JP2007023244A - エポキシ樹脂塗料組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】シックハウス症候群やシックスクール症候群等の健康被害の原因物質とされる揮発性有機化学物質を含有せず、毒性が低く環境汚染を引き起こさないうえに、塗布作業性に優れ、およびハジキや白化現象が発生しにくいなど塗装表面の美観が良好なエポキシ樹脂塗料組成物を提供する。
【解決手段】 現場施工タイプの床用塗料であって、酢酸ブチルの蒸発速度を100としたときの蒸発速度指数のモル加重平均値が50〜180で、溶解度パラメーターのモル加重平均値が9.8〜10.5である溶剤を用いることを特徴とするエポキシ樹脂塗料組成物を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明はエポキシ樹脂塗料組成物に関し、より詳しくは毒性が低く環境汚染を引き起こさないうえに、塗装表面の仕上がりに優れ、かつ白化現象が発生しにくいエポキシ樹脂塗料組成物に関する。
従来のエポキシ樹脂塗料組成物の溶剤として最も汎用的なものがトルエンまたはキシレンなどの芳香族炭化水素系溶剤である。また、これらの芳香族炭化水素とエステル類、アルコール類またはケトン類との混用も一般的である。これらの溶剤は樹脂に対する溶解性および樹脂粘性と蒸発速度指数のバランスに優れ、それゆえにこれら溶剤を用いたエポキシ樹脂塗料は塗布作業性および塗装表面の仕上がりが良好である。
しかし、芳香族炭化水素系溶剤の中でも、トルエン、キシレン、およびホルムアルデヒド、エチルベンゼン、スチレン、パラジクロロベンゼンは揮発性有機化学物質であり、シックハウス症候群等の健康被害の原因物質の一つであるとされている。そのため、文部科学省の「学校環境衛生の基準」および厚生労働省の「室内空気汚染濃度ガイドライン」において、居室等内での夫々の濃度について規定されており、これらを含有または放散する建築内装材については実質的に使用が制限されつつある。また、トルエン、キシレン、ホルムアルデヒド、エチルベンゼン、スチレンおよびパラジクロロベンゼンは「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(化学物質排出把握管理促進法、PRTR法)」の第1種指定化学物質に該当しており、環境への悪影響も懸念されている。
そこで、建築内装材の一つであるエポキシ樹脂塗料組成物においても、人体に害がなく環境汚染を引き起こさない溶剤の検討が行われており、例えば特開2001−302882号公報(特許文献1)にはα−ヒドロキシイソ酪酸エステルを含有するエポキシ樹脂溶解剤が記載されている。
特許文献1に記載の溶解剤は人体に害がなく地球環境に蓄積しないという利点を有し、さらにエポキシ樹脂に対し優れた溶解力を有する。しかし、当該溶解剤にエポキシ樹脂を溶かした溶液を実際に塗料として使用した場合における塗布作業性および塗装表面の仕上がりについては全く検討されていない。
特開2001−302882号公報
本発明は、シックハウス症候群やシックスクール症候群等の健康被害の原因物質とされる揮発性有機化学物質、特にトルエン、キシレン、ホルムアルデヒド、エチルベンゼン、スチレンおよびパラジクロロベンゼンを含有せず、毒性が低く環境汚染を引き起こさないうえに、塗布作業性に優れ、およびハジキやエポキシ樹脂特有の白化現象が発生しにくいなど塗装表面の美観が良好なエポキシ樹脂塗料組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は,現場施工タイプの床用塗料であって、酢酸ブチルの蒸発速度を100としたときの蒸発速度指数のモル加重平均値が50〜180で、溶解度パラメーターのモル加重平均値が9.8〜10.5である溶剤を用いることを特徴とするエポキシ樹脂塗料組成物を提供している。
本発明者らは、エポキシ樹脂に対する溶解性と塗布作業性はもちろんのこと、塗膜の乾燥性および塗装表面の美観性を確保するためには、溶剤において蒸発速度指数のモル加重平均値と溶解度パラメーターのモル加重平均値に適切な範囲があることを見いだし、本発明を完成した。
本発明のエポキシ樹脂塗料組成物における溶剤は、蒸発速度指数のモル加重平均値が50〜180であることを特徴とする。蒸発速度指数のモル加重平均値を50〜180としているのは、蒸発速度指数のモル加重平均値が50未満であると乾燥が遅く作業性を損ねるからであり、蒸発速度指数のモル加重平均値が180を超えると、気化熱により冷やされて塗膜表面に発生する結露水によって、アミンブラッシングがしやすい他、水との接触で白化現象が生じる傾向を有するからである。
蒸発速度指数は、「溶剤ポケットブック」(有機合成化学協会編、オーム社発行)等の文献で定義されており、酢酸ブチルの蒸発速度を100としたときの蒸発のしやすさ(しにくさ)を示すもので、数値が大きいほど蒸発しやすい。
蒸発速度指数のモル加重平均値とは、2種類以上の溶剤を組み合わせた場合に各溶剤の蒸発速度指数をモル数という重みを加えて平均した値である。具体的には、下記式(1)で表されるように、各溶剤のモル分率と蒸発速度指数の積の総和となる。
Figure 2007023244
(nは整数を示し、xkは溶剤kのモル分率を示し、ykは溶剤kの蒸発速度指数を示す。)
本発明のエポキシ樹脂塗料組成物における溶剤は、溶解度パラメーターのモル加重平均値が9.8〜10.5であることを特徴とする。溶解度パラメーターのモル加重平均値を9.8〜10.5としているのは、溶解度パラメーターのモル加重平均値が前記数値範囲外であるとエポキシ樹脂との相溶性が悪く、エポキシ樹脂との混合において白濁または分離したり、エポキシ樹脂塗料の塗装表面においてハジキが生じたりするからである。
溶解度パラメーターは、「基礎合成樹脂の化学」(三羽忠広著、技報堂出版発行)等の文献で定義されており、各液体におけるモル凝集エネルギー密度の平方根であり、溶解性を特徴づける指標となる。
溶解度パラメーターのモル加重平均値とは、2種類以上の溶剤を組み合わせた場合に各溶剤の溶解度パラメーターをモル数という重みを加えて平均した値である。具体的には、下記式(2)で表されるように、各溶剤のモル分率と溶解度パラメーターの積の総和となる。
Figure 2007023244
(nは整数を示し、xkは溶剤kのモル分率を示し、zkは溶剤kの溶解度パラメーターを示す。)
本発明のエポキシ樹脂塗料組成物における溶剤は、前述した蒸発速度指数と溶解度パラメーターの条件を満たせばいかなる組成から成っていてもよい。しかし、毒性が低く環境汚染を引き起こさないという課題から鑑みて、トルエン、キシレン、ホルムアルデヒド、エチルベンゼン、スチレンおよびパラジクロロベンゼンは含有しない。さらに、本発明の溶剤は、化学物質排出把握管理促進法の第1種指定化学物質に指定されている物質を含有しない方が好ましい。
本発明の溶剤においては、蒸発速度指数が32〜100である溶剤のうちから選ばれる1種類以上の溶剤と、蒸発速度指数が101〜340である溶剤のうちから選ばれる1種類以上の溶剤とを組み合わせることが好ましい。エポキシ樹脂塗料組成物に占める両者の混合割合は、蒸発速度指数が32〜100である溶剤の総質量が25〜40質量%、蒸発速度指数が101〜340である溶剤の総質量が1〜15質量%となるようにすることが好ましい。
蒸発速度指数が32〜100である溶剤としては、セロソルブ(蒸発速度指数32)、酢酸ブチル(蒸発速度指数100)、1−メトキシ−2−プロパノール(蒸発速度指数71)、n−ブタノール(蒸発速度指数45)、イソブタノール(蒸発速度指数80)などが挙げられる。なかでも、汎用性、エポキシ樹脂との相溶性および塗料の乾燥性を勘案し、酢酸ブチルおよびn−ブタノールが好ましい。
蒸発速度指数が101〜340である溶剤としては、メチルイソブチルケトン(蒸発速度指数165)、イソプロピルアルコール(蒸発速度指数300)、メチルシクロヘキサン(蒸発速度指数320)、エタノール(蒸発速度指数340)などが挙げられる。なかでも、汎用性、エポキシ樹脂との相溶性および塗料の乾燥性を勘案し、イソプロピルアルコールおよびメチルシクロヘキサンが好ましい。
より具体的には、本発明で用いる溶剤は少なくともn−ブタノール、酢酸ブチル、イソプロピルアルコールおよびメチルシクロヘキサンを含んでいることが特に好ましい。
本発明のエポキシ樹脂塗料組成物に含有されているエポキシ樹脂は、1分子中にエポキシ基を1個以上、好ましくは平均2個以上、さらに好ましくは平均2〜5個有する樹脂であって、数平均分子量が300〜1600、好ましくは600〜1200の範囲内にあることが望ましい。
上記エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂やクレゾール型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂、アルキルフェノールノボラック樹脂とエピクロルヒドリンから誘導されるアルキルフェノールノボラック型エポキシ樹脂;ジヒドロキシベンゼン類とエピクロルヒドリンから誘導されるエポキシ樹脂;アクリル型エポキシ樹脂;臭素化エポキシ樹脂などが挙げられ、これらは単独でまたは混合して使用することができる。
本発明において用いるエポキシ樹脂は固形エポキシ樹脂が好ましい。
固形エポキシ樹脂としては、例えばフェノールノボラック型エポキシ樹脂やクレゾール型エポキシ樹脂などの固形ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、アクリル型エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂および環式脂肪族エポキシ樹脂などが挙げられる。これらの中でも、特にビスフェノールA型エポキシ樹脂が仕上がり外観に優れた塗膜を形成できることから好ましい。
本発明のエポキシ樹脂塗料組成物には、本発明の目的に反しない限り、樹脂成分としてさらにエポキシ基を有しない樹脂を添加することができる。前記樹脂としては、例えばアクリル樹脂、クマロン樹脂、石油樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、テルペンフェノール樹脂などが挙げられる。これらの樹脂を添加することにより、悪素地や旧塗膜への付着性を向上させることができる。或いは錆面へのなじみを良好とする効果が得られる。
本発明のエポキシ樹脂塗料組成物には硬化剤が通常含有されている。前記硬化剤としてはエポキシ樹脂の種類に応じて公知のエポキシ樹脂用硬化剤から適宜選択すればよい。具体的には、例えばアミン系硬化剤、ポリカルボン酸類、ポリカルボン酸無水物類、フェニルイミダゾール等のイミダゾール類、ポリメルカプタン硬化剤、ポリアミド樹脂、ジシアンジアミド類、アジピン酸ジヒドラジド等のジヒドラジド類等が挙げられる。
なかでも、本発明においてはアミン系硬化剤を用いることが好ましい。上記アミン系硬化剤の具体例としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ポリ(オキシプロピレン)ジアミンなどの脂肪族ポリアミン類;キシリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、フェニレンジアミンなどの芳香族ポリアミン類;1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、イソホロンジアミンなどの脂環式ポリアミン類;N−アミノエチルピペラジンなどの複素環式ポリアミン類を挙げることができる。また、これらのポリアミン類の変性物、例えば、エポキシ化合物とのアミンアダクト物、ケチミン化物、ポリアミドアミン類、マンニッヒ化合物、マイケル付加化合物、アルジミン化物、イソシアネート化合物との尿素アダクト等も使用できる。
本発明のエポキシ樹脂塗料組成物における硬化剤の配合量は特に限定されず、エポキシ樹脂および硬化剤の種類によりエポキシ当量とアミン価を基に、適宜選択すればよい。例えばアミン系硬化剤を用いる場合、エポキシ樹脂塗料組成物全体に対して5〜20質量%配合することが好ましい。
本発明においては、必要に応じて硬化促進剤を併用することも可能である。硬化促進剤としては、例えば2,4,6−トリ(ジメチルアミノメチル)フェノール、ベンジルジメチルアミンもしくは1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン(DBU)等の第三級アミン類;2−メチル−4−エチルイミダゾール等のイミダゾール類;トリフェニルホスフィン等のホスフィン類;フェノールもしくはクレゾール等のフェノール類が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂塗料組成物においては無機充填材を含有させることが好ましい。無機充填材としては、例えば軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、クレー、タルクまたはシリカ等が挙げられる。
前記無機充填材の配合量はエポキシ樹脂(添加剤にエポキシ樹脂が含まれている場合は当該エポキシ樹脂も含む)に対して体積比で0.45以上であることが好ましい。すなわち、(無機充填材の体積/エポキシ樹脂の体積)が0.45以上であることが好ましい。前記比率が0.45未満の場合は色別れが発生し、塗装表面の美観が損なわれる可能性がある。前記比率の上限値は特に限定されないが、0.8以下であることが好ましい。前記比率が0.8を超えれば、無機充填材を均一に分散させることが困難になり、エポキシ樹脂塗料組成物の物性が低下する。
本発明のエポキシ樹脂塗料組成物には、本発明の目的に反しない限り、上記成分以外にも必要に応じて着色顔料、体質顔料、防食顔料等の顔料類;消泡・レベリング剤、難燃剤、分散剤、表面調製剤、増粘剤、沈殿防止剤、カップリング剤、滑剤、防錆剤、紫外線安定剤、紫外線吸収剤、流動調整剤、ハジキ防止剤等の塗料用添加剤を配合することができる。
着色顔料としては、例えばフタロシアニン、アゾ、ジスアゾ、キナクリドン、アントラキノン、フラバントロン、ペリノン、ペリレン、ジオキサジン、縮合アゾ、アゾメチンまたはメチン系の各種有機系色素;酸化チタン、硫酸鉛、酸化亜鉛、ジンクエロー、弁柄、コバルト紫、紺青、群青、カーボンブラック、コバルトグリーン等の無機顔料;マイカ系顔料;金属粉末顔料が挙げられる。
体質顔料としての無機充填材は、例えば溶融シリカ、結晶シリカ、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、珪酸カルシウム等が挙げられる。
消泡・レベリング剤としては、例えばエチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアクリレート類からなる分子量4000〜12000のオリゴマー類、エポキシ化大豆脂肪酸、エポキシ化アビエチルアルコール、チタン系カップリング剤等が挙げられる。
難燃剤としては三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、酸化錫、水酸化錫、酸化モリブデン、硼酸亜鉛、メタ硼酸バリウム、赤燐、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、アルミン酸カルシウム等の無機難燃剤;テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモ無水フタル酸、ヘキサブロモベンゼン、デカブロモビフェニルエーテル、ブロム化フェノールノボラック樹脂、ブロム化フェノールノボラック等の臭素系難燃剤;トリス(トリブロモフェニル)ホスフェート等の燐酸系難燃剤が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂塗料組成物の調製にあたっては特別な方法を必要とせず、従来のエポキシ樹脂塗料について通常用いられている方法によって調製することができる。なかでも、本発明のエポキシ樹脂塗料組成物は現場施工タイプの塗料組成物であることが好ましい。
調製された本発明のエポキシ樹脂塗料組成物は、金属(鉄、アルミニウム、亜鉛等)、木材、プラスチック、石材、スレート、コンクリート、モルタルなどの素材面またはこれらの素材上の旧塗膜面、その他の基材表面に塗装できる。塗装方法としては、ローラ塗り、ハケ塗り、スプレー塗装、各種コーター塗装などの一般的な方法を用いることができる。
本発明のエポキシ樹脂塗料組成物の塗布量は、特に限定されるものではないが、一般にはクリヤ塗料の場合には乾燥膜厚で5〜100μm、好ましくは10〜75μm、顔料を含有するエナメル塗料の場合には乾燥膜厚で10〜150μm、好ましくは25〜120μmの範囲内が適当である。
また、本発明組成物を塗装、乾燥させた塗膜の上に必要に応じて上塗塗料を塗装することができる。この上塗塗料としては特に制限なく公知の上塗塗料を使用でき、例えばアルキド樹脂系、塩化ゴム系、エポキシ樹脂系、シリコンアルキド樹脂系、ウレタン樹脂系、シリコンアクリル樹脂系、フッ素樹脂系などの塗料を使用することができる。特に希釈剤としてトルエンやキシレン等の芳香族系炭化水素溶剤を含まない塗料が好ましい。
本発明のエポキシ樹脂塗料組成物は、住宅、店舗、学校や病院等の公共施設などの人体への影響に対する配慮が必要な場所に使用されることが好ましい。なかでも、本発明のエポキシ樹脂塗料組成物は、床用塗料として用いることがより好ましい。
本発明のエポキシ樹脂塗料組成物は、シックハウス症候群やシックスクール症候群等の健康被害の原因物質とされる揮発性有機化学物質、特にトルエン、キシレン、ホルムアルデヒド、エチルベンゼン、スチレンおよびパラジクロロベンゼンを含有しないため、毒性が低く環境汚染を引き起こさない。そのため、多くの人々が安心して使用できる満足度の高い建築物が提供できる。
本発明のエポキシ樹脂塗料組成物は乾燥性が良好であるため塗布作業性に優れ、さらにハジキや白化現象が発生しにくいなど塗装表面の美観を保つことができることから、実用上トルエンやキシレン等を含んだ従来の溶剤を用いた塗料組成物と遜色なく用いることができる。
本発明のエポキシ樹脂塗料組成物は、エポキシ樹脂、溶剤、硬化剤および無機充填材を含む。
上記エポキシ樹脂としてはビフェノールA型固形エポキシ樹脂を用いている。
数平均分子量が800〜1000の範囲内にあることが好ましく、900程度であることがより好ましい。エポキシ樹脂の配合量はエポキシ樹脂塗料組成物全体に対し10〜30質量%、好ましくは15〜25質量%である。
上記溶剤としては、蒸発速度指数のモル加重平均値が50〜180、好ましくは75〜176であり、溶解度パラメーターのモル加重平均値が9.8〜10.5、好ましくは9.9〜10.4である。
溶剤の配合量はエポキシ樹脂塗料組成物全体に対し20〜60質量%、好ましくは30〜45質量%である。
溶剤の組成は、蒸発速度指数が32〜100である溶剤のうちから選ばれる1種以上の溶剤と、蒸発速度指数が101〜340である溶剤のうちから選ばれる1種以上の溶剤とを組み合わせ、蒸発速度指数が32〜100である溶剤の総質量がエポキシ樹脂塗料組成物全体に対して25〜45質量%、蒸発速度指数が101〜340である溶剤の総質量がエポキシ樹脂塗料組成物全体に対して1〜15質量%となるようにすることが好ましい。蒸発速度指数が32〜100である溶剤としては、酢酸ブチルまたはn−ブタノールを単独でまたは組み合わせて用いることが好ましい。蒸発速度指数が101〜340である溶剤としては、イソプロピルアルコールまたはメチルシクロヘキサンを単独でまたは組み合わせて用いることが好ましい。
より具体的に溶剤の組成は、n−ブタノール、酢酸ブチル、イソプロピルアルコールおよびメチルシクロヘキサンからなり、n−ブタノールをエポキシ樹脂塗料組成物全体に対して7〜20質量%、酢酸ブチルを9〜22質量%、イソプロピルアルコールを1〜7質量%、メチルシクロヘキサンをエポキシ樹脂塗料組成物全体に対して1〜7質量%含むことが特に好ましい。
エポキシ樹脂としてビフェノールA型固形エポキシ樹脂を用い、硬化剤として変性ポリアミノアミドを用いる場合は、溶剤に1−メトキシ−2−プロパノールを含まない方が好ましい。
上記硬化剤としては変性ポリアミノアミドを用いる。硬化剤の配合量はエポキシ樹脂塗料組成物全体に対し1〜20質量%、好ましくは5〜15質量%である。
上記無機充填材としては炭酸カルシウム、好ましくは軽質炭酸カルシウムを用いる。炭酸カルシウムの配合量はエポキシ樹脂塗料組成物全体に対し15〜60質量%、好ましくは25〜40質量%である。さらに(炭酸カルシウムの体積/エポキシ樹脂の体積)が0.45〜0.60となるように炭酸カルシウムを配合することが好ましい。無機充填材の配合量を上記範囲内とすることにより、色別れの発生を防止し、塗装表面の美観を保つことができる。なお、エポキシ樹脂の体積には、添加剤にエポキシ樹脂が含まれている場合は当該エポキシ樹脂の体積も含む。
本発明のエポキシ樹脂塗料組成物は、上記成分以外にも本発明の目的に反しない限り、当該技術分野で通常用いられている公知の塗料用添加剤を配合しても良い。なかでも、本発明のエポキシ樹脂塗料組成物には消泡・レベリング剤とエポキシトナーを配合することが好ましい。
消泡・レベリング剤の配合量はエポキシ樹脂塗料組成物全体に対し0.5〜5質量%、好ましくは0.5〜2質量%である。
エポキシトナーの配合量はエポキシ樹脂塗料組成物全体に対し1〜15質量%、好ましくは5〜10質量%である。エポキシトナーとはエポキシ樹脂に着色顔料を含有させた着色剤である。エポキシトナーとしては液状エポキシ樹脂を20〜60質量%、好ましくは30〜50質量%含有するものが好適である。前記液状エポキシ樹脂としては分子量が200〜500、好ましくは300〜400のものが好適である。
本発明のエポキシ樹脂塗料組成物は5℃程度の低温かつ湿度80%程度の多湿であっても24時間ほど養生させればタックを生じることなく乾燥し、乾燥性に優れている。それゆえに本発明のエポキシ樹脂塗料組成物を用いれば作業効率を向上させることができ、塗布作業性に優れている。
本発明のエポキシ樹脂塗料組成物は塗装後ハジキや色別れが生じることなく、さらに水に濡れても白化することがない。
以下実施例により本発明を説明するが、本発明がこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜10、比較例1〜21)
エポキシ樹脂としてビフェノールA型固形エポキシ樹脂(ジャパン・エポキシ・レジン(株)製「エピコート1001」、分子量900)、軽質炭酸カルシウム、消泡・レベリング剤、エポキシトナー(分子量380の液状エポキシ樹脂を43質量%含む)ならびに下記表2、表4、表6および表8に示す組成の溶剤を下記表1、表3、表5および表7に示す割合で混合し、分散処理を行なって塗料を作成した。
なお、実施例1〜9および比較例1〜19においては無機充填材である軽質炭酸カルシウムはエポキシ樹脂に対して体積比で0.492含まれており、実施例10においては0.590含まれており、比較例20においては0.433含まれており、比較例21においては0.393含まれている。
得られた塗料用主剤に硬化剤として変性ポリアミノアミド(SRIハイブリッド(株)製「H600TXF」)を下記表1、表3、表5および表7に示す割合で配合し混合攪拌して各塗料を作成し、下記性能試験に供した。
なお、表2、表4、表6および表8中の「SP値」は「溶解度パラメーター」のことである。
(試験例1;外観)
コンクリート平板ブロック上に実施例1〜10および比較例1〜21の各塗料を塗布量0.2kg/mとなるようにローラー刷毛を用いて塗布し、23℃、湿度50%の環境下で24時間養生し、養生後の外観を特にハジキおよび色分かれを中心に目視にて観察した。
外観が良好な場合を「◎」と、外観に異常がない場合を「○」と、わずかに異常が見られる場合を「△」と、外観に異常がある場合を「×」と評価した。表中には異常がハジキか色分かれかについても記載した。
(試験例2;耐水白化性)
コンクリート平板ブロック上に実施例1〜10および比較例1〜21の各塗料を塗布量0.2kg/mとなるようにローラー刷毛を用いて塗布し、23℃、湿度50%の環境下で16時間養生し、養生後に水滴を2ml滴下した。水滴滴下24時間後に塗膜表面の白化度合いを目視にて観察した。
養生の条件を温度5℃、湿度80%、養生時間24時間に代えて、上記と全く同じ試験を行った。
白化が見られない場合を「○」と、わずかに白化した場合を「△」と、激しく白化した場合を「×」と評価した。
(試験例3;乾燥性)
コンクリート平板ブロック上に実施例1〜10および比較例1〜21の各塗料を塗布量0.2kg/mとなるようにローラー刷毛を用いて塗布し、5℃、湿度80%の環境下で24時間養生し、養生後の乾燥度を指触確認した。
異常が見られない場合を「○」と、タックが生じた場合を「△」と、未硬化の場合を「×」と評価した。
Figure 2007023244
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実施例1〜10の塗料は、塗装しても外観に異常が見られず、また水に濡れても白化することがないため、塗装の仕上がりにおいて優れている。また、乾燥性も良好なため塗布作業性にも優れている。
一方、溶剤の溶解度パラメーターのモル加重平均値が9.8未満の比較例3および比較例15〜18、ならびに溶剤の溶解度パラメーターのモル加重平均値が10.5を超える比較例7〜11においては、塗装後の外観においてハジキが発生するという問題点を有する。
また、溶剤の蒸発速度指数のモル加重平均値が180を超える比較例2〜7においては、水と接触した場合に白化してしまうという問題点を有する。溶剤の蒸発速度指数のモル加重平均値が50以下の比較例1および比較例11〜15においては乾燥性に劣っている。
実施例1〜10および比較例1〜18の塗料組成物における溶剤の溶解度パラメーターのモル加重平均値および蒸発速度指数のモル加重平均値と塗装の仕上がりの関係を示すグラフである。○は実施例1〜10の塗料組成物の値を示し、×は比較例1〜18の塗料組成物の値を示す。

Claims (4)

  1. 酢酸ブチルの蒸発速度を100としたときの蒸発速度指数のモル加重平均値が50〜180で、溶解度パラメーターのモル加重平均値が9.8〜10.5である溶剤を用いることを特徴とするエポキシ樹脂塗料組成物。
  2. 上記溶剤が少なくともn−ブタノール、酢酸ブチル、イソプロピルアルコールおよびメチルシクロヘキサンを含んでいる請求項1に記載のエポキシ樹脂塗料組成物。
  3. 無機充填材を、エポキシ樹脂に対して体積比で0.45以上含む請求項1または請求項2に記載のエポキシ樹脂塗料組成物。
  4. 現場施工タイプの床用塗料である請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂塗料組成物。
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