JP2007014926A - グリストラップの排液処理装置及びその装置を搭載した排液処理車 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 グリストラップから排液を吸引する吸引装置と、吸引した排液に水分を加えて又は加えずに油分と水分との分離を促進する貯留室と、排液中の塵芥及び汚泥を破砕除去する撹拌室と、排液を油分と水分とに分離する油水分離室とを備え、前記各室のうちいずれか一以上の室内又は/及び室外に、室内の排液を加熱する加熱源を備えた。排液から分離した水分から塵芥及び汚泥を除去して水を取出す遠心分離機を備え、その水をグリストラップや貯留室に供給するようにした。加熱源を、排液から分離された油分を燃料とする燃焼装置や自動車のラジエーターやマフラーやヒータ線とした。前記各室のうちいずれか一以上の室に気体を供給する気体供給装置を備えた。また、前記排液処理装置を自動車に搭載し、その駆動源を、動力取り出し装置を備えた自動車のエンジンとした。
【選択図】 図1
Description
(1)清掃業者による汲み取りによってグリストラップ自体は清掃されるが、汲み取られた排液についても、その後清掃業者が中和剤によって処理した上で排水する必要があるため、二次的な費用や労力がかかり結局コスト高となる。
(2)定期的に清掃業者に汲み取りを依頼しているが、その期間内にグリストラップが排液で一杯になった場合、グリストラップの容量を超える排液は排水管や下水管に未処理のまま垂れ流されることとなり、環境汚染の原因となる。また、グリストラップの容量を超える排液は、厨房の床などにも溢れて臭気を発したりして、厨房が不衛生となり、食中毒等の原因にもなる。
(1)油水分離室に、油水分離室内の排液を加熱する加熱源を備え、油水分離室内で排液を加熱して油分と水分とに分離させるので、常温よりも油水分離が促進され易くなり、排液中の油分と水分とを確実に分離させることができる。
(2)貯留室や撹拌室にも加熱源を備え、排液が油水分離室へ送られる前の段階において、排液に予熱を与えることができるので、油水分離室内での油水分離がより促進され、作業効率が向上する。
(3)貯留室内で、排液に水分を加えるので、粘性の強い排液や、特に冬期におけるゲル化、固体化した排液を緩めることができ、排液の油水分離が促進される。特に湯を加えた場合には、排液を効果的に緩めることができ、その効果が大きい。
(4)撹拌室内で、排液中の大きな塵芥類、例えば箸、爪楊枝、バラン、輪ゴム、ビニール等や汚泥を破砕しながら除去することができ、油水分離室に塵芥や汚泥が入り込む量を大幅に軽減でき、油水分離がより促進される。また、油水分離室が大きな塵芥等によって傷むこともない。
(5)グリストラップより吸引した排液をその場で即座に処理することができ、清掃業者による二次的な労力や費用も必要なく、安価で迅速なグリストラップの清掃を実現することができる。
(6)上記のように安価で迅速なグリストラップの清掃が可能となるため、従来よりも頻繁にグリストラップを清掃することができ、厨房の衛生状態を向上させることができる。更に、海に排液が流れ込む量も大幅に低減させることができ、環境を汚染するおそれもない。
(1)取り除いた塵芥は可燃ゴミ又は塵芥ゴミ又は不燃ゴミとして特別な処置を取らずに処分することができ、中和剤を使用する必要もなく安価にグリストラップの清掃が可能となる。また、排液中の水もグリストラップに戻されたり、貯留室に供給されたりして再利用されるので、水道料金の低減にも資する。
(1)燃焼装置は油水分離室で分離された油分を燃料油とするため、燃料費を大きく軽減でき、装置の運転費用の低減に資する。また、塵芥及び汚泥を除去した油分を用いるので、煙も出にくく、周辺環境に与える影響も少ない。
(2)加熱源として、自動車のラジエーターの放熱やマフラーの放熱を用いれば、排液加熱用の燃料を別途準備する必要がなく、燃料費を更に大きく軽減でき、装置の運転費用の低減に資する。
(3)加熱源をヒータ線の熱として、貯留室、撹拌室、油水分離室の外周にヒータ線を巻いて室内の排液を加熱することとすれば、室内の加熱源とあわせて効率よく排液を加熱することができる。
(4)加熱源をヒータ線の熱とし、貯留室、撹拌室、油水分離室の各室間の排液通路の外周にもヒータ線を巻いて排液通路内の排液を加熱することとすれば、各室間を移動中の排液をも加熱することができ、更に加熱効率が良くなる。また、特に冬期においては、各室間を移動中の排液の凍結を防ぐ効果もある。
(1)室内の排液を気体の圧力によって撹拌することができ、そのため、排液の対流が促進され、排液を均等に加熱することができ、排液の加熱が促進され、排液の油水分離の効率が向上する。
(1)グリストラップの所在地まで排液処理装置ごと移動し、その場で即座に排液を処理することができ、集積場や処理場へ排液を運ぶ必要がなく、安価で迅速にグリストラップを清掃して回ることができる。
(2)また、グリストラップの所有者が必要なときに本発明の排液処理車を呼んでグリストラップを清掃させることができ、頻繁にグリストラップを清掃することが可能となり、厨房の衛生状態をより向上させることができる。排水管や下水管に油分が流れ込む量も大幅に低減させることができ、環境を汚染するおそれもない。
(3)当該自動車のラジエーターの放熱やマフラーの放熱を有効に利用することができ、排液加熱用の燃料を別途準備する必要がなく、燃料費を更に大きく軽減でき、装置の運転費用の低減に資する。
(4)燃焼装置は油水分離室で分離された油分を燃料油とするため、燃料費を大きく軽減でき、装置の運転費用の低減に資する。また、塵芥及び汚泥を除去した油分を用いるので、煙も出にくく、周辺環境に与える影響も少ない。
(5)加熱源をヒータ線の熱として、貯留室、撹拌室、油水分離室の外周にヒータ線を巻いて室内の排液を加熱することとすれば、室内の加熱源とあわせて効率よく排液を加熱することができる。
(6)加熱源をヒータ線の熱とし、貯留室、撹拌室、油水分離室の各室間の排液通路の外周にもヒータ線を巻いて排液通路内の排液を加熱することとすれば、各室間を移動中の排液をも加熱することができ、更に加熱効率が良くなる。また、特に冬期においては、各室間を移動中の排液の凍結を防ぐ効果もある。
(1)自動車に搭載した排液処理装置の駆動源を、動力取り出し装置を備えた当該自動車のエンジンとするので、電源がない場所等においても、グリストラップの清掃が可能となる。
(2)排液処理用の動力源を別途備える必要もなく、コスト減に資する。また、排液処理車全体を小型化することもできる。
(3)加熱源にヒータ線を用いる場合であっても、動力取り出し装置によって取り出した動力を駆動源とする発電機を備えることで、別途ヒータ線用の電源等を用意する必要がなく、装置の運転費用の低減に資する。
本発明のグリストラップの排液処理装置及びその排液処理装置を搭載した排液処理車の実施形態の一例を、図に基づいて詳細に説明する。本発明の排液処理車は、図1に示すように、トラック、バン等の貨物自動車1の貨物積載部2に排液処理装置3を設置したものである。
図1〜図6に示す排液処理装置で、グリストラップ内の排液を処理する場合は、次のようにする。
(1)バキューム5の吸引ホース20をグリストラップ4内に入れて、バキューム5によってグリストラップ4内の排液を吸引する。
(2)吸引された排液を貯留室6内に導入し、循環ホース22から供給される水を加えて水分と油分を分離しやすいように緩め、貯留室6内を仕切り板21に沿って移送させながら(図2中矢印A参照。)、ラジエーター管12及びマフラー管13からの放熱によって加熱し、且つ、エアー供給管16から供給される空気と撹拌フィン23の回転とによってかき混ぜて対流を促進させる。予熱を加えられた排液は、排液移送ホース24から撹拌室7へ送られる。
(3)排液移送ホース24によって撹拌室7の脱水槽27内に導入された排液を、撹拌翼28によって排液中の割り箸、爪楊枝等の大きな塵芥を破砕しながら大部分の塵芥及び汚泥を除去し、更に、ラジエーター管12及びマフラー管13からの放熱によって加熱し、且つ、エアー供給管16から供給される空気によって撹拌して対流を促進させる。予熱を更に加えられ、塵芥及び汚泥を除去され排液は撹拌室7内に充填されて、移送ホース30から油水分離室8へ送られる。
(4)移送ホース30によって油水分離室8内に送り込まれた排液を、燃焼装置14の熱、ラジエーター管12からの放熱、マフラー管13からの放熱の各加熱源によって加熱して油水分離を促進させ、且つエアー供給管16から供給される空気によって撹拌して対流を促進させる。排液は更に油水分離が促進され、油分は上へ浮いて油分排出口35から排出されて油分ホース37によって前記油精製機9に送り出され、水分は下へ沈んで水分排出口38から排出されて水分ホース40によって前記遠心分離機10に送り出される。
(5)油分ホース37から送り出された油分を、油精製機9のフィルタ42によって濾過して細かな塵芥や汚泥などを除いた燃料油とし、容器41に備えられた燃料供給ホース43によって、燃料油を前記油水分離室8の燃焼装置14に送り出す。送り出された燃料油は、燃焼装置14によって燃焼される。
(6)水分ホース40から、遠心分離機10の脱水槽45内に送り出された水分に遠心力をかけて塵芥や汚泥と水とに分離し、その分離した水を、水供給ホース46によって前記グリストラップ4に送り出し、更に、水循環ホース22によって前記貯留室6に送り出す。このとき、塵芥及び汚泥は脱水槽45内に残るようにしてある。
(7)繰り返し排液を処理する場合は、上記(1)〜(6)の工程を繰り返す。
前記実施形態では、貯留室6と撹拌室7にはラジエーター管12及びマフラー管13が備えられ、油水分離室8にはラジエーター管12及びマフラー管13及び燃焼装置14が備えられ、前記貯留室6、撹拌室7、油水分離室8といった各室の外周、又は/及びそれら各室に設けられている吸引ホース20、排液移送ホース24、移送ホース30といった各排液通路の外周にはヒータ線が巻付けられているが、貯留室、撹拌室、油水分離室の各室内/及び各排液通路内の加熱源の種類、組み合わせ、配置、設置数等は、前記のものには限られず、任意とすることができる。従って、例えば、貯留室や撹拌室に、ラジエーター管とマフラー管に加えて燃焼装置を備えたり、油水分離室に燃料装置のみを備え、ラジエーター管とマフラー管を省略したりすること等も可能である。また、加熱源も、前記実施形態のラジエーター管12とマフラー管13と燃焼装置14、ヒータ線(図示しない)の4種類には限られず、排液を加熱可能なものであれば、任意のものを用いることができる。従って、例えば、前記実施形態に示すエンジン冷却用のラジエーター管に代えて、排液加熱専用の管を貯留室、撹拌室、油水分離室の各室に備えたりすること等も可能である。
従って、例えばエアーポンプを貯留室、撹拌室、油水分離室の各室毎に備え、各室内に空気を供給できるようにすること等も可能となる。
2 貨物積載部
3 排液処理装置
4 グリストラップ
5 バキューム
6 貯留室
7 撹拌室
8 油水分離室
9 油精製機
10 遠心分離機
11 エンジン
12 ラジエーター管
13 マフラー管
14 燃焼装置
15 エアーポンプ
16 エアー供給管
17 PTO
Claims (6)
- グリストラップから排液を吸引する吸引装置と、吸引した排液を貯留し且つ排液に水分を加えて又は加えずに油分と水分との分離を促進する貯留室と、前記貯留室から送り出された排液中の塵芥及び汚泥を破砕して除去する撹拌室と、前記撹拌室から送り出された排液を油分と水分とに分離する油水分離室を備え、前記貯留室、撹拌室、油水分離室のうちいずれか一以上の室内又は/及び室外にその室内の排液を加熱する加熱源を備えたことを特徴とするグリストラップの排液処理装置。
- 請求項1記載のグリストラップの排液処理装置において、油水分離室で分離された水分から塵芥及び汚泥を除去して水を取り出す遠心分離機を備え、その水をグリストラップに戻す、又は/及び貯留室に供給することを特徴とするグリストラップの排液処理装置。
- 請求項1又は請求項2記載のグリストラップの排液処理装置において、前記加熱源が、油水分離室で分離された油分を燃料として燃焼する燃焼装置の熱、又は/及び自動車のラジエーターの放熱、又は/及び自動車のマフラーの放熱、又は/及びヒータ線の熱であることを特徴とするグリストラップの排液処理装置。
- 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のグリストラップの排液処理装置において、貯留室、撹拌室、油水分離室のうちいずれか一以上の室内に気体を供給する気体供給装置を備えたことを特徴とするグリストラップの排液処理装置。
- 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のグリストラップの排液処理装置を自動車に搭載したグリストラップの排液処理車であって、加熱源が油水分離室で分離された油分を燃料として燃焼する燃焼装置の熱、又は/及び当該自動車のラジエーターの放熱、又は/及び自動車のマフラーの放熱、又は/及びヒータ線の熱であることを特徴とするグリストラップの排液処理車。
- 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のグリストラップの排液処理装置を自動車に搭載したグリストラップの排液処理車又は請求項5記載のグリストラップの排液処理車であって、排液処理装置の駆動源が動力取り出し装置を備えた自動車のエンジンであることを特徴とするグリストラップの排液処理車。
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