しかしながら、この解決方法では、突起物を設けるため、コストが上がったり、突起物を半導体の全周にわたり設ける必要があり、それを実施するために製造工程が複雑になるという問題があった。
また、上記の接着剤の回り込みが、光学素子のみならず、高周波回路でも問題視されることがある。この場合、接着剤が目に見えない電気的回路となり、有害な寄生容量としてコンデンサ的な働きをし、目的の機能を果たさなくなってしまう虞がある。接着剤の入り込み量を予測して、寄生容量を予測するのは困難であり、大量生産時に、接着剤の入り込み量をバラつきなくするのは至難の技である。昨今の半導体駆動高速化の動きの中では、この寄生容量の問題が顕著化し、半導体実装業界全体で無視できない問題となっている。
そこで、本発明は、突起物を設ける必要が無く、寄生容量を防止できる半導体装置、画像読取ユニット及び画像形成装置を提供することをその目的とする。
上記目的を達成するために請求項1の発明は、配線部を有する基板に対し、前面に機能面を有する半導体素子をフリップチップ接合する半導体装置において、前記半導体素子と前記基板とを固定する接着剤が、前記半導体素子の前面および後面を共に除いた残りの面のうち少なくとも一つの面と前記基板とを接着するとともに、前記基板と前記半導体素子との間には接着剤が入り込んでいないことを特徴とする半導体装置である。この構成では、接着剤が半導体素子の機能面に接することがなくなり、接着剤が目に見えない電気的回路となり、有害な寄生容量としてコンデンサ的な働きをし、目的の機能を果たさなくなる問題が解決され、半導体を光学的な素子とした場合、接着剤が受光面(発光面)側に回り込み、接着剤が光路をさえぎる問題が解決されることとなる。また、半導体機能面の反対の面に接着剤がついていないため、半導体素子から放出する熱を効率的に大気に逃がすことができる。
また、請求項2の発明は、前記接着剤が硬化した接着剤で被覆されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置である。この構成では、請求項1の作用に加え、接着剤が流れ出すことがなくなり、接着剤の流出により半導体機能面と基板との間に接着剤が入り込むことが無くなる。また、接着剤の初期形状が保持されるので、接着剤の配置が容易である。
また、請求項3の発明は、前記接着剤の断面が円形であることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置である。この構成では、請求項2の作用に加え、接着剤の硬化前に内外圧力に対して強度を持たせることができる。また、製造が容易である。
また、請求項4の発明は、前記接着剤の断面が多角形であることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置である。この構成では、請求項2の作用に加え、接着剤と、半導体素子及び基板との接着面積を広げることができるため、接着強度を高くできる。
また、請求項5の発明は、前記接着剤が接着剤保持体に保持されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置である。この構成では、請求項1の作用に加え、低粘性の接着剤を用いた場合でも接着剤の流出を防止することができ、半導体機能面と基板との間に、接着剤が入り込むことが無くなる。したがって、接着剤として低粘性の接着剤を用いることができる。
また、請求項6の発明は、前記接着剤保持体がスポンジ状であることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置である。この構成では、接着剤保持体内に接着剤に対して負圧を働かすことができ、この負圧により接着剤を保持することが出来る。
また、請求項7の発明は、前記接着剤保持体が繊維集合体であることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置である。この構成では、接着剤保持部材は、繊維集合体により接着剤を保持することが出来る。
また、請求項8の発明は、前記接着剤保持体が光透過性を有していることを特徴とする請求項6又は7に記載の半導体装置である。この構成では、光が接着剤保持体を透過して、保持されている接着剤の全てに照射することができるので、光硬化型接着剤を使うことが出来る。
また、請求項9の発明は、前記接着剤が、前記半導体素子の前面および後面を共に除いた残りの面の全周に渡って前記基板と前記半導体素子とを接着固定していることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の半導体装置である。この構成では、請求項1〜8の何れかの作用に加え、光入射領域内に接着剤が配置されていないので、半導体素子に入光(または出光)する光の光路を接着剤が遮ることがなく、半導体素子の性能を発揮出来ないという問題が生じることがない。
また、請求項10の発明は、前記接着剤は光硬化型接着剤であることを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の半導体装置である。この構成では、接着剤を硬化させる時、接着剤の温度上昇がほとんどなく、熱の影響による基板と半導体素子との位置関係のズレを生じることなく、基板と半導体素子とを接着することが出来る。また、接着時に熱の影響による残留応力が発生しない。
また、請求項11の発明は、前記接着剤は、その硬化温度が前記基板と前記半導体素子との接合破壊温度を下回る熱硬化型接着剤であることを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の半導体装置である。この構成では、熱硬化型接着剤により光を照射できない場所でも接着剤の硬化を行うことができる。また、その硬化温度は半導体素子を配線部に電気的に接続した電極の接合を壊さない温度以下であるため、半導体素子と配線部の位置関係のズレがなく、ハンダ溶着部等の接合点を壊すことなく、電気的接合の信頼性を保持したまま、基板と半導体素子とを接着することが出来る。
また、請求項12の発明は、前記基板が光透過性基板であり、前記半導体素子が光学的機能面を有し、該光学的機能面と前記光透過性基板との間の光入射領域が空間であることを特徴とする請求項1〜11の何れかに記載の半導体装置である。この構成では、請求項1〜11の何れかの作用に加え、光入射領域内に接着剤が配置されていないので、半導体素子に入光(または出光)する光の光路を接着剤が遮ることがなく、半導体素子の性能を発揮出来ないという問題が生じることがない。
また、請求項13の発明は、前面に配線部を有する基板に対し、半導体素子をフリップチップ接合する半導体装置において、前記半導体素子と前記基板とを固定する接着剤が、前記半導体素子の前面および後面を共に除いた残りの面のうち少なくとも一つの面と前記基板とを接着するとともに、前記基板と前記半導体素子との間には接着剤が入り込んでなく、且つ前記半導体素子の後面に放熱手段が設けられていることを特徴とする半導体装置である。この構成では、接着剤が半導体素子の機能面に接することがなくなり、接着剤が目に見えない電気的回路となり、有害な寄生容量としてコンデンサ的な働きをし、目的の機能を果たさなくなる問題が解決され、半導体を光学的な素子とした場合、接着剤が受光面(発光面)側に回り込み、接着剤が光路をさえぎる問題が解決されることとなる。また、半導体機能面の反対の面に接着剤がついておらず、放熱手段を備えているので、半導体素子から放出する熱を効率的に大気に逃がすことができ、半導体素子の変形を抑えることができる。
また、請求項14の発明は、前記接着剤が硬化した接着剤で被覆されていることを特徴とする請求項13に記載の半導体装置である。この構成では、請求項13の作用に加え、接着剤が流れ出すことがなくなり、接着剤の流出により半導体機能面と基板との間に接着剤が入り込むことが無くなる。また、接着剤の初期形状が保持されるので、接着剤の配置が容易である。
また、請求項15の発明は、前記接着剤の断面が円形であることを特徴とする請求項14に記載の半導体装置である。この構成では、請求項14の作用に加え、接着剤の硬化前に内外圧力に対して強度を持たせることができる。また、製造が容易である。
また、請求項16の発明は、前記接着剤の断面が多角形であることを特徴とする請求項14に記載の半導体装置である。この構成では、請求項14の作用に加え、接着剤の硬化前に内外圧力に対して強度を持たせることができる。また、製造が容易である。
また、請求項17の発明は、前記接着剤が接着剤保持体に保持されていることを特徴とする請求項13に記載の半導体装置である。この構成では、請求項13の作用に加え、低粘性の接着剤を用いた場合でも接着剤の流出を防止することができ、半導体機能面と基板との間に、接着剤が入り込むことが無くなる。したがって、接着剤として低粘性の接着剤を用いることができる。
また、請求項18の発明は、前記接着剤保持体がスポンジ状であることを特徴とする請求項17に記載の半導体装置である。この構成では、接着剤保持体内に接着剤に対して負圧を働かすことができ、この負圧により接着剤を保持することが出来る。
また、請求項19の発明は、前記接着剤保持体が繊維集合体であることを特徴とする請求項17に記載の半導体装置である。この構成では、接着剤保持部材は、繊維集合体により接着剤を保持することが出来る。
また、請求項20の発明は、前記接着剤保持体が光透過性を有していることを特徴とする請求項18又は19に記載の半導体装置である。この構成では、光が接着剤保持体を透過して、保持されている接着剤の全てに照射することができるので、光硬化型接着剤を使うことが出来る。
また、請求項21の発明は、前記接着剤が、前記半導体素子の前面および後面を共に除いた残りの面の全周に渡って前記基板と前記半導体素子とを接着固定していることを特徴とする請求項13〜20の何れかに記載の半導体装置である。この構成では、請求項13〜20の何れかの作用に加え、光入射領域内に接着剤が配置されていないので、半導体素子に入光(または出光)する光の光路を接着剤が遮ることがなく、半導体素子の性能を発揮出来ないという問題が生じることがない。
また、請求項22の発明は、前記接着剤は光硬化型接着剤であることを特徴とする請求項13〜21の何れかに記載の半導体装置である。この構成では、接着剤を硬化させる時、接着剤の温度上昇がほとんどなく、熱の影響による基板と半導体素子との位置関係のズレを生じることなく、基板と半導体素子とを接着することが出来る。また、接着時に熱の影響による残留応力が発生しない。
また、請求項23の発明は、前記接着剤は、その硬化温度が前記基板と前記半導体素子との接合破壊温度を下回る熱硬化型接着剤であることを特徴とする請求項13〜21の何れかに記載の半導体装置である。この構成では、熱硬化型接着剤により光を照射できない場所でも接着剤の硬化を行うことができる。また、その硬化温度は半導体素子を配線部に電気的に接続した電極の接合を壊さない温度以下であるため、半導体素子と配線部の位置関係のズレがなく、ハンダ溶着部等の接合点を壊すことなく、電気的接合の信頼性を保持したまま、基板と半導体素子とを接着することが出来る。
また、請求項24の発明は、前記基板が光透過性基板であり、前記半導体素子が光学的機能面を有し、該光学的機能面と前記光透過性基板との間の光入射領域が空間であることを特徴とする請求項13〜23の何れかに記載の半導体装置である。この構成では、請求項13〜23の何れかの作用に加え、光入射領域内に接着剤が配置されていないので、半導体素子に入光(または出光)する光の光路を接着剤が遮ることがなく、半導体素子の性能を発揮出来ないという問題が生じることがない。
また、請求項25の発明は、前記放熱手段が前記半導体素子の機能面方向の熱変形に追従して弾性変形する弾性部材から構成されていることを特徴とする請求項13〜24に記載の半導体装置である。この構成では、請求項13〜24の作用に加えて、熱による半導体素子の伸縮に対し、放熱手段がその伸縮を規制することは無く、放熱手段の伸縮が半導体素子に影響を及ぼすことが無い。このことにより、半導体素子と基板とが自分自身以外の熱のストレスを受けることが無くなり、外力により変形させられることがない。
また、請求項26の発明は、前記弾性部材が波状に形成されている波状部材であることを特徴とする請求項25に記載の半導体装置である。この構成では、請求項25の作用に加えて、放熱手段が固い材料であっても、半導体素子の伸縮方向に対して弾性を持たせることが出来る。
また、請求項27の発明は、前記弾性部材がスパイラル状に形成されているスパイラル状部材であることを特徴とする請求項25に記載の半導体装置である。この構成では、請求項25の作用に加えて、放熱手段が固い材料であっても、半導体素子の伸縮方向に対して弾性を持たせることが出来る。
また、請求項28の発明は、前記放熱手段が線状に形成されている線状部材であることを特徴とする請求項13〜24の何れかに記載の半導体装置である。この構成では、請求項13〜24の何れかの作用に加えて、半導体素子の熱の影響による伸縮に対して、放熱手段は半導体素子に対する接触面積が小さく、伸縮方向に対して放熱手段はその伸縮を規制することが無い。また、放熱手段自身の変形により半導体素子にストレスを与えることも無い。
また、請求項29の発明は、前記放熱手段が針状に形成されている針状部材であることを特徴とする請求項13〜24の何れかに記載の半導体装置である。この構成では、請求項13〜24の何れかの作用に加えて、半導体素子の熱の影響による伸縮に対して、放熱手段は半導体素子に対して接する面積が小さく、伸縮の方向に対して放熱手段はその伸縮を規制することが無い。また、放熱手段自身の変形により半導体素子にストレスを与えることも無い。
また、請求項30の発明は、前記放熱手段が球状に形成されている球状部材であることを特徴とする請求項13〜24の何れかに記載の半導体装置である。この構成では、請求項13〜24の何れかの作用に加えて、半導体素子の熱の影響による伸縮に対して、放熱手段は半導体素子に対して接する面積が小さく、伸縮方向に対して放熱手段はその伸縮を規制することが無い。また、放熱手段自身の変形により半導体素子にストレスを与えることも無い。
また、請求項31の発明は、前記半導体素子が固体撮像素子であることを特徴とする請求項12又は24に記載の半導体装置である。この構成では、請求項12又は24の作用に加えて、固体撮像素子の光入射領域内に接着剤が配置されていないので、固体撮像素子への入射光の光路を接着剤が遮ることがなく、固体撮像素子の性能を発揮出来ないという問題が生じることがない。
また、請求項32の発明は、前記請求項31に記載の半導体装置を備えていることを特徴とする画像読取ユニットである。この構成では、固体撮像素子への入射光の光路が遮られることもなく、固体撮像素子が十分に性能を発揮できるので、画像の読み取りエラーを生じることがなく、高信頼性の画像読取ユニットを得ることができる。
また、請求項33の発明は、前記請求項32に記載の画像読取ユニットを備えていることを特徴とする画像形成装置である。この構成では、固体撮像素子が十分に性能を発揮できるので、画像の読み取りエラーを生じることがなく、高信頼性の画像読取ユニットを得ることができる画像読取ユニットを備えているので、原稿画像の読み取りエラーを生じることがなく、感光体上に高精度な静電潜像を形成することができる。
以上、説明したように、請求項1の発明によれば、接着剤が半導体素子の機能面に接することがなくなり、接着剤が目に見えない電気的回路となり、有害な寄生容量としてコンデンサ的な働きをし、目的の機能を果たさなくなる問題が解決され、半導体を光学的な素子とした場合、接着剤が受光面(発光面)側に回り込み、接着剤が光路をさえぎる問題が解決されることとなる。また、半導体機能面の反対の面に接着剤がついていないため、半導体素子から放出する熱を効率的に大気に逃がすことができる。
また、請求項2の発明によれば、請求項1の効果に加え、接着剤が流れ出すことがなくなり、接着剤の流出により半導体機能面と基板との間に接着剤が入り込むことが無くなる。また、接着剤の初期形状が保持されるので、接着剤の配置が容易である。
また、請求項3の発明によれば、請求項2の効果に加え、接着剤の硬化前に内外圧力に対して強度を持たせることができる。また、製造が容易である。
また、請求項4の発明によれば、請求項2の効果に加え、接着剤と、半導体素子及び基板との接着面積を広げることができるため、接着強度を高くできる。
また、請求項5の発明によれば、請求項1の効果に加え、低粘性の接着剤を用いた場合でも接着剤の流出を防止することができ、半導体機能面と基板との間に、接着剤が入り込むことが無くなる。したがって、接着剤として低粘性の接着剤を用いることができる。
また、請求項6の発明によれば、接着剤保持体内に接着剤に対して負圧を働かすことができ、この負圧により接着剤を保持することが出来る。
また、請求項7の発明によれば、接着剤保持部材は、繊維集合体により接着剤を保持することが出来る。
また、請求項8の発明によれば、光が接着剤保持体を透過して、保持されている接着剤の全てに照射することができるので、光硬化型接着剤を使うことが出来る。
また、請求項9の発明によれば、請求項1〜8の何れかの効果に加え、光入射領域内に接着剤が配置されていないので、半導体素子に入光(または出光)する光の光路を接着剤が遮ることがなく、半導体素子の性能を発揮出来ないという問題が生じることがない。
また、請求項10の発明によれば、接着剤を硬化させる時、接着剤の温度上昇がほとんどなく、熱の影響による基板と半導体素子との位置関係のズレを生じることなく、基板と半導体素子とを接着することが出来る。また、接着時に熱の影響による残留応力が発生しない。
また、請求項11の発明によれば、熱硬化型接着剤により光を照射できない場所でも接着剤の硬化を行うことができる。また、その硬化温度は半導体素子を配線部に電気的に接続した電極の接合を壊さない温度以下であるため、半導体素子と配線部の位置関係のズレがなく、ハンダ溶着部等の接合点を壊すことなく、電気的接合の信頼性を保持したまま、基板と半導体素子とを接着することが出来る。
また、請求項12の発明によれば、請求項1〜11の何れかの効果に加え、光入射領域内に接着剤が配置されていないので、半導体素子に入光(または出光)する光の光路を接着剤が遮ることがなく、半導体素子の性能を発揮出来ないという問題が生じることがない。
また、請求項13の発明によれば、接着剤が半導体素子の機能面に接することがなくなり、接着剤が目に見えない電気的回路となり、有害な寄生容量としてコンデンサ的な働きをし、目的の機能を果たさなくなる問題が解決され、半導体を光学的な素子とした場合、接着剤が受光面(発光面)側に回り込み、接着剤が光路をさえぎる問題が解決されることとなる。また、半導体機能面の反対の面に接着剤がついておらず、放熱手段を備えているので、半導体素子から放出する熱を効率的に大気に逃がすことができ、半導体素子の変形を抑えることができる。
また、請求項14の発明によれば、請求項13の効果に加え、接着剤が流れ出すことがなくなり、接着剤の流出により半導体機能面と基板との間に接着剤が入り込むことが無くなる。また、接着剤の初期形状が保持されるので、接着剤の配置が容易である。
また、請求項15の発明によれば、請求項14の効果に加え、接着剤の硬化前に内外圧力に対して強度を持たせることができる。また、製造が容易である。
また、請求項16の発明によれば、請求項14の効果に加え、接着剤の硬化前に内外圧力に対して強度を持たせることができる。また、製造が容易である。
また、請求項17の発明によれば、請求項13の効果に加え、低粘性の接着剤を用いた場合でも接着剤の流出を防止することができ、半導体機能面と基板との間に、接着剤が入り込むことが無くなる。したがって、接着剤として低粘性の接着剤を用いることができる。
また、請求項18の発明によれば、接着剤保持体内に接着剤に対して負圧を働かすことができ、この負圧により接着剤を保持することが出来る。
また、請求項19の発明によれば、接着剤保持部材は、繊維集合体により接着剤を保持することが出来る。
また、請求項20の発明によれば、光が接着剤保持体を透過して、保持されている接着剤の全てに照射することができるので、光硬化型接着剤を使うことが出来る。
また、請求項21の発明によれば、請求項13〜20の何れかの効果に加え、光入射領域内に接着剤が配置されていないので、半導体素子に入光(または出光)する光の光路を接着剤が遮ることがなく、半導体素子の性能を発揮出来ないという問題が生じることがない。
また、請求項22の発明によれば、接着剤を硬化させる時、接着剤の温度上昇がほとんどなく、熱の影響による基板と半導体素子との位置関係のズレを生じることなく、基板と半導体素子とを接着することが出来る。また、接着時に熱の影響による残留応力が発生しない。
また、請求項23の発明によれば、熱硬化型接着剤により光を照射できない場所でも接着剤の硬化を行うことができる。また、その硬化温度は半導体素子を配線部に電気的に接続した電極の接合を壊さない温度以下であるため、半導体素子と配線部の位置関係のズレがなく、ハンダ溶着部等の接合点を壊すことなく、電気的接合の信頼性を保持したまま、基板と半導体素子とを接着することが出来る。
また、請求項24の発明によれば、請求項13〜23の何れかの効果に加え、光入射領域内に接着剤が配置されていないので、半導体素子に入光(または出光)する光の光路を接着剤が遮ることがなく、半導体素子の性能を発揮出来ないという問題が生じることがない。
また、請求項25の発明によれば、請求項13〜24の効果に加えて、熱による半導体素子の伸縮に対し、放熱手段がその伸縮を規制することは無く、放熱手段の伸縮が半導体素子に影響を及ぼすことが無い。このことにより、半導体素子と基板とが自分自身以外の熱のストレスを受けることが無くなり、外力により変形させられることがない。
また、請求項26の発明によれば、請求項25の効果に加えて、放熱手段が固い材料であっても、半導体素子の伸縮方向に対して弾性を持たせることが出来る。
また、請求項27の発明によれば、請求項25の効果に加えて、放熱手段が固い材料であっても、半導体素子の伸縮方向に対して弾性を持たせることが出来る。
また、請求項28の発明によれば、請求項13〜24の何れかの効果に加えて、半導体素子の熱の影響による伸縮に対して、放熱手段は半導体素子に対する接触面積が小さく、伸縮方向に対して放熱手段はその伸縮を規制することが無い。また、放熱手段自身の変形により半導体素子にストレスを与えることも無い。
また、請求項29の発明によれば、請求項13〜24の何れかの効果に加えて、半導体素子の熱の影響による伸縮に対して、放熱手段は半導体素子に対して接する面積が小さく、伸縮の方向に対して放熱手段はその伸縮を規制することが無い。また、放熱手段自身の変形により半導体素子にストレスを与えることも無い。
また、請求項30の発明によれば、請求項13〜24の何れかの効果に加えて、半導体素子の熱の影響による伸縮に対して、放熱手段は半導体素子に対して接する面積が小さく、伸縮方向に対して放熱手段はその伸縮を規制することが無い。また、放熱手段自身の変形により半導体素子にストレスを与えることも無い。
また、請求項31の発明によれば、請求項12又は24の効果に加えて、固体撮像素子の光入射領域内に接着剤が配置されていないので、固体撮像素子への入射光の光路を接着剤が遮ることがなく、固体撮像素子の性能を発揮出来ないという問題が生じることがない。
また、請求項32の発明によれば、固体撮像素子への入射光の光路が遮られることもなく、固体撮像素子が十分に性能を発揮できるので、画像の読み取りエラーを生じることがなく、高信頼性の画像読取ユニットを得ることができる。
また、請求項33の発明によれば、固体撮像素子が十分に性能を発揮できるので、画像の読み取りエラーを生じることがなく、高信頼性の画像読取ユニットを得ることができる画像読取ユニットを備えているので、原稿画像の読み取りエラーを生じることがなく、感光体上に高精度な静電潜像を形成することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る第1実施形態の半導体装置の全体を示す斜視図であり、図2は図1の半導体装置の素子長手方向に直交する方向に沿った断面図である。
図1、図2に示すように、第1実施形態の半導体装置は、半導体素子2の半導体機能面2a及びその反対面である後面2b以外の面、即ち、側面2cと基板1とを円柱状の接着剤3で接着している。このとき、基板1と半導体素子2との間には隙間4が形成されており、この隙間4は接着剤3の無い空間になっている。
前記円柱状の接着剤3は、その表面部分が硬化されて被覆されており、接着面に接触する部分のみ被覆が破れて硬化前の接着剤が接着面に付着することにより、基板1の表面と半導体素子2の側面2cとを接着している。接着剤3の表面の硬化は、例えば、熱硬化型接着剤を用いた場合には表面を加熱することにより、表面のみを硬化させ、紫外線硬化型接着剤を用いた場合には短時間の紫外線照射により表面のみ硬化させる。そして、表面が硬化した接着剤を接着位置に配置した後、加圧、加熱、又はレーザ照射等により接触面を破断する。
前記円柱状の接着剤3の半導体素子長手方向の長さは、図1に示すように、本実施形態では半導体素子2とほぼ同程度の長さに形成されている。
前記接着剤3は円柱形状、即ち断面円形であるので、接着剤3の内外圧力に対して強度を持たせることができる。また、接着剤3が多角柱形状、即ち、断面が多角形であると側面2cと基板1との接着面積を広げることができるので接着には有利となる。
この多角柱形状の場合には接着面となる2面のなす角度が半導体素子2の側面2cと基板1表面とのなす角度とほぼ等しいことが望ましい。また、接着面となる2面のなす角度が半導体素子2の側面2cと基板1表面とのなす角度とほぼ等しければ、円柱の一部を切り欠いた形状等であってもよい。
また、図示はしてないが、接着剤3は、表面を硬化させる代わりに、接着剤保持体である接着剤保持部材に保持されていても同じ構成が取れる。接着剤3は、接着剤保持部材に保持されているので、接着剤3が流れ出すことがなくなり、半導体機能面2aと基板1との間に接着剤3が入り込むことが無くなる。接着剤保持部材としては、例えば、スポンジ状のものを用いることができる。接着剤保持部材はスポンジ状であるので、接着剤保持部材内に接着剤に対して負圧を働かすことができ、接着剤3を保持することが出来る。また、接着剤保持部材として、繊維の集合体等を用いることができる。即ち、接着剤保持部材は、接着剤3が流れださないだけの保持力があればよい。また、接着剤保持部材に光透過性を持たせた場合、光が接着剤保持部材を透過して接着剤3に照射できるので、光硬化型の接着剤を使えるようになる。
以上の第1実施形態の半導体装置によれば、配線部5を有する基板1に対し、半導体素子2をフリップチップ接合する半導体装置において、半導体素子2と基板1とを固定する接着剤3が、半導体素子2の前面2aおよび後面2bを共に除いた残りの面である側面2cのうち少なくとも一つの面と基板1とを接着するとともに、基板1と半導体素子2との間には接着剤が入り込んでいないので、接着剤3が半導体機能面2aに接することがなくなり、接着剤が目に見えない電気的回路となり、有害な寄生容量としてコンデンサ的な働きをし、目的の機能を果たさなくなることがない。また、接着剤3の表面を硬化した接着剤で覆ったり、接着剤保持体を設けることにより、接着剤が流出して半導体素子と基板との間に流れ込むことがない。したがって、突起物を設ける必要がないので、製造工程が複雑化することがなく、低コストで製造することができる。
図3は本発明に係る第2実施形態の半導体装置の全体を示す斜視図である。
図3に示すように、接着剤3が半導体機能面およびその反対の面以外の面、即ち側面2cの全周を覆って、側面2cと基板1の表面とを接合している。
この第2実施形態の半導体装置によれば、半導体機能面2aを外気から遮断(封止)することができ、半導体機能面2aの保護が出来る。
図4は、図1及び図2の半導体装置が光学的機能部品としての固体撮像装置である場合における図2の断面図に対応する断面図である。
図4に示すように、この半導体装置としての固体撮像装置は、図1及び図2に示した第1実施形態の半導体装置において、基板1としてガラス、プラスチック等の光透過性基板1Aを用い、半導体素子2として固体撮像素子20を用いたものであり、他の構成は図1及び図2と同様である。この固体撮像素子20では、半導体素子2の半導体機能面2aに対応する光学的機能面20aを備えている。
この固体撮像装置では、前面である光学的機能面20aおよびその反対の面である後面20b以外の面、即ち側面20cと基板1Aとが、円柱形状の接着剤3によって接着されている。この時光学的機能面20aが接着剤3に覆われてはいない。
図1〜図4に示した何れかの実施形態によれば、接着剤3が、半導体機能面2a(光学的機能面20a)およびその反対の面である後面2b(20b)以外の面である側面2c(20c)の少なくとも1つの面と、基板1(1A)とを接着しているので、半導体素子2(固体撮像素子20)と基板1(1A)の熱による伸び縮みストレスが一部に集中することが無くなり、全体でストレスを受けるようになり、半導体素子2(固体撮像素子20)と基板1(1A)の局部的な破壊を防ぐことが出来る。
また、接着剤3が半導体機能面2a(光学的機能面20a)に接することがなくなり、接着剤が目に見えない電気的回路となり、有害な寄生容量としてコンデンサ的な働きをし、所望の機能を果たさなくなる問題が解決されたり、半導体素子を光学的素子とした場合、接着剤が受光面(発光面)側に回り込み、接着剤が光路をさえぎる問題が解決されることとなる。
また、図1〜図4に示した何れかの実施形態によれば、接着剤3は、その表面が硬化した接着剤3で被覆されているので、接着剤3が流れ出すことがなくなり、半導体機能面2a(光学的機能面20a)と基板1(1A)との間に接着剤3が入り込むことが無くなる。
また、図1〜図4に示した何れかの実施形態によれば、接着剤3は、断面が円形であるので、接着剤3の硬化前に内外圧力に対して強度を持たせることができる。また、製造が容易である。
また、図4に示した実施形態によれば、基板1が光透過性基板であり、半導体素子2が光学機能部品であるとき、光学的機能面20aが接着剤3に覆われていないので、接着剤3が入光(または出光)する光路を遮り、光学性能を発揮出来ないという問題が生じることがない。
図5は本発明に係る第3実施形態の半導体装置の全体を示す斜視図である。
図5に示すように、この第3実施形態の半導体装置は、図3に示した第2実施形態の半導体装置と比べて、放熱手段11を設けた点のみ異なり、他の構成は第2実施形態の半導体装置と同様である。
この放熱手段11は、山11aと谷11bを繰り返す波状に形成され、半導体素子2の後面2bに谷11bの部分を接着等により取り付けたものである。このように半導体素子2の長手方向に沿って、波状の放熱手段11を設けているので、半導体素子2の熱による長手方向の伸縮に対して放熱手段11は弾性を有している。このため、熱による半導体素子2の伸び縮みに対し、放熱手段11がその伸び縮みを邪魔することは無い。また、放熱手段11の伸び縮みが半導体素子2に影響を及ぼすことが無い。このことにより、半導体素子2と基板1とが自分自身以外の熱のストレスを受けることが無くなり、外力により変形させられることがない。
図6は図5の半導体装置の放熱手段の変形例を示す図である。
図6に示すように、この半導体装置は、図5の第3実施形態の半導体装置の放熱手段のみ異なり、他の構成は第3実施形態の半導体装置と同様である。
この放熱手段12は、図5の放熱手段11の向きを変えて設置したものである。上述したように、半導体素子2は、熱の影響により長手方向に大きく伸縮するが、その方向に対して放熱手段12は弾性を持つので、図5の放熱手段11と同様の作用効果を有している。
図7は図5の半導体装置の放熱手段のその他の変形例を示す図である。
図7に示すように、この半導体装置は、図5の第3実施形態の半導体装置の放熱手段のみ異なり、他の構成は第3実施形態の半導体装置と同様である。
この放熱手段13は、スパイラル状に形成され、螺旋の中心軸を半導体素子の長手方向に沿わせて取り付けたものである。上述したように、半導体素子2は、熱の影響により長手方向に大きく伸縮するが、その方向に対して放熱手段13は弾性を持つので、図5の放熱手段11と同様の作用効果を有している。
図5〜図7に示した何れかの実施形態によれば、放熱手段11〜13は熱による半導体機能面2aの面方向の変形に対して、弾性を持つ部材であるので、熱による半導体素子2の伸縮に対し、放熱手段11〜13がその伸縮を邪魔することは無い。また、放熱手段11〜13の伸縮が半導体素子2に影響を及ぼすことが無い。このことにより、半導体素子2と基板1が自分自身以外の熱のストレスを受けることが無くなり、外力により変形させられることがない。
図5〜図7に示した何れかの実施形態によれば、放熱手段11、12は波状の部材であり、放熱手段13はスパイラル状の部材であるので、放熱手段11〜13が固い材料であっても、半導体素子2の伸縮方向に対して弾性を持たせることが出来る。
図8は図5の半導体装置の放熱手段のその他の変形例を示す図である。
図8に示すように、この半導体装置は、図5の第3実施形態の半導体装置の放熱手段のみ異なり、他の構成は図5の第3実施形態の半導体装置と同様である。
この放熱手段14は、既存の熱圧着法、超音波ボンディング法等を用いたワイヤーボンディング装置により、途中で止めて切ることにより線状に形成されたものである。上述したように、半導体素子2は、熱の影響により長手方向に大きく伸縮するが、その方向に対して放熱手段14は半導体素子2に対して接する面積が小さいので、熱による半導体素子2の伸び縮みに対し、放熱手段14がその伸び縮みを邪魔することは無い。また、放熱手段14の伸び縮みが半導体素子2に影響を及ぼすことが無い。このことにより、半導体素子2と基板1とが自分自身以外の熱のストレスを受けることが無くなり、外力により変形させられることがない。
図9は図5の半導体装置の放熱手段のその他の変形例を示す図である。
図9に示すように、この半導体装置は、図5の第3実施形態の半導体装置の放熱手段のみ異なり、他の構成は第3実施形態の半導体装置と同様である。
この放熱手段15は、既存の熱圧着法、超音波ボンディング法等を用いたワイヤーボンディング装置により、途中で止めて切ることにより針状に形成されたものである。図9に示すように、ハンダをワイヤーボンディングしたときにできる針状の形状でも放熱効果はある。
上述したように、半導体素子2は、熱の影響により長手方向に大きく伸縮するが、その方向に対して放熱手段15は半導体素子2に対して接する面積が小さいので、図8の放熱手段と同様の作用効果を有している。
即ち、図9に示した実施形態によれば、放熱手段15は針状の部材であるので、半導体素子2の熱の影響による伸縮の際に、放熱手段15は半導体素子2に対する接触面積が小さく、伸縮方向に対して放熱手段15はその伸縮を邪魔することが無い。また、放熱手段自身の変形により半導体素子2にストレスを与えることも無い。
図10は図5の半導体装置の放熱手段のその他の変形例を示す図である。
図10に示すように、この半導体装置は、図5の第3実施形態の半導体装置の放熱手段のみ異なり、他の構成は第3実施形態の半導体装置と同様である。
この放熱手段16は、球状に形成されたものである。図10に示すように、ボール形状になったハンダを半導体素子2上に載せて、接合した物でも放熱効果はある。
上述したように、半導体素子2は、熱の影響により長手方向に大きく伸縮するが、その方向に対して放熱手段16は半導体素子2に対して接する面積が小さいので、図8の放熱手段と同様の作用効果を有している。
即ち、図10に示した実施形態によれば、放熱手段16は球状の部材であるので、半導体素子2の熱の影響による伸縮の際に、放熱手段16は半導体素子2に対する接触面積が小さく、伸縮の方向に対して放熱手段16はその伸び縮みを邪魔することが無い。また、放熱手段自身の変形により半導体素子2にストレスを与えることも無い。
図11は図5の半導体装置の放熱手段のその他の変形例を示す図である。
図11に示すように、この半導体装置の放熱手段17は、図8に示した線状の放熱手段の他の例である。ワイヤーボンディング装置で図8に示すように放熱手段14をまっすぐに立てるのが困難な場合、図11に示すように、2箇所に圧着したものを多数置くようにしてもよい。この放熱手段17は、例えば逆V字状の線状に形成されている。この放熱手段17においても図8の放熱手段14と同様の作用効果を有している。
図12は図5の半導体装置の放熱手段のその他の変形例を示す図である。
図12に示すように、この半導体装置の放熱手段18は、図8に示した線状の放熱手段14の他の例である。ワイヤーボンディング装置で図8に示すように放熱手段14をまっすぐに立てるのが困難な場合、図12に示すように一本の線を多数箇所で圧着するのでも良い。この放熱手段18は、例えば逆V字状の線状のものが連続的に屈曲形成されている。この放熱手段18においても図11の放熱手段17と同様の作用効果を有している。
図5〜図12に示す放熱手段11〜18は、金属等の熱伝導性の高い物がよく、接着で付けても、圧着で付けても良い。特に図8、図9、図11、図12に示す放熱手段14,15,17,18においては、既存のワイヤーボンディング装置を使って圧着させる方法を取っても良く、その場合の形状は、図8、図9、図11、図12に示すような形状になる。
図8、図11、図12に示した何れかの実施形態によれば、放熱手段14、17、18は線状の部材であるので、半導体素子2の熱の影響による伸縮の際に、放熱手段14、17、18は半導体素子2に対する接触面積が小さく、伸縮方向に対して放熱手段14、17、18はその伸縮を邪魔することが無い。また、放熱手段自身の変形により半導体素子2にストレスを与えることも無い。
また、図1に示した第1実施形態の半導体装置においても、図5〜図12の放熱手段11〜19の何れかを設けることができる。
また、図4に示した半導体装置である固体撮像装置の固体撮像素子20の後面20bに図5〜図12の放熱手段11〜18の何れかを設けることができる。
また、図5〜図12に示した半導体素子を図4の固体撮像素子に置き換えることができる。ただし、この場合、基板1として図4で説明したように、光透過性基板を用い、固体撮像素子の光学的機能面20aを接着剤で全て被覆するか、光学的機能面20aを接着剤で全て覆わないようにする必要がある。例えば、図1〜図3、図5〜図12で半導体素子を固体撮像素子にした場合には、光学的機能面20aが接着剤で被覆されない。
なお、上記で説明してきた接着剤3は、光硬化型接着剤または、熱硬化型接着剤であり、熱硬化型接着剤の硬化温度は基板1と半導体素子2との接合を壊す温度を下回っている。
接着剤3を熱硬化型とした場合には、光の当てられない場所での接着剤硬化を行える。また、その硬化温度は半導体素子2を基板1の配線部5に電気的に接続したハンダ、金のバンプ等の電極6の接合を壊さない温度以下であるので、接合点を壊すことなく、電気的接合の信頼性を保持したまま、基板1と半導体素子2とを接着することが出来る。
また、接着剤3を光硬化型とした場合には、接着剤3を硬化させるとき、接着剤3の温度上昇がほとんどなく、熱の影響による基板1と半導体素子2との位置関係のズレを生じることなく、基板1と半導体素子2とを接着することが出来る。また、接着時に熱の影響による残留応力が発生しない。
なお、本発明の実施例ではラインCCDのような長細い形状の半導体素子を対象としているが、この形状にとらわれることなく、正方形や、多角形、円形など、あらゆる形の半導体素子を対象としている。
図13は本発明に係る半導体装置である固体撮像装置を用いた画像読取ユニットの斜視図である。
図13に示すように、上述した固体撮像装置を用いた画像読取ユニット10は、原稿面からの画像光としての光線が透過する透過面の周囲に側面であるコバ面23aを有する、光学エレメントであるレンズ23と、コバ面23aに対向する第1の取付面25aと第1の取付面25aとは異なる角度、本実施形態では第1の取付面25aに対して90度に形成されている第2の取付面25bとを有し、レンズ23と筐体22とを接合する中間保持部材25と、第2の取付面25bに対向する取付面22cを有するベース部材である筐体22とを備えている。
この画像読取ユニット10では、筐体22と筐体22に対して位置調整されたレンズ23とが中間保持部材25を介して接着固定されている。
前記レンズ23は、そのコバ面23aに同一直径上に配置される平坦面23bを備えている。この平坦面23bは切削、研削等により形成され、必要に応じて研磨されている。このように平坦面23bを形成することにより、中間保持部材25の第1の取付面25aとの接着面積を拡大することができ、固定強度を高めることができる。
前記筐体22は、レンズ23と固体撮像装置20Aとを調整後に調整された配置関係で固定する。この筐体22は、円弧状溝部22bと、円弧状溝部22bに隣接する平面状の取付面22cと、固体撮像装置20を取り付ける取付面22dと、レンズ23,26等から構成される結像レンズ系と固体撮像装置20Aとの間を遮光する遮光用カバー22aとを備えている。この遮光用カバー22aを設けることによって、外乱光等の影響を防ぐことができ良好な画像を得られる。この筐体22は後述する複写機等の画像走査装置の所定位置にねじ締め、カシメ、接着、溶着等の固定手段により固定される。
前記中間保持部材25に用いる材質は、光(紫外線)透過率の高い部材、例えば、アートン、ゼオネックス、ポリカーボネイト等が用いられる。
前記中間保持部材25は接着剤の表面張力により、レンズ調整によるレンズ位置の移動に対して、両接着面がすべるようにして動き、レンズ23の移動に追従することができる。
前記中間保持部材25の第1の取付面25a及び第2の取付面25b、即ち両接着面を直交させることによって、レンズ23の位置調整が6軸可能となり各軸が独立して調整することができる。
図13に示すように、2個の中間保持部材25を用いて光学エレメント側接着面であるレンズ23のコバ面23aの平坦面23bが対向するように配置することによって、接着剤が硬化するときの硬化収縮による影響を少なくすることができる。
図13に示すように、中間保持部材25の両接着面間に光透過性のリブ25cを設けることによって、光硬化型接着剤を硬化させるときの光のロスを増加することなく、中間保持部材25の強度を高めることができる。
前記中間保持部材25のレンズ側固定面である第1の取付面25aと保持部材側固定面である第2の取付面25bとは互いに垂直であるので、レンズのX、Y、Z、α、β、γ各位置調整方向への移動に対して互いに独立して調整することができる。
中間保持部材25が紫外線硬化型の接着剤によってレンズ23と筐体22とに接続されている場合について考えてみると、まずX、Z方向の調整の場合、レンズ23と中間保持部材25とが筐体22の保持部材側固定面である筐体取付面22cを介して筐体上をすべる動きをして調整される。
また、Y方向の調整の場合、移動レンズ23が中間保持部材25のレンズ側固定面である第1の取付面25aをすべる動きをして調整される。
以下α、β、γも同様にして調整される。さらに、光学エレメントがレンズの場合光軸を中心とした球面形状をしているため、光軸(γ軸)周りに回転させてもレンズの加工誤差等で発生した光軸倒れを補正することはできない(光軸が回転するのみ)。したがってγ軸周りの調整は不要となる。
図14は本発明に係る半導体装置である固体撮像装置を用いた画像読取ユニットを備えた画像走査装置の一例として多機能型デジタル画像形成装置の概略構成図である。
図14に示すように、上述した画像読取ユニットを備えた画像形成装置は、自動原稿送り装置101、読み取りユニット150、書込ユニット157、給紙ユニット130及び後処理ユニット140とを備えて構成されている。自動原稿送り装置101は、原稿を読み取りユニット150のコンタクトガラス106上に自動的に給送し、読み取りが終了した原稿を自動的に排出する。読み取りユニット150はコンタクトガラス106上にセットされた原稿を照明して光電変換装置である固体撮像装置20Aによって読み取り、書込ユニット157は読み取られた原稿の画像信号に応じて感光体115上に画像を形成し、給紙ユニット130から給紙された転写紙上に画像を転写して定着する。定着が完了した転写紙は後処理ユニット140に排紙され、ソートやステープルなどの所望の後処理が行われる。
まず、読み取りユニット150は、原稿を載置するコンタクトガラス106と光学走査系で構成され、光学走査系は露光ランプ151、第1ミラー152、レンズ13、固体撮像装置20A、第2ミラー155および第3ミラー156などからなっている。露光ランプ151および第1ミラー152は図示しない第1キャリッジ上に固定され、第2ミラー155および第3ミラー156は図示しない第2キャリッジ上に固定されている。原稿を読み取る際には、光路長が変化しないように第1キャリッジと第2キャリッジとは2対1の相対速度で機械的に走査される。この光学走査系は図示しないスキャナ駆動モータによって駆動される。
原稿画像は固体撮像装置20Aによって読み取られ、光信号から電気信号に変換されて処理される。レンズ13および固体撮像装置20Aを図14において左右方向に移動させると画像倍率を変化させることができる。すなわち、指定された倍率に対応してレンズ13および固体撮像装置20Aの図において左右方向の位置が設定される。
書込ユニット157はレーザ出力ユニット158、結像レンズ159およびミラー160によって構成され、レーザ出力ユニット158の内部には、レーザ光源であるレーザダイオードおよびモータによって高速で定速回転するポリゴンミラーが設けられている。
レーザ出力ユニット158から照射されるレーザ光は、前記定速回転するポリゴンミラーによって偏向され、結像レンズ159を通ってミラー160で折り返され、感光体面上に集光されて結像する。偏向されたレーザ光は感光体115が回転する方向と直交する所謂主走査方向に露光走査され、後述する画像処理部によって出力された画像信号のライン単位の記録を行う。そして、感光体115の回転速度と記録密度に対応した所定の周期で主走査を繰り返すことによって感光体面上に画像、すなわち静電潜像が形成される。
このように書込ユニット157から出力されるレーザ光が、画像作像系の感光体115に照射されるが、感光体115の一端近傍のレーザ光の照射位置に主走査同期信号を発生する図示しないビームセンサが配されている。このビームセンサから出力される主走査同期信号に基づいて主走査方向の画像記録タイミングの制御、および後述する画像信号の入出力用の制御信号の生成が行われる。
以上において、寄生容量の問題は半導体素子表面の実際の機能面上に接着剤が付かなければほぼ問題無く、機能部以外の面に接着剤が付いて基板と固定される面積が広がることは、接合強度の向上と言う面では利点となる。
半導体素子と基板の接合を行なうのにあたり、半導体素子の電極部と基板の配電部をはんだで接合する方法がとられているが、半導体素子が長尺になると基板との線膨張係数の違いによるひずみが大きく影響してきて、はんだのような硬い物での接合では電気的接点の破壊の問題が生じてくる。長尺の半導体の接合に関しては本発明にある接着剤による接合が接合信頼性の面では有利である。
また、製造工程においてもはんだのような導電性材料は接点のみの塗布が必要となり、微細な実装工程には向いていない。半導体素子の微細な接点を接合するには本発明にある接着剤による接合が製造工程面で有利である。
また、半導体素子が光学的機能部品である時、半導体素子の位置は重要なものになってくる。たとえば光学的機能部品がCCDである時、本来、実像(原稿)がレンズによって結像された場所にCCDがあり、CCDに入光された光が情報として取り出されることが望ましいが、CCDの発熱により、基板とCCDの膨張差が出てくるとCCDが反る問題が生じる。これは、レンズの結像位置からCCDが位置ズレをおこし、ピントがずれた状態を作ることになってしまう。これを回避するために放熱効果を上げることが必要である。これは、CCDのような光を受けるものだけでは無く、LDアレイのような発光体に関しても同じことが言える。
そこで、以下に説明する発明では、(1)フリップチップ接合時の熱の影響(熱膨張)による接点破壊防止、(2)半導体素子(光学機能部品)機能面の保護、(3)高周波回路の有害な寄生容量の発生防止、(4)放熱効果の向上、(5)放熱することにより光学機能素子の変形防止をはかり、ピントズレを防止することで、光学特性の劣化を防止する点とを達成するために発案された。
以下の実施形態では前面に光学的機能面20aを有する半導体素子として、例えば受光素子の一例である固体撮像素子20の場合について説明する。
図15は前面に光学的機能面を有する半導体素子の一例としての固体撮像素子を示す図である。
図15に示すように、固体撮像素子20は、前面である光学的機能面20aと、光学的機能面20aの裏面である後面20bと、固体撮像素子20の前面の光学的機能面20aおよび後面20bを共に除いた残りの面20cとを備えて構成されている。光学的機能面20aには光学的機能部20dと電極部20eとが配置されている。この電極部20eは固体撮像素子20の両端部にあり、光学的機能部20dを挟むように配置されている。
図16は固体撮像素子の電極部に突起をつけた状態を局部的に見た図である。
図16に示すように、固体撮像素子20の電極部20eに突起6がつけられている。この突起6は熱と超音波とを使い金線を電極部20eに接合した物であり、一般的にはバンプと呼ばれる(金線を使う場合には金バンプと呼ばれる)。
図17は図16で突起をつけた固体撮像素子の光学的機能面を光透過性基板に向かいあわせにし、フリップチップ接合を行なう直前の図である。
図17に示すように、図16で突起6をつけた固体撮像素子20の光学的機能面20aを光透過性基板1Aに向かいあわせにし、フリップチップ接合を行なう。光透過性基板1Aには配線部5があり、電極保護用の第一の接着剤3aが塗布されている。この第一の接着剤3aは熱硬化性でも光硬化性でもよい。
図18は図17の状態から固体撮像素子を光透過性基板に押し込んだ状態で第一の接着剤を硬化させ、固体撮像素子と光透過性基板とが接合完了した状態の図である。
図18に示すように、図17の状態から固体撮像素子20を光透過性基板1Aに押し込んだ状態で第一の接着剤3aを硬化させ、固体撮像素子20と光透過性基板1Aとが接合を完了している。
固体撮像素子20は図示しない接合装置により光透過性基板1Aと位置決めされた後(詳細には電極部20eにつけた突起6と配電部5との位置決め)、荷重をかけながら第一の接着剤3aの硬化条件に合わせた硬化方法で第一の接着剤3aを硬化させている。硬化条件とは熱硬化性の接着剤であれば加熱温度であり、光硬化型の接着剤であれば光の波長や強度である。このとき、突起6は荷重によりつぶされ、配電部5に食い込むようなかたちになる。
またこのとき、第一の接着剤3aは固体撮像素子20の光学的機能面20aと光透過性基板1Aとの間にはいるが、光学的機能部20dには入り込んでいない。また、第一の接着剤3aは、固体撮像素子20の電極部20e又は突起6と光透過性基板1Aの配線部5との接触部周囲を全周に渡って覆い、接着固定している。第一の接着剤3aには耐湿性があり突起6と光透過性基板1Aとの配線部5の接合部を外気から保護している。
なお、このとき固体撮像素子20の電極部20eには突起6をつけたが、電気的接続が図れるのであれば突起6を付ける必要はないが、突起6を付けたほうが電気的な信頼性は向上する。また、図18の第一の接着剤3aは非導電性の接着剤であるが、異方導電性接着剤を使うことでより信頼性は向上する。
異方導電性接着剤とは非導電性の接着剤のなかに配線部5のパターン間隔より十分小さい導電性の粒子が分布され、隣接する電極間では絶縁性を示すが、加圧した方向には導電性の粒子が被加圧物の間に挟まり導電性を示し、結果接触している電極同士が導電するという物である。ただし、配線部5のパターン間隔が狭くなってくると隣接する電極間の絶縁性を保つのが難しくなってくるので、信頼性及び集積度に応じて非導電性接着剤と異方導電性接着剤とを適宜選択することができる。
図19は図18で接合完了した半導体装置の全体図である。
図19に示すように、電極部20eは固体撮像素子20の両端部にあり、それぞれ突起6を介して光透過性基板1Aの配線部5と接合され、第一の接着剤3aにより接合部が外気から保護されている。また、第一の接着剤3aは固体撮像素子20の光学的機能面20aと光透過性基板1Aとの間にはいるが、光学的機能部20dには入り込んでいない。
図20は図18で接合完了した半導体装置を光透過性基板側から見た図である。
図19に示すように、第一の接着剤3aは固体撮像素子20の光学的機能面20aと光透過性基板1Aの間にはいるが、図20にも示すように、光学的機能部20dには入り込んでいない。
図21は図19の状態から第二の接着剤を塗布し、硬化させた状態を示す図である。
図21に示すように、図19の状態から第二の接着剤3bを塗布し、硬化させる。第二の接着剤3bは固体撮像素子20の前面の光学的機能面20aおよび後面20bを共に除いた残りの面20cと光透過性基板1Aとを接着しており、光透過性基板1Aと固体撮像素子20の前面で光学的機能部20dを除いた面との間には、第一の接着剤3a又は第二の接着剤3bが入り込んでいるが、光学的機能部20dには入り込んでいない(図22の第1の状態Z1)。
この第二の接着剤3bの入り込みは、入り込みがない場合に比べ、光透過性基板1Aと固体撮像素子20の固定を強固なものにし、結果、熱膨張などのひずみや外力に対して強度が上がることになる。また、接着剤3a、3bが光学的機能部20dには入り込んでいないため、光透過性基板1A側から入射(又は出射)する光に対して、接着剤による劣化の問題は生じない。
図22は図21の状態を光透過性基板側から見た状態を示す図である。
図21の状態を光透過性基板1A側から見た状態である。このとき接着剤3a、3bは固体撮像素子20の光学的機能面20aと光透過性基板1Aの間にはいるが、光学的機能部20dには入り込んでいない(第1の状態Z1)。また、図では見えないが、配電部5は光透過性基板1Aの裏側で接着剤3bの外に出ていて、外部との信号のやり取りを行なえるようになっている。なお、この接着剤3bは配電部5のショート防止のため、非導電性である。
図23は図21の状態から固体撮像素子の後面に放熱部材を第三の接着剤にて固定した状態を示す図である。
図23に示すように、第一の接着剤3a、第二の接着剤3b及び第三の接着剤3cは何れも光学的機能部20dには入り込んでいない。
図24は図23の状態を光透過性基板側から見た図である。
図24に示すように、第一の接着剤3a及び第二接着剤3bは固体撮像素子20の光学的機能面20aと光透過性基板1Aとの間に入るが、光学的機能部20dには入り込んでいない(第2の状態Z2)。また、第三の接着剤3cは光透過性基板1Aに接着されているが光学的機能部20dには入り込んでいない。また、図24では見えないが、配電部5は光透過性基板1Aの裏側で第二の接着剤3b及び第三の接着剤3cの外に出ていて、外部との信号のやり取りを行なえるようになっている。なお、このとき第二の接着剤3b及び第三の接着剤3cは配電部5のショート防止のため、非導電性である。
図25は図19の状態から固体撮像素子の後面に放熱部材を接着剤にて固定した状態を示す図である。
図25に示すように、図19の状態から前記固体撮像素子20の後面20bに放熱部材50を接着剤3bにて固定した。第二の接着剤3bは固体撮像素子20の前面である光学的機能面20aおよび後面20bを共に除いた残りの面20cと光透過性基板1Aとを接着し、かつ固体撮像素子20の後面20bと放熱部材50を接着固定している。この光透過性基板1Aと固体撮像素子20の前面で光学的機能部20dを除いた面との間には、第一の接着剤3a又は第二の接着剤3bが入り込んでいるが、光学的機能部20dには入り込んでいない(図26の第3の状態Z3)。
この状態にするのに、固体撮像素子20と光透過性基板1Aとの接着固定を先に行ない、別工程で放熱部材50と固体撮像素子20及び光透過性基板1Aとの接着を行なっても良いし、工程短縮のため、一度の塗布で光透過性基板1A、固体撮像素子20及び放熱部材50の接着固定してもかまわない。
図26は図25の状態を光透過性基板側から見た図である。
図26に示すように、第一の接着剤3a及び第二接着剤3bは固体撮像素子20の光学的機能面20aと光透過性基板1Aとの間にはいるが、光学的機能部20dには入り込んでいない(第3の状態Z3)。また、図では見えないが、配電部5は光透過性基板1Aの裏側で接着剤3bの外に出ていて、外部との信号のやり取りを行なえるようになっている。なおこのとき接着剤3bは配電部5のショート防止のため、非導電性である。
放熱部材50の形状は図にあるもののみが対象になるのではなく、固体撮像素子20の発熱量と、必要放熱量との関係から最適な形状を選定すれば良く、発熱量が大きければ放熱板の表面積を大きくしたり、発熱量が少なければコストダウンを兼ねて放熱板を単純な形状にするのもよい。
以上の図では分かりやすいように厚さ方向(半導体素子2又は固体撮像素子20の機能面に垂直な方向)を非常に厚く描いてある。実際には、光透過性基板1Aと半導体素子2又は固体撮像素子20との間隔は約50μm程度、半導体素子2又は固体撮像素子20と放熱部材50との間隔は数10μm程度の薄さとなっている。
(実施例1)
光透過性基板1Aがガラス基板であり、半導体素子の一例としての固体撮像素子20がラインCCDのチップとしたときの接合を行う。光透過性基板1Aについた配電部5は、ガラス基板上にクロームを蒸着し、パターニングした後で金メッキをした物である。金メッキにより導電性及び接合性は向上する。固体撮像素子20の電極部2eにつける突起6は、金バンプと呼ばれる物であり、熱と超音波を使い金線を電極部20eに接合した物である。
第一の接着剤3aは非導電性接着剤である新日鐵化学製のエスアレックスNEX−151を用い(接合方式としては非導電性接合方式(NCP(non conductive Regin paste)方式))、第二の接着剤3bはUV接着剤である日本電気化学工業製のOP−1540を用いた。この条件にて製作した物は、光学機能面に接着剤が入り込まず、光学特性に異常は無かった。また、ヒートサイクルテストを行なった後も正常動作した。
(実施例2)
実施例1の材料のうち、第一の接着剤3aを異方導電性接着剤である新日鐵化学製のエスアレックスNEX−251を用いた(接合方式としては異方導電性接合方式(ACP(Anisotropic conductive paste)方式))。この条件にて製作した物は、光学機能面に接着剤が入り込まず、光学特性に異常は無かった。また、ヒートサイクルテストを行なった後も正常動作した。
(実施例3)
実施例1、2の物にアルミ製の放熱部材50である放熱板を第三の接着剤3cにて固定する。このとき第三の接着剤3cはシリコン系の熱硬化性接着剤である、GE東芝シリコーン製のTSE322SXを用いる。この第三の接着剤3cをエポキシ系の物にして固定するとヒートサイクル試験にて固体撮像素子とアルミ放熱板との間に剥離破壊が生じたが、上記シリコン系の接着剤であると剥離破壊は生じなかった。
(実施例4)
実施例3の物でアルミ製の放熱部材50である放熱板は第二の接着剤3bにて固定する。このとき第二の接着剤3bはシリコン系の熱硬化性接着剤である、GE東芝シリコーン製のTSE322SXを用いる。これにより、光透過性基板、固体撮像素子及び放熱板の接着を一度に行える。
(実施例5)
実施例3の固体撮像素子20を発光素子のLEDアレイにしたものであり、接点の破壊は生じない。
本発明の実施例では、長細い形状の半導体素子である長尺形状の固体撮像素子を対象としているが、この形状にとらわれることなく、正方形や、多角形、円形など、あらゆる形の半導体素子を対象としている。
以上説明したように、配線部5を有する光透過性基板1Aに対し、前面に光学的機能面20aを有する固体撮像素子20をフリップチップ接合する半導体装置において、固体撮像素子20と光透過性基板1Aとを固定する接着剤が、固体撮像素子20の前面および後面を共に除いた残りの面のうち少なくとも一つの面と光透過性基板1Aとを接着するとともに、光透過性基板1A板と固体撮像素子20の光学的機能部20dとの間には接着剤が入り込んでいないので、接着剤が固体撮像素子20の光学的機能部20dに接することがなくなり、接着剤が目に見えない電気的回路となり、有害な寄生容量としてコンデンサ的な働きをし、目的の機能を果たさなくなる問題が解決されとともに、接着剤が光路をさえぎる問題が解決されることとなる。また、光学的機能面20aの反対の面に接着剤がついていないため、固体撮像素子20から放出する熱を効率的に大気に逃がすことができる。
また、配線部5を有する光透過性基板1Aに対し、前面に光学的機能面20aを有する固体撮像素子20をフリップチップ接合する半導体装置において、固体撮像素子20の電極部20eと光透過性基板の配線部5を接触した状態でその周囲を固定する第一の接着剤3aと、固体撮像素子20と光透過性基板1Aとを固定する接着剤3bで、固体撮像素子の前面である光学的機能面20aおよび後面20bを共に除いた残りの面20cのうち少なくとも一つの面と光透過性基板とを接着する第二の接着剤3bを持ち、光透過性基板1Aと、固体撮像素子20の前面で光学的機能部20dとの間には、第一の接着剤3a又は第二の接着剤3bが入り込んでいないので、第一の接着剤3a又は第二の接着剤3bが光学的機能部20dに接することがなくなり、接着剤が目に見えない電気的回路となり、有害な寄生容量としてコンデンサー的な働きをし、目的の機能を果たさなくなる問題が解決されたり、接着剤が受光面(発光面)側に回り込み、接着剤が光の経路をさえぎる問題が解決されることとなる。また、光学的機能面20aの反対の面20bに接着剤がついていないため、固体撮像素子20から放出する熱を効率的に大気に逃がすことができ、線膨張係数の違いによる熱変形やひずみの発生を少なくしたり、固体撮像素子の位置をずらすことをなくすことができ光学的特性への影響を減らすことができる。
また、光透過性基板1Aと、固体撮像素子20の前面で光学的機能部20dを除いた面との間には、第一の接着剤3a又は第二の接着剤3bが入り込んでいるので、光透過性基板1Aと固体撮像素子20との接着強度を高くでき、固体撮像素子20の発熱による線膨張係数の違いによる変形や外力からのひずみに対して強くなる。
また、固体撮像素子20の電極部20e、又は、光透過性基板1Aの配線部5に導電性の突起6がついているので、電極部20eと配線部5とが接触しやすくなり、固体撮像素子20の電極部20e、又は、光透過性基板1Aの配線部5を接合しやすくする。また、突起6の高さ分の距離を光透過性基板1Aと固体撮像素子20との間におくことで、線膨張係数の違いによる変形を緩和し、そり量を低減させることができ、固体撮像素子20の位置をずらすことをなくすことができ光学的特性への影響を減らすことができる。
また、第一の接着剤3aが、固体撮像素子20の電極部20e又は突起6と光透過性基板1Aの配線部5との接触部の周囲を全周に渡って接着固定しているので、線膨張係数の違いによる変形によるひずみ応力から接合部を保護することができ、電気的信頼性を高くすることができる。
また、第一の接着剤3a又は第二の接着剤3bが、固体撮像素子20の前面で光学的機能部20dの周囲を全周に渡って、光透過性基板1Aと固体撮像素子20とを接着固定しているので、光透過性基板1Aと固体撮像素子20との接着強度を高くでき、固体撮像素子20の発熱による線膨張係数の違いによる変形や外力からのひずみに対して強くなるのと同時に、光学的機能部20dを大気から遮断することができ、機能部へのごみの侵入を防ぐことができる。
また、第二の接着剤3bが、固体撮像素子20の前面である光学的機能面20aおよび後面20bを共に除いた残りの面20cの全周に渡って、光透過性基板1Aと固体撮像素子20とを接着固定しているので、光透過性基板1Aと固体撮像素子20との接着強度を高くでき、固体撮像素子20の発熱による線膨張係数の違いによる変形や外力からのひずみに対して強くなるのと同時に、光学的機能部20dを大気から遮断することができ、機能部へのごみの侵入を防ぐことができる。
また、第一の接着剤3a又は第二の接着剤3bが、耐湿性能を持っているので、水分による接点電極の保護ができるようになったり、光学的機能部20dへの水分の付着による光学的機能の低下を防ぐことができる。
また、第一の接着剤3a又は第二の接着剤3bは硬化前に固体撮像素子20と光透過性基板1Aとの間に生じる毛細管力より強い形状保持力を持つ接着剤であるので、硬化前に光透過性基板1Aと固体撮像素子20とを接合する際、接着剤が光透過性基板1A上、または固体撮像素子20上で移動することがなくなり、光学的機能部20dへの接着剤の流出をなくすことができ、光学的機能の低下を防ぐことができる。
また、第一の接着剤3aは熱硬化型接着剤であるので、接着剤の硬化までの時間をコントロールすることができ、固体撮像素子20と光透過性基板1Aとの接合時の位置決めに調整する時間的余裕ができる。また、外部から熱がかかった場合、さらに接合強度が強化される。(はんだ接合の場合は熱がかかると接点が破壊される。)
また、第一の接着剤3aは光硬化型接着剤であるので、第一の接着剤3aを硬化させる時、第一の接着剤3aの温度上昇がほとんどなく、熱の影響による光透過性基板1Aと固体撮像素子20の位置関係のズレを生じることなく、光透過性基板1Aと固体撮像素子20とを接着することが出来る。また、接着時に熱の影響による残留応力が発生しない。
また、第一の接着剤3aは非導電性型接着剤であるので、隣接する配電部(接合部)をショートさせることがない。
また、第一の接着剤3aは異方導電性型接着剤であるので、隣接する配電部(接合部)をショートさせることがない。また、被接合物の接点の間には導電性の物がはさまれることになるので、接合の信頼性を上げることができる。
また、第二の接着剤3bは熱硬化型接着剤であるので、固体撮像素子からの発熱によりさらに接着強度が強化される。
また、第二の接着剤3bは光硬化型接着剤であるので、第二の接着剤3bを硬化させる時、第二の接着剤3bの温度上昇がほとんどなく、熱の影響による光透過性基板1Aと固体撮像素子20の位置関係のズレを生じることなく、光透過性基板1Aと固体撮像素子20とを接着することが出来る。また、接着時に熱の影響による残留応力が発生しない。
また、第二の接着剤3bは非導電性型接着剤であるので、光透過性基板1A上にある配線部5に接着剤3bがついたときもショートさせることがない。
また、第一の接着剤3a又は第二の接着剤3bは、その硬化温度がチップの破壊温度を下回るので、接着剤の硬化時に固体撮像素子を破壊することがない。
また、固体撮像素子20の後面20bに放熱部材50が設けられているので、固体撮像素子20から放出する熱を効率的に大気に逃がすことができ、線膨張係数の違いによる熱変形やひずみの発生を少なくしたり、固体撮像素子の位置をずらすことをなくすことができ光学的特性への影響を減らすことができる。
また、放熱部材50は固体撮像素子20の後面20bと前記光透過性基板1Aとに固定されているので、放熱部材50に対する接着面積を大きくとることができ、接着強度を増やすことができる。
また、放熱部材50は第二の接着剤3bで固体撮像素子20の後面2bと光透過性基板1Aとに固定されているので、固体撮像素子20の封止と放熱部材50の接着を一度にでき、工程の簡素化がはかれる。また、接着剤の種類を減らすことで、接着剤の線膨張係数の違いによるひずみを発生させないようにできる。
また、放熱部材50を固定する接着剤3cは非導電性型接着剤であるので、光透過性基板1A上にある配線部5に第二の接着剤3bがついたときもショートさせることがない。
また、放熱部材50を固定する第三の接着剤3cはシリコン系の接着剤であるので、放熱部材50と固体撮像素子20の線膨張係数の違いによる熱変形のひずみをシリコンのやわらかさで消すことができ、そりの発生を少なくしたり、固体撮像素子20の位置をずらすことをなくすことができ光学的特性への影響を減らすことができる。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではない。例えば、図15〜図26で説明した半導体装置を図13の画像読取ユニットや図14の画像形成装置に用いることができる。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。