JP2007018952A - 燃料電池用液体燃料、燃料カートリッジ及び燃料電池の運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電池の出力低下を防止し、小型化が可能な燃料電池用燃料、燃料カートリッジ及び燃料電池の運転方法を提供する。
【解決手段】 燃料電池に液体燃料を供給する燃料カートリッジにおいて、前記燃料カートリッジに脱気処理を施した燃料を充填すること。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料電池用液体燃料、燃料カートリッジ及び燃料電池の運転方法に関する。
近年の情報化社会の到来とともに、パーソナルコンピュータ等の電子機器で扱う情報量が飛躍的に増大し、それに伴い、電子機器の消費電力も著しく増加してきた。特に、携帯型の電子機器では、処理能力の増加に伴って消費電力の増加が問題となっている。現在、このような携帯型の電子機器では、一般的にリチウムイオン電池が電源として用いられているが、リチウムイオン電池のエネルギー密度は理論的な限界に近づいている。そのため、携帯型の電子機器の連続使用期間を延ばすために、CPUの駆動周波数を抑えて消費電力を低減しなければならないという制限があった。
このような状況の中で、リチウムイオン電池に変えて、エネルギー密度が大きく、熱交換率の高い燃料電池を電子機器の電源として用いることにより、携帯型の電子機器の連続使用期間が大幅に向上することが期待されている。
燃料電池は、燃料極および酸化剤極と、これらの間に設けられた電解質から構成され、燃料極には燃料が、酸化剤極(空気極ともいう)には酸化剤が供給されて電気化学反応により発電する。燃料としては、一般的には水素が用いられるが、近年、液体燃料を用いたものが開発されている。安価で取り扱いの容易なメタノールを原料として、メタノールを改質して水素を生成させるメタノール改質型や、メタノールを燃料として直接利用する直接型の燃料電池の開発も盛んに行われている。
燃料として水素を用いた場合、燃料極での反応は以下の式(1)のようになる。
3H2 → 6H+ + 6e- (1)
燃料としてメタノールを用いた場合、燃料極での反応は以下の式(2)のようになる。
CH3OH + H2O → 6H+ + CO2 + 6e- (2)
また、いずれの場合も、酸化剤極での反応は以下の式(3)のようになる。
(3/2)O2 + 6H+ + 6e- → 3H2O (3)
特に、直接型の燃料電池では、メタノール水溶液から水素イオンを得ることができるので、改質器等が不要になり、小型化および軽量化を図ることができ、携帯型の電子機器へ適用することの利点が大きい。また、液体のメタノール水溶液を燃料とするため、エネルギー密度が非常に高いという特徴がある。
直接型の燃料電池は、単位セルの発生電圧が1V以下であるため、携帯電話等の携帯機器に応用するためには、高電圧を発生させるために複数のセルを直列に連結する必要がある。自動車用や家庭の定置用燃料電池の場合には各単位セルを縦方向に連結する、スタック構造をとるのが一般的であるが、携帯機器用ダイレクトメタノール固体高分子型燃料電池の場合には、機器の厚さの制約等から平面内で連結する方法が用いられる場合が多い。
近年、非特許文献1に示すように燃料電池カートリッジを機器に組み込んで用い、燃料を使い切ると燃料カートリッジを交換する方式が検討されている。
一方、ダイレクトメタノール固体高分子型燃料電池の課題のひとつに発生二酸化炭素の電極への滞留によりメタノールの分解反応が阻害され出力が落ちる事があげられる。この課題解決のために特許文献1のようにメタノールを電極部分で気化させる技術が提案されている。また、特許文献2のようにメタノールを霧化させる技術も提案されている。
一方、特許文献3では外部から電極部を振動させて発生二酸化炭素を除く提案がされている。しかし、特許文献1では気化させるための熱量を与えなければならず全体のエネルギー収支から不利である。特許文献2では、超音波振動子が必要である。特許文献3においても圧電素子等の加振手段を設置しなければならず小型化に向いていない。
燃料電池2005 日経BP社 P.72 特開2000−106201号公報 特開2004−152490号公報 特開2004−152491号公報
本発明の目的は、電池の出力低下を防止し、小型化が可能な燃料電池、燃料カートリッジ及び燃料電池の運転方法を提供することである。
上記の本発明の目的は以下の手段によって達成することが出来る。
請求項1に係る燃料電池用液体燃料は、脱気処理を施したことを特徴とするものである。
請求項2に係る燃料カートリッジは、脱気処理を施した燃料電池用液体燃料が充填されていることを特徴とするものである。
請求項3に係る燃料電池の運転方法は、脱気処理を施した液体燃料が充填されている燃料カートリッジを燃料電池に装着し、この液体燃料を燃料電池内に注入する工程と、前記燃料電池の運転開始前に注入した前記液体燃料を前記燃料電池内で循環させる工程とを有することを特徴とするものである。
請求項4に係る燃料電池の運転方法は、液体燃料を燃料とした燃料電池の運転終了後、前記液体燃料を燃料電池内で循環させることを特徴とするものである。
請求項5に係る燃料電池の運転方法は、請求項4に記載の燃料電池の運転方法において、前記液体燃料は脱気処理を施された液体燃料であることを特徴とするものである。
請求項6に係る燃料電池の運転方法は、請求項3乃至5の何れか1項に記載の燃料電池の運転方法において、前記液体燃料を前記燃料電池内で循環させるポンプに振動式ポンプを用いることを特徴とするものである。
請求項7に係る燃料電池の運転方法は、請求項6に記載の燃料電池の運転方法において、前記振動式ポンプの駆動周波数が1kHz以上50kHz以下であることを特徴とするものである。
本発明によれば、液体燃料に脱気処理を施した燃料を用いているため、燃料電池の出力低下が改善される。これは、脱気処理を行った燃料であるため、燃料中に溶存する気体の量が少なく、燃料極近傍で発生した二酸化炭素を液体燃料中に取り込むことが出来、そのため出量低下を改善すると考えられる。また、燃料カートリッジに脱気処理を施した燃料を用いているため、燃料を補充、交換したときでも燃料電池の出力低下を低減できる。更に、燃料カートリッジの交換後にポンプによる循環を行うので、燃料電池の出力を回復することが出来る。これらの効果も、燃料極近傍にある二酸化炭素を液体燃料中に取り込むことが出来るためだと考えられる。また、燃料電池の運転終了後に運転時よりも低い温度の液体燃料を循環させることでも出力低下を改善できる。これは、液体燃料の温度が運転時よりも低い温度の時、運転時における液体燃料中に溶存出来る気体の量に比べ、多くなることから、発生した二酸化炭素を液体燃料中に取り込んだためと考えられる。また、液体燃料を循環させる振動式ポンプの駆動周波数を1kHz以上50kHz以下とすることで、より燃料電池の出力が改善される。燃料極近傍の液体燃料が振動し、燃料極から発生した二酸化炭素の液体燃料への取り込みがより効率的に行われ、出力が回復されたと考えられる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の一実施形態の燃料電池及び燃料カートリッジを用いた燃料電池装置C1を利用した発電システムを示している。
燃料電池装置C1は、燃料電池3と、燃料電池3に積層固定された振動式ポンプである第1ポンプユニット1及び同じく振動式ポンプである第2ポンプユニット2を含んでいる。また、燃料電池3に供給するための液体燃料を貯蔵した燃料カートリッジ4が、交換可能に燃料電池装置C1に接続されている。
本発明における燃料電池3に用いられる液体燃料は、あらかじめ脱気処理が施されているものが好ましい。
液体燃料をあらかじめ脱気処理することにより、液体燃料中に溶存している気体を低減できる。このため、脱気処理をした液体燃料を用いることにより、燃料電池3の燃料極で発生する二酸化炭素を液体燃料中に溶存することができ、よって燃料極における化学反応が効率よく行われ、出力低下を改善でき、長期に使用できる燃料電池を提供することができる。
液体燃料は、あらかじめメタノールと水を混合したメタノール水溶液でもよいし、また、メタノールと水を別々に供給し、燃料極手前で混合するようにしてもよい。
液体燃料の脱気処理方法としては、膜脱気方法や真空脱気方法を用いることが出来る。膜脱気方法とは、気体透過性があり、液体不透過性の隔膜の片側に液体を流し、他の側を減圧することにより、液体に溶解している気体を膜を通して真空側に除去する方法である。膜脱気に用いられる膜としては、中空糸膜を用いることが好ましい。真空脱気方法とは、液体を真空環境に入れて液体中の気体を分離する方法である。脱気処理方法としては、以上の方法に限らず、液体中の気体溶存量が不飽和の状態に出来る方法であればよい。脱気度については、溶存気体量が不飽和の状態であればよいが、好ましくは二酸化炭素の飽和溶解量に対して1/2以下であるのがよい。
また、脱気する液体燃料としては、メタノール水溶液の状態でもよいし、メタノールと水を別々に脱気し、後で混合してもよい。また、メタノールと水のどちらか一方を脱気したものを混合し、液体燃料として用いもよい。
このようにして脱気処理した液体燃料を燃料カートリッジ4に充填し、燃料電池装置C1に装着して用いる。
液体燃料の供給方法はポンプを用いる方法でも毛管圧を用いた方法でも本発明の効果は得られるが振動式ポンプを用いた供給が好ましい。振動式ポンプとしてはダイヤフラム型等の容積式ポンプで微細な液振動を起こすタイプが好ましい。小型化の要求からポンプも小型、薄型が好ましく、例えば特開2004−108285号公報のようなマイクロマシン技術を応用した小型平面ポンプが好ましく用いられる。
このような振動式ポンプを用いることにより、液体燃料を燃料電池に供給、循環させると同時に、液体燃料を通して振動が燃料極及びその近傍に伝わり、燃料極で発生した二酸化炭素をより効率的に液体燃料に溶解させることが出来る。この振動式ポンプの周波数は、必要な量の液体燃料を燃料電池に供給、循環出来れば、いずれの領域でも使用できるが、1kHz以上50kHz以下が好ましく、より好ましくは5kHz以上40kHz以下である。
また、燃料電池の運転方法として、燃料電池の運転を終了後、無負荷で一定時間、ポンプを作動させ、液体燃料を循環させることが好ましい。このような運転方法をとることにより、次に運転を再開したときの出力が、回復する。これは、無負荷で運転する時の液体燃料の温度が、運転時の温度よりも低いため、液体燃料の不飽和度が上がり、燃料極近傍の二酸化炭素を溶解するためだと考えられる。
図2は燃料電池装置C1を示しており、さらに言えば、図2(A)は該装置の平面図、図2(B)は該装置の側面図、図2(C)は該装置の底面図である。
また、図3(A)は図2(B)のA−A線断面図、図3(B)は図2(B)のB−B線断面図、図3(C)は図2(B)のC−C線断面図、図3(D)は図2(B)のD−D線断面図、図3(E)は図2(B)のE−E線断面図、図3(F)は図2(B)のF−F線断面図である。
燃料電池3は、本例では直接メタノール形燃料電池(以下、「DMFC」と言うことがある。)であり、ここでは、電解質膜31の両面に燃料極32及び空気極33を接合したMEA(Membrane Electrode Assembly)構造のものである。MEAは各種構造のものが知られているが、本例では電解質膜31は電解質高分子膜〔例えばデュポン社製ナフィオン(パーフルオロスルホン酸膜)〕であり、燃料極32は電解質膜31に接する触媒層(例えば白金黒或いは白金合金をカーボンブラックに担持させたもの)とこれに積層されたカーボンペーパ等の電極からなり、空気極33も電解質膜31に接する同様の触媒層とこれに積層された同様の電極からなっている。
なお、MEAの構造によっては電力取り出しのための電極層を第1、第2ポンプユニット1、2の少なくとも一方に設けてもよい。
かかる電極層は燃料極或いは空気極に対向するポンプユニットの液体流路の形成部材を導電材料で形成するか(ステンレススチールのエッチング、Ni電鋳等による形成)又は絶縁材料であれば、液体流路の形成面にスパッタリング法等の各種薄膜形成手段を利用して白金等で形成することもでき、この電極層と燃料極或いは空気極との接続には導電性接着剤を用いるか又はポンプユニットをフレーム等の構成材により加圧状態で保持してもよい。
第1ポンプユニット1は、平坦な四角形状の部材11、12、13を含んでいる。これら部材は平坦形状に積層されている。部材11は、図2(A)及び図3(A)に示すように、下層の部材12に対向する面にマイクロポンプP1を含む液体燃料供給路111、マイクロポンプP2を含む希釈用液供給路112、これら両供給路にそれぞれ連通する共通の液体混合路113を有している。液供給路111、112は下層部材12へ向け開放された溝状のものであり、混合路113は下層部材12へ向け開放された凹所状のものである。
混合路113はポンプP1、P2より下流側に形成されている。液体燃料供給路111においてポンプP1より上流側の端には液体燃料供給口114が貫通形成されており、希釈用液供給路112におけるポンプP2より上流側の端には希釈用液受入れ部115が形成さている。希釈用液受入れ部115も下層部材12へ向け開放された凹所状のものである。また、液体燃料循環口116が貫通形成されており、燃料極を通過した液体燃料が燃料カートリッジ4に戻るようにしてある。
部材13は、図3(C)に示すように、電池3の燃料極32に対向する面に希釈液体燃料を該燃料極へ供給するための櫛状配列の溝状の複数本の希釈液体燃料通路131を有しているとともに該複数本の通路131に連通する共通の凹所状の希釈液体燃料通路132、137を有している。通路132から部材12側へ貫通孔133が形成されている。また、通路137から部材12側へ貫通口136が形成されている。さらに、各通路131を部材外部へ連通させる溝状のガス抜き孔134が形成されており、ガス抜き孔134の間には部材12側へ貫通する貫通孔135が形成されている。ガス抜き孔134は燃料極側で生成される二酸化炭素の放出に用いられる。
真ん中の部材12には、図3(B)に示すように、部材11の混合路113及び部材13の貫通孔133に合致する位置に貫通孔121が形成されているとともに、部材11の希釈用液受入れ部115及び部材13の貫通孔135に合致する位置に貫通孔122が形成されている。また、部材11の液体燃料循環口116及び部材13の貫通口136に合致する位置に貫通口126が形成されている。
部材12の貫通孔121及び部材13の貫通孔133は、部材11の混合路113から部材13の希釈液体燃料通路132、131へ通じる貫通路10を形成している(図1、図2(B)参照)。また、部材11の貫通口116と部材12の貫通口126と部材13の貫通口136とは、通路131とつながり、燃料電池内での液体燃料の循環路101を形成している。
以上のほか、部材11、12、13には、図3(A)〜(C)に示すように、互いに位置が合致するようにガス流通部GDが設けられている。ガス流通部GDは図3(G)に示すように、複数の微細なガス流通孔hを形成するとともに液体の通過を阻止するように撥水処理を施した部分である。ガス流通部GDは少なくとも一つ、より好ましくは複数、例えば各希釈液体燃料通路131(図3(C)参照)に対応させて設けるとよい。第1ポンプユニット1におけるガス流通部GDはガス放出のためのものである。
第2ポンプユニット2は、平坦な四角形状の部材21、22、23を含んでいる。これら部材は平坦形状に積層されている。部材21は、図3(D)に示すように、電池3の空気極33に対向する面に、燃料電池3における電気化学反応により生成される液体(ここでは水)及び燃料極32側から電解質膜31を通過してくる液体の通路、すなわち、櫛状に配列された溝状の複数本の通路211及び該通路に連通する共通の凹所状の通路212を有している。通路212から部材22側へ貫通孔213が形成されている。さらに、各通路211を部材外部と連通させる溝状の空気取り入り孔214が形成されており、空気取り入り孔214の間には部材22側へ貫通する貫通孔215が形成されている。
部材23は、図2(C)及び図3(F)に示すように、部材22に対向する面に、マイクロポンプP3を含む溝状の液体回収路231を有している。液体回収路231は燃料電池3における電気化学反応により生成される液体(ここでは水)及び燃料極32側から電解質膜31を通過してくる液体を回収するものである。液体回収路231のポンプP3より上流側の端には凹所状の液体受入れ部232が形成されており、ポンプP3より下流側の端には凹所状の液体排出部233が形成されている。
真ん中の部材22には、部材21の貫通孔213及び部材23の液体受入れ部232に合致する位置に貫通孔221が形成されているとともに、部材21の貫通孔215及び部材23の液体排出部233に合致する位置に貫通孔222が形成されている。
部材21の貫通孔213及び部材22の貫通孔221は、部材21の液体通路211、212から、空気極33側で生成される液体等の液体を部材23の液体回収路231端の液体受入れ部232へ供給する通路20を形成している(図1、図2(B)参照)。
以上のほか、部材21、22、23には、図3(D)〜(F)に示すように、互いに位置が合致するようにガス流通部GDが設けられている。ガス流通部GDは第1ポンプユニット1におけるものと同じもので、少なくとも一つ、より好ましくは複数、例えば各液体通路211(図3(D)参照)に対応させて設けるとよい。ここでのガス流通部GDは外部からの空気取り入れに利用される。
第1ポンプユニット1における部材11の希釈用液受入れ部115、部材12の貫通孔122及び部材13の貫通孔135、電池3の片側の端部に形成された貫通液体通路34(図2(B)参照)、第2ポンプユニット2における部材21の貫通孔215、部材22の貫通孔222、部材23の液体排出部233は、第2ポンプユニット2から、電池3にでの電気化学反応により生成された水及び燃料極側からの移動液を希釈用液として第1ポンプユニット1へ供給する循環路30を形成している(図1、図2(B)参照)。
第1ポンプユニット1のマイクロポンプP1、P2、第2ポンプユニト2のマイクロポンプP3はいずれも図4に示す基本構造を有するものである。
すなわち、液体を吸引するための第1絞り流路f1、液体を吐出するための第2絞り流路f2、該第1、第2の絞り流路f1、f2間のポンプ室PC、ポンプ室PCの可撓性壁(ダイアフラム)DFに設置された圧電素子PZTを含むポンプである。
圧電素子PZTに交番電圧を印加してポンプ室壁(ダイアフラム)DFを振動させることでポンプ室PCを収縮膨張させ、第1絞り流路f1からポンプ室PC内へ液体を吸引し、第2絞り流路f2からポンプ室内液体を吐出できる。
さらに説明すると、第1、第2の絞り流路f1、f2は断面積が同じ又は略同じであるが、流路f1より流路f2は長く形成されている。圧電素子PZTを駆動する交番電圧として図4(C)に示すように急峻な立ち上がり、緩やかな立ち下がりを示す交番電圧を用いる。
図4(A)に示すように、印加電圧の急峻な立ち上がり時に圧電素子によりダイアフラムDFを急激に変形させてポンプ室PCを急激に収縮させると、長い流路f2では流路抵抗により液体が層流状に流れる一方、短い流路f1では液体が乱流となり、流路f1からの液体の流出が抑制される。これにより、流路f2からポンプ室内液体を吐出することができる。
図4(B)に示すように、印加電圧の緩やかな立ち下がり時に圧電素子によりダイアフラムDFを緩やかに復帰動作させてポンプ室PCを緩やかに膨張させると、短い流路f1からはポンプ室PC内へ液体が流入する一方、このとき流路f1より流路抵抗が大きい長い流路f2からの液体吐出が抑制される。これにより、流路f1からポンプ室PC内へ液体を吸引できる。
よって、所望の送液方向において上流側に流路f1を下流側に流路f2を配置することで所望方向に送液可能である。ポンプP1、P2、P3のそれぞれは、かかる基本構造を有し、かかる動作原理で送液を行うものである。図1〜図3において、ポンプP1の圧電素子はPZT1で、ポンプP2の圧電素子はPZT2で、ポンプP3の圧電素子はPZT3で示してある。
ポンプP1、P2、P3のそれぞれの送液能力は、各ポンプにおけるポンプ室容積、圧電素子の性能、第1、第2の絞り流路の断面積及び(又は)長さ、圧電素子への印加電圧等のうち1又は2以上を適宜選択決定することで所望のものにできる。
ここでは、液体燃料と希釈用液を所定の割合で混合して希釈できるようにポンプP1、P2、P3のそれぞれの送液能力を定めてある。
なお、図4に基本構造を示すマイクロポンプは、図4(F)に示すように、圧電素子PZTに緩やかな立ち上がり、急峻な立ち下がりを示す交番電圧を印加することで、図4(D)に示すように流路f1からポンプ室内液体を吐出でき、図4(E)に示すように流路f2から液体を吸引できるが、ここでは、図4(C)に示す駆動波形を採用している。
図1に示すように、第1ポンプユニット1の部材11における液体燃料供給口114にはカートリッジタイプの燃料カートリッジ4が交換可能に接続される。
また、マイクロポンプP1、P2、P3は、それらの圧電素子に図4(C)の波形で交番電圧を印加できるポンプ駆動部5で駆動可能である。この時、マイクロポンプP1、P2の交番電界の駆動周波数は、1kHz以上50kHz以下が好ましく、より好ましくは5kHz以上40kHz以下である。
燃料電池装置C1によると、第1ポンプユニット1に燃料カートリッジ4から液体燃料としてメタノール含有液(例えば高濃度メタノール水溶液)を供給するとともにポンプ駆動部5によりポンプP1〜P3の圧電素子PZT1〜PZT3にそれぞれ交番電圧を印加してそれらポンプを運転することで燃料電池3に燃料を供給し、燃料電池3で
CH3OH+(3/2)O2 →CO2 +2H2O の反応を生じさせ、それにより発電させ、燃料電池3に接続した負荷Lに通電することができる。
この燃料電池装置C1の使用開始当初、燃料電池3に供給されるのは燃料カートリッジ4から供給された、あらかじめ脱気処理した液体燃料と初期希釈用に希釈用液供給路に予め充填されている水とにより適正な濃度に希釈された希釈燃料である。なお、初期希釈用の水は希釈用液供給路に連通する図示省略の水供給口から供給すればよく、該水供給口はあとで閉じておけばよい。また、初期希釈用の水をあらかじめ脱気処理したものを使用するのが好ましい。
脱気処理を施した液体燃料が充填されている燃料カートリッジを燃料電池に装着後、燃料電池で発電を開始する前に、燃料電池に注入された液体燃料を燃料電池内で循環させることが好ましい。この燃料電池内での注入された液体燃料の循環は、図2に示すように燃料カートリッジ4に戻す循環経路101でもよいし、また、燃料カートリッジに戻さずポンプ2に戻す循環経路でもよい。このように燃料カートリッジを交換時に、運転開始前に脱気処理した燃料を燃料極に循環させることにより、燃料極に蓄積し、発電効率を低下させていた二酸化炭素を液体燃料中に溶存させることが出来、その後の発電効率を改善することが出来る。
続いて、燃料電池3の電気化学反応により空気極33側で生成される水と燃料極32から空気極33へ移動してくることがある移動液が希釈用液として第2ポンプユニット2により第1ポンプユニット1へ供給され始め、第1ポンプユニット1は、燃料カートリッジ4から供給されるメタノール含有液を第2ポンプユニット2から供給されてくる希釈用液で混合希釈し、希釈液体燃料として燃料電池3に供給でき、これにより燃料カートリッジ4に収容された原燃料をもって長時間発電させることができる。
以上説明した燃料電池装置C1は、全体がコンパクトに平坦形状に薄型に形成されており、例えばカード状に形成することも可能であり、携帯機器等の電源として適するものである。
以下、実施例により本発明について詳しく説明する。なお、本発明は、以下に記載のものに限定されるものではない。
発電システム及び燃料電池装置としては、図1及び図2の構成のものを用いた。
燃料極側触媒層および酸化剤極側触媒層中に含まれる触媒として、炭素微粒子(デンカブラック;電気化学社製)に粒子径3〜5nmの白金(Pt)−ルテニウム(Ru)合金を質量比で50%担持させた触媒担持炭素微粒子を使用した。なお、合金組成は原子比で50%Ruで、合金と炭素微粉末の質量比は1:1とした。この触媒担持炭素微粒子1gにアルドリッチ・ケミカル社製5質量%ナフィオン溶液18mlを加え、50℃にて3時間超音波混合機で攪拌し触媒ペーストとした。このペーストを、ポリテトラフルオロエチレンで撥水処理されたカーボンペーパー(東レ製:TGP−H−120)上にスクリーン印刷法で3mg/cm2塗布し、集電体として白金メッシュをのせた後乾燥させて燃料極および酸化剤極とした。次に、1枚の固体高分子電解質膜114(デュポン社製ナフィオン(登録商標)、膜厚150μm)に対し、上記で得た燃料極および酸化剤極を120℃で熱圧着して膜−電極部分を作製した。作製した膜−電極複合体を燃料流路を形成したマイクロポンプに組み入れて一体型のユニットを作製し、下記条件で発電テストを行った。
(比較例)
脱気処理をしていない1mol/Lのメタノール水溶液(溶存二酸化炭素量8mg/L)を用いて、2ml/minで、マイクロポンプP1、P2の駆動周波数を20kHzとし、供給し発電した。温度60℃で電圧0.4Vの時に電流120mAの電流値を観測し、1時間後に電圧0.4Vの時に電流70mAまで電流値が低下した。
(実施例1)
1mol/Lのメタノール水溶液を膜モジュールMHF304EED(三菱レーヨン)で脱気した。脱気後の溶存二酸化炭素量は0.1mg/Lであった。
このメタノール水溶液を2ml/minで、マイクロポンプP1、P2の駆動周波数を20kHzとし、供給し発電を行ったところ、温度60℃で電圧0.4Vの時に電流120mAの電流値を観測し、5時間変化しなかった。
(実施例2)
比較例の運転を1時間行い温度60℃で電圧0.4Vの時に電流120mAの電流値を観測し、1時間後に電圧0.4Vの時に電流70mAまで電流値が低下したのを確認した後、電池運転を止め(燃料電池へ負荷をかけるのをやめて)メタノール液の循環のみとした。温度30℃で30分循環後、再び同条件で発電を行ったところ温度60℃で電圧0.4Vの時に電流100mAまで電流値が回復した。
(実施例3)
比較例の運転を1時間行い温度60℃で電圧0.4Vの時に電流120mAの電流値を観測し、1時間後に電圧0.4Vの時に電流70mAまで電流値が低下したのを確認した後、実施例1と同様に作製した脱気済みのメタノール水溶液に切り替えて10分間室温で循環後、発電を行った。温度60℃で電圧0.4Vの時に電流120mAの電流値を観測し、5時間変化しなかった。
(実施例4〜10)
実施例1におけるマイクロポンプP1、P2の駆動周波数を表1示す周波数で行い、脱気処理済み(溶存二酸化炭素量0.2mg/L)のメタノール水溶液を2ml/minで供給し発電を行った。発電初期は、どの周波数も温度60℃で電圧0.4Vの時に電流120mAの電流値を観測した。各周波数で発電を続け、電流値が70mAに低下するまでの時間を測定した。測定結果を表1に示す。
Figure 2007018952
表1の結果から、マイクロポンプP1、P2の駆動周波数は、1kHz以上50kHz以下が好ましく、より好ましくは5kHz以上40kHz以下であることが分かる。
以上のように本発明により、効率的に燃料極で発生した二酸化炭素を液体燃料中に溶解し、よって燃料電池近傍に存在する二酸化炭素量を低減することで、電池の出力低下を防止し、小型化が可能な燃料電池用液体燃料、燃料カートリッジ及び燃料電池の運転方法を提供することが出来る。
本発明の一実施形態の燃料電池装置を利用した発電システムを示す図である。 本発明の第1実施形態の燃料電池装置を示すもので、図2(A)は該装置の平面図、図2(B)は該装置の側面図、図2(C)は該装置の底面図である。 図3(A)は図2(B)のA−A線断面図、図3(B)は図2(B)のB−B線断面図、図3(C)は図2(B)のC−C線断面図、図3(D)は図2(B)のD−D線断面図、図3(E)は図2(B)のE−E線断面図、図3(F)は図2(B)のF−F線断面図であり、図3(G)はガス流通部の拡大図である。 マイクロポンプの1例の基本構造及び動作を示すもので、図4(A)は液体吐出動作を示す図、図4(B)は液体吸引動作を示す図、図4(C)はかかる液体の吐出動作、吸引動作のための圧電素子への印加電圧波形を示す図である。図4(D)は図4(A)とは反対方向への液体吐出動作を示す図、図4(E)は図4(B)とは反対方向の液体吸引動作を示す図、図4(F)はかかる反対動作のための圧電素子への印加電圧波形を示す図である。
符号の説明
C1 燃料電池装置
1 第1ポンプユニット
2 第2ポンプユニット
3 燃料電池
4 燃料カートリッジ
5 ポンプ駆動部
10 貫通路
11、12、13 平坦な四角形状部材
20 通路
21、22、23 平坦な四角形状部材
30 水循環路
31 電解質膜
32 燃料極
33 空気極
34 液体通路
101 循環路
111 液体燃料供給路
112 希釈用液供給路
113 液体混合路
114 液体燃料供給口
115 希釈用液受入れ部
116 液体燃料循環口
121、122、126、133、213、215 貫通孔
131、132、137 希釈液体燃料通路
134 ガス抜き孔
135、136 貫通孔
211、212 液体通路
214 空気取り入り孔
231 液体回収路
232 液体受入れ部
233 液体排出部
221、222 貫通孔
P1、P2、P3 マイクロポンプ
f1 第1絞り流路
f2 第2絞り流路
PC ポンプ室
PZT(PZT1、PZT2、PZT2) 圧電素子
GD ガス流通部

Claims (7)

  1. 脱気処理を施したことを特徴とする燃料電池用液体燃料。
  2. 脱気処理を施した燃料電池用液体燃料が充填されていることを特徴とする燃料カートリッジ。
  3. 脱気処理を施した液体燃料が充填されている燃料カートリッジを燃料電池に装着し、この液体燃料を燃料電池内に注入する工程と、前記燃料電池の運転開始前に注入した前記液体燃料を前記燃料電池内で循環させる工程とを有することを特徴とする燃料電池の運転方法。
  4. 液体燃料を燃料とした燃料電池の運転終了後、前記液体燃料を燃料電池内で循環させることを特徴とする燃料電池の運転方法。
  5. 前記液体燃料は脱気処理を施された液体燃料であることを特徴とする請求項4に記載の燃料電池の運転方法。
  6. 前記液体燃料を前記燃料電池内で循環させるポンプに振動式ポンプを用いることを特徴とする請求項3乃至5の何れか1項に記載の燃料電池の運転方法。
  7. 前記振動式ポンプの駆動周波数が1kHz以上50kHz以下であることを特徴とする請求項6に記載の燃料電池の運転方法。
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