JP2007014191A - 回転電機 - Google Patents

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Abstract

【課題】ケーシングへの排水部材3の取付けが容易であり、且つ脱落しにくい取付け構造を有するスタータ1を提供する。
【解決手段】ヨーク4のエンド側開口部には、排水部材3を取付けるための取付け穴が形成されている。この取付け穴は、略U字状に形成されて、ヨーク4の開口端に開いている。排水部材3は、ケーシングへの取付け部と、内部に排水通路3aを形成する排水筒部とが一体に設けられている。取付け部は、ヨーク4の取付け穴に挿入される首部と、この首部を挟んで対向する内側鍔部3cと外側鍔部3dが設けられ、内側鍔部3cから外側鍔部3dまで排水穴3eが貫通している。この排水部材3は、ヨーク4のエンド側開口部にエンドフレーム9を組み付ける前に、ヨーク4の開口端側から取付け穴に首部を挿入して、内側鍔部3cと外側鍔部3dとが、少なくともヨーク4を内側と外側から挟み込んだ状態でヨーク4に取付けられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ケーシングに排水部材が取付けられる回転電機に関する。
従来技術として、特許文献1に記載された始動電動機の排水装置がある。
この排水装置は、始動電動機の機枠(例えばエンドフレーム)に取付けられるゴム製の水抜きパイプを有している。水抜きパイプは、エンドフレームに開けられた丸穴に嵌め込んで取付けられる取付け部と、この取付け部と一体に設けられた排水筒部とを有し、取付け部から排水筒部まで排水通路が貫通している。
実開平4−137460号公報
ところが、上記の排水装置では、水抜きパイプを取付けるための丸穴をエンドフレームに形成する必要があるため、エンドフレーム自体の加工とは別に、穴開け加工が必要となる。さらに、穴開け加工では、穴の周囲にバリが発生するため、穴開け加工の後にバリ取りを行う必要がある。
また、水抜きパイプの取付け部は、エンドフレームの内側に配置される頭部の外径が、エンドフレームに開けられた丸穴の内径より大きいため、水抜きパイプをエンドフレームに取付ける際には、水抜きパイプの取付け部を変形させながら、頭部を丸穴に押し込んでエンドフレームの内側に取り出す必要がある。このため、水抜きパイプの組み付け性が悪く、必然的に組み付け時間が長くなる問題があった。
なお、組み付け性を考慮して、水抜きパイプの取付け部とエンドフレームの丸穴との締め代を小さくする(例えば、丸穴の内径を大きくする)ことも考えられるが、この場合、水抜きパイプが外力を受けた時に脱落し易くなる問題が懸念される。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、ケーシングへの排水部材の取付けが容易であり、且つ脱落しにくい取付け構造を有する回転電機を提供することにある。
(請求項1の発明)
本発明は、ケーシングにゴム製の排水部材が取付けられる回転電機において、ケーシングは、軸方向に組み合わされる第1の枠体と第2の枠体とを有し、少なくとも第1の枠体の開口部には、排水部材を取付けるための取付け穴が形成され、この取付け穴が、第1の枠体の開口端に開いた切欠き形状を有しており、排水部材は、ケーシングへの取付け部を有し、この取付け部は、排水穴が貫通する首部と、排水穴の貫通方向に首部を挟んで対向する内側鍔部と外側鍔部とが設けられ、第1の枠体の開口端側から取付け穴に首部を挿入して、内側鍔部と外側鍔部とが、少なくとも第1の枠体を内側と外側から挟み込んだ状態でケーシングに取付けられ、且つ、第2の枠体の開口端が、外側鍔部に形成された当接面に当接することにより、取付け穴に挿入された首部が、第1の枠体と第2の枠体との間に軸方向から挟み込まれていることを特徴とする。
上記の構成によれば、第1の枠体に形成された取付け穴が、第1の枠体の開口端に開いているので、ケーシングの外側から排水部材の取付け部を取付け穴に押し込んで取付ける必要はなく、取付け穴に対して第1の枠体の開口端側から排水部材を取付けることができる。つまり、排水部材の取付け部を第1の枠体の開口端側からスライドさせながら、取付け部の首部を取付け穴に挿入することができる。この場合、ケーシングに排水部材を取付けるのに大きな力は必要なく、極めて容易に取付けることができる。
また、取付け部の首部を第1の枠体の開口端側から取付け穴に挿入できるので、組み付け性を向上するために、首部と取付け穴との隙間を大きくする必要はない。言い換えると、首部と取付け穴との隙間を小さくしても、ケーシングに対する排水部材の組み付け性が大きく悪化することはない。さらに、本発明の排水部材は、取付け部に設けられた内側鍔部と外側鍔部とが、少なくとも第1の枠体を内側と外側から挟み込んだ状態でケーシングに取付けられるので、首部と取付け穴との隙間を必要以上に大きくしなければ、排水部材が外力を受けた時でも容易に脱落することはない。
また、排水部材は、第2の枠体の開口端が、外側鍔部に形成された当接面に当接することにより、取付け穴に挿入された首部が、第1の枠体と第2の枠体との間に軸方向から挟み込まれている。その結果、取付け穴に挿入された首部のガタツキを抑制できるので、ケーシングに対して排水部材が脱落しにくい取付け構造を提供できる。
さらに、第1の枠体に形成される取付け穴は、例えば、第1の枠体を加工する際に、プレスで打ち抜くことが出来るため、生産性が向上する。
(請求項2の発明)
請求項1に記載した回転電機において、排水部材は、取付け部と一体に設けられた排水筒部を有し、この排水筒部の内部に排水穴に通じる排水通路が形成され、この排水通路が迷路構造に形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、排水筒部の排水通路を迷路構造に形成しているので、外部からの浸水を抑制できる効果がある。また、排水部材がゴム製であるため、外部からの浸水を抑制するために排水筒部を長くした場合でも、排水筒部に外力が加わった時に、取付け部に対して排水筒部が変形できるので、取付け部に大きな外力が働くことはなく、排水部材が容易に脱落することはない。
(請求項3の発明)
本発明は、ケーシングに樹脂製の排水部材が取付けられる回転電機において、ケーシングは、軸方向に組み合わされる第1の枠体と第2の枠体とを有し、少なくとも第1の枠体の開口部には、排水部材を取付けるための取付け穴が形成され、この取付け穴が、第1の枠体の開口端に開いた切欠き形状を有しており、排水部材は、ケーシングへの取付け部を有し、この取付け部は、第1の枠体の開口端側から取付け穴に挿入される首部と、この首部を介して第1の枠体を内側と外側から挟み込む内側鍔部と外側鍔部とが設けられていることを特徴とする。
上記の構成によれば、第1の枠体に形成された取付け穴が、第1の枠体の開口端に開いているので、ケーシングの外側から排水部材の取付け部を取付け穴に押し込んで取付ける必要はなく、取付け穴に対して第1の枠体の開口端側から排水部材を取付けることができる。つまり、排水部材の取付け部を第1の枠体の開口端側から軸方向にスライドさせながら、取付け部の首部を取付け穴に挿入することができる。この場合、ケーシングに排水部材を取付けるのに大きな力は必要なく、極めて容易に取付けることができるので、自動組み付けが容易である。
また、取付け部の首部を第1の枠体の開口端側から取付け穴に挿入できるので、組み付け性を向上するために、首部と取付け穴との隙間を大きくする必要はない。言い換えると、首部と取付け穴との隙間を小さくしても、ケーシングに対する排水部材の組み付け性が大きく悪化することはない。さらに、本発明の排水部材は、取付け部に設けられた内側鍔部と外側鍔部とが第1の枠体を内側と外側から挟み込んだ状態でケーシングに取付けられるので、首部と取付け穴との隙間を必要以上に大きくしなければ、排水部材が外力を受けた時でも容易に脱落することはない。
上記の「背景技術」に記載した様に、エンドフレームの外側から排水部材の取付け部を丸穴に押し込んで取付ける構成では、取付け部を変形させる必要上、ゴム製の排水部材を用いる必要がある。これに対し、本発明では、排水部材をケーシングに取付ける際に、弾性変形を伴うことなく、取付け穴に対して第1の枠体の開口端側から排水部材を取付けることができるので、樹脂製の排水部材を採用することができる。また、第1の枠体に形成される取付け穴は、例えば、第1の枠体を加工する際に、プレスで打ち抜くことが出来るため、生産性が向上する。
(請求項4の発明)
請求項3に記載した回転電機において、排水部材は、取付け部を通ってケーシングの外部に通じる排水通路を有し、この排水通路は、第2の枠体側が全面的に開口して形成され、その開口面の一部が第2の枠体の端面によって閉塞されることを特徴とする。
排水通路の周囲全面が壁で囲まれていると、排水部材を樹脂成形する際に、スライド型や3方向型を使用する必要がある。これに対し、本発明の排水部材は、排水通路の一面に壁を設けることなく、第2の枠体側が全面的に開口しているので、2方向の型抜きで樹脂成形できる。このため、安価な型構造を採用できるので、排水部材をより安価に製造できる。
(請求項5の発明)
請求項4に記載した回転電機において、排水部材は、外側鍔部に近接して端板が設けられ、この端板と第1の枠体及び第2の枠体との間に排水通路の出口が開口していることを特徴とする。
この場合、排水通路の出口が端板の影に隠れるので、ケーシングの外部から排水通路の出口へ浸水することを抑制できる。
(請求項6の発明)
請求項1〜5に記載した何れかの回転電機において、ケーシングは、磁気回路を形成するヨークと、このヨークの一端側開口部に組み合わされるハウジングと、ヨークの他端側開口部に組み合わされるエンドフレームとを有し、第1の枠体は、ヨークであり、第2の枠体は、エンドフレームまたはハウジングであることを特徴とする。
例えば、エンドフレームに排水部材を取付ける場合は、エンドフレームの内側に配置される部品(例えばブラシ、ブラシホルダ、ブラシスプリング等)との干渉を回避する必要があるため、排水部材の取付位置が限定される。
これに対し、本発明では、少なくとも第1の枠体であるヨークの開口部に取付け穴を形成するので、ケーシングの内側に比較的スペースを確保できる部位に排水部材を取付けることが可能である。
(請求項7の発明)
請求項1〜6に記載した何れかの回転電機は、内燃機関を始動するためのスタータであることを特徴とする。
自動車等に搭載されるスタータは、雨天走行中あるいは洗車時等に被水する機会が多いため、ケーシングに排水部材を取付けることは重要であり、請求項1〜6に記載した何れかの技術を採用することできる。
本発明を実施するための最良の形態を以下の実施例により詳細に説明する。
実施例1に示す回転電機は、エンジンを始動するためのスタータ1に適用されるもので、図1はスタータ1の全体図である。
スタータ1は、エンジンを始動するために必要な回転力を発生するモータ2を備え、このモータ2のケーシング(以下に記載する)に排水部材3が取付けられている。
モータ2は、ヨーク4の内周に複数個の永久磁石5(界磁コイルでも良い)を配置して構成される界磁と、この界磁の内側に回転自在に配置される電機子6と、この電機子6に設けられる整流子7に摺接するブラシ8等を有し、界磁によって発生する電磁力の作用で電機子6に回転力を発生する周知の直流電動機である。
モータ2のケーシングは、ヨーク4とエンドフレーム9とで構成され、図示しないスルーボルトによってフロントハウジング10に固定されている。
磁気回路を形成するヨーク4は、両端が開口する円筒形状に設けられて、フロントハウジング10とエンドフレーム9との間に挟持され、ケーシングの一部を形成している。
ヨーク4のエンドフレーム9側の開口部(以下、エンド側開口部と呼ぶ)には、排水部材3を取付けるための取付け穴11が形成されている。この取付け穴11は、周囲が閉じた丸穴ではなく、図3に示す様に、略U字状に形成されて、ヨーク4の開口端に開いている。
エンドフレーム9は、ヨーク4のエンド側開口部にインロー嵌合によって組み合わされ、電機子6に設けられる整流子7、およびブラシ8等が配置されるモータ2の後部を覆っている。
排水部材3は、例えば、ゴム製であり、図2に示す様に、ケーシングへの取付け部3Aと、内部に排水通路3a(図1参照)を形成する排水筒部3Bとが一体に設けられている。
取付け部3Aは、ヨーク4の取付け穴11に挿入される首部3bと、この首部3bを挟んで対向する内側鍔部3cと外側鍔部3dが設けられ、内側鍔部3cから外側鍔部3dまで排水穴3eが貫通している。
内側鍔部3cと外側鍔部3dは、排水部材3をケーシングに取付けた状態で、軸方向から見た形状がヨーク4の円筒形状に沿って緩やかに湾曲している(図2(c)参照)。 内側鍔部3cの表面には、図2(a)に示す様に、排水穴3eに通じる複数の排水溝3fが形成されている。この排水溝3fは、ケーシングの内部に入り込んだ水を排水穴3eへ導く働きを有する。また、外側鍔部3dには、エンドフレーム9の開口端面が当接する当接面3hが形成されている。
排水筒部3Bは、取付け部3Aを貫通する排水穴3eの貫通方向に沿って筒状に設けられている。排水筒部3Bの先端部には、排水筒部3Bの径方向側面に2箇所の排水出口3gが形成され、この排水出口3gが、排水筒部3Bの内部に形成される排水通路3aを介して取付け部3Aの排水穴3eに通じている。
また、排水筒部3Bの内部には、図1に示す様に、排水通路3aを迷路構造に形成する邪魔板3hと、この邪魔板3hより下流側に位置する仕切板3iとが設けられ、この仕切板3iの中央部に排水通路3aを絞る小穴3jが形成されている。
続いて、ケーシングへの排水部材3の組み付け方法を説明する。
上記の排水部材3は、ヨーク4のエンド側開口部にエンドフレーム9を組み付ける前に、ヨーク4の開口端側から取付け部3Aの首部3bを取付け穴11に挿入して、内側鍔部3cと外側鍔部3dとが、少なくともヨーク4を内側と外側から挟み込んだ状態でヨーク4に取付けられる(図4参照)。
この後、ヨーク4のエンド側開口部にエンドフレーム9を組み付けると、エンドフレーム9の開口端が外側鍔部に形成された当接面3hに当接することにより、図1に示す様に、ヨーク4とエンドフレーム9との間に首部3bが挟み込まれて保持される。
なお、ケーシングに対する排水部材3の取付け位置は、スタータ1をエンジンに取付けた状態で、天地方向の地方向である。
(実施例1の効果)
実施例1では、排水部材3を取付けるための取付け穴11が、ヨーク4のエンド側開口部に形成されて、ヨーク4の開口端に開いているので、従来の様にケーシングの外側から排水部材3の取付け部3Aを取付け穴11に押し込んで取付ける必要はなく、取付け穴11に対してヨーク4の開口端側から取付けることができる。つまり、排水部材3の取付け部3Aをヨーク4の開口端側から軸方向に沿ってスライドさせながら、取付け部3Aの首部3bを取付け穴11に挿入できるため、排水部材3を取付けるのに大きな力は必要なく、極めて容易に取付けることができる。その結果、排水部材3の自動組み付けも可能となり、コスト低減を図ることができる。
また、上記の如く、取付け部3Aの首部3bをヨーク4の開口端側から取付け穴11に挿入できるので、排水部材3の組み付け性を向上するために、首部3bと取付け穴11との隙間を大きくする必要はない。言い換えると、首部3bと取付け穴11との隙間を小さくしても、排水部材3の組み付け性が大きく悪化することはない。さらに、排水部材3は、取付け部3Aに設けられた内側鍔部3cと外側鍔部3dとが、少なくともヨーク4を内側と外側から挟み込んだ状態でケーシングに取付けられるので、首部3bと取付け穴11との隙間を必要以上に大きくしなければ、排水部材3が外力を受けた時でも容易に脱落することはない。
また、排水部材3は、ヨーク4の取付け穴11に挿入された首部3bが、ヨーク4とエンドフレーム9との間に軸方向から挟み込まれた状態で取付けられるため、首部3bが軸方向にがたつくことはなく、ケーシングに対して脱落しにくい取付け構造を提供できる。さらに、ヨーク4に形成される取付け穴11は、周囲が閉じた丸穴ではなく、ヨーク4の開口端に開いているので、ヨーク4の素材である鋼板をプレスで打ち抜く際に、取付け穴11を同時に形成できる。この場合、取付け穴11を形成する工程を単独に設定する必要がないので、生産性が向上する。
なお、実施例1に記載した排水部材3は、ゴム製であるので、内側鍔部3cと外側鍔部3dとの間隔、つまり首部3bの厚みをヨーク4の板厚と同等あるいは若干小さくして、首部3bを取付け穴11に圧入気味に挿入する構成でも良い。この場合、内側鍔部3cがヨーク4の内周面に密着すると共に、外側鍔部3dがヨーク4の外周面に密着するので、シール性が向上する。逆に、首部3bの厚みをヨーク4の板厚より若干大きく設定すれば、その分、排水部材3の組み付け性が向上することは言うまでもない。
この実施例2は、樹脂製の排水部材3について説明する。
従来の様に、排水部材3をケーシングの外側から取付け穴11に押し込んで組み付ける構成では、排水部材3の取付け部3Aを変形させるために、ゴム製の排水部材3を用いる必要がある。しかし、本発明では、実施例1に記載した様に、排水部材3の取付け部3Aをヨーク4の開口端側から軸方向に沿ってスライドさせながら、取付け部3Aの首部3bを取付け穴11に挿入して取付けることができるので、実施例1に記載したゴム製の排水部材3以外にも、樹脂製の排水部材3を採用することができる。
樹脂製の排水部材3の一例を図5及び図6を基に説明する。
図5(a)は排水部材3の平面図、同図(b)はフロント側から見た排水部材3の正面図、同図(c)は排水部材3の側面図、同図(d)はエンド側から見た排水部材3の正面図、図6は排水部材3をケーシングに取付けた状態を示す断面図である。なお、フロント側とは、排水部材3に対してフロントハウジング10側であり、エンド側とは、排水部材3に対してエンドフレーム9側である。
本実施例の排水部材3は、ケーシングへの取付け部3Aと、この取付け部3Aと一体に設けられた出口部3Cとを有している。
取付け部3Aは、実施例1の排水部材3と同様に、ヨーク4の取付け穴11に挿入される首部3bと、この首部3bを挟んで対向する内側鍔部3cと外側鍔部3dとが設けられ、内部に排水穴3e(本発明の排水通路)が形成されている。但し、排水穴3eは、周囲全面が壁で囲まれているのではなく、エンドフレーム9側〔図5(c)の右側〕の一面が全面的に開口している。
出口部3Cは、外側鍔部3dより反取付け部側に短く突き出て設けられ、図5(b)、(d)に示す様に、フロント側とエンド側の両側面にそれぞれ排水穴3eの出口(排水出口3gと呼ぶ)が形成されている。
また、出口部3Cの端面には、出口部3Cの外形より大きな略円形の端板3kが設けられている。この端板3kは、排水出口3gの開口面と直交して設けられ、且つ排水出口3gの開口面より外側へ出ているため、スタータ1が被水した時等に、排水出口3gより排水部材3の内部へ浸水することを抑制できる。
上記の構成を有する排水部材3は、ヨーク4のエンド側開口部にエンドフレーム9を組み付ける前に、ヨーク4の開口端側から取付け部3Aの首部3bを取付け穴11に挿入して、内側鍔部3cと外側鍔部3dとでヨーク4を内側と外側から挟み込んだ状態でヨーク4に取付けられる。この後、図6に示す様に、ヨーク4のエンド側開口部にエンドフレーム9を組み付けることにより、ヨーク4とエンドフレーム9との間に排水部材3が保持される。この時、排水部材3の排水穴3eは、開口面の一部がエンドフレーム9の端面により閉塞される。
これにより、樹脂製の排水部材3を採用した場合でも、実施例1と同じく、ケーシングへの排水部材3の取付けを容易にできる。また、排水部材3が樹脂製であるため、ロボットによる自動組み付けを実施した時に、排水部材3の形状を維持できるので、自動組み付けも容易である。
また、排水穴3eの周囲全面が壁で囲まれていると、排水部材3を樹脂成形する際に、スライド型や3方向型を使用する必要があるが、本実施例の排水部材3は、排水穴3eの一面に壁を設けることなく、エンドフレーム9側が全面的に開口しているので、2方向の型抜きで樹脂成形できる。このため、安価な型構造を採用できるので、排水部材3をより安価に製造できる。
さらに、本実施例の排水部材3は、外側鍔部3dより突き出る出口部3Cの長さを短くしている(例えば、外側鍔部3dから端板3kまでの寸法が取付け部3Aの厚みより小さい)ので、ケーシングの外側に突き出る排水部材3の長さ、すなわち出口部3Cの長さを短くできる。その結果、例えば、スタータ1を車両側へ取付ける際に、排水部材3の出口部3Cが周辺の補機類等に干渉する恐れが小さくなるため、スタータ1の取付けを容易にできる効果がある。また、出口部3Cに外力が作用した時に、出口部3Cの長さが短いため、取付け部3Aに大きな力が働くことはなく、排水部材3が脱落しにくい取付け構造を提供できる。
(変形例)
実施例1及び実施例2では、排水部材3を取付けるための取付け穴11をヨーク4のエンド側開口部に形成する例を記載したが、ヨーク4のフロント側開口部、つまりフロントハウジング10に組み合わされる開口部に形成しても良い。
また、ヨーク4ではなく、エンドフレーム9の開口部あるいはフロントハウジング10の開口部に取付け穴11を形成しても良い。さらには、ヨーク4とエンドフレーム9の両方、あるいはヨーク4とフロントハウジング10の両方に取付け穴11を形成しても良い。但し、何れの場合も、取付け穴11は閉じた穴ではなく、開いた形状である。
また、フロントハウジング10とヨーク4との間にセンタケース等の他の枠体を配置する構成では、そのセンタケースに取付け穴11を形成することもできる。つまり、取付け穴11は、ヨーク4に限らず、ヨーク4以外のケーシングを構成する枠体に形成することができる。
さらに、図1に示すスタータ1は、モータ2に並設される電磁スイッチ12によってピニオンギヤ13を反モータ方向(図1の左方向)へ押し出して、エンジンのリングギヤ(図示せず)に噛み合わせる方式であるが、スタータ1の構成および作動方式を限定するものではない。
また、実施例1では、本発明の回転電機をスタータ1に適用した一例を記載したが、スタータ1以外の回転電機、例えば、発電機、各種の電動機等にも広く適用できる。
スタータの全体図である。 (a)排水部材の平面図、(b)同側面図、(c)同正面図である(実施例1)。 ヨークの開口部に形成された取付け穴の平面図である。 ヨークに排水部材を取付けた状態を示す正面図である(実施例1)。 (a)排水部材の平面図、(b)フロント側から見た同正面図、(c)同側面図、(d)エンド側から見た同正面図である(実施例2)。 排水部材をケーシングに取付けた状態を示す断面図である(実施例2)。
符号の説明
1 スタータ(回転電機)
3 排水部材
4 ヨーク(ケーシング、第1の枠体)
9 エンドフレーム(ケーシング、第2の枠体)
3A 排水部材の取付け部
3B 排水部材の排水筒部(実施例1)
3C 排水部材の出口部(実施例2)
3a 排水通路
3b 首部
3c 内側鍔部
3d 外側鍔部
3e 排水穴(排水通路)
3g 排水出口
3h 当接面
10 フロントハウジング(ハウジング)
11 取付け穴

Claims (7)

  1. ケーシングにゴム製の排水部材が取付けられる回転電機において、
    前記ケーシングは、軸方向に組み合わされる第1の枠体と第2の枠体とを有し、少なくとも前記第1の枠体の開口部には、前記排水部材を取付けるための取付け穴が形成され、この取付け穴が、前記第1の枠体の開口端に開いた切欠き形状を有しており、
    前記排水部材は、前記ケーシングへの取付け部を有し、この取付け部は、排水穴が貫通する首部と、前記排水穴の貫通方向に前記首部を挟んで対向する内側鍔部と外側鍔部とが設けられ、前記第1の枠体の開口端側から前記取付け穴に前記首部を挿入して、前記内側鍔部と前記外側鍔部とが、少なくとも前記第1の枠体を内側と外側から挟み込んだ状態で前記ケーシングに取付けられ、且つ、前記第2の枠体の開口端が、前記外側鍔部に形成された当接面に当接することにより、前記取付け穴に挿入された前記首部が、前記第1の枠体と前記第2の枠体との間に軸方向から挟み込まれていることを特徴とする回転電機。
  2. 請求項1に記載した回転電機において、
    前記排水部材は、前記取付け部と一体に設けられた排水筒部を有し、この排水筒部の内部に前記排水穴に通じる排水通路が形成され、この排水通路が迷路構造に形成されていることを特徴とする回転電機。
  3. ケーシングに樹脂製の排水部材が取付けられる回転電機において、
    前記ケーシングは、軸方向に組み合わされる第1の枠体と第2の枠体とを有し、少なくとも前記第1の枠体の開口部には、前記排水部材を取付けるための取付け穴が形成され、この取付け穴が、前記第1の枠体の開口端に開いた切欠き形状を有しており、
    前記排水部材は、前記ケーシングへの取付け部を有し、この取付け部は、前記第1の枠体の開口端側から前記取付け穴に挿入される首部と、この首部を介して前記第1の枠体を内側と外側から挟み込む内側鍔部と外側鍔部とが設けられていることを特徴とする回転電機。
  4. 請求項3に記載した回転電機において、
    前記排水部材は、前記取付け部を通って前記ケーシングの外部に通じる排水通路を有し、この排水通路は、前記第2の枠体側が全面的に開口して形成され、その開口面の一部が前記第2の枠体の端面によって閉塞されることを特徴とする回転電機。
  5. 請求項4に記載した回転電機において、
    前記排水部材は、前記外側鍔部に近接して端板が設けられ、この端板と前記第1の枠体及び前記第2の枠体との間に前記排水通路の出口が開口していることを特徴とする回転電機。
  6. 請求項1〜5に記載した何れかの回転電機において、
    前記ケーシングは、磁気回路を形成するヨークと、このヨークの一端側開口部に組み合わされるハウジングと、前記ヨークの他端側開口部に組み合わされるエンドフレームとを有し、前記第1の枠体は、前記ヨークであり、前記第2の枠体は、前記エンドフレームまたは前記ハウジングであることを特徴とする回転電機。
  7. 請求項1〜6に記載した何れかの回転電機は、内燃機関を始動するためのスタータであることを特徴とする回転電機。
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