JP2007009254A - 気化プロセス用薄膜原料及び水分分析方法 - Google Patents

気化プロセス用薄膜原料及び水分分析方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 カールフィッシャー法による水分含有量測定ができないプレカーサを含有し、高度な水分管理がなされた気化プロセス用薄膜原料を提供すること。
【解決手段】 分子構造中にSi−Hを有するシラン化合物、亜燐酸エステル、銅(II)錯体、銅(I)錯体、金属アミド化合物、金属アルコキシド化合物、アルキル金属化合物及び金属ハイドライド化合物からなる群から選択される少なくとも1種のプレカーサを含有してなり、水分含有量が1ppm以下である気化プロセス用薄膜原料。
【選択図】 なし

Description

本発明は、水分含有量が1ppm以下の気化プロセス用薄膜原料、及び近赤外分光法を用いたスペクトル測定による気化プロセス用薄膜原料の水分分析方法に関する。
ALD(Atomic Layer Deposition)法やCVD(Chmical Vapor Deposition)法に使用される原料(以下、CVD法に使用される原料(CVD用原料)及びALD法に使用される原料(ALD用原料)の両方を含む概念として、気化プロセス用薄膜原料と記載することもある)は、それらに含まれる不純物量を高いレベルで管理する必要がある。管理すべき不純物としては、不純物金属元素及び水分がある。不純物金属元素は、得られる薄膜の電機特性に影響を与えるので、ICPや原子吸光等を用いてppbレベルの管理がなされている。また、水分は、薄膜原料の分解又は重合、パーティクルの発生等、薄膜製造プロセスの不安定化に繋がる現象を引き起こす原因となるので、カールフィッシャー法を用いてppmレベルの管理がなされているものがある。
しかし、ALD用原料又はCVD用原料に用いられるプレカーサには、カールフィッシャー試薬と反応してしまうため、カールフィッシャー法を用いることができないものが多く、このようなプレカーサを用いた薄膜原料は高いレベルでの水分管理がなされていない。
カールフィッシャー法を使用できないプレカーサとしては、分子構造中にSi−Hを有するシラン化合物、亜燐酸エステル、銅(II)錯体、銅(I)錯体、鉛錯体、金属アミド化合物、金属アルコキシド化合物、アルキル金属化合物、金属ハイドライド化合物等が挙げられる。これらを含有する気化プロセス用薄膜原料は、カールフィッシャー試薬と反応するので、ppmレベルでの水分定量分析が困難である。
特許文献1には、半導体レーザーを用いて気相の微量水分を測定する技術が報告されている。また、特許文献2には、1368nm(7309cm-1に相当)の水のスペクトル吸収を検知することにより、気相の塩化水素中の水分を0.1ppmオーダーで分析する技術が報告されている。
しかし、これらの方法は、気相中の水分を測定するものであり、液状物中の水分を直接測定するものではないので、気化プロセス用薄膜原料への応用は困難である。気化プロセス用薄膜原料の多くは、不安定であり、蒸気圧が比較的小さい液状物である。蒸気圧が小さい液状物中の水分は、気相分析では高精度で定量することができない。また、熱等で気化させて十分な濃度の薄膜原料の気相を得ようとすると、薄膜原料中の有機化合物やプレカーサの分解が起こり、パーティクル汚染の原因となる懸念がある。更には、気相分析では、気化プロセス用薄膜原料中の有機化合物やプレカーサが有するスペクトル吸収が影響して、水のスペクトル吸収から水分量を高精度に定量することはできない。
特開平5−99845号公報 特開2003−28392号公報
気化プロセス用薄膜原料において、カールフィッシャー法を適用できないものについては、水分を高精度に測定する方法が無いので、高度な水分管理がなされているものは無かった。
従って、本発明の目的は、カールフィッシャー法による水分含有量測定ができないプレカーサを含有し、高度な水分管理がなされた気化プロセス用薄膜原料を提供することにある。
本発明者等は、近赤外分光法を用いた水の吸収スペクトル測定による水分分析方法を応用することで、1ppm以下の水分測定が可能となることを知見した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、分子構造中にSi−Hを有するシラン化合物、亜燐酸エステル、銅(II)錯体、銅(I)錯体、金属アミド化合物、金属アルコキシド化合物、アルキル金属化合物及び金属ハイドライド化合物からなる群から選択される少なくとも1種のプレカーサを含有してなり、水分含有量が1ppm以下である気化プロセス用薄膜原料を提供するものである。
また、本発明は、気化プロセス用薄膜原料中の水分含有量の定量分析を、近赤外分光法を用いて水のスペクトル吸収を検知することにより行う気化プロセス用薄膜原料の水分分析方法を提供するものである。
本発明によれば、カールフィッシャー法による水分含有量測定ができないプレカーサを含有し、高度な水分管理がなされた気化プロセス用薄膜原料を提供することができる。また、本発明によれば、カールフィッシャー法による水分含有量測定ができないプレカーサを含有する気化プロセス用薄膜原料について、高度な水分管理を可能にする水分分析方法を提供することができる。
本発明の気化プロセス用薄膜原料は、分子構造中にSi−Hを有するシラン化合物、亜燐酸エステル、銅(II)錯体、銅(I)錯体、金属アミド化合物、金属アルコキシド化合物、アルキル金属化合物及び金属ハイドライド化合物からなる群から選択される少なくとも1種のプレカーサを含有してなり、水分含有量が1ppm以下のものであり、CVD用原料又はALD用原料として用いられる。上記プレカーサは、薄膜の形成に用いられる元素を提供する前駆化合物である。
分子構造中にSi−Hを有する上記シラン化合物としては、例えば、下記一般式(I)〜(III)のいずれかで表される化合物が挙げられる。
Figure 2007009254
上記一般式(I)〜(III)において、Rで表されるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。Rで表される炭素数1〜12の炭化水素基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第2ブチル、第3ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、第3アミル、ヘキシル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、2−シクロヘキシルエチル、ヘプチル、イソヘプチル、第三ヘプチル、オクチル、イソオクチル、第3オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ドデシル等のアルキル基;ビニル、1−メチルエテン−1−イル、プロペン−1−イル、プロペン−2−イル、プロペン−3−イル、ブテン−1−イル、ブテン−2−イル、2−メチルプロペン−3−イル、1,1−ジメチルエテン−2−イル、1,1−ジメチルプロペン−3−イル等のアルケニル基;フェニル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、4−ビニルフェニル、2,3−ジメチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、2,5−ジメチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、3,5−ジメチルフェニル等のアリール基;ベンジル、2−メチルベンジル、3−メチルベンジル、4−メチルベンジル、スチリル等のアラルキル基が挙げられる。Rで表される炭素数1〜12のアルコキシ基としては、メチルオキシ、エチルオキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブチルオキシ、第2ブチルオキシ、第3ブチルオキシ、イソブチルオキシ、アミルオキシ、イソアミルオキシ、第3アミルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、イソヘプチルオキシ、第3ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、イソオクチルオキシ、第3オクチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、デシルオキシ、ドデシルオキシ基等が挙げられる。Rで表される炭素数6〜12のアリールオキシ基としては、フェニルオキシ、2−メチルフェニルオキシ、3−メチルフェニルオキシ、4−メチルフェニルオキシ、4−ビニルフェニルオキシ、2,3−ジメチルフェニルオキシ、2,4−ジメチルフェニルオキシ、2,5−ジメチルフェニルオキシ、2,6−ジメチルフェニルオキシ、3,4−ジメチルフェニルオキシ、3,5−ジメチルフェニルオキシ等が挙げられる。
上記一般式(I)で表されるシラン化合物の具体例としては、シラン、ジシラン、メチルシラン、エチルシラン、オクチルシラン、シクロペンチルシラン、ジメチルシラン、ジエチルシラン、ジ第3ブチルシラン、トリメチルシラン、トリエチルシラン、メトキシシラン、ジメトキシシラン、トリメトキシシラン、ジクロロシラン、トリクロロシラン、ジメチルクロロシラン、ジメチルエトキシシラン、アリルジクロロシラン、アリルジメトキシシラン、アリルジメチルシラン、フェニルシラン、ジフェニルシラン、トリフェニルシラン、メチルフェニルシラン、ジメチルフェニルシラン等が挙げられる。
上記一般式(II)で表されるシラン化合物の具体例としては、1,3−ジメチルジシロキサン、1,1,3−トリメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタメチルジシロキサン、1,3−ジエチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラエチルジシロキサン、1,1,3−トリエチルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタエチルジシロキサン、1,3−ジフェニルジシロキサン、1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン、1,1,3−トリフェニルジシロキサン、1,3−ジメチル−1,3−ジフェニルジシロキサン、1,3−ジエチル−1,3−ジフェニルジシロキサン、1,1,3,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、1,1,1,5,5,5−ヘキサメチル−3−エチルトリシロキサン、1,1,1,5,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン、1,1,1,3,3,5−ヘキサメチルトリシロキサン、1,1,3,5,5−ペンタメチルトリシロキサン、1,1,3,3,5−ペンタメチルトリシロキサン、1,1,1,3,5−ペンタメチルトリシロキサン、1,1,3,3−テトラメチルトリシロキサン、1,1,1,3−テトラメチルトリシロキサン、1,1,3,5−テトラメチルトリシロキサン、1,3,5−トリメチルトリシロキサン、1,1,5,5−テトラメチル−3−フェニルトリシロキサン、3−メチル−1,1,1,5,5,5−ヘキサフェニルトリシロキサン、1,1,1,3,5,7,7,7−オクタメチルテトラシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルテトラシロキサン等が挙げられる。
上記一般式(III)で表されるシラン化合物の具体例としては、2,4,6−トリメチルシクロトリシロキサン、2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタメチルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10,12−ヘキサメチルシクロヘキサシロキサン、2,4,6,8,10,12,14−ヘプタメチルシクロヘプタシロキサン、2,4,6,8,10,12,14,16−オクタメチルシクロオクタシロキサン、2,4,6−トリエチルシクロトリシロキサン、2,4,6,8−テトラエチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタエチルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10,12−ヘキサエチルシクロヘキサシロキサン、2,4,6−トリフェニルシクロトリシロキサン、2,4,6,8−テトラフェニルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタフェニルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10,12−ヘキサフェニルシクロヘキサシロキサン等が挙げられる。
分子構造中にSi−Hを有する上記シラン化合物としては、上記一般式(I)〜(III)のいずれかで表される化合物の他に、1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、1,2,3−トリメチルジシラザン、1,2,3,4,5,6−ヘキサメチルシクロトリシラザン等のシラザン化合物、トリス(ジメチルアミノ)シラン、トリス(エチルメチルアミノ)シラン、トリス(ジエチルアミノ)シラン等のアミノシラン化合物等も挙げられる。
上記亜燐酸エステルとしては、トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリフェニルホスファイト等が挙げられる。
上記銅(II)錯体としては、例えば、ビスβジケトン錯体が挙げられる。該ビスβジケトン錯体に用いられる配位子のβジケトンとしては、アセチルアセトン、ヘキサン−2,4−ジオン、5−メチルヘキサン−2,4−ジオン、ヘプタン−2,4−ジオン、2−メチルヘプタン−3,5−ジオン、5−メチルヘプタン−2,4−ジオン、6−メチルヘプタン−2,4−ジオン、2,2−ジメチルヘプタン−3,5−ジオン、2,6−ジメチルヘプタン−3,5−ジオン、2,2,6−トリメチルヘプタン−3,5−ジオン、2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−3,5−ジオン、オクタン−2,4−ジオン、2,2,6−トリメチルオクタン−3,5−ジオン、2,6−ジメチルオクタン−3,5−ジオン、2,2−ジメチル−6−エチルオクタン−3,5−ジオン、2,2,6,6−テトラメチルオクタン−3,5−ジオン、2,9−ジメチルノナン−4,6−ジオン、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ノナンジオン、2−メチル−6−エチルデカン−3,5−ジオン、2,2−ジメチル−6−エチルデカン−3,5−ジオン等のアルキル置換β−ジケトン類;1,1,1−トリフルオロペンタン−2,4−ジオン、1,1,1−トリフルオロ−5,5−ジメチルヘキサン−2,4−ジオン、1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロペンタン−2,4−ジオン、1,3−ジパーフルオロヘキシルプロパン−1,3−ジオン等のフッ素置換アルキルβ−ジケトン類;1,1,5,5−テトラメチル−1−メトキシヘキサン−2,4−ジオン、2,2,6,6−テトラメチル−1−メトキシヘプタン−3,5−ジオン、2,2,6,6−テトラメチル−1−(2−メトキシエトキシ)ヘプタン−3,5−ジオン等のエーテル置換β−ジケトン類等が挙げられる。
上記銅(II)錯体としては、上記ビスβジケトン錯体の他に、ビスアルコキシ銅化合物、ビスシクロペンタジエニル銅化合物、ビス(アルキルシクロペンタジエニル)銅化合物等も挙げられる。
上記銅(I)錯体としては、例えば下記一般式(IV)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2007009254
上記一般式(IV)において、Ra又はRbで表される炭素数1〜10の有機基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、第二アミル、第三アミル、ヘキシル、3−メチルペンタン−3−イル、ヘプチル、3−ヘプチル、イソヘプチル、第三ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、第三オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、フェニル、メチルフェニル、エチルフェニル、ベンジル等の炭化水素基;2−メトキシエチル、2−エトキシエチル、2−ブトキシエチル、2−(2−メトキシエトキシ)エチル、3−メトキシプロピル、2−メトキシ−1−メチルエチル、2−メトキシ−1,1−ジメチルエチル、2−エトキシ−1−メチルエチル、2−エトキシ−1,1−ジメチルエチル、2−イソプロポキシ−1,1−ジメチルエチル、2−ブトキシ−1,1−ジメチルエチル、2−(2−メトキシエトキシ)−1,1−ジメチルエチル等のエーテルアルキル基;トリフルオロメチル、1,1,1−トリフルオロエチル、ペンタオロエチル等のフッ化アルキル基;2−(ジメチルアミノ)エチル、2−(ジエチルアミノ)エチル、2−(エチルメチル)アミノエチル、3−(ジメチルアミノ)プロピル、2−(ジメチルアミノ)−1−メチルエチル、2−(ジエチルアミノ)−1−メチルエチル、2−(ジメチルアミノ)−1,1−ジメチルエチル、2−(ジエチルアミノ)−1,1−ジメチルエチル、2−(エチルメチルアミノ)−1,1−ジメチルエチル等のアミノアルキル基が挙げられる。
上記一般式(IV)において、Lで表される求核性を有する有機化合物としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、2−メチルヘキセン−3−イン、1,2−ジフェニルエチレン等のアルケン化合物、トラン等のアルキン化合物、及び1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、シクロオクタン−1,5−ジエン、1,5−ジメチルシクロオクタン−1,5−ジエン等のジエン化合物に代表される不飽和結合を有する炭化水素化合物、イソニトリル等の不飽和結合を有する窒素含有炭化水素化合物、下記一般式(1)又は(2)で表されるシラン化合物が挙げられる。
Figure 2007009254
上記一般式(1)及び(2)において、R11〜R14、R21〜R23で表される炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第2ブチル、第3ブチル、イソブチルが挙げられ、R11〜R14で表される炭素数6〜12のアリール基としては、フェニル、ナフチル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、4−ビニルフェニル、3−イソプロピルフェニル、4−イソプロピルフェニル、4−ブチルフェニル、4−イソブチルフェニル、4−第3ブチルフェニル、4−ヘキシルフェニル、4−シクロヘキシルフェニル、2,3−ジメチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、2,5−ジメチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、3,5−ジメチルフェニル等が挙げられ、R21〜R23で表される炭素数1〜4のアルコキシ基としては、メチルオキシ、エチルオキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブチルオキシ、第2ブチルオキシ、第3ブチルオキシ、イソブチルオキシが挙げられ、Xで表される炭素数1〜4のアルキレン基としては、メチレン、エチレン、プロピレン、メチルエチレン、ジメチルメチレン、ブチレン、1−メチルプロピレン、2−メチルプロピレン等が挙げられる。
上記銅(I)錯体としては、上記一般式(IV)で表される化合物の他に、シクロペンタジエニル銅トリアルキルホスファン付加物、アルキルシクロペンタジエニル銅トリアルキルホスファン付加物、シクロペンタジエニル銅アルキルイソニトリル付加物、アルキルシクロペンタジエニル銅アルキルイソニトリル付加物、アルコキシ銅アルキルイソニトリル付加物、アルコキシ銅トリアルキルホスファン付加物等も挙げられる。
また、上記の金属アミド化合物、金属アルコキシド化合物、アルキル金属化合物及び金属ハイドライド化合物の金属種としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等の1族元素、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等の2族元素、スカンジウム、イットリウム、ランタノイド元素(ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム)、アクチノイド元素等の3族元素、チタニウム、ジルコニウム、ハフニウムの4族元素、バナジウム、ニオブ、タンタルの5族元素、クロム、モリブデン、タングステンの6族元素、マンガン、テクネチウム、レニウムの7族元素、鉄、ルテニウム、オスミウムの8族元素、コバルト、ロジウム、イリジウムの9族元素、ニッケル、パラジウム、白金の10族元素、銅、銀、金の11族元素、亜鉛、カドミウム、水銀の12族元素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウムの13族元素、ゲルマニウム、錫、鉛の14族元素、砒素、アンチモン、ビスマスの15族元素、ポロニウムの16族元素が挙げられる。
上記の金属アミド化合物を誘導する有機アミン化合物としては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、第2ブチルアミン、第3ブチルアミン、イソブチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、エチルメチルアミン、プロピルメチルアミン、イソプロピルメチルアミン、ビス(トリメチルシリル)アミン等が挙げられる。
上記の金属アルコキシド化合物は、金属原子に少なくとも1つのアルコキシ基が結合した化合物であり、アルコキシ基以外の基を有してもよい。また、上記のアルキル金属化合物は、金属原子に少なくとも1つのアルキル基が結合した化合物であり、アルキル基以外の基を有してもよい。また、上記の金属ハイドライド化合物は、金属原子に少なくとも1つの水素基が結合したものであり、水素基以外の基を有してもよい。
上記の金属アルコキシド化合物を誘導するアルコール化合物としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、第3ブタノール、アミルアルコール、イソアミルアルコール、第3アミルアルコール等のアルキルアルコール類;2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、2−メトキシ−1−メチルエタノール、2−メトキシ−1,1−ジメチルエタノール、2−エトキシ−1,1−ジメチルエタノール、2−イソプロポキシ−1,1−ジメチルエタノール、2−ブトキシ−1,1−ジメチルエタノール、2−(2−メトキシエトキシ)−1,1−ジメチルエタノール、2−プロポキシ−1,1−ジエチルエタノール、2−第2ブトキシ−1,1−ジエチルエタノール、3−メトキシ−1,1−ジメチルプロパノール等のエーテルアルコール類;2−(ジメチルアミノ)エタノール、1−(ジメチルアミノ)−2−プロパノール、1−(ジメチルアミノ)−2−メチル−2−プロパノール、1−(メチルアミノ)−2−メチル−2−プロパノール等のアルキルアミノアルコール類が挙げられる。
本発明に係る金属アミド化合物、金属アルコキシド化合物、アルキル金属化合物又は金属ハイドライド化合物において、その金属種がアルミニウムであるアルミニウムプレカーサとしては、例えば、下記一般式(V)又は(VI)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2007009254
上記一般式(V)において、L’で表される配位性複素環状化合物としては、18−クラウン−6、ジシクロヘキシル−18−クラウン−6、24−クラウン−8、ジシクロヘキシル−24−クラウン−8、ジベンゾ−24−クラウン−8等のクラウンエーテル類;サイクラム、サイクレン等の環状ポリアミン類;ピリジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、N−メチルピロリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン、オキサゾール、チアゾール、オキサチオラン等が挙げられる。上記一般式(VI)において、Riで表される炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第2ブチル、第3ブチル、イソブチル等が挙げられる。上記一般式(V)又は(VI)で表される化合物の具体例としては、それぞれ、N−メチルピロリジニルアラン、トリメチルアルミニウムが挙げられる。
また、金属種がチタニウム、ジルコニウム又はハフニウムである金属アルコキシド化合物及び金属アミド化合物の例としては、それぞれ、下記一般式(VII)、(VIII)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2007009254
また、金属種がタンタル又はニオブである金属アルコキシド化合物及び金属アミド化合物の例としては、それぞれ、下記一般式(IX)、(X)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2007009254
また、金属種がチタニウム、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ又はタンタルである金属アルコキシド化合物の例としては、下記一般式(XI)で表されるダブルアルコキシド化合物も挙げられる。
Figure 2007009254
上記一般式(VII)〜(XI)において、Ra、Rb又はR1で表される炭素数1〜10の有機基としては、前記一般式(IV)のRaで例示した基が挙げられ、R2又はR3で表される炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第2ブチル、イソブチル、第3ブチルが挙げられ、RCで表される炭素数1〜5のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第2ブチル、第3ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、第2アミル、第3アミルが挙げられる。
本発明の気化プロセス用薄膜原料は、プレカーサそのもの又はプレカーサを有機溶剤に溶かした溶液である。本発明の気化プロセス用薄膜原料の形態は、該気化プロセス用薄膜原料が使用される薄膜製造方法における原料の輸送供給方法により、適宜選択される。輸送供給方法としては、気化プロセス用薄膜原料を原料容器中で加熱及び/又は減圧することにより気化させ、必要に応じて用いられるアルゴン、窒素、ヘリウム等のキャリアガスと共に堆積反応部へと導入する気体輸送法、気化プロセス用薄膜原料を液体又は溶液の状態で気化室まで輸送し、気化室で加熱及び/又は減圧することにより気化させて、堆積反応部へと導入する液体輸送法がある。気体輸送法の場合は、プレカーサそのものが気化プロセス用薄膜原料となり、液体輸送法の場合は、プレカーサそのもの又はプレカーサを有機溶剤に溶かした溶液が気化プロセス用薄膜原料である。有機溶剤を使用する場合は、該有機溶剤中におけるプレカーサの合計量が0.01〜2.0モル/リットル、特に0.05〜1.0モル/リットルとなるようにするのが好ましい。
また、多成分系の薄膜を製造する場合においては、一種類のプレカーサを含有してなる気化プロセス用薄膜原料を各成分独立で気化、供給する方法(以下、シングルソース法と記載することもある)と、2種類以上のプレカーサを予め所望の組成で混合した混合原料を気化、供給する方法(以下、カクテルソース法と記載することもある)がある。カクテルソース法の場合、2種類以上のプレカーサの混合物、或いは2種類以上のプレカーサを有機溶剤に溶かした溶液が気化プロセス用薄膜原料である。また、多成分系の薄膜を製造する場合においては、本発明に係るプレカーサの他に、従来から気化プロセス用薄膜原料に用いられているその他のプレカーサも用いることができる。
プレカーサを有機溶剤に溶かした溶液を気化プロセス用薄膜原料とする溶液供給法の場合、気化プロセス用薄膜原料に使用する有機溶剤としては、特に制限を受けることはなく周知一般の有機溶剤を用いることが出来る。該有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、n−ブタノール等のアルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸メトキシエチル等の酢酸エステル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテルアルコール類;テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジブチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類;メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチルブチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等のケトン類;ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン等の炭化水素類;1−シアノプロパン、1−シアノブタン、1−シアノヘキサン、シアノシクロヘキサン、シアノベンゼン、1,3−ジシアノプロパン、1,4−ジシアノブタン、1,6−ジシアノヘキサン、1,4−ジシアノシクロヘキサン、1,4−ジシアノベンゼン等のシアノ基を有する炭化水素類;ピリジン、ルチジンが挙げられ、これらは、溶質であるプレカーサの溶解性、使用温度と沸点及び引火点との関係等により、単独で又は二種類以上の混合溶媒として用いられる。
また、本発明の気化プロセス用薄膜原料には、必要に応じて、本発明に係るプレカーサ及び他のプレカーサに安定性を付与するため、求核性試薬を含有させてもよい。該求核性試薬としては、例えば、グライム、ジグライム、トリグライム、テトラグライム等のエチレングリコールエーテル類、18−クラウン−6、ジシクロヘキシル−18−クラウン−6、24−クラウン−8、ジシクロヘキシル−24−クラウン−8、ジベンゾ−24−クラウン−8等のクラウンエーテル類、エチレンジアミン、N,N’−テトラメチルエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、1,1,4,7,7−ペンタメチルジエチレントリアミン、1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテトラミン、トリエトキシトリエチレンアミン等のポリアミン類、サイクラム、サイクレン等の環状ポリアミン類、ピリジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、N−メチルピロリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン、オキサゾール、チアゾール、オキサチオラン等の複素環化合物類、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸−2−メトキシエチル等のβ−ケトエステル類、又はアセチルアセトン、2,4−ヘキサンジオン、2,4−ヘプタンジオン、3,5−ヘプタンジオン、ジピバロイルメタン等のβ−ジケトン類が挙げられ、安定剤としてのこれらの求核性試薬を使用する場合、その使用量は、プレカーサ1モルに対して好ましくは0.1モル〜10モル、さらに好ましくは1〜4モルの範囲である。
本発明の気化プロセス用薄膜原料には、これを構成する成分以外の不純物金属元素分、不純物塩素等の不純物ハロゲン分及び不純物有機分が極力含まれないようにする。不純物金属元素分は、元素毎では100ppb以下が好ましく、10ppb以下がより好ましく、総量では1ppm以下が好ましく、100ppb以下がより好ましい。不純物ハロゲン分は、100ppm以下が好ましく、10ppm以下がより好ましく、1ppm以下が更に好ましい。不純物有機分は、総量で500ppm以下が好ましく、50ppm以下がより好ましく、10ppm以下が更に好ましい。
また、本発明の気化プロセス用薄膜原料は、製造される薄膜のパーティクル汚染を低減又は防止するために、0.3μmより大きい粒子の数が液相1ml中に100個以下であることが好ましく、0.2μmより大きい粒子の数が液相1ml中に1000個以下であることがより好ましく、0.2μmより大きい粒子の数が液相1ml中に100個以下であることが更に好ましい。
本発明の気化プロセス用薄膜原料において、その製造方法については特に制限を受けないが、例えば、本発明に係るプレカーサ、又は本発明に係るプレカーサに必要に応じて他のプレカーサ、有機溶剤、求核性試薬等を混合したものを、脱水して水分含有量を1ppm以下とすること(脱水工程)により、得ることができる。脱水方法としては、例えば、物理的及び/又は化学的に脱水させる脱水剤を使用する方法、蒸留による方法、脱水剤と蒸留とを併用する方法、脱水フィルタを使用する方法、これらを組み合わせた方法等が挙げられる。また、本発明の気化プロセス用薄膜原料中の水分含有量の定量は、後述の本発明の水分分析方法により行なうことができる。
上記の脱水剤は、プレカーサである化合物に適したものを適宜選択する。CVD用原料又はALD用原料に用いられるプレカーサは化学的反応活性が高いので、物理的に水分を吸着する脱水剤が好ましい。物理的に水分を吸着する脱水剤としては、ゼオライト、モレキュラーシーブス、活性炭等が挙げられる。これらの脱水剤は、プレカーサである化合物に混合して用いてもよく、これらを含有する脱水フィルタの形で用いてもよい。
また、本発明の気化プロセス用薄膜原料の製造においては、気化プロセス用薄膜原料中に含まれるパーティクル低減の為に、必要に応じて濾過工程を組み入れてもよい。濾過に使用されるフィルターの材質は、セルロース、PTFE樹脂等の有機材質でもよく、ステンレス基材に代表される金属、ガラスファイバー、石英、珪藻土、セラミックス等の無機材質でもよい。
上記の濾過工程は、脱水剤を使用した後及び/又は蒸留の後、気化プロセス用薄膜原料を製品として容器に充填する時に行うことが好ましい。水分、不純物金属元素、パーティクルについて高度に管理された最終製品としての気化プロセス用薄膜原料を得るためには、脱水工程の後、濾過を行い、さらに、これを製品として容器に充填する際に精密な濾過を行う方法が特に好ましい。また、脱水工程において脱水剤を使用する場合は、脱水剤による脱水の後、濾過を行い、得られた濾液を蒸留し、これを製品として容器に充填する際に精密な濾過を行う方法が特に好ましい。
濾過工程で用いるフィルターとしては、液体用のフィルターを用いてもよく、またガス用のフィルターを用いてもよい。特に充填時の精密な濾過に用いるフィルターの規格は、濾過精度において、1μm〜0.0001μmの範囲のものが好ましい。また、フィルターは、1種類又は2種類以上組み合わせて使用してもよい。2種以上を組み合わせて使用する場合のフィルターの使用方法としては、例えば、PTFE樹脂等の有機材質フィルターを一次又は低次フィルターとし、石英や金属等の無機材質フィルターを二次又は高次フィルターとする方法、濾過精度の低いフィルターを低次フィルターとし、濾過精度の高いフィルターを高次フィルターとする方法、これらの方法を組み合わせる方法が挙げられる。特にSUS系金属材質のガス用フィルターは、アウトガスが少なく、フィルター中の水分を除去することが容易であるので、これを高次フィルターとすることで、生産性を低下させることなく本発明の気化プロセス用薄膜原料を製造することができる。
本発明の気化プロセス用薄膜原料は、従来のCVD法又はALD法による薄膜の製造に供することができ、製造される薄膜は、使用するプレカーサや薄膜製造条件等を常法に従って適宜選択することにより、金属、合金、酸化物セラミックス、窒化物セラミックス、窒化酸化物セラミックス、炭化物セラミックス等の所望の種類の薄膜とすることができる。これらの薄膜の用途としては、高誘電キャパシタ膜、ゲート絶縁膜、ゲート膜、強誘電キャパシタ膜、コンデンサ膜、バリア膜等の電子部品部材、光ファイバ、光導波路、光増幅器、光スイッチ等の光学ガラス部材等が挙げられる。
本発明の水分分析方法は、近赤外分光法を用いた吸収スペクトル測定により、水の吸収スペクトルを検知し、水分含有量を定量分析する方法であり、その対象は、気化プロセス用薄膜原料である。本発明の水分分析方法における近赤外分光法を用いた吸収スペクトル測定は、常法に従って行なうことができる。
本発明の水分分析方法においては、水分含有量既知の試料について近赤外分光法によるスペクトル吸収測定を行なって予め検量線を作成し、該検量線を用いて、分析対象である気化プロセス用薄膜原料のスペクトル吸収測定結果から、水分含有量を算出する。検量線の作成や測定結果のデータ処理等も、常法に従って行なうことができる。
本発明の水分分析方法によれば、カールフィッシャー法を使用できないプレカーサ(例えば、前記の分子構造中にSi−Hを有するシラン化合物、亜燐酸エステル、銅(II)錯体、銅(I)錯体、金属アミド化合物、金属アルコキシド化合物、アルキル金属化合物、金属ハイドライド化合物等)を含有する気化プロセス用薄膜原料を直接測定することが可能であり、該原料の高度な水分管理に特に有用な方法である。
本発明の水分分析方法における近赤外分光法によるスペクトル吸収測定は、水の吸収波長が原料中のプレカーサや有機溶媒の吸収波長と重ならずに高い分解能を与えることから、5600〜4700cm-1の領域におけるスペクトル吸収を測定して、水のスペクトル吸収を検知する方法が好ましい。水のスペクトル吸収は5300〜5200cm-1にあり、また、5510cm-1付近及び4850cm-1付近には、水分及び気化プロセス用原料中のプレカーサや有機溶媒の吸収が殆ど観察できない領域がある。従って、5300〜5200cm-1にある水のスペクトル吸収について、5510cm-1付近又は4850cm-1付近の吸収を基準とした検量線を作成すれば、検出限界値をより低くすることが可能となる。該領域における測定によれば、例えば、後記実施例に示したとおり、Si−Hを有するシラン化合物であるジメチルフェニルシランからなる気化プロセス用薄膜原料では、0.003ppmの検出限界の測定が可能となる。
また、上記領域以外では、7400〜7000cm-1、8600〜8000cm-1又は10300〜10000cm-1の領域においても、水のスペクトル吸収の検知が可能である。
本発明の気化プロセス用薄膜原料の水分分析方法を用いて測定できる水分含有量の検出限界は、気化プロセス用薄膜原料に含まれるプレカーサや必要に応じて用いられる他の成分(有機溶剤や安定剤)により異なるが、通常0.001〜0.01ppmの範囲である。
以下、実施例、比較例をもって本発明を更に詳細に説明する。しかしながら、本発明は以下の実施例等によって何ら制限を受けるものではない。
[実施例1]
ジメチルフェニルシランに、水分含有量1000ppmのアニソールを加え、1ppm、5ppm、10ppm、25ppm、50ppmの含水量のサンプルをそれぞれ調製した。これらについて、下記図1に示す近赤外分光装置を用いて、以下の条件により近赤外線スペクトル吸収を11000〜2500cm-1の範囲で測定した。測定は、各サンプルについてそれぞれ5回行い、各サンプルそれぞれの平均の吸収曲線を標準スペクトルとした。標準スペクトルの内、5600〜4700cm-1の範囲のスペクトルを切り出し、二次微分を行い、続いて、Sabitzky-Golay法(data-point:7 / Polynomial order:3)でスムージングを施した。5510cm-1の強度を基準として、PLS(Partial least squares)法を用いて検量線を作成した。検出限界は0.003ppmであった。
尚、図2に標準スペクトルの5340〜5200cm-1の範囲を示す。5300〜5200cm-1の範囲において、各サンプル間では、水の吸収によるスペクトル差異があることが確認できる。上記の処理は、この部分のスペクトル吸収について、5510cm-1の吸収を基準として、検量線化するものである。
(測定装置及び条件)
分光器:Thermo Electron社製 Nexus
ミラー:Al
検出器:InGaAs検出器
分解能:8cm-1
Sweep数:100回
測定波数域:11000〜2500cm-1(ターゲットは5300〜5200cm-1付近のOHの吸収(倍音,結合音))
石英セル:内容積(H40×W40×D15mm),板厚1.25mm
[実施例2]ジメチルフェニルシランからなる気化プロセス用薄膜原料の製造
ジメチルフェニルシランについて、段数10の精留器を用いて、還流比1:1、温度100±5℃、圧力100〜150torr、初留分5質量%カット、釜残7質量%の条件で蒸留を行って主留分aを得た。得られた主留分aについて、上記実施例1で使用した近赤外分光装置を用い、上記実施例1で得た検量線により、水分分析を行ったところ、水分含有量は2.18ppmであった。
そこで、主留分aについて再度同様の条件で蒸留を行い、主留分bを得た。主留分bについて上記と同様にして水分分析を行った結果、水分含有量は0.034ppmであった。
次に、この主留分bについて、図3で示す装置を用いてパーティクル除去を行った。ここで用いたフィルターAは、ハウジング;SUS−316L、フィルター;SUS−316L(有効濾過面積43.8cm2、定格濾過精度(ガス)0.05μm)であり、フィルターBは、ハウジング;SUS−316L、フィルター;SUS−316L(有効濾過面積3.14cm2、定格濾過精度(ガス)0.003μm)である。フィルターAにおける濾過速度は、10ml/min、フィルターBにおける濾過速度は、10ml/minに設定した。パーティクル除去して得たジメチルフェニルシランからなる気化プロセス用薄膜原料について、再度、上記と同様にして、水分分析を行ったところ、水分含有量は0.054ppmであった。また、この気化プロセス用薄膜原料のパーティクル測定を図4に示す装置を用いて下記条件1及び2それぞれにより行った結果、0.5μmより大きい粒子は検出限界以下であり、0.3μmより大きい粒子は4.4pcs/mlであり、0.2μmより大きい粒子は7.6pcs/mlであった。
(条件1)
検出粒子:>0.5μm
光散乱式液中粒子測定装置:KS−40B(リオン社製)
最大定格粒子濃度:1200pcs/ml(0.5μm粒子の計数損失5%)
検出限界:0.1個/ml
測定流量:10ml/min
(条件2)
検出粒子:>0.2μm及び>0.3μm
光散乱式液中粒子測定装置:KS−28E(リオン社製)
最大定格粒子濃度:1200pcs/ml(検出最小粒子の計数損失5%)
検出限界:0.1個/ml
測定流量:10ml/min
[実施例3]2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサンからなる気化プロセス用薄膜原料の製造
2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサンに、水分含有量1000ppmのアニソールを加え、1ppm、5ppm、30ppmの含水量のサンプルを調製した。これらのサンプルを用いて、上記実施例1と同様の装置と手法を用いて検量線を得た。検出限界は0.005ppmであった。
2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサンについて、段数10の精留器を用いて、還流比1:1、温度30±3℃、圧力10〜15torr、初留分5質量%カット、釜残5質量%の条件で蒸留を行った。上記の検量線による主留分の水分分析の値が1ppm以下になるまで同条件での蒸留を繰り返し、水分含有量が0.084ppmの2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサンからなる気化プロセス用薄膜原料を得た。なお、蒸留前の水分含有量は26.7ppmであった。
[実施例4]テトラキス(エチルメチルアミノ)ハフニウムからなる気化プロセス用薄膜原料の製造
テトラキス(エチルメチルアミノ)ハフニウムに、水分含有量1000ppmのテトラヒドロフランを加え、0.5ppm、1.0ppm、3ppm、12ppmの含水量のサンプルを調製した。これらのサンプルを用いて、上記実施例1と同様の装置と手法を用いて検量線を得た。検出限界は0.01ppmであった。
テトラキス(エチルメチルアミノ)ハフニウムについて、段数10の精留器を用いて、還流比1:1、温度80±8℃、圧力1〜1.5torr、初留分5質量%カット、釜残5質量%の条件で蒸留を行った。上記の検量線による主留分の水分分析の値が1ppm以下になるまで同条件での蒸留を繰り返し、水分含有量が0.15ppmのテトラキス(エチルメチルアミノ)ハフニウムを主留分として得た。次に、この主留分について、図3で示す装置を用いてパーティクル除去を行った。ここで用いたフィルターAは、ハウジング;PFA、フィルター;PTFE(有効濾過面積0.07m2、定格濾過精度(液)0.1μm)であり、フィルターBは、ハウジングSUS−316L、フィルター;SUS−316L(有効濾過面積7.54cm2、定格濾過精度0.003μm)である。フィルターAにおける濾過速度は、10ml/min、フィルターBにおける濾過速度は、10ml/minに設定した。パーティクル除去して得たテトラキス(エチルメチルアミノ)ハフニウムからなる気化プロセス用薄膜原料について、水分分析を行ったところ、水分含有量は、0.18ppmであった。なお、蒸留前の水分含有量は4.82ppmであった。
また、この気化プロセス用薄膜原料のパーティクル測定を図4に示す装置を用いて上記実施例2と同様の条件により行った結果、0.5μmより大きい粒子は検出限界以下であり、0.3μmより大きい粒子は6.2pcs/mlであり、0.2μmより大きい粒子は29.6pcs/mlであった。
[比較例1]
上記実施例4と同様の水分測定方法による水分分析値が2.44ppmであるテトラキス(エチルメチルアミノ)ハフニウムについて、上記実施例4と同様の濾過操作によるパーティクル除去を行い、これについて、実施例4と同様にパーティクル測定を行った。結果は、0.5μmより大きい粒子は検出限界以下であり、0.3μmより大きい粒子は8.5pcs/mlであり、0.2μmより大きい粒子は46.6pcs/mlであった。
上記実施例4及び比較例1より、金属アミド化合物であるテトラキス(エチルメチルアミノ)ハフニウムについて、高度に水分を管理することがパーティクル抑制に効果のあることが確認できた。
図1は、本発明の水分分析方法におけるスペクトル吸収測定に用いられる近赤外分光装置の一例を示す概要図である。 図2は、実施例1において近赤外線スペクトル吸収測定を行なった各水分添加量のサンプルそれぞれの標準スペクトルのうち、5340〜5200cm-1の範囲のスペクトルである。 図3は、本発明の気化プロセス用薄膜原料の製造においてパーティクル除去のために用いられる濾過装置の一例を示す概要図である。 図4は、本発明の気化プロセス用薄膜原料中に含まれるパーティクルの測定に用いられる測定装置の一例を示す概要図である。

Claims (6)

  1. 分子構造中にSi−Hを有するシラン化合物、亜燐酸エステル、銅(II)錯体、銅(I)錯体、金属アミド化合物、金属アルコキシド化合物、アルキル金属化合物及び金属ハイドライド化合物からなる群から選択される少なくとも1種のプレカーサを含有してなり、水分含有量が1ppm以下である気化プロセス用薄膜原料。
  2. 上記プレカーサが、分子構造中にSi−Hを有するシラン化合物である請求項1に記載の気化プロセス用薄膜原料。
  3. 上記プレカーサが、金属アミド化合物である請求項1に記載の気化プロセス用薄膜原料。
  4. 気化プロセス用薄膜原料中の水分含有量の定量分析を、近赤外分光法を用いて水のスペクトル吸収を検知することにより行う気化プロセス用薄膜原料の水分分析方法。
  5. 5600〜4700cm-1の領域において上記水のスペクトル吸収を検知する請求項4に記載の水分分析方法。
  6. 上記気化プロセス用薄膜原料が、分子構造中にSi−Hを有するシラン化合物、亜燐酸エステル、銅(II)錯体、銅(I)錯体、金属アミド化合物、金属アルコキシド化合物、アルキル金属化合物及び金属ハイドライド化合物からなる群から選択される少なくとも1種のプレカーサを含有してなる請求項4又は5に記載の水分分析方法。
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