JP2007008661A - 搬送ローラの製造方法、記録装置、及び、搬送ローラ - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡単な工程で、かつ高い精度で搬送ローラを製造する搬送ローラの製造方法、記録装置、及び、搬送ローラを提供する。
【解決手段】 シートの記録面に画像を記録するプリンタにおいて、シートを搬送する第1搬送ローラ50は、大径部53と大径部53より細径の軸部52とが軸方向に連なる形状を有し、これら円柱部と軸部とが、水硬性組成物を含む成形材料を用いた射出成形により一体に成形され、この射出成形時に、摺動部54、55が鏡面に形成される。
【選択図】 図3

Description

本発明は、記録装置においてシートを搬送する搬送ローラの製造方法、この製造方法により製造された搬送ローラを備えた記録装置、及び、搬送ローラに関する。
従来、記録装置においてシートを搬送する搬送ローラの多くは、シートに当接するドラム形状のローラを軸に挿通させた構成を有し、軸を回転駆動することによってローラが回転し、シートを搬送するものであった(例えば、特許文献1参照。)。
特開平5−319617号公報
従来の搬送ローラは、径が異なる部分を有するなど複雑な形状を有しており、さらに、安定した搬送を行うために高い寸法精度が要求される。このため、従来の搬送ローラは、例えば、金属管を軸にして合成樹脂製の輪を嵌め込み、輪の周面に板状のゴムを固定するなど、複数の部品を組み合わせて製造されていた。しかしながら、複数の部品を用いるため、製造工程が複雑になり、コストが増大するという問題があった。また、要求される精度を満たすため、各部品を高い精度で製造しなければならず、製造上及び品質管理上の負担が大きいという問題があった。
従って、簡単な工程で、かつ、高精度で、複雑な形状を有する搬送ローラを製造することが求められていた。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、簡単な工程で、かつ高い精度で搬送ローラを製造することが可能な搬送ローラの製造方法、記録装置、及び、搬送ローラを提供することを目的としている。
上記課題を解決するため、本発明は、記録装置においてシートを搬送する搬送ローラの製造方法であって、円柱部と当該円柱部より細径の軸部とが軸方向に連なる形状の搬送ローラを射出形成するための金型であって、前記搬送ローラの前記軸部の周面を形成するキャビティー面の少なくとも一部が鏡面に形成された金型を用い、水硬性組成物を含む成形材料を前記金型内に射出する工程と、前記金型を離型することにより、前記搬送ローラを一体に形成するとともに前記軸部の周面のうち少なくとも一部を鏡面に形成する工程とを含むことを特徴としている。
これにより、円柱部と当該円柱部より細径の軸部とが軸方向に連なる形状の搬送ローラを射出成形により一体に製造することが可能となり、さらに、射出成形時に軸部の少なくとも一部が鏡面に形成されるので、安定して回転動作することにより高精度の搬送動作を行える搬送ローラを、簡略化された製造工程によって高精度で製造できる。
本発明において、前記金型における前記搬送ローラの前記軸部の周面を形成するキャビティー面は、前記軸部の軸方向における少なくとも一部が、その全周にわたって鏡面に形成されたものとしてもよい。この場合、搬送動作時における搬送ローラの回転に係る抵抗が極めて低く抑えられるので、極めて高精度の搬送動作を行える搬送ローラを、簡略化された製造工程によって高精度で製造できる。
また、本発明において、前記搬送ローラにおける前記円柱部の周面に、所定の粒子を分散させて高摩擦層を形成する工程をさらに含むようにしてもよい。また、前記金型は、前記搬送ローラの前記円柱部の周面を形成するキャビティー面が粗面に形成されたものとしてもよい。この場合、シートとの間に高い摩擦係数を有することで、より高い精度の搬送動作が可能な搬送ローラを、大幅に簡略化された製造工程により高精度で製造できる。
本発明において、前記成形材料は、前記水硬性組成物とバインダとを含むものとしてもよい。この場合、容易に製造可能で、かつ高い強度を有する搬送ローラを実現できる。
本発明は、シートの記録面に画像を記録する記録装置において、前記シートを搬送する搬送ローラであって、前記シートに当接する円柱部と当該円柱部より細径の軸部とが軸方向に連なる形状を有し、前記円柱部と前記軸部とを一体に成形するためのキャビティーを有するとともに、前記軸部の周面を形成するキャビティー面の少なくとも一部が鏡面とされた金型に、水硬性組成物を含む成形材料を射出する射出成形により製造されたことを特徴としている。
これにより、円柱部と当該円柱部より細径の軸部とが軸方向に連なる形状の搬送ローラを射出成形により一体に製造することが可能となり、さらに、射出成形時に軸部の少なくとも一部が鏡面に形成されるので、安定して回転動作することにより高精度の搬送動作が可能で、かつ、大幅に簡略化された製造工程により高精度で製造可能な搬送ローラを実現できる。
本発明は、シートを搬送する搬送ローラを備え、当該シートの記録面に画像を記録する記録装置において、前記搬送ローラは、前記シートに当接する円柱部と当該円柱部より細径の軸部とが軸方向に連なる形状を有し、前記円柱部と前記軸部とを一体に成形するためのキャビティーを有するとともに、前記軸部の周面を形成するキャビティー面の少なくとも一部が鏡面とされた金型に、水硬性組成物を含む成形材料を射出する射出成形により製造されたことを特徴としている。
これにより、円柱部と当該円柱部より細径の軸部とが軸方向に連なる形状の搬送ローラを射出成形により一体に製造することが可能となり、さらに、射出成形時に軸部の少なくとも一部が鏡面に形成されるので、安定して回転動作することにより高精度の搬送動作が可能で、かつ、大幅に簡略化された製造工程により高精度で製造可能な搬送ローラを備えた記録装置を実現できる。
本発明によれば、安定して回転動作することにより高精度の搬送動作を行える搬送ローラを、簡略化された製造工程によって高精度で製造できる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明を適用した実施の形態に係るドットインパクトプリンタのプリンタ本体を示す斜視図である。図2は、図1のプリンタ本体の側断面図である。
これらの図に示す記録装置としてのプリンタ10は、記録ヘッドが備える多数の記録ワイヤ(図示略)を、インクリボン(図示略)を介してシートに打ち付けてドットを記録することにより、文字を含む画像を印刷するドットインパクトプリンタである。このプリンタ10は、記録装置本体としてのプリンタ本体11と、プリンタ本体11に装着されたプッシュトラクタユニット12と、プリンタ本体11の上方、下方をそれぞれ覆う上部ケース(図示略)及び下部ケース13と、プリンタ本体11の前方側に設置されてカットシートKを案内するシート供給ガイド43と、を備える。
シートとしては、所定長さに切断されたカットシートK、或いは連続シート(いわゆるスプロケット紙等の連続紙)を用いることが可能であるが、本実施の形態ではカットシートKを用いた例を挙げて説明する。ここで、カットシートKとしては、紙、合成樹脂、不織布等を用いたものが挙げられ、これらのシートにコーティングを施したものを用いてもよい。また、その形態は、単票紙、複写紙或いはカットフィルム等があるが、その他の形態としてもよい。
プリンタ本体11は、本体フレームとしてのベースフレーム14、メインフレーム15、左サイドフレーム16及び右サイドフレーム17と、記録ヘッド18及びキャリッジ19と、プラテン20、シート案内25、第1搬送ローラ50(搬送ローラ)、第2搬送ローラ22、第3搬送ローラ23及び第4搬送ローラ24と、を備える。
ベースフレーム14及びメインフレーム15の略両端部に、左サイドフレーム16及び右サイドフレーム17が各々立設して固定される。これら左サイドフレーム16と右サイドフレーム17との間に、下部キャリッジガイド軸26と上部キャリッジガイド軸27が上下方向に所定距離離れて架け渡される。下部キャリッジガイド軸26は、左サイドフレーム16と右サイドフレーム17とに回動自在に支持される。
また、左サイドフレーム16と右サイドフレーム17との間には、プラテン20が架け渡され、プラテン20の端部の近傍にはシート案内25が配設される。プラテン20は、左サイドフレーム16及び右サイドフレーム17に回転自在に支持される。
プッシュトラクタユニット12(図2)は、プラテン20を備えたシート搬送機構部へ連続シートを供給するものであり、左右一対のトラクタ28を有する。トラクタ28は、トラクタ駆動軸29に軸方向に沿って摺動自在に支持され、トラクタ駆動軸29とともに回転するトラクタ駆動プーリ(図示略)と、トラクタガイド軸30に回転自在かつ軸方向に沿って摺動自在に支持されたトラクタ従動プーリ(図示略)とを有し、これらトラクタ駆動軸29及びトラクタ駆動プーリにトラクタベルト31が巻き掛けられ、さらにシート押え32を備えて構成される。
一対のトラクタ28間の距離は、搬送すべき連続シートの幅寸法に応じて調整可能とされる。また、トラクタベルト31の全外周に突設された複数本のピン33が、連続シートの幅方向両側に穿設されたスプロケット穴(図示略)に係合可能に配設される。
プラテン20を含むシート搬送機構部は、プラテン20に対し、第1搬送ローラ50及び第2搬送ローラ22がプリンタ本体11の前方側に、第3搬送ローラ23及び第4搬送ローラ24がプリンタ本体11の後方側にそれぞれ配置されて構成される。さらに、第1搬送ローラ50と第2搬送ローラ22が、また第3搬送ローラ23と第4搬送ローラ24が、それぞれ上下方向に配置されて対をなす。
このうち、第1搬送ローラ50及び第3搬送ローラ23は、プラテン20と共にシート案内25の下方に配置され、第2搬送ローラ22及び第4搬送ローラ24がシート案内25の上方に配置される。プラテン20、第1搬送ローラ50及び第3搬送ローラ23の上部は、シート案内25の上方に突出した状態となっている。また、シート案内25におけるプリンタ本体11の前方側には、シート案内25との間でシートを保持するシート保持プレート37が設けられている。
プラテン20、第1搬送ローラ50、及び第3搬送ローラ23は、輪列駆動部34(図1)を介して搬送モータ35が有するモータピニオン36に連結される。搬送モータ35は、例えばステッピングモータにより構成される。
駆動輪列部34は、左サイドフレーム16又は右サイドフレーム17の一方、例えば右サイドフレーム17に設置される。この駆動輪列部34は、正転または逆転可能な搬送モータ35の駆動軸に回転一体に固定されたモータピニオン36を備える。このモータピニオン36からの駆動力が巻掛け伝動機構や歯車機構を介して、プラテン20、第1搬送ローラ50、第3搬送ローラ23及びプッシュトラクタユニット12へ伝動可能とされる。
そして、プラテン20、第1搬送ローラ50及び第3搬送ローラ23は、搬送モータ35の駆動力により、図2中における時計方向(CW)または反時計方向(CCW)に回転駆動される。
また、第1搬送ローラ50に対向して配設された第2搬送ローラ22は、第1搬送ローラ50の回転に従動して回転し、第3搬送ローラ23に対向して配設された第4搬送ローラ24は、第3搬送ローラ23の回転に従動して回転する。
さらに、前記プッシュトラクタユニット12のトラクタベルト31は、搬送モータ35の駆動力により反時計方向に駆動される。
カットシートKは、図2に示すように、プリンタ本体11の前方側から手動供給された後、プラテン20、第1搬送ローラ50及び第3搬送ローラ23の時計方向の回転、並びに第2搬送ローラ22、第4搬送ローラ24の反時計方向の回転により、プリンタ本体11の前方から後方へ向かって矢印A方向に搬送され、また、プラテン20、第1搬送ローラ50及び第3搬送ローラ23の反時計方向の回転、並びに第2搬送ローラ22、第4搬送ローラ24の時計方向の回転により、プリンタ本体11の後方から前方へ向かって矢印B方向に搬送される。
他方、連続シートは、プッシュトラクタユニット12によりプリンタ本体11の後方側から矢印B方向に供給された後、プラテン20、第1搬送ローラ50、第2搬送ローラ22、第3搬送ローラ23及び第4搬送ローラ24により同方向(矢印B方向)に搬送される。
これにより、カットシートK及び連続シートは、後述するキャリッジ19の主走査方向に直交する副走査方向に搬送される。
キャリッジ19は、図1に示すように、下部キャリッジガイド軸26及び上部キャリッジガイド軸27に摺動自在に挿通されると共に、記録ヘッド18を搭載する。下部キャリッジガイド軸26及び上部キャリッジガイド軸27がプラテン20と平行に配置されることから、キャリッジ19は、これらプラテン20、下部キャリッジガイド軸26及び上部キャリッジガイド軸27の軸方向と一致する主走査方向に走行(走査)可能に設けられる。
キャリッジ19はタイミングベルト39に結合され、タイミングベルト39の往復動作によって走行する。タイミングベルト39は、モータ取付ブラケット44を介して右サイドフレーム17に固定されたキャリッジ駆動モータ38の回転動作によって、主走査方向に沿って往復移動される。
従って、キャリッジ19は、キャリッジ駆動モータ38の正転又は逆転により、タイミングベルト39を介し、下部キャリッジガイド軸26及び上部キャリッジガイド軸27に案内されて、主走査方向における図1の左向き又は右向きに走査される。キャリッジ駆動モータ38は、例えばステッピングモータ或いはDCモータにより構成される。
また、キャリッジ19には、図1に示すように、リボンカセット装着部40が設けられ、このリボンカセット装着部40に、インクリボン(図示略)を収納したリボンカセット(図示略)が装着される。キャリッジ19には、リボンカセットのインクリボンを、プラテン20の上方周面に接して搬送されるシート(カットシートKまたは連続シート)から保護するリボンマスクホルダ41が設置されている。リボンカセット内のインクリボンは、リボンカセット装着部40に設置されたリボン駆動軸42により、記録ヘッド18の記録ワイヤの前方において移動可能に配設される。
記録ヘッド18は多数の記録ワイヤ(図示略)を備え、これらの記録ワイヤの突出方向前方に、上述の如くインクリボンが位置する。記録ヘッド18は、キャリッジ19と共に主走査方向に走査される間に、記録ワイヤを突出させてインクリボンに打ち当て、このインクリボンのインクを、プラテン20(図2)と記録ヘッド18との間に搬送されるシート(カットシートK又は連続シート)に付着させて、このシートに文字を含む画像を記録する。
記録ヘッド18による記録動作は、キャリッジ19が主走査方向に沿って左向き又は右向きに走査される間に、記録ヘッド18の記録ワイヤにより一行の記録がなされ、この一行の記録がなされる度に、シートが所定長(一行分)搬送される。ここで、シートの搬送は、シートがカットシートKの場合には、シート搬送機構部(プラテン20、第1搬送ローラ50、第2搬送ローラ22、第3搬送ローラ23及び第4搬送ローラ24)が実行し、シートが連続シートの場合には、上記シート搬送機構部及びプッシュトラクタユニット12が実行する。
ここで、第1搬送ローラ50の構成について詳細に説明する。
図3は、第1搬送ローラ50の外観斜視図である。図3に示すように、第1搬送ローラ50の一端部にはプーリ59が嵌め込まれている。プーリ59は、輪列駆動部34(図1)の一部を構成し、モータピニオン36(図1)に直接または間接的に連結され、モータピニオン36の動作に対応して第1搬送ローラ50とともに回転する。
そして、第1搬送ローラ50は、円柱形状の複数の大径部53(円柱部)と、大径部53より細径の円柱形状の軸部52とが、軸方向に交互に連結された形状となっている。複数の大径部53は互いに離隔され、軸部52は、大径部53と大径部53との間、及び、第1搬送ローラ50の両端に位置する。これら全ての軸部52及び大径部53は一体に形成されている。
さらに、第1搬送ローラ50の一端側、すなわちプーリ59が嵌め込まれる側に位置する軸部52の略中央部は、摺動部54となっている。摺動部54は、軸部52の一部がさらに細径に形成された部分であり、右サイドフレーム17(図1)に配設される軸受け(図示略)に係合して、回転自在に支持される。また、第1搬送ローラ50の他端においては、軸部52の端部が細径に形成されて摺動部55となっている。摺動部55は、左サイドフレーム16(図1)に配設される軸受け(図示略)に係合して、回転自在に支持される。
第1搬送ローラ50の回転時には、摺動部54、55は上記軸受け(図示略)との間で摺動する。このため、摺動部54、55の周面は、軸受け(図示略)との間の摩擦抵抗を低減させるべく、鏡面に形成されている。これにより、第1搬送ローラ50が滑らかに回転するので、搬送モータ35による駆動力のロスを減少させ、かつ、カットシートKを確実に搬送できるという利点がある。この摺動部54、55における鏡面は、後述する大径部53の製造工程において、射出成形時に形成される。
また、図1に示すように、第1搬送ローラ50に対向して配設される第2搬送ローラ22は、円筒形状のローラ部22Aを有し、このローラ部22Aと、第1搬送ローラ50の大径部53とが正対する。カットシートKは、大径部53の周面とローラ部22Aとの間に挟まれて搬送されるので、大径部53の周面は、カットシートKとの間に滑りを生じない程度の摩擦抵抗を生じる必要がある。このため、大径部53の周面には高摩擦層が形成されている。
この大径部53に形成される高摩擦層は、アルミナ、シリカ(酸化ケイ素)、炭化ケイ素等のセラミックスからなる摩擦粒子(所定の粒子)を分散させた構成となっており、この摩擦粒子がカットシートKの表面に食い付くことで、カットシートKと大径部53との間に摩擦が生じ、高精度の紙送りを実現できる。摩擦粒子にセラミックスを用いた場合、耐摩耗性に優れる等の有利な特徴があり、長期間にわたって安定した搬送を実現できるという利点がある。さらに、摩擦粒子として比較的鋭い角を有するものを用いることにより、高摩擦層の摩擦係数は一層向上する。
上記摩擦粒子の分布状態としては、好ましくは、大径部53の周面において重なることなく、長手方向には僅かに離間して分散されている。さらに、大径部53の周面に上記摩擦粒子を1個ずつ整列させた状態が最も好ましい。
大径部53の周面に分布する上記摩擦粒子は、所定の粒径を中心として±20%の範囲で揃っていると、非常に好ましい。これは、大径部53の周面に形成される高摩擦層の厚みがほぼ均一となって、大径部53の実質的な径が周方向及び長手方向にほぼ均一となり、安定した搬送を実現できるからである。そして、摩擦粒子の粒径の中心は、好ましくは20μm〜70μmの範囲から選択され、より好ましくは50μmである。粒径が20μm〜70μmの範囲内であった場合、粒径が大き過ぎてカットシートKを損傷させるといった事態を確実に防止でき、また粒径が小さ過ぎて表面への紙粉詰まりを生じるといった事態をも確実に防止でき、さらに、カットシートKとの間における必要な摩擦係数を容易に得られるからである。
また、大径部53の周面における上記摩擦粒子の分布密度は20%〜80%であることが好ましい。この分布密度は、例えば、大径部53の周面において摩擦粒子が占める面積の比である。この範囲であれば、分布密度が大きすぎることによる摩擦粒子の重層状態、及び、分布密度が小さすぎることによる凸部の不足を回避できる。
さらに、上記摩擦粒子は、所定の接着剤を用いることによって大径部53の表面に付着される。この接着剤は、上記摩擦粒子を分散させて強固に大径部53の表面に固着して一体化するためのもので、上記摩擦粒子と大径部53の材料や表面状態等により適宜選択してよい。接着剤の具体的な例としては、熱硬化型エポキシ系接着剤、室温硬化型アクリル系接着剤、UV(紫外線)硬化型ポリウレタン系接着剤、又は2液反応型エポキシ系接着剤等が挙げられる。
ここで、大径部53の周面に高摩擦層を形成する方法としては、例えば、上記摩擦粒子を混入させた流動状態の接着剤を大径部53の表面に直接噴霧或いは塗布し、乾燥又は硬化させる方法が挙げられる。加熱硬化型の接着剤を用いる場合は、噴霧或いは塗布後に加熱処理(例えば160℃で20分)を行って接着剤を大径部53の表面に強固に固着させてもよい。また、常温硬化型の接着剤を用いる場合は、噴霧或いは塗布後に常温で所定時間放置して硬化させればよいし、UV硬化型接着剤を用いる場合は、噴霧或いは塗布後に紫外線を照射すればよい。
続いて、第1搬送ローラ50の製造工程について説明する。
図4は、第1搬送ローラ50の製造に用いる金型60の断面図である。図4に示す金型60は、第1搬送ローラ50の軸中心を通る平面を境として上下に型割れする構造となっている。なお、金型60は、三つ以上に型割れする構造としてもよく、その細部構成についても任意であるが、第1搬送ローラ50の軸中心を通る面を境に型割れするものであれば、好ましい。
金型60には、第1搬送ローラ50を成形するための空間としてキャビティー62が形成され、このキャビティー62に射出成形材料を注入するためのゲート61が、金型60の長手方向略中央に設けられる。なお、図4には一個のゲート61を設けた構成を示しているが、ゲート61の位置及び数は任意であり、射出成形時に第1搬送ローラ50の材料が十分にキャビティー62の全体に行き渡るように、当該射出成形材料の性状やキャビティー62のサイズに応じて適宜調整してよいが、第1搬送ローラ50においては、大径部53及び摺動部54、55の表面状態及びその断面の真円度が、搬送動作の安定性に影響を与える可能性があるため、ゲート61は、キャビティー62において、軸部52を形成する部分(鏡面部63を除く)に配置されることが望ましい。また、ゲート61の形状(テーパーの角度等)についても同様に、当該射出成形材料の性状やキャビティー62のサイズに応じて適宜調整可能である。
キャビティー62は、第1搬送ローラ50と同一形状となっており、大径部53を形成するための大径部分と、軸部52を形成するための細径部分と、摺動部54、55を形成するためのさらに細径の部分とを有する。
ここで、キャビティー62において摺動部54、55を形成するための表面、すなわち図中に示す鏡面部63(キャビティー面)は、全周にわたって鏡面(例えば、三角記号で4つ)に形成されている。
ここで、射出成形材料は、水硬性組成物とバインダとを含むものを用いる。水硬性組成物とは、後述する水硬性粉体及び非水硬性粉体を混錬した組成物である。
水硬性粉体とは、水分の添加により硬化する性質を有する組成物からなる粉体であって、例えば、ポルトランドセメント、珪酸カルシウム化合物、カルシウムアルミネート化合物、カルシウムフルオロアルミネート化合物、カルシウムサルファアルミネート化合物、カルシウムアルミノフェノライト化合物、リン酸カルシウム化合物、半水石膏、無水石膏、生石灰等のうち1または複数の物質を含む。
水硬性粉体の粒径については任意であるが、成形に要する時間及び成形後の強度の点からみて、平均粒径10〜40μm(マイクロメートル)程度であることが好ましく、また、ブレーン比表面積が2500cm2/g(平方センチメートル/グラム)であることが好ましい。
非水硬性粉体としては、それ自体が水分と接触しても硬化を呈しない組成物の粉体を指し、アルカリ性若しくは酸性条件下、或いは高圧蒸気雰囲気下において、その成分が溶出し、他の成分と反応して生成物を生じるものを含む。
具体的には、例えば、水酸化カルシウム、二水石膏、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ等、或いはこれらを含む混合物(珪石、粘土、スラグ、フライアッシュ、シリカヒューム等)が挙げられるが、その他、カルシウム、鉄、マグネシウム等の化合物、またはこれらの化合物を含む混合物を用いてもよい。この非水硬性粉体を上記射出成形材料に含ませた場合、ポゾラン反応、或いはマイクロフィラー効果により、成形後の強度が増大するという利点がある。
また、非水硬性粉体は、異なる粒径の粒子の混合物であることが好ましく、例えば、1μm未満の径を有するナノ粒子と、1〜5μm程度の径を有する粒子との混合物であれば、より好ましい。さらに好ましい例としては、1μm未満のシリカ粒子と、1〜5μm程度のアルミナ粒子を含むものが挙げられ、最も好ましい例としては、100〜200nm(ナノメートル)のシリカ粒子と、2.5〜5.0μmのアルミナ粒子とを含むものが挙げられる。これは、ボールベアリング効果により、上記した射出成形材料の流動性が著しく高まり、射出成形を行うにあたって十分な流動性を容易に確保できるからである。また、非水硬性粉体が、主として球形粒子により構成されるものであれば、非常に好ましい。この場合、ボールベアリング効果により、上記した射出成形材料の流動性が著しく高まり、射出成形を行うにあたって十分な流動性を容易に確保できるからである。上記の好ましい粒径及び最も好ましい粒径のシリカ及びアルミナを含む材料としては、フライアッシュを用いることができ、この場合、材料コストを抑えることができる。
なお、非水硬性粉体の粒径については、主として上述した数値範囲の粒子により構成されることを意味しており、上述した範囲外の粒径の粒子が含まれることを否定するものではなく、より小径または大径の粒子が含まれていてもよい。
バインダとしては、熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂のいずれも用いることが可能であるが、熱可塑性を有する合成樹脂であれば、射出成形時に所定の温度を保つことで流動性を確保できるので、好ましい。この熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート(PC)、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂)、ポリアセタール(POM)、変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリブチレンテレフタラート(PBT)、ポリアリレート(PAR)、ポリアミド(PA)、ポリエーテルイミド(PEI)、熱可塑性ポリイミド(TPI)、ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等を用いることが可能である。射出成形を行うにあたって十分な流動性と、良好な成形性及び射出成形前後の寸法安定性を確保する観点から、ポリフェニレンサルファイドが特に好ましい。また、これらバインダの分子量は任意であるが、5000以上であることが好ましく、より好ましくは10000以上である。
また、上記バインダとして、水分の添加若しくは加熱により架橋反応を示す熱可塑性樹脂を用いると、より好適である。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン共重合体及びプロピレン共重合体等のシラン架橋ポリマーを用いることができる。
また、バインダとして、上述した熱可塑性樹脂以外に、熱硬化性樹脂を用いることもできる。熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、シリコーン等のうち1又は複数のものを選択して用いることが可能である。その分子量は任意であるが、10000以上であれば好ましい。
上述した水硬性粉体と非水硬性粉体との比率については、水硬性粉体と非水硬性粉体の混合物(すなわち、水硬性組成物)全体のうち、非水硬性粉体の割合が0〜80重量%であることが好ましく、より好ましくは50〜70重量%であるが、水硬性粉体と非水硬性粉体との両方をかならずしも混合しなくとも良く、どちらか一方の選択でも可能である。
水硬性組成物に対するバインダの割合は、バインダ100重量部に対して水硬性組成物が200〜900重量部であることが好ましく、バインダ100重量部に対して水硬性組成物が400重量部程度であれば、より好ましい。
このような水硬性組成物とバインダとを含む射出成形材料は、高い流動性を確保することが可能なため射出成形に好適であり、複雑な形状の金型にも適応可能である。さらに、ヒケ・ソリを生じにくく、寸法精度が極めて高く、線膨張係数が小さいという優れた利点がある。また、この射出成形材料を用いて製造された物品は、エンジニアリングプラスチック等に比べて熱伝導率が高いため放熱性に優れ、強度が高く、極めて軽量で、セメント材料等として再利用が可能である等の利点がある。
また、上述した射出成形材料は、射出成形に用いる金型の面を良好に転写するという特徴を有する。このため、金型の内面を平滑に加工しておくことで、離型後の表面が、特に研磨等の加工を施さなくても平滑になる。これにより、その後の加工(塗装等)に際して表面を整える必要がなく、また、表面の質感が高いという利点がある。この特性により、第1搬送ローラ50の摺動部54、55は、鏡面部63の表面状態が良好に転写され、特に研磨等の加工を施さなくても、離型時において既に鏡面となっている。
上記射出成形材料は、上述した水硬性組成物及びバインダに加えて、成形性を改良する改良材(タルク、マイカ等)を含んでいてもよく、加工性を改良する改良材として、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、エポキシ樹脂等を含んでいてもよい。また、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の増粘剤をさらに含むものであってもよい。
さらに、上記射出成形材料は、成形後の強度を増す目的で、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、チタン酸カリウムウィスカ等の繊維を含むものとしてもよい。これらの繊維の長さは任意であるが、例えば1μm以上であり、好ましくは1〜1000μm、より好ましくは100μmである。また、その径についても任意であるが、例えば1〜10μm、好ましくは5μmである。
図5は、上述した射出成形材料を用いて第1搬送ローラ50を製造する場合の製造工程を、時系列順に示すフローチャートである。
図5に示すように、第1搬送ローラ50の製造工程は、まず水硬性粉体と非水硬性粉体とを混合し、水熱合成を行って水硬性組成物を得る(ステップS1)。このステップS1の水熱合成工程においては、例えば、高温の水蒸気(或いは高温高圧の水蒸気)の雰囲気下において、水硬性粉体と非水硬性粉体とを混練する。
続いて、水硬性組成物にバインダを加えて混練し(ステップS2)、混練後の材料を、予め組み上げた金型60内に充填することにより射出成形を行う(ステップS3)。このステップS3の射出成形工程においては、金型60内に材料を充填した後に所定時間の養生時間を確保してもよい。
その後、離型を行って、型抜き後の材料を養生する(ステップS4)。このステップS4の養生工程においては、例えば、高温の水蒸気(或いは高温高圧の水蒸気)の雰囲気下において型抜き後の材料を静置する。
そして、養生工程後に冷却若しくは放冷した材料に対し、大径部53の周面に相当する箇所に、上述したように高摩擦層を形成する(ステップS5)。このステップS5の工程では、例えば、上述したように摩擦粒子を混入させた流動状態の接着剤を噴霧或いは塗布し、接着剤を乾燥若しくは硬化させ、摩擦粒子を定着させる。
以上のように、水硬性組成物及びバインダを含む射出成形材料を用いて製造される第1搬送ローラ50は、(1)耐熱性に優れ、(2)寸法精度が高く、(3)ヒケ・ソリを生じにくく、(4)線膨張係数が小さく、(5)エンジニアリングプラスチック等に比べて熱伝導率が高いため放熱性に優れ、(6)強度が高く、(7)軽量であり、(8)セメント材料等として再利用が可能である等の利点がある。
これにより、第1搬送ローラ50は、(1)耐熱性及び放熱性に優れることで、プリンタ10の連続運転による高温にも十分に耐えることができ、劣化しにくい、(2)高精度で製造され、温度変化時にも寸法及び形状が安定しているため、カットシートKを極めて安定して搬送できる、(3)再利用が容易である、等の利点を有し、極めて有用である。
また、上述したように第1搬送ローラ50は、径の異なる複数の部分を有するなど比較的複雑な形状を有するものであるが、非常に簡単な工程で製造できるという利点がある。さらに、第1搬送ローラ50の軸部52及び大径部53を一体として成形できるので、第1搬送ローラ50の部品点数を大幅に削減することが可能となり、コストの低下が期待できるとともに、品質管理の効率が向上することで、より高品質な搬送ローラを容易に製造できるという利点がある。
さらに、第1搬送ローラ50においては、大径部53の周面にのみ高摩擦層を形成すればよいので、高摩擦層を形成するための材料の消費を最小限に抑えることが可能となる。
また、第1搬送ローラ50の製造に用いる金型60において、軸部52を形成するキャビティー面の少なくとも一部、好ましくは摺動部54、55の周面を形成する部分が、鏡面に形成されている。従って、第1搬送ローラ50は、左サイドフレーム16(図1)及び右サイドフレーム17(図1)に配設される軸受け(図示略)に係合する摺動部54、55が、射出整形時に鏡面に形成される。このため、搬送動作時において、第1搬送ローラ50の回転に伴う抵抗は極めて低く抑えられる。これにより、安定した搬送動作を実現する第1搬送ローラ50を、極めて簡略化された工程で製造できる。
そして、このような第1搬送ローラ50を備えるプリンタ10は、部品の製造工程が簡略化されたことで製造コストが低く抑えられ、耐熱性及び放熱性に優れる部品を用いることで耐久性が高められ、部品の寸法精度が高いことにより安定して動作可能であり、部品の軽量化によってプリンタ全体の軽量化を図ることができ、さらに、再利用可能な部品を用いることにより環境負荷の低減が図られたものとなる。
なお、上述した実施の形態は、本発明の一実施態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形及び応用可能であることは勿論である。例えば、上述した実施の形態においては、第1搬送ローラ50の大径部53の周面に、セラミックスの粒子を分散してなる高摩擦層を形成するものとして説明したが、本発明はこれに限定されず、第1搬送ローラ50の射出整形に用いる金型60のキャビティー面を粗面にすることで、大径部53の周面を粗面に形成することができる。以下、この場合について変形例として説明する。
[変形例]
図6は、本実施の形態の変形例における金型60の断面図である。図6に示す金型60は、ゲート61及びキャビティー62を備え、キャビティー62の表面の一部が上述のように鏡面部63となっている。さらに、金型60において大径部53を形成するための大径部分の表面、すなわち図6中に示す粗面部64(キャビティー面)は、粗面に形成されている。この粗面は、第1搬送ローラ50の射出成形時に大径部53の周面に転写される。
粗面部64の面粗度は、好ましくはRa=1.6を最大値とする。粗面部64は、好ましくは、複数の凹部が分散して形成された面であり、より好ましくは、先細り形状(先端が尖った形状を含む)を有する複数の凹部が分散して形成された面となっている。ここで、粗面部64に形成される凹部の数は任意であるが、粗面部64の全体にわたって均一に分散し、かつ、粗面部64における凹部の分布密度が、面積比にして20%〜80%であることが好ましい。
図6に示す金型60を用いて第1搬送ローラ50の射出成形を行った場合、大径部53の周面は粗面部64の表面状態をほぼ転写した状態、すなわち粗面となる。粗面部64が、上述したように複数の凹部が分散して形成された面である場合、射出成形時に材料が複数の凹部に流れ込み、大径部53の周面は、複数の凸部が分散された面となる。また、粗面部64が、先細り形状を有する複数の凹部が分散して形成された面である場合、大径部53の周面は、先細り形状を有する複数の凸部が分散された面となる。
そして、大径部53の周面に形成される凸部の数は粗面部64における凹部の数とほぼ一致するので、これら凸部は大径部53の周面全体にわたって均一に分散し、大径部53の周面における凸部の分布密度は、例えば面積比にして20%〜80%となる。
このように、第1搬送ローラ50が有する大径部53の表面を粗面に形成することにより、上記実施の形態において高摩擦層を形成した場合と同様に、カットシートKとの間で高い摩擦係数が得られる。このため、第1搬送ローラ50によるカットシートKの搬送時、大径部53とカットシートKとの間の滑りが抑えられ、高精度でカットシートKを搬送できる。そして、大径部53の周面は、射出成形時に金型60の粗面部64が転写されて粗面となるので、粗面を形成する別途の加工を必要としない。つまり、図5に示す製造工程におけるステップS5の工程を省略して、射出成形を行うだけで大径部53の周面を粗面とすることができ、製造工程をより一層簡略化することが可能となる。
また、金型60の粗面部64が、上述したように複数の凹部が分散して形成された面である場合、大径部53の周面は、複数の凸部が分散された面となる。この場合、大径部53の周面に形成された凸部がカットシートKの表面に食い付くことにより、大径部53の周面とカットシートKとの間の摩擦係数がより一層高くなり、より高精度で搬送動作を行うことが可能となる。さらに、粗面部64が、先細り形状を有する複数の凹部が分散して形成された面である場合、大径部53の周面は、先細り形状を有する複数の凸部が分散された面となる。この場合、大径部53の周面に形成された凸部の先端が細いために確実にカットシートKの表面に食い付くので、より高精度で確実に搬送動作を行えるという利点がある。
その他、上述した実施の形態及び変形例においては、プリンタ10が備える各種搬送ローラのうち、第1搬送ローラ50に対して本発明を適用した場合について説明したが、これに限らず、第2搬送ローラ22、第3搬送ローラ23、及び第4搬送ローラ24に対して本発明を適用することも可能である。
また、上述した実施の形態及び変形例においては、ドットインパクトプリンタとしてのプリンタ10が備える第1搬送ローラ50を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、インクジェット方式のプリンタにおいて記録媒体としてのシートを搬送する搬送ローラに対し、本発明を適用することが可能である。さらには、複写機やファクシミリ等の電子写真方式により画像を記録する記録装置においてシートを搬送する搬送ローラに対し、本発明を適用することも可能である。
さらに、上述した実施の形態において、図3に例示した第1搬送ローラ50の軸部52及び大径部53の数、径及び長さ(幅)は任意に変更可能であり、例えば、長尺に形成された一つの大径部53の両端に軸部52を連ねた形状としてもよく、この場合、両端の軸部52の一部に各々摺動部54、55を形成してもよく、その他の細部構成についても任意に変更可能である。
プリンタの構成を示す斜視図である。 プリンタの断面図である。 第1搬送ローラの斜視図である。 第1搬送ローラの本体の製造に用いる金型の断面図である。 第1搬送ローラの本体の製造工程を示すフローチャートである。 第1搬送ローラの本体の製造に用いる金型の変形例を示す断面図である。
符号の説明
10…プリンタ(記録装置)、11…プリンタ本体、22…第2搬送ローラ、22A…ローラ部、50…第1搬送ローラ(搬送ローラ)、52…軸部、53…大径部(円柱部)、54、55…摺動部、60…金型、61…ゲート、62…キャビティー、63…鏡面部(キャビティー面)、64…粗面部(キャビティー面)、K…カットシート(シート)。

Claims (7)

  1. 記録装置においてシートを搬送する搬送ローラの製造方法であって、
    円柱部と当該円柱部より細径の軸部とが軸方向に連なる形状の搬送ローラを射出形成するための金型であって、前記搬送ローラの前記軸部の周面を形成するキャビティー面の少なくとも一部が鏡面に形成された金型を用い、
    水硬性組成物を含む成形材料を前記金型内に射出する工程と、
    前記金型を離型することにより、前記搬送ローラを一体に形成するとともに前記軸部の周面のうち少なくとも一部を鏡面に形成する工程と、
    を含むことを特徴とする搬送ローラの製造方法。
  2. 前記金型における前記搬送ローラの前記軸部の周面を形成するキャビティー面は、前記軸部の軸方向における少なくとも一部が、その全周にわたって鏡面に形成されたことを特徴とする請求項1記載の搬送ローラの製造方法。
  3. 前記搬送ローラにおける前記円柱部の周面に、所定の粒子を分散させて高摩擦層を形成する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1または2記載の搬送ローラの製造方法。
  4. 前記金型は、前記搬送ローラの前記円柱部の周面を形成するキャビティー面が粗面に形成されたものであることを特徴とする請求項1または2記載の搬送ローラの製造方法。
  5. 前記成形材料は、前記水硬性組成物とバインダとを含むものであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の搬送ローラの製造方法。
  6. シートの記録面に画像を記録する記録装置において、前記シートを搬送する搬送ローラであって、
    前記シートに当接する円柱部と当該円柱部より細径の軸部とが軸方向に連なる形状を有し、
    前記円柱部と前記軸部とを一体に成形するためのキャビティーを有するとともに、前記軸部の周面を形成するキャビティー面の少なくとも一部が鏡面とされた金型に、水硬性組成物を含む成形材料を射出する射出成形により製造されたこと、
    を特徴とする搬送ローラ。
  7. シートを搬送する搬送ローラを備え、当該シートの記録面に画像を記録する記録装置において、
    前記搬送ローラは、
    前記シートに当接する円柱部と当該円柱部より細径の軸部とが軸方向に連なる形状を有し、
    前記円柱部と前記軸部とを一体に成形するためのキャビティーを有するとともに、前記軸部の周面を形成するキャビティー面の少なくとも一部が鏡面とされた金型に、水硬性組成物を含む成形材料を射出する射出成形により製造されたこと、
    を特徴とする記録装置。
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