JP2007021286A - 有機リン化合物を含有する排水の処理方法 - Google Patents

有機リン化合物を含有する排水の処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 排水からリン化合物を効率的に除去することができ、排水中のリン含有量を規制基準値以下に希釈するための希釈水の使用量をより少なくし得る排水処理方法の提供。
【解決手段】 一般式(2)の化合物の製造時に発生する、一般式(1)の化合物[式(1)、(2)において、R1、R2、R3、R4、R5は、各々独立して、水素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。ただし、R1とR2がともに水素原子である場合、R3とR4とR5がともに水素原子である場合は除外する。]を含有する排水のpHをアルカリ性領域にてカルシウム化合物を添加溶解して有機リン化合物とカルシウム化合物とを反応結晶化させる工程、塩化ナトリウムを添加し塩析によって反応結晶化物を粗大粒子化させる工程、及び粗大粒子化物を濾過除去する工程とからなることを特徴とする有機リン化合物を含有する排水の処理方法。
【化1】
Figure 2007021286

【化2】
Figure 2007021286

【選択図】 なし

Description

本発明は、有機リン化合物を含有する排水の処理方法に関する。
リンを含有する排水が湖沼などの閉鎖性水域に排出されると、富栄養化源となり、水質悪化の原因となる。環境意識の高まりとともに、排水中のリン含有量は厳しく規制されている。このため、排水中にリン含有量が多い場合は、放流前に排水のリン含有量を基準値以下となるよう希釈水で希釈するか、リン化合物を事前に排水から除去する等の手段を採る必要がある。
一般に、放流前の排水中に含まれるリン化合物を除去する方法としては、生物処理法、凝集沈殿法、吸着法、晶析法等が知られており、これらの中でも、系外に排出されるリン含有物の量をより少なくし得る晶析法が注目されている。
例えば、特許文献1には、亜リン酸又はその塩を含む排水中にカルシウム化合物及びアルカリ金属の水酸化物を添加してヒドロキシアパタイト類似物質を析出させ、更に該析出液のpHを中性前後ないしは弱アルカリ性にして濾過して亜リン酸又はその塩を析出除去する方法が記載されている。
また、特許文献2には、晶析法の晶析プロセスにおいて粉砕したリン鉱石を結晶種として使用して結晶成長させる方法、また、リン含有排水をカルシウムイオンの存在下、pH値が9〜11の範囲で析出させたリン酸カルシウムを無機質多孔体に接触させ、無機質多孔体の細孔に捕捉させることにより結晶成長点を増やし析出反応を促進させる方法が記載されている。
特開平9−24378号公報 特開2003−94071号公報
有機リン酸エステル系化合物を製造する工場では、該化合物の製造に際して有機リン化合物を含有する排水が発生する。しかしながら、リン酸イオンや亜リン酸イオンなどの無機リン化合物と異なり、有機リン化合物では晶析法によるリン化合物の除去が難しいため、リン成分の除去効率は未だ十分とはいえず、更なる除去効率の向上が可能な技術開発が望まれている。
このため従来は、有機リン化合物を含有する排水を放流する場合、事前に鉄系凝集剤である塩化第二鉄の添加により排水を処理し、更に希釈水を添加して排水を希釈することで、リン含有量を規制基準値以下にしていた。しかし、鉄塩処理後の排水は黄色に着色する傾向があること、また、鉄塩処理では排水中の有機リン化合物が沈殿物を形成し難いためにリンを除去する能率が低いといった問題がある。
希釈水で希釈する場合、排水中のリン含有量が多いと、規制値以下にするための希釈水の量も必然的に多くなり、排水処理費が大きくなる問題がある。このため有機リン酸エステル系化合物の製造工場においても、希釈水の使用量が少なくて済むよう放流前の排水から有機リン化合物を効率的に除去できる有効な技術が望まれている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、有機リン酸エステル系化合物を製造する際、排水中に含有する有機リン化合物を効率的に除去する排水処理方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意研究した結果、本発明の完成に到ったものである。本発明は、纏めると次の発明を包含する。
請求項1に記載の発明は、一般式(2)に示される有機リン酸エステル系化合物の製造時に発生する、一般式(1)に示される有機リン化合物を含有する排水のpHをアルカリ性領域にてカルシウム化合物を添加溶解して前記有機リン化合物と前記カルシウム化合物とを反応結晶化させる工程、塩化ナトリウムを添加し塩析によって反応結晶化物を粗大粒子化させる工程、及び粗大粒子化物を濾過除去する工程とからなることを特徴とする有機リン化合物を含有する排水の処理方法である。
Figure 2007021286
(式(1)において、RとRは、各々独立して、水素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。ただし、RとRとがともに水素原子である場合は除外する。)
Figure 2007021286
(式(2)において、RとRとRは、各々独立して、水素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。ただし、RとRとRとがともに水素原子である場合は除外する。)
請求項2に記載の発明は、前記有機リン酸エステル系化合物が、オルソビフェニルジフェニルホスフェート組成物であることを特徴とする請求項1に記載の有機リン化合物を含有する排水の処理方法である。
請求項3に記載の発明は、処理対象排水が、前記式(1)に示される有機リン化合物の他に、該有機リン化合物とは異なる他のリン化合物を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の有機リン化合物を含有する排水の処理方法である。
請求項4に記載の発明は、前記他のリン化合物が、正リン酸又は亜リン酸であることを特徴とする請求項3に記載の有機リン化合物を含有する排水の処理方法である。
請求項5に記載の発明は、前記カルシウム化合物を添加する際の排水のpHが、8〜12であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機リン化合物を含有する排水の処理方法である。
請求項6に記載の発明は、前記カルシウム化合物が塩化カルシウムであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の有機リン化合物を含有する排水の処理方法である。
請求項7に記載の発明は、処理対象排水中のリン化合物と該排水に添加するカルシウム化合物とのモル比が、1:1.7〜1:2.0であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の有機リン化合物を含有する排水の処理方法である。
本発明の排水処理方法は、一般式(2)に示される有機リン酸エステル系化合物の製造時に発生する、一般式(1)の有機リン化合物を含有する排水に対し、アルカリ性領域にてカルシウム化合物を添加溶解することを第1工程とし、この工程を採ることで該カルシウム化合物とリン化合物との反応結晶化が生じる。次いで食塩の添加により塩析することを第2工程とする。この塩析工程を採ることで、第1工程で析出成長した結晶化物を更に粗大粒子化させることができる。更に濾過除去することを第3工程とし、この工程で該粗大粒子化物が放流排水から除去される。
本発明は、上記の3つの工程を構成要件とするため、一般式(1)の有機リン化合物とカルシウム化合物との結晶化率、析出成長化率、粗大粒子化及び濾過効率が高く、結果としてリンの除去効率も98パーセント以上の極めて高い効果が得られる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
本発明において排水からの除去を意図する有機リン化合物は、上記一般式(1)に該当する正リン酸の酸性エステル、1種又は複数種の混合物である。式(1)においてRとRは、各々独立して、水素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。ただし、RとRとがともに水素原子である場合(正リン酸)は有機リン化合物でないので除外する。
本発明において、上記一般式(1)に示される有機リン化合物は、上記一般式(2)に示される有機リン酸エステル系化合物の製造時に発生する有機リン化合物である。ここで有機リン酸エステル系化合物とは、上記一般式(2)に該当する正リン酸の中性エステル及び/又は酸性エステル、1種又は複数種の混合物である。式(2)においてRとRとRは、各々独立して、水素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。ただし、RとRとRとがともに水素原子である場合(正リン酸)は有機リン酸エステル系化合物でないので除外する。
上記式(1)及び上記式(2)において、低級アルキル基とは、炭素数が1〜4の直鎖または分枝を有するアルキル基である。具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基などが挙げられる。
シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基、3−メチルシクロヘキシル基などが挙げられる。
アリール基としては、フェニル基、オルソビフェニル基、パラビフェニル基、トリル基(クレジル基ともいう。)、ナフチル基などが挙げられる。
更に、アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基などが挙げられる。
本発明を特に限定するものではないが、一般式(2)の有機リン酸エステル系化合物の具体例としては、オルソビフェニルジフェニルホスフェート組成物が挙げられる。ここで、オルソビフェニルジフェニルホスフェート組成物とは、トリフェニルホスフェート、オルソビフェニルジフェニルホスフェート、ビス(オルソビフェニル)フェニルホスフェート及びトリス(オルソビフェニル)ホスフェートの4種の成分からなり、このうちオルソビフェニルジフェニルホスフェートが主成分である組成物である。
一般式(2)に該当する有機リン酸エステル系化合物の他の例としては、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリブチル、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸ジフェニルクレジルなどが挙げられる。
一般式(2)の有機リン酸エステル系化合物の製造時には、一般式(1)の有機リン化合物を含有する排水が発生する。例えば、オルソビフェニルジフェニルホスフェート組成物の場合、RとRとRは、各々独立して、オルソビフェニル基又はフェニル基である。この場合に発生する排水には、一般式(1)において、RとRとが各々独立して、オルソビフェニル基、フェニル基、又は水素原子である有機リン化合物が含有される。
一般式(1)の有機リン化合物含有の排水中のリン濃度は、数百ppmから数%の範囲に分布しているが、とりわけ、500ppmから約5%の範囲のものが本発明の排水処理法を適用するのに望ましい。
一般式(1)の有機リン化合物含有の排水には、正リン酸(HPO及びそのイオン)、亜リン酸(HPO及びそのイオン)等、他のリン化合物を含有する排水が混合した排水に対しても、本発明の排水処理方法を適用することが可能である。混合後の排水中の有機リン化合物と無機リン化合物の重量割合は、いかなる重量割合のものにも本発明を適用することができる。
本発明の排水処理方法に使用されるカルシウム化合物としては、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、塩化カルシウムといったものが使用可能である。これらの内でも、水溶性のカルシウム化合物である塩化カルシウム(CaCl)が最も好ましい。晶析法においてカルシウム化合物の添加量は、ヒドロキシアパタイトの分子式Ca10(PO(OH)からみて、理論上、リン酸1モルに対して1.7モルのカルシウム、特に好ましくは約2モル分のカルシウムが必要である。
そこで、本発明において、一般式(1)に示される有機リン化合物に対してカルシウム化合物を添加する場合も、必要な下限値は、従来法で用いられるカルシウム量から推定できる。すなわち、処理対象排水中のリン化合物に対して添加するカルシウム化合物のモル比は、リン化合物1モル当たりカルシウム1.7〜2.0モルとなるモル比(1:1.7〜1:2.0)の範囲が好ましい。
なお、想定するリン除去率によっては、リン化合物1モル当たりのカルシウム化合物の添加量が1.7モルを下回っても良い。また、リン化合物1モル当たりカルシウム化合物の添加量が2.0モルを超える場合、リン化合物の除去率に特に悪影響を与えるわけではないが、経済的な観点から、添加量をあまり過剰としないことが望ましい。リン化合物1モル当たりのカルシウム化合物の添加量を例えば3モル又は4モルと増やしても、過剰分のカルシウム分はリン除去率に寄与せず、濾液中のリン濃度は殆ど変わらない。
カルシウム化合物と式(1)に示す有機リン化合物との反応による結晶化は、pHが8以上の場合に起こることから、排水のpHが8未満である場合、予め排水のpHをアルカリにてpH8〜12の範囲、特に好ましくはpH10付近に調整してからカルシウム化合物を添加するのが望ましい。本発明において、排水をアルカリ性に調整するために使用されるアルカリ(アルカリ性物質)としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物が挙げられる。
排水のpHをアルカリ性領域、好ましくはpH8〜12の範囲に調整してカルシウム化合物を加え攪拌すると、撹拌条件下にてカルシウム化合物とリン化合物との反応が起こり、系が次第に白濁(結晶)化してくる。因みに、カルシウム化合物を加える際の排水のpHが8未満の場合は、カルシウム化合物とリン化合物との反応による結晶化が不十分であり、リン化合物の除去効率を高めることができない。
また、カルシウム化合物の添加後、結晶化した物質をそのまま濾過除去した場合、リン化合物を十分に排水中より析出させることができず、リン除去率は低下する。従って、本発明においては、更に塩化ナトリウム(食塩)を添加して塩析工程を行う。これにより、結晶化物は析出成長して、粗大粒子化してくる。粗大粒子化した物質を濾過除去することにより、有機リン化合物を含有する排水のリン除去率を大幅に改善することができる。塩析工程における食塩の添加量は、大過剰の食塩は経済的な面で不適切なので、系内を飽和食塩水に近づけるくらいで充分である。食塩投入後は、作業性に影響を及ぼさない範囲で、30分から1時間程、撹拌し続けることが好ましい。
以上説明したように、一般式(2)に示される有機リン酸エステル系化合物の製造時に発生する、一般式(1)に示す有機リン化合物を含有する排水に対して、アルカリ性領域にてカルシウム塩処理を施し、更に塩析処理及び濾過除去を行うことにより、作業性良く、かつ極めて高いリン除去率にて、有機リン化合物を含む排水の処理を行うことができる。
以下、実施例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。なお、以下の実施例において「%」及び「ppm」は、特に断らない限り、質量百分率及び質量百万分率を表すものとする。
[実施例1]
(有機リン酸エステル系化合物の製造)
攪拌機、温度計、塩酸回収装置、及びコンデンサー(冷却水5℃)を備えた3リットル反応装置に、フェノール786.7g(8.36モル)、オルソフェニルフェノール680.8g(4モル)、オキシ塩化リン613.2g(4モル)、塩化マグネシウム6gを充填し、釜温130℃から8時間かけて190℃まで昇温した。
その後、釜温190℃、真空度100torrで2時間熟成、次いで着色を避けるために窒素雰囲気下で100℃まで冷却し、オルソビフェニルジフェニルホスフェート組成物(以下、BDPと略す。)を1609.8g得た。
該BDP粗生成物にキシレン1000gを添加した後、濃度5重量%の塩酸水溶液300gを添加し、80℃にて30分間水洗撹拌を行った。30分間静置して、分液した後、10%炭酸ナトリウム水溶液300gを添加して、80℃にて中和分液を行い、更に80℃の精製水400gで洗浄し、水層とBDP粗生成物とに分離した。
該BDP粗生成物について、常圧から50torrの間、150℃で2時間加熱して溶媒を除去し、次いで真空ポンプによる蒸留精製を行った結果、得られたBDPの収量は1445.6g、収率は88%であった。
(有機リン化合物を含有する排水の処理)
この有機リン酸エステル系化合物であるBDPを製造する際に生じた排水1000g(COD25100ppm、リン濃度1300ppm)を処理するため、48%水酸化ナトリウム水溶液を1.7g添加して、pHを10に調整し、撹拌条件下で35%塩化カルシウム水溶液23gを加えた。すると、塩化カルシウムと排水中のリン化合物との反応が起こり、次第に白濁した。このことから結晶化物が生成したことが分かる。
次に、食塩308gを添加し、塩析処理により結晶化物を更に析出・成長させて粗粒子化させた。食塩添加後、30分間撹拌し続けてから、アスピレーターによる減圧下、直径5cmのヌッチェにて粗粒子化した結晶化物を濾過した。濾液についてJIS0102記載の方法にてCOD及びリン濃度を分析したところ、COD1000ppm、リン濃度0.4ppmという結果が得られた。
[比較例1]
有機リン化合物含有排水として、実施例1と同様にBDPの製造に際して生じた排水(COD25100ppm、リン濃度1300ppm)1000gに対し、撹拌条件にて38.9%塩化第二鉄(FeCl)水溶液9.1gを加えると、薬剤添加とともに凝集沈殿が生じた。薬剤添加後、30分間撹拌を継続し、以降は撹拌を止めて静置、そのままの状態で一晩放置した。翌日、アスピレーターによる減圧下、直径5cmのヌッチェにて凝集沈殿物を濾過した。濾液についてJIS0102記載の方法にてCOD及びリン濃度を分析したところ、COD17000ppm、リン濃度800ppmという結果が得られた。
[比較例2]
有機リン化合物含有排水として、実施例1と同様にBDPの製造に際して生じた排水(COD25100ppm、リン濃度1300ppm)1000gに対し、48%水酸化ナトリウム水溶液、35%塩化カルシウム水溶液添加までは同様の処理を行い、ただし食塩による塩析を行わず、析出した結晶を濾過除去した。すなわち、アスピレーターによる減圧下、直径5cmのヌッチェにて析出物を濾過した。濾液についてJIS0102記載の方法にてCOD及びリン濃度を分析したところ、COD15000ppm、リン濃度600ppmという結果が得られた。
[実施例及び比較例の結果の比較]
表1に示すように、実施例では、排水のCOD及びリン濃度を大幅に低下できた。この結果から、本発明によって排水中に含まれる有機リン化合物を効率よく除去することができることは、明らかである。
Figure 2007021286
本発明の排水処理方法によれば、従来のそれに比べて処理後の濾液中のリン濃度を、劇的に減らすことができて、放流排水中のリンの含有量を規制基準値以下にするための希釈水の使用量を大幅に減らすことができる。

Claims (7)

  1. 一般式(2)に示される有機リン酸エステル系化合物の製造時に発生する、一般式(1)に示される有機リン化合物を含有する排水のpHをアルカリ性領域にてカルシウム化合物を添加溶解して前記有機リン化合物と前記カルシウム化合物とを反応結晶化させる工程、塩化ナトリウムを添加し塩析によって反応結晶化物を粗大粒子化させる工程、及び粗大粒子化物を濾過除去する工程とからなることを特徴とする有機リン化合物を含有する排水の処理方法。
    Figure 2007021286
    (式(1)において、RとRは、各々独立して、水素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。ただし、RとRとがともに水素原子である場合は除外する。)
    Figure 2007021286
    (式(2)において、RとRとRは、各々独立して、水素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。ただし、RとRとRとがともに水素原子である場合は除外する。)
  2. 前記有機リン酸エステル系化合物が、オルソビフェニルジフェニルホスフェート組成物であることを特徴とする請求項1に記載の有機リン化合物を含有する排水の処理方法。
  3. 処理対象排水が、前記式(1)に示される有機リン化合物の他に、該有機リン化合物とは異なる他のリン化合物を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の有機リン化合物を含有する排水の処理方法。
  4. 前記他のリン化合物が、正リン酸又は亜リン酸であることを特徴とする請求項3に記載の有機リン化合物を含有する排水の処理方法。
  5. 前記カルシウム化合物を添加する際の排水のpHが、8〜12であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機リン化合物を含有する排水の処理方法。
  6. 前記カルシウム化合物が塩化カルシウムであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の有機リン化合物を含有する排水の処理方法。
  7. 処理対象排水中のリン化合物と該排水に添加するカルシウム化合物とのモル比が、1:1.7〜1:2.0であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の有機リン化合物を含有する排水の処理方法。
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JP2014527905A (ja) * 2011-09-01 2014-10-23 セラニーズ・インターナショナル・コーポレーション 有機リン酸類の減少

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