JP2007017108A - 加湿器 - Google Patents

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Masaru Takada
Hidemoto Arai
秀元 荒井
Makoto Furukawa
誠 古川
Hitoshi Kikuchi
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Abstract

【課題】長期間使用してもスケール析出による破損、性能低下が生じない耐久性および信頼性に優れた加湿器を得る。また、複雑な設計、製造工程を必要とせず、容易に製造可能な加湿器を得る。
【解決手段】加湿器が、親水性の極性基を有するイオン交換樹脂、またはジメチルシロキサン骨格を持つ樹脂からなる導水部材を有する加湿手段と、前記加湿手段に水を供給する給水手段と、前記加湿手段に被加湿気体を送風する送風手段と、を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、加湿器に関するものであり、特に、業務用および家庭用として単体または空調機器等に組み込まれて使用される自然蒸発式の加湿器に関するものである。
従来、空調機においては温度調節を行った後の空気の出口付近に加湿する手段を設けているものが多い。これは、空気の湿度が人間の感覚に与える影響が大きいためであり、空気調和の観点から湿度の制御は温度の制御とともに重要なものであるためである。
加湿を行う方法としてはさまざまな種類があるが、特に自然蒸発を利用する方式は、「入力するエネルギーが非常に少ない」という利点からよく用いられている。その一方で、自然蒸発を利用する加湿方式の課題としては、「蒸発量を増やすこと」がある。その解決策として、水が空気などの気体に接触する蒸発面積を増加させるためのさまざまな構造・形状が提案されている。代表的なものとしては以下のようなものがある。
(1)複数の縦長または横長の親水性材料を並べ、これに水槽中の水を吸水させて蒸発面積を拡大させ、これら吸水した親水性材料の間に空気を通して水と空気とを直接接触させることにより加湿を行うもの(たとえば、特許文献1参照)。
(2)水槽より水を吸い上げ、保持する親水性材料とその周囲を被覆する疎水性多孔質膜からなる加湿膜を逆U字型に折り曲げて複数設置し、加湿膜の間に空気を通すことにより疎水性多孔質膜を通じて加湿を行うもの(たとえば、特許文献2参照)。また、親水性材料を親水性多孔質膜で被覆し、親水性多孔質膜を通じて加湿を行うもの(たとえば、特許文献3参照)。
(3)長辺と短辺を持ち、1短辺以外が閉じられた袋状の透湿膜を短辺を軸として巻き、この袋状透湿膜の内部に水を通しておき、袋と袋の間へ空気を流すことによって透湿膜を通じて加湿を行うもの(たとえば、特許文献4参照)。
(4)水蒸気のみ透過する多孔性の透湿膜で三次元多孔板を被覆したものを複数枚積層し、三次元多孔板内に水を導入して多孔板ユニットの間に空気を通すことにより透湿膜を通じて加湿を行うもの(たとえば、特許文献5参照)。
実開昭55−26390号公報 特開平7−269915号公報 特開平7−269914号公報 特開昭60−171337号公報 特開平11−166752号公報
しかしながら、上記従来の方法には以下のような問題がある。まず、(1)の特許文献1の技術においては、水を吸い上げる際に多孔質体の毛細管現象を利用しているため、加湿するために導入する水中のミネラル分(Ca、Mgなど)がスケール(白粉)となって親水性材料の表面に析出して加湿量が低下するという問題がある。
これを解消する技術として(2)の特許文献2、3の技術が提案されたが、この技術の場合も吸水に多孔質の毛細管現象を利用しているため、水と共にミネラル分も吸い上げることに変わりはなく、表面の被覆内、または吸水する親水性材料内でスケールが析出する可能性がある。そして、スケールが析出した場合には水の通路が塞がれるため、結果として加湿量の低下につながる、という問題がある。
(3)の特許文献4の技術は毛細管現象を利用していないが、水は三次元多孔体を通過するため、この内部または多孔性透湿膜内でスケールが析出して加湿量が低下する虞がある面では同じである。
(4)の特許文献5の技術においては、袋の内部がすべて水であるため、スケールが析出して加湿量が低下する虞は少ないが、袋の中の水の圧力に袋が耐えなければならない。このため、補強材として織布や不織布を袋の全面に接着するなどして強度を向上させるため、その分だけ蒸発面積が減少し、加湿能力が低下する、という問題がある。また、袋状加工時に不具合があると水が漏れ出す虞があるため、加工時の品質管理および設計時の水圧管理などに細心の注意を払わなければならず、設計、製造が容易に行えないという問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、第1に、長期間使用してもスケール析出による破損、性能低下が生じない耐久性および信頼性に優れた加湿器を得ることを目的とする。また、第2に、複雑な設計、製造工程を必要とせず、容易に製造可能な加湿器を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる加湿器は、親水性の極性基を有するイオン交換樹脂、またはジメチルシロキサン骨格を持つ樹脂からなる導水部材を有する加湿手段と、加湿手段に水を供給する給水手段と、加湿手段に被加湿気体を送風する送風手段と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、加湿手段が水のみを吸い上げて内部で拡散させ、スケールの原因となるミネラルなどの水中の不純物を吸収しないため、長期間使用しても導水体上へのスケールの析出が発生しない。これにより、スケールの析出に起因した破損、性能低下が生じることがなく、耐久性、品質に優れた加湿器を得ることができる、という効果を奏する。また、加湿手段に水を供給する給水手段を備えることにより、加湿手段自体に特別な対水圧構造が不要であり、複雑な設計、製造工程を必要とせず、容易に製造可能な加湿器を得ることができる、という効果を奏する。
以下に、本発明にかかる加湿器の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる加湿器の概略構成を模式的に示す斜視図である。図1に示すように、本実施の形態にかかる加湿器は、主として加湿素子1と、水槽2と、送風機3と、加湿素子収納部4と、筐体5と、を備えて構成される。
加湿素子1は、自加湿素子1に供給された水を自然蒸発により被加湿気体中(たとえば本実施の形態においては空気とする)に放出して該被加湿気体の加湿を行う。水槽2は、水2aを貯留し、加湿素子1の一部を浸漬させて加湿素子1に水を供給する給水手段である。送風機3は、加湿素子収納部4内に被加湿気体を導入する被加湿気体導入手段である。
加湿素子収納部4は、たとえば略円筒状に構成され、加湿素子1を収納するとともに被加湿気体の流路4aを規定する。筐体5は、上記の構成部材を収納する収納手段である。なお、以下においては、加湿素子1と水槽2とを合わせて加湿部と称する場合がある。
つぎに、加湿部の構成について説明する。図2は、図1に示した本実施の形態にかかる加湿器において、加湿部、すなわち加湿素子1および水槽2を非加湿気体の上流側、すなわち送風機3側から見た状態を示す断面図である。加湿素子1は、導水部材1aと間隔保持部材1bとが積層された状態で券回されてなる。詳しくは、導水部材1aと間隔保持部材1bとを重ねて略方形に切断したものを、その短辺方向を軸として長手方向へ導水部材1aと間隔保持部材1bを重ねた状態で券回して形成されている。
そして、加湿素子1は、導水部材1aと間隔保持部材1bを重ねて券回した状態で加湿素子収納部4内に収納されている。また、加湿素子1の終端部1cは、巻き取らずにそのまま水槽2へ浸漬してある。このため、加湿素子収納部4には加湿素子1の終端部1cを水槽2へ導くための切り欠き部(図示せず)が設けてある。
このように導水部材1aと間隔保持部材1bとを券回して加湿素子1を形成することにより、水の自然蒸発面積を増加させることができ、また従来の自然蒸発型の加湿器の加湿素子部を構成する際に行われる積層接着組立などの複雑な作業を行う必要が無く、容易に且つすばやく加湿素子を構成することができる。
ここで、導水部材1aは、水槽2から水を吸水して被加湿空気へ水分を供給する手段であり、水の吸水および放出が可能な親水性の極性基(スルホン基、カルボキシル基など)が疎水性骨格に導入され、分子間の空隙程度のごく微細な空隙を多数有するイオン交換樹脂より構成されている。本実施の形態においては、導水部材1aは、ミネラル分等の不純物は吸い上げず水を吸い上げる素材としてフッ素系や炭化水素系のイオン交換樹脂を加工したシートが使用されている。フッ素系または炭化水素系のイオン交換樹脂材料は、材料内部の水分拡散性が良好であり、またその分子構造内の極性基の作用により水を吸収し、分子間の空隙を通路として利用することにより水を移動させ空気中へ放出することができる。
これらの材料を加湿器に用いる利点としては、スケールの原因となる不純物を吸い上げないことのほかに、水の通路が分子レベルで形成されているため、たとえば膜を折り曲げても水の通路が確実に確保されている、という点が挙げられる。これにより、加湿素子を構成する際に加湿素子の形状の自由度が非常に大きくなり、種々の形状の加湿素子を容易に製造できる。
このような素材は、主に固体高分子形燃料電池においてプロトン伝導膜として多数用いられており、プロトン(H+)を伝導するための媒体として水を利用する。このため、必要な機能として、第1に水を吸水する機能を、主に極性基を導入することによって与えられている。また、プロトンを伝導するためには水の通路が膜内のさまざまな部分に行き渡る必要があるため、第2に分子間の空隙が膜のいたる所で生じるように分子レベルで設計がなされている。
また、これらの素材は、水の拡散性を良くするために分子レベルの通路の表面に、やはり極性基が導入されている。これにより、水分を吸収した後の材料内での水分の拡散性も非常に優れている。これらの特徴は本発明にかかる加湿器の導水部材に求められている、ミネラル分等の不純物は吸い上げず水を吸水し、拡散させる機能に合致するものである。具体的に本実施の形態では、燃料電池のプロトン伝導膜としてよく使用されているパーフルオロスルホン酸系樹脂膜(ポリマー)を使用した。このパーフルオロスルホン酸系樹脂膜は強酸基であるスルホン酸基を有する、フッ素系の主鎖を有する樹脂膜であり、たとえばナフィオン(Nafion:商品名、デュポン社製)などを用いることができる。
なお、導水部材1aはパーフルオロスルホン酸系樹脂膜に限らず、水道水中からカルシウム分やマグネシウム分などの不純物を吸い上げずに水を吸い上げることができ、毛細管現象ではなく素材自身の水分拡散性によって水を輸送することができるものであれば使用することができる。具体的には上記で挙げた固体高分子型燃料電池のプロトン伝導膜として用いられるような素材であり、たとえばスチレンとエチレンの共重合体膜のスチレン部分を部分的にスルホン酸基で置換した炭化水素系イオン交換樹脂なども本発明にかかる加湿器において効果を得ることができる。
このように本実施の形態にかかる加湿器においては、導水部材1aが水のみを吸い上げてスケールの原因となるカルシウムやマグネシウムなどの水中の不純物を吸い上げないことによって、長期間使用した場合においても導水部材1aの表面等にスケールが析出しない。これにより、スケールの凝集など、スケールの析出に起因した加湿素子1の破損や加湿性能の低下が生じることがなく、耐久性および品質に優れた加湿器が実現されている。
また、導水部材1aの厚みについては、導水部材1aの厚みが薄すぎる場合には、その分だけ導水部材1aが水を吸水できる容積が小さくなり、水槽2から水を吸収する量が減少し、加湿性能が低下する。一方、導水部材1aの厚みが厚すぎる場合には、導水部材1aと間隔保持部材1bとの積層体の厚みが厚くなり、これを券回する際に巻き回数が少なくなる。このため、加湿素子1を構成した際に、導水部材1a内に拡散した水が自然蒸発する面積が減少し、加湿性能が低下する。したがって、導水部材1aの厚みは、これらの点を考慮して、加湿器に要求される加湿性能等の諸条件により適宜選択することが好ましい。本実施の形態においては導水部材1aの厚みを50μm程度としたが、この厚みに限定するものではない。
また、間隔保持部材1bは、加湿素子1を構成した際に導水部材1aの間隔を保ち、被加湿気体の通風領域を構成するためのものあり、導水部材1aを券回して加湿素子を構成する際の導水材同士の接触を防ぐために用いるものである。このような間隔保持部材1bとしては、たとえば波型シート状のものが用いられる。
本実施の形態にかかる加湿器においては、図3−1に示すように塩化ビニル樹脂製で高さ2mm程度に波型に形をつけたシート状の間隔保持部材1bを導水部材1aに組み合わせて用いている。しかしながら、間隔保持部材1bの形状については必ずしも波型である必要はなく、たとえば図3−2に示すように一定間隔に折り返した鋸歯状としても良く、加湿素子1を構成した際に導水部材1aの間隔を所定の間隔に保ち導水部材1a同士の接触を防ぐことが可能であればよい。
また、間隔保持部材1bを構成する材料も必ずしも塩化ビニル樹脂である必要はなく、券回して加湿素子1を構成する際に破壊されることなくある程度柔軟に変形できるものであり、変形した後も導水部材1a同士の間隔を確実に保持することができる強度を有し、且つ水による形状等の変化が少ない材料であれば良い。このような材料としては、たとえばポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂などを用いることもできる。
上述したような導水部材1aと間隔保持部材1bとを用いて加湿素子1を製作する際には、特に導水部材1aと間隔保持部材1bを券回する際にこれらの位置ずれを防ぐために、導水部材1aと間隔保持部材1bとをあらかじめ接着した中間材を作製し、その後にこの中間材を券回しても良い。
このような導水部材1aと間隔保持部材1bとを接着した中間材を券回する場合は、たとえば波型の間隔保持部材1bを用いた場合であれば包装用の片面ダンボールを製作する際に使用されるコルゲーターなどの装置を利用することにより迅速に製作することができる。本実施の形態にかかる加湿素子1は、コルゲーターを用いて導水部材1aと間隔保持部材1bとを接着した中間材を作製している。
具体的にはライナーとして導水部材1aのシートを使用し、コルゲートとして間隔保持部材1bの波型に形を付けていない平らなシートを用いて加工することにより、図3−1に示すような形状の略方形を呈する中間材を一度に得ることができる。その後、この中間材を該中間材の短辺方向を軸として巻きつけることにより加湿素子1を作製することができる。
コルゲーターを用いる場合には、導水部材1aや間隔保持部材1bにはある程度の強度が求められるため、導水部材1aに不織布や多孔質膜などを貼り付けて強度を補ってもよい。本実施の形態においては、接着剤としてエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)系の水性エマルジョン接着剤を用いたが、導水部材1aと間隔保持部材1bとを確実に接着することができるものであれば接着剤はこれに限定されるものではなく、他の接着剤を用いることもできる。
また、導水部材1aと間隔保持部材1bとを接着した中間材を券回する際にも、巻き戻りを防ぐ等の目的のために、間隔保持部材1bの稜線部に接着剤を塗布して巻き取っても良い。これにより、加湿素子1を被加湿気体の加湿素子収納部4に挿入しなくても巻き状態を保持することができる。
加湿素子1の終端部1c、すなわち水槽2へ浸漬する部分については、間隔保持部材1bはその役割上必要がないためなくても良い。ただし、上記のようにコルゲーターなどで一度に導水部材1aと間隔保持部材1bとを張り合わせた中間材を形成する場合などは、図4に示すように間隔保持部材1bを特に取り払う必要はなく、そのまま水槽2へ浸漬してもかまわない。この場合には導水部材1aが水に接触する部分の一部が間隔保持部材1bと接触しているため、導水部材1aが水に接触する面積が若干少なくなる場合あるが、本発明のように高水分拡散性の導水部材1aを用いる場合には、急激な性能低下につながる可能性は少なく、特に問題とはならない。
加湿素子1における被加湿空気の流れる方向の長さが長いほど水の自然蒸発面積が大きくなるために加湿能力は向上する。しかし、加湿素子1における被加湿空気の流れる方向の長さが長い場合には、通過する被加湿空気の圧力損失が大きくなる。被加湿空気の圧力損失の増大は、送風機3や流体からの騒音の増加、送風機3の消費電力の増加を招く場合もあるため、加湿器の設計時に適切な長さを決定する必要がある。
その他、加湿素子1へ水分を供給するための水槽2、加湿素子1へ被加湿気体を導入する送風機3、被加湿気体の流路4、各種の構成部材を収納する筐体5、さらにこれらの加湿器内における配置、また水槽2へ水を導入する方法などについては、従来公知の材料や構成を利用することができる。
以上のように構成された本実施の形態にかかる加湿器においては、被加湿流体である空気6が送風機3により筐体5の外部から内部に導入される。筐体5の内部に導入された空気6は、加湿素子収納部4内に収納された加湿素子1へ流路4aを介して供給される。加湿素子1へ供給された被加湿流体である空気6は、加湿素子1を通過する際に該加湿素子1により加湿される。すなわち、被加湿気体である空気は、この加湿素子1の導水部材1aと間隔保持部材1bとによって作られる被加湿気体の通風領域である空隙の間を通り抜ける際、導水部材1aの表面より自然蒸発される水蒸気によって加湿される。そして、加湿素子1により加湿された被加湿流体である空気6は、流路4bを介して筐体5の外部に排出される。
上述したように本実施の形態にかかる加湿器においては、導水部材1aが水を吸い上げて内部で拡散させ、スケールの原因となるミネラルなどの水中の不純物を吸収しないため、長期間使用しても導水体上へのスケールの析出が発生しない。これにより、長期間使用した場合においても導水部材1aの表面等にスケールが析出しない。これにより、スケールの凝集など、スケールの析出に起因した加湿素子1の破損や加湿性能の低下が生じることがなく、耐久性および品質に優れた加湿器が実現されている。
また、上記のような導水部材1aに水を供給する手段として吸水手段を備えることにより、加湿素子1自体に特別な対水圧構造が不要である。これにより、複雑な設計、製造工程を必要とせず、容易に製造可能な加湿器が実現されている。
実施の形態2.
実施の形態2においては、上述した実施の形態1にかかる加湿器の変形例について説明する。上述した実施の形態1においては、導水部材1aを構成する材料として固体高分子型燃料電池でよく用いられるパーフルオロスルホン酸系樹脂膜(ポリマー)を使用し、また間隔保持部材1bを構成する材料として塩化ビニル樹脂製を使用した場合について説明したが、導水部材1aに加えてさらに間隔保持部材1bにもパーフルオロスルホン酸系、または炭化水素系のイオン交換樹脂を使用することができる。
この場合には、図2に示すように水槽2へ導水部材1aだけを浸漬させるのではなく、図4に示すように水槽2へ導水部材1aと間隔保持部材1bとの終端部を浸漬しておくことにより、間隔保持部材1b自体もまた導水部材として機能することができる。これにより、上述した本発明の効果を得ることができる他、水の自然蒸発面積をたとえば2.5倍程度に増やして加湿量の増大、すなわち加湿能力の向上を効果的に図ることができる。なお、加湿素子1のその他の構成、および加湿器の他の構成等は実施の形態1に準ずるため、ここでは詳細な説明は省略する。
実施の形態3.
実施の形態3においては、上述した実施の形態1にかかる加湿器の他の変形例について説明する。図5は実施の形態3にかかる加湿器に用いる加湿素子11を表す状態を模式的に示す図である。本実施の形態における加湿素子11は、図5に示すように導水部材1aと間隔保持部材1bとが組み合わされた2層の中間材が券回されたものである。
この加湿素子11は、図6に示すように導水部材1aと間隔保持部材1bとを組み合わせた中間材を2層重ねた後、実施の形態1の場合と同様にその短辺を軸として長手方向へ券回することによって作製される。導水部材1aおよび間隔保持部材1bの材料、加湿素子11のその他の構成、および加湿器の他の構成等は実施の形態1に準ずるため、ここでは詳細な説明は省略する。また、実施の形態2において説明したように、間隔保持部材の材料に導水材の材料を用いて図5に示すような本実施の形態にかかる加湿素子11の形状を構成しても良い。
本実施の形態にかかる加湿素子11のように中間材を2層重ねて券回した場合には、券回する中間材全体の厚みが厚くなる。一方、加湿素子11の巻き径は一定であるため、中間材を2層重ねて券回する場合には中間材一層あたりの長手方向の長さ、すなわち巻き長さは短くなる。これにより、構成された加湿素子11においては、水槽2に浸漬される側の終端部11cから巻き軸側の終端部11dまでの導水部材1aの長さが短くなり、導水部材1aが水槽2から吸収した水分をよりすばやく終端部11d側まで導水して放散することができる。その結果、導水部材1a内部の水分の拡散性がそれほどよくない場合でも、確実に導水することが可能になり、良好な加湿性能を得ることができる。なお、上述した本発明の効果を得ることができることは言うまでもない。
また、上述したような中間材における導水部材1aの重ね合わせ数は2層に限定されるものではなく、3層以上重ねることも可能であり、導水部材1aの水分の拡散性能等の諸条件によって適宜設定することができる。
また、重ね合わせる導水部材1aの層数を増やしていくと、図3−1の導水部材1aと間隔保持部材1bとを組み合わせた中間材を、図7に示すように被加湿気体の流路の幅いっぱいに幾列にも並べた形の加湿素子になり、このような形状でも用いることが可能である。また、この場合も実施の形態2において説明したように、間隔保持部材1bの材料に導水部材1aの材料であるパーフルオロスルホン酸系または炭化水素系のイオン交換樹脂を用いて図7に示すような形状を構成することができる。これにより、自然蒸発面積を2.5倍程度に増やして加湿量の増大、すなわち加湿能力の向上を効果的に図ることができる。
実施の形態4.
実施の形態4においては、上述した実施の形態1、2、3にかかる加湿器の他の変形例について説明する。これら加湿器の導水部材及び間隔保持部材使用されているイオン交換樹脂などは、吸水すると非常に大きな膨潤をするものがあるが、膨潤をすると導水部材が伸びて変形し、そのため構造体の内部応力が増して導水部材自体が破損し、風路が塞がれてしまうなどの不具合がある。このような膨潤による変形を防ぐため、図8−1〜図8−3に示すように導水部材及び間隔保持部材に使用するイオン交換樹脂の内部もしくは片面・両面に吸水による変形が少ない素材をサポート部材として導入して使用することができる。
サポート部材を樹脂の表面(片面・両面。図8−1、8−2)に使用する場合には、イオン交換樹脂からの水蒸気の蒸散を妨げないようにするため、サポート部材は極力薄くまたイオン交換樹脂の表面を露出できるような多孔質の物が好ましい。その観点からサポート部材としては塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂またはポリテトラフルオロエチレン樹脂等の比較的吸水が少ない樹脂の不織布もしくは多孔質膜を用いることが考えられるが、これらに限定したものではなく、イオン交換樹脂の吸水による変形を押えられる樹脂であればよい。
サポート部材を樹脂内部に置く場合には、上記のような厚さや多孔質などの制限は特にないが図8−3のように中央部にサポート部材を置くことにより水分にとっては壁となるため、その両面のイオン交換樹脂の厚さが減少したことと同じ現象となる。そのため実施の形態1内で述べたように樹脂の厚さに注意する必要がある。サポート部材としてはやはり塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂またはポリテトラフルオロエチレン樹脂等の比較的吸水が少ない樹脂のシートや板などが考えられる。
以上のように、本発明にかかる加湿器は、業務用および家庭用として単体または空調機器等に組み込んでの使用に有用であり、特に、耐久性および信頼性が要求される用途に適している。
本発明の実施の形態1にかかる加湿器の概略構成を模式的に示す図である。 実施の形態1にかかる加湿器における加湿部を送風機側から見た状態を示す断面図である。 加湿素子を構成する導水部材と間隔保持部材とを組み合わせた状態の一例を示す図である。 加湿素子を構成する導水部材と間隔保持部材とを組み合わせた状態の他の例を示す図である。 加湿器における加湿部の他の構成例を送風機側から見た状態を示す断面図である。 実施の形態3にかかる加湿器における加湿部を送風機側から見た状態をしめす断面図である。 加湿素子を構成する導水部材と間隔保持部材とを組み合わせ、積層した状態の一例を示す図である。 実施の形態3にかかる加湿器の加湿部の他の構成例を示す斜視図である。 実施の形態4にかかる加湿器の加湿素子を構成する導水部材の片面にサポート材を組み合わせた状態の断面図である。 実施の形態4にかかる加湿器の加湿素子を構成する導水部材の両面にサポート材を組み合わせた状態の断面図である。 実施の形態4にかかる加湿器の加湿素子を構成する導水部材の内部にサポート材を組み合わせた状態の断面図である。
符号の説明
1 加湿素子
1a 導水部材
1b 間隔保持部材
2 水槽
2a 水
3 送風機
4 加湿素子収納部
4a 流路
4b 流路
5 筐体
6 被加湿流体
7 サポート部材

Claims (11)

  1. 親水性の極性基を有するイオン交換樹脂、またはジメチルシロキサン骨格を持つ樹脂からなる導水部材を有する加湿手段と、
    前記加湿手段に水を供給する給水手段と、
    前記加湿手段に被加湿気体を送風する送風手段と、
    を備えることを特徴とする加湿器。
  2. 前記イオン交換樹脂が、フッ素系イオン交換樹脂または炭化水素系イオン交換樹脂であること
    を特徴とする請求項1に記載の加湿器。
  3. 前記イオン交換樹脂が、パーフルオロスルホン酸系樹脂、またはエチレンスチレン共重合体をスルホン化した樹脂であること
    を特徴とする請求項1に記載の加湿器。
  4. 前記加湿手段は、前記導水部材同士の間隔を保持して前記被加湿気体の通風領域を構成する間隔保持部材をさらに備え、前記導水部材と前記間隔保持部材とが積層されてなること
    を特徴とする請求項1に記載の加湿器。
  5. 前記加湿手段は、前記導水部材と前記間隔保持部材とが積層された状態で券回されてなること
    を特徴とする請求項4に記載の加湿器。
  6. 前記加湿手段が、前記導水部材と前記間隔保持部材とが交互にそれぞれ複数積層されてなること
    を特徴とする請求項4に記載の加湿器。
  7. 前記加湿手段は、前記導水部材と前記間隔保持部材とが交互にそれぞれ複数積層された状態で券回されてなること
    を特徴とする請求項6に記載の加湿器。
  8. 前記間隔保持部材が、塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂またはポリテトラフルオロエチレン樹脂からなる群より選択される樹脂からなること
    を特徴とする請求項4に記載の加湿器。
  9. 前記間隔保持部材が、前記イオン交換樹脂からなること
    を特徴とする請求項4に記載の加湿器。
  10. 前記イオン交換樹脂またはジメチルシロキサン骨格を有する樹脂の表面もしくは内部に水分により伸縮しない素材を導入して吸水による伸縮を抑止すること
    特徴とする請求項1に記載の加湿器。
  11. 前記の水分により伸縮しない素材として、塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂またはポリテトラフルオロエチレン樹脂からなる群より選択された樹脂の不織布もしくは多孔質膜を用いること
    を特徴とする請求項10に記載の加湿器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009085529A (ja) * 2007-10-01 2009-04-23 Panasonic Corp 気化フィルタおよび加湿装置
JP2009270723A (ja) * 2008-04-30 2009-11-19 Mitsubishi Electric Corp 加湿装置

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