JP2000219095A - 車体上部の衝撃エネルギ吸収構造及び衝撃エネルギ吸収部品 - Google Patents

車体上部の衝撃エネルギ吸収構造及び衝撃エネルギ吸収部品

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JP2000219095A
JP2000219095A JP11203714A JP20371499A JP2000219095A JP 2000219095 A JP2000219095 A JP 2000219095A JP 11203714 A JP11203714 A JP 11203714A JP 20371499 A JP20371499 A JP 20371499A JP 2000219095 A JP2000219095 A JP 2000219095A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大きさの異なるすきまが構造部材の長手方向
に存在する場合でも、企図したエネルギ吸収を達成でき
る、車体上部の衝撃エネルギ吸収構造を提供すること。 【解決手段】 長手方向へ伸びる車体の構造部材(2
0)と、この構造部材の内方に間隔をおいて配置される
内装材(22)とを備える車体上部において衝撃エネル
ギを吸収する構造は、前記間隔内に配置され、構造部材
に沿って長手方向へ伸びるエネルギ吸収材であって長手
方向に直交する仮想面における断面形状が長手方向へ実
質的に一定形状で連なるように形成されたエネルギ吸収
材(24)と、エネルギ吸収材と構造部材との間及びエ
ネルギ吸収材と内装材との間の少なくとも一方に生じた
すきま(40)を埋めるスペーサ材(42)とを備え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車の車体上部の
衝撃エネルギ吸収構造及び衝撃エネルギ吸収部品に関
し、特に、ピラー、ルーフサイドレール、ヘッダのよう
な車体の構造部材と、この構造部材の車室内方に間隔を
おいて配置されるピラーガーニッシュ、ルーフライニン
グのような内装材とを備える車体上部において前記間隔
内にエネルギ吸収材を配置して衝撃エネルギを吸収する
構造と、この衝撃エネルギ吸収構造に使用できる衝撃エ
ネルギ吸収部品とに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車、特に乗用車の車体の構造部材と
内装材との間の間隔内にエネルギ吸収材を配置し、内装
材から構造部材に向く衝撃荷重が加わったとき、前記エ
ネルギ吸収材を変形させて衝撃荷重が持つ衝撃エネルギ
を吸収させている。通常、前記エネルギ吸収材として格
子状のリブやウレタンパッド、薄い鋼板を断面がハット
状を呈するように折り曲げたものなどが使用されるが、
金属材料を押し出し成形して作った金属パイプを使用し
たり(特願平9-176594号:特開平11-5503号公報)、金
属箔の芯材と、この芯材の表裏にそれぞれ重ね合わされ
る金属以外の材料のシートとからなり、前記芯材と前記
表裏のシートとを軸線方向へ連続的に凹凸状に変形して
形成された、いわゆるハイブリッドパイプを使用したり
(特開平10-29482号公報)することもある。
【0003】金属パイプは押し出し成形によって、また
ハイブリッドパイプは成形後に必要な変形を加えること
によって、所望の断面形状のものを容易に得ることがで
きる。さらに、金属パイプの板厚を変えたり、ハイブリ
ッドパイプの凸部の外周面最外部から凹部の内周面最内
部に至る径方向の厚み、いわゆる見掛け板厚を変えた
り、隣り合って位置する凸部間(凹部間)のピッチを変
えたりすることにより、吸収すべきエネルギ特性を調整
することができる。このように、押し出し成形された金
属パイプやハイブリッドパイプのような中空材にはエネ
ルギ吸収材としての優れた性質がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、車体の構造
部材はそれが設置される場所によっては、強度的及び意
匠的要請を満たすべく3次元的な曲げ形状に形成される
ため、エネルギ吸収材をこの構造部材に忠実に沿わせて
配置することは困難な場合がある。一方、内装材は意匠
的要請を満たすことを主眼として全体的に形成されるも
のであり、構造部材の局部的な形状に合わせる必要性は
むしろ少ない。その結果、金属パイプ、ハイブリッドパ
イプ、その他の中空パイプのような、実質的に一定の断
面形状が長手方向へ連続するエネルギ吸収材を構造部材
と内装材との間の間隔内に配置すると、構造部材の長手
方向において構造部材とエネルギ吸収材との間、又はエ
ネルギ吸収材と内装材との間に大きさの異なるすきまが
生ずることがある。
【0005】エネルギ吸収材は、衝撃体の持つ衝撃荷重
が加わる当初から変形を開始し、衝撃体が所定量の変位
をしたとき、企図したエネルギ量を吸収できるものであ
ることが好ましいが、エネルギ吸収材と内装材又は構造
部材との間にすきまが存在すると、このすきまが埋めら
れるまでエネルギ吸収材は変形しない。一方、エネルギ
吸収材の所定量の変位は、衝撃体がエネルギ吸収材を変
形して移動するのを許容できる変位であり、実質的に一
定に定められる。従って、エネルギ吸収材と内装材又は
構造部材との間にすきまが存在する場合、このすきまの
大きさに相当する変位量だけ、衝撃体がエネルギ吸収材
を変形させることなく移動することから、衝撃荷重によ
るエネルギ吸収材の実際の変位量が少なくなり、エネル
ギ吸収量が少なくなる。したがって、大きさの異なるす
きまが構造部材の長手方向に存在すると、衝撃荷重が加
わる部位によってエネルギ吸収量が大きく変動する原因
となる。
【0006】本発明は、大きさの異なるすきまが構造部
材の長手方向に存在する場合でも、企図したエネルギ吸
収を達成できる、車体上部の衝撃エネルギ吸収構造を提
供する。
【0007】本発明はまた、衝撃エネルギ吸収構造に使
用できる衝撃エネルギ吸収部品を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】本発明は
長手方向へ伸びる車体の構造部材と、この構造部材の内
方に間隔をおいて配置される内装材とを備える車体上部
において衝撃エネルギを吸収する構造であって、前記間
隔内に配置され、前記構造部材に沿って長手方向へ伸び
るエネルギ吸収材であって長手方向に直交する仮想面に
おける断面形状が長手方向へ実質的に一定形状で連なる
ように形成されたエネルギ吸収材と、このエネルギ吸収
材と前記構造部材との間及び前記エネルギ吸収材と前記
内装材との間の少なくとも一方に生じたすきまを埋める
スペーサ材とを備える。
【0009】構造部材と内装材との間の間隔内にエネル
ギ吸収材とスペーサ材とを配置するが、スペーサ材は、
エネルギ吸収材と構造部材との間及びエネルギ吸収材と
内装材との間の少なくとも一方に生じたすきまを埋める
ように、すきまの大きさに応じて作ることができる。内
装材から構造部材に向く衝撃荷重が加わるとき、スペー
サ材がすきまを実質的に埋めているため、エネルギ吸収
材は衝撃荷重が加わると直ちに変形し始める。
【0010】スペーサ材がすきまを埋めているため、エ
ネルギ吸収材は衝撃荷重が加わると直ちに変形し始め、
エネルギ吸収する。すきまがある場合、内装材又はエネ
ルギ吸収材がそのすきまを埋めるまで実質的なエネルギ
吸収が行われず、エネルギ吸収の観点からすると無駄な
変位を生じていたが、本発明によれば無駄な変位が生じ
ない。これは、エネルギ吸収材が企図した全変位にわた
って変形できることであり、エネルギ吸収材による吸収
エネルギ量を構造部材の長手方向において実質的に一定
に保つことができる。
【0011】エネルギ吸収材を断面が実質的に一定形状
となるように形成できるため、エネルギ吸収材の製作に
煩雑さがない。特に、スペーサ材の形状を選定すること
により、エネルギ吸収材の形状を単純なものとすること
ができるため、エネルギ吸収材を一層簡単に製作するこ
とができる。
【0012】別の発明では、前記スペーサ材が前記エネ
ルギ吸収材と前記内装材との間のすきまを埋めており、
前記スペーサ材は前記エネルギ吸収材に対面する前記内
装材の裏面に一体成形されている。
【0013】スペーサ材が内装材の裏面に一体成形され
ているため、スペーサ材を独立した部品として作る手間
を省くことができ、部品数を減らすことができる。
【0014】さらに別の発明では、前記スペーサ材は前
記エネルギ吸収材に一体的に設けられている。
【0015】スペーサ材をエネルギ吸収材と一体にして
おき、このエネルギ吸収材を所定位置に配置することに
より、スペーサ材の配置が完了するため、スペーサ材の
組み付け時の手間を省くことができる。また、スペーサ
材は、エネルギ吸収材及び内装材から独立した部品とし
て形成されるため、その材料や形状の選定が自由であ
る。その結果、エネルギ吸収材のエネルギ吸収特性を一
層容易に調整することができる。
【0016】さらに別の発明では、前記スペーサ材はエ
ネルギ吸収可能である。
【0017】スペーサ材がエネルギ吸収可能であるた
め、スペーサ材の配置又は長さを選定することにより、
エネルギ吸収材のエネルギ吸収特性を調整することがで
きる。
【0018】さらに別の発明では、前記エネルギ吸収材
は、金属箔の芯材と、この芯材の表裏にそれぞれ重ね合
わされた金属以外の材料のシートとからなり、前記芯材
と前記シートとを軸線方向へ連続的に凹凸状に変形して
形成されたハイブリッドパイプ又は押し出し成形された
金属パイプである。
【0019】中空のエネルギ吸収材を使用するため、エ
ネルギ吸収材に加わる衝撃荷重の向きの影響が少なく、
ハイブリッドパイプの見掛け板厚若しくはピッチ、又は
金属パイプの板厚を変えてエネルギ吸収特性を容易に調
整することができる。
【0020】エネルギ吸収材がハイブリッドパイプであ
る場合、軽量である。また、芯材とシートを例えばスピ
ンドルの回りに巻き付け、凹凸を連続的に付けてハイブ
リッドパイプを作ることが可能であるため生産性がよ
く、曲げや変形加工が比較的に自由にできるため、構造
部材又は内装材に沿わせて配置することが容易である。
【0021】エネルギ吸収材が押し出し成形された金属
パイプである場合、押し出し成形により所定の断面形状
に作ることができるため生産性がよく、金属パイプであ
るため荷重の立ち上がりの急な荷重対変位のエネルギ吸
収特性を得ることができる。
【0022】本発明はまた、衝撃エネルギ吸収部品に関
する。この衝撃エネルギ吸収部品は、金属箔の芯材と、
この芯材の表裏にそれぞれ重ね合わされた金属以外の材
料のシートとからなり、前記芯材と前記シートとを軸線
方向へ連続的に凹凸状に変形して形成されたハイブリッ
ドパイプ、又は押し出し成形された金属パイプからなる
中空のエネルギ吸収材であって軸線に直交する仮想面に
おける断面形状が軸線方向へ実質的に一定形状で連なる
ように形成されたエネルギ吸収材と、このエネルギ吸収
材の所定位置に配置されるスペーサ材とからなる。
【0023】エネルギ吸収材とスペーサ材とを所定位置
に配置して適当に固定すると衝撃エネルギ吸収構造が得
られる。エネルギ吸収材とスペーサ材とは、別個に製作
し、衝撃エネルギ吸収構造を設置すべき箇所に別個に運
んでこの箇所に固定したり、エネルギ吸収材に対してス
ペーサ材が所定位置となるようにエネルギ吸収材とスペ
ーサ材とを相互に結合し、一体としたものを衝撃エネル
ギ吸収構造を設置すべき個所に運んでこの箇所に固定し
たりすることができる。
【0024】エネルギ吸収材の断面形状が実質的に一定
であるため、エネルギ吸収材を能率良く製作できる。ま
た、エネルギ吸収材とスペーサ材とを所定位置に配置
し、固定することによって簡単に衝撃エネルギ吸収構造
を得ることができる。
【0025】衝撃エネルギ吸収部品がエネルギ吸収材と
スペーサ材とからなるため、エネルギ吸収材とスペーサ
材とを別個に製作し、衝撃エネルギ吸収構造を設置すべ
き箇所に別個に運んでこの箇所に固定しようとする場合
には、構造部材と内装材との間の間隔にばらつきがあっ
ても、エネルギ吸収材とスペーサ材との相対位置を調整
することによって衝撃エネルギ吸収部品を容易に配置す
ることができる。
【0026】本発明はまた、長手方向へ伸びる車体の構
造部材と、この構造部材の内方に間隔をおいて配置され
る内装材と、前記間隔内に配置され、前記構造部材に沿
って長手方向へ伸びるエネルギ吸収材とを備える車体上
部において衝撃エネルギを吸収する構造に関する。前記
エネルギ吸収材は、金属箔の芯材と、この芯材の表裏に
それぞれ重ね合わされた金属以外の材料のシートとから
なり、前記芯材と前記シートとを軸線方向へ連続的に凹
凸状に変形して形成されたハイブリッドパイプである。
このハイブリッドパイプは、軸線に直交する断面の外周
長さが軸線方向において実質的に一定で、かつ、断面形
状が軸線方向において徐々に異なるように形成されてい
る。
【0027】ハイブリッドパイプと構造部材との間、及
びハイブリッドパイプと内装材との間にすきまが実質的
に生じないように、徐々に変形して断面形状を軸線方向
において異ならせたハイブリッドパイプを所定位置に配
置すると、ハイブリッドパイプと構造部材との間、及び
ハイブリッドパイプと内装材との間にすきまが実質的に
存在しない。
【0028】内装材から構造部材に向く衝撃荷重が加わ
るとき、ハイブリッドパイプは衝撃荷重が加わる当初か
ら圧縮変形し始め、エネルギ吸収が行われるため、効率
良く衝撃エネルギを吸収できる。
【0029】断面形状がそれぞれ異なる複数のハイブリ
ッドパイプであって個々のものの断面形状が一定である
複数のハイブリッドパイプを軸線方向で隣り合わせて構
造部材の長手方向に配置し、衝撃エネルギを吸収しよう
とする場合、隣り合って位置するハイブリッドパイプ相
互間にすきまが存在することと、断面形状が異なること
から、構造部材の長手方向におけるエネルギ吸収特性が
不連続になる。これに対して、本発明によれば、ハイブ
リッドパイプが連続した形態であることと、断面形状の
急な変化を抑えることができることから、連続的なエネ
ルギ吸収特性を得ることができる。これは、構造部材の
長手方向における任意の部位での衝撃エネルギ吸収特性
が他の部位での衝撃エネルギ吸収特性から大きく離れな
いことであり、構造部材の長手方向にわたって近似した
衝撃エネルギ吸収特性を得ることができる。
【0030】ハイブリッドパイプの軸線に直交する断面
の外周長さを軸線方向において実質的に一定に保ちつ
つ、断面形状を徐々に異ならせるものであるため、最大
の断面積を有する断面が円形の筒、つまり円筒の形態で
作ったハイブリッドパイプをフォーミング加工すること
によって断面形状を変更し、所要の断面形状を有するハ
イブリッドパイプを得ることができることから、断面形
状が徐々に異なるハイブリッドパイプを簡単に作ること
ができる。
【0031】別の発明では、前記ハイブリッドパイプ
は、軸線回りでねじられている。
【0032】ハイブリッドパイプは、軸線に交差する方
向から荷重が加わるとき軸線方向へ伸び、見掛け板厚が
変わって荷重対変位のエネルギ吸収特性が変化する。と
ころが、ハイブリッドパイプを軸線回りでねじることに
よって軸線方向への伸びに対する内部抵抗ないし粘性抵
抗が大きくなるため、荷重の立ち上がりの急なエネルギ
吸収特性を得ることができる。その結果、小さな有効変
位でより多くの衝撃エネルギを吸収できる。
【0033】別の発明では、前記構造部材は、ショルダ
ベルトのアジャスタ支持部を上下方向へ移動可能に支持
するレールを車体前後方向の中間部位に取り付けたセン
タピラーであり、前記内装材は、前記センタピラーの内
方に間隔をおいて配置されたピラーガーニッシュであ
る。そして、前記ハイブリッドパイプは、一対の中空の
エネルギ吸収部であってこれらエネルギ吸収部が相互に
連結され、前記レールをはさんだ前後の部位に配置され
た一対の中空のエネルギ吸収部を有する。
【0034】センタピラーには車体前後方向から衝撃荷
重が加わる可能性があるため、アジャスタ支持部用レー
ルの車体前後に2つのエネルギ吸収材を配置してそれぞ
れを固定しているが、2つのエネルギ吸収部を持つ1つ
のエネルギ吸収材を配置することにより、配置の際の作
業性をよくし、部品数を減らすことができる。
【0035】本発明はまた、衝撃エネルギ吸収部品に関
する。この衝撃エネルギ吸収部品は、金属箔の芯材と、
この芯材の表裏にそれぞれ重ね合わされた金属以外の材
料のシートとからなり、前記芯材と前記シートとを軸線
方向へ連続的に凹凸状に変形して形成されたハイブリッ
ドパイプからなる。このハイブリッドパイプは、軸線に
直交する断面の外周長さが軸線方向において実質的に一
定で、かつ、断面形状が軸線方向において徐々に異なる
ように形成されている。
【0036】軸線に直交する断面の外周長さが軸線方向
において実質的に一定で、かつ、断面形状が軸線方向に
おいて徐々に異なるように形成されたハイブリッドパイ
プからなる衝撃エネルギ吸収部品を所定位置に配置して
適当に固定すると衝撃エネルギ吸収構造が得られる。
【0037】最大の断面積を有する断面が円形の筒、つ
まり円筒の形態で作ったハイブリッドパイプをフォーミ
ング加工によって断面形状を変更し、所要の断面形状を
有するハイブリッドパイプを得、これを衝撃エネルギ吸
収部品とするものであり、簡単に作ることができる。
【0038】
【発明の実施の形態】衝撃エネルギ吸収構造は、断面状
態の図1及び図2と、模式的な図3とを参照すると、長
手方向Aへ伸びる車体の構造部材20と、構造部材20
の内方に間隔をおいて配置される内装材22とを備える
車体上部において前記間隔内にエネルギ吸収材24を配
置して衝撃エネルギを吸収するものである。
【0039】図示の実施例では、構造部材20はインナ
パネル26と、アウタパネル28と、補強パネル30と
を備え、各パネルのフランジを重ね合わせて接合し、閉
じ断面構造に形成したフロントピラーであり、内装材2
2はピラーガーニッシュである。
【0040】エネルギ吸収材24は中空に形成されてお
り、間隔32内に配置され、構造部材20に沿って長手
方向Aへ伸びている。構造部材20のインナパネル26
と内装材24との間の間隔32は、図1及び図2を比べ
ると分かるように、構造部材20の長手方向において異
なった大きさであるが、エネルギ吸収材24は、構造部
材20の長手方向に直交する仮想面、つまり図1及び図
2の紙面における断面形状が長手方向へ実質的に一定形
状で連なるように形成されている。すなわち、エネルギ
吸収材24は、長手方向において実質的に一定形状であ
り、かつ、間隔32のうち衝撃荷重が加わる向きにある
間隔に入ることができる最大の寸法に形成されている。
【0041】図3に示すように、フロントピラー20は
その上方の端部で、車体の前後方向へ伸びるルーフサイ
ドレール50及び車体の幅方向へ伸びるヘッダ36と接
合されており、3次元的に、つまり図示のような2次元
の曲げの他、紙面に垂直な方向へも曲げられている。そ
の結果、フロントピラー20とルーフサイドレール50
とヘッダ36とが互いに結合される結合部分34では、
図1に示すように、フロントピラー20のインナパネル
26とこの内方に配置されるピラーガーニッシュ22と
の間の間隔32が最も狭くなっている。間隔が最も狭い
箇所に適合する断面形状となるようにエネルギ吸収材2
4を全長にわたって実質的に一定形状に形成することに
より、エネルギ吸収材24は、間隔32のうち衝撃荷重
が加わる向きにある間隔に入ることができる最大の実質
的に一定形状とされている。この図1に示す部位におい
て、エネルギ吸収材24は内装材22及びインナパネル
26と接している。
【0042】図示の実施例では、エネルギ吸収材24
は、間隔32のうち一方側つまり後方側に偏って位置し
ているが、これはフロントピラー20の前方側にウイン
ドシールドガラス38があり、ウインドシールドガラス
38の近傍ではピラーガーニッシュ22からフロントピ
ラー20に向けて衝撃荷重が加わりにくいことによる。
このように、エネルギ吸収材24は、それが配置される
場所において加わる可能性がある衝撃荷重の向きを考慮
して最適な配置場所と形状とを選定する。
【0043】エネルギ吸収材24を前述のように形成す
ると、結合部分34から離れた部位では図2に示すよう
に、エネルギ吸収材24とピラーガーニッシュ22との
間にすきま40が生ずることとなるが、本発明ではこの
すきま40にスペーサ材42を配置してすきま40を埋
めている。スペーサ材42は、それ自体がエネルギ吸収
できるものであっても、またエネルギ吸収できないもの
であってもよい。スペーサ材42は、構造部材20に沿
ってその長手方向へ伸びており、断面形状は結合部分3
4に向けて次第に小さくなっている。しかし、スペーサ
材42はすきまの全てを埋める必要はない。長手方向に
おいて複数のスペーサ材42が間隔をおいて隣り合って
位置していても、そのスペーサ材間の間隔が内装材22
にぶつかる丸みを帯びた衝撃体の大きさと比べて小さい
とき、長手方向おけるスペーサ材間の間隔の存在は問題
とならない。
【0044】スペーサ材42がエネルギ吸収可能である
場合、スペーサ材42は、エネルギ吸収材24に対面す
る内装材22の裏面に一体成形された樹脂リブとするこ
とができる。すなわち、内装材22はABS樹脂のよう
な硬質樹脂を射出成形して作られるところ、内装材22
を成形するとき1又は複数の縦リブと複数の横リブとが
適当な間隔をおくように樹脂リブを成形することによ
り、スペーサ材42を別途形成する手間を省くことがで
きる。この場合、縦リブ及び横リブの板厚や高さなどを
適当に選定し、エネルギ吸収材24の荷重対変位のエネ
ルギ吸収特性を調整するようにする。例えば、縦リブ及
び横リブの高さを1−2mm程度に定め、衝撃荷重が加わ
ったときまずエネルギ吸収材24を圧縮変形させ、エネ
ルギ吸収材24が十分に圧縮変形した後、樹脂リブが座
屈又はせん断するように定めておけば、エネルギ吸収材
24によるエネルギ吸収量に加えて、樹脂リブによるエ
ネルギ吸収量を得ることができる。
【0045】スペーサ材42がエネルギ吸収しないもの
である場合、スペーサ材42によっていわゆる底づき現
象が発生しないように、エネルギ吸収材24の変位を定
める。すなわち、内装材22からスペーサ材42を経て
エネルギ吸収材24に衝撃荷重が加わるとき、エネルギ
吸収材24が圧縮変形するが、エネルギ吸収材24が十
分に圧縮変形したとき、必要なエネルギ吸収が完了する
ように変位量を定めておくことが好ましい。
【0046】前記実施例では、エネルギ吸収材24と内
装材22との間に生じたすきま40をスペーサ材42に
よって埋めているが、エネルギ吸収材24が配置される
場所によっては、エネルギ吸収材24と構造部材20と
の間にすきまが生ずることもあるため、その場合にはエ
ネルギ吸収材24と構造部材20との間のすきまをスペ
ーサ材で埋めるようにする。また、エネルギ吸収材24
と構造部材20との間のすきまと、エネルギ吸収材24
と内装材22との間のすきまとの両方をスペーサ材で埋
めることもできる。この場合、2つのすきまのうち大き
な方のすきまをスペーサ材で埋めるだけでも効果が得ら
れる。
【0047】荷重F対変位Sのエネルギ吸収特性を示す
図4を参照すると、図1に示した部位に衝撃荷重が加わ
ったとき、エネルギ吸収材24は衝撃荷重が加わった初
期から圧縮変形し始めるため、反力荷重は実線Bとな
る。図2に示した部位に衝撃荷重が加わったとき、スペ
ーサ材42と内装材22又はスペーサ材42とエネルギ
吸収材24との間に残っているわずかなすきまの影響
で、エネルギ吸収材24が圧縮変形し始めるのがわずか
に遅れるため、反力荷重は一点鎖線Cのようになる。そ
して、エネルギ吸収材24が十分に圧縮変形した後、ス
ペーサ材である樹脂リブがせん断又は座屈するため、C
1のように減少する。これに対して、図2に示した部位
にスペーサ材が存在しない場合には二点鎖線Dのよう
に、内装材22がエネルギ吸収材24に接触するまで反
力荷重はD1のように低い。内装材22がエネルギ吸収
材24と接触し、エネルギ吸収材24が圧縮変形をし始
めると、反力荷重はD2となり、最終的には底付き現象
D3の発生となる。底付き現象が発生するのは、エネル
ギ吸収が十分に行われないことによる。
【0048】断面状態の図5ないし図7と、模式的な図
8とに示した衝撃エネルギ吸収構造は、長手方向A′へ
伸びる車体の構造部材50と、構造部材50の内方に間
隔をおいて配置される内装材52とを備える車体上部に
おいて前記間隔内にエネルギ吸収材54を配置して衝撃
エネルギを吸収するものである。
【0049】図示の実施例では、構造部材50はインナ
パネル56と、アウタパネル58と、補強パネル60と
を備え、各パネルのフランジを重ね合わせて接合し、閉
じ断面構造に形成したルーフサイドレールであり、内装
材52はルーフライニングである。
【0050】エネルギ吸収材54は中空に形成されてお
り、間隔62内に配置され、構造部材50に沿って長手
方向A′へ伸びている。構造部材50のインナパネル5
6と内装材54との間の間隔62は、図5ないし図7を
比べると分かるように、構造部材50の長手方向におい
て異なった大きさであるが、エネルギ吸収材54は、構
造部材50の長手方向に直交する仮想面、つまり図5な
いし図7の紙面における断面形状が長手方向へ実質的に
一定形状で連なるように形成されている。
【0051】図8に示すように、ルーフサイドレール5
0はその前方の端部で、車体の幅方向へ伸びるヘッダ3
6及び斜めに立ち上がっているフロントピラー20と接
合され、後方の端部へ向けて凸状に曲がり、さらに紙面
に垂直な方向へも曲がり、3次元的に曲げられている。
その結果、ルーフサイドレール50とフロントピラー2
0とヘッダ36とが互いに結合される結合部分34で
は、図5に示すように、ルーフサイドレール50のイン
ナパネル56とこの内方に配置されるルーフライニング
52との間の間隔62が最も狭くなっている。間隔が最
も狭い箇所に適合する断面形状となるようにエネルギ吸
収材54を全長にわたって実質的に一定形状に形成する
ことにより、エネルギ吸収材54は間隔62に入る断面
形状となる。
【0052】エネルギ吸収材54を前述のように形成す
ると、結合部分34から離れた部位では図6に示すよう
に、エネルギ吸収材54とルーフライニング52との間
にすきま64が、またエネルギ吸収材54とルーフサイ
ドレール50のインナパネル56との間にすきま66が
生ずることとなる。さらに、図7に示すように、エネル
ギ吸収材54とルーフサイドレール50のインナパネル
56との間にすきま68が生ずることとなる。本発明で
はすきま64,66,68にそれぞれスペーサ材70,
72,74を配置して各すきま64,66,68を埋め
ている。スペーサ材70,72,74は、それ自体がエ
ネルギ吸収できるものであっても、またエネルギ吸収で
きないものであってもよい。スペーサ材70は、構造部
材50に沿ってその長手方向の後方へ伸びており、断面
形状は後方へ向けて次第に小さくなっている。一方、ス
ペーサ材72はスペーサ材74に向けて伸び、断面形状
はスペーサ材72と比べてほぼ同じかわずかに大きくな
っている。スペーサ材70はすきまの全てを埋める必要
はなく、またスペーサ材72とスペーサ材74とは1つ
のスペーサ材を連続して形成したものでも、別個に形成
したものでもよい。長手方向において複数のスペーサ材
が間隔をおいて隣り合って位置していても、前述のよう
に、そのスペーサ材間の間隔が内装材52にぶつかる丸
みを帯びた衝撃体の大きさと比べて小さいとき、長手方
向おけるスペーサ材間の間隔の存在は問題とならない。
【0053】スペーサ材70,72,74がエネルギ吸
収可能である場合、スペーサ材70は前記実施例と同様
に、エネルギ吸収材54に対面する内装材52の裏面に
一体成形された樹脂リブとすることができる。さらに、
スペーサ材70,72,74はエネルギ吸収材54に予
め一体的に設けたエネルギ吸収可能な樹脂リブまたは発
泡体とすることができる。
【0054】斜視状態の図9を参照すると、エネルギ吸
収材54の外周に樹脂リブ80がはめ込まれている。樹
脂リブ80は1つの縦リブ82と、複数の横リブ84と
からなり、エネルギ吸収材54とは別個に成形された
後、エネルギ吸収材54にはめて一体としたものであ
る。すきま64,66,68の大きさは設計段階で分か
っているため、このすきま内に入るように縦リブ82及
び横リブ84の高さhを定め、さらに適当なエネルギ吸
収ができるように板厚dを定めて樹脂リブ80を成形す
る。樹脂リブ80に代えて、ウレタンフォームのような
発泡体をエネルギ吸収材54に貼り付けることもでき
る。
【0055】荷重F対変位Sのエネルギ吸収特性を示す
図10を参照すると、図5に示した部位に衝撃荷重が加
わったとき、エネルギ吸収材54は衝撃荷重が加わった
初期から圧縮変形し始めるため、反力荷重は実線Bとな
る。図6に示した部位に衝撃荷重が加わったとき、スペ
ーサ材70と内装材52又はスペーサ材72と構造部材
50との間に残っているわずかなすきまの影響で、エネ
ルギ吸収材54が圧縮変形し始めるのがわずかに遅れる
ため、反力荷重は一点鎖線Cのようになる。そして、エ
ネルギ吸収材54が十分に圧縮変形した後、スペーサ材
である樹脂リブがせん断又は座屈するため、C1のよう
に減少する。これは、図7に示した部位に衝撃荷重が加
わったときも実質的に同じである。これに対して、図6
に示した部位にスペーサ材が存在しない場合には破線E
に示すように、内装材52がエネルギ吸収材54に接触
するまで反力荷重はE1のように低い。内装材52がエ
ネルギ吸収材54と接触し、エネルギ吸収材54が圧縮
変形をし始めると、反力荷重はE2となり、最終的には
底付き現象E3の発生となる。エネルギ吸収材54が金
属パイプである場合、エネルギ吸収材54が圧縮される
とき、B,C,Eの荷重の立ち上がりとなるが、図6の
部位における中空のエネルギ吸収材及びスペーサ材を全
て樹脂製とした場合、Fのような緩やかな立ち上がりと
なる。
【0056】荷重F対変位Sのエネルギ吸収特性を示す
図11を参照すると、図6の部位に衝撃荷重が加わった
とき、スペーサ材70,72がある場合には一点鎖線C
となり、スペーサ材がない場合には破線Eとなるため、
ハッチングを入れた面積Gに相当するエネルギ吸収量を
スペーサ材70,72を配置したことにより得ることが
でき、結局、エネルギ吸収効率を高めることができる。
さらに、スペーサ材70,72を配置することにより反
力荷重のピーク値間の差Pだけピーク値を下げることが
できる。
【0057】前述のエネルギ吸収材24は、斜視状態の
図12に示すように、押し出し成形された金属パイプと
することができる。金属パイプは、所定の中空断面90
や所定の形状92を備えるように、アルミニウム若しく
はマグネシウム又はその合金で作ることができる。エネ
ルギ吸収材54も同様に押し出し成形された金属パイプ
とすることができる。
【0058】さらに、エネルギ吸収材24,54は、斜
視状態の図13と、断面状態の図14とに示すように、
ハイブリッドパイプ100とすることができる。ハイブ
リッドパイプ100は金属箔の芯材102と、この芯材
102の表裏にそれぞれ重ね合わされて固着された金属
以外の材料のシート104とからなり、芯材102とシ
ート104とを軸線方向へ連続的に凹部106と凸部1
08とを持つように変形して形成されている。芯材10
2は硬質のアルミニウム箔、ステンレス箔又はマグネシ
ウム合金箔のうちから選定でき、シート104はクラフ
ト紙又は樹脂である。芯材102は、板厚が0.05mm以上
で幅が30mm以上とし、シート104は、板厚が0.2mm以
上で幅が30mm以上とする。図13では凹凸状の変形はら
旋状となっている。これに代えて、1つの凹部106が
周方向で連なり、この1つの凹部106に隣り合わせて
それぞれ独立した2つの凸部108が周方向で連なる、
いわゆる波状とすることもできる。
【0059】軸線に直交する断面形状が軸線方向へ実質
的に一定形状で連なるように形成されたエネルギ吸収材
と、このエネルギ吸収材の所定位置に配置されるスペー
サ材とから衝撃エネルギ吸収部品を作ることができる。
すなわち、図1及び図2に示したエネルギ吸収材24と
スペーサ材42とによって図4のB,Cの特性を持つ衝
撃エネルギ吸収部品を作ることができる。さらに、図5
ないし図7に示したエネルギ吸収材54とスペーサ材7
0,72,74とによって図10のB,Cの特性を持つ
衝撃エネルギ吸収部品を作ることができる。エネルギ吸
収材は、図12の押し出し成形された金属パイプ、又は
図13のハイブリッドパイプとすることができる。
【0060】斜視状態の図15ないし図19は、長手方
向へ伸びる車体の構造部材と、この構造部材の内方に間
隔をおいて配置される内装材と、前記間隔内に配置さ
れ、前記構造部材に沿って長手方向へ伸びるエネルギ吸
収材とを備える車体上部において衝撃エネルギを吸収す
る構造の別の実施例を示している。
【0061】この実施例では、エネルギ吸収材は、金属
箔の芯材と、この芯材の表裏にそれぞれ重ね合わされた
金属以外の材料のシートとからなり、前記芯材と前記シ
ートとを軸線方向へ連続的に凹凸状に変形して形成され
た、図13及び図14のようなハイブリッドパイプから
なるが、このハイブリッドパイプは、軸線に直交する断
面の外周長さが軸線方向において実質的に一定で、か
つ、断面形状が軸線方向において徐々に異なるように形
成されている。
【0062】図15はフロントピラー120用のエネル
ギ吸収材122である。エネルギ吸収材122は、下方
の端面においてA1,B1,C1,D1,E1の五角形
の断面形状であったものが、上方の中間部位ではA2,
B2,C2,D2,E2の四角形に近い五角形となり、
さらに上方の中間部位ではA3,B3,C3,D3,E
3,F1の六角形となり、上方の端面においてA4,B
4,C4,D4,E4,F2の六角形となっている。
【0063】図16はセンタピラー124用のエネルギ
吸収材126である。エネルギ吸収材126は、下方の
端面においてA1,B1,C1,D1,E1,F1,G
1の略コ字状の七角形であったものが、中間部位におい
ても七角形を保っているが各辺の寸法が異なっており、
上方の端面においてA2,B2,C2,D2,E2,F
2,G2の略コ字状の七角形となっているが各辺の寸法
が異なっている。
【0064】図17はクォータピラー128用のエネル
ギ吸収材130である。エネルギ吸収材130は、上方
の端面においてA1,B1,C1,D1,E1の五角形
であったものが、中間部位ではA2,B2,C2,D
2,E2の五角形を保っているが各辺の寸法が異なって
おり、下方の端面においてA3,B3,D3,E3の四
角形となっている。
【0065】図18はルーフサイドレール132用のエ
ネルギ吸収材134である。エネルギ吸収材134は、
前方の端面においてA1,B1,C1,D1,E1,F
1の六角形であったものが、中間の部位においてA2,
B2,D2,E2,F2の五角形となり、後方の端面に
おいてA3,B3,D3,E3の四角形となっている。
【0066】図15ないし図18に示したエネルギ吸収
材122,126,130,134は、軸線に直交する
断面の外周長さが実質的に一定に保たれており、それぞ
れの軸線方向において断面形状が徐々に異なるように作
られている。これは、まず円筒状のハイブリッドパイプ
を作った後、図13の四角筒状のハイブリッドパイプと
し、その後、フォーミング加工して軸線方向における断
面形状を徐々に異ならせたものである。
【0067】軸線方向において断面形状が異なるハイブ
リッドパイプ140は、斜視状態の図20に示すように
軸線回りでねじられた形態とすることができる。図示の
ハイブリッドパイプ140は、ねじりピッチPを有す
る。このねじりピッチPは、ねじり角度(1端面に対し
て他端面がねじられた角度)を一定としたときのハイブ
リッドパイプの2端面間の長さであり、ここではハイブ
リッドパイプの全長を用いている。ねじりピッチPを変
えることによりエネルギ吸収特性を調整することができ
る。図21の荷重F対変位Sのエネルギ吸収特性を参照
すると、ねじりのないもの142と比べてねじりのある
もの144,146,148は荷重の立ち上がりが急と
なっている。ここで、ねじりピッチPの長さは、14
4,146,148の順で小さくなっている。さらに、
ねじりピッチPの長さが短くなるほど、つまり単位長さ
当たりのねじり量が大きいほど、荷重の立ち上がりが急
となり、変位が小さくなっていることが分かる。
【0068】図16の詳細を示した断面状態の図22
と、斜視状態の図23とを参照すると、シートベルトに
おけるショルダベルト150のアジャスタ支持部152
を上下方向へ移動可能に支持するレール154を車体前
後方向の中間部位に取り付けたセンタピラー156と、
センタピラー156の内方に間隔をおいて配置されるピ
ラーガーニッシュ158と、前記間隔内に配置され、セ
ンタピラー156に沿って上下方向へ伸びるエネルギ吸
収材160とを備える車体上部において衝撃エネルギを
吸収する構造が示されている。アジャスタ支持部152
やレール154は、それ自体公知のもので、図示しない
アジャスタのボタンを押しながらアジャスタ支持部15
2を上下方向へ移動させ、ショルダベルト150を適正
な位置にもたらすことができる。また、エネルギ吸収材
160は図16のエネルギ吸収材126と実質的に同じ
形状である。
【0069】センタピラー156は、アウタパネル16
2とインナパネル164とからなり、それぞれのフラン
ジを接合して水平の断面形状が閉じ構造を呈するように
形成されている。
【0070】エネルギ吸収材160はハイブリッドパイ
プであって一対の中空のエネルギ吸収部166,167
を有する。一対の中空のエネルギ吸収部166,167
は相互に連結され、レール154をはさんだ前後の部位
に配置されている。エネルギ吸収材160は、図16に
示したエネルギ吸収材126と実質的に同じ形態であ
る。一対のエネルギ吸収部166,167は狭い中空を
形成する連結部168,169を介して連結されてお
り、エネルギ吸収部166がレール154の前方に、エ
ネルギ吸収部167がレール154の後方に位置してい
る。
【0071】センタピラー156のインナパネル164
は一般面170から凹まされた、レール154を収容す
る凹部171を有するが、エネルギ吸収材160の連結
部169は凹部171を外れた上下の一般面170と接
触している。そこで、エネルギ吸収材160の連結部1
68,169とインナパネルの一般面170とにタッピ
ングねじをねじ込んでエネルギ吸収材160をセンタピ
ラー156に取り付けるか、又はエネルギ吸収材160
をピラーガーニッシュ158に取り付けて使用する。
【0072】図15ないし図22に示したエネルギ吸収
材122,126,130,134,140,160
は、それ自体で衝撃エネルギ吸収部品となり、この衝撃
エネルギ吸収部品を所定位置に配置して取り付けること
により、衝撃エネルギ吸収構造を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車体上部の衝撃エネルギ吸収構造
の実施例を示す断面図で、図3の1−1線に沿って切断
し拡大したものである。
【図2】本発明に係る車体上部の衝撃エネルギ吸収構造
の実施例を示す断面図で、図3の2−2線に沿って切断
し拡大したものである。
【図3】本発明に係る車体上部の衝撃エネルギ吸収構造
を適用できる車体の一部を示す模式図である。
【図4】荷重対変位のエネルギ吸収特性図である。
【図5】本発明に係る車体上部の衝撃エネルギ吸収構造
の別の実施例を示す断面図で、図8の5−5線に沿って
切断し拡大したものである。
【図6】本発明に係る車体上部の衝撃エネルギ吸収構造
の別の実施例を示す断面図で、図8の6−6線に沿って
切断し拡大したものである。
【図7】本発明に係る車体上部の衝撃エネルギ吸収構造
の別の実施例を示す断面図で、図8の7−7線に沿って
切断し拡大したものである。
【図8】本発明に係る車体上部の衝撃エネルギ吸収構造
を適用できる車体の一部を示す模式図である。
【図9】エネルギ吸収材の一部を示す斜視図である。
【図10】荷重対変位のエネルギ吸収特性図である。
【図11】本発明の作用及び効果を示す荷重対変位のエ
ネルギ吸収特性図である。
【図12】本発明に係る車体上部の衝撃エネルギ吸収構
造に使用できる金属パイプの一部を示す斜視図である。
【図13】本発明に係る車体上部の衝撃エネルギ吸収構
造に使用できるハイブリッドパイプの一部を示す斜視図
である。
【図14】図13の14−14線で切断した拡大断面図
である。
【図15】本発明に係る車体上部の衝撃エネルギ吸収構
造に使用するハイブリッドパイプの斜視図で、フロント
ピラー用である。
【図16】本発明に係る車体上部の衝撃エネルギ吸収構
造に使用するハイブリッドパイプの斜視図で、センタピ
ラー用である。
【図17】本発明に係る車体上部の衝撃エネルギ吸収構
造に使用するハイブリッドパイプの斜視図で、クォータ
ピラー用である。
【図18】本発明に係る車体上部の衝撃エネルギ吸収構
造に使用するハイブリッドパイプの斜視図で、ルーフサ
イドレール用である。
【図19】本発明に係る車体上部の衝撃エネルギ吸収構
造を適用できる車体の斜視図である。
【図20】本発明に係る車体上部の衝撃エネルギ吸収構
造に使用できるハイブリッドパイプの一部を示す斜視図
である。
【図21】荷重対変位のエネルギ吸収特性図である。
【図22】図16に示したハイブリッドパイプを取り付
けたセンタピラーの水平断面図である。
【図23】ベルトアジャスタ支持部とベルトとを示す斜
視図で、エネルギ吸収材を省いて示してある。
【符号の説明】
20,50,120,124,128,156 構造部
材 22,52,158 内装材 24,54,100,122,126,130,134
エネルギ吸収材 140,160 エネルギ吸収材 32,62 間隔 40,64,66,68 すきま 42,70,72,74 スペーサ材

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長手方向へ伸びる車体の構造部材と、こ
    の構造部材の内方に間隔をおいて配置される内装材とを
    備える車体上部において衝撃エネルギを吸収する構造で
    あって、 前記間隔内に配置され、前記構造部材に沿って長手方向
    へ伸びるエネルギ吸収材であって長手方向に直交する仮
    想面における断面形状が長手方向へ実質的に一定形状で
    連なるように形成されたエネルギ吸収材と、 このエネルギ吸収材と前記構造部材との間及び前記エネ
    ルギ吸収材と前記内装材との間の少なくとも一方に生じ
    たすきまを埋めるスペーサ材とを備える、車体上部の衝
    撃エネルギ吸収構造。
  2. 【請求項2】 前記スペーサ材は、前記エネルギ吸収材
    と前記内装材との間のすきまを埋めており、かつ、前記
    エネルギ吸収材に対面する前記内装材の裏面に一体成形
    されている、請求項1に記載の車体上部の衝撃エネルギ
    吸収構造。
  3. 【請求項3】 前記スペーサ材は前記エネルギ吸収材に
    一体的に設けられている、請求項1に記載の車体上部の
    衝撃エネルギ吸収構造。
  4. 【請求項4】 前記スペーサ材はエネルギ吸収可能であ
    る、請求項2又は3に記載の車体上部の衝撃エネルギ吸
    収構造。
  5. 【請求項5】 前記エネルギ吸収材は、金属箔の芯材
    と、この芯材の表裏にそれぞれ重ね合わされた金属以外
    の材料のシートとからなり、前記芯材と前記シートとを
    軸線方向へ連続的に凹凸状に変形して形成されたハイブ
    リッドパイプ又は押し出し成形された金属パイプであ
    る、請求項1ないし4のいずれかに記載の車体上部の衝
    撃エネルギ吸収構造。
  6. 【請求項6】 金属箔の芯材と、この芯材の表裏にそれ
    ぞれ重ね合わされた金属以外の材料のシートとからな
    り、前記芯材と前記シートとを軸線方向へ連続的に凹凸
    状に変形して形成されたハイブリッドパイプ、又は押し
    出し成形された金属パイプからなる中空のエネルギ吸収
    材であって軸線に直交する仮想面における断面形状が軸
    線方向へ実質的に一定形状で連なるように形成されたエ
    ネルギ吸収材と、 このエネルギ吸収材の所定位置に配置されるスペーサ材
    とからなる、衝撃エネルギ吸収部品。
  7. 【請求項7】 長手方向へ伸びる車体の構造部材と、こ
    の構造部材の内方に間隔をおいて配置される内装材と、
    前記間隔内に配置され、前記構造部材に沿って長手方向
    へ伸びるエネルギ吸収材とを備える車体上部において衝
    撃エネルギを吸収する構造であって、 前記エネルギ吸収材は、金属箔の芯材と、この芯材の表
    裏にそれぞれ重ね合わされた金属以外の材料のシートと
    からなり、前記芯材と前記シートとを軸線方向へ連続的
    に凹凸状に変形して形成された中空のハイブリッドパイ
    プであり、このハイブリッドパイプは、軸線に直交する
    断面の外周長さが軸線方向において実質的に一定であ
    り、かつ、断面形状が軸線方向において徐々に異なるよ
    うに形成された、車体上部の衝撃エネルギ吸収構造。
  8. 【請求項8】 前記ハイブリッドパイプは軸線回りでね
    じられている、請求項7に記載の車体上部の衝撃エネル
    ギ吸収構造。
  9. 【請求項9】 前記構造部材は、ショルダベルトのアジ
    ャスタ支持部を上下方向へ移動可能に支持するレールを
    車体前後方向の中間部位に取り付けたセンタピラーであ
    り、前記内装材は、前記センタピラーの内方に間隔をお
    いて配置されたピラーガーニッシュであり、前記ハイブ
    リッドパイプは、一対の中空のエネルギ吸収部であって
    これらエネルギ吸収部が相互に連結され、前記レールを
    はさんだ前後の部位に配置された一対の中空のエネルギ
    吸収部を有する、請求項7に記載の車体上部の衝撃エネ
    ルギ吸収構造。
  10. 【請求項10】 金属箔の芯材と、この芯材の表裏にそ
    れぞれ重ね合わされた金属以外の材料のシートとからな
    り、前記芯材と前記シートとを軸線方向へ連続的に凹凸
    状に変形して形成された中空のハイブリッドパイプから
    なり、このハイブリッドパイプは、軸線に直交する断面
    の外周長さが軸線方向において実質的に一定であり、か
    つ、断面形状が軸線方向において徐々に異なるように形
    成された、衝撃エネルギ吸収部品。
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