JP2007023116A - スチレン系エラストマー樹脂ペレットのブロッキング防止方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 スチレン系エラストマー樹脂ペレットの製造、輸送及び加工の際に生ずるブロッキングを防止することが可能な方法を提供する。
【解決手段】 シリコーンオイルを含有する溶液中にスチレン系エラストマー樹脂ストランドまたはペレットを浸漬させる。これにより、ブロッキングが防止され、取り扱い性の良好な樹脂ペレットが得られることとなる。
【選択図】 なし
【解決手段】 シリコーンオイルを含有する溶液中にスチレン系エラストマー樹脂ストランドまたはペレットを浸漬させる。これにより、ブロッキングが防止され、取り扱い性の良好な樹脂ペレットが得られることとなる。
【選択図】 なし
Description
本発明は、スチレン系エラストマー樹脂ペレットのブロッキング防止方法に関するものである。
熱可塑性スチレン系エラストマーは溶融成形可能なゴム状物質であり、射出成形、押し出し成形、カレンダー成形等、通常熱可塑性樹脂で用いられる成形法により成形することができる。熱可塑性スチレン系エラストマーは、その強度と伸びおよび制振性に優れた性質を有しており、具体的な用途としては、エラストマー材料、樹脂、ゴム,アスファルト等の改質材、制振材、粘着剤のベースポリマー、樹脂改質剤の成分として用いることができる。
このように優れた性質、加工性を有する熱可塑性スチレン系エラストマーであるが、その反面、軟化点の低さから室温付近でも樹脂同士の付着、すなわちブロッキングが発生しやすい。このブロッキングは熱可塑性樹脂のペレット化、乾燥、梱包、成形に至るまで、あらゆる場面において取り扱いの困難な状況を発生させる。具体的には、樹脂をペレットに成形する段階においては、ペレット同士あるいはペレットが加工設備へ付着することにより運転の支障になる。また、ホッパー内部でペレットが閉塞し、払い出しが不能になることもよく知られた事実である。
このような熱可塑性エラストマー樹脂のブロッキングを改善する方法として、特許文献1のように熱可塑性エラストマーを結晶性ポリオレフィンで被覆する方法が開示されている。また特許文献2のように熱可塑性シートに対して親水性高分子化合物、脂肪酸金属塩、界面活性剤、導電性高分子を含有する制電層を積層する方法も開示されている。
これらは樹脂をペレット形状に成形する前に配合物を混練するペレットのブロッキング防止方法、あるいは成形シートのブロッキング防止方法である。ペレットのブロッキング防止のために添加する配合物、高分子成分によっては、エラストマーの物性自体の悪化が懸念される。また芯鞘型複合押出ダイなどのように専用設備が必要となり、簡便な方法とは言いがたい。
一方、特許文献3には熱可塑性エラストマー樹脂ペレットに脂肪酸金属塩粉末、脂肪酸アミド粉末、ポリオレフィン粉末、シリカ粉末等を付着させる方法が開示されている。これらの方法では、ストランドカット中に水槽を用いてブロッキング防止剤を付与する場合や水中カットペレタイザにて付与する場合には、その水溶液に樹脂を接触させても効果的に樹脂表面にブロッキング防止剤が付着せずその効果が十分でないケースがしばしばであった。
一方、イソブチレンとスチレン等の芳香族ビニル系単量体とをカチオン重合することにより、イソブチレンを主成分とする重合体ブロックと芳香族ビニル系単量体を主成分とする重合体ブロックからなるイソブチレン系ブロック共重合体の製造法については、例えば、特許文献4に、塩化メチルとメチルシクロヘキサンを組み合わせた混合溶媒中での製造方法が開示されている。
また特許文献5にも、塩化メチレンとヘキサンからなる混合溶媒中で、イソブチレン重合体ブロックとスチレン重合体ブロックからなるイソブチレン系ブロック共重合体の製造方法が開示されている。
一般に、スチレン系エラストマー樹脂の回収方法には、薄膜蒸発機や押出機による溶媒除去後ストランドカット方式や水中カット方式でペレット化する方法やスチームストリッピングによって粉粒体化する方法が採用されているケースが多い。
ストランドカット方式や水中カット方式でペレット化する方法においては水中でブロッキング防止剤を付与することが最も効果的で、特許文献6においても脂肪酸アミドを付与する製造方法が開示されている。この製造法によって一定ブロッキング性の良好なスチレン系エラストマー樹脂ペレットの安定生産が可能となるが、まだ十分とはいえなかった。
このようにスチレン系エラストマー樹脂ペレットを製造するにあたっての諸問題を解決し、ブロッキング性の良好な製品を安定的に生産する製造プロセスの開発が望まれていた。
本発明は、上記現状に鑑み、ブロッキング性の良好なスチレン系エラストマー樹脂ペレット製品を安定的に製造する方法を提供することを目的とするものである。
本発明は、スチレン系エラストマー樹脂ペレットを製造する方法であって、シリコーンオイルを含有する溶液中にスチレン系エラストマー樹脂ストランドまたはペレットを浸漬することを特徴とするエラストマー樹脂ペレットの製造方法に関する。
好ましい実施態様としては、シリコーンオイルを含有する溶液がシリコーンオイル乳化水溶液である製造方法に関する。このうち、シリコーンオイルを含有する水溶液がシリコーンオイル固形分0.01〜10%であるのがより好ましい。
好ましい実施態様としては、スチレン系エラストマー樹脂が、(A)イソブチレンを主体として構成される重合体ブロックと(B)芳香族ビニル系単量体を主体として構成される重合体ブロックからなる重合体である製造方法に関する。
本発明によると、ブロッキング性の良好なスチレン系エラストマー樹脂ペレットを得ることができる。
本発明における「スチレン系エラストマー」とは、スチレン及びその誘導体のモノマー(以後「芳香族ビニル系単量体」と呼ぶ)を重合して得られる重合体ブロックを構成単位として含むブロック共重合体である。スチレン系エラストマーの原料として使用されるスチレン系単量体としては特に限定されないが、スチレン、o−、m−又はp−メチルスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、2,6−ジメチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、α−メチル−o−メチルスチレン、α−メチル−m−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、β−メチル−o−メチルスチレン、β−メチル−m−メチルスチレン、β−メチル−p−メチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、α−メチル−2,6−ジメチルスチレン、α−メチル−2,4−ジメチルスチレン、β−メチル−2,6−ジメチルスチレン、β−メチル−2,4−ジメチルスチレン、o−、m−又はp−クロロスチレン、2,6−ジクロロスチレン、2,4−ジクロロスチレン、α−クロロ−o−クロロスチレン、α−クロロ−m−クロロスチレン、α−クロロ−p−クロロスチレン、β−クロロ−o−クロロスチレン、β−クロロ−m−クロロスチレン、β−クロロ−p−クロロスチレン、2,4,6−トリクロロスチレン、α−クロロ−2,6−ジクロロスチレン、α−クロロ−2,4−ジクロロスチレン、β−クロロ−2,6−ジクロロスチレン、β−クロロ−2,4−ジクロロスチレン、o−、m−又はp−t−ブチルスチレン、o−、m−又はp−メトキシスチレン、o−、m−又はp−クロロメチルスチレン、o−、m−又はp−ブロモメチルスチレン、シリル基で置換されたスチレン誘導体等が挙げられる。スチレン系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレンからなる群から選ばれた1種以上の単量体を使用することが好ましく、コストの面からスチレン、α−メチルスチレン、あるいはこれらの混合物を用いることが特に好ましい。
また、イソブチレンを含む重合体の場合、特に限定はないが、(A)イソブチレンを主体として構成される重合体ブロックと、(B)芳香族ビニル系単量体を主体として構成される重合体ブロックからなるイソブチレン系共重合体が好ましく、具体的には、イソブチレンと芳香族ビニル系単量体などの単量体をルイス酸触媒の存在下で開始剤と共にカチオン重合して得られるものが、イソブチレン系ブロック共重合体の強度、伸びなどといった品質の安定生産の面から好適に使用できる。
(A)のイソブチレンを主体として構成される重合体ブロックは、通常、イソブチレン単位を60重量%以上、イソブチレン系重合体特有のガスバリア性を維持する観点から好ましくは80重量%以上含有する重合体ブロックである。また、(B)の芳香族ビニル系単量体を主体として構成される重合体ブロックは、通常、芳香族ビニル系単量体単位を60重量%以上、スチレン系エラストマーとしての強度、伸び等の物性を維持する観点から好ましくは80重量%以上含有する重合体ブロックである。
上記ルイス酸触媒は、カチオン重合に使用できるものであれば特に限定されず、TiCl4、BCl3、BF3、AlCl3、SnCl4等のハロゲン化金属を挙げることができるが、なかでも四塩化チタン(TiCl4)がイソブチレン系ブロック重合体の反応性とその触媒回収の容易さと回収触媒の安全性の観点から好ましい。
上記カチオン重合において用いられる重合溶媒としては特に限定されず、ハロゲン化炭化水素からなる溶媒、非ハロゲン系の溶媒又はこれらの混合物を用いることができる。好ましくは、炭素数3〜8の1級及び/又は2級のモノハロゲン化炭化水素と脂肪族及び/又は芳香族炭化水素との混合溶媒がイソブチレン系ブロック共重合体の溶解性の面から好ましい。
上記炭素数3〜8の1級及び/又は2級のモノハロゲン化炭化水素としては特に限定されず、塩化メチル、塩化メチレン、1−クロロブタン、クロロベンゼンなどを挙げることができる。この中でも、イソブチレン系ブロック共重合体の溶解度、分解による無害化の容易さ、コスト等のバランスから、1−クロロブタンが好適である。
また、上記脂肪族及び/又は芳香族系炭化水素としては特に限定されず、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、トルエン等が挙げられる。メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン及びトルエンからなる群より選ばれる1種以上がコストおよびカチオン重合の反応性の観点から特に好ましい。
なお、カチオン重合の際に用いる開始剤としては、下記式(I)で表される化合物を用いるのがカチオン重合の反応性の観点から好ましい。
(CR1R2X)n R3 (I)
[式中、Xは、ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルコキシ基若しくはアシロキシ基を表す。R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜6の1価炭化水素基を表し、R1とR2は同一であっても異なっていてもよい。R3は多価芳香族炭化水素基又は多価脂肪族炭化水素基を表す。nは1〜6の自然数を示す。]
[式中、Xは、ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルコキシ基若しくはアシロキシ基を表す。R1及びR2は、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜6の1価炭化水素基を表し、R1とR2は同一であっても異なっていてもよい。R3は多価芳香族炭化水素基又は多価脂肪族炭化水素基を表す。nは1〜6の自然数を示す。]
上記一般式(I)の化合物の具体例としては、1,4−ビス(α−クロル−イソプロピル)ベンゼン[C6H4(C(CH3)2Cl)2]が挙げられる[なお、1,4−ビス(α−クロル−イソプロピル)ベンゼンはジクミルクロライドとも呼ばれる]。
イソブチレン系ブロック共重合体の重合に際しては、更に必要に応じて電子供与体成分を共存させることもできる。このような化合物として、例えば、ピリジン類、アミン類、アミド類、スルホキシド類、エステル類、又は、金属原子に結合した酸素原子を有する金属化合物等を挙げることができる。
実際の重合を行うに当たっては、各成分を冷却下、例えば−100℃以上0℃未満の温度で混合する。エネルギーコストと重合の安定性を釣り合わせるために、特に好ましい温度範囲は−80℃〜−30℃である。
またイソブチレン系ブロック共重合体の数平均分子量にも特に制限はないが、流動性、加工性、物性等の面から、30000〜500000であることが好ましく、50000〜400000であることが特に好ましい。
重合後のイソブチレン系ブロック共重合体を含有する重合体溶液は、水またはアルカリ水と接触させて、触媒を失活して反応を停止させた後、引き続き水洗を行い、触媒残査や金属イオンを抽出、除去して、精製ドープを得ることができる。
失活及び水洗温度は特に制限されるものではないが、常温〜100℃の範囲が好ましい。また、失活及び水洗に使用する水量は、特に限定されるものではないが、重合体溶液に対する水の体積比が1/10〜10の範囲が触媒失活の効率と生産性のバランスから好ましい。
このようにして得られた精製重合体溶液、すなわち触媒を失活、除去したイソブチレン系ブロック共重合体を含有する重合終了後の溶液をフラッシュ蒸発、薄膜式蒸発、撹拌槽、濡れ壁式等の蒸発機を単独あるいは複数用いることにより所望濃度の溶媒量にまで溶媒を除去することができる。このようにして得られたエラストマー樹脂はストランドカットあるいは水中カット方式により、それぞれ求められる形状のペレットに加工することができる。
図1は、ペレット化設備のフロー例である。
重合体は蒸発操作終了後の溶融状態のまま押出機1を経由してダイス2から押出される。ダイス面には高速で回転するカッターが密着しており、ダイス及びカッターは水中に位置する構造となっている。循環冷却水は冷却水タンク4から循環ポンプ5により循環する。冷却水タンク4にはシリコーンオイル水溶液を添加しておき、運転中は、以下の好ましい濃度になるように濃度管理を行い適宜追加するのが好ましい。循環冷却水は途中熱交換器6を経由することにより適宜温調されるようになっている。
重合体は蒸発操作終了後の溶融状態のまま押出機1を経由してダイス2から押出される。ダイス面には高速で回転するカッターが密着しており、ダイス及びカッターは水中に位置する構造となっている。循環冷却水は冷却水タンク4から循環ポンプ5により循環する。冷却水タンク4にはシリコーンオイル水溶液を添加しておき、運転中は、以下の好ましい濃度になるように濃度管理を行い適宜追加するのが好ましい。循環冷却水は途中熱交換器6を経由することにより適宜温調されるようになっている。
カットされたペレットは循環冷却水中を分散したスラリー状態で3の脱水乾燥機へ送られる。脱水乾燥機ではペレットと循環冷却水が分離され、かつペレット表面水の乾燥が行われる。乾燥ペレットは乾燥機上部の開口部より系外に排出される。分離された循環冷却水は脱水乾燥機3から再度冷却水タンク4に戻され再利用される。
図2はストランドカット方式のペレット化フローの例である。
重合体は蒸発操作終了後の溶融状態のまま押出機1を経由してダイス2から押出される。ダイス面は例えば直径2〜8mmの単一または複数の孔を有し、重合体は1本或いは数本のストランドで排出される。排出されたストランドは冷却水槽7で急冷された後、水槽8において再冷却されながらストランド表面にシリコーンオイルを付着させる。
重合体は蒸発操作終了後の溶融状態のまま押出機1を経由してダイス2から押出される。ダイス面は例えば直径2〜8mmの単一または複数の孔を有し、重合体は1本或いは数本のストランドで排出される。排出されたストランドは冷却水槽7で急冷された後、水槽8において再冷却されながらストランド表面にシリコーンオイルを付着させる。
水槽8には予めシリコーンオイル水溶液を添加しておき、運転中は、例えば、以下の好ましい濃度になるように濃度管理を行い適宜追加するのが好ましい。シリコーンオイルを付着させたストランドはペレタイザー9により円柱状のペレットにカッティングされた後、表面付着水を乾燥させる。
シリコーンオイルの例としては、一般的な末端メチル基のジメチルポリシロキサンオイルやメチル基の一部を有機官能基で置換した変性タイプなどが挙げられ、変性タイプとしては、アミノ変性、エポキシ変性、カルボキシル変性、アミノ/ポリエーテル変性などが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、あるいは2種以上組み合わせてもよい。
また、これらは乳化水溶液として用いることが好ましい。乳化水溶液にストランドを投入することによって、ブロッキング効果を向上させることができる。シリコーンオイル乳化液としての濃度は、特に制限はないが、固形分で0.01〜10%が好ましい。0.01%以下ではシリコーンオイルがブロッキング防止剤として十分に機能しない。また、10%を超えると重量体の物性低下が顕著になり好ましくない。
本発明で得られるスチレン系エラストマー樹脂ペレットは射出成形、押出し成形、カレンダー成形等、通常熱可塑性樹脂で用いられる成形法により成形することができる。また、エラストマー材料、樹脂、ゴム、アスファルト等の改質剤、制振材、粘着剤のベースポリマー、樹脂改質剤の成分として用いることができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
本実施例に示す重合体の分子量および引張強度は以下に示す方法で測定した。
分子量:Waters社製GPCシステム(カラム:昭和電工(株)製Shodex K−804(ポリスチレンゲル)、移動相:クロロホルム)。数平均分子量はポリスチレン換算で表記した。
得られた樹脂粉粒体のブロッキング性については、樹脂を100℃の箱型乾燥機で乾燥後、内径5cmのシリンダーに30g充填してピストンにて0.03MPaの荷重をかけて85℃雰囲気下2時間保管した後、えられたブロックを破壊するのに要した荷重をブロックの付着力(ブロッキング性)として評価した。ブロックが得られないほど付着力が低い(ブロッキング性が良好)場合には付着力を0kPaと表記した。
(製造例)
攪拌機付き20L反応容器に、1−クロロブタン(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)5.17kg、ヘキサン(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)0.45kg、p−ジクミルクロライド7.77gを加えた。反応容器を−70℃に冷却した後、N,N−ジメチルアセトアミド4.49g、イソブチレン1.29kgを添加した。さらに四塩化チタン33.9gを加えて重合を開始し、−70℃で溶液を攪拌しながら2時間反応させた。次いで反応溶液にスチレン552gを添加し、さらに30分間反応を続け、重合体溶液を得た。
攪拌機付き20L反応容器に、1−クロロブタン(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)5.17kg、ヘキサン(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)0.45kg、p−ジクミルクロライド7.77gを加えた。反応容器を−70℃に冷却した後、N,N−ジメチルアセトアミド4.49g、イソブチレン1.29kgを添加した。さらに四塩化チタン33.9gを加えて重合を開始し、−70℃で溶液を攪拌しながら2時間反応させた。次いで反応溶液にスチレン552gを添加し、さらに30分間反応を続け、重合体溶液を得た。
得られた重合体溶液を大量の水中へあけて反応を停止させた。反応停止後、分液ロートで重合体溶液相と水相を分離した。同様の方法で重合体溶液相の水洗を2回行った後、水層が中性になっているのを確認してから重合体溶液相を払い出し、重合体溶液を得た。
GPC分析を行ったところ、数平均分子量が66,000、分子量分布が1.28であった。
GPC分析を行ったところ、数平均分子量が66,000、分子量分布が1.28であった。
(実施例1)
上記重合体溶液を図2に示すベント口付き横型蒸発機に供給し、溶媒及び未反応モノマーの蒸発を行った。蒸発機の胴部ジャケット及びスクリューは熱媒で180℃に温度調節し、蒸発機内部は真空ポンプにより約0.013MPa以下の減圧状態を保持した。
上記重合体溶液を図2に示すベント口付き横型蒸発機に供給し、溶媒及び未反応モノマーの蒸発を行った。蒸発機の胴部ジャケット及びスクリューは熱媒で180℃に温度調節し、蒸発機内部は真空ポンプにより約0.013MPa以下の減圧状態を保持した。
蒸発後の重合体は、横型蒸発機に直結する2軸押出機に供給される。重合体は押出機に付帯するダイスを経由して直径6mm程度のストランドとして排出され、水槽で十分冷却させてから長さ約3mm程度のペレットに加工した。
このとき、水槽8には予めシリコーンオイル乳濁液(ダウコーニング社製DB−110N)を添加しておき0.6%水溶液とした。
これらを通して得られるペレットのブロッキング性を測定し、表1に示すように、得られたペレットはブロック化せず付着力は0kPaであった。
(実施例2)
水槽8に予めシリコーンオイル乳濁液(ダウコーニング社製C emulsion)を添加して0.6%水溶液とした以外は実施例1と同様に実施した。
水槽8に予めシリコーンオイル乳濁液(ダウコーニング社製C emulsion)を添加して0.6%水溶液とした以外は実施例1と同様に実施した。
表1に併せて示すように、得られたペレットはブロック化せず付着力は同様に0kPaであった。
(比較例1)
水槽8にシリコーンオイルを添加しない純水を投入した以外は実施例1と同様に実施した。
表1に併せて示すように、得られたペレットは強固にブロック化し、付着力は7.6kPaであった。
水槽8にシリコーンオイルを添加しない純水を投入した以外は実施例1と同様に実施した。
表1に併せて示すように、得られたペレットは強固にブロック化し、付着力は7.6kPaであった。
(比較例2)
水槽8に予め2%シリカ(日本アエロジル(株)社製#200)水溶液とした以外は実施例1と同様に実施した。
表1に併せて示すように、得られたペレットはブロック化し、付着力は6.0kPaであった。
水槽8に予め2%シリカ(日本アエロジル(株)社製#200)水溶液とした以外は実施例1と同様に実施した。
表1に併せて示すように、得られたペレットはブロック化し、付着力は6.0kPaであった。
実施例1,2および比較例1,2からわかるように、本発明にかかるエラストマー樹脂ペレットの製造方法によれば、ストランド等のブロッキングを効果的に防止することが可能である。
1:押出し機
2:ダイス
3:脱水乾燥機
4:冷却水タンク
5:循環ポンプ
6:熱交換器
7:冷却水槽1
8:冷却水槽2
9:ペレタイザー
2:ダイス
3:脱水乾燥機
4:冷却水タンク
5:循環ポンプ
6:熱交換器
7:冷却水槽1
8:冷却水槽2
9:ペレタイザー
Claims (4)
- シリコーンオイルを含有する水溶液中にスチレン系エラストマー樹脂ストランドまたはペレットを浸漬することを特徴とするエラストマー樹脂ペレットの製造方法。
- シリコーンオイルを含有する水溶液がシリコーンオイル乳化水溶液であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
- シリコーンオイルを含有する水溶液がシリコーンオイル固形分0.01〜10%であることを特徴とする請求項2に記載の製造方法。
- スチレン系エラストマー樹脂が、(A)イソブチレンを主体として構成される重合体ブロックと(B)芳香族ビニル系単量体を主体として構成される重合体ブロックからなる重合体である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20170030468A (ko) | 2014-08-01 | 2017-03-17 | 카타야마 케미칼, 인코포레이티드 | 수지 펠릿의 제조 방법 |
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