JP2007012313A - 高温形燃料電池の運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 運転停止時に不活性ガス等を使用せずに、セル、触媒の酸化を防止しつつ、安全に停止を行うことができる高温形燃料電池の運転方法を提供する。
【解決手段】 高温形燃料電池1の停止時に、所定量の炭化水素ガスと酸素含有ガスとの混合ガスを、改質器78aを通して燃料電池本体(セルスタック23a)へ供給すると共に、酸素含有ガスとは別経路で酸素含有ガスを燃料電池本体へ供給しながら燃料電池本体の温度を低下させていき、第一の設定温度まで燃料電池本体の温度が低下した段階で前記炭化水素ガスと酸素含有ガスの供給を停止すると共に、別経路での酸素含有ガスの供給を継続し、更に第二の設定温度まで燃料電池本体の温度が低下した段階で、酸素含有ガスを改質器78aを通して燃料電池本体へ供給したのち、前記別経路の酸素含有ガスの供給を停止する高温形燃料電池の運転方法を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高温形燃料電池の運転方法に関し、特に、運転停止時に不活性ガス等を使用せずに、セル、触媒の酸化を防止しつつ、安全に停止を行うことができる高温形燃料電池の運転方法に関するものである。
此種従来の高温形燃料電池である、例えば、固体電解質形燃料電池(SOFC)は、複数の固体電解質形燃料電池セルから成る燃料電池セルスタックを収納容器内に収容して構成され、約700〜1000℃の温度で運転される。
この燃料電池セルは、一般に、燃料極にNiが使用されるため、これらの酸化を防ぐ起動、運転、停止が必要となる。
通常、燃料電池停止の際には燃料ガスに代えて窒素等の不活性ガスを供給していたが、不活性ガス貯蔵設備、供給設備等が必要となり、設備コスト増加と装置の大型化が課題となっていた。
又、近年では分散型発電が注目されており小規模出力の燃料電池の開発が進められている。このような背景の中で、装置の小型化と共に不活性ガスを使用しない運転方法が必要となっている。
このような課題に対応するため各種の方法が提案されている。例えば、SOFCでは、発電に必要となる酸素を空気から供給する際に、空気中の酸素と窒素を分離する分離装置を通して酸素を燃料電池に供給すると共に、窒素を液化貯蔵し停止等必要なときにガス化して使用する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
又、PEFC(固体高分子形燃料電池)では、停止時にシステム内の残留ガスを、原燃料と酸素を燃焼器にて完全燃焼させて生成された不活性ガスである燃焼排ガスで置換した後、空気でパージする方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2004−220942号公報 特開2003−217633号公報
然しながら、上記特許文献1に記載された空気を分離する方式では分離装置、液化装置、貯蔵装置、及び、ガス供給装置等多くの設備が必要となり、分散型用途等の小型システムには不向きである。
又、上記特許文献2に記載された燃焼排ガスによるパージでは、別途燃焼器が必要となり設備が多くなると共に、シフト触媒等は酸化、温度等に制限が加わるために、触媒別に燃焼ガス供給条件、及び、配管を設ける必要があるため、複雑なシステムとなる。
以上の現状に鑑み、本発明は、運転停止時に不活性ガス等を使用せずに、セル、触媒の酸化を防止しつつ、安全に停止を行うことができる高温形燃料電池の運転方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決すべく、本発明は以下の構成を提供する。
請求項1に係る発明は、燃料電池本体と、改質触媒が収容されている改質器を具備する燃料電池構造体を備え、炭化水素ガスを、該改質器を通して水素を含有する燃料ガスに改質し、該燃料ガスを前記燃料電池本体に供給し、且つ、該燃料ガスとは別経路で酸素含有ガスを該燃料電池本体に供給して発電を行う高温形燃料電池の運転方法に於いて、
該高温形燃料電池の停止時に、所定量の炭化水素ガスと酸素含有ガスとの混合ガスを、前記改質器を通して前記燃料電池本体へ供給すると共に、該酸素含有ガスとは別経路で酸素含有ガスを前記燃料電池本体へ供給しながら燃料電池本体の温度を低下させていき、第一の設定温度まで燃料電池本体の温度が低下した段階で前記炭化水素ガスと酸素含有ガスの供給を停止すると共に、別経路での酸素含有ガスの供給を継続し、更に第二の設定温度まで燃料電池本体の温度が低下した段階で、酸素含有ガスを前記改質器を通して燃料電池本体へ供給したのち、前記別経路の酸素含有ガスの供給を停止することを特徴とする高温形燃料電池の運転方法を提供するものである。
燃料電池の停止時に、炭化水素ガスと酸素含有ガス(空気)との混合ガスを改質部に供給することにより部分酸化改質による水素を含有した還元性ガスが生成され、これを燃料電池本体へ供給することで燃料電池の燃料電極、改質触媒等の金属Ni使用部材の酸化による劣化を防止することができる。
更に、空気中の酸素と改質反応を行うため還元性ガス中には比熱が大きい窒素が多量に含まれており、燃料電池の放熱を促進し停止に要する時間を短くすることができるため、使用燃料量を削減することができる。
この時に、発電時には発電用途に供給していた別経路での酸素含有ガス(空気)が、停止時には冷却用途として使用されることになり、この熱伝達による放熱が燃料電池本体の降温を行うと共に、供給している還元性ガスを燃焼させることで可燃性ガス等の放出を防止する。
この時、第一の設定温度に到達した段階で炭化水素ガスと酸素含有ガス(空気)との混合ガスの供給を停止するが、別経路での酸素含有ガス(空気)の供給は継続し燃料電池の降温は続けていく。
更に、第二の設定温度に到達した段階で、改質器等炭化水素供給経路内に酸素含有ガス(空気)を供給することで残留している可燃性ガス等の置換を行い、発火等の危険をなくし安全に停止を行うことができる。
請求項2に係る発明は、燃料電池本体と、改質触媒が収容されている改質器を具備する燃料電池構造体を備え、炭化水素ガスを、該改質器を通して水素を含有する燃料ガスに改質し、該燃料ガスを前記燃料電池本体に供給し、且つ、該燃料ガスとは別経路で酸素含有ガスを燃料電池本体に供給して発電を行う高温形燃料電池発電システムの運転方法に於いて、
該高温形燃料電池の停止時に、所定量の炭化水素ガスと酸素含有ガスとの混合ガスに、更に所定量の水蒸気を加えて、前記改質器を通して前記燃料電池本体へ供給すると共に、該酸素含有ガスとは別経路で酸素含有ガスを前記燃料電池本体へ供給しながら燃料電池本体の温度を低下させていき、第一の設定温度まで該燃料電池本体の温度が低下した段階で前記炭化水素ガス、酸素含有ガス、及び、水蒸気の供給を停止すると共に、別経路での酸素含有ガスの供給を継続し、更に第二の設定温度まで前記燃料電池本体の温度が低下した段階で、酸素含有ガスを前記改質器を通して該燃料電池本体へ供給したのち、別経路での酸素含有ガスの供給を停止することを特徴とする高温形燃料電池の運転方法を提供するものである。
前述した請求項1記載の部分酸化改質法による運転方法との差異は、炭化水素ガスと酸素含有ガスとの混合ガスに、更に所定量の水蒸気を加えることで水蒸気改質法と部分酸化改質法を組み合わせた併用改質法を用いることである。
これを行うことにより、改質に用いる酸素源が増加するために改質に伴う炭素析出の危険性をより抑えることができると共に、水の気化に伴う大きな吸熱、水蒸気による熱伝達が発生するために、燃料電池の降温を更に促進することができる。
又、水蒸気改質法による降温を行った場合、気化熱の不足による水蒸気不足により、炭素析出発生が懸念されるが、部分酸化反応と併用することにより部分酸化の発熱を気化に利用できるため水蒸気不足により炭素析出が発生する可能性を低減できる。
請求項3に係る発明は、上記改質器には、炭化水素ガスを供給する配管、酸素含有ガスを供給する配管、及び、水蒸気もしくは水を供給する配管が接続されており、該改質器から排出される水素含有ガスを燃料電池セルに供給する配管が接続され、前記改質器に炭化水素ガス、酸素含有ガス、水蒸気もしくは水を選択的に供給することを特徴とする請求項1又は2記載の高温形燃料電池の運転方法を提供するものである。
改質器に炭化水素ガス、及び、酸素含有ガスを供給する2系列の配管を設置することで、部分酸化改質法が実現できる。
更に、運転中に行う水蒸気改質のために水蒸気もしくは水を供給する配管が設置されているため、部分酸化改質法を行っている際にこの配管から水蒸気、もしくは、水を供給することで併用改質法を実施することができる。
これらの配管は3系統独立して接続されていても良いし、多重管等でも良い。重要なのはこれらの3種類の流体が改質器に供給できることであり、運転状況によって最適の改質方式を選択できることが重要である。
改質により生成されたガスを燃料電池本体に供給する配管を接続することで、発電等の燃料電池の作動を行うことができる。
請求項4に係る発明は、上記改質器は、ガスの流れる方向に蒸気発生部及び/又はガス混合部、改質部、水素含有ガス加熱部が順次形成され、該蒸気発生部及び/又はガス混合部、改質部、水素含有ガス加熱部にガスを順次流すことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれかに記載の高温形燃料電池の運転方法を提供するものである。
改質器内にガス混合部及び/又は蒸気発生部を設けることで、従来は別体として配置されていた各装置を一体化し、小型化が可能となる。又、燃料改質器は、収納容器内でも温度が高くなる位置に配置されるため、蒸気発生部を一体化することで、水蒸気発生のために必要となる多量の熱量を効率的に供給できる。
本発明では、上記炭化水素ガスと酸素含有ガスとの混合ガスは、酸素(O2)と、炭化水素中の炭素(C)とのモル比率が0.5乃至1.0の範囲となるように混合されたものであることが望ましい。
部分酸化反応は、不完全燃焼を触媒上で発生させることにより、水素含有ガスを生成する方法である。この時の酸素の含有モル比率を完全燃焼させるモル比率より少なくしなければならないが、少なくすることで炭素析出の危険性も出てくる。
又、完全燃焼条件以上の酸素を混合すると、触媒上だけでなく配管内での燃焼が発生する可能性がある。従って、炭素析出条件と爆発上下限濃度に基づき、酸素(O2)と炭化水素中の炭素(C)とのモル比率が0.5乃至1.0の範囲となるように混合することが必要である。
又、本発明では、上記改質触媒として、貴金属触媒又は卑金属触媒を使用することを特徴とすることが望ましい。
改質反応自体はPt、Ru等の貴金属触媒とNi等の卑金属触媒で行うが、部分酸化反応は発熱反応であるため、触媒上で大きな発熱を発生し、非常に高温となる可能性があるため、耐熱性に優れた貴金属触媒であることが好ましい。
又、請求項5に係る発明は、上記燃料電池本体の上部に該燃料電池本体から排出されるガスの燃焼部を配置し、該燃焼部の上部に上記改質器を配置することを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれかに記載の高温形燃料電池の運転方法を提供するものである。
燃料電池セルを収容している収納容器内に燃料改質器を配置することで、水蒸気改質反応に必要な加熱源を別途設ける必要がなくなり、熱効率を高めることができると共に、余剰の燃料ガスを収納容器内で燃焼させることによって、燃料電池セルの発電部よりも高温の熱源を燃料改質器の加熱源とすることができるため、燃料改質器を迅速に加熱することができる。
又、高温の熱源を用いることで、燃料電池セルの発電による熱量が低下する低負荷運転時にも水蒸気改質反応に必要な熱量を十分賄える。
本発明では、上記停止時に供給する炭化水素ガス量は、供給する該炭化水素ガスの燃焼熱量よりも別経路で燃料電池本体へ供給している酸素含有ガスによる放熱量の方が多くなるように設定されることが望ましい。
停止中は、別経路での酸素含有ガス(空気)を供給することで冷却を行うが、Ni使用部材の酸化を防止するために還元性ガスとして水素含有ガスを燃料電池へ供給する。従って、停止中も燃焼部での燃料電池排出ガスの燃焼は継続されることになる。この状態で降温を行うために、燃焼熱量よりも放熱量のほうが大きくなるようにする必要がある。具体例としては、酸化防止可能となる最小量の燃料を供給すると共に、別経路での酸素含有ガス(空気)量を発電時に使用する量よりも大きく増加させることで、燃焼熱量を減少し放熱量を増加させることで迅速な停止を行うことができる。
本発明では、上記第一の設定温度は、金属ニッケル(Ni)使用部材の酸化による性能劣化を抑制できる温度であることを基準に設定されることが望ましい。
金属ニッケルの酸化は、酸素濃度と温度によって発生する。高酸素濃度で高温であればNiの酸化反応は速やかに進行し、燃料電池の性能劣化が進行する。この反応速度は温度に依存するために、温度が低ければ酸化の進行は緩慢となる。
高温形燃料電池の停止時に還元性雰囲気を保ちつつ降温してきた後、所定の第一設定温度にて水素含有ガスの供給を停止するが、供給停止後に燃料電池本体のガス排出口から酸素含有ガスの混入が予想される。
しかし、燃料電池内部には還元性ガスが残留しており、逆流してきた酸素含有ガスと混合することによって酸素濃度を低下させると共に、燃料電池等のNi使用部材部分の温度が低ければこの逆流による酸化も進行せずに、性能劣化を防止することができる。従って、第一の設定温度はこれらの条件を満たすような任意の値を設定することができる。
本発明では、上記第二の設定温度は、上記改質器を通して酸素含有ガス(空気)を供給しても金属ニッケル(Ni)使用部材の酸化による性能劣化を防止できる温度であることを基準に設定されることが望ましい。
前記のように、燃料電池内部には還元性ガスが残留しており、次の起動時にこの残留ガスの発火等の危険性があるため、安全なガスでパージをする必要がある。
設備等の課題から不活性ガスを使用しないシステムでは、空気が最も安全なガスとなる。しかし、前記の金属ニッケル酸化の問題から、第二の設定温度は空気に触れても酸化が進行しない十分に低い温度で行う必要がある。
一般的にNiの酸化開始温度は300〜400℃程度であるため、この温度よりも低い室温〜300℃程度の範囲にて設定する。これにより、発火の危険がない安全な停止を行うことができる。
本発明では、上記燃料電池本体から排出されるガスを燃焼させ、燃焼排ガスを外部へ排出する際に、排気浄化器を通すことが望ましい。
停止時は、燃焼部で最適な燃焼条件となるように燃料量、酸素含有ガス量を調整していないため、燃焼排気中に微量ながら可燃性ガスや有毒ガスが含まれる可能性がある。これらを排気浄化器に通すことで危険性をなくしてから大気中に排気し、安全でクリーンな燃料電池システムとすることができる。
本発明では、上記排気浄化器は燃焼触媒を備えていることが望ましい。
排気浄化の方法として、燃焼、希釈、分離等各種存在するが、最も簡便で効率が良いのが、可燃成分、有害成分を触媒によって燃焼させる方法である。これにより、希釈と異なり実質的に可燃成分、有害成分を除去することができると共に、燃料電池本体の内部に燃焼触媒を設置することで、燃焼器等の別途設備を増設することなく安全な燃料電池システムとすることができる。
本発明では、上記第二の設定温度は、燃焼触媒によって燃焼排ガスを浄化することができる温度であることを基準に設定されることが望ましい。
前述のように、酸素含有ガス(空気)によるパージの際に残留可燃物が排出されることになるが、このとき燃焼触媒の反応可能温度以上であれば、この残留可燃物も浄化することができるため停止の全工程にわたって安全な停止を行うことができる。
本発明の高温形燃料電池の運転方法では、運転停止時に不活性ガス等を使用せずに、セル、触媒の酸化を防止しつつ、安全に停止を行うことができる。
以下、実施例を示した図面を参照しつつ本発明の実施の形態を説明する。
図1乃至図3に於いて、1は、本発明の高温形燃料電池を示し、高温形燃料電池1は、略直方体形状のハウジング2を具備し、このハウジング2の6個の壁面の外面には適宜の断熱材から形成された断熱壁(遮熱部材)、即ち、上断熱壁4、下断熱壁6、右側断熱壁8、左側断熱壁9、前断熱壁10及び後断熱壁11が配設されている。そして、ハウジング2内に発電・燃焼室12が規定されている。
前記前断熱壁10及び/又は後断熱壁11は着脱自在或いは開閉自在に装着されており、前断熱壁10及び/又は後断熱壁11を離脱或いは開動せしめることによって発電・燃焼室12内にアクセスすることができる。尚、所望ならば、各断熱壁の外面に金属板製等から成る外壁を配設することができる。
前記ハウジング2内の上端部には空気室(ガス室)16が配設されている。空気室16は上下方向寸法が比較的小さい直方体形状のケース17内に規定されている。
空気室16には、発電・燃焼室12に向かって空気(酸素含有ガス)を送り込むための空気導入管(ガス供給手段)22,22…の上端が連通している。
空気導入管22は複数本あり、その形状は円筒や中空板構造の角筒等が考えられる。図1、2では円筒の空気導入管22を記載した。空気導入管22,22…は、燃料電池本体であるセルスタック23a,23b,23c及び23d間に配置されており、セルスタック23a,23b,23c及び23dの下端部に於いて開口し、この開口部から空気が噴出する構造となっている。空気導入管22はセラミックス等の耐熱性の高い材料で作製するのが好適である。
空気室16には、低温ガス供給管18が設けられており、この低温ガス供給管18は、上断熱壁4を貫通し、外部に延設されている。
この低温ガス供給管18は、空気室16内に供給されるガスと同一種、即ち、低温の空気を空気室16内に供給するものであり、低温ガス供給管18により供給される空気は、予熱された空気の温度よりも低温である必要がある。好適には、室温程度が望ましい。
低温ガス供給管18は、図2に示すように、発電ユニット19a,19b,19c及び19dから成る発電ユニット集合体20の中央部を冷却するように空気室16の上板に接続され、空気室16内に開口している。
言い換えれば、低温ガス供給管18は、発電ユニット19a,19b,19c及び19d間に配設され、ケース17下板上に開口する空気導入管22,22…の開口部集合体中央に対して、上方から対向する如く、ケース17上板に開口して設けられている。
前記ハウジング2の両側部、更に詳しくは右側断熱壁8の内側及び左側断熱壁9の内側には、夫々、平板形状の熱交換器24,24が配設されている。熱交換器24,24の各々は実質上鉛直に延在する中空平板形態のケース26から構成されている。
かかるケース26内にはその横方向中間に位置する仕切板28が配設されており、ケース26内は内側に位置する排出路30と外側に位置する流入路32とに区画されている。排出路30内には上下方向に間隔を於いて3枚の仕切壁34及び36が配置されている。
更に詳述すると、排出路30内には、その前縁はケース26の前壁(図示せず)から後方に離隔して位置するがその後縁はケース26の後壁(図示せず)に接続されている形態の仕切壁34と、その前縁はケース26の前壁に接続されているがその後縁はケース26の後壁から前方に離隔して位置せしめられている仕切壁36とが交互に配置されており、かくして燃焼ガス排出路30はジグザグ状に形成されている。尚、所望ならばジグザグ以外の形状に形成されても良い。
同様に、流入路32内にも上下方向に間隔を於いて3枚の仕切壁38及び40、即ちその前縁はケース26の前壁(図示せず)から後方に離隔して位置するがその後縁はケース26の後壁(図示せず)に接続されている形態の仕切壁38と、その前縁はケース26の前壁に接続されているがその後縁はケース26の後壁から前方に離隔して位置せしめられている仕切壁40とが交互に配置されており、かくして流入路32もジグザグ状に形成されている。尚、所望ならばジグザグ以外の形状に形成されても良い。
前記ケース26の内側壁の上端部には排出開口42が形成されており、排出路30は排出開口42を介して発電・燃焼室12と連通せしめられている。
又、図示の実施形態に於いては、熱交換器24の各々の発電・燃焼室12側、即ち、発電ユニット集合体20側、及び、発電ユニット集合体20の上下には、蓄熱材から成る蓄熱壁(遮熱部材)が配置されている。
即ち右側蓄熱壁44a、左側蓄熱壁44b、前蓄熱壁44c及び後蓄熱壁44d、下蓄熱壁44e、上蓄熱壁44fが、発電ユニット集合体20を取り囲むように配設されている。
かかる右側蓄熱壁44a、左側蓄熱壁44bの上部には、排出開口42の下縁と実質上同高に位置して開口する開口部46が形成されており、排出開口42は開口部46を通して発電・燃焼室12に連通せしめられている。
前記ハウジング2の6個の壁面の外面に形成された断熱壁4,6,8,9,10,11は、アルミナ/シリカ系の汎用断熱材から形成されており、発電ユニット集合体20を取り囲むように形成された蓄熱壁44a,44b,44c,44d,44e及び44fは、密度が前記断熱材4,6,8,9,10,11より大きいアルミナ純度の高い断熱材から形成されている。
断熱壁4,6,8,9,10,11と蓄熱壁44a,44b,44c,44d,44e及び44fは同一材料から形成されても良いが、蓄熱壁44a,44b,44c,44d,44e及び44fの密度は、断熱壁4,6,8,9,10,11のよりも大きいことが望ましい。
断熱壁4,6,8,9,10,11の密度は0.26g/cm3以下、蓄熱壁44a,44b,44c,44d,44e及び44fの密度は0.32g/cm3以下で、両者の熱伝導率は0.1〜0.4W/(m・K)であることが望ましい。
前記ケース26の上壁における外側部には流入開口48が形成されており、流入路32はかかる流入開口48を介して空気室16に連通せしめられている。
熱交換器24,24、流入開口48,48は、ガス供給流路を構成している。流入路32の各々の後方には上下方向に細長く延びる二重筒体50(図1にその上端部のみを図示している)が配設されており、かかる二重筒体50は外側筒部材52と内側筒部材54とから構成されている。排出路30の下端部は外側筒部材52と内側筒部材54との間に規定されている排出路(図示せず)の下端部に接続されており、流入路32の下端部は内側筒部材54内に規定されている流入路(図示せず)に接続されている。
上述した発電・燃焼室12の下部には4個の発電ユニット19a,19b,19c及び19dが配置されている。発電ユニット19a,19b,19c及び19dは、夫々、前述した空気導入管22,22…間に位置せしめられている。言い換えれば、発電ユニット19a,19b,19c及び19d間に、空気導入管22,22…が配設されている。
図1,2と共に、図3,4を参照して説明を続けると、発電ユニット19a,19b,19c及び19dは前後方向(図1に於いて紙面に垂直な方向)に細長く延びる直方体形状の燃料ガスケース58a,58b,58c及び58dを具備している。
燃料ガス室(図示せず)を規定している燃料ガスケース58a,58b,58c及び58dの上面上にはセルスタック23a,23b,23c及び23dが装着されている。セルスタック23a,23b,23c及び23dは上下方向に細長く延びる直立の燃料電池セル62,62…を燃料ガスケース58a,58b,58c及び58dの長手方向(即ち前後方向)に複数個縦列配置して構成されている。
図5に詳細に図示する如く、燃料電池セル62の各々は電極支持基板64、内側電極層である燃料極層66、固体電解質層68、外側電極層である酸素極層70、及びインターコネクタ72から構成されている。
電極支持基板64は上下方向に細長く延びる柱状の板状片であり、その断面形状は長円形状に形成されている。電極支持基板64にはこれを鉛直方向に貫通する複数個(図示の場合は6個)の燃料ガス通路74,74…が形成されている。電極支持基板64の各々は燃料ガスケース58aの上壁上に、例えば耐熱性に優れたセラミック接着剤によって接合される。
燃料ガスケース58aの上壁には図1に於いて紙面に垂直な方向に間隔を於いて左右方向に延びる複数個のスリット(図示せず)が形成されており、電極支持基板64の各々に形成されている燃料ガス通路74がスリットを介して燃料ガスケース58aの燃料ガス室に連通している。
前記インターコネクタ72は電極支持基板64の片面(図5に於いて電極支持基板64の上面)上に配設されている。
燃料極層66は電極支持基板64の他面(図5に於いて電極支持基板64の下面)及び両側面に配設されており、その両端はインターコネクタ72の両端に接合せしめられている。
固体電解質層68は燃料極層66の全体を覆うように配設され、その両端はインターコネクタ72の両端に接合せしめられている。
酸素極層70は、固体電解質層68の主部に接し、即ち、電極支持基板64の他面(図5に於いて電極支持基板64の下面及び側面)を覆う固体電解質層68に接して(図5に於いて固体電解質層68の下面に接して)配置され、電極支持基板64を挟んでインターコネクタ72に対向するように配置されている。
セルスタック23aにおける隣接する燃料電池セル62間には集電部材76が配設されており、一方の燃料電池セル62のインターコネクタ72と他方の隣接する燃料電池セル62の酸素極層70とを接続している。
セルスタック23aの両端、即ち、図5に於いて上端及び下端に位置する燃料電池セル62の片面及び他面にも集電部材76が配設されている。セルスタック23aの両端に位置する集電部材76には電力取出手段(図示せず)が接続されており、かかる電力取出手段はハウジング2の前断熱壁10、後断熱壁11、又は下断熱壁6を通してハウジング2外に延在せしめられている。
所望ならば、セルスタック23a,23b,23c及び23dの各々に電力取出手段を配設することに代えて、適宜の接続手段によってセルスタック23a,23b,23c及び23dを相互に直列接続し、4個のセルスタック23a,23b,23c及び23dに関して共通の電力取出手段を配設することもできる。
燃料電池セル62について更に詳述すると、電極支持基板64は燃料ガスを燃料極層66まで透過させるためにガス透過性であること、そしてまたインターコネクタ72を介して集電するために導電性であることが要求され、かかる要求を満足する多孔質の導電性セラミック(若しくはサーメット)から形成することができる。
燃料極層66及び/又は固体電解質層68との同時焼成により燃料電池セル62を製造するためには、鉄属金属成分と特定希土類酸化物とから電極支持基板64を形成することが好ましい。更に、所要ガス透過性を備えるために開気孔率が30%以上、特に35乃至50%の範囲にあるのが好適であり、そしてまたその導電率は300S/cm以上、特に440S/cm以上であるのが好ましい。
燃料極層66は多孔質の導電性セラミック、例えば希土類元素が固溶しているZrO2(安定化ジルコニアと称されている)とNi及び/又はNiOとから形成することができる。
固体電解質層68は、電極間の電子の橋渡しをする電解質としての機能を有していると同時に、燃料ガスと空気とのリークを防止するためにガス遮断性を有するものであることが必要であり、通常、3〜15モル%の希土類元素が固溶したZrO2から形成されている。
酸素極層70は所謂ABO3型のペロブスカイト型酸化物から成る導電セラミックから形成することができる。酸素極層70はガス透過性を有していることが必要であり、開気孔率が20%以上、特に30〜50%の範囲にあることが好ましい。
インターコネクタ72は導電性セラミックから形成することができるが、水素ガスでよい燃料ガス及び空気と接触するため、耐還元性及び耐酸化性を有することが必要であり、このためにランタンクロマイト系のペロブスカイト型酸化物(LaCrO3系酸化物)が好適に使用される。
インターコネクタ72は電極支持基板64に形成された燃料ガス通路74を通る燃料ガス及び電極支持基板64の外側を流動する空気のリークを防止するために緻密質でなければならず、93%以上、特に95%以上の相対密度を有していることが望まれる。
集電部材76は弾性を有する金属又は合金から形成された適宜の形状の部材或いは金属繊維又は合金繊維から成るフェルトに所要表面処理を加えた部材から構成することができる。
図3を参照して説明を続けると、発電ユニット19aは、セルスタック23aの上方を前後方向に細長く延びる長方体形状(或いは円筒形状)であるのが好都合である改質器78aを具備している。改質器78aの前面には燃料ガス送給管80a(ガス導出手段)の一端即ち上端が接続されている。
燃料ガス送給管80aは下方に延び、次いで湾曲して後方に延び、燃料ガス送給管80aの他端は前記燃料ガスケース58aの前面に接続されている。改質器78aの後面には被改質ガス供給管82a(ガス導入手段)の一端が接続されている。被改質ガス供給管82aは改質器78aから下方に延び、ハウジング2の下を通ってハウジング2外に延出している。
被改質ガス供給管82aは都市ガス等の炭化水素ガスで良い被改質ガス供給源(図示せず)に接続されており、被改質ガス供給管82aを介して改質器78aに被改質ガスが供給される。改質器78a内には原料ガスを水素リッチな燃料ガスに改質するための適宜の後述する改質触媒(図示せず)が収容されている。
図示の実施形態に於いては、改質器78aは燃料ガス送給管80aを介して燃料ガスケース58aに接続され、これによって所要位置に保持されているが、所望ならば、図4に二点鎖線で図示する如く、例えば、前記被改質ガス供給管82aの下面と燃料ガスケース58aの後端部下面或いは後面との間に適宜の支持部材84aを付設することもできる。
改質器78aには図6に示す如く、被改質ガス供給管82aと水供給管85aが接続されており、燃料ガス、及び、水が水気化混合部109aに供給される。水気化混合部109aに供給された水は気化が行われ、同時に供給されている燃料ガスと混合され、改質触媒部102aへ供給される。
水気化混合部109aは水の気化熱により燃料ガス温度の過昇温を防止する事で燃料ガスの熱分解により発生する炭素析出を未然に防ぎ、改質触媒部102aにて所望の温度分布を得ることができる。
又、図示は省略するが、水気化混合部109aを改質触媒部102a入口近傍に隣接するように別構造体を設け、水蒸気を改質触媒部102a前段にて噴出させ混合することでも同様の効果が得られる。水気化混合部109aはいかなる構造でも良いが、内部に熱容量増加のためにセラミックス等の耐熱部材を充填しておくことが好ましい。
改質触媒部102aにて触媒作用を受け変質した改質ガスは、改質ガス予熱部110aへ供給される。改質ガス予熱部110aは、改質ガスを更に加熱し、燃料電池セル62へ供給する改質ガス温度を高くすることで、熱自立運転を容易にすることができる。
このような構造は低負荷運転等の燃料電池セル62での発熱量が少なくなる状態でより効果を発揮する。改質ガス予熱部110aはいかなる構造でも良いが、内部に熱容量増加のためにセラミックス等の耐熱部材を充填しておくことが好ましい。改質ガスは改質ガス予熱部110aから燃料ガス送給管80aを通して燃料ガスケース58aへと供給される。
図3に於いて説明すると、発電ユニット19cは前述した発電ユニット19aと実質上同一構成であり、発電ユニット19b及び19dは、発電ユニット19a及び19cに対して前後方向が逆に配置されている。
従って改質器78b及び78dと燃料ガスケース58b及び58dとを接続する燃料ガス送給管80b及び80dが後側に配置され、被改質ガス供給管82b及び82dが改質器78b及び78dから下方に延び、ハウジング2の下を通ってハウジング2外に延出している。
被改質ガス供給管82a,82b,82c及び82dは、ハウジング2の外部に於いて、燃料ガスを供給する燃料ガス供給装置91に接続されている。この燃料ガス供給装置91により、被改質ガスが被改質ガス供給管82a,82b,82c及び82dに所定圧力で供給される。
前述したとおり、高温形燃料電池1に於いては、被改質ガスが被改質ガス供給管82a,82b,82c及び82dを介して改質器78a,78b,78c及び78dに供給され、改質器78a,78b,78c及び78d内に於いて水素リッチな燃料ガスに改質された後に、燃料ガス送給管80a,80b,80c及び80dを通して燃料ガスケース58a、58b、58c及び58d内に規定されている燃料ガス室に供給され、次いでセルスタック23a,23b,23c及び23dに供給される。
セルスタック23a,23b,23c及び23dの各々に於いては、酸素極層70の酸素極に於いて、
1/2O2+2e−→O2−(固体電解質)
の電極反応が生成され、燃料極層66の燃料極に於いて、
O2−(固体電解質)+H2→H2O+2e−
の電極反応が生成されて発電される。
発電に使用されることなくセルスタック23a,23b,23c及び23dから上方に流動した燃料ガス及び空気は、起動時に発電・燃焼室12内に配設されている点火手段(図示せず)によって点火されて燃焼される。
周知の如く、セルスタック23a,23b,23c及び23dにおける発電に起因して、そしてまた燃料ガスと空気との燃焼に起因して発電・燃焼室12内は例えば800℃程度の高温になる。
改質器78a,78b,78c及び78dは発電・燃焼室12内に配設され、セルスタック23a,23b,23c及び23dの直ぐ上方に位置せしめられており、燃焼炎によって直接的にも加熱され、かくして発電・燃焼室12内に生成される高温が被改質ガスの改質に効果的に利用される。
発電・燃焼室12内に生成された燃焼ガスは熱交換器24に形成されている排出開口42から排出路30に流入し、ジグザグ状に延在する排出路30を流動した後に二重筒体50の外側筒部材52と内側筒部材54との間に規定されている排出路を通して排出される。
燃焼ガスが二重筒体50における排出路を流動する際には、二重筒体50における流入路を空気が流動し、燃焼ガスと空気との間で熱交換が行われる。
そしてまた、燃焼ガスが熱交換器24の排出路30をジグザグ状に流動せしめられる際には、空気が熱交換器24の流入路32をジグザグ状に燃焼ガスに対向するように流動せしめられる。かくして燃焼ガスと空気との間で効果的に熱交換されて空気が予熱される。
長期間に渡って発電を遂行することによってセルスタック23a,23b,23c及び23dの一部或いは全部が劣化した場合には、ハウジング2の前断熱壁10或いは後断熱壁11を離脱或いは開動せしめ、発電ユニット19a,19b,19c及び19dの一部或いは全部をハウジング2内から取り出す。
そして、発電ユニット19a,19b,19c及び19dの一部或いは全部を新しいものに交換して、或いは発電ユニット19a,19b,19c及び19dの一部或いは全部におけるセルスタック23a,23b,23c及び23dのみを新しいものに交換して、再びハウジング2内の所要位置に装着すればよい。
発電ユニット19a,19b,19c及び19dの一部あるいは全部における改質器78a,78b,78c及び78d内に収容されている改質触媒を交換することが必要な場合にも、発電ユニット19a,19b,19c及び19dの一部或いは全部をハウジング2内から取り出し、発電ユニット19a,19b,19c及び19dの一部或いは全部における改質器78a,78b,78c及び78d自体を新しいものに或いは改質器78a,78b,78c及び78d内の改質触媒のみを新しいものに交換すればよい。
改質器78a,78b,78c及び78d内の改質触媒の交換を充分容易に遂行し得るようになすために、所望ならば改質器78a,78b,78c及び78dの一部を開閉自在な扉にせしめることができる。
一方、空気は二重筒体50の内側筒部材54内に規定されている流入路を通して熱交換器24の流入路32に供給され、熱交換器24を通過して予熱(加熱)された空気は、空気室16に一旦貯留され、空気導入管22を通って燃焼・発電室12のセルスタック23a,23b,23c及び23d間に供給される。
この際、空気導入管22,22…は、セルスタック23a,23b,23c及び23dの燃料電池セル62,62…の上端の燃料ガス通路74,74…近傍で燃焼する燃焼ガス雰囲気中を通過する。従って、空気室16の予熱空気はセルスタック23a,23b,23c及び23d上部の燃焼領域で更に加熱され、高温に暖められた空気が燃料電池セル62,62…に供給される。
通常運転時は前記熱交換器24で予熱された空気が空気室16に導入され、この空気室16から空気導入管22を用いて燃焼・発電室12へ空気が導入されるが、燃焼・発電室12の温度が想定以上に上昇した場合は、前記熱交換器24を通らない低温ガス供給管18を通ってきた低温の空気が空気室16に導入され、熱交換器24を通過して予熱された空気と混合されて、空気室16の空気温度がある程度低下する。
この空気を発電・燃焼室12、即ち、セルスタック23a,23b,23c及び23d間に供給することにより、通常運転時より温度の低い空気がセルスタック23a,23b,23c及び23d間に導入されるので、燃焼・発電室12、即ち燃料電池セル62,62…の過度に上昇した温度が低下し、発電・燃焼室12内の温度を適宜にコントロールできる。
又、空気室16内の空気温度は、低温ガス供給管18から供給された外気と、熱交換器24を通過して予熱された空気と混合されるため、室温ほど低温の空気ではないので、熱い燃料電池セル62,62…に供給しても、燃料電池セル62,62…のクラックや熱衝撃破壊を引き起こす等の不具合を避けることができ、高温形燃料電池1全体の機能劣化が抑えられ寿命が延ばすことができる。
更に、低温ガス供給管18による低温ガスの供給を、空気導入管22,22…の開口部中央部に向けて供給することにより、更に、両側の熱交換器24,24から加熱された空気を開口部中央部に向けて供給することにより、最も加熱しやすい燃料電池セル62,62…のセル集合体45の中央部に空気導入管22,22…により供給される空気を最も低温とでき、中央部から離れるに従って高い温度とすることができ、最適な冷却手段とすることができる。
又、ハウジング2内であってセル集合体45の周囲に、右側蓄熱壁44a、左側蓄熱壁44b、前蓄熱壁44c及び後蓄熱壁44d、下蓄熱壁44e、上蓄熱壁44fを、ハウジング2の外面に上断熱壁4、下断熱壁6、右側断熱壁8、左側断熱壁9、前断熱壁10及び後断熱壁11を配置することにより、燃料電池セル62,62…周囲の高温の熱を蓄熱壁44a,44b,44c,44d及び44eにより蓄熱すると共に、外部への熱放散を蓄熱壁44a,44b,44c,44d及び44e及び断熱壁4,6,8,9,10,11と併せて効果的に抑制することができ、分散型発電用の燃料電池組立体に於いて、発熱量の少ない部分負荷運転時に於いても、有効に発電温度を維持できる。
即ち、分散型発電用の燃料電池組立体では発電量は少ないため小型であり、定常運転時には熱自立し、効果的に発電するが、燃料ガス量を少なくして発電量を少なくした場合、発熱量が少なくなり、熱自立しなくなる傾向にあるが、本発明では、断熱壁4,6,8,9,10,11によりハウジング2内に熱を有効に閉じ込め、定常運転時の高温の熱を蓄熱壁に吸収させ、部分負荷運転し発熱量が少なくなった場合に熱を放散させ、ハウジング内の温度を有効に維持できる。
又、上記形態では、空気室16に低温ガス供給管18を設け、空気導入管22,22…により、燃料電池セル62,62…の外面に空気を供給する場合について説明したが、空気供給管22,22…により燃料電池セル62,62…の内部に空気を供給するようにしても良いことは勿論である。尚、この場合、燃料電池セル62,62…の内側には空気極が、外側には燃料極が形成されることは言うまでもない。
次に、前記高温形燃料電池1の停止方法について説明する。
先ず、本発明の第1の実施態様の高温形燃料電池の運転方法に於ける停止方法について説明する。
第1の実施態様の高温形燃料電池の運転方法に於ける停止方法は、前記高温形燃料電池1の停止時に、例えば、図6に示す発電ユニット19aに於いて、所定量の炭化水素ガス(被改質ガス)と酸素含有ガスとの混合ガスを、被改質ガス供給管82a、前記酸素含有ガス供給配管83aから、前記改質器78aを通して燃料電池本体であるセルスタック23aへ供給すると共に、前記酸素含有ガスとは別経路で、例えば、前記低温ガス供給管18から酸素含有ガスをセルスタック23aへ供給しながらセルスタック23aの温度を低下させていき、後述する所定の第一の設定温度までセルスタック23aの温度が低下した段階で前記炭化水素ガスと酸素含有ガスの供給を停止すると共に、別経路での前記酸素含有ガスの供給を継続し、更に後述する所定の第二の設定温度までセルスタック23aの温度が低下した段階で、酸素含有ガスを前記改質器78aを通してセルスタック23aへ供給したのち、前記別経路の酸素含有ガスの供給を停止するものである。
尚、図6に示した前記酸素含有ガス供給配管83aは、図3及び図4に於いては図示省略されているものである。
又、別経路の酸素含有ガスの供給を前記低温ガス供給管18で行なったが、熱交換器24を介して導入させたものを使用しても良い。低温ガス供給管18を用いることにより、より効果的に冷却できる。更に、前記発電ユニット19aと同じく、他の発電ユニット19b、19c及び19dについても同様の方法で停止させる。
第1の実施態様の高温形燃料電池の運転方法に於ける停止方法によると、高温形燃料電池1の停止時に、炭化水素ガスと酸素含有ガス(空気)との混合ガスを改質器78aに供給することにより部分酸化改質による水素を含有した還元性ガスが生成され、これをセルスタック23aへ供給することでセルスタック23aの燃料極層66の燃料電極材料、改質器78aの改質触媒等の金属Ni使用部材の酸化による劣化を防止することができる。
更に、空気中の酸素と改質反応を行うため還元性ガス中には比熱が大きい窒素が多量に含まれており、燃料電池の放熱を促進し停止に要する時間を短くすることができるため、使用燃料量を削減することができる。
この時に、発電時には発電用途に供給していた別経路での酸素含有ガス(空気)が、停止時には冷却用途として使用されることになり、この熱伝達による放熱がセルスタック23aの降温を行うと共に、供給している還元性ガスを燃焼させることで可燃性ガス等の放出を防止する。
又、この時、第一の設定温度に到達した段階で炭化水素ガスと酸素含有ガス(空気)との混合ガスの供給を停止するが、別経路での酸素含有ガス(空気)の供給は継続しセルスタック23aの降温は続けていく。
更に、前記第二の設定温度に到達した段階で、改質器78a等炭化水素供給経路内に空気を供給することで残留している可燃性ガス等の置換を行い、発火等の危険をなくし安全に停止を行うことができる。
次に、本発明の第2の実施態様の高温形燃料電池の運転方法に於ける停止方法について説明する。
第2の実施態様の高温形燃料電池の運転方法に於ける停止方法は、前記高温形燃料電池1の停止時に、例えば、図6に示す発電ユニット19aに於いて、被改質ガス供給管82aと前記酸素含有ガス供給配管83aとから供給する所定量の炭化水素ガス(被改質ガス)と酸素含有ガスとの混合ガスに、更に、例えば、前記水供給管85aから所定量の水蒸気を加え、前記改質器78aを通してセルスタック23aへ供給すると共に、この酸素含有ガスとは別経路で、例えば、前記低温ガス供給管18から酸素含有ガスをセルスタック23aへ供給しながら前記セルスタック23aの温度を低下させていき、後述する所定の第一の設定温度までセルスタック23aの温度が低下した段階で前記炭化水素ガス、酸素含有ガス、及び、水蒸気の供給を停止すると共に、別経路での酸素含有ガスの供給を継続し、更に後述する所定の第二の設定温度まで前記セルスタック23aの温度が低下した段階で、酸素含有ガス(空気)を前記改質器78aを通してセルスタック23aへ供給したのち、別経路での酸素含有ガスの供給を停止するものである。
尚、図6に示した前記酸素含有ガス供給配管83a及び水供給管85aは、図3及び図4に於いては図示省略されているものである。
又、前記発電ユニット19aと同じく、他の発電ユニット19b、19c及び19dについても同様の方法で停止させる。
この第2の実施態様の高温形燃料電池の運転方法に於ける停止方法と、前述した第1の実施態様の高温形燃料電池の運転方法に於ける停止方法との差異は、炭化水素ガスと酸素含有ガスとの混合ガスに、更に所定量の水蒸気を加えることで水蒸気改質法と部分酸化改質法とを組み合わせた併用改質法を用いることである。
これを行うことにより、改質に用いる酸素源が増加するために改質に伴う炭素析出の危険性をより抑えることができると共に、水の気化に伴う大きな吸熱、水蒸気による熱伝達が発生するために、セルスタック23aの降温を更に促進することができる。
又、水蒸気改質法による降温を行った場合、気化熱の不足による水蒸気不足により、炭素析出発生が懸念されるが、部分酸化反応と併用することにより部分酸化の発熱を気化に利用できるため水蒸気不足による炭素析出が発生する可能性を低減できる。
そして、前記第1及び第2の実施態様の高温形燃料電池の運転方法に於ける停止方法に於いては、前述した如く、図6に示す前記改質器78aに、炭化水素ガスを供給する被改質ガス供給管82a、酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給配管83a、及び、水蒸気もしくは水を供給する水供給管85aが接続されており、改質器78aから排出される水素含有ガスを燃料電池セル62に供給する燃料ガス送給管80aが接続され、前記改質器78aに炭化水素ガス、酸素含有ガス、水蒸気もしくは水を選択的に供給する。尚、他の改質器78b,78c及び78dも同様に構成され、同様に炭化水素ガス、酸素含有ガス、水蒸気もしくは水を選択的に供給する。
前述の如く、改質器78aに炭化水素ガス、及び、酸素含有ガスを供給する2系列の配管(被改質ガス供給管82a、酸素含有ガス供給配管83a)を設置することで、部分酸化改質法が実現できる。
更に、運転中に行う水蒸気改質のために水蒸気もしくは水を供給する水供給管85aが設置されているため、部分酸化改質法を行っている際にこの配管から水蒸気、もしくは、水を供給することで併用改質法を実施することができる。
これらの配管は3系統独立して接続されていても良いし、多重管等でも良い。重要なのはこれらの3種類の流体が選択的に改質器78aに供給できることであり、運転状況によって最適の改質方式を選択できる。
尚、改質器78aから排出される水素含有ガスは、燃料ガス送給管80aを介して燃料電池セル62に供給される。
又、前記第1及び第2の実施態様の高温形燃料電池の運転方法に於ける停止方法に於いて、前記改質器78aに、図6に示す如く、ガスの流れる方向に蒸気発生部及び/又はガス混合部である水気化混合部109a、改質部である改質触媒部102a、水素含有ガス加熱部である改質ガス予熱部110aが順次形成され、該水気化混合部109a、改質触媒部102a、改質ガス予熱部110aにガスを順次流している。尚、他の改質器78b,78c及び78dも同様に構成され、同様にガスを順次流している。
前述の如く、改質器78a内に蒸気発生部及び/又はガス混合部である水気化混合部109aを設けることで、従来は別体として配置されていた各装置を一体化し、小型化が可能となる。又、改質器78aは、発電燃焼室12内でも温度が高くなる位置に配置され、且つ、水気化混合部109aが一体化して設けられているので、水蒸気発生のために必要となる多量の熱量が効率的に供給される。
更に、前記第1及び第2の実施態様の高温形燃料電池の運転方法に於ける停止方法に於いて、前記炭化水素ガスと酸素含有ガスとの混合ガスは、酸素(O2)と、炭化水素中の炭素(C)とのモル比率が0.5乃至1.0の範囲となるように混合される。
部分酸化反応は、不完全燃焼を触媒上で発生させることにより、水素含有ガスを生成する方法である。この時の酸素の含有モル比率を完全燃焼させるモル比率より少なくしなければならないが、少なくすることで炭素析出の危険性も出てくる。
又、完全燃焼条件以上の酸素を混合すると、触媒上だけでなく配管内での燃焼が発生する可能性がある。従って、炭素析出条件と爆発上下限濃度に基づき、前述の如く、酸素(O2)と炭化水素中の炭素(C)とのモル比率が0.5乃至1.0の範囲となるように混合するものである。
更に又、前記第1及び第2の高温形燃料電池の運転方法に於ける停止方法に於いて、前記改質触媒部102aの改質触媒として、貴金属触媒又は卑金属触媒を使用する。
改質反応自体はPt、Ru等の貴金属触媒とNi等の卑金属触媒で行うが、部分酸化反応は発熱反応であるため、触媒上で大きな発熱を発生し、非常に高温となる可能性がある。従って、前述の如く、改質触媒として、貴金属触媒又は卑金属触媒を使用することにより、耐熱性が向上する。
そして、前記第1及び第2の実施態様の高温形燃料電池の運転方法に於ける停止方法に於いて、図6に示す如く、燃料電池本体であるセルスタック23a上部にセルスタック23aから排出されるガスの燃焼部150aを配置し、燃焼部150aの上部に前記改質器78aを配置するものである。尚、他の改質器78b,78c及び78dについても同様に配置される。
前述の如く、燃料電池セル62,62…を収容している収納容器であるハウジング2内に燃料改質器78aを配置することで、水蒸気改質反応に必要な加熱源を別途設ける必要がなくなり、熱効率を高めることができると共に、余剰の燃料ガスをハウジング2内で燃焼させることによって、燃料電池セル62の発電部よりも高温の熱源を改質器78aの加熱源とすることができるため、改質器78aを迅速に加熱することができる。
又、高温の熱源を用いることで、燃料電池セル62の発電による熱量が低下する低負荷運転時にも水蒸気改質反応に必要な熱量を十分賄える。
又、前記第1及び第2の実施態様の高温形燃料電池の運転方法に於ける停止方法に於いて、前記停止時に供給する炭化水素ガス量を、供給する炭化水素ガスの燃焼熱量よりも別経路、例えば、前記低温ガス供給管18でセルスタック23aへ供給している酸素含有ガスによる放熱量の方が多くなるように設定するものである。
停止中は、別経路での酸素含有ガス(空気)を供給することで冷却を行うが、Ni使用部材の酸化を防止するために還元性ガスとして水素含有ガスをセルスタック23aへ供給する。従って、停止中も燃焼部150aでの燃料電池排出ガスの燃焼は継続されることになる。この状態で降温を行うために、前述の如く、燃焼熱量よりも放熱量のほうが大きくなるようにする。
具体例としては、酸化防止可能となる最小量の燃料を供給すると共に、別経路での酸素含有ガス(空気)量を発電時に使用する量よりも大きく増加させることで、燃焼熱量を減少し放熱量を増加させることで迅速な停止を行うことができる。
更に、前記第1及び第2の実施態様の高温形燃料電池の運転方法に於ける停止方法に於いて、前記第一の設定温度は、金属ニッケル(Ni)使用部材の酸化による性能劣化を抑制できる温度であることを基準に設定される。
金属ニッケルの酸化は、酸素濃度と温度条件によって発生する。高酸素濃度で高温であればNiの酸化反応は速やかに進行し、高温形燃料電池1の性能劣化が進行する。この反応速度は温度に依存するために、温度が低ければ酸化の進行は緩慢となる。
高温形燃料電池1の停止時に還元性雰囲気を保ちつつ降温してきた後、所定の第一設定温度にて水素含有ガスの供給を停止するが、供給停止後にセルスタック23aのガス排出口から酸素含有ガスの混入が予想される。
しかし、セルスタック23a内部には還元性ガスが残留しており、逆流してきた酸素含有ガスと混合することによって酸素濃度を低下させると共に、燃料電池等のNi使用部材部分の温度が低ければこの逆流による酸化も進行せずに、性能劣化を防止することができる。従って、前述の第一の設定温度はこれらの条件を満たすような任意の値を設定することができる。
更に又、前記第1及び第2の実施態様の高温形燃料電池の運転方法に於ける停止方法に於いて、前記第二の設定温度は、前記改質器78aを通して酸素含有ガス(空気)を供給しても金属ニッケル(Ni)使用部材の酸化による性能劣化を防止できる温度(T1)であることを基準に設定される。
前記のように、高温形燃料電池1内部には還元性ガスが残留しており、次の起動時にこの残留ガスの発火等の危険性があるため、安全なガスでパージをする必要がある。
設備等の課題から不活性ガスを使用しないシステムでは、空気が最も安全なガスとなる。しかし、前記の金属ニッケル酸化の問題から、前述した第二の設定温度(T1)は空気に触れても酸化が進行しない十分に低い温度で行う必要がある。
一般的にNiの酸化開始温度は300〜400℃程度であるため、第二の設定温度は、この温度よりも低い室温〜300℃程度の範囲にて設定する。これにより、発火の危険がない安全な停止を行うことができる。
そして、前記第1及び第2の実施態様の高温形燃料電池の運転方法に於ける停止方法に於いて、前記セルスタック23aから排出されるガスを燃焼させ、燃焼排ガスを外部へ排出する際に、図6に示す排気浄化器120aを通すように構成される。
停止時は、燃焼部150aで最適な燃焼条件となるように燃料量、酸素含有ガス量を調整していないため、燃焼排気中に微量ながら可燃性ガスや有毒ガスが含まれる可能性がある。前述したように、燃焼排気を、排気浄化器120aに通すことで危険性をなくしてから大気中に排気し、安全でクリーンな燃料電池システムとすることができる。
又、前記第1及び第2の実施態様の高温形燃料電池の運転方法に於ける停止方法に於いて、前記排気浄化器120aは燃焼触媒を備えている。
排気浄化の方法として、燃焼、希釈、分離等各種存在するが、最も簡便で効率が良いのが、可燃成分、有害成分を触媒によって燃焼させる方法である。燃焼触媒は、希釈と異なり実質的に可燃成分、有害成分を除去することができる。前述の如く、排気浄化器120aの内部に燃焼触媒を設置することで、燃焼器等の別途設備を増設することなく安全な燃料電池システムとすることができる。
更に、前記第1及び第2の実施態様の高温形燃料電池の運転方法に於ける停止方法に於いて、前記第二の設定温度は、燃焼触媒によって燃焼排ガスを浄化することができる温度(T2)であることを基準に設定される。
前述のように、酸素含有ガス(空気)によるパージの際に残留可燃物が排出されることになるが、このとき燃焼触媒の反応可能温度以上であれば、この残留可燃物も浄化することができるため、前述した第二の設定温度(T2)によって、停止の全工程にわたって安全な停止を行うことができる。尚、第二の温度は、前述した温度(T1)及び温度(T2)の両条件を満たす温度が好適である。
尚、上記形態では、図1乃至図6に示す高温形燃料電池1について説明したが、特に限定されるものではない。
本発明の高温形燃料電池の好適実施形態を示す断面図である。 本発明の高温形燃料電池の好適実施形態を示す平面図である。 図1の高温形燃料電池に使用される発電ユニット集合体の斜視図である。 図1の高温形燃料電池に使用される発電ユニットの斜視図である。 図1の高温形燃料電池に使用されるセルスタックの断面図である。 図1の高温形燃料電池に使用される改質器を説明するための概略図である。
符号の説明
1 高温形燃料電池
78a〜78d 改質器
120a 排気浄化器
150a 燃焼部

Claims (5)

  1. 燃料電池本体と、改質触媒が収容されている改質器を具備する燃料電池構造体を備え、炭化水素ガスを、該改質器を通して水素を含有する燃料ガスに改質し、該燃料ガスを前記燃料電池本体に供給し、且つ、該燃料ガスとは別経路で酸素含有ガスを該燃料電池本体に供給して発電を行う高温形燃料電池の運転方法に於いて、
    該高温形燃料電池の停止時に、所定量の炭化水素ガスと酸素含有ガスとの混合ガスを、前記改質器を通して前記燃料電池本体へ供給すると共に、該酸素含有ガスとは別経路で酸素含有ガスを前記燃料電池本体へ供給しながら、燃料電池本体の温度を低下させていき、第一の設定温度まで燃料電池本体の温度が低下した段階で前記炭化水素ガスと酸素含有ガスの供給を停止すると共に、別経路での酸素含有ガスの供給を継続し、更に第二の設定温度まで燃料電池本体の温度が低下した段階で、酸素含有ガスを前記改質器を通して燃料電池本体へ供給したのち、前記別経路の酸素含有ガスの供給を停止することを特徴とする高温形燃料電池の運転方法。
  2. 燃料電池本体と、改質触媒が収容されている改質器を具備する燃料電池構造体を備え、炭化水素ガスを、該改質器を通して水素を含有する燃料ガスに改質し、該燃料ガスを前記燃料電池本体に供給し、且つ、該燃料ガスとは別経路で酸素含有ガスを燃料電池本体に供給して発電を行う高温形燃料電池発電システムの運転方法に於いて、
    該高温形燃料電池の停止時に、所定量の炭化水素ガスと酸素含有ガスとの混合ガスに、更に所定量の水蒸気を加えて、前記改質器を通して前記燃料電池本体へ供給すると共に、該酸素含有ガスとは別経路で酸素含有ガスを前記燃料電池本体へ供給しながら燃料電池本体の温度を低下させていき、第一の設定温度まで該燃料電池本体の温度が低下した段階で前記炭化水素ガス、酸素含有ガス、及び、水蒸気の供給を停止すると共に、別経路での酸素含有ガスの供給を継続し、更に第二の設定温度まで前記燃料電池本体の温度が低下した段階で、酸素含有ガスを前記改質器を通して該燃料電池本体へ供給したのち、別経路での酸素含有ガスの供給を停止することを特徴とする高温形燃料電池の運転方法。
  3. 上記改質器には、炭化水素ガスを供給する配管、酸素含有ガスを供給する配管、及び、水蒸気もしくは水を供給する配管が接続されており、該改質器から排出される水素含有ガスを燃料電池セルに供給する配管が接続され、前記改質器に炭化水素ガス、酸素含有ガス、水蒸気もしくは水を選択的に供給することを特徴とする請求項1又は2記載の高温形燃料電池の運転方法。
  4. 上記改質器は、ガスの流れる方向に蒸気発生部及び/又はガス混合部、改質部、水素含有ガス加熱部が順次形成され、該蒸気発生部及び/又はガス混合部、改質部、水素含有ガス加熱部にガスを順次流すことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれかに記載の高温形燃料電池の運転方法。
  5. 上記燃料電池本体の上部に該燃料電池本体から排出されるガスの燃焼部を配置し、該燃焼部の上部に上記改質器を配置することを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれかに記載の高温形燃料電池の運転方法。
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