JP2007020835A - リハビリ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明のリハビリ装置は、視覚入力により麻痺を伴う肢部を患者自身が動かしているという感覚(動作主感覚)がリハビリテーションへ与える効果があり、実際の運動に伴う運動覚などの脳への入力も起こるため、高いリハビリ効果がある。本発明は、脳卒中の後遺症などにより身体の一部が麻痺した患者のリハビリのための装置であって、患者に麻痺した身体部分の正常な動きを見せる視覚刺激装置、身体駆動装置、患者の生体信号を検知する手段、及び検知した生体信号から身体を駆動させるためのデータを生成する手段、及び生成されたデータを身体駆動装置に送信する手段から成り、該生体信号の検知又は外部信号をトリガーとして、該視覚刺激装置と協調して該身体駆動装置が患者に見せる身体部分の動きと同じ動きを強制的に開始し、一定時間その動きを継続するようにプログラムされたリハビリ装置である。
【選択図】 図1
Description
このような研究結果として、麻痺のある部位を患者自身が動かしているという感覚(動作主感覚)が大きいほど、感覚運動統合を行うと考えられている領域が活動することが知られており(非特許文献1)、こうした領域が随意運動に重要であり(非特許文献2)、さらに、その領域はリハビリの効果があった患者の初期によく活動することが分かっている(非特許文献3)。
また具体的なリハビリの方法や装置として、随意運動している健常側を鏡で写し、麻痺側が動いているような視覚入力を与えると、リハビリ効果があがることが分かっている(非特許文献4)。更に、患っている手指を強制的に動かす装置(特許文献1)や、患者の意志に基づいて麻痺した手指を動作させる装置(特許文献2)などが開発されている。
その他、手指を動かそうとする意思を、脳波の運動準備電位より捕らえようとする研究も行われている(非特許文献5,6)。
また本発明のリハビリ装置と、非侵襲脳機能計測と組み合わせ、新たな装置を構成することができる。非侵襲脳機能計測法によって得られる特定の領域の脳活動と、動作主感覚及びリハビリ効果の関係に着目し、最適なリハビリ内容の選択に用いることができる。適切なリハビリ運動を選択することによりリハビリ促進効果が期待される。
生体信号を利用しない場合は、音などの外部信号を利用し、この信号をトリガーとして、身体駆動装置が該視覚刺激装置が患者に見せる身体部分の動きと同じ動きを強制的に開始する。
本発明は、更に、前記リハビリ運動に関連する脳領域の脳活動を検知する手段を備え、検知した脳活動の解析結果を前記データにフィードバックさせ、それに応じてリハビリ運動を選択することを含む上記のリハビリ装置である。
リハビリには、いくつかの運動が考えられるが、患者の症状に応じて最適な運動が存在する。その最適な運動を選択するために、リハビリ中の脳活動を非侵襲脳機能画像法(PET、fMRI、EEGなど)にて計測し、これをリハビリや動作主感覚効果との関係に注目し解析して解析を行ない。その解析結果からより適したリハビリ運動を選択する。
a)患者の一部が麻痺し、動作に不自由があるが、ある程度は動かすことができる場合は、身体駆動装置に取り付けられているセンサーからの信号を計算機に取り込む。センサーとしてはStrinGlove(NI帝人商事株式会社, http://www2.ni-teijinshoji.co.jp/news/050616.html)を用いることができる。即ち、各関節に、紐を取り付け、手首部分に、紐の長さを測定する装置を装備する。回転する軸に、紐が巻き付けてあり、紐の繰り出し量を軸の回転数と方向により検出する。関節が曲がることにより、手首までの紐の長さが変化する。紐の長さの変化から関節の曲がり角度を計測することが可能となる。
b)患者の身体の一部が麻痺し、自発的に麻痺部位を動かすことができない場合は、例えば脳波を計測し、運動に関する生体信号(運動をしようと意図すると運動に先立って信号が生ずる)を用いる。脳波計より出る電気信号をA/Dコンパータを介してデジタル信号として、計算機に取り込む。又は、健常側を同時に動かす運動をリハビリ運動とし、健常側の動作を検出する方法もある。
さらに本装置は、患者の生体信号をトリガーとして利用できない場合は、外部同期信号を用いてトリガーとして利用する。外部同期信号としては、例えば2秒ごとに「ピッ」という音を提示し、その音のリズムに合わせて患者にリハビリ運動をさせる。音の提示と同時に身体駆動装置を動作させず、人が音を聞いてから動作に至る遅れ時間分を考慮して、身体駆動装置を動作させる。
対象とするリハビリ運動としては、両手で同時に行う手指対向運動とする。特にここでは、第2指と第1指との対向運動とする。
視覚刺激としては、まず実際の患者の健側の運動を、患者の視点よりデジタルビデオで撮影して準備する。この画像を、PCなどに取り込み、健常側を、左右反転させ、麻痺側の映像として合成する編集をする。これにより健側、麻痺側が共に滑らかに動いているような映像を作り、視覚刺激とする。
自然な画像が生成できないばあいは、麻痺側をCGで作成して、合成するという手段も考えられる。
この視覚刺激、及び身体駆動装置による両手手指対向運動は、それぞれ同期させて患者へと呈示するわけであるが、この同期信号をとらえる手段としては、例えば、患者の患側の手指の関節角や位置、角速度などの運動の物理量を検出する手段が挙げられる。例えば、運動の開始時点に関しては、関節角や位置、角速度などの運動の物理量の変化量が閾値を越えることで捉えることができる。
検知した該運動開始時点の信号は、同期信号として、視覚刺激装置、及び身体駆動装置へと送り、それぞれを同期させて患者へと呈示する。あらかじめ、運動のパターンを用意しておき、それを繰り返し行なうことにより、リハビリ運動とする。
また、本発明のリハビリ装置と、非侵襲脳機能計測装置を組み合わせ、新たな装置を構成することができる。この装置の操作の流れを図3に示す。複数の視覚刺激、運動パターン(リハビリ運動)を作成する。各回においてリハビリ運動中の脳活動の非侵襲計測を行う。提示したリハビリ運動の中で最も脳活動の上昇したものがその患者にとっての最適なリハビリ運動となる。
患者自身の生体信号を利用できない場合は、外部信号を用いて図4に示す流れ図に沿ってリハビリ運動を行なうことができる。
Claims (2)
- 脳卒中の後遺症などにより身体の一部が麻痺した患者のリハビリのための装置であって、患者に麻痺した身体部分の正常な動きを見せる視覚刺激装置、身体駆動装置、患者の生体信号を検知する手段、及び検知した生体信号から身体を駆動させるためのデータを生成する手段、及び生成されたデータを身体駆動装置に送信する手段から成り、該生体信号の検知又は外部信号をトリガーとして、該視覚刺激装置と協調して該身体駆動装置が患者に見せる身体部分の動きと同じ動きを強制的に開始し、一定時間その動きを継続するようにプログラムされたリハビリ装置。
- 更に、前記リハビリ運動に関連する脳領域の脳活動を検知する手段を備え、検知した脳活動の解析結果を前記データにフィードバックさせ、それに応じてリハビリ運動を選択することを含む請求項1に記載のリハビリ装置。
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