JP2007012555A - プラズマ処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 処理の安定性と再現性を向上させたプラズマ処理装置を提供すること。
【解決手段】 反応容器1の中にある試料台5に高周波バイアス電源8から整合器7を介して高周波バイアス電圧を印加し、この状態で試料台5に半導体ウエハなどの試料6を載置し、プロセスガスのプラズマにより処理するようにしたプラズマ処理装置において、プラズマ処理を開始する際、高周波バイアス電源8からプラズマ処理時の電力値よりも小さな電力値の整合用高周波電力を供給して電力モニタ部9により検出した反射波の値が判定値以下となるように整合器7を調節し、この後、高周波バイアス電源8から試料台5に供給される高周波電力をプラズマ処理時の電力値にしてプラズマ処理を開始するようにしたもの。
【選択図】 図1

Description

本発明は、減圧される真空容器の内側の処理室内に載置された試料をこの処理室内に形成されたプラズマを用いて処理するプラズマ処理装置に係り、特にプラズマの形成と共に試料がその上方に載置される試料台に高周波電力を供給して試料を処理するプラズマ処理装置に関する。
このようなプラズマ処理装置では、通常、減圧された真空中を搬送されてきた処理対象の半導体ウエハ等の基板を、真空容器の内側に配置された処理室(チャンバ)内の試料台上に載置して処理するようになっている。従って、このような処理を経てようやく得ることができる半導体デバイス等の装置では、その集積度と効率の向上のため、より微細な処理を、より均一に行うことが求められてきた。
この微細化を達成する上で必要な処理の進行方向の異方性を得るため、従来からプラズマ中のイオン等の荷電粒子を試料表面に引き込み、その試料表面に対する入射エネルギーを用いることが行われており、このための構成として、試料台に配置した電極に高周波電力を印加し、バイアス電位を形成して基板表面とプラズマとの間に電位差を形成することが行われてきた。
この場合、高周波電源から処理室側のコイルやアンテナ、電極等に高周波電力を供給する必要があるが、このとき供給された電力の大きさや周波数に対応して反射波或は反射電力が生起されてしまうため、供給される電力や形成される電位に変動が生じてしまうが、このような電力や電位の変動は、更にプラズマ中のイオン等荷電粒子の量や電位、エネルギーの大きさを変動させてしまうので、処理の速度等の特性が変動し、ひいては処理の歩留まりに影響を与えてしまう。
そこで、このような電力や電位の変動を低減する必要があり、このため、高周波電力と処理室側の要素の間に、これらの間のインピーダンスを整合する手段である整合器を配置し、両者のインピーダンスが等しくなるように調節することにより、反射波の大きさを所定の値以下となるようにして、変動を低減する方法が従来から採用されている(例えば、特許文献1参照。)。
この特許文献1に開示の従来技術では、高周波発生部と処理室の間に、複数の整合要素を備えたインピーダンス整合器が備えられ、その整合要素の位置を移動機構で移動させ、反射率が予め定められた値以下となるように制御するようになっているが、更に、ここには、被処理物の種類等に応じて生じる処理室のインピーダンス変化に対応するため、まず高周波発生部からプラズマ形成時より小さい電力を供給し、その際の反射率が所定の値より小さくなるように調節した整合器の移動機構の位置をプリセット整合条件として記憶させ、以後はこのプリセット整合条件となるように整合器を調節した後プラズマ形成するための高周波電力を供給する点についても開示されている。
特開2004−152832号公報
上記従来技術によれば、処理室のインピーダンスが変化した場合でも、反射波が小さくなる整合条件に整合器を調節することができ、効率よく高周波を処理室側の要素に供給できるので、プラズマを確実に着火させ迅速に処理を実行することができるが、ここで処理を繰り返えすにつれて処理室内の環境が変化し、処理室側のインピーダンスも変化してしまうが、この点について上記従来技術は配慮が充分にされておらず、処理室内の環境や条件の変化に対応して処理を効率よく行う点に問題があった。
例えば、半導体ウエハ等の基板を複数枚処理すると、たとえ基板が同一種類であっても処理に伴って処理室を構成する部材の表面には反応生成物やプラズマ中の粒子が付着してゆく。また、処理条件によっては、処理室を構成する部材の表面が削られたり、反応により性質が変化したりして、その特性が処理開始時の状態から大きく異なってしまい、このため、処理室側の高周波が印加される各要素のインピーダンスも処理を重ねる毎に、それに伴って変化してしまう。
このとき、処理室を有する装置や、複数の処理装置を有する真空処理装置の各々に応じて処理の履歴が異なるため、上記条件の変化もこれら各々に応じて異なるので、画一的な条件を設定して調節することは困難であった。
従って、従来技術では、反射波の大きさを所定の値以下にした状態でプラズマ形成して処理を行うための電力が充分に投入できなくなってしまう場合が生じ、この場合には高周波が供給されて形成されるプラズマやバイアスの電位が不安定となってしまい、処理が適正に行われなくなってしまうという問題が生じていた。
一方、反射波が十分に低減されていない状態で大きな電力を供給したとすると、その後の電力の状態が不安定となり易く、特に、その不安定になる期間が反射波の状態と電力が供給されるタイミングに応じて異なってしまうため、その後の電力の過渡的な変化にばらつきが生じてしまい、この結果、従来技術では、処理の安定性が大きく損なわれ、再現性が低下してしまうという問題があった。
本発明の目的は、処理の安定性と再現性を向上させたプラズマ処理装置を提供することにある。
上記目的は、高周波電源からインピーダンス整合手段を介して反応容器内の試料台に高周波バイアスを印加し、前記試料台に載置した試料にプラズマ処理を施す方式のプラズマ処理装置において、前記高周波電源と前記インピーダンス整合手段の間に設置した反射波検出手段と、前記高周波電源から前記試料台に供給される高周波電力をプラズマ処理時の電力値よりも小さな電力値の整合用高周波電力に切換える制御手段を設け、プラズマ処理を開始する際、前記整合用高周波電力を供給して前記インピーダンス整合手段を調節し、前記反射波検出手段による検出値が判定値以下となった後、前記高周波電源から前記試料台に供給される高周波電力をプラズマ処理時の電力値にしてプラズマ処理を開始することにより達成される。
同じく上記目的は、高周波電源からインピーダンス整合手段を介して反応容器内の試料台に高周波バイアスを印加し、前記試料台に載置した試料にプラズマ処理を施す方式のプラズマ処理装置において、前記高周波電源と前記インピーダンス整合手段の間に設置した反射波検出手段と、前記高周波電源から前記試料台に供給される高周波電力をプラズマ処理時の電力値よりも小さな電力値の整合用高周波電力に切換える制御手段を設け、プラズマ処理を開始する際、前記整合用高周波電力を供給して前記インピーダンス整合手段を調節し、前記反射波検出手段による検出値が判定値以下となった後、前記高周波電源から前記試料台に供給される高周波電力をプラズマ処理時の電力値にしてプラズマ処理を開始し、この後、前記反射波検出手段による検出値が判定値以下となるように、前記インピーダンス整合手段が調節されるようにしても達成される。
ここで前記プラズマ処理が、同一種類の試料を対象として連続して実行される場合は、前記整合用高周波電力を供給して前記インピーダンス整合手段を調節し、前記反射波検出手段による検出値が判定値以下となった後、前記高周波電源から前記試料台に供給される高周波電力をプラズマ処理時の電力値にしてプラズマ処理を開始するまでの処理が省略されるようにしてもよい。
本発明によれば、処理室のインピーダンスが変化した場合でも、常に確実入力反射波が小さくなる整合条件に調節されるので、効率よく高周波を処理室側の要素に供給でき、プラズマを確実に着火させ迅速に処理を実行することができる。そして、この結果プラズマ処理の安定性と再現性の向上に、より一層寄与することができる。
以下、本発明によるプラズマ処理装置について、図示の実施の形態により詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態で、この実施形態に係るプラズマ処理装置は、処理室となる反応容器1と、この反応容器1の中にプラズマ保持用の磁界を発生させるソレノイドコイル2と、同じく反応容器1の中にプラズマ発生用のマイクロ波を供給する発振器3、それに反応容器1の中にプロセスガスを供給する管路4を備えている。
そして、この反応容器1の中に試料台5を設け、そこに半導体ウエハなどの試料6を載置してプラズマ処理を行うのであるが、このとき試料台5には、更に高周波バイアス電力が高周波バイアス電源8から供給されるようになっている。このとき、高周波バイアス電源8と試料台5の間に整合器7を介在させ、試料台5を含む反応容器側の負荷とインピーダンス整合、いわゆるインピーダンスマッチングが取れるようにしてある。
高周波バイアス電源8は、それから出力される高周波電力を常時監視するための電力モニタ部9と電力増幅部10を備え、当該電力増幅部10から所望の周波数の高周波電力を発生するが、このとき制御部11は、整合器7に出力されている電力値を電力モニタ部9によりモニタし、電力増幅部10の出力が制御マイコン12の出力電力制御手段13から与えられる出力電力指令値設定になるように制御すると共に、電力モニタ部9のモニタ結果から得られる入射波電力モニタ値と反射波電力モニタ値を制御マイコン12の演算部14に供給するようになっている。
次に、この実施形態に係るプラズマ処理装置の動作について説明すると、この実施形態では、試料5のプラズマ処理を開始する際、それに先立って、試料の処理を行うときよりも小さい値でエッチング性能に影響を与える虞のない小さな値の高周波電力を整合用高周波電力(電力1という)として試料台5に供給し、整合器7による高周波バイアス電源8と負荷の整合をとるようになっている。
具体的に説明すると、まず、上記した処理前の電力1を供給した状態で、電力モニタ部9から入射波電力及び反射波電力を演算部14に取り込み、反射波電力が或る所定の値より小さい値か否かを監視する。そして、この状態で整合器7を調整し、高周波バイアス電源8側のインピーダンス値と反応容器1側のインピーダンス値が接近して略等しくなり、反射波電力の値が所定の値以下になるようにし、この後、高周波バイアス電源8からプラズマ処理に必要な値の高周波電力、すなわちプラズマ処理用高周波電力(処理電力2という)が出力されるように、出力電力制御手段13により電力増幅部10を制御するのである。
このときの反応容器1側のインピーダンスは、処理の内容、例えば試料の種類や試料表面の膜の種類や、これらに対する処理の種類に応じて決まり、種々異なった値となる。また、同一の種類の処理を行う場合でも、処理の繰り返しに伴ってインピーダンスが変化するが、その原因は、処理に伴って発生する反応性生物やプラズマ中の粒子が処理室内の部材表面に付着し、その付着量が変化したり、部材表面がプラズマや前記生成物や粒子と相互作用を起こして変化したりするためと考えられる。
そこで、この実施形態では、上記した処理の種類が変化した場合、制御マイコン12内の図示しない記憶装置に記憶されたレシピや使用者から与えられるレシピに応じて高周波バイアス電源8内の制御部11に指令(出力電力値設定指令)が送信され、この指令に応じて電力増加部10など介して高周波出力が調節されるようになっている。そして、更に、この高周波バイアス電源8からの出力を受け、試料台5を含む反応容器1側のインピーダンスと高周波バイアス電源8側のインピーダンスを整合器7により調節し、反射波電力が所定の値より小さくなるように制御する。
また、上記したように、処理回数の増加につれて反応容器1側のインピーダンスが変化するため、処理の初期とその後では整合器7が調節すべきその目標は異なってくる。このため、初期のままの整合器7の設定で処理用の電力を供給すると、整合器7によるインピーダンスの整合が不十分なまま電力が供給されてしまうので、試料台5や試料6に生じる高周波バイアス電位の応答が不安定となり、この結果、処理が不安定となったり、再現性が損なわれて処理の歩留まりが著しく低下してしまうなどの虞が生じてしまう。
そこで、この実施形態では、この場合も高周波バイアス電源8からの出力を受け、試料台5を含む反応容器1側のインピーダンスと高周波バイアス電源8側のインピーダンスを整合器7により調節し、反射波電力が所定の値より小さくなるように制御する。
次に、この図1の実施形態に係るプラズマ処理装置の動作について、図2のフローチャートにより、処理の流れに従って説明する。ここで、このフローチャートによる処理は、制御マイコン12により実行されるものであり、プラズマ処理装置によるプラズマ処理を開始させる際、それに先立って所望のレシピが制御マイコン12に設定され、そのレシピの処理を開始させたとき、当該制御マイコン12により開始される(ステップa)。
こうして、所望のレシピによる処理が開始されたら、まず、本来のエッチング処理性能に影響を与えない程度の低電力値の高周波電力を入力する処理、つまり電力1入力処理を実行し(ステップb)、次に、整合器7によるインピーダンス整合動作を開始する(ステップc)。このため、まず、高周波バイアス電源8内部の電力モニタ部9により入射波と反射波をモニタし、検出した値を制御マイコン12システムの演算部14に入力する。
次いで、演算部14で入射波と反射波の演算結果を比較し、これら入射波と反射波の強度の差が所定の判定値以下か否かを調べる(ステップd)。ここで結果がNo、つまり判定値より大きい場合(f)はステップcに戻り、整合動作を繰り返えす。一方、結果がYes、つまり判定値以下と判定された場合(e)には、プラズマ処理電力の入力処理に進み、出力電力制御手段13から処理電力入力指令がなされる(ステップg)。従って、ステップbの処理からステップdで所定の判定値以下であると判定されるまでの処理時間が後述の整合時間tとなる。
その後、高周波バイアス電源8の出力がプラズマ処理に必要な電力値になるよう制御部11により電力増幅部10の出力を制御し(ステップg)、プラズマ処理に必要な強度の高周波バイアス電力が試料台5に供給されるようにする処理、すなわち処理電力2入力処理が実行され(ステップh)、続いて処理電力時の整合動作を実行する(ステップi)。このときのステップiの処理は、ステップcの処理とステップdの判定処理と同じである。
そして、この後、次の処理ステップが有るか否かを判断し(ステップj)、結果がNo、つまり処理ステップ無しと判断された場合(k)は、ここで、そのまま処理を終了する。一方、結果がYes、つまり次のステップがあると判断された場合(l)、今度は継続してプラズマを形成して処理するか否かの判断を行う(ステップm)。そして、まず結果がYes、つまり継続してプラズマ処理を実行する場合(n)にはステップgの処理電力入力処理に戻り整合動作を繰り返えす(ステップi)。一方、結果がNo、つまりプラズマ処理は継続するが、ここで一旦処理を中断する場合(o)はステップaに戻り、再度、ステップbの低電力入力処理から処理を繰り返えすのである。
次に、この図1の実施形態の動作について、図3と図4の特性図により説明する。ここで、これら図3と図4は、処理電力2の入力時点t0 を基準時刻として電力1の入力時間を横軸に示したグラフであり、このとき(a)図は、入力波と反射波の電力を縦軸にしたもので、(b)図は入力波電力と高周波バイアス電圧を縦軸にしたものである。
そして、これらの図のうち、まず、図3は、図2の処理による場合で、整合時間tは図2のフローチャートにおけるステップcとステップdの処理による処理時間を示し、ここで整合時間t1〜t3は各々インピーダンス整合条件が違ったときのもので、従って、可変時間となる。一方、図4は、整合時間tを固定時間にした場合について示したものである。
ここで、これらの図から明らかなように、何れの場合も、最初はエッチング性能に影響を与えない大きさの電力1を入力し、その後の時点t0 までの間の期間を整合時間tとしてインピーダンス整合を行い、時点t0 で処理電力2を入力するようにしているが、しかし、図4の場合は、整合時間tが予め設定してある時間に固定されている。
そして、この固定の整合時間tについては、事前に当該プラズマ処理装置について測定しておいた値に設定するものとする。つまり、電力1を入力した後、それによる反射波電力がインピーダンス整合の進行により低下して、予め設定してある判定値に達するまでの時間を予め求めておき、それに設定しておくのである。
このとき、例えば、従来技術と同様に、電力1を入力して、例えばインピーダンス整合用可変素子の回転角度を変えて整合をとり、これにより反射波電力が低下して設定してある判定値以下になったとき、当該可変素子の回転角度を記録しておき、以後、処理の前に、同じ回転角度になるように可変素子を動かしておくようにすればよい。
ところで、このようなプラズマ処理装置の場合、処理を繰り返すと、処理毎に処理室内の状態が変化するなどの理由により、過去の整合位置では、電力1の入力時、それによる反射波電力を同じ整合時間tの間に判定値以下にすることができなくなってしまうことがある。従って、このような場合、整合時間tを固定にしておいたとすると、図4に示されているように、時点t0 でも、まだ反射波電力が一定値になっていない状態のままで処理電力2が入力されてしまうことになる。
この場合、図4の(a)に示されているように、時点t0 以降での反射波電力の強さが大きく異なってしまい、この結果、同図(b)に示されているように、バイアス電圧が不安定になっている期間に大きな差が生じてしまうことになり、この結果、上記したように、処理電力2の入力後の反射波電力の特性が試料毎に異なってしまうことになり、この場合、従来技術と同じく、処理の安定性が大きく損なわれ、再現性が低下してしまうという問題が生じてしまう虞がある。
しかしながら、この実施形態では、図2のフローチャートに示すように、電力1の入力後、常時反射波電力を監視し、時点t0 で或る一定値(判定値)になったことが確認されてから処理電力2が入力されるようにしているので、図3の(a)に示すように、処理電力2入力後の反射波電力のバラツキが抑えられ、この結果、同図(b)に示すように、バイアス電圧が不安定になっている期間が何れの場合も同じような特性にすることができる。
また、このとき処理室内の状況が経時変化し、インピーダンス整合に狂いが生じた場合でも、上記の実施形態によれば、その不整合状態に応じて整合器7の調整が与えられることになるので、処理電力2の入力前には常に整合状態が保たれ、この結果、バイアス電圧特性を常に同じにするできる。
従って、この実施形態によれば、処理室のインピーダンスが変化した場合でも、常に確実入力反射波が小さくなる整合条件に整合器を調節することができるので、効率よく高周波を処理室側の要素に供給でき、プラズマを確実に着火させ迅速に処理を実行することができる。そして、この結果プラズマ処理の安定性と再現性の向上に、より一層寄与することができる。
次に、上記実施形態における整合器7の一例について、図5により説明する。ここで、この図5において、高周波バイアス電源20は、図1の高周波バイアス電源8に相当し、整合器23は、同じく整合器7に相当する。そして、負荷が図1の試料台5に相当しているものである。
図5において、まず、高周波発生源21からは高周波電力が出力される。そして、この高周波電力が電圧電流の検出部22を介して整合器23に入力され、この整合器23を通って負荷に高周波バイアスとして供給されることになる。このとき検出部22では負荷とのインピーダンスの不整合、電圧と電流の位相不整合を検出し、整合器コントローラ27に指令すべき信号を出力する。
整合器コントローラ27には整合動作制御部28が設けられている。そして、検出部22で、例えばインピーダンスの不整合に関する信号を検知した場合、整合動作制御部28はモータ駆動部29に指令を出力し、モータ31を動作させて可変素子24のインダクタンスを変化させ、負荷とのインピーダンスマッチングを行う。
一方、検出部22が、例えば電圧と電流の位相不整合に関する信号を検知した場合、整合動作制御部28はモータ駆動部30に指令を出力する。そしてモータ32を動作させ、可変素子25のインダクタンスを変化させ、電圧と電流の位相マッチングを行う。なお、このようにして、高周波バイアス電源20から出力された高周波電力が効率良く負荷に伝達するための整合動作を行う手段は一般的に知られているものであり、従って、ここでは一例として示しているのである。
次に、この図5に示した整合器の一例の動作について説明する。ここで、図6は、反応容器内のインピーダンス変化と、これによる整合動作の一例を示したものであるが、このとき、このような反応容器内のインピーダンス、例えば図1の実施形態における反応容器1内のインピーダンスは、通常、抵抗成分とリアクタンス成分で表せることが一般的に知られている。
そこで、整合器23は、このような反応容器が呈する多様なインピーダンスと整合が取れるようにするため、或る可変範囲を持っていて、可変素子の例えばインダクタンスを変化させることにより可変範囲内の整合点に向かって特性を動かすことができる。
このとき、従来技術では、エッチング性能に影響を与えない程度の小さい電力(電力1)の入力前に、予め設定されている可変素子の位置により、例えば図6のA点の位置で負荷との整合が行えるように設定しておき、電力1入力後、整合特性が電力1の整合点であるB点に向かって動き、電力1入力時には反射波が一般的に最小になるB点において整合動作を終え、その後、一定に固定されている整合時間tが経過したとき処理電力2が入力され、これにより整合特性は、B点から処理電力2の整合点Dに向かって動き、反射波が最小となるD点で整合動作を終える。そこで、次の試料の処理は前回のB点での可変素子の位置を記録しておき電力1入力前または入力後に可変素子をB点へ誘導するように制御し電力1入力時の反射波が一定期間で確実に最小となるよう制御している。
しかし、既に説明したように、反応容器内の経時変化により、固定の整合時間tが経過したとき、整合特性がA点に到達していない場合があり、この場合、B点に向かって整合動作している途中のC点で処理電力2の入力が始まって、C点からD点に整合動作を開始してしまい、このためB点からD点に進む整合動作のときと、C点からD点に進む整合動作のときとでは異なった軌跡になり、結果的に反射波電力の大きさが異なってしまう虞がある。
また、B点の位置を記録し、その位置を可変素子の初期値に設定した場合や、B点に向かって可変素子を誘導する場合、複数の反応容器間の機差や可変素子の設定値に対する精度不足により、B点が反応容器間で異なってしまう虞もあり、従って、従来技術では、反応容器毎に異なるB点の管理が必要となり、ユーザに多大の負担がかかってしまう。
一方、上記実施形態によれは、B点での整合動作が終わったことを確認後、処理電力2が入力されるようになっているので、反応容器の経時変化によりB点の変化があっても、整合動作を常にB点からD点に至る軌跡に合わせることができ、この結果、反射波特性も常に同じにすることできる。
本発明によるプラズマ処理装置の一実施形態を示すブロック構成図である。 本発明によるプラズマ処理装置の動作を説明するための流れ図である。 本発明の一実施形態による動作特性の一例を示す特性図である。 本発明の一実施形態による動作特性の一部を変更した場合の特性図である。 本発明の一実施形態における整合器の一例を示すブロック構成図である。 整合器による整合動作を説明するための特性図である。
符号の説明
1:反応容器(処理室)
2:ソレノイドコイル
3:発振器
4:管路(プロセスガス供給用)
5:試料台
6:試料
7:整合器
8:高周波バイアス電源
9:電力モニタ部
10:電力増幅部
11:制御部
12:制御マイコン
13:出力電力制御手段
14:演算部

Claims (3)

  1. 高周波電源からインピーダンス整合手段を介して反応容器内の試料台に高周波バイアスを印加し、前記試料台に載置した試料にプラズマ処理を施す方式のプラズマ処理装置において、
    前記高周波電源と前記インピーダンス整合手段の間に設置した反射波検出手段と、
    前記高周波電源から前記試料台に供給される高周波電力をプラズマ処理時の電力値よりも小さな電力値の整合用高周波電力に切換える制御手段を設け、
    プラズマ処理を開始する際、前記整合用高周波電力を供給して前記インピーダンス整合手段を調節し、前記反射波検出手段による検出値が判定値以下となった後、前記高周波電源から前記試料台に供給される高周波電力をプラズマ処理時の電力値にしてプラズマ処理を開始するように構成したことを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 高周波電源からインピーダンス整合手段を介して反応容器内の試料台に高周波バイアスを印加し、前記試料台に載置した試料にプラズマ処理を施す方式のプラズマ処理装置において、
    前記高周波電源と前記インピーダンス整合手段の間に設置した反射波検出手段と、
    前記高周波電源から前記試料台に供給される高周波電力をプラズマ処理時の電力値よりも小さな電力値の整合用高周波電力に切換える制御手段を設け、
    プラズマ処理を開始する際、前記整合用高周波電力を供給して前記インピーダンス整合手段を調節し、前記反射波検出手段による検出値が判定値以下となった後、前記高周波電源から前記試料台に供給される高周波電力をプラズマ処理時の電力値にしてプラズマ処理を開始し、この後、前記反射波検出手段による検出値が判定値以下となるように、前記インピーダンス整合手段が調節されるように構成されていることを特徴とするプラズマ処理装置。
  3. 請求項2に記載のプラズマ処理装置において、
    前記プラズマ処理が、同一種類の試料を対象として連続して実行される場合は、前記整合用高周波電力を供給して前記インピーダンス整合手段を調節し、前記反射波検出手段による検出値が判定値以下となった後、前記高周波電源から前記試料台に供給される高周波電力をプラズマ処理時の電力値にしてプラズマ処理を開始するまでの処理が省略されるように構成されていることを特徴とするプラズマ処理装置。
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