JP2007010103A - 車両用パワーユニット及び該パワーユニットを搭載した車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】可動シーブをトップ側に駆動する際の電動モータの駆動力を軽減できる車両用パワーユニットを提供する。
【解決手段】車両用パワーユニットにおいて、プライマリシーブ40の可動シーブ49に装着されたシーブ側ギヤ61と、該シーブ側ギヤ61に噛合し、電動モータ60の回転を該シーブ側ギヤ61に伝達するモータ側ギヤ62とを備え、該モータ側ギヤ62と上記シーブ側ギヤ61はハスバ歯車により構成されており、かつ該モータ側ギヤ62の回転により上記シーブ側ギヤ61を軸方向移動させるときに上記可動シーブ49をトップ側に付勢するスラスト力が発生する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、プライマリシーブとセカンダリシーブとに伝動ベルトを巻回してなる無段変速機と、電動モータにより上記プライマリシーブのベルト巻径を変化させる巻径制御機構とを備えた車両用パワーユニットに関する。
例えば、最近のスクータ型自動二輪車では、エンジン回転数,車速等に基づいて電動モータによりプライマリシーブのベルト巻径をロー位置とトップ位置との間で自動的に変化させるようにしたパワーユニットを搭載する場合がある。
この種のパワーユニットとして、例えば、特許文献1では、プライマリシーブの可動シーブに軸受を介してスライダギヤを相対回転可能に装着し、該スライダギヤの外周歯に電動モータの回転伝達ギヤを噛合させ、内周歯に軸方向送りギヤを噛合させる構造が採用されている。上記電動モータの回転はスライダギヤを介して上記可動シーブの軸方向移動に変換される(特許文献1の図2,図5参照)。
実公平7−41960号公報
ところで、上記パワーユニットでは、可動シーブをロー位置からトップ側に移動させるのに必要な駆動力を有する電動モータを採用することとなる。ところが、上記巻径制御の内容の如何によっては必要な駆動力が大きくなり、それに伴って電動モータが大型化するとともに重量が増えるという問題がある。
本発明は、上記従来の状況に鑑みてなされたもので、可動シーブをトップ側に駆動するのに必要な電動モータの駆動力を軽減でき、ひいては電動モータの小型化,軽量化を図ることができる車両用パワーユニットを提供することを目的としている。
本発明は、エンジンの出力が入力されるプライマリ軸に装着されたプライマリシーブ,駆動力が取り出されるセカンダリ軸に装着されたセカンダリシーブ及び上記プライマリシーブ,セカンダリシーブに巻回された伝動ベルトを備えた無段変速機と、アクチュエータからの回転力を上記プライマリシーブを構成する可動シーブの軸方向移動力に変換することにより該プライマリシーブのベルト巻径を変化させる巻径制御機構とを備えた車両用パワーユニットであって、上記巻径制御機構は、上記可動シーブに装着されたシーブ側ギヤと、該シーブ側ギヤに噛合し、上記アクチュエータからの回転力を該シーブ側ギヤに伝達するアクチュエータ側ギヤとを備え、該アクチュエータ側ギヤと上記シーブ側ギヤはハスバ歯車により構成されており、かつ該アクチュエータ側ギヤの回転により上記シーブ側ギヤを軸方向移動させるときに上記可動シーブをトップ側に付勢するスラスト力が発生することを特徴としている。
本発明に係る車両用パワーユニットによれば、アクチュエータ側ギヤとシーブ側ギヤをハスバ歯車により構成し、アクチュエータ側ギヤの回転によりシーブ側ギヤを軸方向に移動させるときに可動シーブをトップ側に付勢するスラスト力を発生させるようにしたので、このスラスト力の分だけアクチュエータに必要な駆動力を軽減でき、アクチュエータを小型化,軽量化できる。
またアクチュエータの回転をハスバ歯車によりシーブ側ギヤに伝達するので、例えば平歯車等の他の歯車に比べて駆動力の伝達効率を高めることができ、伝達ロスを低減できる。
図1ないし図9は、本発明の一実施形態による車両用パワーユニットを説明するための図である。本実施形態では、スクータ型自動二輪車に搭載されるパワーユニットの場合を説明する。なお、本実施形態でいう前後,左右とは、シートに着座した状態での前後,左右を意味する。
図において、1はスクータ型自動二輪車を示しており、これは以下の概略構造を有している。不図示のアンダーボーン型車体フレームのヘッドパイプによりフロントフォーク2が枢支され、該フロントフォーク2の下端には前輪3が、上端には操向ハンドル4がそれぞれ配置されている。また上記車体フレームの中央部にはシート5が搭載され、さらに車体フレームのシート5の下方にはユニットスイング式パワーユニット6が上下揺動可能に搭載され、該パワーユニット6の後端部には後輪7が配置されている。
上記フロントフォーク2の周囲はフロントカバー8で、上記シート5下方の周囲はサイドカバー9でそれぞれ覆われている。上記フロントカバー8とサイドカバー9との間には左,右のステップボード10,10が配設されている。
上記パワーユニット6は、エンジン14と、該エンジン14の動力を後輪7に伝達する無段変速機15と、該無段変速機15のベルト巻径を可変制御する巻径制御機構16とを備えている。
上記エンジン14は、気筒軸線を大きく前倒させて搭載された水冷式4サイクル単気筒エンジンであり、クランク軸17が収容されたクランクケース18の前合面にシリンダブロック19,シリンダヘッド20が結合され、該シリンダヘッド20にヘッドカバー21が装着されている。
上記シリンダヘッド20の上壁部20aには吸気ポート(不図示)に連通する吸気管22が接続されている。この吸気管22は上壁部20aから車両後方に屈曲して延びており、該吸気管22の後端にはスロットルボディ23が接続されている。このスロットルボディ23はシリンダブロック19の上方に位置するよう配置されている。
上記無段変速機15は、上記クランクケース18の左側部から車両後方に延びるよう設けられた伝動ケース25内に収容されている。この伝動ケース25は、上記クランクケース18に一体形成されて後輪7まで延びるケース本体26と、該ケース本体26の左側合面に着脱可能に装着されたケースカバー27とを備えている。このケースカバー27の外側には伝動ケース25内に走行風を導入する空気導入カバー(不図示)が装着されている。
上記ケース本体26の前下壁部には、下方に突出する懸架部26aが一体形成されている。この懸架部26aには前方に延びる前ボス部26bが形成され、該前ボス部26bは不図示のピボット軸により車体フレームに回動可能に支持されている。また懸架部26aにはオイルフィルタ29が装着されている。
上記ケース本体26の後端壁には後方に突出する後ボス部26cが一体形成され、該ボス部26cには車体フレームに連結されたリヤクッションユニット28の下端部が連結されている。
上記クランク軸17は、左,右ジャーナル部17a,17aに配置された軸受30,30を介してクランクケース18により支持されており、該ジャーナル部17aとクランクケース17との間はシール部材35によりシールされている。
また上記クランク軸17の左端にはプライマリ軸部17bが左ジャーナル部17aから左側に突出するように一体形成されており、該プライマリ軸部17bは上記伝動ケース25内に位置している。
上記プライマリ軸部17bの左端部は、スペーサ31,軸受32を介して上記ケースカバー27により支持されている。
上記無段変速機15は、エンジン14の出力が入力される上記プライマリ軸部17bに装着されたプライマリシーブ40と、後輪(駆動輪)7への出力が取り出されるセカンダリ軸41に装着されたセカンダリシーブ42と、上記プライマリシーブ40及びセカンダリシーブ42に巻回されたゴム製又は樹脂製の伝動ベルト43とを備えている。ここで、図4〜図6において、実線は伝動ベルト43のロー位置を、二点鎖線はトップ位置を示している。
上記プライマリシーブ40は、上記プライマリ軸部17bに共に回転するようスプライン嵌合された円筒状のカラー部材48と、該カラー部材48に軸方向移動可能にかつ該カラー部材48と共に回転するよう装着された可動シーブ49と、上記カラー部材48の左端面に当接するよう上記プライマリ軸部17bにスプライン嵌合され、ロックナット33により軸方向移動不能に固定された固定シーブ50とを備えている。
上記可動シーブ49は、上記カラー部材48上に装着された筒体部49aを備えており、該筒体部49aには軸方向に延びるスリット49bが形成されている。上記可動シーブ49は、上記スリット49b内に挿入されたキー47を上記カラー部材48に嵌合させることにより、軸方向移動可能にかつカラー部材48と共に回転するようになっている。
また固定シーブ50の外側面には半径方向に延びる多数の冷却ファン50aが周方向に所定間隔をあけて一体形成されている。この冷却ファン50aにより冷却風を伝動ケース25内に導入するようになっている。
上記伝動ケース25の後端部にはケース本体26とギヤケース44とで独立した油室44aが形成されている。この油室44a内には、上記セカンダリ軸41の右側半部41aが挿入されており、該右側半部41aと平行にメイン軸45,ドライブ軸46が配置されている(図4,図6参照)。このドライブ軸46のケース本体26から突出した部分に上記後輪7が装着されている。
上記セカンダリ軸41の右側半部41aは、ケース本体26,ギヤケース44によりそれぞれ軸受47a,47bを介して支持されている。またセカンダリ軸41の左端部は、スペーサ36,軸受37を介して上記ケースカバー27により支持されている。
上記セカンダリシーブ42は、上記セカンダリ軸41の左側半部41bに左,右の軸受51a,51bを介して回転自在にかつ軸方向移動不能に装着された固定シーブ52と、該固定シーブ52に軸方向移動可能にかつ該固定シーブ52と共に回転するよう装着された可動シーブ53とを備えている。
上記固定シーブ52は、上記セカンダリ軸41に装着された円筒状のカラー部52aを備えている。また上記可動シーブ53は、上記カラー部52aに装着された円筒状の筒体部53aを備えており、該筒体部53aには軸方向に延びるスリット53bが形成されている。上記可動シーブ53は、上記スリット53b内に挿入されたキー57を上記カラー部52aに固定することにより、軸方向移動可能にかつ該カラー部52aと共に回転するようになっている。
上記可動シーブ53は、該可動シーブ53と後述するウェイトアーム55aとの間に配設されたばね54によりセカンダリシーブ42の有効径が大きくなる方向に付勢されている。
上記セカンダリシーブ42の左側のカラー部52aとセカンダリ軸41との間には遠心式クラッチ55が介設されている。この遠心式クラッチ55は、上記カラー部52aにウェイトアーム55aを該カラー部52aと共に回転するよう嵌合固定し、該ウェイトアーム55aにウェイト55bをセカンダリ軸41と平行な軸線回りに径方向に揺動可能に装着し、上記ウェイト55bの外方を囲む略碗状のアウタクラッチ55cを上記セカンダリ軸41に共に回転するよう嵌合固定した構造となっている。
セカンダリシーブ42の回転速度が上昇するに伴ってウェイト55bが遠心力で径方向外側に移動し、アウタクラッチ55cの内面に当接し、これによりセカンダリシーブ42の回転がセカンダリ軸41に伝達される。該セカンダリ軸41の回転は上記メイン軸45,ドライブ軸46を介して後輪7に伝達される。
上記巻径制御機構16は、上記変速ケース25の前端部に斜め上向きに膨出形成された巻径制御室25a内に配設されている。この巻径制御機構16は、電動モータ(アクチュエータ)60からの回転力を上記プライマリシーブ40の可動シーブ49の軸方向移動力に変換することにより該プライマリシーブ40のベルト巻径をロー位置とトップ位置との間で自動的に可変制御するようになっている。上記電動モータ60の回転はエンジン回転速度,車速等に基づいて、不図示のコントローラにより制御される。なお、上記アクチュエータは、電動モータに限定されるものではなく、例えば油圧モータであっても良い。
上記巻径制御機構16は、上記電動モータ60からの回転力を可動シーブ49側のシーブ側ギヤ61に伝達する回転伝達ギヤ部58と、シーブ側ギヤ61の回転力を可動シーブ49の軸方向移動力に変換する軸方向変換ギヤ部59とを有している。
上記回転伝達ギヤ部58は、上記シーブ側ギヤ61と、該シーブ側ギヤ61に噛合するモータ側ギヤ62と、上記電動モータ60の回転を減速してモータ側ギヤ62に伝達する減速大ギヤ66,減速小ギヤ67bとを備えており、詳細には以下の構造となっている。
上記電動モータ60は、ケース本体26の外側で、かつシリンダブロック19とスロットルボディ23との間に配置されており、該ケース本体26の外側壁に複数のボルト63により固定されている。この電動モータ60の回転軸60aに形成された出力ギヤ60bはケース本体26を貫通して巻径制御室25a内に突出している。
上記減速大ギヤ66は上記出力ギヤ60bに噛合し、減速ギヤ軸67に圧入により固定されている。また上記減速小ギヤ67bは上記減速ギヤ軸67に一体形成され、上記モータ側ギヤ62に噛合している。
そしてこのモータ側ギヤ62はモータ側ギヤ軸65に装着されている。このモータ側ギヤ62は、モータ側ギヤ軸65に径方向に挿通されたピン75により該モータ側ギヤ軸65と共に回転するようになっている。
上記モータ側ギヤ軸65及び減速ギヤ軸67の両端部65a,67aは中央部より小径に形成されており、該両端部65a,67aが軸受68,69を介して伝動ケース25により軸方向移動不能に支持されている。
ここで車両側方から見ると、上記電動モータ60の回転軸60a,減速ギヤ軸67及びモータ側ギヤ軸65は、上記プライマリ軸部17bを中心とした円弧上に、かつプライマリシーブ40の外周に沿うよう配置されている(図2,図4参照)。
また上記モータ側ギヤ軸65の前側にはセンサ軸70が配置されており、該センサ軸70に装着されたセンサギヤ71にはモータ側ギヤ62の一端に形成されたセンサ駆動ギヤ62bが噛合している。このセンサ軸70には検出ギヤ70aが形成されている。そして上記伝動ケース25の前端壁の検出ギヤ70aに臨む部分に回転数センサ72が配置されており、該回転数センサ72の入力ギヤ72aに上記検出ギヤ70aが噛合している。このようにして上記モータ60の回転状態ひいては上記可動シーブ49の軸方向移動位置が検出されるようになっている(図4,図8参照)。
上記モータ側ギヤ62は、樹脂製であり、上記減速小ギヤ67bに噛合する大径ギヤ部62aと、上記センサギヤ71に噛合する小径ギヤ部62bとを有している。
そして上記モータ側ギヤ62の大径ギヤ部62a,上記シーブ側ギヤ61及び減速小ギヤ67bはハスバ歯車により構成されている。このハスバ歯車は、各歯が軸線に対して斜めにねじれており、各歯のねじれ角の設定により上記シーブ側ギヤ61をトップ側に付勢するスラスト力の大きさが設定される。このようにして上記電動モータ60の回転が減速大ギヤ66,減速小ギヤ67bにより減速されてモータ側ギヤ62に伝達され、該モータ側ギヤ62の回転により上記シーブ側ギヤ61に伝達され、この際に該シーブ側ギヤ61ひいては可動シーブ49をトップ側に付勢するスラスト力が発生する。また上記モータ側ギヤ62に作用するスラスト反力は、モータ側ギヤ62からピン75を介してモータ側ギヤ軸65伝達される。
ここで、上記モータ側ギヤ軸65にモータ側ギヤ62とは別に減速平歯車を装着し、該減速平歯車に電動モータ60側の平歯車を噛合させてもよい。このようにした場合には、モータ側ギヤ62とシーブ側ギヤ61のみをハスバ歯車とすることとなる。
上記軸方向変換ギヤ部59は、上記可動シーブ49に固定された筒体部49aに装着されたスライド筒体80と、該スライド筒体80により軸受81を介して回転自在に支持された可動側送りねじ部材82と、該可動側送りねじ部材82に噛合し、ケース本体26に回り止めされた固定側送りねじ部材83と、該固定側送りねじ部材83とプライマリ軸部17bとの間に配置された芯出し軸受84とを備えており、詳細には以下の構造となっている。
上記スライド筒体80は、可動シーブ49の筒体部49aにサークリップ85により軸方向移動不能にかつ可動シーブ49と共に回転するよう固定されている。
このスライド筒体80は、左半部の大径部80bと該大径部80bに対して段落ち形成された右半部の小径部80aとを有している。該小径部80aに上記軸受81が圧入され、該軸受81はサークリップ86によりスライド筒体80に対して軸方向移動不能となっている。
上記可動側送りねじ部材82は円筒状をなしており、上記軸受81は該可動側送りねじ部材82の内周面の左側部分に圧入され、サークリップ87により軸方向移動不能に固定されている。これにより可動側送りねじ部材82は、軸受81を介してスライド筒体80により回転自在に支持されている。
上記可動側送りねじ部材82の外周面の左側端部にはボス部82bが形成され、該外周面の残りの部分には雄ねじ82aが形成されている。このボス部82bに上記シーブ側ギヤ61がプレートカバー88を介在させて圧入により結合されている。このシーブ側ギヤ61は、電動モータ60の最大トルク値より少し大きい値、例えば1.1倍程度のトルクを伝達可能の嵌合力でもって上記ボス部82bに圧入されている。これにより例えば軸受81の焼き付き等の何らかの原因でシーブ側のギヤ61に過大トルクが作用した場合には、シーブ側ギヤ61が可動側ねじ部材82に対して相対回転することとなり、いわゆるトルクリミッタとして機能する。
上記シーブ側ギヤ61は、上記軸受81と径方向に重なっており、かつ可動側送りねじ部材82のボス部82b及び雄ねじ82aの左側半部と径方向に重なっている。具体的には、上記シーブ側ギヤ61は、環状の圧入部61aと該圧入部61aからエンジン側に偏位するよう形成されたギヤ部61bとを有しており、該ギヤ部61bはこれの略全幅が上記雄ねじ82aと重なっている。なお、上記シーブ側ギヤ61を可動側送りねじ部材82とを別部品としたので、上記雄ねじ82aの加工が可能となっている。
上記芯出し軸受84は、可動側,固定側送りねじ部材82,83の芯出しをするためのものであり、軸受支持部材90を介してプライマリ軸部17bに支持されている。
上記軸受支持部材90は、外側に開口する円筒状の保持部90aと、該保持部90aの底壁をなす円板状のフランジ部90bとを備えており、該フランジ部90bにはプライマリ軸部17bが挿通可能な大きさの挿通孔90cが形成されている。この保持部90aはフランジ部90bの外周縁より少し径方向内側に位置するよう形成されている。
上記軸受支持部材90の保持部90aの外周面に上記芯出し軸受84が圧入により結合されている。そしてこの芯出し軸受84は、上記可動シーブ49がロー位置にあるとき、上記スライド筒体80の小径部80aの一部と径方向に重なるように配置されている。即ち、カラー部材48と軸受支持部材90の保持部90aとの間には、ロー位置における可動シーブ49の筒体部49a及びスライド筒体80の端部が進入可能な空間aが形成されている。
上記フランジ部90bは、プライマリ軸部17bに形成された段部17dに係合しており、該段部17dと上記カラー部材48の内端面とで軸方向に移動不能に挟持されている。具体的には、フランジ部90bの挿通孔90cにプライマリ軸部17bを挿通させるとともに該フランジ部90bを段部17dに当接させ、プライマリ軸部17bにカラー部材48を装着して、該カラー部材48の内端面を上記フランジ部90bに当接させ、次いで固定シーブ50,スペーサ31を装着し、ロックナット33を締め付ける。これにより上記軸受支持部材90はカラー部材48,固定シーブ50及びスペーサ31とともにプライマリ軸部17bに共締め固定されている。
上記ケース本体26には、上記固定側送りねじ部材83を支持する概ね環状の固定側支持部材92がボルト91により固定されている。この固定側支持部材92は、上記保持部90aを囲むように形成された内筒部92aと、該内筒部92aに続いて径方向外側に延びるフランジ部92bとを備えている。
上記内筒部92aの内周面に上記芯出し軸受84が圧入により結合されており、該固定側支持部材92は軸受84を介して上記軸受支持部材90ひいてはプライマリ軸部17bと同軸をなすよう支持されている。
上記フランジ部92bの外周部には環状の段部92dが形成されている。この段部92dに上記固定側送りねじ部材83の右側端部83bが嵌合されている。該右側端部83bには支持プレート93が結合されており、該支持プレート93を上記フランジ部92bに締結部材94で締結固定することにより、上記固定側送りねじ部材83は固定側支持部材92に固定されている。
上記固定側送りねじ部材83は円筒状をなしており、これの内周面に上記可動側送りねじ部材82の雄ねじ82aに噛合する雌ねじ83aが形成されている。
また上記固定側送りねじ部材83の外周面には環状のシール溝83cが形成されており、該シール溝83c内には上記プレートカバー88の内周面に摺接するシール部材95が装着されている。このプレートカバー88及び固定側,可動側送りねじ部材83,82で囲まれた部分が上記雄ねじ82a,雌ねじ83aの噛合部への潤滑剤を貯留する貯留室bとなっている。
上記支持プレート93の外縁部にはロー側ストッパ部93aが上記シーブ側ギヤ61に対向するよう折り曲げ形成されている。このロー側ストッパ部93aにシーブ側ギヤ61を当接させることにより可動シーブ49のロー位置を規制している。
またプライマリシーブ40の可動シーブ49及び固定シーブ50の互いに対向する内側基部には、それぞれ平坦なトップ側ストッパ面49c.50cが機械加工により形成されている。このストッパ面49c,50cは、走行距離が略ゼロの新車時において伝動ベルト43がトップ位置にある場合に、両ストッパ面49c,50c間に2mm程度の隙間が形成されるよう設定されている。そして走行距離の延長に伴って伝動ベルト43が磨耗すると、上記ストッパ面49c,50c同士が当接し、これにより可動シーブ49のトップ位置を規制するようになっている。
アクセル操作に伴ってエンジン回転数が上昇すると、該エンジン回転数に応じて予め設定されたベルト巻径となるよう電動モータ60の回転が制御される。該電動モータ60の回転は減速大ギヤ66,小ギヤ67bを介してモータ側ギヤ62に伝達され、さらにモータ側ギヤ62からシーブ側ギヤ61に伝達される。シーブ側ギヤ61が回転すると、可動側送りねじ部材82がシーブ側ギヤ61とともに上記電動モータ60の回転量に応じた距離だけ軸方向に移動する。これに伴って可動シーブ49がトップ側に所定量移動し、プライマリシーブ40が上記設定されたベルト巻径となる。この場合、上記モータ側ギヤ62及びシーブ側ギヤ61がハスバ歯車であることから、可動シーブ49をトップ側に付勢するスラスト力が発生する。
このように本実施形態によれば、モータ側ギヤ62及びシーブ側ギヤ61をハスバ歯車により構成し、モータ側ギヤ62の回転によりシーブ側ギヤ61を介して可動シーブ49をトップ側に付勢するスラスト力を発生させるようにしたので、その分だけ電動モータ60に必要な駆動力を軽減でき、電動モータ60の小型化,軽量化が可能となり、コストを低減できる。
またモータ側ギヤ62及びシーブ側ギヤ61をハスバ歯車により構成したので、平歯車等の他の歯車に比べて駆動力の伝達効率を高めることができ、伝達ロスを抑制できる。ちなみに、平歯車による伝達効率は30%程度であるのに対して、本実施形態のハスバ歯車では90〜97%の伝達効率が得られる。さらにハスバ歯車とすることで、各歯同士の噛合面積を平歯車等に比べて大きくすることができ、面圧が小さくなる分だけ伝達トルクを向上できるとともに、ギヤ音を低減できる。
本実施形態では、上記電動モータ60の回転軸60aと、減速大ギヤ66,小ギヤ67bを備えた減速ギヤ軸67とモータ側ギヤ62を支持するモータ側ギヤ軸65とをプライヤリシーブ40の外周に沿うよう配置したので、巻径制御機構16をコンパクトに配置でき、巻径制御機構16を設けたことによるパワーユニット6の大型化を抑制することができる。
本実施形態では、上記モータ側ギヤ軸65の両端部65a,65aを軸受68,68により軸方向移動不能に位置決め支持し、上記モータ側ギヤ62をピン75を介してモータ側ギヤ軸65に共に回転するよう固定したので、モータ側ギヤ62に作用するスラスト反力は上記ピン75を介してモータ側ギヤ軸65に伝達され、左,右の軸受68により支持される。
本実施形態では、上記電動モータ60を、エンジン14のシリンダブロック19と該シリンダブロック19の上方を通る吸気管22との間に配置したので、エンジン14回りの空きスペースを有効利用して電動モータ60を配置することができ、この点からもパワーユニット6の大型化を抑制することができる。
なお、上記実施形態では、電動モータ60の回転軸60aとプライマリ軸部17bとの間に、モータ側ギヤ軸65及び減速ギヤ軸67を配置した場合を説明したが、本発明では減速ギヤ軸67は必ずしも必要ではない。
図10は、上記実施形態の変形例を説明するための図であり、図中、図5と同一符号は同一又は相当部分を示す。
この変形例は、電動モータ60の回転軸60aとプライマリ軸部17bとの間に1つのモータ側ギヤ軸97のみが配置された例である。このモータ側ギヤ軸97には、上記回転軸60aに噛合する減速ギヤ98が装着されている。
上記モータ側ギヤ軸97にはシーブ側ギヤ61に噛合するモータ側ギヤ97aが一体形成されている。そしてモータ側ギヤ97a及び上記シーブ側ギヤ61をハスバ歯車により構成することで、上記実施形態と同様の効果が得られる。またこの例の場合には、部品点数を低減することができる。
また、上記実施形態では、自動二輪車として、スクータ型自動二輪車を例示したが、本発明は、スクータ型に限らず、他の自動二輪車にも適用できる。また、本願明細書における「自動二輪車」とは、モーターサイクルの意味であり、原動機付自転車(モーターバイク)、スクータを含み、具体的には、車体を傾動させて旋回可能な車両のことをいう。したがって、前輪および後輪の少なくとも一方を2輪以上にして、タイヤの数のカウントで三輪車・四輪車(またはそれ以上)であっても、それは本願明細書における「自動二輪車」に含まれ得る。さらにまた本発明は、自動二輪車に限らず、本発明の効果を利用できる他の車両にも適用でき、例えば、自動二輪車以外に、四輪バギー(ATV:All Terrain Vehicle (全地形型車両))や、スノーモービルを含む、いわゆる鞍乗型車両に適用することができる。
本発明の一実施形態によるパワーユニットが搭載された自動二輪車の側面図である。 上記パワーユニットの側面図である。 上記パワーユニットの平面図である。 上記パワーユニットの側面図である。 上記パワーユニットのプライマリシーブ回りの断面図(図4のV-V 線断面図) である。 上記パワーユニットのセカンダリシーブ回りの断面図(図4のVI-VI 線断面図)である。 上記パワーユニットの巻径制御機構の拡大断面図である。 図4のVIII-VIII 線断面図である。 図4のIX-IX 線断面図である。 上記実施形態の巻径制御機構の変形例を説明するための断面図である。
符号の説明
6 パワーユニット
7 後輪(駆動輪)
14 エンジン
15 無段変速機
16 巻径制御機構
17b プライマリ軸部
19 シリンダブロック
22 吸気管
40 プライマリシーブ
41 セカンダリ軸
42 セカンダリシーブ
43 伝動ベルト
49 可動シーブ
50 固定シーブ
60 電動モータ
60a 回転軸
61 シーブ側ギヤ
62 モータ側ギヤ
65 モータ側ギヤ軸
66 減速大ギヤ
67 減速ギヤ軸

Claims (7)

  1. エンジンの出力が入力されるプライマリ軸に装着されたプライマリシーブ,駆動力が取り出されるセカンダリ軸に装着されたセカンダリシーブ及び上記プライマリシーブ,セカンダリシーブに巻回された伝動ベルトを備えた無段変速機と、アクチュエータからの回転力を上記プライマリシーブを構成する可動シーブの軸方向移動力に変換することにより該プライマリシーブのベルト巻径を変化させる巻径制御機構とを備えた車両用パワーユニットであって、上記巻径制御機構は、上記可動シーブに装着されたシーブ側ギヤと、該シーブ側ギヤに噛合し、上記アクチュエータからの回転力を該シーブ側ギヤに伝達するアクチュエータ側ギヤとを備え、該アクチュエータ側ギヤと上記シーブ側ギヤはハスバ歯車により構成されており、かつ該アクチュエータ側ギヤの回転により上記シーブ側ギヤを軸方向移動させるときに上記可動シーブをトップ側に付勢するスラスト力が発生することを特徴とする車両用パワーユニット。
  2. 請求項1において、上記アクチュエータの回転軸と上記プライマリ軸との間には、上記アクチュエータ側ギヤを支持するアクチュエータ側ギヤ軸と、上記回転軸の回転を減速させて上記アクチュエータ側ギヤに伝達する減速ギヤを備えた減速ギヤ軸とが配置されていることを特徴とする車両用パワーユニット。
  3. 請求項1において、上記アクチュエータの回転軸と上記プライマリ軸との間には、上記アクチュエータ側ギヤを支持するアクチュエータ側ギヤ軸が配置されており、該アクチュエータ側ギヤ軸は上記回転軸の回転を減速させて上記アクチュエータ側ギヤに伝達する減速ギヤを備えていることを特徴とする車両用パワーユニット。
  4. 請求項2又は3において、上記アクチュエータ側ギヤ軸は両端部が軸受により軸方向移動不能に位置決めされており、上記アクチュエータ側ギヤはピンを介して上記アクチュエータ側ギヤ軸に共に回転するよう支持されており、該アクチュエータ側ギヤに作用するスラスト反力は上記ピンを介してアクチュエータ側ギヤ軸に伝達されることを特徴とする車両用パワーユニット。
  5. 請求項2又は3において、上記回転軸,アクチュエータ側ギヤ軸は上記プライマリ軸を中心としたプライマリシーブの外周近傍に互いに近接させて配置されていることを特徴とする車両用パワーユニット。
  6. 請求項1ないし5の何れかにおいて、上記アクチュエータは、上記エンジンのシリンダボディと該シリンダボディに接続された吸気通路との間に配置されていることを特徴とする車両用パワーユニット。
  7. 請求項1ないし6の何れかに記載の車両用パワーユニットを搭載したことを特徴とする車両。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2009031669A1 (ja) 2007-09-05 2009-03-12 Nsk Ltd. 無段変速機、アクチュエータ及び中間端子
CN101235896B (zh) * 2007-01-31 2011-04-06 雅马哈发动机株式会社 变速器及其控制设备和控制方法、具有变速器的车辆
WO2018188602A1 (zh) * 2017-04-12 2018-10-18 罗崑樟 自行车连续性变速器

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