成されているスクロール室からタービンホイール室に至ったエンジンからの排気ガスによりタービン軸心回りに回転されるタービンホイールと、
前記スクロール室から前記タービンホイール室へのガス流入口を、前記タービン軸心方向に並んで配置される上流側流入口と下流側流入口とに分ける隔壁と、を備え、
前記下流側流入口は前記タービンホイールの羽根のシュラウド部に対向し、
前記隔壁の径方向内側の端面は、前記羽根の前記シュラウド部におけるリーディングエッジ部に隣接する位置に対向し、且つ前記端面の形状は前記シュラウド部の軌跡に対応していることを特徴とするターボ過給機。 - 前記軸心を通る平面における前記端面の断面の曲率半径が、前記シュラウド部の軌跡における前記端面が対向する部分の曲率半径よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載のターボ過給機。
- 前記端面と、該端面が対向する前記シュラウド部の軌跡と、の間隔を一定としたことを特徴とする請求項1または2に記載のターボ過給機。
- 前記端面には、前記羽根により切削可能なアブレータブル層が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のターボ過給機。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005207325A JP2007023894A (ja) | 2005-07-15 | 2005-07-15 | ターボ過給機 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005207325A JP2007023894A (ja) | 2005-07-15 | 2005-07-15 | ターボ過給機 |
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Publication Number | Publication Date |
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---|---|---|---|
JP2005207325A Pending JP2007023894A (ja) | 2005-07-15 | 2005-07-15 | ターボ過給機 |
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Country | Link |
---|---|
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