JP2007012202A - エラー訂正処理装置、エラー訂正処理方法、再生装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
消失ポインタを生成した後、その消失ポインタについて有効性、つまりその消失ポインタが正しいか否かを判断するようにする。そして、その判断結果に基づいて消失ポインタの補正を行い、補正された消失ポインタを用いてデータに対する消失訂正としてのエラー訂正処理を行う。
【選択図】 図5
Description
また、HDD(Hard Disc Drive)や固体メモリを用いたメモリカードなど光ディスク以外のメディアを用いた記録再生や、各種データ通信の分野でもエラー訂正技術は用いられている。
一般にエラー訂正処理は、エラー箇所の算出処理と、元データの算出処理を行うことでデータの訂正を行っているといえるが、消失訂正方式ではこのエラー訂正処理のうちのエラー箇所特定を“消失ポインタ”として与える。これにより、エラー訂正符号の有する処理能力の全てを 元データの算出処理に用いることができるようにして、エラー訂正能力の向上を図ったものである。
特許文献1には、消失ポインタの有効性確認のためのテストモードを用意するといった手法が提案されている。しかしこの方法はシステムを一度テストモードに切替え、そのモードでのテスト結果により消失ポインタの有効性を判断して、その後のデータ訂正処理に反映させるという手順となる。
このため、テストモードとして消失ポインタの検証を行う動作と、通常モードとしてデータのエラー訂正処理を行う動作の切り替えが必要となり、つまりデータ再生時にポインタをリアルタイムに検証できるものではない。
またこのことから、テストモード時のポインタ評価と、実際のデータ訂正処理時のポインタ有効性との相関が保障されるとは限らない。
ところがこの場合、フォーマットで想定されている固定バースト長単位でポインタが生成され、それ以下のバーストエラーに対しては消失ポインタの信頼性がないという問題が残されている。
また上記入力データは、第1の符号(例えばユーザデータ)についてのエラー訂正ブロック単位内に、第2の符号(例えばBIS符号)が挿入されており、上記消失ポインタ生成手段は、上記第2の符号を抽出し、該第2の符号のエラー検出を行うことで、上記第1の符号に対する消失ポインタを生成する。
この場合、上記有効性判断手段は、エラー訂正ブロック単位の入力データから、上記第1の符号のうちの一部のデータを抽出し、抽出した一部のデータのエラー訂正処理結果を用いて、上記消失ポインタ生成手段で生成された消失ポインタの有効性を判断する。
またこの場合、上記有効性判断手段は、エラー訂正ブロック単位の入力データにおける上記第1の符号についてデインターリーブ処理を行った後のエラー訂正ブロックから、一部のデータを抽出する。
また上記有効性判断手段による上記第1の符号のうちの一部のデータの抽出は、上記エラー訂正ブロック単位内で、上記第2の符号のエラー検出に基づく消失ポインタの生成対象となる全てのデータ単位から少なくとも1符号づつ抽出されるように行われるようにする。
また、上記有効性判断手段による上記第1の符号のうちの一部のデータの抽出に関し、その抽出量を可変設定する設定手段、或いは上記有効性判断手段による消失ポインタの有効性判断の条件を可変設定する設定手段を、さらに備えるようにする。
本発明の再生装置は、記録媒体から読み出されて入力された入力データに対するエラー訂正処理装置部として、上記エラー訂正処理装置を備える。
これを例えば再生装置でのデータ再生処理においてリアルタイムで実行するが、消失ポインタの有効性判断については、入力データの一部をサンプリング(抽出)して行うことが処理時間の点で有効となる。
またエラー訂正処理過程において消失ポインタの有効性判断及び補正が実行されるため、例えばデータ再生時等のリアルタイムの処理として実現される。
特に消失ポインタの有効性判断は、エラー訂正ブロック単位の入力データから一部のデータを抽出し、抽出した一部のデータのエラー訂正処理結果に基づいて行われることで、処理負担は少なく、リアルタイム処理に好適である。
また消失ポインタの有効性判断のためのサンプル符号数や、有効性判断の条件が可変設定できることで、システムに合わせた設定が可能であり、柔軟な運用が可能である。
[1.ディスクドライブ装置の構成]
[2.ECC処理部の構成]
[3.ECCブロック及び消失ポインタ]
[4.消失訂正処理動作]
図1でディスクドライブ装置の構成を説明する。
記録メディアであるディスク90は、図示しないターンテーブルに積載され、記録/再生動作時においてスピンドルモータ12によって一定線速度(CLV:Constant Linear Velocity)で回転駆動される。
そしてデータ記録時には光学ピックアップ(光学ヘッド)11によって、ディスク90上に形成されたトラックにユーザーデータがフェイズチェンジマークとして記録され、再生時にはピックアップ11によって記録されたマークの読出が行われる。
またピックアップ11によって、ディスク90上のグルーブトラックのウォブリングとして埋め込まれたADIP(Address in Pregroove)情報の読み出しもおこなわれる。
なお、ディスク90上には、再生専用の管理情報として例えばディスクの物理情報等がエンボスピット又はウォブリンググルーブによって記録されるが、これらの情報の読出もピックアップ11により行われる。
ピックアップ11内において対物レンズは二軸機構によってトラッキング方向及びフォーカス方向に移動可能に保持されている。
またピックアップ11全体はスレッド機構13によりディスク半径方向に移動可能とされている。
またピックアップ11におけるレーザダイオードはレーザドライバ23からのドライブ信号(ドライブ電流)によってレーザ発光駆動される。
マトリクス回路14には、フォトディテクタとしての複数の受光素子からの出力電流に対応して電流電圧変換回路、マトリクス演算/増幅回路等を備え、マトリクス演算処理により必要な信号を生成する。
例えば再生データに相当する高周波信号(再生データ信号)、サーボ制御のためのフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号などを生成する。
さらに、グルーブのウォブリングに係る信号、即ちウォブリングを検出する信号としてプッシュプル信号を生成する。
マトリクス回路14から出力される再生データ信号はデータ信号処理回路15へ、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号は光学ブロックサーボ回路21へ、プッシュプル信号はウォブル信号処理回路25へ、それぞれ供給される。
データ復号回路16は、再生時におけるデコード処理として、いわゆるPRML(Partial Response Maximum Likelihood)方式のイコライジングやビタビ復号処理を行って復号データ列を得る。
復号されたデータはECC処理部17に供給される。
再生時には、データ復号回路16で復号されたデータを内部メモリに取り込んで、デインターリーブ、エラー検出/訂正処理を行い、再生データを得る。特にエラー訂正処理としては、消失ポインタを用いた消失訂正を行う。
ECC処理部17で再生データにまでデコードされたデータは、システムコントローラ20の指示に基づいて読み出され、AV(Audio-Visual)システム100に転送される。
ウォブルデータはADIP復調回路26で復調され、ADIPアドレスを構成するデータストリームに復調されてアドレスデコーダ19に供給される。アドレスデコーダ19は、供給されるデータについてのデコードを行い、アドレス値を得て、システムコントローラ20に供給する。
この場合ECC処理部17は、バファリングされた記録データのエンコード処理として、エラー訂正コード付加やインターリーブ、サブコード等の付加を行う。
またECCエンコードされたデータは、記録パルス変換回路24においてRLL(1−7)PP方式(RLL;Run Length Limited、PP:Parity preserve/Prohibit rmtr(repeated minimum transition runlength))の変調が施される。なお、記録時においてこれらのエンコード処理のための基準クロックとなるエンコードクロックはウォブル信号から生成したクロックを用いる。
なお、レーザドライバ23は、いわゆるAPC回路(Automatic Power Control)を備え、ピックアップ11内に設けられたレーザパワーのモニタ用ディテクタの出力によりレーザ出力パワーをモニターしながらレーザーの出力が温度などによらず一定になるように制御する。記録時及び再生時のレーザー出力の目標値はシステムコントローラ20から与えられ、記録時及び再生時にはそれぞれレーザ出力レベルが、その目標値になるように制御する。
即ちフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号に応じてフォーカスドライブ信号、トラッキングドライブ信号を生成し、二軸ドライバ28によりピックアップ11内の二軸機構のフォーカスコイル、トラッキングコイルを駆動することになる。これによってピックアップ11、マトリクス回路14、光学ブロックサーボ回路21、二軸ドライバ28、二軸機構によるトラッキングサーボループ及びフォーカスサーボループが形成される。
また光学ブロックサーボ回路21は、システムコントローラ20からのトラックジャンプ指令に応じて、トラッキングサーボループをオフとし、ジャンプドライブ信号を出力することで、トラックジャンプ動作を実行させる。
また光学ブロックサーボ回路21は、トラッキングエラー信号の低域成分として得られるスレッドエラー信号や、システムコントローラ20からのアクセス実行制御などに基づいてスレッドドライブ信号を生成し、スレッドドライバ29によりスレッド機構13を駆動する。スレッド機構13には、図示しないが、ピックアップ11を保持するメインシャフト、スレッドモータ、伝達ギア等による機構を有し、スレッドドライブ信号に応じてスレッドモータを駆動することで、ピックアップ11の所要のスライド移動が行なわれる。
スピンドルサーボ回路22は、ウォブル信号に対するPLL処理で生成されるクロックを、現在のスピンドルモータ12の回転速度情報として得、これを所定のCLV基準速度情報と比較することで、スピンドルエラー信号を生成する。
またデータ再生時においては、データ信号処理回路15内のPLLによって生成される再生クロック(デコード処理の基準となるクロック)が、現在のスピンドルモータ52の回転速度情報となるため、これを所定のCLV基準速度情報と比較することでスピンドルエラー信号を生成することもできる。
そしてスピンドルサーボ回路22は、スピンドルエラー信号に応じて生成したスピンドルドライブ信号を出力し、スピンドルドライバ27によりスピンドルモータ12のCLV回転を実行させる。
またスピンドルサーボ回路22は、システムコントローラ20からのスピンドルキック/ブレーキ制御信号に応じてスピンドルドライブ信号を発生させ、スピンドルモータ12の起動、停止、加速、減速などの動作も実行させる。
システムコントローラ20は、AVシステム100からのコマンドに応じて各種処理を実行する。
例えばAVシステム100から書込命令(ライトコマンド)が出されると、システムコントローラ20は、まず書き込むべきアドレスにピックアップ11を移動させる。そしてECC処理部17、記録パルス変換回路24により、AVシステム100から転送されてきたデータ(例えばMPEG方式などの各種方式のビデオデータや、オーディオデータ等)について上述したようにエンコード処理を実行させる。そしてエンコードされたデータに応じてレーザドライバ23がレーザ発光駆動することで記録が実行される。
その後、その指示されたデータ区間のデータをAVシステム100に転送するために必要な動作制御を行う。即ちディスク90からのデータ読出を行い、データ信号処理回路15、データ復号回路16、ECC処理部17におけるデコード/バファリング等を実行させ、要求されたデータを転送する。
さらには他の機器に接続されない形態もあり得る。その場合は、操作部や表示部が設けられたり、データ入出力のインターフェース部位の構成が、図1とは異なるものとなる。つまり、ユーザーの操作に応じて記録や再生が行われるとともに、各種データの入出力のための端子部が形成されればよい。
もちろん構成例としては他にも多様に考えられ、例えば記録専用装置、再生専用装置としての例も考えられる。
ECC処理部17の構成を図2に示す。なお、以下ではECCデコード系の構成及び動作を説明し、ECCエンコード系については説明を省略する。
ECC処理部17は、メモリ・バスコントローラ1、メインメモリ2、訂正デコード部3、消失ポインタメモリ4、消失ポインタ有効性メモリ5、消失ポインタ生成/補正部6、設定レジスタ7を有する。
訂正デコード部3は、メモリ・バスコントローラ1の制御によってメインメモリ2から供給されたデータに対してエラー訂正処理を行う。後述するが、この訂正デコード部3ではBIS(Burst Indicator Subcode)として後述するECCブロック内に付加された符号の訂正処理、消失ポインタ情報の生成、ユーザーデータのサンプルデータの訂正処理とその訂正処理結果に基づく消失ポインタの有効性判断、及びユーザーデータに対する消失ポインタを用いた消失訂正処理を行う。
消失ポインタメモリ4は、BIS訂正結果として得られるエラー位置を、消失ポインタ情報として記憶する。
消失ポインタ有効性メモリ5は、消失ポインタの有効性判断の結果としての情報を記憶する。
設定レジスタ7は、消失ポインタの有効性判断のためのサンプル数や、有効性判断条件の情報が記憶される。例えばユーザー設定或いは機種に応じた設定としてシステムコントローラ20により、これらの情報が書き込まれる。
ディスク90から読み出されデータ復号回路16で復号されてECC処理部17に供給されるデータDT1としてのECCブロック構造を説明する。
まず図3で、ディスク90に記録されるメインデータ(ユーザーデータ)に対するエラー訂正コードを説明する。
図3(a)に示すメインデータ64KBytesについては、図3(b)のようにECCエンコードされる。即ちメインデータは、1セクタ(=2048Bytes)について4BytesのEDC(error detection code)を付加し、32セクタに対し、LDCを符号化する。LDCはRS(248,216,33)、符号長248、データ216、ディスタンス33のRS(reed solomon)コードである。304の符号語がある。
一方、BISは、図3(c)に示す720Bytesのデータに対して、図3(d)のようにECCエンコードされる。即ちRS(62,30,33)、符号長62、データ30、ディスタンス33のRS(reed solomon)コードである。24の符号語がある。
このようにECCエンコード処理でエラー訂正コードが付加されたメインデータが、インターリーブされ、その後RLL変調されてディスク90に記録される。
ECCブロックは、38バイトのLDCのデータと、1バイトのBISにより構成されるフレーム構造が、フレームF0〜F495の496フレームが連続して形成される。
1フレームは、データ(38Bytes)、BIS(1Byte)、データ(38Bytes)、BIS(1Byte)、データ(38Bytes)が配された155Bytesの構造となる。つまり1フレームは38Bytes×4の152Bytesのデータと、38BytesごとにBISが1Byte挿入されて構成される。
なお図示していないが、各フレームの先頭にはフレームシンクが付加される。
このため、エラーが検出されたBISのシンボルは次のように使うことができる。
ECCのデコードの際、ECCブロックに含まれる1488BytesのBIS、つまり図3(d)の構造を抽出し、先にエラー訂正デコードする。図4のフレーム構造において隣接したBISあるいはフレームシンクの2つがエラーの場合、両者のあいだにはさまれたデータ38Bytesはバーストエラーとみなされる。このデータ38Bytesにはそれぞれ消失ポインタが付加される。LDCではこのエラーポインタをつかって、ポインターイレージャ訂正をおこなうことができ、LDCのみの訂正より、訂正能力を上げることができる。
消失ポインタは、このようにBISのデコード結果に基づいて生成される。
この他に、ECCブロックの外部情報を用いて消失ポインタを生成することもできる。例えばECC処理部17の前段のデータ復号回路16でのビタビ復号結果、コード違反検出等を元に、消失ポインタを生成できる。図5においては、フレームF8,F9の部分が、ビタビ復号結果に基づいて消失ポインタEPが生成された例を示している。
ECC処理部17で行われる本例の消失訂正処理について説明する。
図6は処理1〜処理12として、消失訂正デコードまでの処理の流れを示している。図6に示す各処理について、図7〜図16を参照しながら説明する。
ピックアップ11によりディスク90からデータ読出を行い、マトリクス回路14、データ信号処理回路15で再生データ信号を2値化するまでの処理を示している。
2値化された再生データ信号は、データ復号回路16でPRML等化及びビタビ復号が行われる。ビタビ復号により生成された復号データがECC処理部17に供給される。
上述したように、消失ポインタをビタビ復号結果から生成する場合もある。ここではビタビ復号結果で消失ポインタを生成する処理を外部消失ポインタ情報記憶の処理として示している。外部消失ポインタ情報記憶の処理で記憶された消失ポインタの情報は図2に破線で示すようにデータ復号回路16から消失ポインタ生成/補正部6に供給され、消失ポインタ生成に用いられる。
なお、以降の説明では消失ポインタ生成はBISデコード結果に基づいて行われる例で説明する。この外部消失ポインタ情報記憶については、消失ポインタ生成の例として挙げているのみである。もちろん消失ポインタは、BISデコード結果とビタビ復号結果の両方を用いて生成されても良いし、一方のみでもよい。
この処理4から処理12までがECC処理部17で実行される処理となる。
データ復号回路16で復号されたデータDT1は、図7の矢印(PS1)として示すように、ECC処理部17に供給されてメインメモリ2に格納される。この際に、デインターリーブ処理とBIS抽出処理が行われる。
データ復号回路16から供給されるデータDT1は、図4に示した物理配置イメージでのECCブロック構造を持つ。このECCブロック構造のデータがメインメモリ2上で論理配置の状態にデインターリーブされるとともにBIS符号が抽出される。
図10(a)は、図4で説明した物理配置としてのECCブロック構造を示している。4つの各38BytesのLDCと、3つの各1ByteのBISによる155Bytesのフレームが496フレームで構成される。
抽出された1488BytesのBISからは、図10(c)のように、24個のBIS訂正ブロック(BBK0〜BBK23)が形成される。
各BIS訂正ブロック(BBK0〜BBK23)は、それぞれ30BytesのBISデータと32バイトのBISパリティによる62Bytesで構成される。
図11(a)は物理配置のECCブロック構造における各38BytesのLDCを、データ単位X0,X1,X2・・・として示している。このデータ単位X0,X1,X2・・・はBISによって区切られている単位である。即ちこれはBISから得られる消失ポインタの区切りでもある。
図11(b)は論理配置されたECCブロック構造のデータ単位Y0,Y1,Y2・・・として示している。
データ単位Y0,Y1,Y2・・・は、それぞれ76Bytesである。
具体的には、図示するように、データ単位X0,X4のデータがデータ単位Y0に並び替えられる。
より詳細には、図12に示すように並び替えられる。図12(a)はデータ単位X0の38バイトをそれぞれデータ0−1、0−2・・・0−38として示し、またデータ単位X4の38バイトをそれぞれデータ4−1、4−2・・・4−38として示している。
この各データについて、データ単位X0,X4から交互に取り出されてデータ単位Y0として配置されていく。即ち、データ単位Y0の76Bytesは、図12(b)のように、データ0−1、データ4−1、データ0−2、データ4−2・・・データ0−38、データ4−38という順序で配列されたものとなる。
データ単位X1,X5のデータ → データ単位Y1、
データ単位X2,X6のデータ → データ単位Y2、
データ単位X3,X7のデータ → データ単位Y3、
データ単位X8,X12のデータ → データ単位Y4、
データ単位X9,X13のデータ → データ単位Y5、
データ単位X10,X14のデータ → データ単位Y6、
データ単位X11,X15のデータ → データ単位Y7、
・・・というように並び替えられていく。
例えば1行目ではデータ単位Y0,Y1,Y2,Y3が順に配置されるが、2行目の最初のデータ単位Y4は、行の先頭から所定バイト数(例えば6Byte)ずれた位置を先頭として配置される。そしてデータ単位Y4に続いてデータ単位Y5,Y6,Y7が配置されるが、データ単位Y7は、その後半部分が行の先頭に折り返した形で配置されることになる。
第3行目以降の行も同様に、それぞれ前の行より所定バイト数ずれた位置を先頭としてデータ単位Yが配置されていく。
上述のように物理配置のECCブロック構造から抽出されたBIS符号のエラー訂正デコードを行い、消失ポインタ情報を生成する。
即ち、図10(c)のように抽出されてメインメモリ2に格納されている24個のBIS訂正ブロック(BBK0〜BBK23)が、メモリ・バスコントローラ1の制御によって訂正デコード部3に転送され(図7の矢印PS2)、各BIS訂正ブロックBBKについて訂正デコード部3でエラー検出処理が行われる。つまり30BytesのBISデータについて32BytesのBISパリティを用いたエラー検出処理が行われる。
そして、このBIS符号についてのエラー検出処理によって消失ポインタ情報が得られる。つまり図5で説明したように、エラーとされたBIS符号に挟まれた間のLDCがバーストエラーとみなされる。
上記のBIS符号デコード結果として生成された消失ポインタ情報を消失ポインタメモリ4に記憶する(図7の矢印PS3)。つまりエラー検出された隣接するBIS符号の間のLDCの各バイトについて消失ポインタ情報がマップ情報として記憶される。
消失ポインタメモリ4は、例えば4×496bitsのメモリ領域として形成できる。つまり物理配置のECCブロック構造におけるデータ単位(X)毎で消失ポインタの有無を記憶すればよいためである。
処理7としてサンプル符号デコードが行われる。なお、この処理7から処理11までについては、各処理を説明した後に図16で処理のイメージを説明する。
処理7のサンプル符号デコードでは、上述のようにデインターリーブされた論理配置のECCブロック構造から一部のデータをサンプルし、そのサンプルした列についてエラー訂正処理を行う。
メモリ・バスコントローラ1は、論理配置のECCブロック構造から一部のデータとして所定の列にデータDTspを抽出して、図8に矢印(PS4)として示すように訂正デコード部3に供給する。
サンプルする列とは、図11(c)に示すようなデータである。論理配置のECCブロック構造における各列は、図11(c)のように216Bytesのユーザーデータと32Bytesのパリティから成る248Bytesのデータ構造とされているが、この1列につき248Bytesのデータが76符号間隔でそれぞれ(2×n)列サンプルされて訂正デコード部3に供給される。つまりECCブロックから4×(2×n)列がサンプルされる。
斜線部の列として示すように論理配置のECCブロック構造から、先頭の連続した2列がサンプルされ、さらに76符号間隔で、連続した2列づつサンプルされる。即ち、1列216Bytesのデータが、1つの論理配置のECCブロック構造から8列サンプルされることになる。
連続した2符号づつとする理由は、図12で説明したように、物理配置上の2つデータ単位(X)に対して、デインターリーブ時に、論理配置のECCブロック構造のデータ単位(Y)に対して交互に1Byteづつ論理配置されていくからである。
即ち、図13のようにn=1として76符号間隔で(2×n)列サンプリングしていくことは、物理配置のECCブロック構造における全てのポインタ区切りとしてのデータ単位(X0、X1,X2・・・)からnBytes(つまり1Byte)づつ抽出したものとなる。
図13のようにサンプルされる各列のデータを、物理配置のECCブロック構造上で示したものが図15である。n=1として76符号間隔で(2×n)列サンプリングしていくことは、図15のように物理配置のECCブロック構造の各データ単位(BIS符号で区切られるデータ単位X)から図示するようなイメージで1バイトづつがサンプリングされることになる。
データ単位Xは、BIS符号デコード結果による消失ポインタ情報が得られる単位であるため、全ての消失ポインタ情報の生成単位から1Byteづつがサンプリングされることを意味する。
斜線部の列として示すように論理配置のECCブロック構造から、先頭の連続した2×n列がサンプルされ、さらに76符号間隔で、連続した2×n列づつサンプルされる。即ち、1列248Bytesのデータが、1つの論理配置のECCブロック構造から4×(2×n)列(=8×n列)サンプルされることになる。
この場合は、上記説明から理解されるように、この場合は。全ての消失ポインタ情報の生成単位からnBytesづつがサンプリングされることになる。
このエラー訂正処理の結果を用いると、全ての消失ポインタ区切り中のnByteのデータ(nが2以上ならnBytesの連続データ)に対して、BIS符号デコード結果で得られた消失ポインタ情報の有効性を確認できるようになる。
上記処理6でBIS符号デコード結果で生成された消失ポインタ情報に基づいて消失ポインタ信号EPを生成し、訂正デコード部3に与える。即ち図8に矢印(PS5)として示すように、消失ポインタ出力/補正部6は消失ポインタメモリ4に記憶されている消失ポインタ情報(消失ポインタの位置を示すマップ情報)を参照し、上記処理7のサンプル符号デコードでサンプリングされる列データに対応する消失ポインタ信号EPを訂正デコード部3に供給する(矢印PS6)。
訂正デコード部3は、処理7としてのサンプル符号デコードの結果と、処理8で供給された消失ポインタの比較処理により、消失ポインタの有効性を判断して、その有効性の判断結果の情報を消失ポインタ有効性メモリ5に記憶する(図8の矢印PS7)。例えばマップ情報として、消失ポインタが誤っている位置の情報を記憶する。
この消失ポインタ有効性メモリ5は、消失ポインタメモリ4で示される消失ポインタ位置についての有効性情報を記憶すればよいため、4×496bitsのメモリ領域として実現できる。
消失ポインタ有効性メモリ5の情報を用いて、消失ポインタメモリ4の情報に基づく消失ポインタ信号の補正を行う。
即ち、消失ポインタ出力/補正部6は、消失ポインタメモリ4の情報を参照して生成する消失ポインタ信号(図9の矢印PS8)を、消失ポインタ有効性メモリ5の情報を参照して補正し(図9の矢印PS9)、補正した消失ポインタ信号EP’を訂正デコード部3に供給する(図9の矢印PS10)。
デインターリーブされた論理配置のECCブロック構造のデータに対して消失訂正としてのエラー訂正処理を行う。
即ちメモリ・バスコントローラ1の制御により、メインメモリ2に格納された論理配置のECCブロック構造から、全ての列データが読み出され、順次訂正デコード部3に供給される(図9の矢印PS11)。
訂正デコード部3は、この供給されたデータに対して、消失ポインタ出力/補正部6から供給される補正された消失ポインタ信号EP’を用いて消失訂正処理を行う。
訂正処理されたデータは、メモリ・バスコントローラ1の制御によってメインメモリ2に格納され(図9の矢印PS12)、所定タイミングで読み出されて再生データDT2として出力される(図9の矢印PS13)。例えば図1のAVシステム100に転送出力される。
また処理7,処理8,処理9で、消失ポインタの有効性が判断される。(有効性判断手段)
そして処理10として、有効性判断結果に基づいて消失ポインタを補正する。(消失ポインタ補正手段)
最後に処理11で、補正された消失ポインタを用いてデータDT1のエラー訂正処理を行うものとなる。(エラー訂正手段)
図16(a)は、処理6で消失ポインタ情報が記憶された消失ポインタメモリ4を示している。
処理7,処理8,処理9では、論理配置のECCブロック構造から8×n個の列データがサンプリングされ、訂正デコード部3に供給されるとともに、消失ポインタメモリ5の情報に基づいて消失ポインタ信号EPが訂正デコード部3に供給される。
ここで、サンプルされた列のデータDTspに対する消失ポインタ信号EPとして図16(b)に示す信号が発生されたとする。この消失ポインタ信号EPでは、消失ポインタep1、ep2、ep3により、データDTsp上で「×」を付した位置がエラーであると示しているとする。
ここで図16(b)の補正前の消失ポインタ信号EPと、図16(c)のデコード結果を比較すると、消失ポインタの有効性が判断できる。即ち消失ポインタが示す符号は、エラーが生じた符号であるはずなので、消失ポインタ信号EPの消失ポインタep1、ep2、ep3で示される符号は、図16(c)のデコード結果として「△」、つまり値の訂正が行われた符号となるはずである。
ところが、図16(b)の消失ポインタep2で示される符号は、図16(c)で「○」となっており、即ち元々エラーがなかった符号とされている。この場合消失ポインタep2が正しくないと判断できることになる。
つまり消失ポインタメモリ4の情報から生成された消失ポインタ信号EPと、サンプル符号デコード結果を比較することで、図16(d)に「●」として示すように消失ポインタが正しくない符号、つまり消失ポインタが付されているが、その消失ポインタが有効でない符号が判別できる。換言すれば、有効でない消失ポインタを判別できる。
このような有効でない消失ポインタの情報が、処理9として消失ポインタ有効性メモリ5(図16(e))に記憶される。
処理11として、図16(f)に示すように、有効でないと判断された消失ポインタep2が削除されるように補正された消失ポインタ信号EP’を用いて、論理配置のECCブロック構造のデータに対して消失訂正処理が行われることになる。この場合、消失ポインタ信号EP’における消失ポインタep1,ep3は信頼できるものとなるため、その消失ポインタep1,ep3によって「×」で示される符号をエラーと判断して行われる消失訂正は、消失ポインタを用いない通常の訂正処理よりも訂正能力が高いものとなる。
換言すれば、信頼できる消失ポインタを用いた消失訂正となるため、消失訂正能力を最大限に活用することが可能となる。
またリアルタイムに消失ポインタの有効性が判断されるため、再生装置の動作として好適であると共に、有効性の判断と、消失訂正で用いる消失ポインタの相関性が確保され、信頼性の高い動作となる。
処理時間として、(8×n)列のサンプル訂正処理にかかる時間が1つのECCブロック処理期間中に占める割合は、
(8×n)/304=n/38
である。例えばn=4として、消失ポインタ区切り中、連続4Bytesのデータをサンプルした場合でも10% 程度のレイテンシー増加で抑えることができる。
もちろん、n=1、n=2とすれば、より処理負担は小さくなるが、nの値を大きくするほど、消失ポインタの有効性判断の信頼性が高くなる。
従ってシステムの処理能力に応じて、nの値が設定されればよい。
消失ポインタの有効性判断のためのサンプル数としては、上記nの値が設定される。設定レジスタ7にnの値を記憶させることで、nの値を、システム構成・状態・レイテンシーを考慮して可変設定することが可能である。
例えば、8×nBytesをサンプルにおいてnを3以上とするとして、物理配置のECCブロック構造における各データ単位(X)から各3バイト以上づつがサンプリングされるとしたとき、
1)消失ポインタが示す連続するnBytes全てがエラーであったときに、その消失ポインタが有効。
2)消失ポインタが示す連続するnBytesのうち、(n−1)Bytesがエラーであったときに、その消失ポインタが有効。
3)消失ポインタが示す連続するnBytesのうち、(n−2)Bytesがエラーであったときに、その消失ポインタが有効。
というような有効性判断条件を選択設定できるようにする。
このように有効性判断条件もシステム構成・状態・エラー訂正能力等を考慮して可変設定することで、システムに適した処理を実現できる。
例えばCD、DVD等の光ディスクに対する再生装置やそのエラー訂正処理装置、更にはHDD等におけるエラー訂正処理部としても適用できる。
また記録媒体から再生したデータのエラー訂正処理に限らず、例えば通信装置において受信したデータのエラー訂正処理などにも本発明は適用できる。
Claims (9)
- 入力データに対してエラー箇所を判定し、エラー箇所を示す消失ポインタを生成する消失ポインタ生成手段と、
上記消失ポインタ生成手段で生成された消失ポインタの有効性を判断する有効性判断手段と、
上記有効性判断手段による判断結果に基づいて、上記消失ポインタ生成手段で生成された消失ポインタを補正する消失ポインタ補正手段と、
上記消失ポインタ補正手段で補正された消失ポインタを用いて入力データのエラー訂正処理を行うエラー訂正手段と、
を備えたことを特徴とするエラー訂正処理装置。 - 上記入力データは、第1の符号についてのエラー訂正ブロック単位内に、第2の符号が挿入されており、
上記消失ポインタ生成手段は、上記第2の符号を抽出し、該第2の符号のエラー検出を行うことで、上記第1の符号に対する消失ポインタを生成することを特徴とする請求項1に記載のエラー訂正処理装置。 - 上記有効性判断手段は、エラー訂正ブロック単位の入力データから、上記第1の符号のうちの一部のデータを抽出し、抽出した一部のデータのエラー訂正処理結果を用いて、上記消失ポインタ生成手段で生成された消失ポインタの有効性を判断することを特徴とする請求項2に記載のエラー訂正処理装置。
- 上記有効性判断手段は、エラー訂正ブロック単位の入力データにおける上記第1の符号についてデインターリーブ処理を行った後のエラー訂正ブロックから、一部のデータを抽出することを特徴とする請求項3に記載のエラー訂正処理装置。
- 上記有効性判断手段による上記第1の符号のうちの一部のデータの抽出は、上記エラー訂正ブロック単位内で、上記第2の符号のエラー検出に基づく消失ポインタの生成対象となる全てのデータ単位から少なくとも1符号づつ抽出されるように行われることを特徴とする請求項3に記載のエラー訂正処理装置。
- 上記有効性判断手段による上記第1の符号のうちの一部のデータの抽出に関し、その抽出量を可変設定する設定手段を、さらに備えたことを特徴とする請求項3に記載のエラー訂正処理装置。
- 上記有効性判断手段による消失ポインタの有効性判断の条件を可変設定する設定手段を、さらに備えたことを特徴とする請求項3に記載のエラー訂正処理装置。
- 入力データに対してエラー箇所を判定し、エラー箇所を示す消失ポインタを生成する消失ポインタ生成ステップと、
上記消失ポインタ生成ステップで生成された消失ポインタの有効性を判断する有効性判断ステップと、
上記有効性判断ステップによる判断結果に基づいて、上記消失ポインタ生成ステップで生成された消失ポインタを補正する消失ポインタ補正ステップと、
上記消失ポインタ補正ステップで補正された消失ポインタを用いて入力データのエラー訂正処理を行うエラー訂正ステップと、
を備えたことを特徴とするエラー訂正処理方法。 - 記録媒体から読み出されて入力された入力データに対してエラー箇所を判定し、エラー箇所を示す消失ポインタを生成する消失ポインタ生成手段と、
上記消失ポインタ生成手段で生成された消失ポインタの有効性を判断する有効性判断手段と、
上記有効性判断手段による判断結果に基づいて、上記消失ポインタ生成手段で生成された消失ポインタを補正する消失ポインタ補正手段と、
上記消失ポインタ補正手段で補正された消失ポインタを用いて入力データのエラー訂正処理を行うエラー訂正手段と、
を備えたことを特徴とする再生装置。
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