JP2007015005A - 鋳ぐるみ用部品、シリンダブロック、鋳ぐるみ用部品被膜形成方法及びシリンダブロック製造方法 - Google Patents

鋳ぐるみ用部品、シリンダブロック、鋳ぐるみ用部品被膜形成方法及びシリンダブロック製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 外周面が鋳ぐるまれるシリンダライナ等において、表層として形成された金属層とシリンダブロック等との間で、より大きな接合力を生じさせる。
【解決手段】 ライナ外周面6がベース金属相8aと分散金属相8bとからなる不均一系金属層である溶射層8にて被覆されている。このため鋳ぐるみ時に溶湯が分散金属相8b部分から溶射層8内に進入し、凝固後に形成されるシリンダブロックは溶射層8内に疑似植物根状態に入り込んだ状態となり、凝固後にシリンダブロック表面はシリンダライナ2表面に強固に固定された状態となる。こうしてシリンダブロックはシリンダライナ2との間で、単に表層に溶湯を接触した処理では得られない大きな接合力を生じ、更に高い熱伝導性を得ることもできる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、外周面が鋳造用金属に鋳ぐるまれることにより鋳造用金属に接合される鋳ぐるみ用部品、この鋳ぐるみ用部品に対する被膜形成方法、この鋳ぐるみ用部品をシリンダライナとして用いたシリンダブロック及びその製造方法に関する。
鋳ぐるみ用部品、例えば鋳ぐるまれることでシリンダブロックに一体化されてシリンダボアを形成するシリンダライナは、シリンダボアの真円度を高く維持するために、鋳ぐるまれる外周面がシリンダブロックとの間で十分に大きな接合力を生じることが重要である。
このように十分大きな接合力を生じさせるために、シリンダライナ外周面の性状を調節することは極めて重要であり、このためにシリンダライナ外周面を溶射層にて被覆して表層を形成する技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。この特許文献1ではシリンダライナ外周面に溶射により粒状金属を不規則に付着させて表面に凹凸を有する表層を形成させている。このことで鋳造時に溶湯が凹部に流れ込み、アンカー効果を生じさせて大きい接合力を発生させようとするものである。
又、シリンダライナ外周面に低融点材料の被膜をショットピーニングやプラズマ溶射などにより冶金的に接合したことにより、表面に酸化膜を生じさせないようにしてシリンダブロックとの間で密着性を高める技術(例えば特許文献2参照)が提案されている。
この他、シリンダライナ外周面の内で上死点領域と下死点領域とに表層としてアルミニウム合金による活性化層を形成してクランクケースと金属結合する技術(例えば特許文献3参照)が提案されている。
実開昭53−163405号公報(第3−4頁、第5図) 特開2003−53508号公報(第4−5頁、図1) 特開2003−120414号公報(第3頁、図1)
最近の内燃機関の軽量化に伴う狭ボア間設計や高出力化により、シリンダライナを鋳ぐるむことにより形成されるシリンダブロックにおいては、シリンダライナとシリンダブロックとの接合力の更なる増加が要求されている。
しかし特許文献1では、鋳造時に溶湯がシリンダライナ外周面の凹部に流れ込むことにより、シリンダブロックはシリンダライナ外周面の凹部に食い込むことになるが、シリンダライナ外周面に対する単なる溶湯の接触では凹部への食い込みにも限度がある。このためこのような表層の凹凸形成のみでは更に大きな接合力を生じさせるには不十分である。
特許文献2では、シリンダライナ外周面に低融点の被膜を形成して、鋳造時、溶湯に接触した場合に熱効果により融合して良好な金属結合ができるとしている。しかし、この膜全体が低融点材料のみにて形成されているため、特許文献2の目的である熱伝達率向上には貢献できても、均質な膜への溶湯の接触では更に大きな接合力を生じさせるには不十分である。
特許文献3では、シリンダライナよりも低融点の活性化層を形成しているが、活性化層自体は均質なアルミニウム合金にて形成されているため、表面の溶融のみによるシリンダブロックとの接合では、更に大きな接合力を生じさせるには不十分である。
本発明は、シリンダライナのごとく、外周面が鋳造用金属に鋳ぐるまれる鋳ぐるみ用部品において、表層として形成された金属層と、鋳造によるシリンダブロックなどの鋳込まれた金属との間で、より大きな接合力を生じさせることを目的とするものである。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の鋳ぐるみ用部品は、外周面が鋳造用金属に鋳ぐるまれる鋳ぐるみ用部品であって、前記外周面は、ベース金属相の中に1つ以上の分散金属相が分散分布している不均一系金属層にて被覆され、前記分散金属相の少なくとも1つは、前記ベース金属相及び前記鋳造用金属よりも低い融点を有する低融点金属相であることを特徴とする。
鋳ぐるみ用部品の外周面が上記不均一系金属層にて被覆されているため、鋳ぐるみ時に溶湯の接触により、ベース金属相よりも前に、低融点金属相である少なくとも1つの分散金属相が迅速に溶融する。このことにより直ちに溶湯は溶融状態にある分散金属相と混合しつつ、不均一系金属層内に進入する。したがって鋳込み直後において、溶湯状態の鋳造用金属は、不均一系金属層の表面から内部へと低融点金属相を伝って進入し不均一系金属層内部の低融点金属相と一体化する状態へ迅速に変化する。
そして溶湯の凝固後においては鋳造用金属は不均一系金属層内へ疑似植物根状態に入り込んだ状態で完全に固定された状態となる。尚、低融点金属相の溶融後に、ベース金属相が全く溶融しなければ前記疑似植物根状態はそのまま残るが、低融点金属相と溶湯とが或程度一体化した後に、ベース金属相が溶融したとしても、凝固時点では溶融遅延の程度に対応して疑似植物根状態は残る。
このことにより鋳ぐるみ用部品を被覆している不均一系金属層に、鋳込まれた金属を極めて強固に固定した状態とすることができる。このように本発明の鋳ぐるみ用部品は、鋳込まれた金属との間で、単に表層に溶湯を接触した処理では得られない、大きな接合力を生じさせることができる。
請求項2に記載の鋳ぐるみ用部品では、請求項1において、前記鋳造用金属は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなり、前記低融点金属相は亜鉛、亜鉛合金、錫、錫合金、鉛、鉛合金、アンチモン又はアンチモン合金からなることを特徴とする。
このように鋳造用金属としてアルミニウム又はアルミニウム合金を採用した場合には、低融点金属相としては亜鉛、亜鉛合金、錫、錫合金、鉛、鉛合金、アンチモン又はアンチモン合金を用いることができる。
請求項3に記載の鋳ぐるみ用部品では、請求項1又は2において、前記ベース金属相は、高熱伝導性金属相であることを特徴とする。
このことにより、鋳ぐるみ用部品が内燃機関のシリンダライナなどであって、内部を冷却する必要がある部品の場合には、シリンダブロックなどがベース金属相に疑似植物根状態に絡んだ状態にできることから、熱伝導性が特に良好となり、鋳ぐるみ用部品の高い冷却性能が得られる。
請求項4に記載の鋳ぐるみ用部品では、請求項3において、前記高熱伝導性金属相は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅又は銅合金からなることを特徴とする。
高熱伝導性金属相を、アルミニウム、アルミニウム合金、銅又は銅合金からなる構成とすることで、前述した高度な熱伝導性が得られる。
請求項5に記載の鋳ぐるみ用部品では、請求項1〜4のいずれかにおいて、前記ベース金属相は、前記鋳造用金属以上の高い融点を有する高融点金属相であることを特徴とする。
このようにベース金属相を高融点金属相として設けることにより、鋳造時にはベース金属相は全く溶融しないか溶融程度も小さいので、早期に溶融する低融点金属相側での溶湯進入がより促進されて、溶湯は不均一系金属層内により深く進入できるようになる。このことにより溶湯の凝固後に、より大きな接合力を生じさせることができる。
請求項6に記載の鋳ぐるみ用部品では、請求項1〜5のいずれかにおいて、前記ベース金属相及び前記分散金属相を含む全ての金属相に対応する複数種類の材料を、同時に前記外周面に溶射することで前記不均一系金属層が形成されていることを特徴とする。
このように全ての金属相に対応する複数種類の材料を、同時に外周面に溶射することで前述した不均一系金属層を容易に形成することができる。
請求項7に記載の鋳ぐるみ用部品では、請求項6において、前記溶射は、複数種類の粉末材料を混合した混合粉末材料を用いた粉末溶射であることを特徴とする。
このような複数種類の粉末材料を混合した混合粉末材料を用いて粉末溶射することにより、前述した不均一系金属層を鋳ぐるみ用部品の外周面に形成できる。
請求項8に記載の鋳ぐるみ用部品では、請求項6において、前記溶射は、複数種類のワイヤ材料を用いたアーク溶射であることを特徴とする。
このような複数種類のワイヤ材料を用いてアーク溶射することによっても、不均一系金属層を鋳ぐるみ用部品の外周面に形成できる。
請求項9に記載の鋳ぐるみ用部品では、請求項1〜8のいずれかにおいて、外周面が内燃機関のシリンダブロックの鋳造時に鋳造用金属に鋳ぐるまれることによりシリンダブロックに接合されるシリンダライナであることを特徴とする。
このように前述した鋳ぐるみ用部品としての構成をシリンダライナに適用して、このシリンダライナをシリンダブロック用に鋳込むことにより、シリンダライナを被覆している不均一系金属層にシリンダブロックが極めて強固に固定された状態にできる。このように本発明のシリンダライナは、鋳造用金属であるブロック材との間で、単に表層に溶湯を接触した処理では得られない、大きな接合力を生じさせることができる。
請求項10に記載の鋳ぐるみ用部品では、請求項9において、前記外周面には括れた形状の複数の突起が形成され、該突起は、(a)前記突起の高さが0.5mm〜1.5mm (b)前記突起の数が前記外周面上の1cm2 当たりに5個〜60個、 上記(a)及び(b)の条件の少なくとも一方を満たしていることを特徴とする。
このように鋳ぐるみ用部品としてのシリンダライナの外周面には、更に上記突起を設けても良い。このことによりシリンダライナの外周面と不均一系金属層との間の接合力も強力なものとでき、不均一系金属層を介して、シリンダライナとシリンダブロックとの間の総合的な接合力も十分に大きなものとできる。そしてシリンダブロックに対する十分な接合力により真円度を十分に高く維持できるようになる。
請求項11に記載の鋳ぐるみ用部品では、請求項10において、前記(a)及び(b)の条件の少なくとも一方の条件に加えて、(c)3次元レーザ測定器により前記突起の高さ方向から前記外周面を測定して得られる前記突起の等高線図において、高さ0.4mmの等高線により囲まれる領域の面積率をS1としたとき、面積率S1が10%以上 (d)3次元レーザ測定器により前記突起の高さ方向から前記外周面を測定して得られる前記突起の等高線図において、高さ0.2mmの等高線により囲まれる領域の面積率をS2としたとき、面積率S2が55%以下、上記(c)及び(d)の全ての条件を満たした前記突起が形成されていることを特徴とする。
更に上記突起に関しては、(c)及び(d)の条件を加えた突起として形成されていることにより、シリンダライナとシリンダブロックとの間の総合的な接合力も、より大きなものとできる。そしてシリンダブロックに対する十分な接合力により真円度を十分に高く維持できる。
請求項12に記載の鋳ぐるみ用部品では、請求項10において、前記(a)及び(b)の条件の少なくとも一方の条件に加えて、(c’)3次元レーザ測定器により前記突起の高さ方向から前記外周面を測定して得られる前記突起の等高線図において、高さ0.4mmの等高線により囲まれる領域の面積率をS1としたとき、面積率S1が10%〜50% (d’)3次元レーザ測定器により前記突起の高さ方向から前記外周面を測定して得られる前記突起の等高線図において、高さ0.2mmの等高線により囲まれる領域の面積率をS2としたとき、面積率S2が20%〜55%、上記(c’)及び(d’)の全ての条件を満たした前記突起が形成されていることを特徴とする。
更に上記突起に関しては、このような(c’)及び(d’)の条件を加えた突起として形成されていても良く、このことによりシリンダライナとシリンダブロックとの間の総合的な接合力も、より大きなものとできる。そしてシリンダブロックに対する十分な接合力により真円度も十分に高く維持できる。
請求項13に記載の鋳ぐるみ用部品では、請求項10〜12のいずれかに記載の前記条件に加えて、(e)前記等高線図において、高さ0.4mmの等高線により囲まれる領域がそれぞれ独立している (f)前記等高線図において、高さ0.4mmの等高線により囲まれる領域の面積が0.2mm2 〜3.0mm2 、上記(e)及び(f)の全ての条件を満たした前記突起が形成されていることを特徴とする。
更に上記突起に関しては、(e)、(f)の条件を加えた突起として形成されていることにより、鋳ぐるみ用部品と、この鋳ぐるみ用部品を鋳込んだ鋳造用金属との間の総合的な接合力も、一層大きなものとできる。そしてシリンダライナに適用された場合にも、シリンダブロックに対して十分な接合力を生じさせて、真円度も十分に高く維持できる。
請求項14に記載のシリンダブロックは、請求項9〜13のいずれかに記載の鋳ぐるみ用部品であるシリンダライナが、前記低融点金属相の融点より高い融点の鋳造用金属にて鋳ぐるまれていることを特徴とする。
このように低融点金属相の融点より高い融点の鋳造用金属をブロック材として用いて形成されているシリンダブロックは、単にシリンダライナの表層に溶湯を接触した処理では得られない強力な接合力によりシリンダライナを固定支持できる。このことによりシリンダボアを高い真円度に維持できる。
請求項15に記載の鋳ぐるみ用部品被膜形成方法は、外周面が鋳造用金属に鋳ぐるまれる鋳ぐるみ用部品に対する被膜形成方法であって、前記鋳造用金属よりも低い融点を有する低融点金属材料と該低融点金属材料より融点が高い高融点金属材料とを含む複数種類の金属材料を、前記高融点金属材料をベース金属材料として、同時に前記外周面に溶射することにより、前記高融点金属材料により生じた高融点金属相の中に、前記低融点金属材料により生じた低融点金属相が分散分布した不均一系金属層を形成することを特徴とする。
このように低融点金属材料と高融点金属材料とを含む複数種類の金属材料を同時に鋳ぐるみ用部品の外周面に溶射することにより、前述した不均一系金属層を容易に形成することができる。
請求項16に記載の鋳ぐるみ用部品被膜形成方法では、請求項15において、前記溶射は、前記高融点金属材料として前記鋳造用金属以上の融点を有する金属材料を用いて実行することを特徴とする。
このような高融点金属材料を用いて溶射しているので、形成された不均一系金属層には、鋳造用金属以上の融点を有する高融点金属相が存在する。このように形成された鋳ぐるみ用部品は、鋳造時には高融点金属相は全く溶融しないか溶融程度も小さいので、低融点金属相における溶湯進入がより円滑となり、溶湯は不均一系金属層内により深く進入できるようになる。このことにより鋳ぐるみ用部品は、鋳造用金属との間で、より大きな接合力を生じさせることができる。
請求項17に記載の鋳ぐるみ用部品被膜形成方法では、請求項15又は16において、前記溶射は、前記高融点金属材料として高熱伝導性金属材料を用いて実行することを特徴とする。
このことにより、被膜が形成される鋳ぐるみ用部品が内燃機関のシリンダライナなどであって、内部を冷却する必要がある部品の場合には、シリンダブロックなどがベース金属相に疑似植物根状態に絡んだ状態にできることから、熱伝導性が特に良好となり、鋳ぐるみ用部品の高い冷却性能が得られる。
請求項18に記載の鋳ぐるみ用部品被膜形成方法では、請求項15〜17のいずれかにおいて、前記溶射は、前記低融点金属材料と前記高融点金属材料とを含む複数種類の粉末材料を混合した混合粉末材料を用いて行う粉末溶射として実行することを特徴とする。
このような複数種類の粉末材料を混合した混合粉末材料を用いて粉末溶射することにより、前述した不均一系金属層を容易に形成することができる。
請求項19に記載の鋳ぐるみ用部品被膜形成方法では、請求項15〜17のいずれかにおいて、前記溶射は、前記低融点金属材料と前記高融点金属材料とを含む複数種類のワイヤ材料を用いて行うアーク溶射として実行することを特徴とする。
このような複数種類のワイヤ材料を用いてアーク溶射することにより、前述した不均一系金属層を容易に形成することができる。
請求項20に記載の鋳ぐるみ用部品被膜形成方法では、請求項15〜19のいずれかにおいて、前記溶射は、(a)突起の高さが0.5mm〜1.5mm (b)突起の数が前記外周面上の1cm2 当たりに5個〜60個、上記(a)及び(b)の条件の少なくとも一方を満たしている括れた形状の複数の突起が外周面に形成された前記鋳ぐるみ用部品に対して実行されることを特徴とする。
このように鋳ぐるみ用部品の外周面に設けた上記突起の上から、溶射により不均一系金属層を形成しても良い。このことにより鋳ぐるみ用部品と不均一系金属層との間の接合力も強力となる。したがって、このように形成された鋳ぐるみ用部品を鋳ぐるむことにより、不均一系金属層を介して、鋳造用金属との間の総合的な接合力も十分に大きくできる。
請求項21に記載の鋳ぐるみ用部品被膜形成方法では、請求項20において、前記溶射は、前記(a)及び(b)の条件の少なくとも一方の条件に加えて、(c)3次元レーザ測定器により前記突起の高さ方向から前記外周面を測定して得られる前記突起の等高線図において、高さ0.4mmの等高線により囲まれる領域の面積率をS1としたとき、面積率S1が10%以上 (d)3次元レーザ測定器により前記突起の高さ方向から前記外周面を測定して得られる前記突起の等高線図において、高さ0.2mmの等高線により囲まれる領域の面積率をS2としたとき、面積率S2が55%以下、上記(c)及び(d)の全ての条件を満たした前記突起が外周面に形成された前記鋳ぐるみ用部品に対して実行されることを特徴とする。
更に上記(c)及び(d)の条件を加えた突起が形成された鋳ぐるみ用部品を用いて溶射することにより、鋳造用金属との間の総合的な接合力も、より大きくできる鋳ぐるみ用部品を提供できる。
請求項22に記載の鋳ぐるみ用部品被膜形成方法では、請求項20において、前記溶射は、前記(a)及び(b)の条件の少なくとも一方の条件に加えて、(c’)3次元レーザ測定器により前記突起の高さ方向から前記外周面を測定して得られる前記突起の等高線図において、高さ0.4mmの等高線により囲まれる領域の面積率をS1としたとき、面積率S1が10%〜50% (d’)3次元レーザ測定器により前記突起の高さ方向から前記外周面を測定して得られる前記突起の等高線図において、高さ0.2mmの等高線により囲まれる領域の面積率をS2としたとき、面積率S2が20%〜55%、上記(c’)及び(d’)の全ての条件を満たした前記突起が外周面に形成された前記鋳ぐるみ用部品に対して実行されることを特徴とする。
更に、このような(c’)及び(d’)の条件を加えた突起が形成された鋳ぐるみ用部品を用いて溶射しても良く、このことにより鋳造用金属との間の総合的な接合力も、より大きくできる鋳ぐるみ用部品を提供できる。
請求項23に記載の鋳ぐるみ用部品被膜形成方法では、請求項20〜22のいずれかにおいて、前記溶射は、前記条件に加えて、(e)前記等高線図において、高さ0.4mmの等高線により囲まれる領域がそれぞれ独立している (f)前記等高線図において、高さ0.4mmの等高線により囲まれる領域の面積が0.2mm2 〜3.0mm2 、上記(e)及び(f)の全ての条件を満たした前記突起が外周面に形成された前記鋳ぐるみ用部品に対して実行されることを特徴とする。
更に、(e)、(f)の条件を加えた突起が形成された鋳ぐるみ用部品を用いて溶射しても良く、このことにより鋳造用金属との間の総合的な接合力も、より大きくできる鋳ぐるみ用部品を提供できる。
請求項24に記載のシリンダブロック製造方法は、請求項15〜23のいずれかに記載の鋳ぐるみ用部品被膜形成方法にて形成された前記鋳ぐるみ用部品としてのシリンダライナを、前記低融点金属相の融点より高い融点の鋳造用金属にて鋳ぐるむことを特徴とする。
このように前述した鋳ぐるみ用部品をシリンダライナとして、低融点金属相の融点より高い融点の鋳造用金属をブロック材として鋳ぐるむことにより、単にシリンダライナの表層に溶湯を接触した処理では得られない強力な接合力によりシリンダライナを固定できるシリンダブロックを形成できる。
[実施の形態1]
本実施の形態を図1,2に示す。図1は本発明のシリンダライナ2の斜視図(A)及び部分拡大横断面図(B)を示し、図2はこのシリンダライナ2を鋳ぐるんで形成したシリンダブロック4の部分斜視図(A)及び部分縦断面図(B)を示している。尚、シリンダブロック4に鋳込まれたシリンダライナ2の周りにはウォータージャケット4aが形成されて冷却を行っている。
<シリンダライナ2の構成>
まず、ここで図1に示したシリンダライナ2の本体2aは鋳鉄製の円筒体であり、このシリンダライナ本体2aの外周面(以下「ライナ外周面」と称する)6の上には、鋳造時にシリンダブロック4側と冶金的に接合させるための溶射層8が形成されている。
尚、鋳鉄の組成は、耐摩耗生、耐焼き付き性、及び加工性を考慮して、例えば以下のように設定することが好ましい。
T.C:2.9 質量% 〜 3.7 質量%
Si :1.6 質量% 〜 2.8 質量%
Mn :0.5 質量% 〜 1.0 質量%
P :0.05質量% 〜 0.4 質量%
また、必要に応じて以下の組成物を添加することもできる。
Cr :0.05質量% 〜 0.4 質量%
B :0.03質量% 〜 0.08質量%
Cu :0.3 質量% 〜 0.5 質量%
<溶射層8の構成>
シリンダライナ本体2aを被覆している溶射層8は、図1の(B)に示したごとく複数の金属相(ここでは2つの金属相)が分散分布している不均一系金属層として形成されている。溶射層8において主体となるベース金属相8a(高融点金属相及び高熱伝導性金属相に相当)は高融点金属材料(ここではアルミニウム又はアルミニウム合金)から構成されている。ベース金属相8a内に不定形の島状となって全体に分布している分散金属相8b(低融点金属相に相当)は、低融点金属材料(ここでは亜鉛又は亜鉛合金)から構成されている。
<溶射層8の形成>
ライナ外周面6に溶射層8を形成するに当たって、予めライナ外周面6に対して粗面化装置(ここではブラスト処理装置又はウォータージェット装置)を用いて粗面化処理がなされている。
この粗面化処理後のライナ外周面6に対して、溶射装置(ここではプラズマ溶射装置又はHVOF溶射装置)により、粉末材料として高融点金属材料の粉末と低融点金属材料の粉末とを用い、これらを混合した混合粉末材料を用いて溶射することにより、溶射層8が形成される。
ここで高融点金属材料は上述したごとくアルミニウム又はアルミニウム合金であり、シリンダブロック4を形成するために用いるブロック材としての鋳造用金属とほぼ同一の融点(約660℃)を有する材料である。尚、ブロック材と同じ金属の粉末を用いても良い。
低融点金属材料は上述したごとく亜鉛又は亜鉛合金であり、ブロック材及び高融点金属材料よりも融点(約420℃)が低い。
高融点金属材料の粉末と低融点金属材料の粉末との混合割合は、溶射層8において高融点金属材料がベース金属材料となるように調節されている。ここでは例えば体積割合として、混合粉末材料中に、低融点金属材料は50%未満であるように配合されている。更に図1の(B)に示したごとく低融点金属材料により分散金属相8bが形成されるが、後述するごとく、この分散金属相8bはシリンダブロック4の鋳造時に、溶射層8に対して溶湯が進入する部分である。このため低融点金属材料の混合割合下限値としては、十分に溶湯の進入を許す混合割合である必要がある。粉末粒子の大きさ、溶射条件などにより異なるが、ここでは例えば体積割合として5〜10%を低融点金属材料の混合割合下限値とする。
このように混合した金属粉末により、溶射時にはライナ外周面6に高融点金属材料及び低融点金属材料の溶融粒子が同時に衝突する。この衝突によっては、高融点金属材料と低融点金属材料とが均一に混合することはなく、界面で融合している部分を除けば高融点金属材料と低融点金属材料との2層の金属相が存在する状態で凝固する。このことにより図1の(B)に示したごとく、溶射層8は、ベース金属相8aの全体に、不定形の分散金属相8bが分散分布した不均一系金属層として形成される。
<シリンダブロック4の構成・鋳造>
シリンダブロック4は、図2に示したごとくシリンダライナ2に対してライナ外周面6に形成されている溶射層8をブロック材にて鋳ぐるむ状態で鋳造により形成されている。ブロック材として用いる鋳造用金属としては軽合金材料が用いられる。特に、ブロック材としては、軽量化と共にコストを考慮して、アルミニウムまたはアルミニウム合金を用いる。アルミニウム合金としては、例えば「JIS ADC10(関連規格米国ASTM A380.0)」あるいは「JIS ADC12(関連規格米国ASTM A383.0)」等を用いることができる。
図1に示したシリンダライナ2を鋳型内に配置して、アルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯を鋳込む。このことにより図2に示したごとく溶射層8の外周全域がアルミニウムまたはアルミニウム合金にて鋳ぐるまれたシリンダブロック4が形成される。
図3のごとく、鋳造時において溶湯10は、ライナ外周面6上にある溶射層8を加熱する。溶射層8は、前述したごとくベース金属相8aの全体に分散金属相8bが分布している状態に形成されている。この内、ベース金属相8aより低融点の分散金属相8bは、溶湯10として接触するブロック材に対しても低融点であるので、ベース金属相8aに比較して分散金属相8b側が急速に溶融して液体状態となって溶湯10に接触することになる。
したがって溶湯10と溶融状態の分散金属相8bとが混じり合うようにして、溶湯10が、まだ溶融していないベース金属相8aの間に、溶融状態の分散金属相8bが存在する位置に沿って進入する。このことにより溶湯10は溶射層8の表面の分散金属相8b位置から内部の分散金属相8b位置まで連続する態様へと迅速に変化する。こうして図4に示すごとく溶湯10は溶射層8内に疑似植物根状態に入り込んだ状態となる。
その後、鋳型内の溶湯10が冷却して凝固するとシリンダブロック4の鋳造が完了する。この時もシリンダブロック4が溶射層8に接触している部分は、図4に示したと同じ状態、すなわち、溶射層8内に疑似植物根状態に進入して凝固している。
以上説明した本実施の形態1によれば、以下の効果が得られる。
(イ).ライナ外周面6がベース金属相8aと分散金属相8bとからなる不均一系金属層である溶射層8にて被覆されている。このため前述したごとく鋳ぐるみ時に溶湯10が分散金属相8b部分から溶射層8内に進入し、凝固後に形成されるシリンダブロック4は溶射層8内に疑似植物根状態に入り込んだ状態となり、凝固後にシリンダブロック4表面はシリンダライナ2表面に強固に固定された状態となる。
こうして、本実施の形態にて製造されたシリンダブロック4はシリンダライナ2との間で、単に表層に溶湯を接触した処理では得られない、大きな接合力を生じさせることができる。
(ロ).溶射層8は高融点金属であるアルミニウム又はアルミニウム合金と、低融点金属である亜鉛又は亜鉛合金とを、それぞれ粉末状態で混合して同時にライナ外周面6に溶射することで形成されている。このように2種類の金属粉末を混合して溶射することで、ベース金属相8aと分散金属相8bとを有する溶射層8を容易に実現できる。
(ハ).ベース金属相8aはアルミニウム又はアルミニウム合金であって高熱伝導性金属材料であり、ここにシリンダブロック4が疑似植物根状態に絡んだ状態とされることから、熱伝導性が特に良好となり、シリンダボア2bの高い冷却性能が得られる。
[実施の形態2]
<シリンダライナ12の構成>
図5に示す本実施の形態のシリンダライナ12の本体12aは前記実施の形態1の場合と同じ組成の鋳鉄製であるが、ライナ外周面16には括れた形状の突起17が複数形成されている。この突起17は、次の態様にて形成されている。
(1)基端部17aと先端部17bとの中間に最も細い部位(括れ部17c)を有する。
(2)括れ部17cから基端部17a及び先端部17bへかけて拡径している。
(3)先端部17bに略平坦状の頂面17d(シリンダライナ本体12aの径方向において最も外周側の面)を有する。
(4)突起17の間には略平滑な面(基底面17e)が形成されている。
そしてこのライナ外周面16は粗面化された後、ライナ外周面16上にはシリンダブロック14側と鋳造時に冶金的に接合させるための溶射層18が形成されている。
<シリンダライナ12の製造工程>
シリンダライナ12の製造では、図6に示した[工程A]〜[工程H]が実行される。
ここで図7に示す製造工程内容概略図を参照して、各工程の詳細について説明する。
[工程A]
耐火基材C1、粘結剤C2、及び水C3を所定の割合で配合して懸濁液C4を作成する。
本実施の形態においては、耐火基材C1、粘結剤C2、及び水C3の配合量として選択可能な範囲、並びに耐火基材C1の平均粒径として選択可能な範囲をそれぞれ以下のように設定している。
耐火基材C1の配合量 : 8質量% 〜 30質量%
粘結剤C2 の配合量 : 2質量% 〜 10質量%
水C3 の配合量 : 60質量% 〜 90質量%
耐火基材C1の平均粒径:0.02mm 〜 0.1mm
[工程B]
懸濁液C4に所定量の界面活性剤C5を添加して塗型材C6を作成する。
本実施の形態においては、界面活性剤C5の添加量として選択可能な範囲を以下のように設定している。
界面活性剤C5の添加量:0.005質量%<X≦0.1質量%(Xは添加量)
[工程C]
規定の温度に加熱されて回転状態にある金型P(鋳型)の内周面Piに塗型材C6を噴霧塗布する。このとき、塗型材C6の層(塗型層C7)が内周面Pi全周にわたって略均一の厚さに形成されるように塗型材C6の塗布が行われる。
本実施形態においては、塗型層C7の厚さとして選択可能な範囲を以下のように設定している。
塗型層C7の厚さ :0.5mm 〜 1.5mm
図8に塗型層C7における括れた形状の凹穴の形成態様を示す。
図8に示すように、塗型層C7内の気泡D1に対して界面活性剤C5が作用することにより塗型層C7の内周側に凹穴D2が形成される。そして、凹穴D2が金型Pの内周面Piに突き当たることにより、塗型層C7に括れた形状の凹穴D3が形成される。
[工程D]
塗型層C7が乾燥した後、回転状態にある金型P内へ鋳鉄の溶湯CIを鋳込むことによりシリンダライナ本体12aを鋳造する。このとき、塗型層C7の凹穴D3の形状に対応した形状の突起がシリンダライナ本体12aへ転写されることにより、シリンダライナ本体12aの外周面に括れた形状の突起17(前記図5)が形成される。
[工程E]
溶湯CIが硬化してシリンダライナ本体12aが形成された後、塗型層C7とともにシリンダライナ本体12aを金型Pから取り出す。
[工程F]
ブラスト処理装置Maにより塗型層C7をシリンダライナ本体12aの外周から除去する。
[工程G]
粗面化装置(上記ブラスト処理装置Maあるいは他のブラスト処理装置、又はウォータージェット装置)を用いて、ライナ外周面16を粗面化処理する。
[工程H]
溶射装置Mbにより、前記実施の形態1での溶射と同じく高融点金属材料の粉末と低融点金属材料の粉末との混合粉末材料を用いて溶射する。このことにより、溶射層18は、ベース金属相18a(高融点金属相に相当)中に不定形の分散金属相18b(低融点金属相に相当)が分布した不均一系金属層として形成される。
このことにより図5に示したシリンダライナ12が完成する。
<突起17の面積率>
本実施の形態では、工程F終了後において、シリンダライナ本体12aの突起17の第1面積率S1及び第2面積率S2として選択可能な範囲を以下のように設定している。
第1面積率S1:10%以上
第2面積率S2:55%以下
また、以下のように設定することもできる。
第1面積率S1:10% 〜 50%
第2面積率S2:20% 〜 55%
第1面積率S1は、基底面17eから高さ0.4mm(基底面17eを基準とした突起17の高さ方向の距離)の平面において、単位面積当たりに占める突起17の断面積に相当する。
第2面積率S2は、基底面17eから高さ0.2mm(基底面17eを基準とした突起17の高さ方向の距離)の平面において、単位面積当たりに占める突起17の断面積に相当する。
これら面積率S1,S2は3次元レーザ測定器により得られた突起17の等高線図(後述する図12,13)に基づいて得られている。
尚、突起17の高さと分布密度とは、工程Cにて形成された塗型層C7の凹穴D3の深さと分布密度とにより決定される。ここでは突起17の高さが0.5mm〜1.5mmであり、突起17の分布密度として、突起17の数がライナ外周面16上の1cm2 (「平方センチメートル」に相当、請求項についても同じ)当たりに5個〜60個となるように塗型層C7が形成されている。
<シリンダブロックの構成・製造>
シリンダブロックは、シリンダライナ12に対してライナ外周面16に形成されている溶射層18を鋳ぐるむ状態で、鋳造により形成されている。シリンダブロックを形成するための鋳造用金属、すなわちブロック材としては前記実施の形態1に述べたごとくであり、同じ軽合金材料が用いられる。
図5に示したシリンダライナ12を鋳型内に配置して、図9に示すごとくアルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯20を鋳込む。このことにより図10に示したごとく溶射層18の外周全域がアルミニウムまたはアルミニウム合金にて鋳ぐるまれたシリンダブロック14が形成される。
このシリンダブロック14においても、前記実施の形態1にて説明したメカニズムにより、溶湯20は溶射層18内に疑似植物根状態に進入した状態となる。その後、鋳型内の溶湯20が凝固するとシリンダブロック14の鋳造が完了する。この時、シリンダブロック14が溶射層18に接触している部分は、図10に示したごとく、溶射層18内に疑似植物根状態に進入して凝固している。
以上説明した本実施の形態2によれば、以下の効果が得られる。
(イ).前記実施の形態1の効果を生じると共に、シリンダライナ12は、溶射層18とシリンダライナ本体12aとの間が、溶射による接合に加えて、更に上述のごとくに括れた形状の突起17によっても接合されている。このため、シリンダライナ本体12aと溶射層18との間の接合力、及び溶射層18を介してのシリンダライナ本体12aとシリンダブロック14との接合力も一層高くすることができる。このことによりシリンダボアも、より高い真円度に維持できる。
更に、形状の突起17の存在によりシリンダライナ本体12aからシリンダブロックへの熱伝導性も更に高まり、シリンダボア2bの冷却性能もより高くなる。
[実施の形態3]
本実施の形態では、図11に示すごとく前記実施の形態1に用いられているシリンダライナ本体と同じシリンダライナ本体22aに対して、複数種類(こごては2種類)のワイヤ材料Wr1,Wr2を用いたアーク溶射装置Mcにより溶射層28を形成してシリンダライナ22としている。
ここでアーク溶射装置Mcは、2種類のワイヤ材料Wr1,Wr2の間でアーク放電により各ワイヤ材料Wr1,Wr2を溶融させている。このことにより生じた溶融粒子は、圧縮空気ノズルMcaから噴射される圧縮空気により運ばれて、シリンダライナ本体22aのライナ外周面26に衝突する。この時、このワイヤ材料Wr1,Wr2の溶融により吹き付けられる溶融粒子は、均一に混合することはなく、界面で融合している部分を除けば高融点金属材料と低融点金属材料との2層の金属相が存在する状態で凝固する。このことにより図1の(B)に示したごとく、溶射層28は、ベース金属相の全体に、不定形の分散金属相が分布した不均一系金属層として形成される。
このような不均一系金属層を形成するために、予め第1ワイヤ材料Wr1と第2ワイヤ材料Wr2とは異なる素材および構成にて形成されている。ここで第1ワイヤ材料Wr1はアルミニウムで構成されている。一方、第2ワイヤ材料Wr2は、アルミニウムと亜鉛との2本のワイヤを撚り合わせたもの、軸方向にアルミニウムと亜鉛とを貼り合わせて1本のワイヤとしたもの、アルミニウムを中空ワイヤとして中に亜鉛ワイヤを挿入したものと言った構成により、2種の金属が分離した状態で形成されている。
このことにより溶射されて形成された溶射層28は、前記実施の形態1の溶射層のごとく、ベース金属相であるアルミニウムの全体に分散金属相である亜鉛が分布している状態に形成される。
溶射層28内での亜鉛相の体積割合の調節は、第1ワイヤ材料Wr1が全てアルミニウムであることを考慮して、第2ワイヤ材料Wr2側でのアルミニウム部分と亜鉛部分との断面積割合を調節することにより可能となる。
尚、第1ワイヤ材料Wr1にも、第2ワイヤ材料Wr2と同じものを用いても良い。この場合には、同じ材料であるのでワイヤ材料Wr1,Wr2におけるアルミニウム部分と亜鉛部分との断面積割合を調節することにより溶射層28内での亜鉛相の割合調節が可能となる。
以上説明した本実施の形態3によれば、以下の効果が得られる。
(イ).アーク溶射においても前記実施の形態1と同じ効果が生じる。
[実施の形態4]
本実施の形態では、図11記載のアーク溶射装置Mcを用いて、前記実施の形態2にて用いた形状の突起17がライナ外周面16に形成されているシリンダライナ本体12aと同じシリンダライナ本体を用いて、アーク溶射により溶射層を形成したものである。このことにより図5に示したごとくのシリンダライナが完成し、図10に示したごとくの鋳込まれることによりシリンダブロックが完成する。
以上説明した本実施の形態4によれば、以下の効果が得られる。
(イ).アーク溶射においても前記実施の形態2と同じ効果が生じる。
[突起の等高線図の説明]
ここで、前記実施の形態2において、3次元レーザ測定器にて得られた突起17の等高線図について説明する。
<突起17の等高線図>
図12を参照して、突起17の等高線の測定態様について説明する。本等高線図の作成に当たっては、まず等高線測定用のテストピースを、基底面17e(ライナ外周面16)が非接触式の3次元レーザ測定器と対向するように試験台へセットする。そしてライナ外周面16に対して略直行するようにレーザ光を照射して測定する。この測定結果を画像処理装置に取り込み、図12の(a)に示すごとく突起17の等高線図とした。
図12の(b)はライナ外周面16と等高線h(h0〜h10)との関係を示す。図示するごとく等高線hは、ライナ外周面16から突起17の高さ方向(矢印Y方向)における所定距離毎に等高線図上へ表示される。以降では、ライナ外周面16を基準とした矢印Y方向への距離を「測定高さ」とする。
尚、図12においては、等高線hを0.2mm間隔毎に表示した等高線図を示しているが、等高線hの間隔は適宜の値に設定することができる。
〔a〕突起17の第1面積率S1
図13の(a)に測定高さ0.4mm未満の等高線hを非表示にしたときの等高線図(第1等高線図)を示す。ここでは、図示した等高線図の面積(W1×W2)を、第1面積率S1の測定に際しての単位面積としている。
第1等高線図において、等高線h4に囲まれた領域R4の面積(図中の斜線ハッチング部分の面積SR4)は、測定高さ0.4mmの平面に属する1つの突起の断面積(突起17の第1断面積)に相当する。また、第1等高線図における領域R4の数(領域数N4)は、第1等高線図内に存在している突起17の数(突起数N1)に相当する。
第1面積率S1は、等高線図の面積(W1×W2)に占める領域R4の合計面積(SR4×N4)の割合として算出される。即ち、第1面積率S1は、測定高さ0.4mmの平面において、単位面積当たりに占める突起17の第1断面積の合計面積に相当する。
第1面積率S1は、下記計算式
S1=(SR4×N4)/(W1×W2)×100 [%]
により示すことができる。
〔b〕突起17の第2面積率S2
図13の(b)に測定高さ0.2mm未満の等高線hを非表示にしたときの等高線図(第2等高線図)を示す。ここでは、等高線図の面積(W1×W2)を、第2面積率S2の測定に際しての単位面積としている。
第2等高線図において、等高線h2に囲まれた領域R2の面積(図中の斜線ハッチング部分の面積SR2)は、測定高さ0.2mmの平面に属する1つの突起の断面積(突起17の第2断面積)に相当する。また、第2等高線図における領域R2の数(領域数N2)は、第2等高線図内に存在している突起17の数に相当する。ここでは第2等高線図の面積は第1等高線図の面積と同じであるので、突起17の数=突起数N1である。
第2面積率S2は、等高線図の面積(W1×W2)に占める領域R2の合計面積(SR2×N2)の割合として算出される。即ち、第2面積率S2は、測定高さ0.2mmの平面において、単位面積当たりに占める突起17の第2断面積の合計面積に相当する。
第2面積率S2は、下記計算式
S2=(SR2×N2)/(W1×W2)×100 [%]
により示すことができる。
〔c〕第1,2突起断面積
突起17の第1断面積は測定高さ0.4mmの平面に属する1つの突起の断面積として、突起17の第2断面積は測定高さ0.2mmの平面に属する1つの突起の断面積として、それぞれ等高線図から算出される。例えば、等高線図の画像処理を通じて、第1等高線図(図13の(a))の領域R4の面積を算出することで突起17の第1断面積を把握することができ、第2等高線図(図13の(b))の領域R2の面積を算出することで突起17の第2断面積を把握することができる。
〔d〕突起数
突起数N1は、シリンダライナのライナ外周面16の単位面積(1cm2)当たりに形成されている突起17の数として、等高線図から算出される。例えば、等高線図の画像処理を通じて、第1等高線図(図13(a))の領域R4の数(領域数N4)を算出することで突起数N1を把握することができる。
尚、第1面積率S1が10%以上のシリンダライナを適用したシリンダブロックと、第1面積率S1が10%未満のシリンダライナを適用したシリンダブロックとにおけるボアの変形量を比較したところ、後者の変形量は前者の変形量の3倍以上となる場合があることが確認された。
第2面積率S2が55%よりも大きいシリンダライナでは、空隙率が急激に上昇する。ここで空隙率とは、シリンダライナとシリンダブロックとの境界に形成されている空隙の面積が境界断面に占める割合である。
これらの結果から、第1面積率S1が10%以上、且つ第2面積率S2が55%以下のシリンダライナをシリンダブロックへ適用することにより、ブロック材とシリンダライナとの接合強度及び密着性の向上を好適に実現することができるようになる。
なお、第1面積率S1の上限を50%とすることにより、第2面積率S2を55%以下にすることができる。第2面積率S2の下限を20%とすることにより、第1面積率S1を10%以上にすることができる。
[その他の実施の形態]
(1).前記各実施の形態においては、高融点金属相はアルミニウム又はアルミニウム合金であったが、銅あるいは銅合金でも良い。この銅あるいは銅合金から形成されるベース金属相も、高熱伝導性金属相に相当する。
低融点金属相は亜鉛又は亜鉛合金であったが、錫、錫合金、鉛、鉛合金、アンチモン又はアンチモン合金であっても良い。
(2).前記各実施の形態において、複数の金属相は少なくとも2種類の融点が存在し、これらの金属相の少なくとも1つはブロック材よりも低い融点を有する低融点金属相であれば良い。
したがって、例えば、前記各実施の形態において2種類の融点が存在すれば、これらの融点は鋳造用金属としてのブロック材よりも低くてもよい。例えば、亜鉛(融点:約420℃)と錫(融点:約232℃)とにより溶射層を形成しても良い。このことによってもシリンダブロック鋳造時の溶湯が接触すると、溶射層中の錫が最初に溶融して、溶湯が混合しつつ溶射層中に進入する。その後に亜鉛も溶融するが既に溶湯は亜鉛中に疑似植物根状態で進入しているので、凝固時には或程度、疑似植物根状態を残したままとなる。したがって単に表層に溶湯を接触した処理では得られない、大きな接合力を生じさせることができる。
ただし、高融点金属相はブロック材(鋳造用金属)の融点以上であることが、凝固後に前記疑似植物根状態の維持がより確実であることから好ましい。
(3).各実施の形態では、1つの溶射装置にて2種類の金属材料を溶射したが、各金属材料毎に溶射装置を備えて、シリンダライナ本体上の同一位置に同時に溶射することにより、不均一系金属層として溶射層を形成しても良い。
(4).前記各実施の形態では、溶射層を形成する金属相は2種類であったが、ベース金属相の中に1つ以上の分散金属相が分散分布している不均一系金属層であれば、溶射層中に3種類以上の金属相が存在していても良い。
(5).前記実施の形態2,4ではライナ外周面を粗面化していたが、括れた形状の前記突起によりシリンダライナ本体は、溶射層及びシリンダブロックに対しての接合力は十分あるので、特に粗面化しなくても良い。
(6).図12,13に示した等高線図において等高線h4に囲まれた領域R4がそれぞれ独立するように突起17を形成(測定高さ0.4mmの位置において突起17同士がそれぞれ独立するようにシリンダライナを形成)しても良い。このようにすると、シリンダブロックとシリンダライナとの接合力を更に向上させることができる。
更に、測定高さ0.4mmの位置において、突起17の1つ当たりの面積を0.2mm2〜3.0mm2(「平方ミリメートル」に相当、請求項についても同じ)に設定すると、製造工程での突起17の破損と接合力低下とを抑制することができる。
(7).前記実施の形態2,4における突起は、
(a)突起の高さが0.5mm〜1.5mm
(b)突起の数がライナ外周面上の1cm2 当たりに5個〜60個
(c)3次元レーザ測定器により突起の高さ方向からライナ外周面を測定して得られる突起の等高線図において、高さ0.4mmの等高線により囲まれる領域の第1面積率S1が10%以上
(d)3次元レーザ測定器により突起の高さ方向からライナ外周面を測定して得られる突起の等高線図において、高さ0.2mmの等高線により囲まれる領域の第2面積率S2が55%以下
上記(a)〜(d)の全ての条件を満たしていた。
あるいは、
(a)突起の高さが0.5mm〜1.5mm
(b)突起の数がライナ外周面上の1cm2 当たりに5個〜60個
(c’)3次元レーザ測定器により突起の高さ方向からライナ外周面を測定して得られる突起の等高線図において、高さ0.4mmの等高線により囲まれる領域の第1面積率S1が10%〜50%
(d’)3次元レーザ測定器により突起の高さ方向からライナ外周面を測定して得られる突起の等高線図において、高さ0.2mmの等高線により囲まれる領域の第2面積率S2が20%〜55%
上記(a)〜(d’)の全ての条件を満たしていた。
これ以外に、
(a)突起の高さが0.5mm〜1.5mm
(b)突起の数がライナ外周面上の1cm2 当たりに5個〜60個
これら(a)及び(b)の条件の少なくとも一方を満たした突起でも良く、シリンダライナとシリンダブロックとの接合力を十分に生じさせることができる。
又、(a)及び(b)の条件の少なくとも一方と、前記(c)及び(d)の条件、あるいは前記(c’)及び(d’)の条件を組み合わせた突起でも良く、シリンダライナとシリンダブロックとの接合力を十分に生じさせることができる。
実施の形態1のシリンダライナの構成説明図。 実施の形態1のシリンダブロックの構成説明図。 実施の形態1にて形成されたシリンダブロック形成時の溶射層状態説明図。 実施の形態1にて形成されたシリンダブロック形成時の溶射層状態説明図。 実施の形態2にて形成された溶射層構造説明図。 実施の形態2のシリンダライナ製造工程説明図。 実施の形態2のシリンダライナ製造工程内容概略図。 実施の形態2の鋳型における括れた凹穴形成過程説明図。 実施の形態2にて形成されたシリンダブロック形成時の溶射層状態説明図。 実施の形態2にて形成されたシリンダブロック形成時の溶射層状態説明図。 実施の形態3のアーク溶射工程説明図。 実施の形態2,4におけるライナ外周面に形成されている突起の形状説明図。 実施の形態2,4におけるライナ外周面に形成されている突起の等高線による形状説明図。
符号の説明
2…シリンダライナ、2a…シリンダライナ本体、2b…シリンダボア、4…シリンダブロック、4a…ウォータージャケット、6…ライナ外周面、8…溶射層、8a…ベース金属相、8b…分散金属相、10…溶湯、12…シリンダライナ、12a…シリンダライナ本体、14…シリンダブロック、16…ライナ外周面、17…突起、17a…基端部、17b…先端部、17c…括れ部、17d…頂面、17e…基底面、18…溶射層、18a…ベース金属相、18b…分散金属相、20…溶湯、22…シリンダライナ、22a…シリンダライナ本体、26…ライナ外周面、28…溶射層、C1…耐火基材、C2…粘結剤、C3…水、C4…懸濁液、C5…界面活性剤、C6…塗型材、C7…塗型層、CI…溶湯、D1…気泡、D2,D3…凹穴、Ma…ブラスト処理装置、Mb…溶射装置、Mc…アーク溶射装置、P…金型、Pi…内周面、R2,R4…領域、Wr1…第1ワイヤ材料、Wr2…第2ワイヤ材料。

Claims (24)

  1. 外周面が鋳造用金属に鋳ぐるまれる鋳ぐるみ用部品であって、
    前記外周面は、ベース金属相の中に1つ以上の分散金属相が分散分布している不均一系金属層にて被覆され、前記分散金属相の少なくとも1つは、前記ベース金属相及び前記鋳造用金属よりも低い融点を有する低融点金属相であることを特徴とする鋳ぐるみ用部品。
  2. 請求項1において、前記鋳造用金属は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなり、前記低融点金属相は亜鉛、亜鉛合金、錫、錫合金、鉛、鉛合金、アンチモン又はアンチモン合金からなることを特徴とする鋳ぐるみ用部品。
  3. 請求項1又は2において、前記ベース金属相は、高熱伝導性金属相であることを特徴とする鋳ぐるみ用部品。
  4. 請求項3において、前記高熱伝導性金属相は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅又は銅合金からなることを特徴とする鋳ぐるみ用部品。
  5. 請求項1〜4のいずれかにおいて、前記ベース金属相は、前記鋳造用金属以上の高い融点を有する高融点金属相であることを特徴とする鋳ぐるみ用部品。
  6. 請求項1〜5のいずれかにおいて、前記ベース金属相及び前記分散金属相を含む全ての金属相に対応する複数種類の材料を、同時に前記外周面に溶射することで前記不均一系金属層が形成されていることを特徴とする鋳ぐるみ用部品。
  7. 請求項6において、前記溶射は、複数種類の粉末材料を混合した混合粉末材料を用いた粉末溶射であることを特徴とする鋳ぐるみ用部品。
  8. 請求項6において、前記溶射は、複数種類のワイヤ材料を用いたアーク溶射であることを特徴とする鋳ぐるみ用部品。
  9. 請求項1〜8のいずれかにおいて、外周面が内燃機関のシリンダブロックの鋳造時に鋳造用金属に鋳ぐるまれることによりシリンダブロックに接合されるシリンダライナであることを特徴とする鋳ぐるみ用部品。
  10. 請求項9において、前記外周面には括れた形状の複数の突起が形成され、該突起は、
    (a)前記突起の高さが0.5mm〜1.5mm
    (b)前記突起の数が前記外周面上の1cm2 当たりに5個〜60個
    上記(a)及び(b)の条件の少なくとも一方を満たしていることを特徴とする鋳ぐるみ用部品。
  11. 請求項10において、前記(a)及び(b)の条件の少なくとも一方の条件に加えて、
    (c)3次元レーザ測定器により前記突起の高さ方向から前記外周面を測定して得られる前記突起の等高線図において、高さ0.4mmの等高線により囲まれる領域の面積率をS1としたとき、面積率S1が10%以上
    (d)3次元レーザ測定器により前記突起の高さ方向から前記外周面を測定して得られる前記突起の等高線図において、高さ0.2mmの等高線により囲まれる領域の面積率をS2としたとき、面積率S2が55%以下
    上記(c)及び(d)の全ての条件を満たした前記突起が形成されていることを特徴とする鋳ぐるみ用部品。
  12. 請求項10において、前記(a)及び(b)の条件の少なくとも一方の条件に加えて、
    (c’)3次元レーザ測定器により前記突起の高さ方向から前記外周面を測定して得られる前記突起の等高線図において、高さ0.4mmの等高線により囲まれる領域の面積率をS1としたとき、面積率S1が10%〜50%
    (d’)3次元レーザ測定器により前記突起の高さ方向から前記外周面を測定して得られる前記突起の等高線図において、高さ0.2mmの等高線により囲まれる領域の面積率をS2としたとき、面積率S2が20%〜55%
    上記(c’)及び(d’)の全ての条件を満たした前記突起が形成されていることを特徴とする鋳ぐるみ用部品。
  13. 請求項10〜12のいずれかに記載の前記条件に加えて、
    (e)前記等高線図において、高さ0.4mmの等高線により囲まれる領域がそれぞれ独立している
    (f)前記等高線図において、高さ0.4mmの等高線により囲まれる領域の面積が0.2mm2 〜3.0mm2
    上記(e)及び(f)の全ての条件を満たした前記突起が形成されていることを特徴とする鋳ぐるみ用部品。
  14. 請求項9〜13のいずれかに記載の鋳ぐるみ用部品であるシリンダライナが、前記低融点金属相の融点より高い融点の鋳造用金属にて鋳ぐるまれていることを特徴とするシリンダブロック。
  15. 外周面が鋳造用金属に鋳ぐるまれる鋳ぐるみ用部品に対する被膜形成方法であって、
    前記鋳造用金属よりも低い融点を有する低融点金属材料と該低融点金属材料より融点が高い高融点金属材料とを含む複数種類の金属材料を、前記高融点金属材料をベース金属材料として、同時に前記外周面に溶射することにより、前記高融点金属材料により生じた高融点金属相の中に、前記低融点金属材料により生じた低融点金属相が分散分布した不均一系金属層を形成することを特徴とする鋳ぐるみ用部品被膜形成方法。
  16. 請求項15において、前記溶射は、前記高融点金属材料として前記鋳造用金属以上の融点を有する金属材料を用いて実行することを特徴とする鋳ぐるみ用部品被膜形成方法。
  17. 請求項15又は16において、前記溶射は、前記高融点金属材料として高熱伝導性金属材料を用いて実行することを特徴とする鋳ぐるみ用部品被膜形成方法。
  18. 請求項15〜17のいずれかにおいて、前記溶射は、前記低融点金属材料と前記高融点金属材料とを含む複数種類の粉末材料を混合した混合粉末材料を用いて行う粉末溶射として実行することを特徴とする鋳ぐるみ用部品被膜形成方法。
  19. 請求項15〜17のいずれかにおいて、前記溶射は、前記低融点金属材料と前記高融点金属材料とを含む複数種類のワイヤ材料を用いて行うアーク溶射として実行することを特徴とする鋳ぐるみ用部品被膜形成方法。
  20. 請求項15〜19のいずれかにおいて、前記溶射は、
    (a)突起の高さが0.5mm〜1.5mm
    (b)突起の数が前記外周面上の1cm2 当たりに5個〜60個
    上記(a)及び(b)の条件の少なくとも一方を満たしている括れた形状の複数の突起が外周面に形成された前記鋳ぐるみ用部品に対して実行されることを特徴とする鋳ぐるみ用部品被膜形成方法。
  21. 請求項20において、前記溶射は、
    前記(a)及び(b)の条件の少なくとも一方の条件に加えて、
    (c)3次元レーザ測定器により前記突起の高さ方向から前記外周面を測定して得られる前記突起の等高線図において、高さ0.4mmの等高線により囲まれる領域の面積率をS1としたとき、面積率S1が10%以上
    (d)3次元レーザ測定器により前記突起の高さ方向から前記外周面を測定して得られる前記突起の等高線図において、高さ0.2mmの等高線により囲まれる領域の面積率をS2としたとき、面積率S2が55%以下
    上記(c)及び(d)の全ての条件を満たした前記突起が外周面に形成された前記鋳ぐるみ用部品に対して実行されることを特徴とする鋳ぐるみ用部品被膜形成方法。
  22. 請求項20において、前記溶射は、
    前記(a)及び(b)の条件の少なくとも一方の条件に加えて、
    (c’)3次元レーザ測定器により前記突起の高さ方向から前記外周面を測定して得られる前記突起の等高線図において、高さ0.4mmの等高線により囲まれる領域の面積率をS1としたとき、面積率S1が10%〜50%
    (d’)3次元レーザ測定器により前記突起の高さ方向から前記外周面を測定して得られる前記突起の等高線図において、高さ0.2mmの等高線により囲まれる領域の面積率をS2としたとき、面積率S2が20%〜55%
    上記(c’)及び(d’)の全ての条件を満たした前記突起が外周面に形成された前記鋳ぐるみ用部品に対して実行されることを特徴とする鋳ぐるみ用部品被膜形成方法。
  23. 請求項20〜22のいずれかにおいて、前記溶射は、
    前記条件に加えて、
    (e)前記等高線図において、高さ0.4mmの等高線により囲まれる領域がそれぞれ独立している
    (f)前記等高線図において、高さ0.4mmの等高線により囲まれる領域の面積が0.2mm2 〜3.0mm2
    上記(e)及び(f)の全ての条件を満たした前記突起が外周面に形成された前記鋳ぐるみ用部品に対して実行されることを特徴とする鋳ぐるみ用部品被膜形成方法。
  24. 請求項15〜23のいずれかに記載の鋳ぐるみ用部品被膜形成方法にて形成された前記鋳ぐるみ用部品としてのシリンダライナを、前記低融点金属相の融点より高い融点の鋳造用金属にて鋳ぐるむことを特徴とするシリンダブロック製造方法。
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