JP2007023770A - シールド機発進機構および発進方法 - Google Patents

シールド機発進機構および発進方法 Download PDF

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Abstract

【課題】坑口ケーシングを用いても組立仮組セグメントの水平方向を保持して安全で精度の良い発進を図ると共に統合的な施工コストの低減を促進するシールド機発進機構および発進方法を提供する。
【解決手段】本発明によるシールド機発進機構は、竪坑壁4内面に配置したケーシング2にシールド機1を設置し、シールド機の後端に配備する仮組セグメント10から反力を取ることでシールド機を発進するようにし、かつ配置したケーシングが、軸長を竪坑壁の厚さで特定され、設置するシールド機の軸長をケーシングより長くして、ケーシング後端とシールド機との間にパッキン9を装備すると共にケーシング前端にエントランスパッキン6を配置して成るシールド機発進機構であって、ケーシングのパッキンとエントランスパッキン間に注入装置31を設置する。
【選択図】図6

Description

本発明は、シールド機発進機構と発進方法に関し、特に坑口ケーシングを用い、これに設置したシールド機をケーシングの後方に配備した仮組セグメントからの反力で発進させる際に、組立仮組セグメントの水平方向を保持して安全で精度の良い発進を図るシールド機発進機構および発進方法に関する。
シールド機を竪坑やシールドトンネルから発進させるためには、坑口からの漏水漏砂を完全に防止することが必要になることから、従来のシールド機発進は、一般的に坑口形成部にエントランスを設置して止水機構を形成すると共に、坑口形成部を囲繞している周辺の地盤に薬液注入による地盤改良部を形成している。
この場合の地盤改良厚は、シールド機の軸長から竪坑壁の厚さを差し引いた値を最小値にする必要があり、誤差等を勘案することでその施工域を長大化させていた。
又、従来からのシールド機発進としては、坑口に両端が解放した筒状のカプセル本体を設置しながら、この中部にシールド機を設置してカプセル本体の内面と仮組セグメントとの間に止水材を設けている例(特公平4−37916号公報参照)もあり、漏水漏砂を防止し、コスト、作業性及び安全性を良好にするとしているが、これらの特長は坑壁外径の大きさによって確保されていることから、コスト高の問題点を提起している。
しかして、本発明者等は、以上の問題点を解決するために、図8の平断面図に示しているシールド機発進機構及び発進方法を既に提案してきた(特願2001−208021号参照)。
本シールド機発進機構では、シールド機1の軸長より短い軸長のケーシング2を竪坑壁4の内面に形成した坑口予定部15に対峙させており、ケーシング2にはシールド機1が設置されているが、坑口は、シールド機の直接切削で形成されることからシールド機の発進前には存在していない。
ケーシング2の前端部5には、高水圧止水材であるエントランスパッキン6が装備された坑口ケーシング7が接合されており、エントランスパッキン6は高圧止水材としてシールド機が発進した過程においてシールド機1との間に遮水機構を形成するように構成している。
同様に、ケーシング2の後端部8にはパッキン9が装備されており、シールド機1もしくはシールド機1の後部に設けられる仮組セグメント10との間に遮水機構を形成することを可能にしている。
坑口ケーシング7を接合したケーシング2の軸長(L5)は、シールド機1の軸長より短いが、遮水機構を確保するための軸長値は、シールド機1の軸長(L1)から壁厚(L3)を差し引いた値以上の、L5>(L1−L3)から決定されるものであり、壁厚(L3)の設定に従ってケーシング2の軸長(L5)特定することによって遮水機構を有効に機能させるように構成している。
又、シールド機1は、その後部に装備した元押しジャッキ11をその後方に配置されている反力壁3と鋼製反力12に配備している仮組セグメント10に当接させることで、ケーシング2から前方の坑口予定部15に向かって前進可能に構成されている。
尚、シールド機1と仮組セグメント10との間にはテールシールパッキン13が配置されていることで通常通りに遮水されていると共に、地盤改良部14を坑口予定部15が形成される竪坑壁4の外面に配置することによってシールド機の発進時における止水処置を完全にしている。
以上のようなシールド機1とケーシング2との関連構成は、ケーシング2の後端部8に装備されているパッキン9によって、シールド機1との間に遮水機構を形成することを可能にしており、これによってケーシング2の内部と竪坑壁4の内部とを遮断状態に形成している。
従って、本シールド機発進機構では、パッキン9で形成する遮水機構を段階的に適宜に対応させることで坑口からの漏水漏砂を完全に防止すると共に、作業空間を確保しながら坑壁の外径を小さくしている。
上述のように、坑口は、竪坑壁3の壁面におけるシールド機1の直接切削によって形成する形態に構成されていることから、竪坑壁4の坑口予定部15は、切削可能な低強度コンクリートを形成する貧配合コンクリートから成るNOMST壁等で構成されており、シールド機1の発進時までは坑口の形成は行われていない。
このために、本シールド機発進機構は、竪坑壁に坑口を形成する鏡開きのための作業空間を不要にし、坑口を事前に設けることで発生する竪坑内への漏水漏砂を防止するための困難な設備を必要としていない。
又、地盤改良部14は、本来的に竪坑内への漏水漏砂を防止することを目的にして坑外壁面に隣接する地盤に施工されるものであるが、本シールド機発進機構における地盤改良部14の場合は、上述のように竪坑壁に坑口を形成していないことから、地盤改良部14の形成は、竪坑壁の坑口予定部に相当する狭い範囲において薄い施工厚さで簡素に対処することが可能であり、予め坑口を形成する従来の方式と比較して、地盤改良部における大幅なコスト削減を図れるものであり、上記で提示した従来の問題点を全て解決していることになる。
しかしながら、本提案のシールド機発進機構に限らず通常のシールド機においても同様であるが、その発進時には、反力を得るために設置する仮組セグメントがシールド機から出た際に、シールド機受け台と仮組セグメントとの間に隙間が生じることになるので、通常はこの間にキャンバー等を入れて仮組セグメントの落ち込みを防止するのが一般的である。
しかして、ケーシングを用いてシールド機を発進させる場合には、仮組セグメントの殆どがケーシング2の内部に在ることから、キャンバー等を入れることが出来ずに、仮組セグメント10が宙に浮いた状態になっていた。
このために、仮組セグメント10は、図9の側断面図で示すように下方に落ち込むことになる。このような現象は、結果的に仮組セグメントに座屈等を生じさせて適切な反力を得ることができない状態を形成させたり、エントランスパッキン6やパッキン9との間に形成される止水機構が、仮組セグメントの落ち込みによるシールド機の傾斜によって、密接な接触状態を維持できなくなって止水機構として確実に機能しない状態に陥るという問題点を生じていた。
本発明は、以上の従来例が提起している各問題点に鑑みて改善するために提案するものであり、坑口ケーシングを用いても組立仮組セグメントの水平方向を保持して安全で精度の良い発進を図ると共に坑口からの漏水漏砂を完全に防止しながら、坑壁の外径を小さくし、地盤改良域の厚さを減少させて統合的な施工コストの低減を促進するシールド機発進機構および発進方法を提供している。
請求項1に記載の発明であるシールド機発進機構は、坑壁内面に配置したケーシングにシールド機を設置し、シールド機の後端に配備する仮組セグメントから反力を取ることでシールド機を発進するようにし、かつ配置したケーシングが、軸長を坑壁の厚さで特定され、設置するシールド機の軸長をケーシングより長くして、ケーシング後端とシールド機との間に遮水機構を装備すると共にケーシング前端に遮水部材を配置して成るシールド機発進機構であって、ケーシングの遮水機構と遮水部材間に浮力液体注入機構を設置することを特徴としており、仮組セグメントに何らの加工も施すことなく組立仮組セグメントの方向を保持して、坑口ケーシングを用いても組立仮組セグメントの座屈等を回避させて安全で精度の良い発進を図ると共に止水機構を確実に機能させて坑口からの漏水漏砂を完全に防止しながら、坑壁の外径を小さくし、地盤改良域の厚さを減少させて統合的な施工コストの低減を促進している。
請求項2に記載の発明であるシールド機発進方法は、坑壁内面に配置したケーシングに設置したシールド機により坑壁の切削を完了した段階でケーシングと仮組セグメント間に浮力液体注入機構から浮力液体を注入させることで仮組セグメントの水平方向を維持することを特徴としており、仮組セグメントに何らの加工も施すことなく組立仮組セグメントに水平方向を保持させて、組立仮組セグメントの座屈等を回避させると共に止水機構を確実に機能させることで坑口からの漏水漏砂を防止し安全で精度の高い発進を図っている。
請求項1に記載のシールド機発進機構は、坑壁内面に配置したケーシングにシールド機を設置し、シールド機の後端に配備する仮組セグメントから反力を取ることでシールド機を発進するようにし、かつ配置したケーシングが、軸長を坑壁の厚さで特定され、設置するシールド機の軸長をケーシングより長くして、ケーシング後端とシールド機との間に遮水機構を装備すると共にケーシング前端に遮水部材を配置して成るシールド機発進機構であって、ケーシングの遮水機構と遮水部材間に浮力液体注入機構を設置することを特徴としており、仮組セグメントに何らの加工も施すことなく組立仮組セグメントの方向を保持して、坑口ケーシングを用いても組立仮組セグメントの座屈等を回避させて安全で精度の良い発進を図ると共に止水機構を確実に機能させて坑口からの漏水漏砂を完全に防止しながら、坑壁の外径を小さくし、地盤改良域の厚さを減少させて統合的な施工コストの低減を促進する効果を奏している。
請求項2に記載のシールド機発進方法は、坑壁内面に配置したケーシングに設置したシールド機により坑壁の切削を完了した段階でケーシングと仮組セグメント間に浮力液体注入機構から浮力液体を注入させることで仮組セグメントの水平方向を維持することを特徴としており、仮組セグメントに何らの加工も施すことなく組立仮組セグメントに水平方向を保持させて、組立仮組セグメントの座屈等を回避させると共に止水機構を確実に機能させることで坑口からの漏水漏砂を防止し安全で精度の高い発進を図れる効果を奏している。
本実施形態によるシールド機発進機構は、坑壁内面に配置したケーシングにシールド機を設置し、該ケーシングの後方に配備する仮組セグメントから反力を取ることでシールド機を発進するシールド機発進機構において、配備される仮組セグメント中にストッパー付仮組セグメントを所定の間隔で配置するようにしている。
以下に、本発明によるシールド機発進機構の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明するが、本実施の形態におけるシールド機発進機構は、配置したケーシングが、軸長を坑壁の厚さで特定され、設置するシールド機の軸長を該ケーシングより長くして、ケーシング後端とシールド機との間に遮水機構を装備すると共にケーシング前端に遮水部材を配置して成るシールド機発進機構に適用した例であり、理解を容易にするために従来と同様の部位については同一の符号を用いている。
図1は、本発明によるシールド機発進機構におけるストッパー付仮組セグメントについて、その概要を説明するための概要図であり、図1(a)は、仮組セグメントの背面図、図1(b)は、図1(a)を(b)−(b)矢視にした部分側断面図である。
本実施の形態でのシールド機1は、図1(a)に示すようにケーシング2の支持架台23上に設置されており、ケーシング2は、図1(b)のように従来例と同様に先端部5に配置されている坑口ケーシング7を竪坑壁4の坑口予定部15に対峙させて配置している。
仮組セグメント10は、表示を省略しているが、従来例と同様にその後方に配置されている反力コンクリートと鋼製反力に配備されており、ケーシング2の内面に設置されたシールド機1は、その後部に装備した元押しジャッキを仮組セグメント10に当接させることで、ケーシング2から前方の坑口予定部15に向かって前進可能に構成されている。
図1(b)で示している工程の状態は、発明の理解を容易にするために、シールド機1が、ケーシング2から前方に前進して、竪坑壁4の坑口予定部15に到達している状態を示している。
本工程までのシールド機1の前進については、ケーシングを設置してシールド機を発進させる通常の工法と同様であることから、その経過を省略しているが、ケーシング2の内面に設置されたシールド機1を、その後方に配置した空押用ジャッキによってシールド機のカッター盤が回転可能になる位置まで空押ししており、しかる後に、空押用ジャッキを撤去して反力コンクリートと鋼製反力とを配備している。
仮組セグメント10は、シールド機1を竪坑壁4の坑口予定部15に到達するまで空押しした後に、鋼製反力に配備されるものであり、当初に1R、2Rを組み立てることでシールド機の元押しジャッキに当接させているが、本実施形態による発進機構には、仮組セグメントの方向保持装置が装備されているものであって、本実施の形態では、方向保持装置であるストッパー付仮組セグメント16が仮組セグメント2Rとして配置されている。
次いで、シールド機1は、仮組セグメント10を元押しジャッキで押すことで、順次に3R、4Rと組み立てしながら竪坑壁4を切削して行くが、竪坑壁4の切削を終えた状態では、仮組セグメント10の間に組み込まれたストッパー付仮組セグメント16が、シールド機1の後端から出るような位置関係になるように配慮されている。
ストッパー付仮組セグメント16は、組み立てた仮組セグメント10がシールド機1の発進に連れて、その後端から外れることで段差が発生しても、仮組セグメント10が下方に落ち込まないように対処するものであり、内面に装備してあるストッパー17を外周面から適宜の長さに突出させて、ケーシング2に設けられたセグメント支持架台18に押し当てるように構成されている。
そして、ストッパー付仮組セグメントに設けるストッパーは、図2の部分拡大図に示す実施形態のように構成されている。
ストッパー17は、仮組セグメント20の内面に装備されており、その心棒21を仮組セグメント20の外周面に穿孔した面板穴22から突出できるように構成されている。心棒21は、先端23を丸棒に形成すると共に基礎部分24にはオネジ25と把握部26とを形成しており、基礎部分24は、仮組セグメント20の内面に溶接付けによって固着されてコンクリート中に埋め込まれている支持部27のメネジと螺合して進退可能に構成されている。
ストッパー17は、常時は仮組セグメント20の内部に収納されているが、把握部26をスパナー等で回転させることで心棒21を仮組セグメント20の外周面から突出させることが出来るものであり、組み立てた仮組セグメント10がシールド機1の後端から外れた際に仮組セグメント10が下方に落ち込まない適宜な長さに突出させることができる。
以上のように、本実施形態によるシールド機発進機構は、ストッパー付仮組セグメントを備えることによって、坑口ケーシングを用いても組立仮組セグメントの座屈等を回避させて安全で精度の良い発進を図ると共に止水機構を確実に機能させて坑口からの漏水漏砂を完全に防止しながら、坑壁の外径を小さくし、地盤改良域の厚さを減少させて施工コストを統合的に低減している。
次に、上記場合のシールド機の発進方法について説明する。本実施形態のシールド機の発進方法は、上述したシールド機発進機構を用いて、シールド機を坑口予定部に当接させる段階でストッパー付仮組セグメントを配置して、坑壁の切削を完了した段階でストッパー付仮組セグメントのストッパーを突出させたりケーシングと仮組セグメント間に浮力液体注入機構から浮力液体を注入させることで仮組セグメントの水平方向を維持し、次いでシールド機が地盤改良部を掘削し始める段階でストッパー付仮組セグメントを配置して、地盤改良部の掘削を完了した段階でストッパー付仮組セグメントからストッパーを突出させると共に本セグメントを配置して本セグメントの水平方向を確保するようにしている。
図3は、シールド機の発進方法において、シールド機が竪坑壁の坑口予定部に対する切削を完了した工程での側断面図である。
シールド機1は、仮組セグメント10を3R、4Rと組み立てながら発進状態に移行しており、この段階では、シールド機1の発進に連れて2Rとして配置されていたストッパー付仮組セグメント16が、シールド機1の後端から外れることで段差が発生する。
しかして、ストッパー付仮組セグメント16の内面に装備してあるストッパー17の心棒21を、仮組セグメントの外周面から適宜の長さに突出させて、ケーシング2のセグメント支持架台18に押し当てるように調整することができるので、仮組セグメント10が下方に落ち込むことがない。
同様に、図4は、竪坑壁の切削を完了したシールド機が、地盤改良部の掘削を完了して地盤の掘進に至る工程での断面図である。
本工程におけるシールド機1は、段差の発生によって発生する可能性が危惧される位置に相当する仮組セグメント5Rとして、ストッパー付仮組セグメント16を配置しながら仮組セグメント6Rを組み立てることで前進を続けて地盤改良部の掘削から地盤の掘進に至っており、本セグメント19の1Rを設置する段階にある。
この段階では、シールド機1の発進に連れて第2に5Rとして配置したストッパー付仮組セグメント16がシールド機1の後端から外れるので、ストッパー付仮組セグメント16の内面に装備してあるストッパー17の心棒21をセグメント支持架台18に押し当てるように調整しており、仮組セグメント10が下方に落ち込むのを防止している。
従って、上記発進方法では、仮組セグメント10がその水平方向を確実に維持しており、これによって、シールド機が竪坑から地盤中に発進する時にも組み立てた仮組セグメント10の座屈等を回避させて、安全で精度の良い発進を図ると共に、ケーシング2とその前端部5に接合されている坑口ケーシング7に装備されたエントランスパッキン6との間及び仮組セグメント10とケーシング2の後端部8に装備されているパッキン9の間に形成されている各止水機構を確実に機能させており、坑口からの漏水漏砂を完全に防止している。
尚、本実施形態による発進機構と発進方法は、シールド機の発進にケーシングを用いる方式の発進機構であれば当然に適用可能である。
ストッパー付仮組セグメントは、突出可能なストッパーを仮組セグメントの外周面に放射状に装備させている。
図5は、ストッパー付仮組セグメントの実施の形態を示す斜視図である。ストッパー付仮組セグメント16は、仮組セグメント20の内面に一つもしくは複数のストッパー17を装備して構成されており、図2で説明したように、仮組セグメント20の外周面に穿孔した面板穴22からその心棒21を突出できるように構成されている。
心棒21は、基礎部分にはオネジと把握部とを形成して、把握部を回転させることで進退可能に構成されており、外周面から適宜の長さに突出させて、ケーシングに設けられたセグメント支持架台に押し当てることで、組み立てた仮組セグメントがシールド機の後端から外れて段差が発生しても、仮組セグメントが下方に落ち込まないように機能している。
従って、ストッパー17の配置は、仮組セグメント20の直下に単独に設けても良いが、ストッパー付仮組セグメント16の安定性を考慮すると、図示のように2個以上の複数のストッパー17を放射状に所定の間隔で装備することが望ましいものである。
又、後述するように、仮組セグメントの方向保持を浮力液体注入機構から注入される浮力液体の浮力によって確保する場合には、ストッパー17の配置を仮組セグメント20の直下だけでなく上面方向に設けることも有効である。
さらに、本実施形態によるシールド機発進機構と発進方法は、後に詳述する浮力液体注入機構を備えていて、ストッパー付仮組セグメントを用いることなく、通常の仮組セグメントのみによって同様の機能を発揮できるものである。
即ち、本発明によるシールド機発進機構は、配置したケーシングが、軸長を坑壁の厚さで特定され、設置するシールド機の軸長をケーシングより長くして、ケーシング後端とシールド機との間に遮水機構を装備すると共にケーシング前端に遮水部材を配置して成るシールド機発進機構において、ケーシングの遮水機構と遮水部材間に浮力液体注入機構を設置することを特徴としている。
図6は、本発明によるシールド機発進機構における浮力液体注入機構について、その概要を説明するための側断面図である。
ケーシング2は、シールド機1を支持架台上に設置しており、従来例と同様に、先端部5に配置されている坑口ケーシング7を竪坑壁4の坑口予定部15に対峙させて配置している。
ケーシング2の上端面には、浮力液体注入機構として浮力液体の注入装置31が装備されており、後述するように、シールド機1が前進することでケーシング2と仮組セグメント10とがケーシング2の後端部8に装備されているパッキン9との間に遮水機構を形成すると同時に、坑口ケーシング7に装備されたエントランスパッキン6とシールド機1との間に遮水機構を形成された段階で、浮力液体が注入されるように図示していない外部装置を接続している。
又、シールド機の発進方法は、シールド機を前進させて坑壁の切削を完了した段階で、ケーシングと仮組セグメント間に浮力液体注入機構から浮力液体を注入させて組立仮組セグメントに水平方向を保持させることを特徴としており、組立仮組セグメントの方向保持を液体による浮力で支持させている。
図7は、本発明による発進方法に従う当該シールド機による地盤改良部の掘削工程の断面図である。
図7の工程に至るシールド機の発進方法では、ケーシング2の内面に設置されたシールド機1は、上述したように、空押用ジャッキでシールド機のカッター盤が回転可能になる竪坑壁4の坑口予定部15まで空押し、しかる後に、空押用ジャッキを撤去して反力コンクリートと鋼製反力とに仮組セグメントを配備して、竪坑壁4の坑口予定部15を切削している。
シールド機1は、仮組セグメント10を1R〜4Rと組み立てながら発進状態に移行するが、竪坑壁の坑口予定部に対する切削を完了した段階に至ると、仮組セグメント10は、シールド機1の後端から外れることから段差を発生して無支持にされる。
しかして、本発明では、ケーシング2と仮組セグメント10との間に浮力液体注入機構である注入装置31から浮力液体32を注入させることによって、組立仮組セグメントは液体から浮力を受けるように構成されている。仮組セグメント10は、この浮力によってその水平方向を保持しており、仮組セグメント10が下方に落ち込むことがない。
即ち、注入装置31から注入された浮力液体32は、図示のようにケーシング2の後端部8に装備されているパッキン9と坑口ケーシング7に装備されたエントランスパッキン6とで形成された両遮水機構の間に充満されることになる。
これによって、シールド機1及び仮組セグメント10とケーシング2との間に要求される遮水機構は、更にその機能が充実されると共に、組立仮組セグメントは、液体からの浮力によって段差が発生して無支持になっても水平方向を保持することができる。
以上のように、浮力液体注入機構の採用により、仮組セグメントに何らの加工も施さずに組立仮組セグメントの方向を保持しており、坑口ケーシングを用いても組立仮組セグメントの座屈等を回避させて安全で精度の良い発進を図ると共に坑口からの漏水漏砂を完全に防止しながら、坑壁の外径を小さくし、地盤改良域の厚さを減少させて統合的な施工コストの低減を促進している。
しかして、本発明によるシールド機発進機構と発進方法は、上述したシールド機の後端に配備する仮組セグメント中に、所定の間隔でストッパー付仮組セグメントを仮組配置することによっても構成できるものである。
即ち、要するに図1の構成と図6の構成とを合体するものであり、仮組セグメントに対する水平方向の維持は、浮力液体による仮組セグメントの浮き上がりに加えて、ストッパー付仮組セグメントによって仮組セグメントの落ち込みと浮上とを共に調整することで確立されることになる。
従って、このような構成とすれば、組立仮組セグメントの水平方向をより簡易、確実に保持できることから、組立仮組セグメントの座屈等を容易に回避させると共に止水機構を確実に機能させて、坑口からの漏水漏砂を防止して安全で精度の高い発進を増長することが可能になるものである。
以上、本発明によるシールド機発進機構および発進方法を実施の形態に基づいて詳細に説明してきたが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものでなく、竪坑、隧道、トンネル等の適用分野、ケーシング、仮組セグメント等の具体的な形状や材質に関する変更においても発明の趣旨に反しない範囲において種々の変更が包含されることは当然のことである。
本発明によるシールド機発進機構に採用可能なストッパー付仮組セグメントについてその概要を説明するための概要図 図1に示したシールド機発進機構に用いるストッパーの部分拡大図 図1に示したシールド機発進機構でシールド機による竪坑壁の切削完了状態図 図1に示したシールド機発進機構でシールド機による地盤改良部の掘削状態図 本発明に採用可能なストッパー付仮組セグメントの斜視図 図1のストッパー付仮組セグメントの適用が可能な本発明にかかるシールド機発進機構における浮力液体注入機構についてその概要を説明するための側断面図 図6に示したシールド機発進機構でシールド機による地盤改良部の掘削状態図 従来におけるシールド機発進機構の概要図 従来における仮組セグメントの落ち込み状態を示す側断面図
符号の説明
1 シールド機、2 ケーシング、3 反力壁、4 竪坑壁、5 前端部、6 エントランスパッキン、7 坑口ケーシング、8 後端部、9 パッキン、10 仮組セグメント、11 元押しジャッキ、12 鋼製反力、13 テールシールパッキン、14 地盤改良部、15 坑口予定部、16 ストッパー付仮組セグメント、17 ストッパー、18 セグメント支持架台、19 本セグメント、20 仮組セグメント、21 心棒、22 面板穴、23 先端、24 基礎部分、25 オネジ、26 把握部、27 支持部、31 注入装置、32 浮力液体

Claims (2)

  1. 坑壁内面に配置したケーシングにシールド機を設置し、該シールド機の後端に配備する仮組セグメントから反力を取ることでシールド機を発進するようにし、かつ配置したケーシングが、軸長を坑壁の厚さで特定され、設置するシールド機の軸長を該ケーシングより長くして、ケーシング後端とシールド機との間に遮水機構を装備すると共にケーシング前端に遮水部材を配置して成るシールド機発進機構であって、該ケーシングの遮水機構と遮水部材間に浮力液体注入機構を設置することを特徴とするシールド機発進機構。
  2. 坑壁内面に配置したケーシングに設置したシールド機により坑壁の切削を完了した段階でケーシングと仮組セグメント間に浮力液体注入機構から浮力液体を注入させることで仮組セグメントの水平方向を維持することを特徴とするシールド機発進方法。
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