JP2007019998A - 画像記録装置の画像処理システム、及びその画像処理システムの階調補正方法 - Google Patents

画像記録装置の画像処理システム、及びその画像処理システムの階調補正方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 従来の画像記録装置においては、画像データの入力階調に対し、非線形な出力階調特性を有する濃度むら補正を行なうことができず、装置固有の特性から生じる微細な調整を必要とする濃度むらを高精度に補正することができなかった。
【解決手段】 階調補正部121は、階調変換部11から出力された階調値(画像データd1)と補正処理対象となっている記録ヘッド13のインク吐出口に対応した画素の補正値を、補正値記憶部202から読み出し階調再変換部122へ出力する。階調再変換部122は、この補正値に遅延部303内の小数成分を加算し、この加算結果の整数成分を記録ヘッド13に、小数成分を遅延部303に出力する。これにより、記録ヘッド13は、濃度むらが高精度に補正された画像記録を行なう。
【選択図】 図1

Description

本願発明は、多数のインク吐出口を有する記録ヘッドを用いて入力画像データに基づいて画像を記録する画像記録装置に関する。
プリンターや複写機等の画像記録装置としては、インクジェット記録方式、感熱記録方式、熱転写記録方式などの記録方式のものが現在使用されている。これらのうちインクジェット記録方式のものは、記録ドットを形成するためのインク吐出口が略直線状に多数配置された記録ヘッドが用いられている。
このような記録ヘッドを用いて画像を形成する方法には、記録ドットの密度によって中間階調を表現する2値記録方式や、各記録ドットが3つ以上の濃度を表現でき、より滑らかな中間階調表現が可能な多値記録方式などがある。
図21は、インクジェット記録方式の画像記録装置の記録ヘッドをインク吐出面の方向から見た図である。
同図において、記録ヘッドには、インク吐出面101にインク吐出口102が分布幅103に亘って略直線状に多数形成されている。
このような記録ヘッドを用いた画像記録装置では、各装置固有の特性、特に記録ヘッドの物理的特性を要因とする濃度むらが記録画像に生じることがある。
例えばシリアル型(キャリッジスキャン方式)、又はフルライン型(固定ヘッド方式)の画像記録装置で用いられるインクジェット記録方式の記録ヘッドでは、その構造上の性質として、直線状に形成されたインク吐出口の両端における数個のインク吐出口による記録ドットの記録濃度が、他のインク吐出口による記録ドットに対し濃くなる場合がある。
図22は、記録ヘッドに設けられた各インク吐出口に対して同じ濃度を示す画像データを入力して記録した場合における記録画像の濃度分布を模式的に示したものである。
同図の横軸は、インク吐出口の位置を示しており、範囲105が図21のインク吐出口の分布幅103に対応する。また縦軸は、各インク吐出口による記録ドットの記録濃度を示している。
図22の曲線104に示されるように、記録ヘッドのインク吐出面に形成される複数のインク吐出口によって記録される各記録ドットの濃度は、記録ヘッドの両端に形成される数個のインク吐出口に対応する記録ドットが他の部分のインク吐出口に比べ濃くなる場合がある。また、この濃度が濃くなる程度は、記録濃度の階調によってそれぞれ異なるという特性を持つ。
このため、例えばシリアル型の画像記録装置では、全画像データの一部分における所定ライン数の画像データを、キャリッジが主走査方向に走査して画像記録した際の記録画像と、この記録画像に対し、副走査方向に連続して画像記録される記録画像(キャリッジが副走査方向に所定の距離に移動した後に、再びキャリッジが主走査方向に走査して画像記録した際の記録画像)と、の境界位置において、濃度むらが生じ記録画像の画質が劣化する虞がある。
また、例えば主走査方向の1ラインの幅以上に複数のインク吐出口におけるノズル列が形成されるように、複数の短尺記録ヘッドを副走査方向の前後で交互に配置するフルライン型の画像記録装置では、1ライン画像データを各短尺記録ヘッドが分割記録した際の主走査方向のつなぎ目において、濃度むらが生じ記録画像の画質が劣化する虞がある。
図23は、記録ヘッドの全インク吐出口に対し、同じ濃度(同じ階調)を示す画像データ(ベタの画像データ)に基づいて分割記録した画像の一部分を模式的に示したものである。
同図中の幅106及び107の範囲は、シリアル型の画像記録装置では1回の走査によって記録される範囲に対応し、フルライン型の画像記録装置では、2つの記録ヘッドによって記録される範囲に対応している。
同図中の108は、隣接する記録ヘッドの端部によって記録された部分を示すものであり、この108の部分が、周辺部分に比べ濃度が濃くなっていることを示している。ヘッド端部のインク吐出口における濃度が濃くなる度合いは、記録する階調(インクドロップ回数)により異なる。従って、このヘッド端部のインク吐出口に対するインク量可変による濃度補正では、記録する階調によって補正量は異なり、例えば図24の特性曲線109,110のような傾向を示す。図24において、横軸は画像データの記録階調を示しており、縦軸は濃度むらをなくすためのインク量の適正補正量を示している。この適正補正量は、記録ヘッドの端部のインク吐出面におけるインク吐出口の形成位置によっても異なり、同図特性曲線109,110は、異なる位置の各インク吐出口による特性曲線がそれぞれ示されている。
ここで、画像記録装置の記録ヘッドが表現できる記録ドットの階調数は、一般に画像記録のために入力される画像データの階調数より少ないため、画像記録装置の画像データ処理部により階調数の少ない画像データに変換されている。
これにより、濃度むらの発生原因が例えば記録ヘッドの各インク吐出口における記録特性の不均一である場合には、画像記録する画像データを、この各インク吐出口における記録特性の不均一を打ち消すように予め補正することで濃度むらを抑制することができる。
このためには、入力される画像データの階調数を縮退させる前に補正を行なうためのホストコンピュータ等を必要としていた。
このような従来の課題を解決する方法としては、特許文献1に記録ヘッドのインク吐出面に形成される各インク吐出口の位置によって、異なる補正を行なう2値記録方式の画像処理装置が開示されている。
この特許文献1に記載の画像処理装置では、記録ヘッドの各インク吐出口の位置によって異なる濃度補正を行なうために、入力される2値画像データを各インク吐出口位置に基づいて補正を行った多値データに変換し、この多値データを再び2値化した当該2値化データに基づいて画像記録を行なっている。
この特許文献1では、入力2値データに対しインク吐出口位置に対応した濃度補正値を再び2値化して画像記録することにより、インク吐出口位置によって異なる画像記録濃度のむらを補正している。
特許第3059457号公報(第1図、第3頁右段落第9行目〜第4頁左段落第9行目)
しかしながら、特許文献1に記載の画像処理装置の方式は、入力画像データが2値データであることが前提の補正方式であり、濃度と階調が線形に変化することを前提とした補正方式である。
従って、この補正方式は、3値以上の階調を有する画像データに対して、各階調毎に補正量が出来ず、濃度と階調が非線形な関係を有する濃度むらを高精度に補正することはできない。
一般に写真などの画像データは、256程度の階調を有すると共に、各階調において、非線形な濃度むら特性を有する場合が多い。従って、このような画像データに対しては、特許文献1のような256階調程度の画像データを誤差拡散法などで2値化(2階調化)してから、2種の補正量で濃度むらを補正する方法だけではなく、3値以上の線形、又は非線形な濃度むらの特性を有する画像データに対応した補正方式が必要となる。
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、非線形な濃度むらに対しても高精度に補正することが可能な画像記録装置が備える画像処理システム、及びその画像処理システムの階調補正方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の画像記録装置が備える画像処理システムは、記録媒体に画像記録するための画像データd0を、3値以上の階調値に階調変換する階調変換部、複数のインク吐出口を有する少なくとも1つの記録ヘッド、及び記録媒体又は記録ヘッドの少なくとも一方を相対移動させる少なくとも1つの駆動機構を備え、階調変換部、記録ヘッド、及び駆動機構を少なくとも制御する制御部を有する画像記録装置が備える画像処理システムであって、制御部により制御された階調変換部によって、画像データd0が3値以上の階調値に階調変換された後の画像データd1を階調補正して、画像データd2を生成する階調補正部と、階調補正された後の画像データd2を、再び画像記録可能な画像データd2-1に少なくとも変換する再階調変換部と、を具備することを特徴とする。
また、本発明の画像記録装置が備える画像処理システムの階調補正方法は、記録媒体に画像記録するための画像データd0を、3値以上の階調値に階調変換する階調変換部、複数のインク吐出口を有する少なくとも1つの記録ヘッド、及び記録媒体又は記録ヘッドの少なくとも一方を相対移動させる少なくとも1つの駆動機構を備え、階調変換部、記録ヘッド、及び駆動機構を少なくとも制御する制御部を有する画像記録装置が備える画像処理システムの階調補正方法であって、画像データd0を3値以上の階調値に階調変換した後の画像データd1に対し、画像データd1の階調値、及び記録ヘッドにおける複数のインク吐出口の各インク吐出口位置にそれぞれ対応した複数の補正値により画像データd1を補正して画像データd2を生成し、画像データd2に基づき順次補正処理して生成する複数の画素データにおいて、現在処理中の1画素に対応する画素データをそれぞれ整数成分の画像データd2-1と小数成分の画像データd2-2とに分離して当該画像データd2-2を一時記憶し、画像データd2-1に基づいて1画素に対応した記録ヘッドのインク吐出口により画像記録を行い、画像データd2より後に補正処理される1画素に隣接する隣接1画素、又は1画素の周辺に位置する複数の周辺画素に対し、一時記憶された画像データd2-2を加算し、加算した結果を再び分離して得られた画像データd2-1に基づいて、隣接1画素、又は周辺画素における1画素に対応した記録ヘッドのインク吐出口により画像記録を行うことを特徴とする。
本発明は、非線形な濃度むらに対しても、高精度な濃度むらの補正が可能な画像記録装置が備える画像処理システム、及びその画像処理システムの階調補正方法を提供することができる。
以下、図面を参照して本願発明の実施形態について詳細に説明する。
図1には、本願発明に係る画像記録装置、及び画像記録装置が備える画像処理システムの概念的な構成が示されている。
同図中、外側の2点鎖線に囲まれる部分は、画像記録装置16の全体構成を示しており、階調変換部11、少なくとも1つの記録ヘッド13、少なくとも1つの駆動機構15、及び画像処理システム12を備えており、さらに少なくともこれらを制御する制御部14を有する。また、内側の2点鎖線に囲まれる部分には、画像記録装置16が備える本願発明の画像処理システム12が示されており、階調補正部121及び階調再変換部122を備える。
図1に示されるように、画像記録装置16の上位接続機器等におけるホストコンピュータ17から入力される画像データd0は、制御部14に制御された階調変換部11により3値以上の画像データd1に変換される。次に制御部14は、画像処理システム12における階調補正部121を制御して画像データd2を生成し、さらに階調再変換部122を制御して階調補正した画像データd2を画像データd2-1、及び画像データd2-2に変換すると共に、この画像データd2-1を記録ヘッド13及び駆動機構15の制御により不図示の記録媒体上に画像記録を行う。
次に、本願発明の画像処理システム12を備える画像記録装置の具体的な構成について説明する。
本実施形態における画像記録装置の構成としては、図2に示されるように、記録媒体21に対し、入力された画像データにおける所定ライン数の画像データを、複数回の記録ヘッド走査に分けて画像記録を行うシリアル型(キャリッジスキャン方式)、又は図3に示されるように、記録媒体の幅方向に亘り複数のインク吐出口におけるノズル列が形成されるように、複数の短尺記録ヘッドを記録媒体の搬送方向の前後で交互に配置し、この複数の記録ヘッドに対し、入力された画像データのライン数に基づき、記録媒体をそのライン数に相当する距離だけ搬送しながら画像記録を行うフルライン型(固定ヘッド方式)がある。
最初に、図2に示されるシリアル型の画像記録装置について説明する。
なお、以下の説明においては、記録媒体の搬送方向を副走査方向、当該副走査方向に直交する方向を主走査方向と定義する。
図2の画像記録装置においては、前述駆動機構15における第1のモータ23及びローラ24と、前述駆動機構15における第2のモータ25、ワイヤ28、滑車26,27、レール29と、記録ヘッド13を搭載する移動式のキャリッジ22と、を備えている。
不図示の前述制御部14により画像記録動作が開始されると、第1のモータ23により駆動されるローラ24は、搬送経路上の記録媒体21を記録ヘッド13の記録幅に相当する距離ずつ矢印30の方向(副走査方向)に間欠的に搬送する。この時、記録ヘッド13を搭載するキャリッジ22は、第2のモータ18の駆動により、滑車26と滑車27とで張設されたワイヤ28を介して駆動され、レール29に沿って移動されることによって、記録ヘッド13が矢印31の方向(主走査方向)に往復走査される。
以上により、不図示の前述制御部14は、キャリッジ22を移動制御することで、記録ヘッド13の記録幅に相当する所定ライン数の画像データを、記録媒体21上に分割して順次画像記録する。
次に、図3に示されるフルライン型の画像記録装置について説明する。
図3の画像記録装置においては、前述駆動機構15におけるモータ23及びローラ24と、複数の短尺記録ヘッド13(同図では6個)を有する固定式のキャリッジ22と、を備えている。
不図示の前述制御部14により画像記録動作が開始されると、モータ23により駆動されるローラ24は、記録媒体21を矢印30の方向(副走査方向)に搬送する。これにより、記録媒体21は、1ラインの幅以上に複数のインク吐出口におけるノズル列が形成されるように、複数の短尺記録ヘッド13を副走査方向の前後で交互に配置するキャリッジ22の直下を搬送される。
以上により、不図示の前述制御部14は、記録媒体21が搬送される過程で複数の短尺記録ヘッド13を吐出制御することで、1ライン画像データを、記録媒体21上に順次画像記録する。
次に本実施形態の画像記録装置、及び画像記録装置が備える画像処理システムの階調補正(濃度補正)について説明する。
なお、以後の階調補正(濃度補正)の説明においては、本願発明の画像処理システムが8階調の画像データに対してのみ説明しているが、これに限らず、3値以上(3階調以上)の画像データの階調補正(濃度補正)についても対応する。
図1に示されるように、本実施形態の画像記録装置16では、ホストコンピュータ17における上位接続機器等から入力される画像データd0を記録ヘッドが記録可能な階調の画像データに変換する。この変換は、例えば記録ヘッドが0〜7ドロップの8階調で記録媒体21に対し画像記録可能な仕様の場合、ホストコンピュータ17から与えられた例えば256階調の画像データd0を階調変換部11の誤差拡散法等により、記録ヘッド13が記録可能な8階調の画像データd1に変換する。
また、この階調変換後の画像データd1を、そのまま画像記録を行なった場合においては、記録ヘッド13の両端部におけるインク吐出口により記録媒体21上に画像記録される記録ドットの濃度が、記録ヘッド13の両端部以外におけるインク吐出口により記録媒体21上に画像記録される記録ドットの濃度に比べ濃くなることにより濃度むらが生じる。
そこで本実施形態の画像記録装置16では、画像処理システム12によって、階調変換後の画像データd1を記録ヘッド13の両端部による濃度むらが打ち消されるように補正した画像データd2-2(詳細は後述する)に変換処理(画像処理)する。
なお、画像データd0を8階調の画像データd1へ階調変換後の階調補正(濃度補正)は、8階調の画像データd1の階調毎にそれぞれ適正な補正を行なうことにより、例えば256階調の画像データd0に対し適正な補正を行なった場合と比べても遜色ない補正を行なうことができる。
図4は、本実施形態の画像記録装置が備える画像処理システムによって行なわれる補正についての説明図で、記録ヘッドにおける各インク吐出口の位置と、インク滴数(ドロップ数)と、画像データの濃度の関係が示されている。
本実施形態の画像記録装置が備える画像処理システム12では、前述制御部14の制御により、記録ヘッド13に入力される8階調の画像データd2-1に応じて、記録ヘッド13が記録媒体21上に画像記録する記録ドットのインク吐出回数(ドロップ数)を可変することで8階調の濃度制御を行なっている。
同図の例では、記録ヘッド13が600個のインク吐出口を備える場合を示しており、各インク吐出口を並び順に#1,#2,#3,・・・,#600の番号で識別して横軸で示している。また、縦軸は、各インク吐出口により記録媒体21上に画像記録される記録ドットの濃度を1〜7ドロップのドロップ数毎に示している。
同図によれば、同一のドロップ数において、記録ヘッド13におけるインク吐出口の位置によって濃度が異なり、また、同一のインク吐出口位置において、ドロップ数によって濃度が異なることが分かる。
図5は、図4の点線部分32を拡大したものである。
同図は、7ドロップにおける#1〜#6の範囲の、各インク吐出口の濃度変化を拡大して示すものであり、各インク吐出口#1〜#6の各濃度の値がD1〜D6で示されている。
各インク吐出口の濃度むらの程度は、全インク吐出口の平均濃度をDAVとすると、例えば各インク吐出口の記録濃度と平均濃度との比D1/DAV、D2/DAV、・・・で表すことができる。
入力画像データと画像記録濃度との間には、ほぼ比例関係が成立するので、濃度むらの程度を表す値の逆数DAV/D1、DAV/D2、・・・を濃度むらの補正係数として使用することができる。
従って、7ドロップの濃度で画像記録する場合の各インク吐出口位置における各補正係数は、図6(a)に示されるようになり、この各補正係数を具体的数値で示したものが図6(b)である。さらに、この各補正係数を、1〜7ドロップ全てに対して計算して求めたものが図6(c)である。
なお、この図6(c)の表は、後述する第2の実施形態の補正値記憶部が記憶する図17の表と基本的に同じものである。
本実施形態の画像記録装置が備える画像処理システムでは、記録ヘッドの各インク吐出口それぞれに対して全ての階調における補正値をそれぞれ求め、その補正値を用いて補正を行なう。
これにより、記録媒体21上に画像記録される記録ドットの濃度が、階調、又は記録ヘッド13の各インク吐出口位置に対し、非線形な特性を有していても濃度むらに対する高精度な補正を実現することができる。
ここで、前述濃度補正を実現する実施形態の構成は、前述図1の本願発明に係る画像記録装置、及び画像記録装置が備える画像処理システムの概念的な構成図に示される画像記録装置16を基に、画像処理システム12の階調補正部121及び階調再変換部122によって実現される。
従って、以降実施形態毎の説明においては、前述図1の画像処理システム12の階調補正部121及び階調再変換部122それぞれの具体的な内部構成、及びその具体的内部構成によって実現される作用について説明する。
図7には、第1の実施形態に係わる画像処理システム12の階調補正部121が示されている。
また、図8には、第1の実施形態に係わる画像処理システム12の階調再変換部122が示されている。
第1の実施形態の階調補正部121は、補正値選択部201及び補正値記憶部202を備えている。
補正値選択部201は、制御部14から指示された記録ヘッド13のインク吐出口の位置、及び階調変換部11から入力された8階調の画像記録データd1に対応する、階調補正(濃度補正)を行なう際に用いる補正値を補正値記憶部202から読み出し、階調再変換部122へ出力する。補正値記憶部202は、少なくとも補正が必要な記録ヘッド13のインク吐出口に対応する、8階調の画像記録データd1に対する補正値(補正後の各画像データd2)を記憶している。補正値選択部201は、この補正値記憶部202内に記憶されている補正値を選択して階調再変換部122へ出力する。なお、本第1の実施形態では、補正値記憶部202が全てのインク吐出口に対応する補正値を記憶している。
図9は、補正値記憶部202が記憶している補正値データの一例を示したものである。
図9における表の1行目には、記録ヘッド13の各インク吐出口を並び順に#1,#2,#3,・・・,#600が示され、表の左1列目には、画像データの階調値(1〜7)が示されている。本第1の実施形態の画像記録装置の記録ヘッド13では、画像データの0〜7階調値を記録媒体21上の同じ位置におけるインク吐出回数(0〜7ドロップ)対応させており、図9の1〜7の各行はこの1〜7までの各画像データd2を示している。なお、画像データd2の値が0の場合、即ち補正を行なう必要がない場合なので本図より省略している。
図9に示される画像データd2の例では、記録ヘッド13の各インク吐出口において、記録ヘッド13の両端(#1,#2,#3,#598,#599,♯600)に当たる3個ずつのインク吐出口が他のインク吐出口に対し濃度が濃くなるため、この濃度むら抑制するための補正値が設定されている。
また、記録ヘッド13のインク吐出口(#4,・・・,#597)の各列においては、濃度を変化させない補正値、即ちその行に対応する画像データd1と同じ階調値が設定されている。
図7に示される補正値選択部201は、制御部14から出力される現在処理中のインク吐出口に関する情報と、階調変換部11から出力される画像データd1の階調値と、から補正値記憶部202に記憶された補正値(図9)を参照し、対応する補正値を読み出して階調再変換部122に出力する。図9の表は、各列が制御部14により出力制御される記録ヘッド13のインク吐出口(記録媒体21上の記録ドット位置)に対応し、各行が階調変換部11から出力される画像データd1の階調値に対応する。
第1の実施形態の階調再変換部122は、図8に示されるように、加算部301、分離部302及び遅延部303を備え、階調補正部121から出力される補正値の小数成分に対し、積算演算を行ない記録ヘッド13に出力するための補正がなされた画像データd2-1を生成する。
加算部301は、階調補正部121の補正値選択部201が出力する階調補正された画像データd2に対し、遅延部303が出力する小数成分を加算して分離部302に出力する。分離部302は、加算部301が出力する値における画像データd2を整数成分の画像データd2-1と小数点以下の小数成分の画像データd2-2とに分離し、整数成分の画像データd2-1を記録ヘッド13へ、小数成分の画像データd2-2を遅延部303へ出力する。遅延部303は、1つの小数成分の画像データd2-2を記憶するメモリを有し、記憶している小数成分の画像データd2-2を加算部301に出力した後、分離部302から小数成分の画像データd2-2を1つ入力してその値を記憶する機能を有する。なお、遅延部303が記憶する値は、階調補正部121から出力される画像データd2の最初の1ライン画像データを処理するときに0に初期化される。
図10(a)に示されるように、従来例の階調補正部に入力される画像データは、2値データであり、この2値データから補正値を生成している。従って、入力画像データの入力階調と補正される出力階調との関係は、図11(a)示されるように、入力画像データの入力階調に対して非線形な階調特性(濃度特性)を有する場合に対処することができない。そのため、従来例の階調補正部では、装置固有の特性から生じるような濃度むらを高精度に補正することができなかった。
これに対し、本第1実施形態の画像処理システムでは、前述階調変換部11より出力される3値以上の画像データd1から階調特性の補正値を生成するので、図9(b)に示されるような入力階調に対する出力階調の関係において、非線形な階調特性を設定することができる。これにより、微細な濃度むらを高精度に補正することができる。
次に、第1の実施の形態の画像処理システムの動作について図12乃至14を参照しながらより詳細に説明する。
図12は、補正値選択部201に入力される画像データの一部分の例を示すもので、記録ヘッド13のインク吐出口♯1に対応するメモリ上の画素の値を示している。また、図13は、記録ヘッド13によって記録媒体21上に記録される記録画像データの例を示すもので、図12に対応する範囲の記録画像データを示している。
小さな四角形がそれぞれ1つの画素を示しており、その四角形内に示されている数字が、図12では補正値選択部201に入力されるメモリ上の画素の階調値を、また、図13では記録ヘッド13から記録媒体21上に吐出される記録ドットのドロップ数(階調値)を示している。なお、これらの階調値は、0から7までの8階調の値をとる。
また、以下の説明では、第1列(♯1のインク吐出口に対応する)についてのみ行い、第2列(#2)、第3列(#3)についてはその値(階調値)を省略する。
図14(a)〜(d)は、図12に示された階調値が補正値選択部201に入力された際の階調補正部121及び階調再変換部122の各構成要素への入出力値を示す図である。
以下に図14(a)〜(d)を参照しながら、順次各動作処理を説明する。
まず、図14(a)において、階調変換された画像データd1の各列の最初の画素に対する処理を開始する前に、遅延部303が記憶している値を「0」に初期化する。
次に、不図示の制御部14が、処理対象としている画素のX,Y座標(1,1)(図12の左上の画素位置)を階調変換部11及び補正値選択部201に出力し、それに従って階調変換部11が図12に示す画像データの第1列の最初の値「3」を補正値選択部201に出力する。
補正値選択部201は、図示しない制御部14が出力する現在処理対象としている画素のX,Y座標(1,1)(#1のインク吐出口に対応)と階調変換部11が出力する画像データ「3」から、補正値記憶部202が記憶している図9に示す補正値の表から列が#1、行が3に対応する値「2.91」(画像データd2)を読み出し、加算部301に出力する。
ここで加算部301に出力される補正値(画像データd2)は、例えば整数成分3値と小数成分7ビットからなる10ビットの多値データとして表わされて出力され、例えば値「2.91」の場合は図15に示されるように「0101110100」となる。
加算部301は、補正値選択部201が出力する値「2.91」に遅延部303が出力する値「0」を加算した値「2.91」を分離部302に出力する。そして分離部302は、加算部301が出力する値「2.91」を整数成分「2」(画像データd2-1)と小数成分「0.91」(画像データd2-2)とに分離し、整数成分「2」(画像データd2-1)を記録ヘッド13に、また小数成分「0.91」(画像データd2-2)を遅延部303に出力する。そして遅延部303は、分離部302が出力する値「0.91」(画像データd2-2)を次の値が入力されるときまでラッチして記憶する。
記録ヘッド13は、不図示の制御部14が出力するX,Y座標(1,1)に従って、分離部302が出力した値「2」をインク滴数とする記録ドットを記録媒体21の所定の位置に記録する。図13のX,Y座標(1,1)の画素が示す値「2」がこれに相当する。
つぎに、図14(b)を参照して次の値が階調変換部11から出力された場合の動作を説明する。
不図示の制御部14がX,Y座標(1,2)を出力すると、それに従って階調変換部11が図12に示される画像データの第1列の2番目の値「6」を読み出し、補正値選択部201に出力する。
補正値選択部201は、制御部14が出力する現在処理中の画素インク吐出口のX、Y
座標(1,2)(#1のインク吐出口に対応)と階調変換部11が出力する画像データ「6」によって補正値記憶部202に記憶されている図9に示す補正値の表から列が#1、行が6に対応する値「5.46」(画像データd2)を読み出し、加算部301に出力する。
加算部301は、補正値選択部201が出力する値「5.46」(画像データd2)に遅延部303が出力する値「0.91」(前回処理された画像データd2における小数成分の画像データd2-2)を加算した値「6.37」を分離部302に出力する。そして分離部302は加算部301が出力する値「6.37」を整数成分「6」(画像データd2-1)と小数成分「0.37」(画像データd2-2)とに分離し、整数成分「6」(画像データd2-1)を記録ヘッド13に、小数成分「0.37」(画像データd2-2)を遅延部303に出力する。そして遅延部303は、分離部302が出力する値「0.37」(画像データd2-2)を次に参照されるときまでラッチして記憶する。
また、記録ヘッド13は、分離部302が出力した画像記録データの値「6」をインク滴数とする記録ドットを、記録媒体21上の制御部14が出力する現在処理中の画素のX,Y座標(1,2)に対応する所定の位置に記録する。図13のX,Y座標(1,2)の画素が示す値「6」がこれに相当する。
以下同様の処理によって、図14(c)に示すようにX,Y座標(1,3)の画像データ「5」に対しては、分離部302の出力から出力画像記録データ「5」が得られ、図14(d)に示すようにX,Y座標(1,4)の画像データ「4」に対しては出力画像記録データ「3」が得られる。その結果、図13に示されるようなドロップ数の記録ドットが記録媒体上の所定の位置に記録される。
以上、第1の実施形態によれば、階調補正部121が3値以上に階調変換された画像データd1を記録ヘッド13の各インク吐出口位置、及び画像データd1の階調数に応じて補正できる。
これにより、画像データd1の入力階調に対し非線形な出力階調特性(濃度特性)を有する階調補正においても対処することができ、さらに上記階調補正において、本第1の実施形態が、現在処理中の画素で生じた小数成分の階調値を直下の画素に分配して濃度むらの補正を行うので、装置固有の特性から生じる濃度むらを高精度に補正することができる。
次に、本実施形態の画像記録装置が備える画像処理システムの第2の実施形態について説明する。
なお、図16には、第2の実施形態に係わる画像処理システム12における階調補正部121及び階調再変換部122が示されており、第1の実施形態と実質的に同一の機能を有する構成要素に対しては同一の符号が付されている。
第1の実施形態と第2の実施形態とでは、階調補正部121の構成において、第1の実施形態が図7の構成を有するのに対し、第2の実施形態では図16の構成を有する点が異なっている。
第2の実施形態の階調補正部121は、図16に示されるように、補正係数選択部203、補正係数記憶部204及び乗算部205を備えている。
第2の実施形態の階調補正部121では、補正係数記憶部204に、記録ヘッド13の各インク吐出口及び入力画像データの階調値に対応する補正係数が記憶されており、階調変換部11から与えられる画像データd1と、制御部14から与えられる現在処理対象となっているメモリ上の画素の座標値に対応する補正係数を補正係数記憶部204から読みだし、この補正係数と画像データd1の階調値を乗じたものを補正結果が反映された階調値として、階調再変換部122へ出力する。
階調変換部11は、制御部14から出力される現在処理中の画素のX座標に対応するインク吐出口の画像データd1を階調補正部121の補正係数選択部203及び乗算部205へ出力する。補正係数選択部203は、制御部14からのX座標から求まるインク吐出口の位置と、階調変換部11からの画像データd1とから補正係数記憶部204内の表(例えば後述図17)を参照し、対応する補正係数を読み出して乗算部205に出力する。補正係数記憶部204は、少なくとも補正が必要な各インク吐出口について、階調変換された入力画像データd1の階調値に応じた補正係数を記憶している。なお、本第2の実施形態では、補正係数記憶部204は、全てのインク吐出口に対応する補正値を記憶している。乗算部205は、補正係数選択部203が補正係数記憶部204から読み出した補正係数と、階調変換部11からの3値以上の階調(本第2の実施形態の説明では8階調)の画像データd1を乗じ、結果を階調再変換部122へ出力する。
図17は、補正係数記憶部204が記憶している補正係数のデータの一例を示したものである。
図17の補正係数は、図6に示されるような平均濃度を各インク吐出口による実際の濃度で割って求めた補正係数が、各インク吐出口及び各画像データに対応させた表として記憶されている。
補正係数選択部203は、制御部14から出力される現在処理中の画素のX座標から求
まる記録ヘッド13のインク吐出口位置と、階調補正部121が出力する画像データd1の階調値とに従って補正係数記憶部204から対応する補正係数を読み出し、乗算部205に出力する。
即ち図17の表において、列の位置における制御部14から出力される現在処理中の画素のX座標から求まる記録ヘッド13のインク吐出口の位置と、行の位置における階調変
換部11が出力する画像データd1の階調値の位置とから求まる補正係数を補正係数記憶部204から読み出し、乗算部205へ出力する。そして乗算部205は、階調変換部11が出力する画像データに補正係数選択部203が出力する補正係数を乗じ、生成された画像データd2を階調再変換部122へ出力する。
以上、第2の実施形態によれば、階調補正部121が3値以上に階調変換された画像データd1を記録ヘッド13の各インク吐出口位置、及び画像データd1の階調数に応じて補正できる。
これにより、画像データd1の入力階調に対し非線形な出力階調特性(濃度特性)を有する階調補正においても対処することができ、さらに上記階調補正において、本第2の実施形態が、現在処理中の画素で生じた小数成分の階調値を直下の画素に分配して濃度むらの補正を行うので、第1の実施の形態と同様の補正を実現することができると共に、同様の効果を得ることができる。
次に、本実施形態の画像記録装置が備える画像処理システムの第3の実施形態について説明する。
なお、図18には、第3の実施形態に係わる画像処理システム12における階調補正部121及び階調再変換部122が示されており、第1の実施形態と実質的に同一の機能を有する構成要素に対しては同一の符号が付されている。
第1の実施形態と第3の実施形態とでは、階調再変換部122の構成において、第1の実施形態が図8の構成を有するのに対し、第3の実施形態では図18の構成を有する点が異なっている。なお、階調補正部121の構成においては、第1の実施形態の構成、第2の実施形態の構成、のどちらでも良い。
第3の実施形態の階調再変換部122は、第1の加算部304、分離部305、分配部306、第2の加算部307及び小数成分記憶部308を備えている。
第3の実施形態の階調再変換部122では、第1、第2の実施形態のように前述分離部302が分離した小数部分(画像データd2-2)を処理対象としている画素に隣接する画素(メモリ上の画素の座標において直下)に全て加算するのでなく、現在処理対象となっている画素の周辺(周囲)の画素に分配して加算する。
小数成分記憶部308は、例えば図19(a)に示されるように、現在処理中の画素(図中*で示す)を含む行と、その次の行の2行分の各画素に対応する記憶回路308M1,308M2を有しており、各画素に対応する小数成分(画像データd2-2)を記憶する。この小数成分記憶部308の記憶回路308M1,308M2が記憶する値は、初期化時には全て「0」がセットされる。また、小数成分記憶部308は、1ライン画像データの画像記録処理が終了し次の1ライン画像データ処理に移行する際、2行目の記憶回路308M2の値を1行目の記憶回路308M1に複写し、2行目の記憶回路308M2の値を全て0にリセットする。
また、分離部305が分離した小数成分(画像データd2-2)は、図19(b)に示すように現在処理対象となっている画素(図中*)の周辺(周囲)の画素(図中A〜D)に特定の割合で分配する。
次に、第3の実施形態の階調再変換部122の動作についてより詳細に説明する。
まず、例えば小数成分記憶部308の記憶回路308M1,308M2に記憶される小数成分の各値が、図19(c)に示されるようになっており、現在処理中の画素の位置に対応する値1が、図19(c)で示される1行目の中央である記憶回路308M1の記憶要素309とすると、小数成分記憶部308は、記憶回路308M1の記憶要素309にセットされている値1「0.21」を第1の加算部304へ出力する。
階調補正された画像データd2が階調補正部121より第1の加算部304へ出力されると、第1の加算部304は、この階調補正された画像データd2に小数成分記憶部308からの出力を加算して分離部305に出力する。例えば階調補正部121から第1の加算部304へ値2「6.09」が出力された場合、第1の加算部304は、この値2「6.09」に上記した小数成分記憶部308の値1「0.21」を加算し、値3「6.30」を分離部305へ出力する。
分離部305は、第1の加算部304の出力を整数成分(画像データd2-1)と小数成分(画像データd2-2)とに分け、整数成分(画像データd2-1)を記録ヘッド13へ、小数成分(画像データd2-2)を分配部306へそれぞれ出力する。例えば上記したように第1の加算部304から値3「6.30」が出力された場合、分離部は、記録ヘッド13へ整数成分の「6」(画像データd2-1)を出力し、分配部306へ小数成分の「0.30」(画像データd2-2)を出力する。
分配部306は、図19(b)に示されるような分配係数表を記憶しており、分離部305が出力した小数成分(画像データd2-2)を分配係数表に応じて周辺(周囲)の画素に分配する。図19(b)に示される分配係数表は、*印の位置が出力した現在処理中の画素(階調補正部121より画像データd2が出力)の位置に対応し、周辺画素への分配比率A,B,C,及びDを記憶している。例えばAは、現在処理中の画素の右隣の画素に対応し、Cは、現在処理中の画素の直下の画素に対応する。A〜Dの値は、各々の合計が1になるように設定され、例えばA=7/16,B=3/16,C=5/16,及びD=1/16と設定されたものとする。
なお、以降の説明においては、この周辺画素への分配比率A,B,C,及びDの値を用いる。
上記した例のように、分離部305から分配部306へ値「0.30」が入力されると、分配部306内の図19(b)に示す分配係数表の値が前述A=7/16,B=3/16,C=5/16,及びD=1/16である場合、この値「0.30」は、図19(d)に示されるように各画素に対応する記憶回路に分配される。
第2の加算部307は、小数成分記憶部308が記憶している複数の画素の小数成分を、分配部306の出力に対応する画素毎に加算して小数成分記憶部308へ出力する。例えば小数成分記憶部308の現在処理中の画素の周辺における値が図19(c)に示すような値であった場合、第2の加算部307は、図19(c)に示される値に、図19(d)に示される値を加算して小数成分記憶部308へ出力する。この結果、小数成分記憶部308の値は、図19(e)に示されるような値となる。
以上、第3の実施形態によれば、階調補正部121が3値以上に階調変換された画像データd1を記録ヘッド13の各インク吐出口位置、及び画像データd1の階調数に応じて補正できる。
これにより、画像データd1の入力階調に対し非線形な出力階調特性(濃度特性)を有する階調補正においても対処することができる。
また、上記階調補正において、第1,第2実施形態が現在処理中の画素で生じた小数成分の階調値を直下の画素だけに分配して濃度むらの補正をしていたのに対し、本第3の実施形態では周辺の画素にも分配するので、第1,第2実施形態よりもさらに厳密な濃度むら補正を実現できる。
次に、本実施形態の画像記録装置が備える画像処理システムの第4の実施形態について説明する。
本第4の実施形態では、第2の実施形態の補正係数記憶部204に記憶される画像データの扱いが第2の実施形態と異なる。
インクジェット方式の記録ヘッドの端部に発生する濃度むらを補正するための補正係数は、図24の109,110に示されるように、低濃度域で比較的に変化が大きく、中高濃度域では比較的に変化が少ないという特性を示す場合がある。
この場合、第2の実施形態の補正係数記憶部204に記憶される図17の補正係数の表より、画像データの階調値が2〜7の値において近い値となる。
そこで、例えば図17の表において、画像データが2〜7までの範囲の行に同一の値を与えると、図20のような表になる。
図20では、画像データの階調値が2〜7の場合に参照する各補正係数の値を、図17の画像データの階調値が4である行の各補正係数と同じ値としている。これに伴い補正係数選択部203も、画像データの階調値が2〜7までの場合、同一の補正係数を参照するようにする。
以上、第4の実施形態によれば、第2の実施形態における補正係数記憶部204のメモリの容量を第2の実施形態より減らすことができる。
また、第1,第2,及び第3の実施の形態と同様の補正を実現することができると共に、同様の効果を得ることができる。
なお、前述各実施形態の説明においては、説明簡略化のため、階調再変換部122内の構成、及びその処理を、1つの記録ヘッド13における各インク吐出口についてのみ記載しているが、画像記録する画像データ(シリアル型の場合所定ライン数の画像データ、フルライン型の場合1ライン画像データ)の幅に対応した数の記録ヘッド13毎の全インク吐出口の分だけ、同様の構成を有するのはいうまでもない。
また、前述説明において、本実施形態の画像記録装置は、シリアル型(キャリッジスキャン方式)、又はフルライン型(固定ヘッド方式)の画像記録を所定ライン数の画像データに分けて記録したり、複数の短尺記録ヘッドのインク吐出口(ノズル列)を画像データの幅に亘って形成し画像記録を行なう構成を前提としていたが、 本発明は、1つの記録ヘッドにより、1度に1ライン分の画像データを記録する方式の画像記録装置に対しても適用することができる。
本願発明に係る画像記録装置、及び画像記録装置が備える画像処理システムの概念的な構成を示す図である。 シリアル型の画像記録装置の説明図である。 フルライン型の画像記録装置の説明図である。 記録ヘッドのインク吐出口の位置と、インク滴数(ドロップ数)及び画像データの濃度との関係を示した図である。 図4の点線部分を拡大した図である。 各インク吐出口位置における各補正係数を示す図である。 第1の実施形態に係わる画像処理システムにおける階調補正部の詳細な説明図である。 第1の実施形態に係わる画像処理システムにおける階調再変換部の詳細な説明図である。 補正値記憶部が記憶する補正値データの一例を示す図である。 (a)は従来の、(b)は本発明の階調補正部を示す図である。 (a)は従来の、(b)は本発明の階調補正部により補正される入力階調に対する出力階調の関係を示す図である。 補正値選択部に入力される画像データの一例を示す図である。 記録ヘッドによって記録媒体に記録される記録画像データの一例を示す図である。 図12に示された階調値が補正値選択部に入力された際の階調補正部及び階調再変換部の各構成要素への入出力値を示す図である。 加算部に出力される多値データの補正値の一例を示す図である。 第2の実施形態に係わる画像処理システムにおける階調補正部の詳細な説明図である。 補正係数記憶部が記憶する補正係数のデータの一例を示す図である。 第3の実施形態に係わる画像処理システムにおける階調再変換部の詳細な説明図である。 第3の実施形態に係わる画像処理システムにおける階調再変換部の小数成分記憶部の構成及びその動作を説明するための図である。 第4の実施形態に係わる画像処理システムにおける階調補正部の補正係数記憶部に記憶される補正係数の一例を示す図である。 インクジェット記録方式の記録ヘッドをインク吐出面の方向から見た図である。 各インク吐出口に対して同じ濃度を示す画像データを入力し、この入力された画像データで記録した場合の記録画像の濃度分布を模式的に示した図である。 記録ヘッドの全インク吐出口に対し、同じ濃度(同じ階調)を示す画像データ(ベタの画像データ)を、分割記録した一部分を模式的に示した図である。 階調変換された入力画像データと適正補正量との関係を示す図である。
符号の説明
11…階調変換部(画像データd1生成)、12…画像処理システム、
13…記録ヘッド、14…制御部14…駆動機構、16…画像記録装置、
17…ホストコンピュータ(入力画像データd0)、21…記録媒体、
22…キャリッジ、23,25…モータ、26,27…滑車、28…ワイヤ、
29…レール、30,31…矢印、32…点線部分、
121…階調補正部(画像データd2生成)、
122…階調再変換部(画像データd2-1,画像データd2-1生成)、
201…補正値選択部、202…補正値記憶部、203…補正値係数選択部、
204…補正値係数記憶部、205…乗算部、301…分離部302…分離部、
303…遅延部、304…第1の加算部、305…分離部、306…分配部、
307…第2の加算部、308…少数成分記憶部、308M1,308M2…記憶回路
309…記憶回路308M1の記憶要素。

Claims (10)

  1. 記録媒体に画像記録するための画像データd0を、3値以上の階調値に階調変換する階調変換部、複数のインク吐出口を有する少なくとも1つの記録ヘッド、及び前記記録媒体又は前記記録ヘッドの少なくとも一方を相対移動させる少なくとも1つの駆動機構を備え、前記階調変換部、前記記録ヘッド、及び前記駆動機構を少なくとも制御する制御部を有する画像記録装置が備える画像処理システムであって、
    前記制御部により制御された前記階調変換部によって、前記画像データd0が前記3値以上の階調値に階調変換された後の画像データd1を階調補正して、画像データd2を生成する階調補正部と、
    前記階調補正された後の前記画像データd2を、再び画像記録可能な画像データd2-1に少なくとも変換する再階調変換部と、
    を具備することを特徴とする画像記録装置の画像処理システム。
  2. 前記階調補正部は、前記画像データd1の前記階調値、及び前記記録ヘッドにおける前記複数のインク吐出口の各インク吐出口位置にそれぞれ対応した複数の補正値を記憶する補正値記憶部と、
    前記画像データd1の前記階調値、及び前記記録ヘッドにおける前記複数のインク吐出口の各吐出口位置に基づき前記補正値記憶部を参照して前記補正値を選択し、前記選択された前記補正値で前記画像データd1を前記階調補正して前記画像データd2を生成する前記補正値選択部と、を少なくとも備えることを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置の画像処理システム。
  3. 前記階調補正部は、前記画像データd1の前記階調値、及び前記記録ヘッドにおける前記複数のインク吐出口の各インク吐出口位置にそれぞれ対応した複数の補正係数を記憶する補正係数記憶部と、
    前記画像データd1の前記階調値、及び前記記録ヘッドにおける前記複数のインク吐出口の各インク吐出口位置に基づき前記補正係数記憶部を参照して前記補正係数を選択する補正係数選択部と、
    前記画像データd1に、前記補正係数選択部が選択した前記補正係数を乗じて前記画像データd2を生成する乗算部と、を少なくとも備えることを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置の画像処理システム。
  4. 前記階調補正部は、前記画像データd1に基づいて前記記録媒体上に画像記録される各画素の濃度が、前記画像データd1の階調、又は前記画素に対応した前記記録ヘッドにおける前記複数のインク吐出口の各インク吐出口位置に対し、非線形な濃度むら特性を有する際にも階調補正可能なことを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置の画像処理システム。
  5. 前記階調再変換部は、前記画像データd2に基づき前記階調補正部が順次補正処理して生成する複数の各画素データにおいて、現在処理中の1画素に対応する画素データを整数成分の画像データd2-1と小数成分の画像データd2-2とに分離して、当該画像データd2-1を前記現在処理中の前記1画素に対応する前記記録ヘッドの前記インク吐出口に出力する分離部と、
    前記分離部によって分離された前記画像データd2-2を一時記憶し、次に補正処理される前記1画素に隣接する隣接1画素に対応する前記階調補正された後の前記画像データd2が生成されるタイミングまで、前記隣接1画素への前記画像データd2-2の出力を遅延する遅延部と、
    前記階調補正部より出力された前記次に補正処理される前記隣接1画素の前記画像データd2に対し、前記タイミングで前記遅延部より出力される前記画像データd2-2を加算する加算部と、を少なくとも備えることを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置の画像処理システム。
  6. 前記階調再変換部は、前記画像データd2に基づき前記階調補正部が順次補正処理して生成する複数の画素データにおいて、現在処理中の1画素データを整数成分の画像データd2-1と小数成分の画像データd2-2とに分離して、当該画像データd2-1を前記現在処理中の1画素に対応する前記記録ヘッドの前記インク吐出口に出力する分離部と、
    前記分離部によって分離された前記画像データd2-2を一時記憶し、これより後に補正処理される前記1画素の複数の周辺画素に対し、特定の割合で前記画像データd2-2を分配する分配部と、
    前記分配部によって分配された前記周辺画素に対する前記画像データd2-2を記憶する小数成分記憶部と、
    前記分配部が分配した前記複数の周辺画素の前記画像データd2-2を前記小数成分記憶部が記憶している前記画像データd2-2に加算し、当該加算結果を前記小数成分記憶部に記憶させる第2の加算部と、
    前記階調補正部から出力された前記これより後に補正処理される前記周辺画素における1画素の前記画像データd2に対し、前記小数成分記憶部より出力された前記画像データd2-2を加算する第1の加算部と、を少なくとも備えることを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置の画像処理システム。
  7. 前記補正係数記憶部は、前記記録ヘッドにおける前記複数のインク吐出口に対し、前記画像データd2の複数の中高濃度域に対応した各補正係数の記憶において、同一の補正係数を記憶することを特徴とする請求項3に記載の画像記録装置の画像処理システム。
  8. 前記階調補正部は、前記画像データd2に基づき前記記録ヘッドの両端に位置する前記インク吐出口によって生じる濃度むらを補正した画像データを生成することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1つに記載の画像記録装置の画像処理システム。
  9. 前記画像処理システムは、シリアル型、又はフルライン型の画像記録装置に少なくとも備えられることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1つに記載の画像記録装置の画像処理システム。
  10. 記録媒体に画像記録するための画像データd0を、3値以上の階調値に階調変換する階調変換部、複数のインク吐出口を有する少なくとも1つの記録ヘッド、及び前記記録媒体又は前記記録ヘッドの少なくとも一方を相対移動させる少なくとも1つの駆動機構を備え、前記階調変換部、前記記録ヘッド、及び前記駆動機構を少なくとも制御する制御部を有する画像記録装置が備える画像処理システムの階調補正方法であって、
    前記画像データd0を前記3値以上の階調値に階調変換した後の画像データd1に対し、前記画像データd1の前記階調値、及び前記記録ヘッドにおける前記複数のインク吐出口の各インク吐出口位置にそれぞれ対応した複数の補正値により前記画像データd1を補正して画像データd2を生成し、
    前記画像データd2に基づき順次補正処理して生成する複数の画素データにおいて、現在処理中の1画素に対応する画素データをそれぞれ整数成分の画像データd2-1と小数成分の画像データd2-2とに分離して当該画像データd2-2を一時記憶し、
    前記画像データd2-1に基づいて前記1画素に対応した前記記録ヘッドの前記インク吐出口により画像記録を行い、
    前記画像データd2より後に補正処理される前記1画素に隣接する隣接1画素、又は前記1画素の周辺に位置する複数の周辺画素に対し、前記一時記憶された前記画像データd2-2を加算し、
    前記加算した結果を再び分離して得られた前記画像データd2-1に基づいて、前記隣接1画素、又は前記周辺画素における1画素に対応した前記記録ヘッドの前記インク吐出口により画像記録を行うことを特徴とする画像記録装置が備える画像処理システムの階調補正方法。


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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014061624A (ja) * 2012-09-20 2014-04-10 Riso Kagaku Corp 画像形成装置

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