JP2005147303A - シャフトおよびその製造方法 - Google Patents

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周治 松村
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Abstract

【課題】製造が容易で、しかも剛性と耐久性とに富み、その上、反り、歪等の変形のない寸法精度に優れた、ロール状回転体を駆動するために用いられるシャフトおよびその製造方法を提供すること。
【解決手段】繊維が樹脂中に軸線に並行して配合された繊維強化樹脂により形成され、前記繊維強化樹脂の表層部に、前記繊維の配合方向に沿って、シャフトが形成される前の前記繊維強化樹脂の仮想縦断面の面積に対して10〜90%の縦断面の面積となるよう、複数条の切欠凹部を形成して成ることを特徴とするシャフトおよび繊維と樹脂とを含有する溶融樹脂組成物の流動方向に対し、0〜90度未満の角度で金型にゲートを設け、前記溶融樹脂組成物を前記ゲートからキャビティー内に充填して射出成形することを特徴とする前記シャフトの製造方法。
【選択図】図3

Description

この発明は、シャフトおよびその製造方法に関し、さらに詳しくは、電気電子機器の用紙送りロール等のロール状回転体を駆動するために用いられる、剛性に富み、寸法精度に優れたシャフトおよびその製造方法に関する。
複写機、ワードプロセッサー、コンピューターに付帯する出力装置等の電気電子機器には、複写用紙または印刷用紙の送りロール等のロール状回転体を駆動するためのシャフトが装備されている。このシャフトは、用紙に鮮明で歪みのない画像または印字を得るために、ロール状回転体を円滑かつ精緻に駆動させる必要がある。
このため、従来から、金属製、殊に鋼製または表面に銅メッキ、ニッケルメッキまたはクロムメッキを施した鋼製のシャフトが用いられてきた。この金属製のシャフトは、優れた剛性を有し、耐久性に富むことから、きわめて有用なシャフトであるということができるが、成形加工が比較的困難で、しかも過大の重量があるという問題があった。
このような金属製のシャフトにおける問題を解消するために、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン6、6等)等の樹脂製のシャフトが開発されている。この樹脂製のシャフトは、成形加工が容易で、しかも軽量であることから、その取り扱い上、利便性に優れたシャフトであった。しかしながら、剛性と耐久性とに劣るという問題があった。
そこで、樹脂製のシャフトにおける問題を解消するために、さらに、ガラス繊維強化樹脂製、炭素繊維強化樹脂製またはステンレス繊維強化樹脂製のシャフトが開発され、使用に供されている。ステンレス繊維強化樹脂製のシャフトは、特に帯電防止を企図したシャフトである。これら繊維強化樹脂製のシャフトは、成形加工が容易で、しかも軽量であり、その上、剛性に富む優れたシャフトである。しかしながら、反り、歪み等の変形を生じ易く、これらシャフトを用いたロールにあっては、鮮明で歪みのない画像または印字を得る上に大きな障害になるという問題があった。このような変形は、樹脂に配合された繊維が配向性なく、不規則に樹脂中に配合されていることに起因するものと推測される。
この発明は、このような従来の問題を解消し、製造が容易で、しかも剛性と耐久性とに富み、その上、反り、歪等の変形のない寸法精度に優れた、ロール状回転体を駆動するために用いられるシャフトおよびその製造方法を提供することをその課題とする。
本発明者は、前記課題を解決するために、用いる繊維強化樹脂について検討を重ねた結果、繊維が樹脂中に規則的に配合された繊維強化樹脂を用いてシャフトを形成し、かつその表層部に特定の切欠凹部を形成することにより前記課題が解決できるということを見出し、この知見に基づいてこの発明を完成するに到った。
すなわち、この発明の前記課題を解決するための第1の手段は、
(1)繊維が樹脂中に軸線に並行して配合された繊維強化樹脂により形成され、前記繊維強化樹脂の表層部に、前記繊維の配合方向に沿って、シャフトが形成される前の前記繊維強化樹脂の仮想縦断面の面積に対して10〜90%の縦断面の面積となるよう、複数条の切欠凹部を形成して成ることを特徴とするシャフトである。
この第1の手段における好ましい態様としては、下記1〜4のシャフトを挙げることができる。
1.前記繊維が、長繊維または短繊維であるシャフト。
2.前記繊維が、ガラス繊維または炭素繊維であるシャフト。
3.前記繊維強化樹脂が、繊維強化熱可塑性樹脂であるシャフト。
4.分割と結合とを自在としたシャフト。
また、この発明の前記課題を解決するための第2の手段は、
(2)繊維と樹脂とを含有する溶融樹脂組成物の流動方向に対し、0〜90度未満の角度で金型にゲートを設け、前記溶融樹脂組成物を前記ゲートからキャビティー内に充填して射出成形することを特徴とする前記シャフトの製造方法である。
この第2の手段における好ましい態様としては、下記1〜4のシャフトの製造方法を挙げることができる。
1.前記ゲートの断面形状が、前記複数条の切欠凹部を形成して成るシャフトの縦断面形状と相似形であるシャフトの製造方法。
2.前記キャビティーにおける前記溶融樹脂組成物の流動方向の末端部に、フロータブを設けて成形するシャフトの製造方法。
3.前記フロータブの断面形状が、前記複数条の切欠凹部を形成して成るシャフトの縦断面形状と相似形であるシャフトの製造方法。
4.複数のシャフト部材を成形し、前記複数のシャフト部材を結合するシャフトの製造方法。
この発明によれば、繊維強化樹脂を用いていることから、製造が容易であり、しかも繊維が樹脂中にシャフトの軸線に並行して配合された繊維強化樹脂により形成され、その繊維の配合方向に沿って、特定の複数条の切欠凹部を形成しているので、剛性と耐久性とに富み、その上、反り、歪等の変形のない寸法精度に優れた、ロール状回転体を駆動するために用いられるシャフトおよびその製造方法が提供され、複写機、ワードプロセッサー、コンピューター等の電気電子機器の設計および作製分野に寄与するところはきわめて多大である。
(1)この発明のシャフトは、繊維が樹脂中に軸線に並行して配合された繊維強化樹脂により形成され、前記繊維強化樹脂の表層部に、前記繊維の配合方向に沿って、シャフトが形成される前の前記繊維強化樹脂の仮想縦断面の面積に対して10〜90%の縦断面の面積となるよう、複数条の切欠凹部を形成して成る。
この発明において用いる繊維強化樹脂は、各種の繊維が配合された樹脂である。繊維としては、天然繊維および人造繊維のいずれをも用いることができる。天然繊維としては、植物繊維、動物繊維および鉱物繊維を挙げることができ、人造繊維としては、無機繊維および有機繊維を挙げることができる。
前記植物繊維としては、綿、麻等から成る繊維、前記動物繊維としては、羊毛、絹等から成る繊維、前記鉱物繊維としては、石綿等から成る繊維を挙げることができ、前記無機繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、ステンレス繊維等を、有機繊維としては、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、アラミド繊維、ビスコース人絹、銅アンモニアレーヨン、アセテート繊維等を挙げることができる。これら繊維の中でも、ガラス繊維、炭素繊維およびステンレス繊維が好ましい。
前記繊維の形態としては、長繊維、短繊維(チョップドファイバー)またはウイスカーを挙げることができ、その径は、長繊維および短繊維にあっては3〜40μm、ウイスカーにあっては0.4〜0.7μmである。また、その長さは、長繊維にあっては、通常は4〜20mm、好ましくは6〜12mmであり、短繊維にあっては、通常は0.1〜1.0mm未満、好ましくは0.5〜1.0mmであり、ウイスカーにあっては、10〜20μmである。これら繊維の中でも、長繊維および短繊維が好ましい。
樹脂としては、熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂のいずれをも用いることができる。熱可塑性樹脂に特に制限はなく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン6、6等)等を挙げることができる。これら熱可塑性樹脂は、単独重合体であってもよく、共重合体であってもよい。また、単独で用いてもよく、混合物として用いてもよい。
また、熱硬化性樹脂としても制限はなく、例えば、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ケイ素樹脂、ウレタン樹脂等を挙げることができる。これら熱硬化性樹脂も、単独重合体であってもよく、共重合体であってもよい。
前記熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂の中でも、特にポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミド等の熱可塑性樹脂が好ましい。樹脂中には、可塑剤、難燃剤、滑剤、着色剤、顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の成形用樹脂に常用される添加剤が含有されていてもよい。
樹脂中に充填される繊維の量に特に制限はないが、通常は1〜70質量%、好ましくは10〜60質量%である。1質量%未満では、樹脂の強化性に乏しく、満足すべき剛性を得ることができない。また、70質量%を越えると、成形性に劣ることがあるので好ましくない。
この発明のシャフトは、前記繊維が樹脂中にシャフトの軸線に並行して配合された繊維強化樹脂により形成されている。つまり、前記繊維が前記樹脂中に配向性なく、不規則に配合されていることを回避した繊維強化樹脂により形成されているのである。
また、この発明のシャフトは、前記繊維強化樹脂の表層部に、前記繊維の配合方向に沿って、シャフトが形成される前の前記繊維強化樹脂の仮想縦断面の面積に対して10〜90%の縦断面の面積となるよう、複数条の切欠凹部が形成されている。
この発明のシャフトを図面に基づき説明する。図1は、この発明のシャフトの横断面を示す図である。図2はシャフトが形成される前の、すなわち、切欠凹部が形成される前の繊維強化樹脂の仮想縦断面を示す図である。ここに仮想縦断面とは、この発明のシャフトを製造するいずれの工程においても、事実上、現出することはなく、図3に示す断面形状の基本となる断面形状を想定したその縦断面である。図3は図1のA−A断面を示す図である。図1〜3において、1はシャフトを、2は繊維強化樹脂を、3は切欠凹部を、4は分割部位を表す。
この発明のシャフト1は、図1に示すように、前記繊維強化樹脂2により形成され、複数条の切欠凹部3が形成されている。この切欠凹部3は、図2に示す切欠凹部3が形成される前の繊維強化樹脂の仮想縦断面の面積に対して、図3に示すように10〜90%、好ましくは15〜85%の縦断面の面積となるよう、切り欠いた状態で凹部が形成されている。
この切欠凹部3の切欠状態、すなわち、シャフト1の縦断面形状に特に制限はないが、図2に示す切欠凹部3が形成される前の繊維強化樹脂の仮想縦断面形状、a、b、c、d、eおよびfに対応した図3に示すシャフト1の縦断面形状、a’、b’、c’、d’、e’およびf’を挙げることができる。また、切欠凹部3の数にも複数条である限り特に制限はないが、通常は2〜8条である。
この発明のシャフト1は、前記繊維強化樹脂2により一体的に形成されていてもよく、点検および保守等を簡便かつ迅速に実施することができるよう、また、長さを適宜変化させることができるよう、分割と結合とを自在としてもよい。図1には、分割部位4が三箇所示されているが、必ずしもこれに拘束されるものではない。この分割部位4は、シャフトを分割し結合することができる構造であればよく、例えば、シャフト部材相互が嵌合する構造とすることができる。
この発明のシャフト1の両端部は、電気電子機器のロール状回転体に装着することができるような形状とされ、例えば、通常は図1に示すように台形に形成される。このときの角度θは30°程度である。
この発明のシャフトは、常用の成形方法により製造することができる。繊維強化熱可塑性樹脂を用いて製造する場合は、熱可塑性樹脂に繊維を配合した成形材料(通常は、ペレットの形態とする。)をホッパーに入れ、この成形材料をシリンダー内でヒーターを備えたスクリューで推し進めながら加熱流動化し、ノズルから金型中に射出する射出成形法、金型に成形材料を入れ、プレスで加圧、加熱した後、固化させる圧縮成形法、成形材料を加熱炉中で軟化させ、スクリューでノズルまたはスリットから連続的に押し出す押出成形法等を採用することができる。
また、繊維強化熱硬化性樹脂を用いて製造する場合は、繊維マットに常温熱硬化性樹脂を塗布しながら積層する手積み法、手積み法を機械化したスプレーアップ法、プリフォーマーで繊維を予備成形しておき、この上に熱硬化性樹脂を注ぎ、加圧、加熱するマッチドダイ法、繊維、熱硬化性樹脂および硬化剤を混練し、得られた混練物を金型により圧縮成形するプリミックス法、繊維に熱硬化性樹脂を含浸させた後、ゲル化または乾燥させ、金型により圧縮成形するプリプレグ法、繊維ロービングに熱硬化性樹脂を含浸させ、芯型に巻きつけて成形するフィラメントワインディング法、熱硬化性樹脂を含浸させた繊維ロービング、クロス、マット等を相互に組み合わせた後、加熱したダイに導入して硬化させ、一方で硬化物に張力をかけて引き抜く引抜成形法等を採用することができる。
ところが、繊維が樹脂中にシャフトの軸線に並行して配合された繊維強化樹脂を得、この繊維強化樹脂を材料として成形することによってこの発明のシャフトを製造する方法について種々検討を重ねた結果、ゲートの設置態様に工夫を凝らした射出成形法が最も好適な成形法であることが判明した。
すなわち、
(2)この発明のシャフトの製造方法は、繊維と樹脂とを含有する溶融樹脂組成物の流動方向に対し、0〜90度未満の角度で金型にゲートを設け、前記溶融樹脂組成物を前記ゲートからキャビティー内に充填して射出成形する方法である。
熱可塑性樹脂を成形材料とする射出成形機は、主要な部材として、成形材料を供給するホッパー、供給された成形材料を加熱溶融させて移送するためのヒーターを備えたスクリューおよび金型から構成されている。金型は、通常、水により冷却される。溶融樹脂が流れ込んで成形体を形成する金型内の空間部はキャビティーと称され、このキャビティー内に溶融樹脂を充填させる部位をゲートという。
成形体は、型締め、溶融樹脂の射出、保圧、冷却、型開きおよび成形体の取出しという一連の工程を1サイクルとして、このサイクルを繰り返すことにより、連続的に製造することができる。この発明のシャフトは、このような射出成形法により、成形材料として繊維強化樹脂を用いて成形することによって製造される。
この発明のシャフトの製造方法においては、前記ゲートが、繊維と樹脂とを含有する溶融樹脂組成物の流動方向に対し、0〜90度未満の角度で金型に設けられている。この状態を図4および5に示す。図4および5において、5は金型を、6はゲートを、7はキャビティーを示す。←は繊維と樹脂とを含有する溶融樹脂組成物の流動方向である。金型5の縦断面は、図3に示すシャフト1の縦断面形状、a’、b’、c’、d’、e’およびf’を形成する形状となっている。
前記ゲートが、繊維と樹脂とを含有する溶融樹脂組成物の流動方向に対し、0度の角度で金型に設けられている場合を図4に示す。すなわち、ゲートが、前記溶融樹脂組成物の流動方向に対し、平行に設けられている。前記ゲートが、前記溶融樹脂組成物の流動方向に対し、0度以上であって、90度未満の角度で金型に設けられている場合の一例を図5に示す。図5においては、ゲートが、前記溶融樹脂組成物の流動方向に対し、45度の角度で設けられている。この発明においては、45度に拘束されることはなく、ゲートが、前記溶融樹脂組成物の流動方向に対し、0度以上であって、90度未満の角度で斜傾して設けられていればよい。
このように、前記ゲートを、前記溶融樹脂組成物の流動方向に対し、0〜90度未満の角度で金型に設けることにより、繊維が樹脂中に、製造されるシャフトの軸線に並行して配合されたものとなるのである。すなわち、繊維が配合された樹脂が溶融状態で前記ゲートからキャビティー内に流れ込んでいくとき、その流れに制動されて繊維が流れ方向に整列することにより、繊維が、製造されるシャフトの軸線に並行して樹脂中に配合されたものとなる。
また、繊維が、製造されるシャフトの軸線に並行して樹脂中に配合されることを一層助長するために、前記ゲートの断面形状が、繊維強化樹脂の仮想縦断面の面積に対して10〜90%の縦断面の面積となるように形成された複数条の切欠凹部を有するシャフトの縦断面形状と相似形であることが好ましい。
さらに、繊維が、製造されるシャフトの軸線に並行して樹脂中に配合され、しかも前記繊維が滞留することなく、配合された繊維が可及的に全て使用されるようにするため、前記キャビティーにおける前記溶融樹脂組成物の流動方向の末端部に、フロータブを設けることが好ましい。この場合も、前記フロータブの断面形状は、繊維強化樹脂の仮想縦断面の面積に対して10〜90%の縦断面の面積となるように形成された複数条の切欠凹部を有するシャフトの縦断面形状と相似形であることが好ましい。
この発明のシャフトは、前記のとおり、点検および保守等を簡便かつ迅速に実施することができるよう、また、長さを適宜変化させることができるよう、分割と結合とを自在とすることができる。この場合は、その分割態様に対応して、複数の射出成形機により複数のシャフト部材を成形し、これらシャフト部材を結合して製造してもよいが、1機の射出成形機内に複数の金型を装備して、複数のシャフト部材を成形することが好ましい。
以下、実施例を挙げて、この発明をさらに詳しく説明するが、これら実施例によってこの発明はなんら限定されることはない。
実施例1(シャフト1の製造例)
ガラス繊維強化ポリフェニレンスルフィド(ダイセル化学工業株式会社製、PPS−GF50−01)のペレットを、射出成形機(インラインスクリュー方式)のホッパーに投入し、駆動モーターおよび減速ギアにより回転し、310℃に加熱されたスクリューによって、3個に分割された金型にそれぞれ供給、充填して成形し、結合することにより、図1に示す全長485mm、径6mmのシャフト1を製造した。
このときのシャフトの縦断面形状は、図3に示すa’とした。図2に示すガラス繊維強化ポリフェニレンスルフィドの仮想断面aの面積に対するa’の断面積は、55.5%であった。また、ゲートの設置は、図4に示すとおりとし、そのゲートの断面形状は、シャフトの縦断面形状a’に対し、7%縮小された相似形とした。さらに、キャビティーの末端部にはフロータブを設けた。金型の冷却は通水によった。
実施例2(シャフト2の製造例)
ガラス繊維強化ポリフェニレンスルフィドに代えてガラス繊維強化ナイロン6、6(ダイセル化学工業株式会社製、PA6、6−GF60−02)ペレットを用い、スクリューの加熱温度を280℃とした以外は、実施例1と同様にして、シャフト2を製造した。
実施例3(シャフト3の製造例)
ガラス繊維強化ポリフェニレンスルフィドに代えてガラス繊維強化ポリブチレンテレフタレート−アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ダイセル化学工業株式会社製、PBT/ABS−GF50−01)ペレットを用い、スクリューの加熱温度を260℃とした以外は、実施例1と同様にして、シャフト3を製造した。
実施例4(シャフト4の製造例)
シャフトの縦断面形状を、図3に示すb’とし、図2に示すガラス繊維強化ポリフェニレンスルフィドの仮想断面bの面積に対するb’の切欠凹部の断面積を、63%とした以外は、実施例1と同様にして、シャフト4を製造した。
実施例5(シャフト5の製造例)
ガラス繊維強化ポリフェニレンスルフィドに代えてガラス繊維強化ナイロン6、6(ダイセル化学工業株式会社製、PA6、6−GF60−02)ペレットを用いた以外は、実施例4と同様にして、シャフト5を製造した。
実施例6(シャフト6の製造例)
ガラス繊維強化ポリフェニレンスルフィドに代えてガラス繊維強化ポリブチレンテレフタレート−アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ダイセル化学工業株式会社製、PBT/ABS−GF50−01)ペレットを用いた以外は、実施例4と同様にして、シャフト6を製造した。
比較例1(シャフト7の製造例)
シャフトの縦断面形状を、図2に示すガラス繊維強化ポリフェニレンスルフィドの仮想断面aと同様としたことおよびゲートを溶融ガラス繊維強化ポリフェニレンスルフィドの流動方向に対して、90度の角度(直角)で金型に設けたこと以外は、実施例1と同様にして、シャフト7を製造した。
比較例2(シャフト8の製造例)
ガラス繊維強化ポリフェニレンスルフィドに代えてガラス繊維強化ナイロン6、6(ダイセル化学工業株式会社製、PA6、6−GF60−02)ペレットを用いた以外は、比較例1と同様にして、シャフト8を製造した。
比較例3(シャフト9の製造例)
ガラス繊維強化ポリフェニレンスルフィドに代えてガラス繊維強化ポリブチレンテレフタレート−アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ダイセル化学工業株式会社製、PBT/ABS−GF50−01)ペレットを用いた以外は、比較例1と同様にして、シャフト9を製造した。
比較例4(シャフト10の製造例)
シャフトの縦断面形状を、図2に示すガラス繊維強化ポリフェニレンスルフィドの仮想断面bと同様としたことおよびゲートを溶融ガラス繊維強化ポリフェニレンスルフィドの流動方向に対して、90度の角度(直角)で金型に設けたこと以外は、実施例1と同様にして、シャフト10を製造した。
比較例5(シャフト11の製造例)
ガラス繊維強化ポリフェニレンスルフィドに代えてガラス繊維強化ナイロン6、6(ダイセル化学工業株式会社製、PA6、6−GF60−02)ペレットを用いた以外は、比較例4と同様にして、シャフト11を製造した。
比較例6(シャフト12の製造例)
ガラス繊維強化ポリフェニレンスルフィドに代えてガラス繊維強化ポリブチレンテレフタレート−アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ダイセル化学工業株式会社製、PBT/ABS−GF50−01)ペレットを用いた以外は、比較例4と同様にして、シャフト12を製造した。
評価1(シャフトの寸法精度)
実施例1〜6および比較例1〜6で製造されたシャフトを、精密石定盤(トラスト中山株式会社製、グラプレート517−114)上に据え置き、50gの荷重をかけてシャフトと精密石定盤との間の隙間をスキマゲージ(トラスト中山株式会社製、100A19、12.7幅)によって測定した。このときの最大隙間(mm)を表1に示す。
Figure 2005147303
表1に示すように、実施例では、最大隙間が0.01〜0.03mmときわめて狭く、優れた寸法精度を有している。これに対し、比較例では、0.08〜0.35mmと広い隙間となっている。
評価2(印字試験)
パーソナルコンピューター(パソコン)のプリンターに、実施例1〜6および比較例1〜6で製造されたシャフトを装着し、パソコンからの情報を出力して印字試験を実施して、印字ライン数を調査した。その結果、実施例で製造されたシャフトを用いた場合は、いずれも5000万を越える印字ライン数が達成された。これに対し、比較例で製造されたシャフトを用いた場合は、いずれも2400万の印字ライン数までに止まった。寸法精度に劣り、反りや歪のあるシャフトを用いたときは、ロール左右への用紙送り量が不均一となり、印字不良を招く。良好な印字状態と認定することができる印字ライン数は、2500万以上である。
この発明のシャフトの横断面を示す図である。 切欠凹部が形成される前の繊維強化樹脂の仮想縦断面を示す図である。 図1のA−A断面を示す図である。 ゲートが溶融樹脂組成物の流動方向に対し、0度の角度で設けられている金型を示す図である。 ゲートが溶融樹脂組成物の流動方向に対し、45度の角度で設けられている金型を示す図である。
符号の説明
1 シャフト
2 繊維強化樹脂
3 切欠凹部
4 分割部位
5 金型
6 ゲート
7 キャビティー

Claims (10)

  1. 繊維が樹脂中に軸線に並行して配合された繊維強化樹脂により形成され、前記繊維強化樹脂の表層部に、前記繊維の配合方向に沿って、シャフトが形成される前の前記繊維強化樹脂の仮想縦断面の面積に対して10〜90%の縦断面の面積となるよう、複数条の切欠凹部を形成して成ることを特徴とするシャフト。
  2. 前記繊維が、長繊維または短繊維である請求項1に記載のシャフト。
  3. 前記繊維が、ガラス繊維または炭素繊維である請求項1または2に記載のシャフト。
  4. 前記繊維強化樹脂が、繊維強化熱可塑性樹脂である請求項1〜3のいずれか一項に記載のシャフト。
  5. 分割と結合とを自在とした請求項1〜4のいずれか一項に記載のシャフト。
  6. 繊維と樹脂とを含有する溶融樹脂組成物の流動方向に対し、0〜90度未満の角度で金型にゲートを設け、前記溶融樹脂組成物を前記ゲートからキャビティー内に充填して射出成形することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のシャフトの製造方法。
  7. 前記ゲートの断面形状が、前記複数条の切欠凹部を形成して成るシャフトの縦断面形状と相似形である請求項6に記載のシャフトの製造方法。
  8. 前記キャビティーにおける前記溶融樹脂組成物の流動方向の末端部に、フロータブを設けて成形する請求項6または7に記載のシャフトの製造方法。
  9. 前記フロータブの断面形状が、前記複数条の切欠凹部を形成して成るシャフトの縦断面形状と相似形である請求項8に記載のシャフトの製造方法。
  10. 複数のシャフト部材を成形し、前記複数のシャフト部材を結合する請求項6〜9のいずれか一項に記載のシャフトの製造方法。


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