JP2007009533A - 建造物の外殻体における排水構造 - Google Patents

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Kyosuke Awazu
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Abstract

【課題】 大気側に面する太陽光発電装置や建築物などの外殻体の外面が、雨水によって早期に汚損させられる、ということを防止する。
【解決手段】 建造物1の外殻体2が、水平面に対し傾斜した傾斜方向Aに延びる複数の縦枠3と、この縦枠3に交差する交差方向Bに延びる複数の横枠4と、これら縦枠3と横枠4とで囲まれた空間を閉じるよう設けられる複数のパネル材5とを備える。縦枠3の外面に、この縦枠3に沿って延びる縦排水溝30を形成し、横枠4の外面にこの横枠4に沿って延びる横排水溝31を形成する。各パネル材5の外面33上を流下する水Wをそれぞれ横排水溝31に流入可能にする一方、この横排水溝31内の水Wを縦排水溝30に流入可能にする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、外面が大気側に面する太陽光発電装置や建築物など建造物の外殻体に関し、より詳しくは縦枠、横枠、およびこれら両枠に囲まれた空間を閉じるよう設けられる太陽光発電パネルなどのパネル材を備えた建造物の外殻体における排水構造に関するものである。
上記外殻体には、従来、下記特許文献1に示されるものがある。この公報のものによれば、上記外殻体は、地面上に立設される建造物本体をその外方から覆って、水平面に対し傾斜した傾斜方向に延びる複数の縦枠と、水平方向であって、この縦枠に交差する交差方向に延びる複数の横枠と、これら縦枠と横枠とで囲まれた空間を閉じるよう設けられる複数のパネル材とを備えている。
上記縦枠の一部は、上記交差方向で互いに隣り合う両パネル材の間に挟まれ、上記縦枠の他部は、上記両パネル材の互いの対向縁部の内面に接合して、これら両パネル材を上記構造物に支持させている。一方、上記横枠の一部は、上記傾斜方向で互いに隣り合う他の両パネル材の互いの対向縁部の各内、外面に接合し、これら他の両パネルを上記構造物に支持させている。
上記の場合、縦枠の一部の外面と、この縦枠を挟む上記両パネル材の各外面とは互いに面一とされている。一方、上記横枠の外面は、上記他の両パネル材の各外面よりも外方に突出している。
特開平11−280222号公報
ところで、雨天時、上記各パネル材の外面上に降り注いだ雨水は、この外面上を上記傾斜方向に向かって自然に流下する。このとき、上記したようにパネル材の外面よりも外方に突出している上記横枠により、上記雨水の流下が防止される。このため、上記傾斜方向で上記横枠の上側に位置する上側パネル材の下縁部の外面と、上記横枠とで挟まれた隅部には、雨水が溜りがちになる。そして、これは、外殻体の外観上の見栄えを低下させるおそれを生じる。
そこで、上記横枠と上記各パネル材とを、一体的に水平面に対し傾斜させることが考えられる。このようにすれば、上記隅部に雨水が溜まるということは防止され、上記問題点の発生が防止される。
ここで、上記のように横枠と各パネル材とを、一体的に傾斜させた場合、その傾斜させた方向に沿って配置されることとなる各パネル材の外面と、これら各パネル材の間に位置している上記各縦枠の一部の外面とは、前記したように互いに面一である。
このため、雨天時に、上記各パネル材と各縦枠の一部の各外面上に降り注いだ雨水は、上記各外面上を次々と流下する。この場合、上記各外面の全体に付着していた塵埃などの汚れ分は、上記のように流下する雨水と共に上記各外面上のうちの下流側に集められて、この下流側が早期に汚損させられるおそれを生じる。そして、これは、上記下流側における発電パネルの発電性能を早期に低下させたり、上記外殻体の外観上の見栄えを早期に低下させたりするという不都合を生じる。
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、本発明の目的は、大気側に面する太陽光発電装置や建築物などの外殻体の外面が、雨水によって早期に汚損させられる、ということを防止することである。
請求項1の発明は、水平面に対し傾斜した傾斜方向Aに延びる複数の縦枠3と、この縦枠3に交差する交差方向Bに延びる複数の横枠4と、これら縦枠3と横枠4とで囲まれた空間を閉じるよう設けられる複数のパネル材5とを備えた建造物の外殻体において、
上記縦枠3の外面に、この縦枠3に沿って延びる縦排水溝30を形成し、上記横枠4の外面にこの横枠4に沿って延びる横排水溝31を形成し、上記各パネル材5の外面33上を流下する水Wをそれぞれ上記横排水溝31に流入可能にする一方、この横排水溝31内の水Wを上記縦排水溝30に流入可能にしたものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明に加えて、上記傾斜方向Aで、上記横枠4の直上に位置する上側パネル材5(a)の外面33よりも、上記傾斜方向Aで上記横枠4の直下に位置する下側パネル材5(b)の外面33を段差状に低く位置させ、この下側パネル材5(b)の外面33への垂線に沿った方向Cで、上記両外面33,33間に上記縦排水溝30と横排水溝31とを配置したものである。
なお、この項において、上記各用語に付記した符号は、本発明の技術的範囲を後述の「実施例」の項や図面の内容に限定解釈するものではない。
本発明による効果は、次の如くである。
請求項1の発明は、水平面に対し傾斜した傾斜方向に延びる複数の縦枠と、この縦枠に交差する交差方向に延びる複数の横枠と、これら縦枠と横枠とで囲まれた空間を閉じるよう設けられる複数のパネル材とを備えた建造物の外殻体において、
上記縦枠の外面に、この縦枠に沿って延びる縦排水溝を形成し、上記横枠の外面にこの横枠に沿って延びる横排水溝を形成し、上記各パネル材の外面上を流下する水をそれぞれ上記横排水溝に流入可能にする一方、この横排水溝内の水を上記縦排水溝に流入可能にしている。
このため、雨天時など、上記各パネル材の外面上に降り注いだ水は、この外面上を上記傾斜方向の下方に向かい自然に流下して、上記横排水溝に流入させられる。また、この横排水溝内の水は、上記縦排水溝に流入させられ、この縦排水溝を傾斜方向の下方に向かい流動させられた後、排水される。
よって、従来の技術のように、水が複数のパネル材の外面上を次々と流下し、これら各パネル材の外面に全体に付着していた塵埃などの汚れ分が、上記複数のパネル材の外面上のうち、下流側に集められて、この下流側が早期に汚損させられる、ということは防止される。
この結果、上記建造物が太陽光発電装置であって、パネル材が発電パネルである場合に、この発電パネルの発電性能の早期の低下が防止される。また、上記外殻体の外観上の見栄えの早期の低下も防止される。
請求項2の発明は、上記傾斜方向で、上記横枠の直上に位置する上側パネル材の外面よりも、上記傾斜方向で上記横枠の直下に位置する下側パネル材の外面を段差状に低く位置させ、この下側パネル材の外面への垂線に沿った方向で、上記両外面間に上記縦排水溝と横排水溝とを配置している。
このため、上記縦排水溝を形成している縦枠の部分と上記横排水溝を形成している横枠の部分とが上記下側パネル材の外面上から大きく外方に突出する、ということが抑制される。よって、上記外殻体の外面側がコンパクトな形状となり、この外殻体の外観上の見栄えが向上する。
本発明の建造物の外殻体における排水構造に関し、大気側に面する太陽光発電装置や建築物などの外殻体の外面が、雨水によって早期に汚損させられる、ということを防止する、という目的を実現するため、本発明を実施するための最良の形態は、次の如くである。
即ち、建造物の外殻体は、水平面に対し傾斜した傾斜方向に延びる複数の縦枠と、この縦枠に交差する交差方向に延びる複数の横枠と、これら縦枠と横枠とで囲まれた空間を閉じるよう設けられる複数のパネル材とを備えている。上記縦枠の外面に、この縦枠に沿って延びる縦排水溝を形成し、上記横枠の外面にこの横枠に沿って延びる横排水溝を形成し、上記各パネル材の外面上を流下する水をそれぞれ上記横排水溝に流入可能にする一方、この横排水溝内の水を上記縦排水溝に流入可能にしている。
本発明をより詳細に説明するために、その実施例を添付の図に従って説明する。
図において、符号1は太陽光発電装置で例示される建造物である。この建造物1は、地面上に立設される不図示の建造物本体と、この建造物本体をその外方から覆う外殻体2とを備え、この外殻体2の外面は大気側に面している。
上記外殻体2は、水平面に対し傾斜した傾斜方向Aに階段状に延びる複数の縦枠3と、ほぼ水平方向であって、この縦枠3にほぼ直角に交差する交差方向Bに延びる複数の横枠4と、これら縦枠3と横枠4とで囲まれた空間を閉じるよう設けられる複数のパネル材5とを備えている。上記各縦枠3は上記交差方向Bで互いに並設されている。また、上記各横枠4は上記傾斜方向Aで互いに並設されている。また、上記縦枠3と横枠4の各主体はアルミ軽金属製である。また、上記各パネル材5はそれぞれ矩形板状をなし、碁盤目状に配置されている。上記各パネル材5は、ほぼ水平に延びているが、わずかの俯角により傾斜方向Aの下方に向かって傾斜していてもよい。
上記各パネル材5は、それぞれ互いに少し離れて対面する一対の内、外透明板7,8と、これら両透明板7,8の間に介設されるスペーサ9と、上記外透明板8の内面に付着されて保持される太陽電池10とを備えている。上記パネル材5の各構成部品7−10は互いに一体的に組み合わせられて、全体的に矩形板状とされている。
上記縦枠3は、上記建造物本体に支持され、上記交差方向Bで並設された両パネル材5,5の互いの対向縁部12,12に沿って延び、これら各対向縁部12の内面に弾性体13を介し接合される内側部材14と、上記各対向縁部12,12に沿って延び、これら各対向縁部12の外面に対面すると共に、これら両対向縁部12,12の間を通し上記内側部材14に弾性体15を介し接合される外側部材16と、上記内側部材14に外側部材16を固着させる固着具17と、上記各対向縁部12の外面と外側部材16との間に介設されるシール材18とを備えている。つまり、上記パネル材5は、その対向縁部12が上記縦枠3の内側部材14と外側部材16とによって挟み付けられた状態で、上記縦枠3により上記建造物本体に支持されている。
上記横枠4は、上記建造物本体に支持され、上記傾斜方向Aで並設された両パネル材5,5の互いの他の対向縁部21,21に沿って延び、これら各他の対向縁部21の内面に弾性体22を介し接合される内側部材23と、上記各他の対向縁部21に沿って延び、これら各他の対向縁部21の外面に対面すると共に、これら両他の対向縁部21,21の間を通し上記内側部材23に弾性体24を介し接合される外側部材25と、上記内側部材23に外側部材25を固着させる固着具26と、上記各他の対向縁部21の外面と外側部材25との間に介設される弾性体27およびシール材28とを備えている。つまり、上記パネル材5は、その他の対向縁部21が上記横枠4の内側部材23と外側部材25とによって挟み付けられた状態で、上記横枠4により上記建造物本体に支持されている。
上記の場合、傾斜方向Aで、横枠4の直上の上側パネル材5(a)における他の対向縁部21の外面は、内透明板7の外面に相当している。また、上記傾斜方向Aで、上記横枠4の外側部材25の上端面と、上記上側パネル材5(a)における上記外透明板8の下端面との間には、他のシール材29が介設されている。
上記縦枠3の外側部材16の外面には、この縦枠3に沿って延び、外方に向かって開放される縦排水溝30が上記外側部材16の全長にわたり形成されている。また、上記横枠4の外側部材25の外面には、この横枠4に沿って延び、外方に向かって開放される横排水溝31が形成されている。上記各パネル材5の外面33上を流下する水Wが、自然流下により上記横排水溝31に流入可能とされている。また、上記横排水溝31内の水Wが、自然流下により上記縦排水溝30に流入可能とされている。
上記構成につき、より詳しく説明すると、上記傾斜方向Aで、上記横枠4の直上に位置する上側パネル材5(a)の外面33よりも、上記傾斜方向Aで上記横枠4の直下に位置する下側パネル材5(b)の外面33が段差状に低く位置させられている。そして、この下側パネル材5(b)の外面33への垂線に沿った方向Cで、上記両外面33,33の間に上記縦排水溝30と横排水溝31とが配置されている。
上記傾斜方向Aでの上記横枠4の下部の外面に上記横排水溝31が形成されている。また、上記傾斜方向Aでの上記横枠4の上部34の外面35と、上記上側パネル材5(a)の外面33と、上記他のシール材29の外面36とは互いにほぼ面一とされている。これにより、上記上側パネル材5(a)の外面33上を流下する水Wは上記横排水溝31に自然に円滑に流入可能とされる。
上記傾斜方向Aでの上記横枠4の下端面に縦枠3の上端面が上記シール材18を介し接合させられている。上記横排水溝31を上記縦排水溝30に連通させる切り欠き37が上記横枠4に形成されている。これにより、上記横排水溝31内の水Wは上記切り欠き37を通り、上記縦排水溝30に自然に流入可能とされる。
上記傾斜方向Aでの上記横枠4の上部34の外面35と、上記上側パネル材5(a)の外面33と、上記他のシール材29の外面36とに跨り、これら各外面33,35,36に上記シール材18を介し圧接するよう上記縦枠3の外側部材16が設けられている。上記縦枠3の外側部材16に形成された縦排水溝30の上記傾斜方向Aでの下端は、上記横排水溝31に向かって開口している。また、傾斜方向Aでの最下端に位置する縦枠3は、その縦排水溝30の下端が、上記傾斜方向Aで、外殻体2の下方に向かって開口している。
上記構成によれば、縦枠3の外面に、この縦枠3に沿って延びる縦排水溝30を形成し、上記横枠4の外面にこの横枠4に沿って延びる横排水溝31を形成し、上記各パネル材5の外面33上を流下する水Wをそれぞれ上記横排水溝31に流入可能にする一方、この横排水溝31内の水Wを上記縦排水溝30に流入可能にしている。
このため、雨天時など、上記各パネル材5の外面33上に降り注いだ水Wは、この外面33上を上記傾斜方向Aの下方に向かい自然に流下して、上記横排水溝31に流入させられる。また、この横排水溝31内の水Wは、上記縦排水溝30に流入させられ、この縦排水溝30を傾斜方向Aの下方に向かい流動させられた後、排水される。
よって、従来の技術のように、水が複数のパネル材の外面上を次々と流下し、これら各パネル材の外面に全体に付着していた塵埃などの汚れ分が、上記複数のパネル材の外面上のうち、下流側に集められて、この下流側が早期に汚損させられる、ということは防止される。
この結果、上記建造物1が太陽光発電装置であって、パネル材5が発電パネルである場合に、この発電パネルの発電性能の早期の低下が防止される。また、上記外殻体2の外観上の見栄えの早期の低下も防止される。
また、前記したように、傾斜方向Aで、上記横枠4の直上に位置する上側パネル材5(a)の外面33よりも、上記傾斜方向Aで上記横枠4の直下に位置する下側パネル材5(b)の外面33を段差状に低く位置させ、上記この下側パネル材5(b)の外面33への垂線に沿った方向Cで、上記両外面33,33間に上記縦排水溝30と横排水溝31とを配置している。
このため、上記縦排水溝30を形成している縦枠3の部分と上記横排水溝31を形成している横枠4の部分とが上記下側パネル材5(b)の外面33上から大きく外方に突出する、ということが抑制される。よって、上記外殻体2の外面側がコンパクトな形状となり、この外殻体2の外観上の見栄えが向上する。
また、前記したように、傾斜方向Aでの上記横枠4の上部34の外面35と上記上側パネル材5(a)の外面33とに跨り、これら各外面33,35に圧接するよう上記縦枠3の外側部材16を設けている。
このため、上記縦枠3、横枠4、および上側パネル材5(a)が互いに連結されることとなる。よって、縦枠3と横枠4とは、これらに縦排水溝30と横排水溝31とを形成したことにより、外殻体2の剛性が低下しがちではあるが、これが補填される。
なお、以上は図示の例によるが、上記建造物1は建築物であってもよい。また、上記傾斜方向Aや各パネル材5の俯角は5−30°など、より大きくてもよい。また、上記傾斜方向Aに並設された各パネル材5は傾斜方向Aの下方に向かうに従い、上記俯角が漸増するようにしてもよい。
外殻体の部分斜視図である。 図1で示したものの側面断面図である。 図1のIII−III線矢視断面図である。 図1のIV−IV線矢視断面図である。
符号の説明
1 建造物
2 外殻体
3 縦枠
4 横枠
5 パネル材
12 対向縁部
14 内側部材
16 外側部材
17 固着具
21 他の対向縁部
23 内側部材
25 外側部材
26 固着具
30 縦排水溝
31 横排水溝
33 外面
34 上部
35 外面
37 切り欠き
A 傾斜方向
B 交差方向
C 垂線に沿った方向
W 水

Claims (2)

  1. 水平面に対し傾斜した傾斜方向に延びる複数の縦枠と、この縦枠に交差する交差方向に延びる複数の横枠と、これら縦枠と横枠とで囲まれた空間を閉じるよう設けられる複数のパネル材とを備えた建造物の外殻体において、
    上記縦枠の外面に、この縦枠に沿って延びる縦排水溝を形成し、上記横枠の外面にこの横枠に沿って延びる横排水溝を形成し、上記各パネル材の外面上を流下する水をそれぞれ上記横排水溝に流入可能にする一方、この横排水溝内の水を上記縦排水溝に流入可能にしたことを特徴とする建造物の外殻体における排水構造。
  2. 上記傾斜方向で、上記横枠の直上に位置する上側パネル材の外面よりも、上記傾斜方向で上記横枠の直下に位置する下側パネル材の外面を段差状に低く位置させ、この下側パネル材の外面への垂線に沿った方向で、上記両外面間に上記縦排水溝と横排水溝とを配置したことを特徴とする請求項1に記載の建造物の外殻体における排水構造。
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