JP2007010373A - 振動測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電気設備に非接触で電気設備の検査作業を行うことを可能とする、振動測定装置を提供する。
【解決手段】振動測定装置1は、レーザードップラ振動計2、演算処理装置3、記憶装置4及びディスプレイ5等を備えて構成される。レーザードップラ振動計2は、測定対象8に照射光9を照射し、その反射光10を受光することにより測定対象8の測定対象振動波14を算出する。演算処理装置3は、測定対象振動波14と基準波12の比較に基づき、基準時間に対する基準時間振動波15を算出する。記憶装置4は、基準時間振動波15が記憶し、ディスプレイ5は、基準時間振動波15を表示する。このような構成を備えることにより、少なくとも電気設備の二箇所で測定された電気設備の基準時間振動波15の位相を比較することができ、電気設備の二箇所間での相識別作業を行うことを可能にするものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電力系統等に設置される電気設備の振動を測定する振動測定装置に関する。詳しくは、電気設備に波動を照射して電気設備の振動波を検出し、基準波との比較に基づき基準時間に対する時間的変動を算出することにより、異なる測定時間に測定された電気設備の各振動波同士について、同一時間の変動として時間的変動を比較できるようにして、電気設備の検査作業を容易に行うことを可能とするものである。
一般に、電力系統においては、発電所、変電所の間は三相交流により送電される。各変電所と送電鉄塔の間は、例えば赤相、白相、青相の三相送電線が架設されている。
このような電力系統においては、各種の工事等の作業を行う際に、各相を識別する相識別(検相)作業が必要となる。
これについて、送電線で接続された二地点の間で、伝送信号及び返答信号のやり取りを行うことにより、相識別作業等を行う検相器が提案されている(例えば、特許文献1)。
特許文献1に開示される検相器では、作業時に、二つの検相器が、送電線で接続されて遠方に離隔された二地点にそれぞれ設置される。また、それぞれの検相器から信号用直流電源による直流電流を送電線の各相に重畳させて、伝送信号が出力される。
一地点から他地点への伝送信号の送信、他地点での伝送信号の受信及び、他地点から一地点への返答信号の送信、一地点での返答信号の受信を、所定の時間間隔及び所定の順序で、各相について行う。
これにより、送電線の各相識別、断線及び接地を判定可能としたものである。
また、上記とは別に課電又は通電状態の物体が振動していることを利用し、電気設備の導体部に波動を照射することにより、電気設備の導体部の振動を検出し、導体部の課電状態又は通電状態を確認する課電通電検出装置が提案されている(例えば、特許文献2、特許文献3)。
特許文献2に開示される課電通電検出装置は、電気設備の導体部に波動を照射し、入射波の振動数と反射波の振動数に基づいて導体部の振動を検出する振動検出器と、検出された導体部の振動数及び振動振幅に基づいて課電又は通電状態を判定する演算処理装置を備える。
このような構成により、電気設備の課電状態又は通電状態を容易に把握することを可能としたものである。
特許文献3に開示される課電通電検出装置は、電気設備の導体部に特定周波数の電磁波を照射し導体部に振動を発生させる電磁波発生器を備える。更に特許文献3に開示される課電通電検出装置は、電気設備の導体部に波動を照射し、入射波の振動数と反射波の振動数に基づいて導体部の振動を検出する振動検出器と、検出された導体部の振動数及び振動振幅に基づいて課電又は通電状態を判定する演算処理装置を備える。
このような構成により、課電電圧又は通電電流が小さい場合であっても、電気設備の課電状態又は通電状態を容易に把握することを可能としたものである。
また、上記とは別に、多重振動音波を碍子に付与することによる、振動検出装置における送電線路用碍子の振動付与方法が提案されている(例えば、特許文献4)。
特許文献4に開示される振動検出装置における送電線路用碍子の振動付与方法では、送電線路用碍子に対しその共振振動数付近の振動数成分を含む多重振動音波を付与する。更に、レーザードップラ振動計により碍子の共振周波数が測定される。
このような方法により、碍子に振動を与える音波の周波数をスイープさせる装置を不要にし、振動検出装置の計測可能な時間が短くても碍子の振動検出作業を行うことを可能とするものである。
特開平11−326420号公報 特開2003−215174号公報 特開平06−242077号公報 特開2002−333457号公報
しかし、前述した特許文献1の検相器では、相識別作業を行う際に、検相器をフックを介して各送電線に直接接触させる必要がある。
このため、送電線をはじめ各種の電気設備に近づいて作業を行う必要があり、誤って高圧箇所に触れてしまう等の事故を起こす恐れがある。
また、高所に架設されている送電線に対して相識別作業を行う際には、送電鉄塔に登る、クレーンにより作業箇所に近づく等が必要になり、作業性が悪くなってしまう。
更に、相識別作業時は、二台の検相器を用い、それぞれを作業場所に設置し、二台の検相器を連携させて作業を行う必要があり、作業性が悪い問題があった。
また、特許文献2及び特許文献3の課電通電検出器は、電気設備の振動を測定することにより、課電状態又は通電状態を判定するものであり、三相送電線等において相識別作業に用いることはできない。また、電気設備の異常(ネジの緩み、絶縁部分の異常やクラック等、以下クラック等という)で振動に変化が現れるものの診断も行うことができない。
また、特許文献4の振動検出装置における送電線路用碍子の振動付与方法では、碍子の振動状態を測定する際に、音波を碍子に対して付与する必要があり作業性が悪くなる問題があった。また、音波による騒音発生の問題もあった。
また、電気設備の二次元又は三次元の振動の測定・解析をするためには、二台又は三台の振動測定器を用い、異なる方向から同時に振動の測定を行う必要があり、測定に必要な設備が大掛かりになってしまう問題があった。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、電気設備に非接触で電気設備の検査作業を行うことができる振動測定装置を提供することを目的とする。
上述した問題を解決するため、請求項1の発明に係る振動測定装置は、電気設備の振動を測定する振動測定装置であって、電気設備に波動を照射し、その反射波を受波することで、照射波と反射波に基づいて電気設備の振動波を検出する振動検出部と、振動検出部にて検出された電気設備の振動波と基準波を比較して、電気設備の振動波の基準時間に対する時間的変動を求め、電気設備の基準時間振動波を算出する演算処理部と、少なくとも電気設備の二箇所で測定された電気設備の基準時間振動波を記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶された電気設備の複数箇所の基準時間振動波の情報を出力する出力手段を備えたことを特徴とするものである。
請求項1の発明に係る振動測定装置では、振動検出部により、測定対象の電気設備に波動を照射して、その反射波を受波する。更に、照射した照射波と、受波した反射波に基づき電気設備の振動波を検出する。
その後、演算処理部により、検出された電気設備の振動波と基準波を比較し、基準時間に対する時間的変動である電気設備の基準時間振動波を算出する。また、記憶手段により電気設備の基準時間振動波を記憶する。
記憶手段には、電気設備の少なくとも二箇所で測定された基準時間振動波が記憶され、出力手段は、電気設備の少なくとも二箇所で測定された基準時間振動波の情報を出力する。
その後、出力手段により、電気設備の二箇所で測定された基準時間振動波の情報を出力する。
このような構成により、少なくとも電気設備の二箇所で測定された電気設備の基準時間振動波の位相を比較することにより、電気設備の二箇所間での相識別を行う。
上述した問題を解決するため、請求項6の発明に係る振動測定装置は、電気設備の振動を測定する振動測定装置であって、電気設備に波動を照射し、その反射波を受波することで、照射波と反射波に基づいて電気設備の振動波を検出する振動検出部と、振動検出部にて検出された電気設備の振動波と基準波を比較して、電気設備の振動波の基準時間に対する時間的変動を求め、電気設備の基準時間振動波を算出する演算処理部と、電気設備の同一の測定箇所に対して、二測定地点又は三測定地点から、異なる方向で測定された電気設備の基準時間振動波の情報に基づき、電気設備の二次元又は三次元の振動情報を算出する振動演算処理部と、電気設備の基準時間振動波及び、電気設備の二次元又は三次元の振動情報を記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶された電気設備の二次元又は三次元の振動情報を出力する出力手段を備えたことを特徴とするものである。
請求項6の発明に係る振動測定装置では、振動検出部により、測定対象の電気設備に波動を照射して、その反射波を受波する。更に、照射した照射波と、受波した反射波に基づき電気設備の振動波を検出する。
その後、演算処理部により、検出された電気設備の振動波と基準波を比較し、基準時間に対する時間的変動である電気設備の基準時間振動波を算出する。
更に、振動演算処理部により、電気設備の同一の測定箇所に対して、二測定地点又は三測定地点から、異なる方向で測定された電気設備の基準時間振動波の情報に基づき、電気設備の二次元又は三次元の振動情報を算出する。
また、記憶手段により電気設備の基準時間振動波及び、電気設備の二次元又は三次元の振動情報を記憶する。
更に、出力手段により、電気設備の基準時間振動波及び、電気設備の二次元又は三次元の振動情報を出力する。
このような構成により、算出された電気設備の二次元又は三次元の振動情報に基づき電気設備の診断を行う。
請求項1の発明に係る振動測定装置によれば、電気設備に対して複数の箇所で振動波を測定し、各振動波の基準時間に対する時間的変動を算出し、各振動波を同一時間の変動として位相の比較を行うことにより、電気設備に非接触で相識別作業を行うことができる。
これにより、相識別作業を容易に行うことができる。更に、電気設備より離れた場所から作業を行うことができるので、作業時に誤って高圧箇所に触れてしまう等の事故を防ぐことができる。
また、一つの振動測定装置で相識別作業を行うことができ、作業性を向上させることができる。
請求項6の発明に係る振動測定装置によれば、電気設備の同一箇所に対して、異なるタイミングで、異なる方向から振動波を測定し、電気設備の二次元又は三次元の振動情報を求めることにより、電気設備の診断を行うことができる。
これにより、一つの振動測定装置で容易に電気設備の診断作業を行うことができる。
以下図面を参照して、本発明の振動測定装置の実施の形態について説明する。
<第一の実施の形態の振動測定装置の構成例>
図1から図3は、第一の実施の形態の振動測定装置1の構成を示す説明図である。図1は、振動測定装置1により電気設備の振動を測定する構成の概要を示す説明図である。図2は振動測定装置1を示す概略ブロック図であり、図3は振動測定装置1を示す詳細ブロック図である。
また、図1においては、電気設備として、例えば60Hzの交流電流が通電し、赤相17a、白相17b、青相17cの三相の各送電線17dからなる三相送電線17を示している。
振動測定装置1は、例えば次に説明するような構成となる。図1から図3に示すように、振動測定装置1は、レーザードップラ振動計2、演算処理装置3、記憶装置4、ディスプレイ5、レーザーポインタ6及びカメラ7を備えて構成される。
レーザードップラ振動計2は、振動検出部の一例であり、例えば図3に示すような構成となる。レーザードップラ振動計2は、クロック波11を生成するクロック生成器2a及び、クロックの分周及び分配を行うクロック分周・分配器2bを備える。
更に、レーザードップラ振動計2は、測定対象8に対して照射光9を照射する発光部2c及び、測定対象8で反射された反射光10を受光する受光部2fを備える。
更に、レーザードップラ振動計2は、周波数フィルタ2g、サンプリング部2d及び測定開始/停止スイッチ2eを備える。
クロック分周・分配器2bは、クロック生成器2aで生成されたクロック波11が入力される。クロック分周・分配器2bは、入力されたクロック波11の分周を行い、基準波12として、発光部2c、サンプリング部2d及びレーザードップラ振動計2の外部に分配する。
発光部2cは、基準波12が入力される。また、発光部2cはレーザーダイオード等を備え、入力された基準波12の電気信号を光信号に変換し、例えば基準波12と同一の振動数を持つ照射光9を発光する。照射光9は照射波の一例である。
受光部2fは反射光10を受光する。受光部2fは、フォトダイオード等を備え、受光した反射光10の光信号を電気信号に変換し、反射光振動波13として出力する。反射光10は反射波の一例である。
周波数フィルタ2gは、反射光振動波13が入力される。周波数フィルタ2gは、入力された反射光振動波13のノイズ除去を行い、ノイズの除去された反射光振動波13を出力する。
サンプリング部2dは、ノイズの除去された反射光振動波13と、基準波12が入力される。サンプリング部2dは、基準波12と反射光振動波13に基づき、測定対象8の振動波である測定対象振動波14を算出し、出力する。
また、測定開始/停止スイッチ2eは、クロック分周・分配器2bと、発光部2c及びサンプリング部2dの間に備えられる。測定開始/停止スイッチ2eを入れると、クロック分周・分配器2bから発光部2c及びサンプリング部2dに対して基準波12が分配される。また、測定開始/停止スイッチ2eを切ると、発光部2c及びサンプリング部2dに対する基準波12の分配が停止される。
演算処理装置3は、例えばCPU(Central Processing Unit)等を備えて構成される。演算処理装置3には、測定対象振動波14と基準波12が入力され、測定対象振動波14及び基準波12に基づき、測定対象8の基準時間振動波15を算出する。演算処理装置3は演算処理部の一例である。
図4は、演算処理装置3により、測定対象8の基準時間振動波15を算出する方法の説明図である。図4(a)は測定対象振動波14と基準波12について同一時間での時間的変動を示したものである。基準波12の所定の時間的変動箇所を基準時間の開始時間とする。図4(a)では、矢印Tで示すように、クロック波形である基準波12の立ち上がりのタイミングを基準時間の開始時間としている。
演算処理装置3は、測定対象振動波14の変動時間を基準時間に変更し、基準時間振動波15を算出する。図4(b)は、算出された基準時間振動波15を示したものである。
また、異なるタイミングで測定された測定振動波14から算出された基準時間振動波15を、同一時間の変動として時間的変動を比較できるようにする必要がある。このため、測定対象振動波14の周波数の1/Nの周波数の基準波12を使用する必要がある。
図1に示す例では、送電線17dに交流電流60Hzが通電されているため、通電されている周波数の二倍の周波数120Hzで振動している。よって、図1に示す例では、基準波12としては、120Hz、60Hz等の周波数を用いる必要がある。
また、図3で示した例では、レーザードップラ振動計2にて照射光9に用いられる基準波と、演算処理装置3で用いられる基準波に、クロック分周・分配器2bから分配される同一の基準波12を用いる構成とした。しかし、レーザードップラ振動計2にて照射光9に用いられる基準波と、演算処理装置3で用いられる基準波を、それぞれ別の周波数を持つ振動波を用いる構成としてもよい。
記憶装置4は、基準時間振動波15が入力される。記憶装置4は基準時間振動波15を記憶し、測定結果16として出力する。
カメラ7は測定対象8の撮影を行い、撮影画像18を出力する。また、レーザーポインタ6は、測定対象8の測定ポイント23を示すレーザーを照射する。
ディスプレイ5は、測定結果16と撮影画像18が入力され、測定結果16と撮影画像18を表示する。ディスプレイ5は表示装置の一例である。
また、上述した、振動測定装置1では、レーザードップラ振動計2により、測定対象8に波動として光を照射して、測定対象8の測定対象振動波14を算出する構成とした。しかし、波動として、音波又は電磁波を測定対象8に照射して、測定対象8の測定対象振動波14を算出するような構成としてもよい。
<第一の実施の形態の振動測定装置の動作例>
次に、図1等で説明した振動測定装置1の動作例を説明する。
振動測定装置1では、図3等で説明したレーザードップラ振動計2により、測定対象8に対して、照射光9を照射し、その反射光10を受光することにより、測定対象振動波14を算出する。
レーザードップラ振動計2の動作例を次に示す。まず、クロック波11が、クロック生成器2aにより生成され、クロック分周・分配器2bに入力される。
その後、クロック分周・分配器2bは、入力されたクロック波11を分周し、基準波12として、発光部2c、サンプリング部2d及び、レーザードップラ振動計2の外部に分配する。レーザードップラ振動計2の外部に分配された基準波12は、演算処理装置3に入力される。
発光部2cは、入力された基準波12の電気信号を光信号に変換し、例えば基準波12と同一の振動数を持つ照射光9を発光する。照射光9は、測定対象8に対して照射される。
受光部2fは、測定対象8で照射光9が反射された反射光10を受光する。受光部2fは、反射光10の光信号を電気信号に変換し、反射光振動波13として出力する。反射光振動波13は、周波数フィルタ2gにてノイズ除去され、サンプリング部2dに入力される。また反射光振動波13は、周波数フィルタ2gによるノイズ除去が行われずに、サンプリング部2dに入力されるとしてもよい。
サンプリング部2dは、基準波12と反射光振動波13に基づき、測定対象8の振動波である測定対象振動波14を算出する。測定対象振動波14は、レーザードップラ振動計2の外部に出力される。
また、クロック分周・分配器2bと、発光部2c及びサンプリング部2dの間に、測定開始/停止スイッチ2eが備えられている。測定開始/停止スイッチ2eを入れることにより、発光部2cとサンプリング部2dに基準波12が供給され、レーザードップラ振動計2による測定対象振動波14の測定が開始される。
測定開始/停止スイッチ2eを切ることにより、発光部2cとサンプリング部2dへの基準波12の供給が停止され、レーザードップラ振動計2による測定対象振動波14の測定は停止する。
レーザードップラ振動計2より出力された測定対象振動波14及び基準波12は、演算処理装置3に入力される。演算処理装置3は、図4等で説明した方法により、測定対象振動波14及び基準波12に基づき、基準時間振動波15を算出し、出力する。
基準時間振動波15は、記憶装置4に入力され、記憶される。記憶装置4に記憶された基準時間振動波15は、測定結果16としてディスプレイ5に入力され、ディスプレイ5にて表示される。
図3に示す測定対象8は、例えば、図1に示す送電線17dの導体部であるa,b,c等であり、振動測定装置1は、各測定箇所で測定された基準時間振動波15を記憶装置4に記憶する。更に、振動測定装置1は、各測定箇所で測定された基準時間振動波15をディスプレイ5で表示する。
図5から図8は、ディスプレイ5のディスプレイ表示部5aでの各測定結果16の表示例である。図5及び図6は、図1に示す三相送電線17において、相の異なる送電線17dの測定箇所a,b及びcでの測定結果を示したものであり、図7及び図8は、図1に示す三相送電線17において、同一相(赤相17a)の測定箇所a,a’及びa’’での測定結果を示したものである。
図4で説明した通り、測定対象8の測定対象振動波14を基準波12との比較により、基準時間に対する時間的変動である基準時間振動波15が算出される。このため、異なるタイミングで測定された測定対象8の基準時間振動波15を、同一の基準時間に対する時間的変動として比較することが可能になる。
図5(a)は、三相送電線17の相の異なる測定箇所a,b及びcでの基準時間振動波15の測定結果を、周波数フィルタ2gにてノイズ除去が行われない状態で、周波数の成分を表示した例を示したものである。図1に示す例では、送電線17dに交流電流60Hzが通電されているため、通電されている周波数の二倍の周波数120Hzで振動している。よって、図5(a)に示す例では120Hzにて大きな値が示されている。
また、図5(a)のmにて示すように、他の測定箇所と異なる周波数に大きな値を示しているものについては、その測定箇所については異常などが発生していると判断することができる。
このように、各測定箇所で測定されたノイズ除去が行われない状態の基準時間振動波15について、周波数の成分を比較することが可能となる。
図5(b)及び図5(c)は、三相送電線17の測定箇所a、b及びcでの基準時間振動波15の測定結果を、波形で表示した表示例である。図5(b)は周波数フィルタ2gにてノイズ除去が行われない例を示したものであり、図5(c)は周波数フィルタ2gにてノイズ除去が行われ、例えば120Hzの成分を表示した例を示したものである。
三相送電線17においては、それぞれの相の送電線は120°の位相差で交流電流が通電しているため、図5(c)に示すように、基準時間振動波15もそれぞれ120°の位相差を持った状態となる。
図6(a)は、三相送電線17の測定箇所a、b及びcでの基準時間振動波15の測定結果を、特定の周波数の成分についてベクトルで表示した表示例である。図6(a)は、基準時間振動波15の測定結果の120Hzの成分についてベクトル表示している。図5(c)と同様に、各相の基準時間振動波15が120°の位相差を持った状態で表示される。
図6(b)は、三相送電線17の測定箇所a,b及びcでの基準時間振動波15の測定結果を、数値で表示した表示例である。各測定箇所について、時間と振動の変位が数値にて表示される。
図7(a)は、三相送電線17の同一相(赤相17a)の測定箇所a,a’及びa’ ’での基準時間振動波15の測定結果を、周波数フィルタ2gにてノイズ除去が行われない状態で、周波数の成分を表示した例を示したものである。図5(a)と同様に、120Hzにて大きな値が示されている。
図7(b)及び図7(c)は、三相送電線17の測定箇所a,a’及びa’ ’での基準時間振動波15の測定結果を、波形で表示した表示例である。図7(b)は周波数フィルタ2gにてノイズ除去が行われない例を示したものであり、図7(c)は周波数フィルタ2gにてノイズ除去が行われ、例えば120Hzの成分を表示した例を示したものである。同一相の測定結果であるため、各測定結果の振動に位相差がない状態で表示される。
図8(a)は、三相送電線17の測定箇所a,a’及びa’ ’での基準時間振動波15の測定結果を、特定の周波数の成分についてベクトルで表示した表示例である。図8(a)は、基準時間振動波15の測定結果の120Hzの成分についてベクトル表示している。図7(c)と同様に、同一相の測定結果であるため、位相差がない状態で表示される。
図8(b)は、三相送電線17の測定箇所a,a’及びa’ ’での基準時間振動波15の測定結果を、数値で表示した表示例である。各測定箇所について、時間と振動の変位が数値にて表示される。
このように、振動測定装置1では、異なるタイミングで測定された測定対象8の基準時間振動波15を、同一時間の変動として比較することができ、位相差の有無を確認することができる。
図9は、カメラ7により撮影された測定対象8を、ディスプレイ5のディスプレイ表示部5aに表示した状態を示す説明図である。図1及び図3に示すように、カメラ7により電気設備の測定対象8が撮影される。撮影された撮影画像18がディスプレイ5に入力され、図9に示すように、ディスプレイ5のディスプレイ表示部5aにて表示される。
また、レーザーポインタ6により測定対象8に対して、測定ポイント23を示すためのレーザーが照射される。図9に示すように、カメラ7による撮影画像18がディスプレイ5に表示される際は、レーザーポインタ6により示された測定ポイント23も表示される。
また、図9に示すように、例えばディスプレイ5に測定時間24が表示される。
次に、図1に示す三相送電線17において、測定箇所a,b,cのある作業場所Eと、a’’,b’’,c’’のある作業場所Fにおいて相識別作業を行う方法を説明する。
図10は、振動測定装置1による相識別作業の際のディスプレイ5のディスプレイ表示部5aの画面表示例を示す説明図である。図10(a)は波形で表示した状態を示し、図10(b)はベクトルで表示した状態を示しており、それぞれ三相送電線17の測定箇所a,a’’,b’’及びc’’での振動波の測定結果を示している。
まず、作業場所Eにおいて、赤相17aの送電線17dの測定箇所aにて、振動測定装置1により基準時間振動波15を測定する。次に、作業場所Fにおいて、三相各相の送電線17dの測定箇所a’’,b’’及びc’’にて、振動測定装置1により基準時間振動波15を測定する。
その後、各測定箇所a,a’’,b’’及びc’’で測定された基準時間振動波15の位相差を比較する。図10(a)及び図10(b)に示すように、測定箇所aとa’’は同一の相であるため、基準時間振動波15に位相差がない状態で表示される。
これに対して、測定箇所a,b’’及びc’ ’ではそれぞれ相が異なるため、基準時間振動波15に位相差がある状態で表示される。
このように、測定した基準時間振動波15の位相を比較することにより、測定箇所a及びa’’は同一の相であり、a,b’’及びc’’はそれぞれ異なる相であるという判別を行い、相識別を行う。
また、上述した振動測定装置1による相識別作業方法では、各測定箇所の基準時間振動波15の位相の比較を、人間が行うこととしたが、CPU等を備えた演算処理装置等により、各測定箇所の基準時間振動波15の位相の比較を自動で行い、相識別を行うこととしてもよい。
振動測定装置1では、このように、各測定箇所の基準時間振動波15の位相を比較することで、相識別作業を容易に行うことができる。
また、非接触で、電気設備より離れた場所から、電気設備の振動波を測定することができるので、作業時に誤って高圧箇所に触れてしまう等の事故を防ぐことができる。
また、一つの振動測定装置1のみで相識別作業を行うことができるので、作業性を向上させることができる。
<第二の実施の形態の振動測定装置の構成例>
次に、第二の実施の形態の振動測定装置19の構成例について説明する。図11から図13は、第二の実施の形態の振動測定装置19の構成を示す説明図である。図11は、振動測定装置19により電気設備の振動を測定する構成の概略を示す説明図である。図12は振動測定装置19を示す概略ブロック図であり、図13は振動測定装置19を示す詳細ブロック図である。
なお、振動測定装置19において、図1等で説明した振動測定装置1と同様の構成を備えるものについては、同一の符号を付している。
また、図11においては、図1と同様に、電気設備として、例えば60Hzの交流電流が通電している赤相17a、白相17b、青相17cの三相の送電線17dからなる、三相送電線17を示している。
また、図14は、振動測定装置19により、三測定地点A、B及びCから測定対象8の振動を測定する状態を示す説明図である。測定対象8の電気設備として、ブッシング25を示している。
振動測定装置19は、例えば次に示すような構成となる。図11から図13に示すように、振動測定装置19は、レーザードップラ振動計2、演算処理装置3、振動演算処理装置20,記憶装置4、ディスプレイ5、レーザーポインタ6、カメラ7及び測定地点検出装置24を備えて構成される。
このうちレーザードップラ振動計2、演算処理装置3、レーザーポインタ6及びカメラ7については、図1等で説明した第一の実施の形態の振動測定装置1と同様の構成となる。
レーザードップラ振動計2は、振動検出部の一例であり、振動測定装置1と同様に、次のような構成となる。図13に示すように、レーザードップラ振動計2は、クロック生成器2a、クロック分周・分配器2b、発光部2c、受光部2f、周波数フィルタ2g、サンプリング部2d及び測定開始/停止スイッチ2eを備える。
レーザードップラ振動計2を構成するそれぞれ構成要素は、図3等で説明した振動測定装置1と同様の構成となる。
レーザードップラ振動計2は、発光部2cより測定対象8に照射光9を照射し、その反射波10を受光部2fにて受光する。照射光9は照射波の一例であり、反射光10は反射波の一例である。
レーザードップラ振動計2は、照射光9と反射光10に基づき、測定対象8の振動波である測定対象振動波14を算出し、出力する。更に、レーザードップラ振動計2は、クロック分周・分配器2bにより分配された基準波12を出力する。
演算処理装置3は、演算処理部の一例であり、振動測定装置1と同様に、CPU等を備えて構成される。演算処理装置3は、測定対象振動波14と基準波12が入力され、測定対象振動波14の変動時間を基準時間に変更し、基準時間振動波15を算出する。
演算処理装置3により、基準時間振動波15を算出する方法は、図4等で説明した方法と同様である。
測定地点検出装置24は、振動測定装置19により測定対象8の基準時間振動波15を測定する際の位置情報である測定地点情報21を検出し、出力する。図15は、基準時間振動波15及び測定地点情報21の例である。
図15に示すように測定地点情報21として、例えば、測定地点緯度、測定地点経度、測定方向の南北方向に対する水平方向角度(図14のθA,θB,θC)、測定方向の仰角角度(図14のΦA,ΦB,ΦC)及び、測定対象8と測定地点の測定距離が記憶装置4に記憶される。これらの測定地点情報21を得るためには、例えば、測定地点検出装置24として、GPS(Global Positioning System)等を用いてもよい。
記憶装置4は、基準時間振動波15及び測定地点情報21が入力される。図15に示すように、記憶装置4は、三測定地点で測定された基準時間振動波15及び測定地点情報21を記憶する。
振動演算処理装置20は、例えばCPU等を備えて構成される。振動演算処理装置20は、記憶装置4より三測定地点で測定された基準時間振動波15及び測定地点情報21が入力され、三測定地点で測定された基準時間振動波15及び測定地点情報21に基づき、測定対象8の三次元の振動情報23を算出する。振動演算処理装置20は振動演算処理部の一例である。
以下、図16を用いて、異なる三測定方向から測定された振動波の情報及び、三測定方向の角度の情報を基に、測定対象の三次元の振動情報を算出する方法を説明する。
それぞれの振動波の測定情報をベクトル演算することにより、測定対象の三次元の振動情報は算出される。図16において、振動の測定を行う異なる三方向をそれぞれ、測定方向ZZ、測定方向ZX、測定方向ZYとする。測定方向ZZはZ軸上にある。測定方向ZXは、Z−X平面上で測定方向ZZとδの角度をなす方向にある。測定方向ZYは、Z−Y平面上で測定方向ZZとψの角度をなす方向にある。
ここで、測定対象の三次元の振動のベクトルをV、ベクトルVのX軸、Y軸、Z軸方向の成分をそれぞれVX,VY,VZとする。また、ベクトルVの測定方向ZX方向、測定方向ZY方向の成分をそれぞれVZX,VZYとする。VZX及びVZYは以下の式(1)、式(2)に示すように表される。
Figure 2007010373
式(1)、式(2)より、VX及びVYは以下の式(3)、式(4)のように表される。
Figure 2007010373
式(3)、式(4)より、測定対象の三次元の振動のベクトルをVは、VZ,VZX,VZYを用いて以下の式(5)のように表される。
Figure 2007010373
以上のように、異なる三測定方向からの振動波の測定情報及び、三測定方向の角度の情報を基に、測定対象の三次元の振動情報を算出することが可能である。
このような方法により、振動演算処理装置20は、三測定地点の各基準時間振動波15及び測定地点情報21に基づき、測定対象8の三次元の振動情報23を算出する。
また、図14から図16では、三測定地点で測定された各基準時間振動波15及び測定地点情報21に基づき、測定対象8の三次元の振動情報23を算出する例を示したが、二測定地点で測定された各基準時間振動波15及び測定地点情報21に基づき、測定対象8の二次元の振動情報23を算出することも、同様の方法により可能である。
振動演算処理装置20は、測定対象8の振動情報23を出力し、記憶装置4に入力する。
記憶装置4は、測定対象8の振動情報23を記憶し、測定結果16として出力する。
カメラ7は、振動測定装置1と同様に、測定対象8の撮影を行い、撮影画像18を出力する。また、レーザーポインタ6も、振動測定装置1と同様に、測定対象8の測定ポイント23を示すレーザーを照射する。
ディスプレイ5は、測定結果16と撮影画像18が入力され、測定結果16と撮影画像18を表示する。ディスプレイ5は表示装置の一例である。
<第二の実施の形態の振動測定装置の動作例>
次に、図11等で説明した振動測定装置19の動作例を説明する。
振動測定装置19では、振動測定装置1と同様に、レーザードップラ振動計2により、測定対象8に対して、照射光9を照射し、その反射光10を受光することにより、測定対象振動波14を算出する。レーザードップラ振動計2の動作は、図3等で説明した振動測定装置1と同様である。
レーザードップラ振動計2は、測定対象8に照射光9を照射し、その反射光10を受光する。更に、レーザードップラ振動計2は、照射光9と反射光10に基づき、測定対象振動波14を算出し、出力する。また、レーザードップラ振動計2は、基準波12を出力する。
レーザードップラ振動計2より出力された測定対象振動波14及び基準波12は、演算処理装置3に入力される。演算処理装置3の動作も、図3、図4等で説明した振動測定装置1と同様である。演算処理装置3は、図4等で説明した方法により、測定対象振動波14及び基準波12に基づき、基準時間振動波15を算出し、出力する。
また、測定地点検出装置24により、測定地点情報21が検出され、出力される。測定地点検出装置24より出力された基準時間振動波15及び測定地点情報21は、記憶装置4に入力され、記憶される。更に、記憶装置4に記憶された基準時間振動波15及び測定地点情報21は、記憶装置4より出力され、振動演算処理装置20に入力される。振動演算処理装置20は、図14から図16等で説明した方法により、測定対象8の振動情報23を算出し、出力する。
振動情報23は、記憶装置4に入力され、記憶される。記憶装置4に記憶された振動情報23は、測定結果16としてディスプレイ5に入力され、ディスプレイ5にて表示される。
図13に示す測定対象8は、例えば、図11に示すブッシング25a,25b,25c等であり、振動測定装置19は、各測定対象8で測定された振動情報23を記憶装置4に記憶する。更に、振動測定装置19は、各測定対象8で測定された振動情報23をディスプレイ5で表示する。
図17は、ディスプレイ5による測定対象8の三次元の振動情報23の表示例である。図17(a)は三次元の振動情報23をベクトルで表示したものであり、図17(b)は、三次元の振動情報23を波形で表示したものである。図17(a)及び図17(b)は、二つの異なる測定対象8の振動情報23をそれぞれJ、Kで示している。
ベクトルによる表示では、図17(a)に示すように、測定対象8の振動情報23が、座標表示と共に三次元で表示される。これにより、異なる測定対象8の振動情報23であるJとKについて、振動の方向及び振動の大きさを比較することができる。
波形による表示では、図17(b)に示すように、測定対象8の振動情報23について、振動の大きさを比較することができる。
また、図11等で説明した振動測定装置19では、レーザードップラ振動計2の内部のクロック分周・分配器2bから出力される基準波12を用いて、基準時間振動波15を算出する構成とした。しかし、例えば、60Hzの交流電流が通電している赤相17aの電流又は電圧の時間変動を基準波として用いて、基準時間振動波15を算出する構成としてもよい。
更に、電気機器以外の回転機を測定対象8とする場合、回転機の回転周期を基準波として用いてもよい。エンジンなど点火プラグにより点火を行う回転機を測定対象8とする場合は、点火のタイミングを基準波として用いてもよい。
また、振動測定装置19においても、図1等で説明した振動測定装置1と同様に、図11及び図13に示すように、カメラ7により電気設備の測定対象8が撮影される。撮影された撮影画像18がディスプレイ5に入力され、図9に示すように、ディスプレイ5にて表示される。
また、振動測定装置19においても、振動測定装置1と同様に、レーザーポインタ6により測定対象8に対して、測定ポイント23を示すためのレーザーが照射される。図9に示すように、カメラ7による撮影画像がディスプレイ5に表示される際は、レーザーポインタ6により示された測定ポイント23も表示される。
次に、図11等で説明した振動測定装置19による、電気設備の診断作業方法について説明する。具体的には、図11に示すブッシング25a,25b及び25cの振動を測定することにより、ブッシング25a,25b及び25cのクラック等の発生の有無の診断作業方法について説明する。
図17等で説明したように、振動測定装置19では、異なる測定対象8の振動情報23について、振動の方向及び振動の大きさを比較することができる。
図18は、振動測定装置19による電気設備の診断作業の際のディスプレイ5の画面表示例を示す説明図である。図18(a)はベクトルで表示した状態を示し、図18(b)は波形で表示した状態を示しており、それぞれ図11のブッシング25aの振動情報23(La)、ブッシング25bの振動情報23(Lb)及び、ブッシング25cの振動情報23(Lc)の測定結果を示している。
図9の三相送電線17では、それぞれ60Hzの交流電流が通電しており、通電されている周波数の二倍の周波数120Hzで振動している。このため、それぞれの送電線17dを支持しているブッシング25a,25b及び25cも、送電線17dの振動により、同様に120Hzで振動している。
また、雷等によりブッシング25にクラック等が発生した場合、クラック等が発生していない正常なブッシング25と比較して振動の方向、大きさが異なるようになる。
このため、三相送電線17にて、それぞれの送電線17dを支持している三つのブッシング25a,25b及び25cについて、振動情報23を比較し、他のブッシングと振動の方向、大きさが異なるものについては、クラック等の発生の異常が生じているものと判断することができる。
図18(a)に示す例では、ブッシング25aの振動であるLaとブッシング25bの振動であるLbは、ほぼ同一の方向及び大きさを示している。しかし、ブッシング25cの振動であるLcは、LaとLbと比較して、方向及び大きさにおいて異なっている。このような場合、ブッシング25cにクラック等の発生の異常が生じていると判断する。
また、図18(b)に示す例では、ブッシング25aの振動であるLaとブッシング25bの振動であるLbは、ほぼ同一の大きさを示している。しかし、ブッシング25cの振動であるLcは、LaとLbと比較して大きさが、異なっている。このような場合も、ブッシング25cにクラック等の発生の異常が生じていると判断する。
以上のような方法により、ブッシング25等のクラック等の発生の有無を確認することができる。
また、上述した例では、三つのブッシング25の振動情報23を比較し、振動の方向、大きさが異なるブッシング25の有無を確認することにより、クラック等の発生の異常を確認するとした。
この方法とは別に、予め、クラック等の発生していない正常なブッシング25について振動情報23を測定しておき、診断対象のブッシング25の振動情報23の測定結果と、正常なブッシング25の振動情報23を比較することにより、診断対象のブッシング25のクラック等の発生の有無を判断することとしてもよい。
また、診断対象のブッシング25の振動情報23の測定結果と、同一のブッシング25についての前回の測定結果を比較することにより、クラック等の発生の有無を判断することとしてもよい。
また、変圧器内においては、漏洩電流が生じた場合に、漏洩電流の発生していない正常な変圧器と比較して振動の大きさ、方向は異なるようになる。このため、振動測定装置19を用いて変圧器の振動情報23を測定することにより、変圧器内の漏洩電流の発生の有無も確認することができる。
また、図18等で説明したブッシング25のクラック等の発生の有無の診断方法では、三測定地点で測定された基準時間振動波15及び測定地点情報21に基づき、測定対象の三次元の振動情報23を算出し、振動の方向及び大きさを比較する例を示した。
しかし、二測定地点で測定された基準時間振動波15及び測定地点情報21に基づき、測定対象の二次元の振動情報23を算出し、振動の方向及び大きさを比較する方法により、クラック等の発生の有無を診断することも可能である。
また、上述した振動測定装置19によるクラック等の発生の有無の診断作業方法では、各測定箇所で測定した振動情報23の振動の方向及び大きさの比較を、人間が行うこととしたが、CPU等を備えた演算処理装置等により、各測定箇所で測定した振動情報23の振動の方向及び大きさの比較を自動で行い、クラック等の発生の有無を診断することとしてもよい。
このように、第二の実施の形態の振動測定装置19によれば、電気設備の同一箇所に対して、異なる方向から測定対象振動波14を測定し、電気設備の二次元又は三次元の振動情報23を求めることにより、ブッシング25のクラック等の発生の有無、ネジの緩みの有無、変圧器の漏洩電流発生の有無等の電気設備の診断を、容易に行うことができる。
本発明は、電気設備の振動を測定して電気設備の検査作業を行う、振動測定装置に適用される。
第一の実施の形態の振動測定装置の一例を示す説明図である。 第一の実施の形態の振動測定装置の一例を示す説明図である。 第一の実施の形態の振動測定装置の一例を示す説明図である。 基準時間振動波の算出方法を示す説明図である。 第一の実施の形態の振動測定装置の画面表示例である。 第一の実施の形態の振動測定装置の画面表示例である。 第一の実施の形態の振動測定装置の画面表示例である。 第一の実施の形態の振動測定装置の画面表示例である。 第一、第二の実施の形態の振動測定装置の画面表示例である。 第一の実施の形態の振動測定装置による相識別作業の説明図である。 第二の実施の形態の振動測定装置の一例を示す説明図である。 第二の実施の形態の振動測定装置の一例を示す説明図である。 第二の実施の形態の振動測定装置の一例を示す説明図である。 第二の実施の形態の振動測定装置による振動測定方法を示す説明図である。 第二の実施の形態の振動測定装置による振動測定方法を示す説明図である。 第二の実施の形態の振動測定装置による振動測定方法を示す説明図である。 第二の実施の形態の振動測定装置の画面表示例である。 第二の実施の形態の振動測定装置による電気設備の診断作業の説明図である。
符号の説明
1 振動測定装置
2 レーザードップラ振動計
3 演算処理装置
4 記憶装置
5 ディスプレイ
7 カメラ
9 照射光
10 反射光
12 基準波
14 測定対象振動波
15 基準時間振動波
19 振動測定装置
20 振動演算処理装置

Claims (10)

  1. 電気設備の振動を測定する振動測定装置であって、
    前記電気設備に波動を照射し、その反射波を受波することで、照射波と反射波に基づいて前記電気設備の振動波を検出する振動検出部と、
    前記振動検出部にて検出された前記電気設備の振動波と基準波を比較して、前記電気設備の振動波の基準時間に対する時間的変動を求め、前記電気設備の基準時間振動波を算出する演算処理部と、
    少なくとも前記電気設備の二箇所で測定された前記電気設備の基準時間振動波を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された前記電気設備の複数箇所の基準時間振動波の情報を出力する出力手段を備えた
    ことを特徴とする振動測定装置。
  2. 前記出力手段は、表示装置を有する
    ことを特徴とする請求項1記載の振動測定装置。
  3. 前記表示装置は、前記電気設備の基準時間振動波の情報をベクトルで表示する
    ことを特徴とする請求項2記載の振動測定装置。
  4. 前記表示装置は、前記電気設備の基準時間振動波の情報を波形で表示する
    ことを特徴とする請求項2記載の振動測定装置。
  5. 前記表示装置は、前記電気設備の基準時間振動波の情報を数値で表示する
    ことを特徴とする請求項2記載の振動測定装置。
  6. 電気設備の振動を測定する振動測定装置であって、
    前記電気設備に波動を照射し、その反射波を受波することで、照射波と反射波に基づいて前記電気設備の振動波を検出する振動検出部と、
    前記振動検出部にて検出された前記電気設備の振動波と基準波を比較して、前記電気設備の振動波の基準時間に対する時間的変動を求め、前記電気設備の基準時間振動波を算出する演算処理部と、
    前記電気設備の同一の測定箇所に対して、二測定地点又は三測定地点から、異なる方向で測定された前記電気設備の基準時間振動波の情報に基づき、前記電気設備の二次元又は三次元の振動情報を算出する振動演算処理部と、
    前記電気設備の基準時間振動波及び、前記電気設備の二次元又は三次元の振動情報を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された前記電気設備の二次元又は三次元の振動情報を出力する出力手段を備えた
    ことを特徴とする振動測定装置。
  7. 前記出力手段は、表示装置を有する
    ことを特徴とする請求項6記載の振動測定装置。
  8. 前記表示装置は、前記電気設備の二次元又は三次元の振動情報をベクトルで表示する
    ことを特徴とする請求項7記載の振動測定装置。
  9. 前記表示装置は、前記電気設備の二次元又は三次元の振動情報を波形で表示する
    ことを特徴とする請求項7記載の振動測定装置。
  10. 測定対象の前記電気設備を撮影するカメラを有し、
    前記表示装置において、前記カメラで撮影された前記電気設備及び測定箇所を表示する
    ことを特徴とする請求項2乃至5又は7乃至9のいずれかに記載の振動測定装置。
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