JP2007018797A - 絶縁材被覆電線 - Google Patents

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和仁 稲垣
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Abstract

【課題】外側絶縁材の剥ぎ取り分離が簡単且つ容易に行え、現場での作業性が向上し、作業の能率アップを図ることができる絶縁材被覆電線を提供する。
【解決手段】絶縁材被覆電線1は、導体2を被覆する内側絶縁材3の外面に、内側絶縁材3よりも融点の低いテープ状の離型絶縁材4を被覆し、その離型絶縁材4の外面に、離型絶縁材4を熱融解するような融点を有する外側絶縁材5を被覆して構成している。内側絶縁材3と離型絶縁材4との接触部分に熱融着が起きず、内側絶縁材3と離型絶縁材4との間が境界面に沿って完全に分離されているので、外側絶縁材5を引き剥がした際に、内側絶縁材3の外面に離型絶縁材4が残ったり、内側絶縁材3の外面の一部が剥ぎ取られることがなく、所望する部分の外側絶縁材5を綺麗に剥ぎ取り分離することができる。
【選択図】 図3

Description

この発明は、例えば外側絶縁材の剥ぎ取り分離が容易に行え、現場での接続作業を能率よく行うために用いられる絶縁材被覆電線に関する。
従来、上述のような被覆構造を有するものとしては、例えばストランドを被覆する複数の各防蝕層間或いは特定の各防蝕層間に、防蝕層の樹脂材料よりも融点の高いテープ状の離型剤を介在させて、各防蝕層間に熱融着が起きるのを防止する特許文献1の吊り構造用ケーブルがあるが、外側防蝕層を引き剥がした際に、内側防蝕層の外面の一部が引き剥がされることがあり、内側防蝕層による防蝕性が損なわれる。また、内側防蝕層の露出された外面に離型剤が残ると、ケーブルを保持する手が滑ったり、離型剤が手に付着する等して作業を妨げるため、作業性が悪くなる。また、テープ状の離型剤を、ストランド外周に被覆又は巻き付けるための装置及び工程を設けなければならず、ケーブルを製造するのに時間が掛かる。
他の例としては、ケーブルの内側絶縁層の外面に離型性粉末を塗布して、内側絶縁層と外側絶縁層との間に熱融着が起きるのを防止する特許文献2のケーブル表面への粉末塗布装置があるが、外側絶縁層を引き剥がした際に、内側絶縁層の露出された外面に離型性粉末が残りやすく、ケーブルを接続する際に手が滑ったり、離型製粉末が手に付着する等して作業を妨げるため、作業性が悪くなる。また、離型性粉末を、内側絶縁層の外面に塗布するための装置及び工程を設けなければならず、ケーブルを製造するのに時間が掛かる。
特開平8−109605号公報 特開2000−231838号公報
この発明は上記問題に鑑み、電線を構成する外側絶縁材の剥ぎ取り分離が簡単且つ容易に行え、現場での作業性が向上し、作業の能率アップを図ることができる絶縁材被覆電線の提供を目的とする。
請求項1に記載した発明の絶縁材被覆電線は、導体の外面に合成樹脂からなる内側絶縁材を被覆し、該内側絶縁材の外面に合成樹脂からなる外側絶縁材を被覆した絶縁材被覆電線であって、上記内側絶縁材と外側絶縁材との間に、上記内側絶縁材よりも融点の低い合成樹脂からなる離型絶縁材を介在したことを特徴とする。
この発明によると、導体を被覆する内側絶縁材の外面に、内側絶縁材よりも融点の低い離型絶縁材を被覆し、その離型絶縁材の外面に、離型絶縁材を熱融解するような融点を有する外側絶縁材を被覆する。つまり、内側絶縁材よりも離型絶縁材の融点が低いので、離型絶縁材を熱融解するような温度に融解された外側絶縁材を被覆すれば、離型絶縁材と外側絶縁材との接触部分が融解して互いに熱融着される。
一方、内側絶縁材と接触する離型絶縁材の内面部は融解せず、内側絶縁材と離型絶縁材との接触する部分には熱融着が起きないので、内側絶縁材と離型絶縁材との対向面間に分離可能な境界面が形成され、外側絶縁材を引き剥がす際に、内側絶縁材と離型絶縁材との間に生じる剥離抵抗が小さく、所望する部分に被覆された外側絶縁材を、所望する長さだけ剥ぎ取り分離する作業が簡単且つ容易に行えるとともに、内側絶縁材の露出された外面(又は表面)に離型絶縁材が残ることがない。
上記絶縁材被覆電線とは、例えば比較的線径が太い電線と、比較的線径が細い電線とを含むものであるが、実施例のような断面形状や線径を有する電線のみに限定されるものではない。また、導体は、例えば銅、金等の導電性を有する金属導線を複数本束ねたもの、或いは、棒状や板状を有する金属導体等で構成することができる。
また、内側絶縁材、離型絶縁材、外側絶縁材は、例えばエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリオレフィン系エラストマー(TPO)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、塩素化ポリエチレンゴム(CPE)、クロロスルフォン化ポリエチレンゴム(CSM)等の絶縁性及び柔軟性、耐熱性、耐水性を有する単一又は複合した合成樹脂で構成することができる。
また、内側絶縁材及び外側絶縁材の材質や融点に応じて、少なくとも内側絶縁材の融点よりも低い温度で融解する材質のものを離型絶縁材として選定するか、或いは、外側絶縁材及び離型絶縁材の材質や融点に応じて、少なくとも離型絶縁材の融点よりも高い温度で融解する材質のものを内側絶縁材として選定するか、或いは、内側絶縁材及び離型絶縁材の材質や融点に応じて、離型絶縁材を融解するような融点を有する材質のものを外側絶縁材として選定することもできる。
請求項2に記載した発明の絶縁材被覆電線は、上記請求項1に記載の構成と併せて、上記内側絶縁材と接触する離型絶縁材の内層部を、該内側絶縁材の融点付近の温度で融解するような融点の高い合成樹脂で構成し、上記外側絶縁材と接触する離型絶縁材の外層部を、該外側絶縁材の融点付近の温度で融解するような融点の低い合成樹脂で構成したことを特徴とする。
この発明によると、2層構造を有する離型絶縁材の外層部のみが外側絶縁材に熱融着するが、内側絶縁材と接触する離型絶縁材の内層部には熱融着が起きず、内側絶縁材と外側絶縁材の融点が略同程度であっても、良好な剥離性が得られる。
請求項3に記載した発明の絶縁材被覆電線は、上記請求項1に記載の構成と併せて、上記内側絶縁材と外側絶縁材の間に、融点の異なる一対の各離型絶縁材を介在し、上記外側絶縁材の内面に配置される離型絶縁材を、上記内側絶縁材の外面に配置される離型絶縁材よりも融点の低い合成樹脂で構成したことを特徴とする。
この発明によると、内側絶縁材と離型絶縁材とが接触する部分、外側絶縁材と離型絶縁材とが接触する部分に熱融着が起きても、一対の各離型絶縁材の接触部分には熱融着が起きず、外側絶縁材の剥ぎ取り分離が簡単且つ容易に行える。
請求項4に記載した発明の絶縁材被覆電線は、上記請求項1又は3に記載の構成と併せて、上記離型絶縁材を、上記内側絶縁材の融点よりも低い温度で融解し、上記外側絶縁材の被覆時に付与される熱で融解するような融点を有する合成樹脂で構成したことを特徴とする。
この発明によると、内側絶縁材よりも低い融点で融解し、外側絶縁材の被覆時に付与される熱で融解するような融点を有する合成樹脂であれば、離型絶縁材を、実施例のような内側絶縁材の融点(約224℃)と、外側絶縁材の融点との範囲に含まれるような温度で熱溶解する合成樹脂で構成することができる。
請求項5に記載した発明の絶縁材被覆電線は、上記請求項1乃至4のいずれか1つに記載の構成と併せて、上記内側絶縁材を、上記離型絶縁材よりも高い融点を有する合成樹脂で構成したことを特徴とする。
この発明によると、離型絶縁材よりも高い融点を有する合成樹脂であれば、内側絶縁材を、実施例のような内側絶縁材の融点(約224℃)よりも低い温度で熱融解するような合成樹脂で構成することができる。
請求項6に記載した発明の絶縁材被覆電線は、上記請求項1乃至5のいずれか1つに記載の構成と併せて、上記外側絶縁材を、上記離型絶縁材を融解するような融点を有する合成樹脂で構成したことを特徴とする。
この発明によると、離型絶縁材を融解するような融点を有する合成樹脂であれば、実施例のような高い融点(約224℃)を有する内側絶縁材、内側絶縁材よりも低い融点(約100℃以下の融点)を有する離型絶縁材のいずれか一方と略同一の融点を有するか、一方の融点に近い温度の融点を有するような合成樹脂で構成することができる。
この発明によれば、電線を構成する内側絶縁材の外面に、内側絶縁材よりも融点の低い離型絶縁材を被覆し、その離型絶縁材の外面に、離型絶縁材を熱融解するような融点を有する外側絶縁材を被覆するので、内側絶縁材と離型絶縁材との間に熱融着が起きることがなく、内側絶縁材と離型絶縁材との間に分離可能な境界面が形成されるため、外側絶縁材を引き剥がす際に生じる剥離抵抗が小さく、外側絶縁材の剥ぎ取り分離が簡単且つ容易に行える。
また、内側絶縁材と離型絶縁材との間が境界面に沿って完全に分離されているので、外側絶縁材を引き剥がした際に、内側絶縁材の露出された外面(又は表面)に離型絶縁材が残ったり、内側絶縁材の外面の一部が剥ぎ取られることがなく、内側絶縁材の絶縁性を損なうことなく、外側絶縁材を綺麗に剥ぎ取り分離することができ、電線を接続する際の作業性が向上する。
この発明は、外側絶縁材の剥ぎ取り分離が簡単且つ容易に行え、現場での作業性が向上し、作業の能率アップを図ることができるという目的を、電線を構成する内側絶縁材と外側絶縁材との間に、該内側絶縁材よりも融点の低い合成樹脂の離型絶縁材を介在することで達成した。
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は、現場での作業性を向上させ、作業の能率アップを図るときに用いられる絶縁材被覆電線の第1実施例を示し、図1に於いて、この絶縁材被覆電線1は、導電性を有する金属導線を複数本束ねてなる導体2の外面に、ポリエチレンテレフタレート(PET)からなる内側絶縁材3を被覆し、その内側絶縁材3を被覆してなる一対(2本1組)の各導体2,2を所定間隔に隔てて並列配置するとともに、各導体2,2に被覆された各内側絶縁材3,3の外面全体が覆われるように、ポリエチレンテレフタレートよりも融点が低いエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)からなるテープ状の離型絶縁材4を被覆し、その離型絶縁材4の外面に、離型絶縁材4を熱融解するような融点を有する合成樹脂からなる外側絶縁材5(シース)を一体的に被覆して構成している。
上記導体2は、例えば導電性を有する金属導線を複数本束ねて構成され、2本の各導体2,2を所定間隔に隔てて並列配置している。また、例えば棒状や板状を有する金属導体等で構成することができる。
なお、内側絶縁材3、離型絶縁材4、外側絶縁材5を構成する合成樹脂は、絶縁性及び柔軟性、耐熱性、耐水性を備えている。
前記内側絶縁材3は、離型絶縁材4を構成するエチレン酢酸ビニル共重合体よりも融点が高く、約224℃の融点を有するポリエチレンテレフタレートで構成している。また、エチレン酢酸ビニル共重合体よりも融点が高ければ、ポリエチレンテレフタレート以外の融点を有する合成樹脂で構成してもよい。
前記離型絶縁材4は、内側絶縁材3を構成するポリエチレンテレフタレートよりも融点が低く、約100℃以下の融点を有するエチレン酢酸ビニル共重合体でテープ状に構成している。また、ポリエチレンテレフタレートよりも融点が低ければ、エチレン酢酸ビニル共重合体以外の合成樹脂で構成してもよい。また、離型絶縁材4を、ポリエチレンテレフタレートの融点よりも低い温度と、エチレン酢酸ビニル共重合体の融点よりも高い温度との範囲内で熱融解するような合成樹脂で構成してもよい。或いは、シート状又はフイルム状に形成した離型絶縁材4を、内側絶縁材3の外面に被覆してもよい。
前記外側絶縁材5は、内側絶縁材3を構成するポリエチレンテレフタレート、又は、離型絶縁材4を構成するエチレン酢酸ビニル共重合体を熱融解するような融点を有する合成樹脂で構成している。また、ポリエチレンテレフタレート、エチレン酢酸ビル共重合体のいずれか一方と略同一の融点を有するか、一方の融点に近い温度の融点を有する合成樹脂で構成してもよい。また、外側絶縁材5を、例えば2層、3層、4層等の複数層被覆してもよい。
つまり、内側絶縁材3を構成するポリエチレンテレフタレートは、離型絶縁材4を構成するエチレン酢酸ビニル共重合体の融点よりも高い温度で熱融解するので、例えばポリエチレンテレフタレート、エチレン酢酸ビル共重合体のいずれか一方を熱融解するような温度に融解された外側絶縁材5を被覆すれば、外側絶縁材5と接触する離型絶縁材4の外面部のみが融解して熱融着するが、内側絶縁材4と接触する離型絶縁材4の内面部は融解せず、内側絶縁材3と離型絶縁材4との間に熱融着が起きるのを防止することができる。
また、外側絶縁材5は、ポリエチレンテレフタレートと略同一の融点を有する合成樹脂、又は、エチレン酢酸ビニル共重合体よりも高い融点を有する合成樹脂で構成してもよい。
また、離型絶縁材4を熱融解するような融点を有する合成樹脂であれば、外側絶縁材5を、ポリエチレンテレフタレート、エチレン酢酸ビル共重合体以外の融点を有する合成樹脂で構成してもよい。
図示実施例は上記の如く構成するものにして、以下、絶縁材被覆電線1を構成する外側絶縁材5の剥ぎ取り方法を説明する。
先ず、図2に示すように、金属導線を複数本束ねてなる各導体2,2の外面に、ポリエチレンテレフタレートからなる内側絶縁材3をそれぞれ被覆し、各導体2,2に被覆された各内側絶縁材3,3の外面全体が覆われるように、エチレン酢酸ビニル共重合体からなるテープ状の離型絶縁材4を長さ方向に対して被覆し、その離型絶縁材4の外面に、離型絶縁材4を熱融解するような融点を有する合成樹脂の外側絶縁材5を一体的に被覆する。
つまり、内側絶縁材3を構成するポリエチレンテレフタレートは、離型絶縁材4を構成するエチレン酢酸ビニル共重合体の融点よりも高い温度(約224℃)で融解するので、内側絶縁材3に被覆された離型絶縁材4の外面に、離型絶縁材4を熱融解するような融点を有する合成樹脂の外側絶縁材5を被覆すれば、外側絶縁材5の被覆時に付与される融解熱により、外側絶縁材5と接触する離型絶縁材4の外面部のみが融解し、離型絶縁材4と外側絶縁材5との間が互いに熱融着(図2の最下段の図)される。
外側絶縁材5を被覆する際には、各導体2,2の外面に被覆した内側絶縁材3は既に成形されて冷却されているため、外側絶縁材5の融点と厚さ等を工夫すれば、内側絶縁材3と外側絶縁材5との融点の差がそれほど大きくなくても、離型絶縁材4を外側絶縁材5のみに熱融着させることが可能となる。また、離型絶縁材4の他の被覆方法として、例えば内側絶縁材3の外面に対して押出し成形により被覆してもよい。
一方、内側絶縁材3と接触する離型絶縁材4の内面部は融解せず、内側絶縁材3と離型絶縁材4との接触する部分には熱融着が起きないので、内側絶縁材3と離型絶縁材4との間に分離可能な境界面が形成され、外側絶縁材5の剥ぎ取り分離が容易な図1に示す絶縁材被覆電線1を製造することができる。
上記方法で製造された絶縁材被覆電線1の接続作業を現場で行う場合、内側絶縁材3と離型絶縁材4との間が境界面に沿って完全に分離されているので、各導体2,2の接続側端部に被覆された外側絶縁材5を引き剥がす際に、内側絶縁材3と離型絶縁材4との間に生じる剥離抵抗が小さく、図3、図4に示すように、所望する部分に被覆された外側絶縁材5のみを、所望する長さだけ剥ぎ取り分離する作業が簡単且つ容易に行え、各導体2,2の接続側端部に被覆された内側絶縁材3を所望する長さ露出することができる。
また、外側絶縁材5を引き剥がした際に、内側絶縁材3の露出された外面(又は表面)に離型絶縁材4が残ったり、内側絶縁材3の外面の一部が剥ぎ取られることがなく、内側絶縁材3の絶縁性を損なうことなく、所望する部分の外側絶縁材5のみを綺麗に剥ぎ取り分離することができ、絶縁材被覆電線1を接続する際の作業性が向上し、作業の能率アップを図ることができる。
図5、図6に示す平形の絶縁材被覆電線1は、2本の各導体2,2を近接して並列配置し、各導体2,2の外面に内側絶縁材3を被覆し、内側絶縁材3の外面に離型絶縁材4を被覆し、離型絶縁材4の外面に外側絶縁材5を被覆してなる他の例であり、内側絶縁材3と離型絶縁材4との接触部分には熱融着が起きず、内側絶縁材3と離型絶縁材4との間が境界面に沿って完全に分離されるので、外側絶縁材5の剥ぎ取り分離が簡単且つ容易に行え、上記実施例と同等の作用及び効果を奏することができる。
図7、図8に示す丸形の絶縁材被覆電線1は、3本の各導体2…を略中央部に集合配置し、各導体2…の外面に内側絶縁材3を被覆し、内側絶縁材3の外面に離型絶縁材4を被覆し、離型絶縁材4の外面に外側絶縁材5を被覆してなるその他の例であり、内側絶縁材3と離型絶縁材4との接触部分には熱融着が起きず、内側絶縁材3と離型絶縁材4との間が境界面に沿って完全に分離されるので、外側絶縁材5の剥ぎ取り分離が簡単且つ容易に行え、上記実施例と同等の作用及び効果を奏することができる。
図9、図10に示す絶縁材被覆電線1は、2層構造の離型絶縁材4を、内側絶縁材3と外側絶縁材5との間に介在した第2実施例であり、内側絶縁材3と接触する離型絶縁材4の内層部4Aを、内側絶縁材3の融点付近の温度で融解するような例えばポリエチレンテレフタレート等の融点が高い合成樹脂で構成し、外側絶縁材5と接触する離型絶縁材4の外層部4Bを、外側絶縁材5の融点付近の温度で融解するような例えばエチレン酢酸ビニル共重合体等の融点が低い合成樹脂で構成している。
つまり、内側絶縁材3の外面に、2層構造を有するテープ状の離型絶縁材4を長さ方向に対して被覆し、離型絶縁材4の外面に、外側絶縁材5を一体的に被覆すれば、2層構造を有する離型絶縁材4の外層部4Bのみが外側絶縁材5に対して熱融着するが、内側絶縁材3と接触する離型絶縁材4の内層部4Aには熱融着が起きず、内側絶縁材3と離型絶縁材4との間に分離可能な境界面が形成されるので、内側絶縁材3と外側絶縁材5の融点が略同程度であっても、良好な剥離性が得られ、上記実施例と同等の作用及び効果を奏することができる。
また、離型絶縁材4の内層部4Aよりも外層部4Bの融点が低ければ、上記ポリエチレンテレフタレート、エチレン酢酸ビニル共重合体以外の合成樹脂で構成してもよい。
図11、図12に示す絶縁材被覆電線1は、融点の異なる一対の各離型絶縁材4a,4bを、内側絶縁材3の外面と外側絶縁材5の内面とにそれぞれ配置した第3実施例であり、内側絶縁材3の外面に、内側絶縁材3の融点に近い温度で熱融解する離型絶縁材4aを被覆し、その離型絶縁材4aの外面に、内側絶縁材3及び離型絶縁材4aの融点よりも低い温度で熱融解する離型絶縁材4bを被覆し、離型絶縁材4bの外面に外側絶縁材5を被覆して、一対の各離型絶縁材4a,4bを互いに対接している。
つまり、内側絶縁材3と離型絶縁材4aとが接触する部分、離型絶縁材4bと外側絶縁材5とが接触する部分に熱融着が起きても、一対の各離型絶縁材4a,4bの接触部分には熱融着が起きず、各離型絶縁材4a,4bの間に分離可能な境界面が形成されるので、所望する部分に被覆された外側絶縁材5を剥ぎ取り分離する作業が簡単且つ容易に行え、上記実施例と同等の作用及び効果を奏することができる。また、第2及び第3実施例の構成は、前記第1実施例及び他の例、その他の例の絶縁材被覆電線1にも適用することができる。
なお、この発明は、上記実施例の構成のみに限定されるものではなく、請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、多くの実施の形態を得ることができる。
例えば内側絶縁材3よりも離型絶縁材4の融点が低ければ、内側絶縁材3、離型絶縁材4、外側絶縁材5を同一の合成樹脂で構成することもできる。
また、内側絶縁材3自体又は内側絶縁材3の外面を、外側絶縁材5よりも融点の高い合成樹脂で構成するか、外側絶縁材5自体又は外側絶縁材5の内面を、内側絶縁材3よりも融点の低い合成樹脂で構成してもよく、上記実施例と略同等の作用及び効果を奏することができる。
また、絶縁材被覆電線は、比較的線径が太い電線と、比較的線径が細い電線とを含んでいるが、実施例のような断面形状や線径を有する電線のみに限定されるものではない。
本発明の絶縁材被覆電線の構成は、例えばケーブル、コード等の電線にも利用することができる。
第1実施例の絶縁材被覆電線の内部構造を示す断面斜視図。 外側絶縁材の被覆構造を示す拡大断面図。 図2の外側絶縁材の剥ぎ取り状態を示す拡大断面図。 図1の外側絶縁材の剥ぎ取り状態を示す断面斜視図。 他の例の絶縁材被覆電線の内部構造を示す断面斜視図。 図5の外側絶縁材の剥ぎ取り状態を示す断面斜視図。 その他の例の絶縁材被覆電線の内部構造を示す断面斜視図。 図7の外側絶縁材の剥ぎ取り状態を示す断面斜視図。 第2実施例の絶縁材被覆電線の被覆構造を示す拡大断面図。 図9の外側絶縁材の剥ぎ取り状態を示す拡大断面図。 第3実施例の絶縁材被覆電線の被覆構造を示す拡大断面図。 図11の外側絶縁材の剥ぎ取り状態を示す拡大断面図。
符号の説明
1…絶縁材被覆電線
2…導体
3…内側絶縁材
4,4a,4b…離型絶縁材
4A…内層部
4B…外層部
5…外側絶縁材

Claims (6)

  1. 導体の外面に合成樹脂からなる内側絶縁材を被覆し、該内側絶縁材の外面に合成樹脂からなる外側絶縁材を被覆した絶縁材被覆電線であって、
    上記内側絶縁材と外側絶縁材との間に、上記内側絶縁材よりも融点の低い合成樹脂からなる離型絶縁材を介在した
    絶縁材被覆電線。
  2. 上記内側絶縁材と接触する離型絶縁材の内層部を、該内側絶縁材の融点付近の温度で融解するような融点の高い合成樹脂で構成し、
    上記外側絶縁材と接触する離型絶縁材の外層部を、該外側絶縁材の融点付近の温度で融解するような融点の低い合成樹脂で構成した
    請求項1に記載の絶縁材被覆電線。
  3. 上記内側絶縁材と外側絶縁材の間に、融点の異なる一対の各離型絶縁材を介在し、
    上記外側絶縁材の内面に配置される離型絶縁材を、上記内側絶縁材の外面に配置される離型絶縁材よりも融点の低い合成樹脂で構成した
    請求項1に記載の絶縁材被覆電線。
  4. 上記離型絶縁材を、上記内側絶縁材の融点よりも低い温度で融解し、上記外側絶縁材の被覆時に付与される熱で融解するような融点を有する合成樹脂で構成した
    請求項1又は3に記載の絶縁材被覆電線。
  5. 上記内側絶縁材を、上記離型絶縁材よりも高い融点を有する合成樹脂で構成した
    請求項1乃至4のいずれか1つに記載の絶縁材被覆電線。
  6. 上記外側絶縁材を、上記離型絶縁材を融解するような融点を有する合成樹脂で構成した
    請求項1乃至5のいずれか1つに記載の絶縁材被覆電線。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN116564590A (zh) * 2023-06-07 2023-08-08 广东百冠技术开发有限公司 一种聚氯乙烯绝缘线缆及其制备工艺

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