JP2007008306A - 自動車の乗員保護用エネルギ吸収構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明は、車体の一部を構成する車体構造部材4、6、10に設けられた自動車の乗員保護用エネルギ吸収構造であって、車体構造部材の車室側に設けられた中空のエネルギ吸収部材60と、このエネルギ吸収部材の車室側面62bを覆うように設けられたパネル部材70とを有し、このパネル部材は、エネルギ吸収部材の長手方向に沿って延びるように形成された少なくとも1つのフランジ部74を有し、エネルギ吸収部材は、乗員の衝突時にフランジ部により折り曲げられる折曲部66を有する。
【選択図】 図5
Description
車両の衝突時には、乗員の体の一部(頭部)が、このリブ部材に当接することにより、リブ部材の当接部が塑性変形し、これにより、乗員が車体から受ける衝撃力を吸収緩和するようにしている。また、衝突時にリブ部材を破壊することにより、乗員が車体から受ける衝撃力を吸収緩和するようにしたものも知られている。
また、本発明は、好ましい荷重特性を安定して得ることが出来る自動車の乗員保護用エネルギ吸収部材を提供することを目的としている。
このように構成された本発明においては、パネル部材が中空のエネルギ吸収部材の車室側面を覆うので、乗員の頭部の衝突位置や角度が異なっていても、乗員の頭部から加わる力がエネルギ吸収部材に比較的均一に分散され、その結果、エネルギ吸収部材の荷重特性を安定させることが出来る。また、エネルギ吸収部材の折曲部が、乗員の衝突時にパネル部材のフランジ部により折り曲げられるので、エネルギ吸収箇所をより多く得て荷重をより確実に吸収することが出来る。さらに、エネルギ吸収部材自体の剛性による荷重特性と、折曲部の折り曲げによる荷重低減特性とをそれぞれ調整することにより、最適な荷重特性を得ることが出来る。このようにして、乗員の保護性能を向上させることが出来る。
このように構成された本発明においては、パネル部材のフランジ部とエネルギ吸収部材の折曲部との間に所定の隙間が形成されるので、乗員の衝突初期には、フランジ部と折曲部を当接させずに初期荷重を短時間で立ち上げ、その立ち上げ後にフランジ部を折曲部に当接させて荷重を低減させることが可能である。従って、最適な荷重特性をより確実に得ることが出来る。
このように構成された本発明においては、2つの壁面部の一方が他方よりもエネルギ吸収部材自体の内側により傾斜して形成されているので、エネルギ吸収部材を、その一方の壁面部が確実にエネルギ吸収部材自体の内側に倒れるように変形させることが可能である。従って、乗員の頭部の衝突位置や角度が異なっていても、一定の方向に変形して、安定した荷重特性を得ることが出来る。
このように構成された本発明においては、エネルギ吸収部材は、ほぼ菱形の断面形状を有する筒状部材であるので、その4隅の部分が一定の方向に折り曲がると共に菱形が潰れるような変形モードを得ることが出来、その結果、荷重特性を安定させることが出来る。また、菱形の4つの面(辺)の大きさが同じであるので、作業者によるエネルギ吸収部材の取付けに関する歩留まりを向上させることが出来る。
このように構成された本発明においては、エネルギ吸収部材の一方の壁面部にのみ、フランジ部により折り曲げられる折曲部が形成されるので、より確実に安定した荷重特性を得ることが出来る。
このように構成された本発明においては、パネル部材の他方の側に設けられたフランジ部は、エネルギ吸収部材の他方の壁面部の車室内側端部に係合するように設けられるので、組み付け時にパネル部材の位置決めが容易となる。また、一方の側のフランジと折曲部との間に隙間を設ける場合には、その隙間の大きさのばらつきをほぼ無くすことが出来、この点でも、より確実に安定した荷重特性を得ることが出来る。
このように構成された本発明においては、リブ部材のエネルギ吸収部材に対向する部分が、エネルギ吸収部材の壁面部の傾斜方向に沿って延びるので、エネルギ吸収部材とリブ部材との隙間を小さくことが出来る。その結果、衝突エネルギを吸収可能な領域をより確実に確保することが出来る。また、作業者の組み付けの際、例えば、エネルギ吸収部材の傾斜方向を間違える等の誤組み付けを抑制することが出来る。
このように構成された本発明においては、スペーサ部及び取付面により、エネルギ吸収部材を、エネルギ吸収に最適な位置(高さ)及び衝突予測方向に対する最適な角度に保つことが出来、その結果、乗員の衝突エネルギをより確実に吸収することが出来る。
このように構成された本発明においては、トリムとパネル部材とでトップシーリングを挟み込むので、トリムとパネル部材との隙間を無くすことが出来、そのため、センターピラーの上部に乗員の頭部が衝突した場合に、その衝突力を遅れなくパネル部材及びエネルギ吸収部材に伝達させることが出来る。その結果、エネルギ吸収部材の初期荷重をより確実に早期に立ち上げることが出来る。また、トップシーリングの位置決め及び固定をすることが出来る。
先ず、図1乃至図3により、本実施形態が適用された車両の側面の概略構造を説明する。図1は、本発明の第1実施形態である乗員保護用エネルギ吸収構造を備えた車両の側面部を車室内方側から見た外観図であり、図2は、本実施形態が適用されたセンターピラー部及びルーフサイドレール部の構造の一部を拡大して示す斜視図であり、図3は、本実施形態が適用されたセンターピラー部及びルーフサイドレール部の構造の一部を拡大して示す車室内方側から見た側面図である。
図1に示すように、車両1の車体側面には、車体上下方向に延びるフロントピラー2、第1センターピラー4、第2センターピラー6、リアピラー8が形成されており、これらのピラー2、4、6、8は、車体前後方向に延びるルーフサイドレール10に接続されている。各ピラー2、4、6、8には、その車室側に、内装材として、いずれも合成樹脂製のピラートリム12、14、16、18が設けられている。例えば、図2に示すように、第1センターピラー4には、車体上下方向に延びるピラートリム14が取り付けられ、このピラートリム14には、フック14a、14bや位置決め部材14c等が一体成型されている。このピラートリム14は、これらのフック14a、14b等により、図3で示すような位置で第1センターピラー4に取り付けられる。また、図1に示すように、ルーフサイドレール10から車室上方のルーフ部(天井部)にかけて、その車室側を覆う内装材としてのトップシーリング20が設けられている。
先ず、図2及び図4に示すように、ルーフサイドレール10は、車外側に設けられたルーフレールアウタパネル30(図2では図示を省略)及び車室側に設けられたルーフレールインナパネル32を有し、これらのパネル30、32は、フロントピラー2の上端部(図3参照)からリヤピラー8の上端部(図1参照)まで車体前後方向に延びている。この図4に示す断面の部分では、ルーフレールアウタパネル30の上縁部とルーフレールインナパネル32の上縁部とは、溶接により互いに固定されている。ルーフレールアウタパネル30の下方部分は、車体内方側に折れ曲がっており、その下方にドア5(図1参照)が設けられるようになっている。また、ルーフサイドレール10の内方には、ルーフレールアウタパネル30にほぼ沿って延びる第1ルーフレールレインフォースメント34が設けられており、この第1ルーフレールレインフォースメント34の下縁部と、ルーフレールアウタパネル30の下縁部及びルーフレールインナパネル32の下縁部とが互いに溶接により固定されている。
次に、各パネル30、32及びレインフォースメント34の下縁部には、主にドア5(図1参照)のシールの役割を果たすゴム製のウェザーストリップ38が取り付けられており、このウェザーストリップ38には、トップシーリング20(図1参照)の車幅方向外縁部が取り付けられている。
図2及び図5に示すように、ピラーインナパネル42の上部には、孔部42aが形成されており、この孔部42aに上述したピラートリム14のフック14aを嵌め込むことにより、ピラートリム14がピラーインナパネル42に取り付けられるようになっている。同様に、図2に示すように、孔部42b、42cにフック14b及び位置決め部材14cが嵌め込まれる。
本実施形態の乗員保護用エネルギ吸収構造は、第1及び第2センターピラー4、6の上部及びルーフサイドレール10に適用されている。図2及び図3に示すように、本実施形態の乗員保護用エネルギ吸収構造として、ルーフサイドレール10に沿って全体的に車体前後方向に延びる緩衝材(リブ部材)50や、各センターピラー4、6の上部にそれぞれ設けられたエネルギ吸収チューブ(中空のエネルギ吸収部材)60等(図1参照)が設けられている。
図4及び図5に示すように、緩衝材(リブ部材)50は、ルーフレールインナパネル32とトップシーリング20との間の空間に設けられている。緩衝材50は、合成樹脂を一体成形したものであり、図3に示すように、複数の縦リブ(リブ部材)52及び複数の横リブ(リブ部材)54により格子状に形成されている。図4及び図5には、その縦リブ52及び横リブ54の一部が示されている。図2乃至図5に示すように、縦リブ52及び横リブ54は、いずれも、車体内外方向に延びるように形成されており、乗員が衝突した場合、これらの各リブ52、54が変形することにより、乗員の衝突エネルギを吸収するようになっている。図5に示すように、第1センターピラー4とルーフサイドレール10との連結部近傍では、緩衝材50は、ルーフレールインナパネル32に沿って、全体的に車室側に湾曲した形状に形成されている。
本発明の実施形態では、緩衝材50とは別個に、乗員の頭部の衝突エネルギをより確実に吸収するためのエネルギ吸収チューブ60、そのエネルギ吸収チューブ60に取り付けられたフランジ付きパネル部材70、及び、それらを車体側で支持するための台座部材80を設けている。図1乃至図3に示すように、エネルギ吸収チューブ60等は、センターピラー4、6の上部に設けられている。なお、第2センターピラー6に設けたエネルギ吸収チューブ60等の構成は、第1センターピラー4に設けたものと同様であるので、ここでは、第1センターピラー4に設けた構造についてのみ説明し、第2センターピラー6に関する構造についての説明は省略する。
図7(b)に示すように、エネルギ吸収チューブ60は、断面がほぼ菱形に形成された中空構造を有し、その中空部が長手方向に沿って延びている。エネルギ吸収チューブ60の両端部は開口している。そして、図2及び図3に示すように、エネルギ吸収チューブ60は、センターピラー4の上部且つそのルーフサイドレール10との接合部の部分の車室側に配置されている。そして、その長手方向軸線がルーフサイドレール10に沿って車体前後方向に延びるように設けられている。また、エネルギ吸収チューブ60の長さは、ピラーインナパネル42の車体前後方向の幅とほぼ同程度の長さとなっている。
このエネルギ吸収チューブ60は、外側から順に外層材、中間層材及び内層材の3層からなる重合体であり、その変形により衝突エネルギを吸収する。このうち、外層材および内層材はクラフト紙を用い、中間層材は硬質アルミ箔を用いている。なお、この中間層材として、金属薄板例えば鉄箔を用いても良い。
図7(a)に示すように、パネル部材70は、ほぼ長方形状の鋼板製の部材であり、平らに形成された平面部72と、その左右両側の縁部で長手方向に沿って延びるように形成されたフランジ部74、76とで構成されている。各フランジ74、76は、平面部72に対しいずれも同じ方向に突出している。各フランジ74、76の長さはパネル部材70の長手方向の長さと同じであり、また、パネル部材70の長手方向の長さはエネルギ吸収チューブ60の長さとほぼ同一である。一方、各フランジ74、76間の相対距離は、エネルギ吸収チューブ60の上面部62bの幅よりも大きくなっている。これらのフランジ74、76は、パネル部材70の剛性を高めると共に、以下に説明するように、一方のフランジ74は、エネルギ吸収チューブ60の荷重特性をコントロールする役割を果たし、他方のフランジ76は、パネル部材70のエネルギ吸収チューブ60への位置決めの役割を果たす。なお、パネル部材70は、その剛性を保つことが出来れば、アルミ製或いは合成樹脂製でも良い。
図6に示すように、パネル部材70は、エネルギ吸収チューブ60の車室側の面62bを覆い、且つ、各フランジ74、76が突出する側にエネルギ吸収チューブ60が位置するように、エネルギ吸収チューブ60に取り付けられている。具体的には、パネル部材70の平面部72が、エネルギ吸収チューブ60の車室側の面62bに両面テープで固定されるようになっている。なお、接着材などの他の方法で取り付けても良い。
また、図6に示すように、パネル部材70のフランジ74と、エネルギ吸収チューブ60の一方の縦面62aとの間には、所定の隙間Sが形成されている。さらに、パネル部材70の長手方向とエネルギ吸収チューブ60の長手方向とが一致しており、そのため、フランジ74がエネルギ吸収チューブ60の長手方向に沿って延びている。
台座部材80は、乗員の頭部の衝突エネルギをエネルギ吸収チューブ60により確実に吸収することが出来るように、エネルギ吸収チューブ60(及びパネル部材70)を最適な位置(高さ)に、且つ、衝突予測方向に対する最適な角度に保つために設けられている。
図6に示すように、台座部材80は、エネルギ吸収チューブ60を取り付けるための取付面82と、この取付面82から車体構造部材側へ延びるように設けられたスペーサ部84とで構成されている。この台座部材80は、緩衝材50の車体下方側の部分に設けられ、本実施形態では緩衝材50と一体成型されている。即ち、台座部材80は、合成樹脂製であり、図7(c)に示すように、そのスペーサ部84が、緩衝材50と同様に複数の縦リブ84a及び横リブ84bにより格子状に一体成型され、取付面82が、それらの複数のリブ84a、84bを覆うように平板状に一体成型されている。
ここで、本実施形態のエネルギ吸収チューブ60は、その断面の4辺(4つの面42a〜d)の長さが互いにほぼ同じほぼ菱形であるので、傾斜角度を間違えなければ、いずれの面を台座部材80に固定しても良く、組み付け時の作業性を向上させて歩留まりを向上させることが出来る。
図8は、本実施形態によるエネルギ吸収チューブ及びパネル部材の作用を説明するための模式図であり、図9は、本実施形態によるエネルギ吸収チューブ及びパネル部材の荷重特性の概念を示す線図である。
先ず、図8(a)は、自動車の側面衝突時等に、乗員の頭部Hがピラートリム14に当接し、パネル部材70に力が伝達され始めるとき(図9中A点)を示している。図9に示すように、この時点からエネルギ吸収チューブ60の荷重が立ち上がり始める。
このような場合、本実施形態では、エネルギ吸収チューブ60の車室側の上面部62bを、フランジ74、76で補強された剛性の高いパネル部材70で覆うようにしているので、乗員の頭部Hから加わる力が、このパネル部材70を介してエネルギ吸収チューブ60の上面部62bに比較的均一に分散される。従って、乗員の頭部の衝突位置や角度が異なっていても、このパネル部材70により衝突力が分散されるので、エネルギ吸収チューブ60の初期荷重を安定して立ち上げることが出来る。さらに、その後のエネルギ吸収チューブ60の変形も安定したものとなり、荷重特性のばらつきが非常に小さい、安定した荷重特性を得ることが出来る。また、このようなパネル部材70を設けることで、エネルギ吸収部材の長さが長くても、その中央部と端部とで衝撃吸収性能が大きくばらつくということもなくなり、このような観点でも、安定した荷重特性を得ることが出来る。
吸収エネルギ量と頭部傷害指数との両方を考慮すると、平均荷重が小さい程頭部の傷害を小さくすることが出来る一方、必要な吸収エネルギ量を得るためのストローク量が多く必要となってしまう。しかし、このようなストローク量を確保するには、配置スペース等の関係で限度がある。従って、荷重特性としては、なるべく短い時間で初期荷重を立ち上げ(荷重の立ち上がり角度を大きくし)、その後、頭部傷害指数の基準を満たす目標荷重で推移するのが理想である。
これらの結果、本実施形態によれば、図9の実線で示すような、頭部傷害指数を基準値に収めることが出来るより最適な荷重特性を安定して得ることが出来る。
また、フランジ74を有するパネル部材70を設けたことで、荷重特性を容易に調整することができる。例えば、本実施形態において、エネルギ吸収チューブ60の肉厚を高める一方、フランジ74を変形の初期段階から壁面部62aに当接させて荷重特性をコントロールするようにしても良い。具体的には、フランジ74と壁面部62aとの隙間Sをより小さくするか、或いは、予めフランジ74を壁面部62aに当接するようにしても良い。このような場合、変形箇所が初期段階から増えるので、エネルギ吸収をより確実に行うことが出来る。
自動車の側面衝突時などには、その衝撃により、乗員の体が車幅方向に大きく振られる。そして、特に、その頭部は、図4に示すようなルーフサイドレール10に衝突しやすく、その場合、車室に対して凸状に突出した緩衝材50がその衝突エネルギを吸収する。その際、頭部は、その車体上下方向のどちらか側に移動しながら、エネルギ吸収が行われることになる。従って、緩衝材50の厚さ(変形ストローク量)は、それ程大きくする必要がない場合が多い。
一方、図5に示すようなルーフサイドレール10のセンタピラー4、6が連結されている部分では、乗員の頭部は、センターピラー4、6或いはその上方のルーフサイドレール10に衝突する。そして、そのような場合、頭部は、車室側から見て、ルーフサイドレール10とピラー4、6との間の角の空間部分に嵌り込むようになり、より大きな衝突荷重が加わることになる。この場合、緩衝材50で全てエネルギ吸収をしようとすると、緩衝材50は、変形ストローク量をかせぐために厚くしなければならなくなる。しかしながら、この場合、緩衝材50は、複数のリブ部材52、54で形成され、潰れるほど荷重が高くなるので、頭部傷害指数が高くなってしまう。また、配置スペース等との関係で大きなストローク量をかせぐことが出来ない場合もある。
これに対し、本実施形態では、センターピラー4、6の上部(ルーフサイドレール10との接合部近傍)に、上述したようにエネルギ吸収特性に優れるエネルギ吸収チューブ60等を設けているので、これらのエネルギ吸収チューブ60等のみで乗員の頭部の衝突エネルギを有効に吸収し、或いは、緩衝材50で吸収しきれない衝突エネルギを吸収することが出来る。従って、より確実に乗員の保護を行えるのである。
図10に示すように、第2実施形態では、緩衝材50のリブ部材(縦リブ)52のエネルギ吸収チューブ60に対向する部分(下方縁部)52aが、第1実施形態に比べて車室側に延長され、その車室側の縁部52bは、パネル部材70とほぼ同一面状に位置する高さとなっている。また、緩衝材50の下方縁部52aは、エネルギ吸収チューブ60の壁面部62aの傾斜方向に沿って延びている。より具体的には、下方縁部52aは、壁面部62aと平行に延びている。
この第3実施形態では、上述した第1実施形態に対し、ピラートリム114が比較的車幅方向外方側に位置しており、そのため、台座部材180に設けたエネルギ吸収チューブ160の形状を五角形に形成したものである。具体的には、エネルギ吸収チューブ160の壁面部162a、162c、上面部162b及び下面部部162dは、その傾斜角度などが基本的に上述した第1実施形態と同様に形成されている。そして、壁面部162bと上面部162cとの間に、傾斜面部162eが形成がされている。その傾斜面部162eは、ピラートリム114の形状に沿って延びるように形成されている。
この第3実施形態においても、第2実施形態と同様に、緩衝材150のエネルギ吸収チューブ160に対向する部分(下方縁部)152aが、壁面部162aの傾斜方向に沿って延びるように形成されている。
この第4実施形態では、エネルギ吸収チューブ260は、その断面が台形状に形成されている。その壁面部262a及び下面部部262dは、第1実施形態と同様に構成され、壁面部262cは、エネルギ吸収チューブ260自体の内側に傾斜し、それに伴い、上面部262bの幅が小さいものとなっている。一方の壁面部262aの下面部262dに対する傾斜角度は、第1実施形態と同様に10度であり、他方の壁面部262cの下面部262dに対する傾斜角度は、5度となっている。なお、各壁面部262a、262cの傾斜角度は、折曲部266を有する壁面部262aの方が、他方の壁面部262cよりも、エネルギ吸収チューブ260自体の内側により傾斜するものであれば良い。
この第5実施形態では、エネルギ吸収チューブ360は、その断面がほぼ楕円形状に形成されている。具体的には、その台座部材380に取り付けられる部分362d及びパネル部材370が取り付けられる部分362bが、平面状に形成され、他の部分362a、362cは円弧状に形成されている。衝突時には、それらの円弧状の部分362a、362cが、それぞれ全体的に変形してエネルギを吸収する。なお、この第5実施形態において、エネルギ吸収チューブ360の断面形状をほぼ円形状に形成しても良い。
また、パネル部材370の他方の側には、フランジを形成せず、その縁部は、上面部362bとの取付部から車体下方側に突出している。従って、このパネル部材370の平面部372は、その突出した部分及びフランジ374の側の部分が、共に、エネルギ吸収チューブ360の変形が進むにつれてエネルギ吸収チューブ360と接触面積が増えるよう接触し、荷重をより確実にエネルギ吸収チューブ360に分散させることが出来る。
6 第2センターピラー
10 ルーフサイドレール
12、14、16、18 ピラートリム
20 トップシーリング
30、32 ルーフレールアウタパネル、ルーフレールインナパネル
34、35、36 ルーフレールレインフォースメント34
40、42 ピラーアウタパネル、ピラーインナパネル
44、46 ピラーレインフォースメント、ピラーレインフォースメント
50 緩衝材(リブ部材)
52、54 縦リブ、横リブ
60、160、260、360 エネルギ吸収チューブ(エネルギ吸収部材)
60a、160a、260a、360a 壁面部
66、166、266、366 折曲部
70、170、270、370 パネル部材
74、76、174、274、374 フランジ部
80、180、280、380 台座部材
82 台座部材の取付面
84 台座部材のスペーサ部
S 隙間
H 乗員の頭部
Claims (9)
- 車体の一部を構成する車体構造部材に設けられた自動車の乗員保護用エネルギ吸収構造であって、
上記車体構造部材の車室側に設けられた中空のエネルギ吸収部材と、
このエネルギ吸収部材の車室側面を覆うように設けられたパネル部材とを有し、
このパネル部材は、上記エネルギ吸収部材の長手方向に沿って延びるように形成された少なくとも1つのフランジ部を有し、
上記エネルギ吸収部材は、乗員の衝突時に上記フランジ部により折り曲げられる折曲部を有することを特徴とする自動車の乗員保護用エネルギ吸収構造。 - 上記パネル部材のフランジ部は、上記エネルギ吸収部材の折曲部との間に所定の隙間が形成されるように設けられている請求項1記載の自動車の乗員保護用エネルギ吸収構造。
- 上記エネルギ吸収部材は、その車室外側部位から車室内側に延びる2つの壁面部を有し、これらの壁面部の一方が他方よりも上記エネルギ吸収部材自体の内側により傾斜して形成されている請求項1又は請求項2記載の自動車の乗員保護用エネルギ吸収構造。
- 上記エネルギ吸収部材は、ほぼ菱形の断面形状を有する筒状部材である請求項3記載の自動車の乗員保護用エネルギ吸収構造。
- 上記パネル部材のフランジ部はパネル部材の少なくとも一方の側に設けられており、上記エネルギ吸収部材の一方の壁面部にのみ上記折曲部が形成されている請求項3記載の自動車の乗員保護用エネルギ吸収構造。
- 上記パネル部材のフランジ部はパネル部材の両方の側に設けられており、パネル部材の他方の側に設けられたフランジ部は、上記エネルギ吸収部材の他方の壁面部の車室内側端部に係合するように設けられている請求項5記載の自動車の乗員保護用エネルギ吸収構造。
- 更に、上記エネルギ吸収部材の近傍において車室内外方向に延びるように設けられた衝突エネルギ吸収用のリブ部材を有し、このリブ部材の上記エネルギ吸収部材に対向する部分が、上記エネルギ吸収部材の壁面部の傾斜方向に沿って延びるように形成されている請求項3記載の自動車の乗員保護用エネルギ吸収構造。
- 更に、上記エネルギ吸収部材を上記車体構造部材に取り付けるための台座部材を有し,この台座部材が上記エネルギ吸収部材を取り付ける取付面とこの取付面から車体構造部材へ延びて車体構造部材と当接するスペーサ部を備えた請求項1乃至7の何れか1項記載の自動車の乗員保護用エネルギ吸収構造。
- 上記エネルギ吸収部材及び上記パネル部材は上記車体構造部材のうちの一部材であるセンターピラーの上部に設けられ、このセンターピラーの上部にトリムが取り付けられるようになっており、このトリムと上記パネル部材とでトップシーリングを挟み込むようになっている請求項1乃至8の何れか1項記載の自動車の乗員保護用エネルギ吸収構造。
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